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February 22, 2019
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カテゴリ: 教授はつらいよ
2年ほど前に、研究室に置いてあった自分の本をかなり大量に処分したことがありまして。もう、書棚に三重に本を置いてもスペースが無くなってしまったもので。

 私は基本、本を処分するということがないので、その時は自分としてはかなり思い切ったことをしたわけでありまして、それによって発見もありました。

 本を処分するということは、ある時代の自分自身の記憶や、ある時代の自分が抱いていた希望や野心を捨てることに等しいのよね。そういう、自分にとってはかけがえのないものを、人生の残りの時間と天秤にかけて、「もうこの本と関わることはないな」と判断する切なさ・・・。これを味わうのも、一つの人生勉強かなと。

 だ・け・ど・・・。

 あとから考えて、「アレ、捨てなきゃよかった~!」と後悔することが結構ある。実際、もう何度もありました。

 で、昨日もそういうことがありまして。

 卒論審査が終った後、同僚と大学の近くの美味しいうどん屋さんで昼食をとっていた時、たまたま話題がフランスの言語学者ソシュールの研究者として名高い丸山圭三郎のことに至りまして(一緒に行った同僚が言語学と哲学の先生だったもので・・・)。

 で、丸山さんの本で何が一番印象的だったかという話になり、私が『言葉・狂気・エロス』という本だという話をした。

 これ、講談社現代新書に入っていたものなんですが、この中で丸山さんがエロティシズムを語るくだりがあって、そこで丸山さんが持ち出す例がすごいのよ。



 ところがそのドライブの帰り道、渋滞にはまり、トイレに行けなくなってしまったそのマドンナが車内で失禁するという事態に至る。

 ゼミの先生のみならず、ゼミ仲間の男子学生の前でのこの失態に女性としての羞恥心だけでなく、学内のマドンナとしてのプライドも崩れ落ち、苦悩に身もだえする女子学生を前に、とてつもないエロスを感じたと、丸山さんはその本の中に書き記している。まさに狂気と紙一重のエロスというか。

 で、私はこの箇所がすごく印象に残っていて、そのことを同僚たちに告げたのですが、二人共この本を読んでいなかったようで、「えー! 丸山さんって、そんなことを本の中に書いちゃう人なの~!! 意外ーー!」と驚いておりました。

 で、うどん屋から大学に戻って、私がその本の実物を見せようと思ったわけよ。で、

 あ゛ーーー! この前、処分した中にこの本も入っていたんだーーー!

 となった次第。

 たまたま別な同僚がこの本を持っていたので、ちゃんと証拠を示すことは出来たのですが、それにしてもこの本くらいは取っておけば良かったなと。

 もう一回、買い直すか・・・。

 というわけで、処分した本を買い直したいと思うことって、多いなと。

 ままならぬことの多い人生でございます。


これこれ! (今は講談社学術文庫に入っているようです。)


言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの【電子書籍】[ 丸山圭三郎 ]





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Last updated  February 22, 2019 12:40:43 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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