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March 27, 2022
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カテゴリ: 教授の読書日記
昨日、3回目のコロナ・ワクチン接種を終えたのですが、一夜明けたら、昨日より今日の方がキツイ。なんか体がだるくて、気力が出ない。まあ、多分、今日一日過ぎれば、と思うのですけれども。


 さて、そんなこんなでイマイチ、仕事に精が出ないもので、昨日に引き続き、今日もグダグダと本を読んでおりました。読んでいたのは、『間違いだらけのクルマ選び』シリーズで有名な自動車評論家、「徳さん」こと徳大寺有恒さんの『ぶ男に生まれて』。

これこれ!
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 実はこれも家の近所の古書店で330円でゲットしておいたのよ。私は根っからのクルマ好き、かつ、徳大寺有恒ファンでもあるのでね。

 で、読み始めたんだけど、これが面白いんだなあ。

 晩年に近い頃の徳大寺さんは、白い髭を生やし、お洒落な服を着て、葉巻なんか吸っちゃって、それがまたよく似合っていて、決して「ぶ男」という感じではなく、むしろダンディという印象が強いのですが、もちろん正統派の二枚目ではないことは確か。



 で、その時、徳さんは、女性が惹かれるのはハンサムな男であって、自分のような男ではないことに初めて気づく。そのショックが、徳さんに初めての「コンプレックス」を意識させることになる。以来、徳さんは、顔の造作といい、足の長さといい、太っていることといい、田舎少年であることといい、ありとあらゆるコンプレックスを抱え込むんですな。自分は、モテる男の対極にあるような男であると。

 しかも、その徳さんは、自分でも自覚する無類の女好き。女にもてたくて仕方がない性格。そういう女好きであるにもかかわらず、少なくとも外見上は、もっとも持てないタイプの男に生まれちまったという運命。ここから徳さんの人生が始まるわけですよ。

 でまた、徳さんの進学した先が成城大学。茨城一の進学校からすれば、学力的にはちょっと物足りないところがあって、その意味で、学歴コンプレックスまで生じてきただけでなく、何しろお金持ちのボンボンが集まる大学ですから、周りの友人たちがお金持ちの子息だったり、飛び切りのハンサムだったり、既に芸能界デビューしているヤツだったりする。例えば赤木圭一郎とか式場壮吉とか、そういう連中がいるんですからね。ハンサムで金があって女にモテる友人たちに囲まれれば、徳さんの外見コンプレックスにはますます拍車がかかってしまう。

 で、徳さんは青春時代をコンプレックスの塊として過ごすんですけど、やっぱりここが徳さんのスゴイところで、そこでガッカリしたまましょぼんとしてしまうのではなく、どうしようもない外見上のハンデを、どうやって克服するか、ということを考える。

 まずはオシャレをする。それも、流行に流されるのではなく、自分なりのポリシーをもって。しかも、お洒落ってのは、自腹を切って服を買って、何度も失敗をする場数を踏まないと、しかるべきレベルには行かないということも踏まえて、色々トライする。そして好きな自動車のことに熱中するだけでなく、音楽を聴き、映画を観、それらから粋の極意を学ぼうと、エッセンスを吸収しまくる。

 でも、成城大学のハンサムで金持ちの友人たちだって、それぞれのやり方で知性を磨き、センスを磨いていて、結局、徳さんよりも上を行っちゃうところがあって、そこで地団太踏むところもあるんだけれども、でもやっぱり努力は続ける。

 そして女性に対してだって、自らを鼓舞して積極的にアプローチし、数多く失敗し、時には成功し、そういうところからも人生経験を積んで、自分の肥やしにしていく。

 で、そんな風にして自分のコンプレックスとの長い付き合い方を披歴したのが本書『ぶ男に生まれて』ということになるわけです。


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 とまあ、そんな感じの本なんですけど、面白いよ! すごく面白い。やっぱり自分の経験だからね。自分で悩み、自分で工夫し、自分で考えて、失敗して、成功して、色々あって学んだことの蓄積だからね。



 あと映画と言えば、フランソワ・トリュフォーがジャン・ポール・ベルモンド主演で撮った『暗くなるまでこの恋を』を見て、ベルモンドが演じる「ぶ男の恋」に徳さんがむせび泣くエピソードなんて、感動的ですわ。この映画の中のベルモンドの愛する女への行動を見て、ぶ男の生きる道を見出すなんて、ちょっとこう、いいんだよね・・・。

 で、思うんだけど、この本って、素晴らしい「男のための自己啓発本」になっているのではないかと。この本、タイトルは『ぶ男に生まれて』だけど、もしこの本に副題を付けるとしたら『男の品格』じゃないかしら。

 で、それにつけても思うのだけど、昨日読んだ坂東眞理子氏の『女性の品格』と比べて、この本の圧倒的なまでの面白さは一体何なんだと。『女性の品格』は、大所高所からの「こうしたらいい、ああしたらいい」というマナーの寄せ集めだけど、徳さんの本の方は、生きた人間の苦闘の歴史と、その歴史から徳さんが自ら掴み取った学びだからね。味わいが全然ン違う。価値が違う。

 ということで、『女性の品格』なんて本はどうでもいいので、徳大寺有恒の『ぶ男に生まれて』は、少なくとも男ならば、是非一度読んでみてよ。考えさせられるところ、学ぶところが絶対にあると思いますよ。教授の熱烈おすすめ!です。



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Last updated  March 27, 2022 09:56:57 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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