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新旧混然の港町駅から旧市街に足を一歩踏み出すと、薄汚れた街並みやクラクションの音で、「別の国に来たのか」という錯覚に陥ります。もともとエネルギッシュな国が好きなので、かえってエキサイティングで、心地よく感じましたが。これに対して、サンタルチアに代表される新市街は、大型ホテルが立ち並び、高級リゾートの様相を呈しています。丘の上から眺める風光明媚な景色には、新旧双方の街並みが含まれ、混然一体としたこの街の魅力を端的に表している気がしました。人気blogランキングへ>(2006.2.2)
2006.11.11
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美しい塔の街幾重にも連なるゆるやかな丘。そして丘の上に立つ古ぼけた教会と農家--。最寄り駅から町に向かうバスからの眺めは、まさにトスカーナのイメージそのものでした。城壁に囲まれた町は中世から時を止めたままで、いやが応でも旅情が高まりました。最盛期には73を数えた美しい塔も、現在は14まで減ってしまいましたが、塔の上から眺めるのどかな田園風景は、この町の価値を今後も保ち続ける気がしました。人気blogランキングへ>(2006.2.1)
2006.11.10
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中東の香りがする町思いのほかアルベロベッロが小粒だったので、世界遺産をもう1カ所回って帳尻を合わせようと、私鉄で2時間以上かけてマテーラに移動しました。洞窟住居は駅から2キロほど離れ、重いリュックを背負って歩くのは正直つらかったですね。でも、丘に連なるエキゾチックな住居群に入った途端に血が騒ぎ始めました。大好きな中東の雰囲気が漂っていたからです。夕暮れの中、ひと気のない坂道を歩くと、聖書の世界に迷い込んだ気がして、「当初行く予定だったエルサレムもきっとこんな雰囲気なんだろうな」と感慨にふけりました。帰りに買った絵はがきを見て驚いたのですが、ここはキリストの最後を描いたメル・ギブソン監督の映画「パッション」の撮影が行われたそうです。映画人の目から見ても、中東の香りがする町なんですね。人気blogランキングへ>(2006.1.31)
2006.11.08
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イタリア版白川郷ヴェネツィア、フィレンツェを堪能し、いよいよ今回の旅の隠れたテーマ「列車で縦横無尽に世界遺産めぐり」に突入です。フィレンツェから夜行列車と私鉄を乗り継いで訪れたのが、南イタリアのアルベロベッロ。初めて見るとんがり屋根の集落は不思議な雰囲気。でも、なぜか新鮮な印象は受けませんでした。どこかで見たことあるような・・・。その理由は、立ち寄った土産物屋のおばさんのひとことで分かりました。「このあいだ日本に行ったよ。東京、大阪、白川郷。白川郷はこの町と姉妹提携してるんだよ」。事実関係は確認してませんが、お互いとんがり屋根がトレードマーク。引き合うものがあっても不思議ではありませんね。集落はくまなく見て歩いても30分ほど。全体を見渡せるポイントも見当たらず、時間に余裕があれば行ってみてもいい。そんな感想です。人気blogランキングへ>(2006.1.31)
2006.11.07
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ブログ仕掛かり中この建物は一体? なぜ花柄のベッドが・・・。きょうは仕事で遅かったのであすお伝えします。人気blogランキングへ>(2006.1.30)
2006.11.06
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大聖堂の目テレビや雑誌で「行ってみたい世界遺産」の上位にランクされるこの街も、行く前にはほとんど興味がありませんでした。写真で見る赤茶けて整然とした街並みが、なんとも面白みに欠けて地味な感じで・・・。でも実際に歩いてみると、そんな先入観はあっという間に消え去ってしまいました。この街に到着したのは午後6時前。すでに暗くなっていたので徒歩でホテルに直行し、荷物を置いて街に繰り出しました。石造りの重厚な建物が整然と続く街並みは、細い路地が交錯するヴェネツィアよりはるかに洗練され、かぐわしい花の香りが漂ってきそうな色気さえ感じました。極めつけは大聖堂。巨大で独特の幾何学模様がほどこされた建物は威厳にあふれ、タコの目のような窓はこの街を静かに見守っているかのようでした。ところで、ヴェネツィアからの移動にイタリア版新幹線、イーエススターを利用しました。高級ブランドを多数輩出するデザイン先進国イタリアの列車とあって、期待値はかなり高かったのですが、実際に乗ってみると、外観、内装ともそれほどスタイリッシュな印象は受けませんでした。新幹線に代表されるように、工業デザインでは日本の方が一歩リードかなと、ちょっと愛国心がくすぐられました。 人気blogランキングへ>(2006.1.29)
2006.11.05
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きらびやかな世界たとえおいしいイタリア料理でも、何日か続くとちょっと食傷気味になってしまいますね。ということで、きょうは口直しに純和風?にしてみました。11月4日は一の酉。家からほど近い神社に酉の市の観察に出かけました。実はこれまで一度も酉の市を見たことがなく、初体験です。商売繁盛を祈願した後、露店でくま手を買って帰ることは知ってましたが、売られているのがこんなにきらびやかだとは驚きました。商品というより伝統芸術ですね。人気blogランキングへ>
2006.11.04
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アドリア海に浮かぶ「教会」訪れた街では、できるだけ高い所を探して登るようにしています。街の全体像が把握でき、より親しみを感じることができるからです。ヴェネツィアで目を付けたのは、教会が海に浮かんでいるようにも見えるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島の鐘楼です。島までは水上バスで5分ほど。教会に入って奥に進むと、鐘楼に上るエレベーターの入り口があります。入り口の前でしばらく待つと、しかめっ面した神父が1人。集まった観光客から3ユーロずつ集めてエレベーターで最上階に。観光客が降りるとまた次のグループを乗せるため下に。まるでエレベーターガールのように働く聖職者に敬意を払わざるを得ませんでした。鐘楼から眺める景色は格別。蛇行するいくつもの運河が独特の景観をつくりだしています。特にバロック建築の傑作、白い丸いドームの聖堂がひときわ目をひきます。あまりの美しさにこの場からなかなか離れることができませんでした。その間にも、くだんの神父は、いくつものグループを上へ下へと運んでいました。人気blogランキングへ>(2006.1.29)
2006.10.31
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思いがけず絵になる風景ホテルはまったくの期待外れ。1泊1万円ほどの中級でしたが、狭さは日本のカプセルホテル級。いたたまれず、荷物だけ置いてすぐに街に繰り出しました。見所を探し歩くとやはり道に迷ってしまいました。迷い具合は半端ではなく、すねの部分が痛くなるほどです。でも、思いがけず絵になる風景に出会ったりして、それはそれで楽しいんですね、この街は--。ところで、先日どんなものか思ってブログランキングに登録してみました。「参加してます!ポチッとよろしく」なんてアピールするのも気恥ずかしくて、さりげなくマークだけにしたつもりですが、みなさんポチッとしてくださっているようで、きょう25位まで上がっていました。正直驚きです。ご支援ほんとうにありがとうございます。人気blogランキングへ>(2006.1.28)
2006.10.30
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水の都はまるで迷路水上バスを降りたのはサン・マルコ広場。ヴェネツィア観光の拠点です。広場は思い描いていたより小規模で地味。食べ物を持ち歩き、ハトの大群に囲まれて絶叫している人が大勢いるのには笑ってしまいました。この街で困ったのは、道が迷路のように入り組んでいること。もともと地図を見るのは得意でしたが、この街の手にかかるとそんな自信も吹き飛んでしまいます。予約していたホテルに向かっているはずが、行けども行けども到着せず、しまいには水上バスに乗った場所に逆戻りしてしまいました。気を取り直し、地図と道とを丁寧に照らし合わせてホテルにようやく到着。サン・マルコ広場で船を降りてから3時間たっていました。人気blogランキングへ>(2006.1.28)
2006.10.30
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いきなり運河めぐり午後6時過ぎに仕事を切り上げ、そそくさと成田空港へ。女性乗務員の香水のにおいが漂うエールフランスで、パリを経由しヴェネツィアに入りました。驚いたのは、国際空港にも関わらず入国審査が一切ないこと。飛行機を降り構内をずんずん歩いていくと、知らないうちに外にでていました。この空港からテロリストが入国しなければいいけど・・・。路線バスで街の入り口まで行くと、あとは徒歩か水上乗り合いバス。中心部が車の進入禁止になっているためで、ほかの乗客とともに水上バスに乗り込みました。ヴェネツィアにひとりで来ることに少し気恥ずかしさを感じていましたが、さっそくの運河めぐりに、男ながらロマンチックな気分にひたってしまいました。人気blogランキングへ>(2006.1.27-28)
2006.10.30
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絵だと思って見てください近くの55ステーションだと即日フィルムからCD-Rに書き込みできることが分かり、早速注文してきました。ただ、画素数はヨドバシカメラの300万に対し150万。デジカメで撮影したものより画質が数段落ち、写真というより絵画になってしまいました。どなたか対処方法をご存知でしたら教えてください。さて、イタリアを旅行したのは今年1月27日から2月9日。自民党大勝となった9.11衆院選取材で夏休み返上となり、代わりにリフレッシュ休暇を使って長めの冬休みです。当初はシリアとイスラエルを検討したのですが、報道関係を理由にシリアのビザが下りず断念。その後、以前にテレビで見たアマルフィ海岸の風景が頭をよぎり、何となくイタリアに決めました。先進国を旅行するのは事実上初めて。これまで「年をとってから」とうそぶいていた自分を納得させるため、鉄道で縦横無尽にまわり、いかに多くの世界遺産を見ることができるかを隠れたテーマにしました。人気blogランキングへ>
2006.10.29
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唐突ですが・・・石川島播磨重工業の造船ドック跡地に今月できたばかりの大型商業施設に行ってきました。テナントは、日本初進出となるキッザニア東京以外にこれといって見るべきものはなく、再開発が進む豊洲地区住民の普段使いにはいいのかもしれません。気になったのは館内の構造。賑わいを演出する意図なのかもしれませんが、不規則に並んだエスカレーターやフロアが三角形のテナントなど落ち着きのないつくりで、しばらくいると目が回る感じがしました。その中でも特筆すべきは、当時のドックを生かした屋外テラス。海と夕日を見ながら過ごすことができる、都心部では珍しいロケーションです。人気blogランキングへ>
2006.10.29
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ネタ切れ目前ブログを始めて20日余り。最初の壁にぶちあたってしまいました。そろそろ気に入った写真がなくなってしまうのです。きょうから2月に訪問したイタリア編に移るつもりでしたが、撮った写真はすべてフィルム。新宿西口のヨドバシカメラで聞いたら、フィルムをスキャンしてデジタル化するのに来週木曜までかかると言われてしまいました。イランとトルコでどこまで間をもたせることができるか、腕の見せどころです。さて、イスタンブールで気になったのはLRT(トラム)の存在。十数年前にはひたすら街中を歩いた記憶があるのですが、今回はLRTがあるので楽ちん、楽ちん。国際空港から中心市街地までも地下鉄とLRTを乗り継いで40分ほどで着きます。ネットで調べてみると、導入されたのは1989年。深刻な大気汚染を解消するのが狙いです。不思議だったのは、古い街並みに近代的な車両が違和感なく溶け込んでいること。1000年にわたって首都として栄えてきたイスタンブールの包容力を見せつけられました。人気blogランキングへ>
2006.09.23
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美しさと商魂イスタンブールといえば、異国情緒あふれる風景とモスクのまわりに集積するじゅうたん店。十数年前には、到着から3日もたたないうちにじゅうたん1枚。その1週間後にキリム1枚を買いました。店主の巧みな話術に乗せられて・・・。金額は覚えてませんが、学生にとってはそれなりの額だったと思います。でも、持ち帰って分かりました。日本の家屋にトルコじゅうたんはまったく似合わないということが。大人になったせいか、今回はじゅうたん売りに声をかけられることもなく街中を歩いていましたが、最後にやはりつかまってしまいました。街中で知り合った男性に連れてこられていたのは、各国大使館お抱えの高級じゅうたん店。店を出るまで1時間。店主との激しい駆け引きの末、どうにかじゅうたんを買わずにこの街を去ることができました。美しいバラにはとげがある。美しい街にはくせがある--。人気blogランキングへ>
2006.09.23
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1枚の写真への憧憬海辺からの雑然とした街並みとモスク--。私が思い描くイスタンブールのイメージです。学生時代に同室の留学生が飾っていた写真と同じ景色を求めて、2度目の訪問となりました。13日間でイランを1周しトルコを横断する強行軍で、滞在は1日に限られましたが、この景色を見ることができて、「無理したかいはあったな」とつくづく思いました。この日があいにく雨だったのは残念でしたが・・・人気blogランキングへ>
2006.09.23
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ローマへの橋ネムルト・ダアを小ぶりにした墓に次いで、4番目に訪れたのがジェンデレ橋。遺跡保護のため車止めの柱が立っているにも関わらず、ミニバスが橋を渡ったのには驚きました。運転手はジョージ・クルーニー似のちょっと野性派。よりよい景色を見せようと、親切心で対岸に渡ってくれたようでした。ユーフラテス川の支流、ジェンデレ川にかかるこの橋は、200年ごろローマ皇帝のために建設されました。人気blogランキングへ>
2006.09.22
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砦と美しい渓谷ツアーにはネムルト・ダア以外に近郊の5カ所が含まれていました。山頂で時間を費やしてしまったため、1カ所目は「ここはいいよね」と運転手がこちらの意向も聞かず素通り。2カ所目は断崖の上にひなびた砦が残る美しい渓谷でした。日本のガイドブックに紹介されず、名前も分からない場所ですが、欧米の旅行者には有名らしく、夏場には水遊びを楽しむ人で賑わうということです。荒涼とした大地の中でここだけは川に沿って木々が生い茂り、ほっと肩の力が抜ける心地いい光景でした。
2006.09.22
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光と影の世界ネムルト・ダアには東側と西側にそれぞれ5体ずつの神像があります。太陽に照らされ朱色に輝く東に対し、西は影に包まれた静寂の世界。不規則に並んだ頭像は、角度によって様々な表情を見せます。時間を忘れて眺めていると、遠くから携帯電話を持ったおじさんが歩いてきました。電話に出ると、駐車場で待っていたミニバスの運転手が「いつまで待たせるんだ!」。あたりを見渡すと、団体旅行者はすでに下山して山頂にいるのは私だけ。静寂の世界から運転手が待つ現実の世界へとゆっくりと歩いて戻りました。
2006.09.22
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山頂が朱からピンクに太陽がのぼるにつれ、背後の山頂部分と巨大な石像が、朱から薄いピンクへと徐々に色を変えていきました。山頂は、紀元前1世紀にこの地を治めた王を悼み、こぶし大の石を積み上げて造られた墳墓だといわれています。王を見守るゼウス、アポロン、ヘラクレスなど5体の神像は、地震で首だけが転げ落ち、現在の姿になりました。立ち入り禁止の鎖の内側に横一列に並べられた頭像は、ミステリアスというよりユーモラスで、墳墓を借景にした屋外美術館のようでもありました。
2006.09.22
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8000円の朝日午前6時、地平線を覆う雲の切れ間から太陽が顔を出し、待ちわびた団体旅行者から歓声がわき上がりました。トルコ東部のネムルト山は標高2000メートル超。山頂に頭像が並ぶミステリアスな世界遺産、ネムルトダーゥがあることで知られています。公共交通機関がないため、個人旅行者は近郊の町から未明に出発するミニバスツアーに参加する必要があります。料金は1台8000円ほど。これを参加人数で割る仕組みです。夏場の観光シーズンから外れてはいたものの、なぜかその日は私を除いて参加者ゼロ。18人乗りのミニバスに一人ゆられて山頂に来ました。前日には14人の参加者がいたにも関わらず・・・。雲を朱色に染めながらのぼる朝日は8000円也。じっくりじっくり味わいました。
2006.09.22
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アナトリアの息をのむ光景車窓から眺めていると、息をのむ光景に出会うことってありますよね。イランとの国境に近いドウバヤズットからミニバスで2時間半、アナトリア東部のワン湖に沈む夕日を見たときもそうでした。ワン湖は昔から巨大生物がすんでいるという話もある広大な湖です。湖に浮かぶアクダマル島には古いアルメニア教会があり、アナトリア地方を紹介するポスターでもよく目にする風光明媚なところです。本当は1泊するつもりだったんですが、残された時間が少なくなってきたので、車窓から楽しむだけにしました。バスの乗客がみな夕日に見とれている中、隣に座っていた地元のお年寄りが、私に「どうだきれいだろう」と誇らしげな表情をみせたのが印象的でした。人気blogランキングへ>
2006.09.20
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アララットを眺めながら陸路で国境を越えるっていいですよね。「旅してる」って実感があって。タブリーズから乗り合いタクシーで4時間近く(値段は7ドル)。アララット山が見えてくると、間もなく国境の町、バザルガンに着きます。アララットはノアの箱舟が漂着したとされる山で、大アララットと小アララットの2つからなります。学生時代に同じ国境越えをしたことがあり、アララットが見えた瞬間、自分の旅の原点に出会った感じがして胸がきゅんと締め付けられました。町から国境までは歩いて20分ほど。雄大なアララットを眺めながら歩く至福の時間でした。
2006.09.20
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生死と向き合うインドやネパールのガートなど人が葬られる場所に来ると、宗教や生死と向き合わざるを得ない神妙な気持ちになります。50年ほど前まで鳥葬が行われていた沈黙の塔でも同じ心境になりました。この町はゾロアスター教(拝火教)の教徒が今なお大勢暮らすことで知られ、教会には1500年以上前から聖火が絶えることなくともされています。教徒は火、水、土を神聖なものと考え、これを汚す火葬や土葬を避けるため、鳥葬という方法を生み出しました。誰もいない鳥葬の塔に上り、信仰を追求する人間の純粋さに思いをはせると、涙がでそうな気持ちになりました。
2006.09.18
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理想の安宿「きょうはとても充実した1日だった。いいホテルに泊まると、こんなにも気持ちが変わるものなのだろうか?」――。ついついこんな一文を日記に書いてしまいたくなる理想的なホテルを見つけました。噴水のある中庭を取り囲むように配置された客室。伝統様式をふんだんに取り入れ、異国情緒あふれる内装。それでいて設備は新しく、料金もシングルで約1700円と手頃でした。ホテルに着いたのは午前1時前。バムからバスに8時間以上揺られてへとへとになった身には、まさにオアシスのような存在でした。小さなエントランスを入ると、客室の明かりはすべて消え、中はシンと静まり返っていましたが、幸運にも高齢のスタッフ1人が真夜中の突然の来訪者に気付いてくれ、部屋の鍵を開けて泊めてくれることになりました。「チェックインの手続きも朝でいいよ」と気遣ってくれて、スタッフのホスピタリティを感じました。
2006.09.18
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国内線で移動の予定が・・・イランの国土は日本の4.5倍。効率よく旅行するには国内線の利用が欠かせません。しかし、現地の夏休みシーズンの後半戦にあたり、どの路線も予約が一杯で、やむをえず長距離バスでの移動になりました。主要都市間をひんぱんに結び、料金もたとえば400キロ以上離れたテヘラン・イスファハン間で480円と格安。会社によっては飲み物やスナックなどのサービスもあり、そこそこ快適に過ごすことができます。ただ、主要な観光地まではそれぞれ7、8時間ほどかかり、うまく夜行を組み合わせないと、旅行のほとんどが移動だけで終わることになりかねません。
2006.09.17
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崩壊しても威容誇る城塞ペルセポリスの拠点となるシーラーズからバスを乗り継いで13時間。イラン南西部の町、バムに来ました。2003年の死者数万人にのぼる大地震で崩壊し、その後、急きょ世界遺産の危機遺産リストに登録された遺跡、アルゲ・バムがあることで知られています。それにしてもこの町は暑い。40度はあるだろうか。高い城壁に囲まれた遺跡は、元々自由に見て回ることができたらしいのですが、現在はさらなる崩壊の危険があるため、仮設の通路に沿ってしか見学することができません。ただ、警備は厳重でなく、復旧作業にあたる工事関係者ものんびり昼寝してたりするので、ちょっとわき道にそれたり、立ち入り禁止の場所をのぞいてみたりと、それなりに自由に見学できます。私はついつい調子に乗っていろんな所に入り込み、最後に警備員から注意を受けましたが・・・。 地震からの完全復興にはほど遠く、町全体に寂しい雰囲気が漂ってはいますが、スケールの大きな遺跡を前にして、「壊れる前はどんなに素晴らしかったんだろう」と想像しながら、夢中にシャッターを切りました。現地で修復にあたるテクニカル・ディレクターによると、アルゲ・バムの修復には少なくとも15年はかかるということです。
2006.09.17
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王朝最初の都「なんかキュロスに心奪われちゃった」--。ペルセポリスから車で1時間。アケメネス王朝の創始者、キュロス大王が眠るパサルガダエを見終わった女子大生の言葉に、男ながら深く共感してしまいました。キュロスは、支配下の民族に慈悲深い政策をとり、旧約聖書で救世主(メシア)と呼ばれました。後にアレクサンダー大王が墓と莫大な財宝を発見した際、キュロスが残した言葉に目が止まりました。「財宝は好きにすればいい。その代わり土や水は汚さないでほしい」自然を慈しむ言葉に感銘を受け、アレクサンダーは財宝に手を付けず、都を去ったといわれています。質素でも威厳のある墓は、キュロスの人柄を表しているようでした。補修工事で足場が組まれているのは残念でしたが・・・。人気blogランキングへ>
2006.09.16
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王朝の栄華を刻むレリーフ首都テヘランから890キロ。これまで何度も頭に思い浮かべながら見送ってきたペルセポリスにようやくたどり着きました。ペルセポリスは、「ペルシャ人の都」というギリシア語が語源で、アケメネス王朝のダレイオス大王が建設に着手しました。行政上の首都とは別に、即位式や宗教儀式を行うためにつくられた宮殿で、全体がレリーフや彫像で装飾されています。ダレイオス1世は、征服した民族の言語、宗教、慣習を認めたため、目立った反乱は起きず、政治の安定が保たれたということです。レリーフにはさまざまな民族が貢ぎ物を献上する様子が精緻に描かれ、帝国の栄華と版図をいまに伝えています。
2006.09.16
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イランの偉人真っ青な空と乾いた空気、そして大きな岩山--。数年前に初めてヨルダンのペトラを見たときに似た、胸の高鳴りがありました。ここはペルセポリスへ向かう途中に立ち寄ったナグシェ・ロスタムと呼ばれるところです。アケメネス王朝の全盛期を築き、ペルセポリスの建設にあたったダレイオス大王(在位前522~前486年)が眠っています。同行したのは東京外語大ペルシャ語学科で学ぶ女子大生2人と超美形の日本語ガイド、ペガーさん。朝食時に知り合った2人から「日本人とイラン人のハーフのガイドさんに案内してもらう」という話を聞き、相乗りさせてもらうことにしました。西はエジプトから東はインダス川までの大帝国を築いたイランの偉人について語るペガーさんの言葉は熱く、イラン人の彼に対する愛着と誇りをひしひしと感じました。 人気blogランキングへ>
2006.09.16
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ケバブにはいつも出会えるけど・・・イランを旅行してちょっともの足りないのが、食事のバリエーションに欠けること。どの町に行っても、しっかり食事したい時にはケバブ、軽く済ませたい時にはサンドイッチ、ピザ、ハンバーガーにありつけるのですが、それ以外の料理となると探すのはなかなか困難です。そんな中、ペルセポリスの帰り道、とてもおいしい家庭料理店に立ち寄りました。おすすめは、さまざまな煮込み料理。香辛料をたっぷり使ってナス、牛肉、ハーブなどがじっくりと煮込まれています。チーズとハーブをのせて食べるパンも、素朴な味でおいしい。案内してくれた超美形の日本語ガイド、ペガーさんによると、「イラン人の多くは、ママの味が一番。他人が作った煮込み料理をあえて食べようとは思わない」。味にそれほどの違いがでないケバブ料理店が町のそこかしこにあり、家庭料理店が観光地以外に見当たらない理由は、そこにあるようです。ちなみに値段は1人530円ほど。イランにしてはちょっと高めの設定でした。
2006.09.16
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ギョッとする美的センス海外を旅行していると美的センスの違いに驚かされることってないですか?イランの洋品店で見たくどいまでの量のマネキンにはさすがにギョッとしました。時折、歩道の真ん中を占拠しているマネキンもいて、誰か立ち話でもしているのかと、ついつい道を譲ってしまったこともありました。本当はこの勇姿をアップで撮れればよかったんでしょうが、これだけの量があるとどうも薄気味悪くて、遠目から撮るので精一杯でした。不思議なことにマネキンは常に男性で、男性優位のイスラム社会の一端を垣間見た気もしました。
2006.09.15
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豪奢な旅の記憶今回は自分の足跡をたどる旅でもありました。十数年ぶりに訪れたイマーム広場は、記憶以上に広く、穏やかな雰囲気が漂っていました。精緻な幾何学模様がほどこされたモスクはやはり美しく、世界遺産にふさわしい壮麗なたたずまいをみせていました。十数年前のイランは、外貨不足からか闇両替が発達し、ドルが公定レートの20倍ほどで取り引きされていました。つまり、銀行ではなく道ばたで両替すれば、物価が20分の1になるという仕組みです。学生の身でありながら、この町の格式ある最高級ホテルに1000円ほどで泊まり、レストランで高いものから順に注文して食べる豪華な旅ができました。そのホテルは外国の要人も宿泊する最高級ホテルとしていまだ健在です。当時と違うのは、闇両替がなくなり、自分にとってこのホテルが高嶺の花になっているということでした。
2006.09.14
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世界の半分同じ場所でも夜になると、また違った表情を見せます。気温が高いせいか、日中には人影がまばらなイマーム広場も、夜になると家族や友人などと弁当を広げて楽しげに語らう地元の人たちでにぎわいます。ライトアップされたモスクは幻想的で、イスラム建築の造形美をあらためて感じさせます。この夜景をどうにかおさめようと、三脚を持ち合わせていない私は、広場中をくまなく歩き、ちょうどいいベンチにカメラを置いて夢中でシャッターを切りました。夜景を眺め続けること2時間近く。 かつてこの町の栄華をたたえた「世界の半分」という言葉も、あながち誇張ではないという気がしました。
2006.09.14
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十数年ぶり再訪例年通り夏休みに有給休暇を加えて、あすから13日間ひとり旅に出てきます。社内のみんながこれほど長期の休みをとっているわけではないですが、何年間もこうしたことを続けると、職場の年中行事というか既得権みたいになるようです。目的地は主にイラン。学生時代に一度行ったことはあるのですが、その時にペルセポリスを見逃したので、十数年ぶりに訪れることにしました。数年前にヨルダンのペトラを見て感動し、いわゆる中東の3P(ペトラ、パルミラ、ペルセポリス)を制覇しようというもくろみがあるのも理由のひとつです。 頭を悩ませる目的地選び短い期間と金銭的な制約がある中で、毎年頭を悩ませるのがどこに行くかということ。学生時代からの「北米や欧州は年をとってから行けばいい」という考えはいまだ衰えず、かといって当時のようにアジアや中南米諸国を何カ月もかけてじっくり回るわけにもいかない。2週間前後でそれなりにエキサイティングな経験ができそうな国を選ぶのはなかなか難しい。今回思いついたのは、青蔵鉄道で行くチベット、ペルー、イエメン、イランの4カ所。新聞各紙によると、今年7月に開通したばかりの青蔵鉄道は、チケット入手でトラブルが相次いでいるらしく早々に断念。ペルーも希望する期間の北米路線が行き帰りともにキャンセル待ちでボツに。その結果、イエメンとイランの二者択一になり、何となく「大きな遺跡が見たいな」という理由でイランに決めました。ただ、イランだけだともの足りないので、陸路で国境を越えてトルコに入り、イスタンブールから日本に戻るというおまけを付けました。
2006.09.11
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