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August 11, 2022
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カテゴリ: 教授の雑感
相変わらず文芸時評用に文芸誌を読み漁っておりますが、今日は『群像』に出ていた松浦寿輝の「香港陥落――Side B」という小説を読んだところ、これはまあまあ読める小説で、ちょっとホッとした次第。

 で、もちろん松浦寿輝の小説を読んだのは初めてですが、この人はもともとフランス文学を講じる大学の先生だった、ということくらいは知っている。英文と仏文の違いこそあれ、ある意味、同業者っていうね。

 ま、それはいいんですが、この人の小説を読んでいて、ちょっと面白いなと思ったのは、内容もさることながら、小説の中の会話の書き方ね。

 小説の中で登場人物に会話をさせる場合、地の文と区別するために括弧をつけた上で会話部分を独立させるのが普通ではないかと思うのですが、この人は会話を描くのに括弧を一切使わないの。地の文との区別もない。

 だから、どれが地の文で、どこからが会話なのか、分からなくなる・・・ような気がするのだけど、実際にはそうならないのね。まったく不自然な感じがなく、地の文と会話部分の区別はつく。

 その感じは、ちょっとね、落語のような感じがするんだなあ。

 落語だと、噺家が一人で何人もの会話を演じるでしょう? しかも会話に入る前の状況説明もしなくてはならない。だけど、それを聴いている我々は、どれが説明で、どこからが会話なのか、ちゃんと分かるし、会話にしても、誰と誰がしゃべっているか、すぐに区別がつく。

 あの感じとよく似ているのよ、松浦寿輝の小説は。で、それを読みながら、これはこれで一つの芸だなと。

 ま、そんなことを味わいながら読んでいたので、結構面白かった。



 その辺、よくご存じの方がいらしたら、ご教示ください。





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Last updated  August 11, 2022 11:34:32 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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