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共著で出した本がまた増刷になるようで、その分の印税が入りました。ま、印税ったって、5千円弱程度のものなんですが。でも、収入は収入ですからね。 しかし、この本、意外に売れるんだなあ。意外にと言ったら共著者の方々に失礼ですけど、忘れた頃に増刷されるので、少しずつでも着実に売れていることが判ります。 「本と言うのは、偶然では3刷はされない」というのが出版業界のあるあるでありまして、勢いで2刷まで行く本は多いけど、3刷まで行く本は少ない、という意味。それだけ、この世界にロングセラーが少ない、ということですな。その意味では、この本はまあ、偶然ではない力を持った本ということになるのかな。 ということで、わずかな印税ですけれども、明日は何かお祝いでもしようかな。しゃれおつなカフェにでも、家内とケーキでも食べに行きましょうかね。【楽天ブックスならいつでも送料無料】アメリカ文化史入門 [ 亀井俊介 ]価格:3,024円(税込、送料込)
August 31, 2015
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柔道の野村忠宏選手、ついに現役引退ですか・・・。 オリンピック三連覇、もうこれ以上ない戦績を挙げて、それでもまだ四度目の金メダルを目指して四十歳まで現役を続けたというのは、もうそれだけで感動ものですな。現役トップの練習なんて、凄まじいわけでしょ。それを満身創痍の身体でやり続けたというのだから。ほんと、お疲れ様です。 それにしても、スポーツ選手ってのは、いつか「引退」がありますからね。いつ、どの時点で引退するかってのは、それぞれの選手にとってすごく大きな意味を持つのでしょうな。 でまた、引退した後どうするか、ってのも、かなり重要な決定になってくるよね! 野村さん、どうするんだろう。後進の指導を目指すのか。それとも、いっそ柔道とは別の世界に行くのか。その場合、どこへ? タレント? 政治家? まあ、野村さんほどの知名度があれば、引く手あまたでしょうけど。 だけど、私としては、一度、八光流の世界を覗きに来て欲しいな! 柔道と柔術、おなじ「やわら」ではありますが、相手を倒しに行く柔道に対して、八光流柔術は護身道なので、攻めてくる相手に対して身を守るだけ。 だけど、「相手を攻める」というのは、要するに自らバランスを崩しているわけで、むしろそこが弱点。八光流はそこを攻めることで相手を倒してしまう。 そういう、柔道とはまるでコンセプトが異なる「やわら」の世界があるということを知れば、また別な世界が広がると思うのですが。 ま、それはさておき、偉大なる柔道家・野村忠宏さんの今後の進路に、私も注目することにいたしましょう。
August 30, 2015
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ちょいと必要があって、今日は私が所有している池田満寿夫本のコレクションの在庫確認をしていたのですが、まあ、我ながらよくも集めたもので。 っていうか、コレクションが多いということは、それだけ沢山の本を池田満寿夫が生涯のうちに書き残したわけであり、それが第一、すごいことであります。まあ、彼は芥川賞作家ですから、文の人であるには違いないけれども、本業は版画家ですからね。その本業の方でも人並みはずれた業績を残した上での、これだけの著作物ですからね。 それで、買った本はほとんど読んでいるのですけれども、中にはまだ読んでなかった本もある。 そうなると、在庫確認しながら、そういう未読の本にぶつかるとつい読んでしまうもので。 その中でもちょっとびっくりしたのは『池田満寿夫・資料』という本。なにげに買ったので気付かなかったですけど、奥付を見るとこの本、330部の限定出版で、私の持っているのはその160番目の本。 でまたその内容がすごくて、1960年代後半における池田満寿夫の版画の値段の相場であったり、19歳の時の無名の満寿夫が美術雑誌に投稿した記事が集められていたり、相当ディープかつ無鉄砲な編集ぶりで、奇書ですよ、奇書。 あと、私が持っている満寿夫本コレクションの中に、相当数のサイン本がある、というのも、あらためて確認して、ちょっとニンマリ。中には満寿夫ではなく、奥さんの佐藤陽子さんのサインがあったりして、ああ、もうこの時は満寿夫は亡くなっていたんだなと、ちょっとシンミリ。 というわけでニンマリしたりシンミリしたりしながら、満寿夫の本を整理していたわけですよ。 ま、何でそんなことをしていたか、というのは・・・内緒! まあ、私のことですから、よからぬことを考えていることは確かなのですが。 とにかく、古本好きにとって、コレクションというのは見果てぬ夢。私にとって満寿夫本コレクションは、今後もまだまだ続いて行く予定なのであります。
August 29, 2015
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先日、タモリさんの名を冠したヨットレースが人気グループ・嵐の宮城コンサートとかぶって中止となった、というのがネットのニュースで流れていましたが、そうそう、嵐って怖いんだよね。 嵐のおかげで中止になるものってヨットレースに限らず、学会もそう。義兄から聞いた話では、義兄が所属する医学系の学会が全国大会を開く予定にしていたところ、後から嵐のコンサートが入ったらしく、その都市のみならず周辺の都市の宿泊施設が全部嵐ファンに持って行かれて、結局、日程をずらさざるを得なかったとか。 いや~、嵐人気ってのはものすごいんだな。 だから、学会にとっても、嵐は怖い存在なのよ。私の所属するアメリカ文学会とか英文学会だって、万が一、全国大会の日程が嵐のコンサートの日程とぶつかったら大変だ。1年かけて立てた計画が全部ぶっ飛びますからね。 そういう意味で、「台風情報」みたいな感じで、「嵐注意報」というのを出して欲しい。「○月○日、嵐が○○方面に向かうので、そちらで学会を行なう予定の方たちは、日程をずらすか、あるいは早目に宿を取るなどの対策が必要です」みたいな。 注意報を出す主体は・・・やっぱり気象庁かなあ・・・? さて、今日の私はウィリアム・W・アトキンソンの『引き寄せの法則』という本を読んでおりました。 アトキンソンは1862年生れだから、私よりほぼ100歳ほどお兄さん。ニューソート系のライターではあるのですが、これがまた妙なことに、この人はヨガの研究者なんですよね。引き寄せとヨガ。妙なところで妙なもの同士がくっついたものでございます。これでまた「ヨガ系自己啓発」というジャンルの研究もしなくちゃならなくなりましたなあ・・・。 ところで、この本に書いてあることは、まあ、さほど特筆すべきことはなくて、いつもながらの「念じたことは実現する」系の自己啓発本なんですけど、一つ面白いのは、この人と日本の関係です。 というのは、この人の影響を受けた中に、中村天風という人がいるんですな。中村天風は、頭山満あたりの息のかかった人で、アメリカで引き寄せを学び、日本に帰国する途中、ヒマラヤでヨガを学んだ人。多分、日本におけるヨガの最初期の紹介者なんじゃないでしょうか。で、その後、統一哲医学会(後の天風会)を創設、日本の政財界に大いなる影響を与えたと。作家の宇野千代さんなんかも天風の影響を受けた一人なんだとか。 ちなみに、テニスの松岡修造大先生なんかも中村天風の影響を受けているようですから、ニューソート系ポジティヴ・シンキングの流れは、ついに「修造カレンダー」を通じ、2015年の日本人に日々影響を与え続けているとも言えましょう。 ってなわけで、一体、自己啓発の世界はどこまで広がり、我々の生活のどこまで入りこんでいるのか、底知れぬものを感じている私なのであります。【楽天ブックスならいつでも送料無料】引き寄せの法則 [ ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン ]価格:1,188円(税込、送料込)【楽天ブックスならいつでも送料無料】中村天風の生きる手本 [ 宇野千代 ]価格:575円(税込、送料込)
August 28, 2015
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昨夜、レイトショーで『ミッションインポッシブル ローグ・ネイション』を観てきました~! もう、トム最高! 以下、ネタバレ注意ということで。 今テレビCMなどで話題のあの「上昇する飛行機しがみつきシーン」は、何と本作の冒頭のシーン。他の映画だったらほぼクライマックスシーンとなるべきド迫力のシーンを、ほんのアペリティフ代わりに使うというところからして、トムのエンターテイメントに賭ける意気込みのすごさが伝わって参ります。 で、そのシーンで悪党から大量の殺戮兵器を奪ったトム・・・じゃなくてイーサン・ハントですが、イーサンの見るところ、どうもこのところの世界各地でのテロや政変に「シンジケート」と仮称される組織が係わっているらしく、今回の兵器ももう少しでこのシンジケートに渡るところだった。 それどころか、IMFのスパイ手口を熟知しているらしいシンジケートの罠にはまったイーサンは、シンジケートに捕えられ、あやうく拷問されかれるという。しかし、この危機はシンジケートの有能なスパイの一人らしい美女イルサによって逃れることが出来た。 で、この経験からシンジケートの首領がレーンという人物であることを突き止めたイーサンは、さらにエンジン回転上げてシンジケート潰滅に力を入れようと思っていたのですが、何とこのタイミングでイーサンの所属するIMFが解散させられ、CIAに組み込まれることに。しかし、イーサンはそれを嫌って独自判断でシンジケートを追いつめるミッションを継続。結果、彼はシンジケートのみならずCIAからも追われる立場に。 しかし、さすがのイーサンも単独行動に限界を感じ、IMF時代の仲間であるベンジーをウィーンに呼び寄せ、レーンの身柄拘束を狙うのですが、多勢に無勢、結局、オーストリア首相の暗殺を阻止できず。しかし、ここでかの美女スパイ・イルサに再会したイーサンは、レーンが北アフリカはモロッコにある、とある難攻不落な施設内に保管されている世界中のスパイの身元を記した極秘データを盗み出そうとしていることを突き止めるわけ。そして、そのデータを渡すという名目でレーンと接触できると判断したイーサンは、同じものをレーンの依頼で盗み出そうとしているイルサ(実はイギリスの諜報機関MI6のスパイ)と合流し、モロッコへ。 で、イーサンは迫力のあれこれの後、データを盗み出すことには成功するものの、せっかく盗んだデータをイルサに奪われてしまう。 が! なぜかイルサがデータをレーンに渡す前にMI6に引き渡すと、長官から「これが本物かどうかわからない。それを確かめるためにも、とりあえずレーンのとこへ持ってけ」的なことを言われてしまう。 で、仕方なくイルサはレーンのところに持っていくのですが、何故か肝腎なデータが消されていた! な、なんと! MI6長官は実はレーンの元上司で、世界各国のスパイを集めてシンジケートを作る計画を練っていたんですな。しかし、政治的判断でその計画は公けには潰されてしまう。しかし、レーンは結局、その計画を勝手に推し進めていたと。だから、MI6の長官は、このままシンジケートが悪さをし続けると、自分の立場まで危ないと思い、イルサを使って秘かに極秘データをレーンに先駆けて入手し、レーンに悪用されるのを防ごうとした。だから、イルサの盗んできたデータを消したのは、この長官本人だったわけ。 ところが、イーサンが盗み出したデータ、イルサに奪われる前に、ベンジーがコピーを取っていたんですな。しかし、そのデータにはプロテクトが掛かっていて、イギリスの首相の声紋がないと開くことができない。 で、悪党レーンは、イーサンの友人であるベンジーを誘拐し、ベンジーの命と引き換えに、イーサンにプロテクトを解除したデータを持ってこいと命じるわけ。 かくしてイーサンは、期せずして自らイギリス首相を誘拐し、その声紋をとってデータを解除した上で、このデータをレーンに渡すことなくベンジーの命も救わなくてはならないことに! この厳しいミッションを、イーサンは完遂できるのかっ!! そしてここに美女スパイ・イルサはどうかかわって来るのか?! さらについでに、解散を命じられたIMFの先行きは??!! みたいな話。 で、この映画に対する私の評価はと言いますと・・・ 「85点」でーす! もちろんハイスコア合格! まあね、トムは期待を裏切らないからね。払ったお代以上のものを必ず持ってくる。そこがエンターテイナーとしてのトムのど根性。 とにかく冒頭の「飛行機しがみつき」による「高い所ハラハラ」から始まって、「拷問ハラハラ」あり、「カー・チェイス・ハラハラ」あり、「水の中窒息しちゃうハラハラ」もあり、「罠にかけたり・かけられたり・ハラハラ」ありと、およそサスペンス映画の主要要素をきっちり盛り込んだ上で、さらに「ジェームズ・ボンドものに負けるかオペラ座ハイソ」もあり、「仲間同志の友情」もあり、さらにさらに「美女ライバルとの駆け引き」ありとなれば、もう、映画として負けるところがなんもない。 そして最後の最後、罠にかけられたのと同じ方法で相手を罠にかけるという、『スパイ大作戦』の伝統まで垣間見せてくれて、もう、言うことないよ。私思うに、ひょっとして『MI』シリーズで一番の出来じゃないかしら。 ということで、バッチリ楽しめた充実の2時間10分。まだご覧になってない方は劇場へ急げ!!
August 27, 2015
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ミスドで、今、カードを集めるとストランドのバッグがもらえるんですよね~。 ストランドってご存知? マンハッタンにある古本屋さん。棚の長さを全部足すと何マイルにもなるという巨大さで、もちろん私も行ったことがあります。その時は段ボール一箱分買いましたよ。 で、その思い出のストランドのバッグがもらえるということで、私も子供のように必死でカードを集め、さらに姉や姪にも協力してもらって、まさに釈迦楽家の総力を挙げて8枚のカードをついに集めきったという。 で、その8枚のカードを手にして本日、ミスドに赴き、そのストランド・バッグをゲットしたのでありまーす! やった~! ここまでの辛く長い道のりを想い出して、私、うかつにも涙してしまいました。(←ウソ) でも、嬉しい~! ちなみに、紺と白、二種類あるデザインのうち、私がもらったのは白い方。つまり、ストランドの建物が描かれている方でございます。 あ! これ・・・大丈夫だよね? 誰かがパクッたデザインじゃないよね? 大丈夫でしょう。そう思いたい。 とにかく、我が懐かしのストランド古書店のバッグをゲットして、今日はかなりご満悦のワタクシなのであります。
August 26, 2015
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世界陸上、見てますか? 我が家では、何故か家内が世界陸上ファンなので、とりあえず見てますねえ。さすがに普段から陸上ファンというわけではありませんが、世界トップレベルで競われるものとなると、やはり、見ごたえはあるので、私もにわかファンとして応援しております。 が! 同時に、世界柔道もやっているんですよね~。こちらは格闘技ファンとして見逃すわけにはいかない。 で、昨日の初日、日本勢は銀メダル、銅メダルを獲得しましたけど、今一歩のところで頂点には届かず・・・。 だけど、日本が負けるパターンとしては、相変らずなんだよね。いつものパターンで苦杯をなめるという。 日本勢は、とにかく吊り手・引き手をしっかり持って、ちゃんと組もうとする正統派のアプローチをするのだけれども、外国勢はその手には乗らない。とにかく、日本人選手にしっかりと組ませないことだけに集中する。 そして日本人選手が苛立ってきて、「相手が組もうとしないんじゃ、しょうがないじゃないか」的に途方に暮れていると、消極的姿勢をとられて警告を受けてしまう。 その後互いにこう着状態まま残り一分というところで、このままだと判定で負けてしまうってな感じになって、日本人選手が少し焦り出し、とにかく攻めようと前に出たところで、外国人選手の組み際の捨て身の技を喰らってさらに有効を奪われ、そのまま時間切れ。 はい、負け~。 みたいな。 もう、何度同じようなシーンを見てきたことか。 で、これも毎回思うのですけど、日本人選手としては、相手からこういう試合運びをされると、すごく嫌なわけでしょ? だったら、どうしてその「嫌なこと」を相手に対してしないの? どうして向こうからされるばっかりなの? もうさ、毎回毎回、「一本を取る柔道」とか言って実際には負けちゃうんじゃ、しょうがないじゃないの。無論、正統派の柔道の型を重視するのはいいとして、国際試合ではケース・バイ・ケースでもっとしたたかな柔道をすりゃーいいじゃないの。 そこがね。何とも歯痒い。 さてさて、そうはいっても世界柔道はまだ始まったばかり。今後の日本人選手の活躍に、期待するとしましょうかね。
August 25, 2015
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ひゃー、昨夜遅く、名古屋に戻って参りました~。 で、今日はまだ名古屋での生活を立て直すための助走期間的な感じなので、お昼は軽く外食することに。向ったのは丸亀製麺。 今、ここで提供している「鬼おろし肉ぶっかけ」、一度食べたかったんですよね~。 で、食べてみた。 旨い! コスパもいい! 簡単に昼飯を外食で、なんていう時に、丸亀があると便利だよね! さて、それで午後はお勉強。今日はマーチン・A・ラーソンの『ニューソート その系譜と現代的意義』という本を読み進めておりました。 実はこの本を読むのは二回目なんです。 で、最初に読んだ時はなんか淡々と難しいことが書いてあるなあと思ったのですが、その時から色々勉強して、改めてこの本に戻ってみたら、今度は書いてあることがスラスラ頭に入ってくる。ああ、この本、いい本だったんだなあと、今回、実感。本ってのは、二回読まないとダメなのかもね。 で、本書によりますと、そもそもニューソートの根源は、スペインの神学者、ミカエル・セルヴェトゥスなんですな。16世紀半ばの人です。 で、この人、異端の廉で火あぶりで処刑されちゃうんですけど、彼の思想の何が危険と見なされたのかと言いますと、彼は4世紀に二ケアの宗教会議で決定された三位一体(つまり父なる神・キリスト(子)・聖霊の三人格が一つの神を構成する)という考え方を疑ったんですな。キリスト教の基本をなす土台を疑ったんですから、そっちの筋からすると超ヤバい青年なわけ。 で、三位一体を否定したセルヴェトゥスは、宇宙の道理をどういう風に考えていたかと言いますと、神というのはあくまでも一つなんだけど、それが三つの異なる位相で自己を表現すると。 まず神の位相は宇宙の実在そのものであって、この宇宙のすべての原料みたいなものだと。 で、次に子の位相は創造のエネルギーであると。 で、聖霊の位相はそれらを照らす光であり照明であると。 三つの位相で表現されるとはいえ、神は一つである。だから、人間も神の一表現であるし、砂粒一つも同じく神の一表現であって、共に神聖なものであると。 で、そういうものであるからして、この世の全ては善であり、悪は存在しない。光が当らないと暗くなるけれども、本質的に「暗さ」というものはない。ただ、「光がない状態」であるだけで。それと同様に、悪は善が無い状態なだけで、本質的に悪というものは存在しない。悪は、存在ではなく、不在に過ぎない。 だから善と悪の二元論というのは否定されるべきだと。 これがセルヴェトゥスの思想なわけ。 で、この本の著者ラーソンは、「この思想が如何に大きな可能性を持っていたことか!」と叫ぶわけですけれども、本当にそうだよね! 私もここまで自己啓発の勉強をしてきて、ラーソンが叫ぶ理由が分かるようになりました。 だって、自己啓発のすべてがここにあるもんね! 自己啓発の思想では、まず宇宙はエーテル状のものであり、創造のエネルギーを受け入れていかようにも変化する、というのが基本で、だから人間が思考することで創造のエネルギーを与えれば、宇宙はそれに応じて現実化すると考えるわけなのでね。その発想はもう、セルヴェトゥスの宇宙観とほとんど同じだ。それに、この世に悪はない、という考え方もセルヴェトゥスと同じだし。 ところで、16世紀のセルヴェトゥスは火あぶりになっちゃったけど、その考え方はアメリカで生き残る。というのは、憲法修正第一条で信教の自由が保証されたアメリカでは、異端の考え方にも生き残るスペースがあったから。 実際、セルヴェトゥスの考え方は、スウェデンボルグなどを通過してアメリカに上陸し、ニューソートとなるのですが、ニューソートは、意外なことに、批判を浴びないというのです。というのは、ニューソートは聖書を否定しているわけではないから。 ただ、その解釈を変えているだけで、聖書の文言そのものは重視する。だから、批判者が批判しようと思ってもできないわけ。ニューソートを批判すると、ニューソートの方では「だって、聖書にはっきりこう書いてあるじゃん。そうでしょ」ってな感じで聖書を使って反論するので、批判者は黙らざるを得ない。それに、時代が新しくなるにつれ、地獄の観念とかが通用しなくなってくるので、「そもそも悪はないのだから、地獄もない」と考えるニューソートの考え方の方が、時代にあってくる。 そうやって、ニューソートは、批判者を封じこめながら、着々と社会の中に浸透していくわけよ。そして、それが形を変えたものが、自己啓発だったと。 うーーん、面白い! というわけで、前に読んだ時はあんまり面白いと思わなかった本を、今回は十分に理解し、堪能している私なのであります。
August 24, 2015
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父がこんな本買ったけど、読む? と言ってもってきてくれたのは『作家の珈琲』という本。写真と文章で編まれた平凡社らしいムックでございます。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】作家の珈琲 [ 平凡社 ]価格:1,728円(税込、送料込) これ、色々な作家と、それからその作家が愛した喫茶店をセットで、写真と文章で紹介していくという、読んで楽しい、見て楽しい本でありまして、これがなかなか趣がある。取り上げられている作家は、池波正太郎、安岡章太郎、山口瞳、井上ひさし、北村太郎、常盤新平、中上健次、植草甚一、茨木のり子、松本清張、久世光彦などなど。 旅先で定宿にしている旅館の傍にあって、その作家がその旅館に泊まる度に訪れるとか、自宅か仕事場近くにあって頻繁に訪れるとか、場合によってはその喫茶店で執筆するとか、作家と喫茶店の付き合いの形は色々ですが、文士たるもの、贔屓にして通い詰めた喫茶店が一つ二つあるのが普通なんでしょうかね。ひょっとして、あの珈琲の何ともいえない香りが、インスピレーションをかきたて、創作意欲をかき立てるのかも知れませんな。 あと、全然関係ないけど、詩人の茨木のり子さんって、この本で初めて写真を見ましたが、すごくきれいな人だったんですね! なんかね、日本人というより、フランスの女優さんみたい。才能在る人は、顔つきもいいねえ。 ということで、この本を読んでいたら、自分も贔屓の喫茶店を持ちたくなっちゃった。だけど、名古屋の郊外じゃあ、なかなかね、歴史のある、雰囲気のある、喫茶店って、ないのよ。中心部の栄とかならあるのかもしれないけれど。「大作家・釈迦楽先生はいつもスタバで飲んでいました」じゃ、かっこがつかないもんね! さてさて、2週間足らずの実家での夏休みももうおしまい。今日はこれから名古屋に戻ります。 今回は予定していた友人とのランチ会もやったし、東急東横店での古本市にも行ったし、原美術館での「サイ・トゥオンブリー展」にも行ったし、バーベQもやったし、一泊だけど両親を旅行に連れて行ったし、まあまあ、盛り沢山でしたかね。 で、仕事の方もそれなりに進み、そっちの方もそこそこ満足。あと、俳句をやっている母が、会誌で同人の句を鑑賞しなくてはならないことになったそうで、その母が書いた鑑賞文をちょこちょこっと添削してあげることも出来たので、母孝行にはなったかな。 というわけで、良い夏休みとなりました。 で、今日はもう帰るので、昼は何かおいしいものでも両親に奢ってあげようかなと。それで、ひとしきり考えた挙げ句、鰻を食べにいくことに。 と言っても、実家の周辺でおいしい鰻の店というのがなくてね。それでネットで調べて、鶴川の方にある「すずか」という鰻屋さんに初めて行ってみることに。 クルマで30分ほどのところにあるのですけど、これがね。意外に、と言ったら失礼ですけど、意外に美味しかったのよ。ネットの書き込みに「タレは甘め」とありましたが、私が思うにむしろ辛めかなと。東京の鰻は、調理過程に「蒸し」の工程があるので、下手すると歯ごたえのない、柔らか過ぎのものになってしまいがちなのですが、ここはそれほどでもない。 ということで、もちろん、名古屋の名店で食べるひつまぶしのような突き抜けた旨さではないにしても、そこそこ満足の行く美味しさんだったのでした。リピートしてもいいなあ、という感じですね。 さて、後少しのんびりしてから、名古屋に戻る予定。それでは明日からはまた名古屋からのお気楽日記、お楽しみに〜!
August 23, 2015
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iPhone6が出て、この秋にはiPhone7が出るか、という話ですけれども、愛機iPhone5ちゃんは我が相棒として日夜、私と行動を共にしております。ま、家内に言わせると、その実力を全然活用できてないそうですが、ネットが見られて、メールが出来て、おまけに電話までかけられるなら、私にとってはもう充分。 ところで、そのiPhone5ちゃんには、買った時に何の変哲もないクリアなカバーを付けたきり、2年とか3年が経過したんですけど、もともとは透明だったそのカバー、紫外線に当たり続けたせいか、単なる劣化か、次第に黄みがかって参りまして。 黄みがかったというと、あまりいいイメージがないですけど、見ようによってはシャンパン・ゴールドにも見えるという。実際、以前知人から「釈迦楽先生のiPhoneカバー、シャンパン・ゴールドでカッコいいですね」と言われたこともあったりして。ま、その時には「透明なカバーだったのが劣化して」なんて真実を告げる必要はないと判断、ただ「でしょ。」と答えておきましたが。 それでも最近はゴールドを通り越して、なんだか緑がかってきたというね。なにこれ? 緑青? さすがに、何だかちょっとバッチイ感じになってきた。 というわけで、ついに思い腰をあげたワタクシ、新しいカバーを買いましたよ。それが、これ。パロディケース・iPhone5/iPhone6/iPhone5c対応 スターバックス?アップル?冠の形が違う例の...価格:980円(税込、送料別) 私が買ったのは、これのクリアの奴。だから、本体のアップルマークが丁度、セイレーンちゃんの冠のところに顔を出す仕組み。これが、めっぽうカワイイ! というわけで、新しい衣装を身に纏った我がiPhoneは、一層愛着の湧く仕様となったのでございます。なるほど、人がよくスマホのカバーに凝ったりするのは、こういう楽しみがあるからなのね。納得。
August 22, 2015
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残り少ない東京での夏休みを堪能すべく、昨日・今日と富士五湖と箱根をめぐる小旅行をして参りました。 ま、父の写真俳句、母の吟行を兼ねての旅なので、特に変ったこともせず、いつも通りの写真スポットを巡ったという感じでしたけれど、父は近場の1泊旅行でも疲労困憊するらしく、今日も早めに帰ってきましたし、小食の母はますます小食となって、今朝の朝食はオレンジジュースとヨーグルト以外手をつけられなかったという。今回泊まったのはオーベルジュだったので、食事に一番、力が入っていて、朝食にしてもエッグベネディクトをはじめ、ボリュームたっぷりの3品が出たのですけど、それを全部残してしまったのでは、向うも気が抜けたことでしょう。 段々、家族で旅行を楽しむのも難しくなって来るのかも知れませんな。箱根で疲れ切ってしまうのだったら、それより遠いところは、もう無理ですからね。 ところで、昨日のお昼は山中湖畔で食べたのですけど、夜、オーベルジュでフランス料理が出ることを考えると昼間洋食を食べるのはアレだし、かといって名物のほうとうは母が嫌いだと言うし、蕎麦は父が嫌いだと言うし。とにかく父と母を連れて出ると何を食べていいのかさっぱり分からなくなってしまうのですけど、切羽詰まった私は、ネットで調べて、「エクシブ」という会員制ホテルのラウンジで軽食(サンドイッチ)を食べる、という妙手を考え出し、それも3つ頼んだら食べきれないと思ったので、2つだけ頼んで後は飲み物にするということをやったわけ。 で、それは一応成功して、特にホットココアはとても美味しかったのですが、ちょっと興味が湧いたのがエクシブのこと。 で、帰宅してから調べると、エクシブというのは要するに会員制の貸別荘みたいなもので、1つの部屋を14人(14組)でシェアするシステムらしいんですな。で、部屋の大きさによって値段が大分変るのですけど、小さめの部屋だと、年間13日の利用で50万円程度の会費を支払えばいいらしい。 ふうむ、なるほどね。貸別荘を年間2週間たらず利用するとして、その維持費がそのくらいだ、ということですか。 さて、これを高いと見るか、安いと見るか・・・。 だけど、とりあえず山中湖のエクシブの会員権は完売している、というのですから、一応、人気があるわけですな・・・。ま、そのていどの贅沢をする人の数がそれだけ居るということですか。 ま、一瞬、興味が湧きましたけど、やっぱり私としては、アレかな、自分で別荘買った方がいいかな。だって、今、安い中古の別荘(マンションタイプ)なんかだと、280万円くらいで売っているもんね。年間50万円払ったとしても6年でペイしちゃう。もっとも年間の維持費もあるから、一概にはどちらがどうとは言えないですけど。 とまあ、そんな雑念を心の中で弄びながらの、今回の旅行だったのでした。
August 21, 2015
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ジョー・ヴィターリ著『人生で大切な「気づき」の法則』(原題:Life's Missing Instruction Manual: The Guidebook You Should Have Been Given at Birth, 2006)という本を読了しましたので、心覚えを。 これは・・・引き寄せ系の自己啓発本ではあるのですが・・・なんつーか、安易な本だね! もう、手慣れたライターなら一日で書けるよ。ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』は、企画から出版まで29年かかっていて、その間、500人以上の人の取材をした挙げ句の、ですから納得なんですけど、ヴィターリのこの本は、あまりにもお手軽過ぎる。 たとえば、「今すぐ幸せに」という項の全文はこんな感じ: あなたは今すぐに幸せになれます。 ええ、すぐにです。 どうするのかって? 幸せになる、と決めるのです。 それ以上、お金は必要ありません。 それ以上、やせる必要はありません。 それ以上、何も必要ありません。 ただこう言えばいいのです。「私は今すぐ幸せになる」 この秘密を知っている人はほとんどいません(この本を読んだみなさんは別ですが。) にっこり笑って下さい。幸せになるのです。 あなたが幸せでなければ、チャンスはあなたから逃げていきます。 これだけ。これで終わりだよ! このふわ〜っとした文章・・・これは何? こんなのを30か40書くのなんて、簡単よ。慣れれば一日で出来る。で、これに、多分アリゾナかどこかの荒涼とした風景とか、そういう印象的な写真をところどころにイメージ映像的に添えて、それで、一冊出来上がりって・・・。どうなの、それ? あと、「欲しがらなければ手に入る」という項で、「”欲しがり”は一種の中毒です。それにかかると、欲しいものはそれがなんであれ、あなたから遠ざかっていきます。生きていくなかで、あなたはそれを学ぶことになるでしょう。/欲しがることなく何かを求めれば、それを手にすることができます。」(166)と禅問答のようなことが書いてあって、「欲しがることなく求める」ってどうやるの?と思ったら、後の方の項にそのやり方が書いてあって、具体的には「○○があったらいいな、無くても死なないけど」と言えばいいのだと。 これが「欲しがらずに求める」究極の方法かいっ!? 単に、言い回しじゃん! だけど、ヴィターリ自身が本書の中で自慢しているように、ヴィターリの本は売れて売れて、BMWの高級車「645Ci」を注文したそうですからね。 で、しかもですよ、この本の中でヴィターリ本人が書いているのは半分くらいなもので、残りの半分は、色々な自己啓発ライターが寄稿した文章で成り立っているの。 まあね、自己啓発本というのはもともと他の(あるいはいにしえの)自己啓発ライターの引用文を多用するのが常道とはいえ、自分の本の半分くらいを他人に書かせるって、いくらなんでも安易過ぎないか? っていうか、印税の分配はどうなっているんだ? 寄稿した人の懐にも多少はおこぼれが行くのか? あ! それとも、あれかな? 自己啓発本のライターにはある種のクミアイがあって、クミアイ員同士、それぞれの本に寄稿しあって印税を分け合うシステムがあるのかな? それで互いにリスク回避しているのか? ま、とにかく、「あなたは・・・幸せになると決めるのです」みたいなことを書いて、BMWが買えるならいいよな〜。 というわけで、内容的には新しいこともないし、文章の寄せ集めだし、これに1600円出してヴィターリがBMWを買うのに資するってのはいささか腹立たしかったのですけれども、実は本書にも一箇所だけ面白い部分があった。それはヴィターリが書いているのではなくて、マーク・ジョイナーというライターが寄稿した「怒りのぼろきれ」という一項なんですが。 マークは昔、パンク・ロッカーだったんですけど、彼の地元に伝説の人物、トニー・ホスピタルというロッカーが居た。なんで「ホスピタル」という名前かというと、サーフィンやスケボーで無茶なことばっかりやって、やたらに病院に入院するはめになるからだそうで。 で、そのトニーがマークのところに髪の毛を切りにきた。パンク・ロッカーの過激な髪型ってのは、素人でも作り易いので、当時のパンク・ロッカーは互いに互いの髪の毛を切っていたんですな。 で、トニーはマークに、「rage(怒り)」という文字が浮き出るように髪を剃ってくれ、と頼んだわけ。で、マークはそれを引受けた。 ところがスペース配分を間違えて、「rag」と剃ったところで、もう剃る場所がなくなってしまった。「rag」って、「ぼろきれ」っていう意味ですから、「怒り」とは大違い。 それで、やばいことになった、伝説のパンク・ロッカーの頭に「ぼろきれ」って書いちゃったよ、と、マークはびびるのですけど、とにかくおそるおそるトニーに鏡を渡したんですな。殴られるのを覚悟で。 そしたらトニーは鏡を見てこう言った。「ぼろきれ。クールだぜ。ぼれきれねえ・・・」 そしてマークはこう書いています。「ほかの人間なら怒るなり戸惑うなりするところだが、トニーはあっさりそれを前向きにとらえてくれた。その瞬間のことは、いつ思い出しても私の胸を打つ。私はあのときの彼のように動じずにいることは一度だってできなかったし、内心の思いを抑えることもできなかったが、それでもそうなりたいと日々懸命に彼を見習おうとしてきた。」 だけど、トニーはこの後、ヘロイン中毒となり、彼の勧めで同じくヘロイン中毒となって死んだガールフレンドの後を追って、自殺してしまったんですって。マークは言います。「トニーがなぜあんなことになったのか、知ったふうな口はききたくない。あなたの人生にとって大事なのは、こんなことがあったと知っておくこと、それだけだ」と。 わずか2ページ分の小ストーリーですけど、この本全体の中で、この部分だけは可笑しくって、ちょっとしんみりして、非常に印象的でした。伝説のパンク・ロッカー、トニー、ちょっと実際に会ってみたいような気さえしますな。 ま、私がこの本に支払った1600円は、マークのこの文章のおかげで多少は元がとれた、というところでしょうか。 ところで、ジョー・ヴィターリよりもマーク・ジョイナーというライターに興味を持った私、調べるとマークの本は『オレなら、3秒で売るね!』というのが翻訳されているそうで。どうも、マークはパンク・ロックを卒業して、マーケティング方面のライターになったらしい。 で、さらに調べると、自己啓発本の中にマーケティングに進出しているのが沢山いるようで、「スピリチュアル・マーケティング」というジャンルが既に確立しているらしい。 スピリチュアル・マーケティングって、何だよ? 3000円の壺を10万円で売るとか、そういう奴か? もう、自己啓発本の世界は、私にすら理解不能なところまで行っちゃってるんだということが分かってきた今日このごろなのであります。【楽天ブックスならいつでも送料無料】人生で大切な「気づき」の法則 [ ジョー・ヴィターレ ]価格:1,728円(税込、送料込) 【中古】ビジネス ≪ビジネス≫ オレなら、3秒で売るね! / M・ジョイナー【P15Aug15】【画】...価格:1,320円(税込、送料別)
August 19, 2015
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先日のブログでナポレオン・ヒル著『思考は現実化する』を読み始めたという話を書きましたが、あれ、読み終わりました。ので、ちょっと心覚えを付けておきましょう。 『思考は現実化する』って言うのだから、当然、引き寄せ系の自己啓発書、つまり、心に強く念じたことはすべて物質化する、という類いの本なのかと読む前は思っていたのですけど、前にも書いたように、この本はもともと鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーに頼まれて、成功する人が共通して持っている資質、成功者が共通して持っているノウハウを万人向けにまとめる、というプロジェクトで始められたもので、ナポレオン・ヒル自身、カーネギーからの紹介状を持ってあちこちの成功者のもとへ赴き、彼等成功者は何故成功したのか、その秘訣を聞き出して、それをまとめたものですから、この本は必然的に「伝記的・逸話的コーチング系」な側面を持たざるを得ないわけですな。実際、本書には沢山の成功者の逸話が載っている。 そういう意味では、この本はむしろもう一人のカーネギー、デール・カーネギーの『人を動かす』に近いと言ってもいいでしょう。 で、本書に掲載された様々な逸話の中には、ナポレオン・ヒル自身の逸話というのもあって、これが結構面白いのよ。 例えば、アンドリュー・カーネギーと約束した20年間の調査・研究が実り、いよいよ本の形にまとめようという時、さる新聞社の社長さんが手を挙げてくれてヒルのパートナーとなり、本はほぼ完成するんですな。またカーネギーの会社を買収したUSスチールの社長さんもスポンサーになってくれることが決定して、もうあとは出版すればいいだけになった。 が、この頃のアメリカは禁酒法の時代でありまして、ギャングは違法酒類の販売で儲けるは、警察もそんなギャングとつるんでこちらも小遣い稼ぎするわ、あちこち荒れていたんですな。で、ヒルのパートナーとなった新聞社の社長さんは、こうした社会の悪徳を糾弾するキャンペーンをしていた。 そしたら、ギャングと警察に狙われて射殺されちゃった! となると、社長さんとパートナーだったヒルも、ギャング・警察双方から狙われるわけですよ。で、ヒルは犯人が捕まるまで地下に潜伏。 で、1年後、ようやく事件が解決してヒルの潜伏が解けた時には、スポンサーだったUSスチールの社長さんが病死していたと。 ひょえ〜。計画が全部オジャンだ! だけど、ここでナポレオン・ヒルは頑張るわけ。自分が取材してきた成功者の特徴の一つは、諦めないことだ! ならば、自分も本の出版をあきらめるものか! と思い直して立ち直るんです。 で、どういうわけか、「フィラデルフィアへ行け!」という第六感(この第六感というのも、成功には欠かせない)によって、フィラデルフィアへ行き、「安宿ではなく、高級ホテルに泊まれ!」というさらなるヒラメキにしたがって高級ホテルに泊まり、そこで自分の本を出版してくれそうな人を思い浮かべるという作業をするわけ。 で、3時間の呻吟の後、アンドリュー・ペルトンなる人物のことを思い出し、速達で彼に提案してみた。 そしたらペルトンがコネチカットからフィラデルフィアまでやってきてヒルの話を聞いてくれたのだけど、その際、「こんな高級ホテルに泊まっているのだから、あなたはよほど自信があるのだろう」と、出版を引受けてくれましたとさ。 ってな感じで、このエピソード一つで、「諦めたらダメ」「失敗には成功の芽が必ず隠されている」「第六感を信頼せよ」「まずは行動」「熱意は人を動かす」ってな感じで成功哲学が展開されるわけ。 ほら、面白いじゃないの。 その他、聴覚障害を持って生まれてきたヒルの次男坊がいかにその障害を克服したか、とか、ヒルが離婚した時にすごいダメージを受けたけど、これまた第六感に従って、聞いたこともない街に行ったら、そこに素晴らしい再婚相手がいました、とか、プライベート逸話も結構提供しているヒルさんなのであります。 で、これら伝記・逸話を通じてナポレオン・ヒルが本書の中で語っている成功哲学の中で、最も土臭く、しかし最も現実的なコーチングかなあと私が思うのは、「プラスアルファの魔法」ね。 「プラスアルファの魔法」というのは、要するに、もらっている報酬以上のことをやりなさい、ってこと。 ヒルの調査によりますと、「こんな少ない給料で、これ以上働けるか!」と啖呵を切る人に成功者はいないのだそうで、成功者は例外なく、もらっている報酬よりも多く、奉仕として働いていると。それも、嫌々ではなく、熱意をもって。 すると、そのプラスアルファの仕事ぶりは、いずれ必ず誰かの目に留まり、評価されて、その人が奉仕した分を遥かに凌駕するような報酬を手に入れることになると。例えば、給料倍額で別な会社から引き抜かれるとか。 その意味で、ヒルは「この世に報われない仕事というのはひとっつもないっ!!」と喝破するわけ。 まあ、それは真実だろうねえ。私もしばしば、「こんな給料で、こんなに働けるかっ!」と叫んでおりますが、それがダメなんだな。はい、了解。 だ・け・ど。 じゃあ、ヒルの本は全体としてすべて現実に根ざした・・・というか、一般人が現実だと思っていることに根ざしたコーチング系か、というと、そうでもない。やはり、ヒルの本にも、どこか「引き寄せ系」に通じるところがあるんですな。 例えば、「この世のものはすべて振動だ」という世界観がヒルにはある。また、「モノとエネルギーは、状態を指した言葉で、相互に転換可能だ」という世界観もある。 だから、人間の思考も、音や光や熱と同じように伝播が可能で、同じ志を持った人々は互いに引き寄せ合うし、同じ志を持った者が集まれば、振動は増幅されてとんでもなく大きなエネルギーを発するようになる、という考え方も出てくる。そのうち、テレパシーで会話も可能になるだろう、的なところまで、ヒルは言いますからね。 つまり、思考もまたモノであり、エネルギーであると。ヒルがそう考えているのであれば、ここから「引き寄せ系」まではあと一歩です。だから、後の世の「引き寄せ系自己啓発本」のライターたちは、ヒルの『思考は現実化する』をリスペクトするわけなんですなあ。 で、そういう、不可知な領域まで踏み込んだ上での、ヒルの成功哲学の第一原則は「明確な目標を持て」であるわけ。明確な目標を持たないかぎり、いかなる意味でも成功というのはあり得ないと。 なぜなら、この世の中で、人間はありとあらゆる環境に左右され、自分で決められることなんて殆どないけれども、ただ一つ、自分で決められるのは自分の思考であって、この思考を自分で決めなきゃ、もう、生きる意味なんかないよと。この辺り、引用してみましょう。 あなたは、たった一つのことを除いて、すべてをコントロールされている。たった一つのこととは「思考」である。人類が知り得る事実の中で、これほど重要なものが他にあるだろうか! それは人間の天性の反映だ。天から与えられた特権によって、私たちは自分の運命を定めることが出来るのだ。あなたがもし自分の心のコントロールを失うなら、あなたがコントロールすべきものは、何も存在しなくなってしまう。(516ページ) うーん! これは参った! この点については、ナポレオン・ヒルの言う通りだよね。ここまで来ると、フラナリー・オコナーの神学、テイヤール・ド・シャルダンの神学に限りなく接近しております。人間の「自由意志」こそが、神の恩恵だ、というね。それが、神学のフィルターなしで、成功哲学という名の下に、世俗の俗の俗を経巡った後に堂々と語られるという。ナポレオン・ヒル、さすが「自己啓発界の無敵将軍」だけのことはある。 ということで、本書『思考は現実化する』、私にとっては非常に面白い本だったのであります。教授のおすすめ! と言っておきましょう。これこれ! ↓【送料無料】 思考は現実化する 新装版 / ナポレオン・ヒル 【単行本】価格:2,376円(税込、送料込)
August 18, 2015
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幸いなことに私の両親は二人とも矍鑠としているのですが、しかし、やはり寄る年波というものは感じます。 先ほど、母が台所で夕食を作っている後ろ姿を見ていたら、何だかえらく必死の状況で、ウンウン言っている。よく見ると、何やらをまな板の上で切ろうとしているのですけど、それが切れないものだから、包丁に全体重を乗せて何とか切ろうとしているらしい。 ひゃーー! やめてくれーー! で、駆けつけてみると、レンコンを縦に二つに切ろうとしていたんですな。それも、私がレンコンのキンピラを所望した故に。 しかし、レンコンみたいに丸いものを切るとなると、まな板の上ですべってしまいそうですし、万一すべったら、全体重をかけた包丁でもう片方の手の指を切り落としてしまいそうです。危ない、危ない! 私のリクエストのおかげで母が指を失うようなことになったら、私はどうすればいいのでしょうか。一生、悔いるよ。 とりあえずレンコンを切るのは私がやりましたが、私にはなんてことのない作業も、手や腕の力の落ちた母には大変な労力が必要な作業ということになるわけですな。 うーーーーーん・・・・。 今日、明日のことではないにしても、この調子ではいつか簡単な料理すら、作るのが難しくなる時が来ることでありましょう。 その場合、例えば下処理を施した食材を届けてくれるとか、出来上がった料理を届けてくれる業者に食事の面倒を見てもらう、という選択肢が一般のご家庭にはあるかもしれませんが、しかし、我が家にはこの選択肢はないんだなぁ・・・。というのも、父が極端に好き嫌いが激しいもので。大体、父はほとんど野菜を食べないし。 食事サービスの会社は、おそらく、栄養のバランスを考えて、野菜の多い、ヘルシーな食事を提供しようとするでしょうけど、それでは父の食べるものがない。 それに、父はもう新しい料理は一切受けつけないので、ステーキとか、カレーとか、トーストとか、昔から食べ慣れたものしか食べようとしない。醬油ですら、キッコーマン以外のものは使いたくないようだし。また麺類もダメ。魚もマグロの刺身くらいで、焼き魚は嫌い。そんな我が儘な人、業者さんは想定していないでしょう。 じゃあ、どうすればいいの? うーーーーーーん・・・。 分からん。わしには分からん。一体どうなるのか、まったく分からん。 というわけで、私の想像以上に「老いる」ということは重い意味を持つのであるなあということを、思い知った今日この頃なのでありました、とさ。すみません、景気の悪い話で。
August 17, 2015
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先日、某市市民講座でジャズの話をした、ということを書きましたが、事後にとったアンケート調査の結果が送られてきまして。恐る恐る読んでみたら、これが意外なほどの好評で、非常に面白かった、ジャズのことをまったく知らなかったが、俄然興味が湧いてきた、早速ジャズ喫茶に行ってみたい、などなど、ありがたいほどのレスポンスだったんです。 それに気をよくして、というわけではないのですけれども、そう言えば最近、あまりジャズのCDを買ってなかったなと思い、昨日、2枚ほどジャズCDを買ってしまったのはブログに書いた通り。本当は5枚ほど買うつもりだったのですけど、欲しいCDがタワレコに売ってなかったので、2枚になってしまったというのが本当のところなんですけどね。 で、実際に何を買ったかと言いますと、一つはマイルス・デイヴィスの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』、そしてもう一つはリッチー・バイラークの『ヒューブリス』。 で、今日は早速それらをとっかえひっかえ聴きながら仕事をしているのですけれど、これがね、2枚ともいいのよ。 まずリッチー・バイラークですけど、私は彼の作品を買うのは初めて。70年代に活躍したピアニストで、このアルバムもピアノ・ソロ集でございます。 でまたこれがいかにも「ECM」レーベルの作品らしく、透明感のあるピアノでね。特に冒頭の「サンデー・ソング」が美しい。 ちなみに、名古屋の自宅のステレオはデノンで、東京の実家ではオンキョーのステレオを使っているのですけど、デノンに比べるとオンキョーのステレオってのは、シャリ感が強い。つまり、高音の透明感が強く出るタイプなんですな。だから、ECM系のCDを聴くとなると、デノンよりふさわしいかも。 一方、マイルスの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』的なアルバムは、どっちかというとデノンの方が合っていると思いますが、それはともかく、これはこれでとてもいい。リッチー・バイラークの、「無駄なものを削ぎ落とした」系の後で聴くと、いやいや、やっぱりジャズには「無駄なものがあってこそ」のところがあるんじゃないの、と思われたりして。これも冒頭の『ラウンド・ミッドナイト』が秀逸。このアルバムで久々に聴くレッド・ガーランドのピアノですが、右手の軽やかな旋律が美しく、マイルスがガーランドを好んで使った理由が分かるような気がしますね。 というわけで、いい感じで2枚のCDを聴きながら、いい感じで原稿書きをしている今日の私なのであります。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】ヒューブリス [ リッチー・バイラーク ]価格:1,728円(税込、送料込) ↑ ジャケットに映っている島、なんだか「江ノ島」みたいですね。一応「湘南ボーイ」である私としては、妙に懐かしい・・・。【Blu-spec CD2】マイルス・デイヴィス/ラウンド・アバウト・ミッドナイト+4価格:1,630円(税込、送料別)
August 16, 2015
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一足先に名古屋に戻る家内を送りに新横浜まで。途中、町田でお昼を食べることに。 で、いつもですと、ヴィレッジヴァンガードでハンバーガーをむさぼるか、あるいは磯丸水産で魚料理でも食べるところですが、今回は趣向を変えて別なところを探すことにし、トラットリア・マリーなるイタリア料理店へ。 行ってみると結構大きな箱で、団体さんも入っていたらしく、30分くらい待たされましたかね。で、ランチはABに種類あって、Bを選ぶとハーフサイズの料理二品と飲み物、ということになる。で、家内も私もBランチにし、家内はカボチャクリームソースのニョッキに青唐辛子とじゃこのパスタ、私はイワシとセロリのサフラン風味パスタと、豚肉と二種のキノコのピラフ。どれも美味しかったのですが、全体的に少し塩味がキツかったかな・・・。それに、ハーフサイズとはいえ量は結構多いので、二人で行く場合、料理四品ではなく、料理三品にサラダを一つとる、というのが正解かも。ま、リピートするかどうかは微妙なところですけどね。 で、新横浜まで家内を送った帰り道、町田のレコファンに寄り、ジャズのCDでも買おうかなと東急百貨店ウェストに向ったところ・・・おお! 2年前に閉店とな! マジか・・・。レコファン、ジャズCDの品揃えが良くて好きだったのに・・・ で、更に調べると、その後、同じ東急百貨店ウェストに入った新星堂CDショップも、わずか1年間で閉店とのこと。大丈夫か、町田? この町の音楽文化は死に絶えたのか?! それでも諦めきれない私は、ネットで情報を収集し、どうやら駅前の「モディ」ビルにタワレコが入っていると判明、とりあえずそこに寄って二枚ほどCDをゲット。だけど、レコファンの品揃えとは比べ物にならず。あーあ・・・。 それで、小田急線に乗って帰路につきながら更に情報を集めると、町田にディスクユニオンがあることが判明。なるほど、ここなら少しは品揃えに期待できそうです。 だけど、駅からちょっと離れるんだよなあ・・・。ブックオフが近いから、両方セットで行くか。 それにしても、今、音楽はネット配信の時代。CDに音源を求めるというのは、もはや旧人類なのかもね。だけど、まだ私はモノとしてのCDに愛着があるなあ。
August 15, 2015
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今日は毎年恒例、渋谷は東急東横店で開催中の「渋谷大古本市」に行ってきました! 夏はここ、冬は新宿・京王百貨店の古本市に行かないと、なんとなく忘れ物をしたような気になるもので。 で、いつものように参戦5分以内に一冊を購入して、古本の神様への貢ぎ物にしようとスタート・ダッシュを決め、いきなり最初の棚で岡本太郎著『美の世界旅行』を1,000円でゲット。これで今日は、バッチグーの予感。 で、その後、あれこれ粘って田村隆一『ミステリーの料理事典』(500円)、玉村豊男『ヴィラデスト菜時記 暮らしの輪郭線』(500円)、アップダイク(須山静夫訳)『ミュージック・スクール』(500円)、坪内祐三『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(500円)などを購入。 その他、迷ったものとしては、串田孫一『山のパンセ』(署名本)、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』(署名本)、中平穂積『モダン・ジャズ・ジャイアンツ』等。しかし、今回はパス。もう、署名本だからといって買うほど、本を置くスペースが家にない、というのが正直なところでございまして。 その他、アンクル・トリスの挿絵で名高い柳原良平さんがサンフランシスコの港を描いたリトグラフが売られていて、値段も手頃(25,000円)でなかなか良かったのですが、これもちょい保留ということで。 ま、「どひゃっほう」(@小山力也さん)な成果ではなかったですが、夏の恒例行事として、まずまずの満足感でしたね。 ところで、今日、古本市を見ていて驚いたことが一つ。 デパートの古本市とかに古本を求めて集まって来る人たちって、割とこう、変人が多い(個人的感想)のですけど、今日、その変人集団の中で一人光っていたのは、小学校高学年くらいの紅顔の少年。 なんと、その少年は、和綴じの古本、もう私などではとても読めないような木版本みたいなのを夢中になって買い漁っていたのであります。もう、二度見しちゃいましたよ。「え? 坊や、その歳で和装本が趣味かい?」みたいな。あまりに熱心に読みふけりながら、意にかなった本を次々とカゴに入れていたので、マジで好きなんだろうと思いますが、それにしても、この子の将来はどういう風になるのでしょうか。もし、そのまま国文学者とかになるのだったら、何だか末恐ろしい感じですな・・・。
August 14, 2015
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今日は家内の誕生日。ということで、昼間は外食することに。 で、二人で向ったのは新宿。ルミネにある「ベトナム・アリス」でフォーなどを。名古屋にないので、帰省した時しか食べられないのですけど、ここ、割と好きなんですよね。 で、お腹が一杯になったところで、今度は伊勢丹へ。何か家内が前々から狙っていたアクセサリーを扱っているのがここしかないらしいので。で、意中の指輪が買えたようで、めでたし、めでたし! それで、ジャズ喫茶のDUGでお茶でもしていこうかと思ったのですが、今日は姉たちが別なところに買い物に行って、ドーナツを買って帰るということだったので、どうせなら無駄遣いしないでそれを食べようということになり、今日のところは指輪ゲットだけで帰宅。 ということで、今日はいい買い物ができて、家内も喜んで、ハッピーな一日となったのでした。今日も、いい日だ!
August 13, 2015
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姉がジェニファー・L・スコット著 神崎朗子訳 『フランス人は10着しか服を持たない』(原題:Lessons from Madame Chic:大和書房・2014)を読んだそうで、実家に持ってきてくれていたので、私もつい読んでしまいました。が、これがなかなか面白い本でありまして。 日本でもベストセラーになったことは知っていたのですけれども、タイトルに騙されてワードローブの話、つまりは女性ファッションの話なのだろうと思っていて、女性向けの本、男が読む本ではない、と思っていたわけ。だけど、実際に読んでみると、これはファッションの話ではなく、基本的にはライフスタイルの話で、ということはつまり、自己啓発本ですな。 で、このジェニファーさん、南カリフォルニア育ちで、今もそこに住む女性なのですが、学生の頃、父親の仕事の関係で一夏を南フランスで過したことがあり、そこで見るものすべてに魅了され、またいつかフランスを、特にパリを、訪れたいと切望するわけ。それで、名門南カリフォルニア大学に進学してからフランス語を勉強し、半年間だけですけれどもフランスに留学する機会を得るんですな。 で、この半年間、さるフランス貴族の末裔であるムッシュー・シック、マダム・シックのアパートにホームステイすることになるのですが、特にこの家を仕切るマダム・シックの日々の生活態度、ひいてはフランス人のライフスタイル全般に非常に強い影響を受けるんです。で、帰国して今では結婚し、娘も二人居るジェニファーさんは、アメリカ西海岸(サンタモニカ)での気楽な暮らしに時に流されそうになりながらも、フランス留学時代に学んだフランス人のライフスタイルをなるべく維持・実践しようとしている。本書はそんなジェニファーさんの、「フランス人から学んだこと」集、というわけ。 じゃあ、フランス人のライフスタイルってどんな感じか、と言いますと、まずはシンプルライフ。たとえば髪型一つとっても、手入れに時間があまり掛からないことを大前提に、その上で自分に似合う髪型って何かをしっかり把握し、そういう髪型を決めたら基本、それを変えない。また服装にしても、自分に似合う色を決めたら、後は流行を追わず、各シーズンせいぜい10着程度の服を上手に着回ししながら着続ける。ただし、その10着の服に関しては、予算内で最善のクオリティのものを買う。そうすれば、毎日何を着ようかと迷う必要もなく、すぐにその日のコーディネイトが決まると。 服を沢山買わない、というのもそうですが、服に限らず、新しい物をあまり買わずに、今持っているものに満足する、というのも、アメリカ人とは異なるフランス流のやり方。その反面、上等なものだから、特別な時が来るまで使わずにとっておく、ということはフランス人はしないんですな。むしろ逆に、最上のものを普段使いして、そのクオリティを日々楽しむ。 食事も、一回一回の食事の質を上げ、スーパーではなく、それぞれの専門店で買った上質の材料で手作りの美味しい物を作って、それを家族みんなで堪能する。そしてその食事を楽しむために、つまらない間食で、その時々に空腹を癒す、ということは一切しないし、テレビを見ながら食べる、なんてこともしない。つまり、「食事をする」という人生の重大事を、重大事として全力で楽しむわけですな。 そして、くだらないテレビなんて見ないで、本を読み、美術を楽しみ、音楽を楽しむ。そういう文化的な、知的なことを楽しみ、また友人同士で集まった時も、そういう話をする。決して、芸能ニュースをだらだら見ては、芸能人のだれそれが結婚しただの別れただの、そういうことを話題にしたりしない。 アメリカ人のように過食してはジムに行く、などという無駄なことはしないで、フランス人は散歩したり、クルマではなく歩いて買い物をしたり、エレベータではなく階段を使ったりしながら、日々の生活の中に体を動かすことを取り入れ、自然とシェイプアップをする。 他人から気取っていると思われようが、自分のプライバシーや職業のことなど、友人にも一切しゃべらず、ミステリアスな部分を堂々と維持する。ま、自分に自信を持つ、ということでもありますな。 誰も見ていないからといって、手抜きはしない。寝るときも、よれよれのTシャツにジャージ、なんて恰好ではなく、きちんと質のいいパジャマを着る。下着にも、上等なものを身につける。 姿勢を正す。姿勢こそ、美しさの基準と心得、自分が美しく颯爽と見える姿勢を維持する。 家の中をきちんと整頓し、物の置き場所をきちんと維持する。散らかっている状態を決して作らない。 ・・・等々、ジェニファーさんがマダム・シックをはじめ、フランスでの生活から学んだことは多様であるわけですが、とにかく、確かにそうしたフランス人のライフスタイルを見ていると、ジェニファーさんならずとも、いいなと思えてきます。やっぱり、フランス人っていうのは、生きることをアートにする術を心得ているので、そこから学ぶことは確かに多い。実際、本書を読んでいると、男の私でも勉強することが一杯ありました。その意味で、この本はすぐれた自己啓発本であると思います。 ちなみに、本書の216ページには「たとえ時間がなくても、そのときやっていることに集中しよう。ただやみくもに用事を片付けるだけでは意味がない。思想家のラルフ・ワルド・エマーソンが言ったとおり、「人生は旅であり、目的地ではない」のだから。」とあったり、235ページには「ニュー・エイジの哲学者エックハルト・トールもこう言っている。「何をするかは二の次。どのようにするかが最も重要だ」。」とあったりするように、自己啓発本の特徴である、過去の自己啓発ライターからの引用もしっかり。また、各章の終わりに、その章で述べたことを完結にまとめたリストを付しているところも、自己啓発本の特徴。この本は、しっかり自己啓発本の王道を行っております。 というわけで、本書は女性のみならず、男性が読んでも充実のライフスタイル本。教授のおすすめ!と言っておきましょう。ほんと、良い本ですよ。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】フランス人は10着しか服を持たない [ ジェニファー・L....価格:1,512円(税込、送料込)
August 12, 2015
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今日は品川にある原美術館へ、「サイ・トゥオンブリー展」を見に行ってきました。 サイ・トゥオンブリーって、ご存知? 私もつい最近まで知識ゼロだったんですけど、アメリカ生まれで、ヨーロッパで活躍し、2011年にローマで亡くなった現代美術の人。今回、原美術館で行なわれているのは、その回顧展でございます。 で、現代美術ですから、基本、抽象画でありまして、画風から言うと・・・うーん、誰風とも言えないなあ。まあ、実際に見ていただければ手っ取り早いか。これこれ! ↓サイ・トゥオンブリーの絵 ま、こんな感じですわ。 で、百パーいいとは思わなかったですけれども、中にはいいなと思うものもあって、それなりに堪能することができました。 が、むしろ私が感銘を受けたのは、原美術館そのもの。 原美術館ってのは、もともと東京ガス会長、日航会長、後の営団地下鉄会長などを歴任した実業家・原邦造氏の私邸で、銀座の和光などを設計した渡辺仁氏が建てたもの。それを美術館にリフォームしたんですな。で、その昭和13年にできたという、その当時としては激しくモダンな原邸が、素晴らしいのよ。もう、建築フェチの私としては、お目目がキラキラ〜ってなっちゃうくらい素晴らしい。戦前に、こんなステキな家に住んでいたなんて、やっぱり日本のお金持ちの実力ってのも、なかなか馬鹿になりませんなあ。 それで、当然のことながら、美術館に併設されたカフェでお茶を飲んできたのですけれども、ウェイターさんに老紳士が居て、この方がまた実にいい感じでサービスしてくれるわけ。若い人が悪いというわけではないですけれども、こういう年取った男性がウェイターを務めて下さると、店の格が上がりますね。我々もいい気分で旧原邸の中庭を眺めながら、お茶をすることができました。 というわけで、今日は、アートと建築とカフェを堪能しつつ、気分のよい午後を過ごすことができたのでした。サイ・トゥオンブリー展は、会期もまだありますから、東京にお住まいの方は是非。教授のおすすめ!です。
August 11, 2015
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今日8月10日は父の誕生日。誕生日にはいくつになってもプレゼントがもらえる仕来りの釈迦楽家なので、私もプレゼントを用意してきました。用意したのは、関口良雄の句集『銀杏子句集』でございます。『昔日の客』を読んで以来、すっかり関口良雄のファンになった父に、関口さんの句集である『銀杏子句集』をあげようかと以前尋ねたところ、古書価が意外に高かったので、いいよ、いいよと遠慮していたんですな。だから、誕生日にそれを贈ったわけ。 ちなみに、『銀杏子句集』には二種類あって、一つは普通の版、もう一つは特装版で、こちらは帙入り、オリジナル版画付きの豪華版。古書価でも4倍くらい高い。 で、最初、誕生日プレゼントだから高い方の特装版をあげようかなと思ったのですけれども、待てよと。帙入り版画付きでは、豪華過ぎて、かえって宝物になってしまうのではないかしら? むしろ普通の版の方が、気軽に、頻繁に読んでくれるのではないかと。 ということで、結局、普通の版をあげたのですけど、あげてみたら非常に喜んでいたので、やっぱりこちらで良かったかな。とにかく、本人が喜ぶプレゼントをあげられて良かったです。 さて、私の方は仕事がらみでナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』という本を日がな一日読んでおりました。 だけど、読んでみると、これが面白いわけ。さすが世紀の大ベストセラー。 もともとこの本の企画をしたのは、ナポレオン・ヒルじゃなくて、アンドリュー・カーネギーなんですな。カーネギーって、あの鉄鋼王の。 で、貧しい家の出で、たまたま新聞社に勤めていたヒルは、カーネギーのところに取材に行く機会があって、彼から「いかにして成功したか」という話を取材していたわけ。そしたら、その話が三日三晩かかったと。 それで、ようやくその話が終った時に、ヒルはカーネギーからこんな話を持ちかけられるわけ。今話したような自分の「成功哲学」を、誰でも実践できるようなプログラムにしてくれないか。そのために、自分の他にもこの社会で成功した人500人に取材してもらいたい。20年くらいは掛かるだろうと思うが、どうだ、キミ、やってくれんか? と。 ヒルはすぐに「やります」と答えるんです。 するとカーネギーは次のように付け足した。「ただし、わしからは何の金銭的援助もしないが、それでもやってくれるか?」 ヒルはしばし逡巡した後、「やります」と答えた。 するとカーネギーはポケットから時計を取り出し、「返事に29秒かかった。この種の決断をするのに1分以上かかる奴には仕事は委せられないと思っていたが、キミなら大丈夫そうだ。キミ以前に試した260人はすべて失格だったが」と。 ひょえ〜! しかも、カーネギーが「自分は一切金銭的な援助はしない」と言ったのも、実は合理的で、「自分を含め、500人もの成功者に紹介してやるのだから、馬鹿でないかぎり、取材しているうちに成功の条件をキミも掴むだろう、そうすればキミ自身も金持ちになれる。だからわしが援助する必要はないのだ」ということだったんですな。 それで、カーネギーがヒルに紹介した成功者というのは、実はその時点で成功していた人々、では必ずしもなくて、カーネギーの目から見て「おそらくこいつなら将来成功する」と睨んだ人物を紹介したんですな。だから、500人の手始めとして一番最初に紹介された人物はヘンリー・フォードだったんですけど、まだT型で成功する前のフォードだった。それで、デトロイトまで彼に会いに行って握手した時、フォードの手が油まみれだったので、ヒルの着ていたシャツの袖が汚れてしまったんですって。でも、その直後にフォードは自動車帝国を作り上げた。 それから、ヒルはインドでガンジーにも会っていて、ガンジーからの信頼を勝ち得たヒルの『思考は現実化する』は、インドでもバカ売れし、巨額の収入を得るようになるのですが、その際、ガンジーはピンカトン探偵局に依頼して、ヒルが信頼に足る人物かどうか、調べ上げていたのだとか。ガンジーって、もっとのんびりした人かと思っていたら、実はそういう周到なところがあったんですな! その他、ヒルがウッドロウ・ウィルソン大統領の補佐官をやっていて、ドイツとの講和の裏で色々画策していた、とか、ローズベルト大統領の有名な炉辺談話の下書きしてたとか、驚きの逸話満載。 というわけで、めちゃくちゃ面白いこの本を堪能していた今日の私だったのであります。これこれ! ↓【送料無料】 思考は現実化する 新装版 / ナポレオン・ヒル 【単行本】価格:2,376円(税込、送料込)
August 10, 2015
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今日、実家に戻ったのですけれども、さすがにこの時期、高速道の渋滞は避けられないようで、結局、足柄のあたりからずっと渋滞。当然、足柄サービスエリアも海老名サービスエリアも大混雑しているようだったので、夕食は9時半過ぎに高速を降りてから、ということになってしまいました。お昼、自宅近くの美味しいサンドイッチ専門店でがっつり食べてしまったので、夜は適当でいいやということになり、ガストか吉牛かという選択肢の中、吉牛に決まり。私は今テレビで宣伝している麦とろ牛皿御膳、みたいな奴を注文、家内は小盛りセットを頼んで、二人で1010円という超安上がりな夕食になってしまったという。 だけど、吉牛って、おいしいよね! さてさて、今日はほとんど移動だけで終ってしまった感じですけれども、明日からは頑張って東京での生活を満喫するつもり。 ということで、今日はこの辺で、失礼いたします。お休みなさーい!
August 9, 2015
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私は子供の頃からテレビゲーム的なものに親しむということがなく、任天堂とかPSなどとは無縁の生活を送ってきた人間なんですけど、最近、そういうのにちょっとはまりつつありまして。 と言っても、モンハン的なものではなく、もっとはるかに幼稚なもの。例えば簡易テニスゲームとか、将棋とか。 で、その中で特にこの頃よくやるのが「バウンドボールズ」という奴。色のついたボールを発射して、同じ色が3つ揃うと撃ち落とせるというね。これこれ! ↓バウンドボールズ ボールを発射して撃ち落とす時の「バシューン!」という音がね、何とも快感なんですよね・・・。 それで、何か論文とか書いている時、一段落付く事にこれを1ゲームやる。すると、たいてい「ステージ6」くらいのところで負けてしまうので、負けたら断念してまた論文に戻る。これが、結構いい息抜きになるのよ。 ということで、ゲームとは無縁の人も適当に楽しめるゲームとして、「バウンドボールズ」、教授のおすすめ!です。 さて、明日からちょいと帰省するつもりでありまして、しばらくは東京からの発信となります。それでは、東京からのお気楽日記、お楽しみに~!
August 8, 2015
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昨日、あれから更に読み進め、『ストーナー』を読了してしまいました。 昨日までの粗筋の中で、ストーナーは公私共に窮地に立たされるわけですけれども、結局、彼はそのことで特に何もしないんですな。ただ、これが運命とばかり、置かれた状況の中で本分を尽くす。 で、その過程で、中年になったストーナーは、結婚生活以外の場所で真の恋人に巡り合うのですけれども、世間的にみれば不倫となるその恋は、またしても周囲の圧力で、どうなることもなく、お互い離ればなれになってしまう。 とにかく、平凡人ストーナーは、非凡なまでの我慢強さでもって、耐えまくるわけよ。そしてその我慢強さと、少なくとも自分が居る位置だけは絶対にゆずらないという頑張りゆえに、いつしか彼は伝説の人とさえなってしまうんですな。 しかし、その果てに彼は病魔に襲われ、帰らぬ人となってしまう。 じゃ、結局、ストーナーの人生って何だったのか。 学者としては、本を一冊出したきり。その本も、まあ、それほど評判にもならず、特に学術的に意義があったわけでもない。そして、同僚との確執ゆえに、昇任することなく、定年も助教授のまま迎えることになってしまう。つまり、あまりパッとはしないわけです。 でも、彼は自分のやっている学問に最後まで魅了されていたし、その奥深さに畏怖と感銘を受け続けてきた。自分では何も貢献できなかったとしても、好きなことをやり続けたという満足感は多少なりともあったでしょう。 そして、彼を慕う弟子も少数ながら居たし、友人だって少しは居た。ごく少数ではあれ、彼は人から尊敬もされたし、彼から多くを学んだ人も居た。 そういう意味で、彼の学究としての生活が無意味だったというわけでもない。 それに、それが奥さんでなかったことは不幸ではあれ、彼のことを愛した人も居た。また十分に親愛の情を交わせなかったにしても、彼にはいい娘が居た。 つまり、色々問題はあったけれども、まあ、こんなもんじゃないのか? という程度には、充実していたわけですな、彼の人生は。相撲で言えば、8勝7敗で辛うじて勝ち越し、みたいな? だけど、まあ、たいていの人の人生って、そんなもんだからね。15戦全勝とか、13勝2敗で優勝、なんてことはまずないし、10勝5敗の好成績ってのもなかなかない。よくて8勝7敗、たまに負け越し、そんなもんじゃないのかなと。 そんなもんだよと。 ストーナーという一人の男の人生もそんな風でした、というところが、読者の共感を呼ぶのかもね。 だけど、最後の解説を読んでほう、と思ったのですけど、この本を訳された東江(あがりえ)一紀さんもまた、ストーナー同様、癌を患って、それでもがんばってこの本を訳し続け、あと1ページというところで力尽きて亡くなられたのだとか。 それを知ったら、何だか、ストーナーと東江さんと、その二つの人生が交錯するようで、ぐっと来るところがありますねえ。 東江さんの人生も、勝ち越しだったのなら、いいのにな。
August 7, 2015
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大学時代の同窓生がジョン・ウィリアムズという人の書いた『ストーナー』という小説が素晴らしいと絶賛していたので、そんなにいいのかあ、と、読んでみた。 まだ読みかけなんですけど、うーん、なんと言いますか、どうなんすかね。 ま、粗筋は簡単で、ストーナーという貧しい農夫の息子が、そのまま親の跡を継ぐのだと自分でも思っていたところ、思いがけずその親から「大学へ行け」と言われ、農学部に進学する機会を得る。 で、そのまま現代的な農業の知識を詰め込んで父の跡を継ごうと思っていたところ、ある英文学の授業をとったことが運の尽きというか、そのまま英文学にのめり込むようになって、両親の期待は裏切ることになったものの、英文学の講師として母校に残れることになった。まあ、ある意味、幸先のいいスタートです。 で、勢いそのままに、一目ぼれしたそこそこの地位の女性に結婚を申し込み、大学での仕事と家庭と、両方を手にいれてしまう。順風満帆ですな。 ところが。 この結婚した女性イーディスというのがとんでもない女だった。もう、結婚してひと月もしないうちに、ストーナーはこの結婚が失敗であったことを知るわけ。だけど、仕方がない、ストーナーはそのまま自分が折れる形でうわべだけでも結婚生活を維持しようとするんですな。 だけど、イーディスはそんな甘い女じゃないんですな。もう可愛い顔した悪魔のごとく、ストーナーの生活をじりじりと蝕んでいく。 ところで、家庭生活が地獄である反動からか、ストーナーは大学での仕事に打ち込み、なかなか人気のある先生として助教授まで昇任するんです。 ところが。 これまた邪悪な同僚、ローマックスってのがいて、こいつのおかげでストーナーの大学での生活は地獄絵と化す。 おいおい、家庭にも職場にも邪悪な悪魔がいるんじゃないかっ! ストーナー、お前さん、不幸過ぎるぜ! ・・・ってなわけで、今私が読んでいるのは、ストーナーがローマックスに大学での将来を潰されかけているところ。息苦しいというか、腹立たしいというか・・・。 この先、ストーナーの不幸はどこまで続くの? ひょっとしてこれ、まさかのバッド・エンド? それとも最後の方で倍返しとかあるの? ということで、今のところ、読み物としてはまあ、面白く読んでおります。 しかし。 どうなんだろうね、これって・・・名作っていうか、良い作品・・・なの? アマゾンのレビューとか見ると、どれも絶賛に近いけれども。 確かに、イーディスにせよ、ローマックスにせよ、悪い奴がとことん邪悪な風に描かれているのはすごく面白いと思います。その意味では、ちょっとディケンズの小説みたいよ。ローマックスなんて、あんまり邪悪過ぎて、身体まで変形しちゃってるという。そういう描き方は、21世紀のPC的配慮を完全に無視しているもんね。 だけど、ディケンズの小説は多層的だから、たとえ主筋で善人が苦しめられる展開でも、どこか他の層ではホッとできたり、笑えたりする部分があるじゃん? それに引き換え『ストーナー』にはそういう多層的なところがなく、逃げ場がないから、ストーナーが家庭でも苦しめられ、職場でも苦しめられたら、読んでいるこっちまで息苦しくなってしまう。 平凡な人間の、平凡ながらに波乱万丈な生涯を静かな筆致で描く、みたいな風にまとめてしまうと、そういうことなんだけど、私からすると、ちょっと遊びがないというのか、厚みがないかな。例えばカズオ・イシグロの『日の名残り』とか、あれだって「平凡な人間の、平凡ながらに波乱万丈な生涯を静かな筆致で描いている」けれども、『ストーナー』よりよほど重厚な「味」がありますからね。 ま、まだ最後まで読み切っていないので、この先、印象が変わるかも知れませんけれども。 ということで、「これ、すっごい名作だっ!」というところまで確信はしてませんが、「この先、どうなるの?!」という思いで次々ページをめくってしまう本であることは確か。その意味で、興味のある方は是非! あ、そうそう、これ、名翻訳家・東江一紀さんの最後の作品であることも言い添えておきましょうかね。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】ストーナー [ ジョン・エドワード・ウィリアムズ ]価格:2,808円(税込、送料込)
August 6, 2015
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昨夜レイト・ショーで『ターミネーター 新起動ジェニシス』を観てきました。以下、ネタバレ注意ということで。 まあ、『ターミネーター』『ターミネーター2』の大ファンであり、『3』『4』はどうでもいい(=無くてもいい、否、むしろ無い方がいい)と思っている私でありますので、今回の『新起動ジェニシス』も、まるで期待しないで観に行ったわけであります。 全然期待はしてないんだけど、シュワちゃんがターミネーターとして登場する限り、観る義務が生じる、的な忠誠心で観に行っているわけね。ま、この映画を観に行く人って、大概はそうなんじゃないの? で、見始め、オリジナルの『ターミネーター』の名シーンを織り交ぜた映像に「お? これはちょっとやるじゃないか?」と思い始めた途端、未来から来たT800型ターミネーター(シュワ型ターミネーター)に続いて、同じシュワ型ながら、大分お歳を召した感じのT800が登場、新旧シュワちゃんの対決となるという。 何となれば、お歳を召したシュワ型は、もう10年くらい前からこの時代に送りこまれていて、サラ・コナーの養父的な感じで彼女を育て上げ、やがて1984年にもう一度シュワ型が送り込まれていることを見越し、待ち伏せをかけていたというね。 だから、今回の映画では、1984年時点で、サラ・コナーはしがないウェイトレスどころか、既に立派な戦士になっていたという。 そればかりか、T1000型、すなわち「リキッド・メタル」がやってくるというのも予期していて、彼を酸で溶かしちゃうという罠まで仕掛けている始末。 しかし、予期していなかったのは、我らが英雄、救世主ジョン・コナーが、機械軍側に引き入れられ、なんとジョン自身がサラやシュワやカイルらがスカイネットをぶっ壊すのを阻止しに、未来からやってくること。 さて、いつの間にやら悪の手先となったジョン・コナーを、サラ&シュワ&カイルたちはやっつけられるのか? みたいな話。 なんか、話がスター・ウォーズみたいな感じになってきたよね・・・。悪の手先となったのは・・・俺の親父だった! みたいな。もっとも、ジョンとカイルでは、父と子の関係が逆転してはいますが。 で、観終わった後の結論としては・・・ 「48点」でーす! 不合格! ま、期待通り、というか、期待してない通り、ですな。『ターミネーター』は『1』と『2』で完結。そう思っておいてまず間違いない。 大体、ジョン・コナー役の俳優、ジェイソン・クラーク? が何ともカッコ悪いし、カイル役のジェイ・コートニーもパッとしないのよ。それに狂言回しでJ・K・シモンズが出てきて、『1』『2』に出て来たあの犯罪心理学者の役かと思い、おお、面白い配役してきたなと思ったら、そうじゃなかったし。その意味でシモンズを使いきってない感じ。 とにかく、シュワちゃんが老骨に鞭打って出演していることだけが取り柄の映画ですな。シュワちゃんが、(まさに)機械的に学習した「こういう時はスマイルだ!」というタイミングでニヤっと笑う時とか、あるいはサラの疑似父親として、やがて彼女の夫となるはずの・・・ということは自分の義理の息子(?)になるはずのカイルに対し、「まあ、こいつなら娘を任せてもよかろう」的まなざしを向ける時とか、そういうのを楽しむだけの映画。 だけど、最後まで見ると、どうやらこのリブート映画、まだ先があるみたいで、もう恥の上塗りになるからやめておけばいいんじゃないの?と、老爺心ながら言っておきましょう。シュワちゃんだって、もう疲れちゃうよ。
August 5, 2015
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暑いですなあ。連日うだるような暑さ。これで夕方にざっと夕立でも降ってくれたら少しは夜の気温も下がるのでしょうけど、このあたりでは夕立もなし。 さて、そんな暑さの中ですけれども、昨夜は外食しちゃった。 そう、期末試験とその採点が終わったので、恒例、家内と焼き鳥パーティーなのだっ! 我が家は住宅地の只中にあるので、歩いて行ける(つまり、お酒を飲める)飲食店って、その焼き鳥屋さんしかないのよ。で、年に二度、期末試験が終わる度に、「自分、お疲れ様」の意味を込めてそこに行くわけ。 ということで、各種焼き鳥を肴に生グレープフルーツ・チュウハイなどをグビグビと。シメは名古屋名物、「鶏きしめん」で。お酒にあまり強くない我ら夫婦は、ジョッキに一杯のお酒で十分、フラフラに酔えるというね。安上がり~! しかし、この焼き鳥Pが終わると、大分、休暇に近づいたって感じがするねえ。 帰り道、夜遅くまで開いている本屋さんなどに立ち寄りながら、千鳥足で歩いていると、あらま、このあたりも大分新しいお店が開店して、中国料理店と鰻屋さんが新たにできているじゃありませんか。ということは、何も年に二度のお楽しみは、焼き鳥屋じゃなくてもいいわけだ・・・。 うーん、だけど、やっぱり、カウンターで呑む焼き鳥屋かな、感じとしては! ってなわけで、安上がりな打ち上げに舌鼓を打ちつつ、「そろそろ夏休み」の気分を楽しんでいるワタクシなのでありましたとさ。
August 4, 2015
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色々事情があって、急にもう一人、修士論文の面倒をみなくてはならなくなりそうな気配がしてきました。既に一人面倒を見ているのが居て、それプラス、ですから、ちょっと負担が大きいなあ・・・。 しかも、今面倒を見ている院生は、昨年からじっくり計画を練って事を進めているのでアレなんですけど、今度のは急に、それもあと半年で修論を書く、というのでしょう? そんなの無理じゃん・・・。 で、今まではキーツの詩で修論を書く準備を進めていた、というのですけど、キーツなんて私にとっては全くの専門外だし、そもそも私は詩を解さない散文的な人間なので、私に面倒を見てほしいというのであれば、テーマそのものから変えてもらわないとなあ・・・。 ってなわけで、今から半年という短期間で、クオリティは問わず、即席で書けるテーマを考えてみた。 で、思いついたのが、「イギリスの絵本」というテーマ。 と言っても、「マザー・グース」とか、そっち方面まで足を突っ込んじゃうと、半年で書けるわけがない。だから、それは言及に止めて、もっと新しい時代の、っていうか、はっきり言えば今、イギリスでどんな絵本が流行っているのか、とか、そういうことをテーマにしてみたらどうかと。 で、ちらっと調べてみると、イギリスでは1970年代くらいから、ページを開くと絵が立体的に飛び出してくる「仕掛け絵本」が流行している、ってな情報があったので、この辺りを中心に調べてみたらどうかなと。ドイツやフランス、日本あたりのものと比べたりしながら。 さらに、この方面に関しては、基本的な文献もそこそこある。この「そこそこ」というのが重要なので、少なすぎても、多すぎてもやっかいなことになってしまう。絵本だと、適度な量しかないので、即席で行くならちょうどいいかな。 なんてことを言うと、絵本関係の専門家に怒られそうですけれども、私が言っているのは、この分野なら簡単に論文が書ける、ということではなく、今回、私の指導ではやっつけ仕事の論文をでっちあげる他ないけれども、同じやっつけ仕事をやるのであれば、これは比較的ぼろが出にくいテーマなのではないかなと。だって、絵本ですから、原典を読むのもあっという間だし、絵本の図版を盛りこめば、ページ数も稼げますから。 ということで、私の下で即席の修論を書くなら、そんな感じでやるしかないんじゃないの? という返事は出して置きましたが、さて、この院生さん、どう応答してくるでしょうか。 しかし、何だか最近、私はうちの科の駆け込み寺みたいになってきたなあ。みんな、ちゃんとしようよ!
August 3, 2015
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このクソ暑さのせいか、あるいは昨日、懸案だった講演の仕事が終ったせいか、夏には強いと自負する私も若干夏バテ気味。なんか何にもする気が起らないので、今日も一日、仕事とは関係ない本をグダグダと読んでおりました。 で、読んでいた本の一冊が、鹿島茂著『進みながら強くなる』(集英社新書)。本屋さんで見かけて、パラパラ立ち読みしたら、割と面白そうだったのでね。 『進みながら強くなる』というタイトルは、要するに、人間ってのは「何かをしない」理由付けをするのが得意なので、油断すると「まだ準備が出来てないから」とかいうもっともな理由をつけては、新しいことに着手することをためらうものであると。だから、準備なんかまだ出来てないうちから見切り発車的に第一歩を踏み出せばいいのだと。 で、その際、他力本願というのも案外役立つもので、たとえばどんな形であれ、他人が背中を押してくれたら、それに乗っちまうという手もある。 鹿島茂さん自身、もともと論文以外、ものを書いたことがなかったそうなんですが、ある時、知人の編集者だかが、鹿島さん本人の許可も取らないまま、某雑誌にあるテーマで連載記事を寄稿する手はずを整えてしまった。それで仕方なく、不充分な準備のまま、書きながら調べる自転車操業で連載を続けているうちに、結局連載をきちんと書き終えることができたばかりか、その連載をまとめたものが本になり、その本が賞をとって、それが「物書き」としての鹿島茂の誕生となった。 こういう風に、他人に無理やり押しつけられたような仕事でも、思い切って引き受けることで、新しい次元の自分に出会うこともある。だから、頼まれた仕事は断らないで引き受けるというのも手だよと。 だけど、そうやって引き受けた仕事が成功すると、今度は同じようなテーマについての原稿依頼が山のようにくる。でも、自分としてはもうそのテーマは卒業したい。そういう時はどうするか。 鹿島さん曰く、そういう時は、ただ断るのではなく、依頼主に向って逆提案しなさいと。 つまり、「そのテーマはもう書いてしまったので、これ以上は面白いものが書けそうもない。だから、それと少し方向が違うけれど、こういうテーマだったら面白いものが書けそうだから、そっちを書かせてくれませんか」と、逆提案してみる。そうすれば、依頼主も満足させられるし、自分にとってもまた新たな勉強になる。またそうやって少しずつ方向を変え、テーマを変えていけば、物書きとしての自分の守備範囲も広がるので、一石三鳥だと。 ま、そんなことを、ご自身の体験を元に書いていらっしゃる。 なるほどね。納得。 だけど、ここが残念なところなんですけど、本書の以後の章では「進みながら強くなる」というテーマはまったく放棄されて、全然別なことが書いてあるんです。 第二章以後は、日本人の特性のことが書いてある。 鹿島さん曰く、日本ってのは、伝統的に親と子、あるいは親と子と孫が同じ家に住む社会であると。だから、下の世代は上の世代に言われたことを唯々諾々と受け継いでやっていれば済む社会だった。だから、道徳とか倫理面に関しても、改めて教わらなくても、親の背中を見ているうちに伝わるので、それで十分に道徳的・倫理的な社会が維持できた。 ところが、そこへ西洋的な、というか、イギリス的な核家族の生活様式が入りこんできたため、日本は今、伝統的な社会システムと新しい核家族的な社会システムが中途半端に混じり合った状態になっていて、それが今日の日本社会の混乱をもたらしていると。 しかし、今後日本は核家族的な社会システムに移行せざるを得ないことは明らかなので、それだったら、もっと徹底的に、核家族的社会システムを成立させるための道徳を導入しないとまずいのではないか。 では、その核家族的社会システムを成立させている道徳というのは何かというと、「人間は自分の欲望を満足させるために生きている」という身も蓋もない認識を明確に持つ、ということであると。 しかし、そういうと、それでは皆が皆、自分勝手に、自分の欲望を追求する社会になってしまうではないかという懸念が起ってくるけれども、そうではない。自分の欲望を追求していくと、ある面では逆に利他的な状況も起こってくる。 例えば、ラッシュアワーに電車に乗ることを考えてみる。 自己欲望充足の為なら、整列乗車なんて悠長なことは無視して、我先に電車に乗り込んだ方がいい。 しかし、皆が皆、我先に乗りこむとなると、そこで争いが起き、喧嘩になったりするかもしれないし、そうでなくても押し合いへし合いの大変な状況を潜り抜けることになるので、これが毎日繰り返されるとなると、相当しんどい。 で、そういうしんどい状況が自分の為にならないとなれば、どうなるか。そう、整列乗車をして、自分より先に並んでいる人が自分より先に乗りこむ、という状況にした方が良いことになる。 だから、自己欲望充足を突き詰めると、「我先に」よりも、「お先にどうぞ」の方がよほど優れた作戦だということになる。 一事が万事。自己欲望充足のためには、ある面では他人にゆずった方がいい、ということがあるわけですな。だから自己と他人の間で最善の妥協をするにはどうすべきかをじっくり考えて、そこから社会のシステムを作り上げていくのが一番いいわけ。 だけど、今までの日本は、中途半端に伝統社会のしきたりを引きずってきたので、そういう「自己と他人の最善の妥協」ということを考えないまま今日まで来てしまった。そこがまずいので、この辺りで一度、そういうことを考えた方がいいのではないか。 ・・・というのが、本書の第二章以後で展開される鹿島さん流の道徳論なわけ。 まあ、それはそれで納得ですね。 だ・け・ど、この道徳論を、「進みながら強くなる」というタイトルの元で展開するのは、ちょっとね。 つまり、この本は、二つの異なる内容のものが、一冊の本の中に同居してしまっているわけですな。それぞれの内容は、それぞれ説得力があるだけに、ちょっともったいないような気がする。それぞれ別な本として展開させるべきだったのではないでしょうか。 ということで、なんとなく「看板に偽りあり」的な本になってしまっている本書ですが、面白くないわけではないので、その辺、御承知の上で、ということを含めて、教授のおすすめ、ということにしておきましょうかね。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】進みながら強くなる [ 鹿島茂 ]価格:756円(税込、送料込) ところで、ちょっと話は変りますが、最近の新書版って、何だか紙質が落ちたような気がしません? 紙の手触りが、以前のようなすべすべなものではなくなって、ざら紙というか、藁半紙的な感じになったような気がする。私の気のせいですかねえ? 出版不況の折りだけに、紙質を落としてコスト削減しているのではないでしょうか? ま、別にコスト削減は別に悪いことではないので、アレですけど、何だかちょっと、新しい本のパリパリの頁をめくる楽しみが減ってしまったような気がして、寂しい感じもしますねえ。本当のところ、どうなんでしょうか。
August 2, 2015
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ひゃー、市民講座、やってきました~。 ま、やってみるまではどうなることかと思いましたけれども、一般市民の方々の勉強熱心さには驚かされるほどで、私の拙いジャズ談義にも熱心に耳を傾けていただきました。ありがとうございました。 また、講演終了後、聴衆の中にいらした某コンサートホールの運営に携わっておられる方から、そちらのホールでもジャズの話をしてくれないかというお誘いがあり、そういう別口の仕事の依頼がある程度には、そこそこの出来だったのかなと。 そして、講演後は、市役所に勤めている昔の教え子Yさんと旧交を温めることも出来たのも良かった。ということで、案ずるより小野ヤスシ。なかなかいい一日となったのでした。 ということで、午後からはもう、だらけにだらけ、うだうだと本ばかり読んでいたワタシ。 読んでいたのは橋口幸子さんの『珈琲とエクレアと詩人』と『いちべついらい』の二冊。前者は橋口さんと詩人の北村太郎さんとの関係、後者は橋口さんと田村和子さん(詩人の田村隆一さんの奥さん)との関係を描いた本。 で、この二冊を読みますと、北村太郎と田村隆一、そして田村和子さんの関係が一応分かる・・・のですけど、「分かる」というよりは「分らない」と言った方が当っているかも。 で、ひょっとして間違っているかも知れませんが、私が理解したところでは、詩人の田村隆一と北村太郎は、幼馴染みというか、とにかく旧知の仲。 それで田村隆一の二番目(?)くらいの奥さんだったのが、田村和子さん。なんだけど、田村隆一は、別に若い愛人を作って家を出てしまう。 で、和子さんは北村さんにそのことを相談するのですが、そのうちにこの二人が愛し合うようになり、北村さんは旧友の居なくなった旧友の家で、旧友の奥さんである和子さんと暮らすようになる。 だけど、北村太郎は北村太郎で奥さんと子どもが別にいると。 で、そのうちに家を出たはずの田村隆一が家に戻ってくることになったので、北村太郎は慌てて田村和子さんの家を出て、なんだかんだで近所に住むようになる。 で、和子さんは田村隆一とよりを戻しながら、北村太郎の家にも頻繁に行く。 で、二人の男の間でそんな変な事をしているもんだから、和子さんは精神的に不安定になったりする。しかも、結局田村隆一と和子さんは離婚する。で、やがて北村太郎さんは病に斃れて死ぬんだけれど、本妻がいるものだから、和子さんは彼の最期を看取れなかったと。 で、この複雑な関係に、著者の橋口幸子さんがどう絡んでくるかといいますと、田村隆一が出て行った後、和子さんが自宅に下宿人を募集したので、それで橋口さんとその夫がそこに住むようになって、それで和子さんと知り合うようになった。で、その頃、北村太郎も和子さんの家に転がり込んでいたので、橋口幸子さんと北村太郎は、一時期、下宿人仲間だったと。 だけど、どうも橋口さんの夫と田村和子さんの間には何かあったらしく、そのこともあってどうやら橋口さんは夫と離婚したのかな? で、そんなことがあったものだから、橋口幸子さんも精神的に不安定になる。 で、その精神的に不安定な田村和子さんと橋口幸子さんが何故か同居することになって、橋口さんが田村和子さんの面倒を見るような形になるのだけど、ついに二人の関係も破綻して、橋口さんは田村和子さんとしばし交際を断つことになり、そしてそのまま田村和子さんは亡くなってしまう。 ・・・というようなことだった(らしい)。 ね? もう、何が何だか、人間関係がすごいことになっているわけですよ。わけわからんでしょ? でも、とにかく橋口さんの二冊の著書を読むと、北村太郎さんっていうのは、とってもいい人だったんだな、というのは分る。そして田村和子さんというのは、可愛いところもあり、とても付き合いきれないところもあり、とにかくインパクトのある人だったということがわかる。そういう感じです。 で、結局、これらの人間関係の中では、田村隆一だけが好き勝手なことを屈託なくやってのけたな、という感じがする。もちろん、誰も彼の側から描いてないからそう感じられるだけかもしれませんが、多分、実際にそうだったんじゃないかなと。もちろん、そのために彼の周辺の人たちはみんな精神不安定になっちゃうわけだけど、周りの人を全部精神不安定にしちゃうくらいの人じゃないと、詩人として食ってはいけないのかもね。 ま、一仕事終えた後のグダグダ状態の読書としては、二冊ともなかなか面白い本でした。こういう複雑な人間関係に興味がある方にはおすすめ!と言っておきましょう。これこれ! ↓【楽天ブックスならいつでも送料無料】珈琲とエクレアと詩人 [ 橋口幸子 ]価格:1,296円(税込、送料込)【楽天ブックスならいつでも送料無料】いちべついらい [ 橋口幸子 ]価格:1,836円(税込、送料込)
August 1, 2015
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