ほんやく☆こんにゃく

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ちゃしー

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November 27, 2008
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カテゴリ: 翻訳
トライアリストの課題を訳していて、昨日も今日も



うわ、やなやつが出てきた

わたしはもうずっと前から「typically」が苦手です。
どういう日本語にしたらいいのか、わかったことが一度もないから。

「typically」を辞書で引くと、
 ・典型的に
 ・一般的に
 ・通常は

 (「例によって」「概して」というのも書いてありますが、
 そのことばを使うにはあまりにも場違いな英文にしか
 出会ったことがないので、ここでは無視します)

3つあるけど、どれもしっくりこない。

まず「典型的に」。
これは副詞なので、形容子または動子を修飾することばです。
でも、このことばは名子しか修飾できないと思うのです。

「典型的」というのは、なにか誰もが納得するような
「型」があって、まるでそれみたいだ、という意味で
使われることばだと思います。
したがって、「典型的」のあとにくることばは意味の上では

だから、「典型的に」として後に形容子や動子をもってくるのは
おかしいと思うのです(ただし受身ならOK)。

例を挙げると、
 ・二人は典型的に議論している
 ・あのゲームは典型的におもしろい


後に名子がくる「典型的な」なら、いくらでもあり得ます。
 ・二人は典型的な議論をしている
 ・あのゲームのおもしろさは典型的だ
  (名子と典型的の位置が入れ替わっていますが、よしとします)

この「典型的な」という訳語、
  「typical」が「典型的な」だから、じゃあ
  「typically」は「典型的に」でいいや。
というかんじでてきとーに作られたものじゃないのかな、と思いました。
(辞書に載っているマイナーな副詞って、そういう訳語多いですよね

そして「一般的に」「通常は」。
この2つも、あまり使いたくないと思っていました。今日までは。
なぜかというと、「一般的に」「通常は」なんて言ったって、
書いた人にとっての「一般」「通常」と読む人にとってのそれとが
一致しないと使えない。しかも、一致することなんて
滅多にない、と思っていたから。

そもそも「一般」「通常」ということばを使うときには、
その対象が属する母集団がはっきりしていること、その母集団が
ある一定の概念を共有していることが必要だと思います。
その基盤があってこそ、「一般」「通常」がどういうものか、
そのことばを見た(読んだ)だけで理解できるのです。

そこまで考えて、はっと気づきました。
医薬翻訳では、書いた人と読む人は同じ母集団に属すると
考えていいのではないか。
どちらもその文章のテーマに関する専門家なのだから。


わたしは「書いた人」を自分にすり替えていたのだろうと
思います。だから、自分がよく知らない分野で「一般」という
ことばを使えなかった。

でも、わたしはただの翻訳者なのだから、わたしがその「一般」の
内容を理解する必要はありませんよね。
わたしの役目は内容を理解することではなく、英文の
内容を過不足のない日本語にすること。
(その過程で理解が必要になるときも少なからずあるのでしょうけれど)

「英文を書いた人の立場から訳文を構成する」
わかっているつもりでしたが、まだまだ理解が浅かったようです。


長年(といっても、数年かな)悩みの種だった「typically」から、
いい勉強をさせてもらいました。
ありがとう


~最後に一言~
今日書いた内容は、お風呂に入りながらぼーっと考えたものなので
あちこちボロがあるかもしれません。
ボロを見つけた方、指摘していただけるとうれしいです☆


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Last updated  November 28, 2008 12:22:58 AM
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