Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2011/04/29
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カテゴリ: カクテルブック
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135. ジャマイカラムコクテール【注161】


 ジャマイカ・ラム  一オンス    ガムシロップ   二振り
 オレンジビタ    一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注161】 「ジャマイカラムコクテール」は、現時点では、前田氏の本も含め日本国内の文献にのみ見られるカクテル。ラムと言えばジャマイカ産ラムに代表されていた1920年当時の日本では、こうした名前のカクテルが生まれるのも自然だったのであろう。

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136. ピンポンコクテール【注162】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 スロー・ジン   二分の一オンス   伊太利ベルモット  二分の一オンス
 キュラソー    三振り       アンゴスチュラビタ 一振り
 アブサン     一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを入れ、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注162】 「ピンポンコクテール」は、1900~1910年頃には欧米のバーですでに定着していたカクテルで、ハリー・マッケルホーンのカクテルブック(1919年刊)など数々の文献にも登場しているが、マッケルホーンのレシピは、スロー・ジン2分の1、クレーム・イヴェット(Cr?me Yvette=ヴィオレット・リキュールのこと)2分の1、レモンジュース1tspで、前田氏のレシピとかなり異なっている。
 なお、マッケルホーンの本は「このカクテルは米国セントルイスの「ブロークン・ハート・カフェ」のバーテンダー、ジェームズ・バネットが1903年に考案した」と伝える。

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137. ピユーリタンコクテール【注163】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ジン       二分の一オンス   フレンチベルモット  二分の一オンス
 シャートリユーズ 少量        オレンジビタ     二振り
 ガムシロップ   一振り

 を加え、最もよくセークしたる後、コクテールグラスに注ぎ、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注163】 「ピユーリタン(Puritan)コクテール」は、1910~20年代には欧米ですでに飲まれていたカクテルだが、紹介している文献は意外と少ない。欧米の標準レシピは、ジン45ml、ドライベルモット10ml、シャルトリューズ・イエロー5ml、オレンジ・ビターズ1dashで、前田氏のレシピはやや甘口のものとなっている。

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138. ビジユーコクテール【注164】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 プリマウス・ジン  三分の一オンス   伊太利ベルモット  三分の一オンス
 グリーン・シャートリユーズ 三分の一オンス
 オレンジビタ  一振り    アブサン  一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオリーブ、或いはマラスチノー・チェリーの一個を入れ、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注164】 「ビジューコクテール」は、1900~1910年頃から欧米ですでにバーで飲まれていた初期の代表的な古典的カクテルの一つ。ハリー・マッケルホーンの本やサヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場している。前田氏が紹介するレシピは、アブサンを加える点以外、当時の欧米のレシピとほぼ同じである。

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139. モーニングコクテール【注165】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ブランデー  二分の一オンス   フレンチベルモット  二分の一オンス
 キュラソー  一振り       マラスチノー     一振り
 オレンジビタ 一振り       アブサン       一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを入れ、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注165】 「モーニングコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的カクテルの一つ。前田氏のレシピは、サヴォイがシェイク・スタイルである点以外は、ほぼ同じである。

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140. モンキーグランドコクテール【注166】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ドライジン  二分の一オンス    オレンジジュース  二分の一オンス
 グレナデン  テースプーン一杯   アブサン      テースプーン一杯

 を加え、最もよくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。

【注166】 「モンキーグランドコクテール」は、ハリー・マッケルホーンの本やサヴォイ・カクテルブックにも登場する代表的な古典的カクテルの一つ。「モンキー・グランド(猿の腺)」という奇妙な名前の由来は不詳。前田氏のレシピは、標準的なレシピ(ジン3分の2、オレンジジュース3分の1、ベネディクティン、グレナディン・シロップ各3dash)と比べるとやや甘口となっている。なお、ステアでつくるレシピもある。

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141. セリーコクテール【注167】

 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に、ゴールドン・セリー一オンス、キュラソー  三振りを加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオレンジ皮の小片を搾り込んですすめる。

【注167】 「セリーコクテール」は、もちろん「シェリー・カクテル」のこと。サヴォイ・カクテルブックにも登場するが、レシピはシェリー(グラス1杯)、ドライベルモット、オレンジ・ビターズ各4dashで、前田氏のとは異なっている(レシピ中、「ゴールドン・セリー」は、「116.サンプリンスコクテール」の【注133】をご参照)。

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142. スチンゲルコクテール【注168】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 オールド・ブランデー  三分の二オンス   ピパーミント  三分の一オンス

 を加え、最もよくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。

【注168】 「スチンゲルコクテール」は、現代の表記ならば「スティンガー」。1890年代に米国で誕生したと伝わり、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックでも紹介されている古典的カクテルの一つだが、マッケルホーンのレシピはコニャックとミント・リキュール各2分の1で、前田氏のとは分量比が異なっている。

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143. スターコクテール【注169】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 アップルジャック・ブランデー  二分の一オンス 
 フレンチベルモット       二分の一オンス
 オレンジビタ  二振り   オレンジキュラソー  一振り

 を加え、バースプーンにてよく撹き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオリーブを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注169】 「スターコクテール」は、ハリー・マッケルホーンの本にも同名のカクテルが紹介されているが、レシピはジン2分の1、カルバドス2分の1、ドライベルモット、スイートベルモット、グレープフルーツ・ジュース各1tspとなっており、前田氏のとはまったく違う。前田氏と同じレシピは1963年刊の「NBAカクテルブック」にも見られる(前田氏のオリジナルかどうかは不詳)。

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144. スパニッシュコクテール【注170】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 伊太利ベルモット  一オンス   アンゴスチュラビタ  二振り

を加え、最もよくセークし、レモン皮の一片を搾った汁にて内面を濡らしたるコクテールグラスに注ぎ、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注170】 「スパニッシュ(Spanish)コクテール」は、1910~20年代から欧米ではすでに飲まれていたカクテル。前田氏のレシピは、ステアでなくシェイク・スタイルであること以外、当時の欧米レシピとほぼ同じである。



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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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