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September 13, 2025
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カテゴリ: 教授の雑感
昨日まで京都大学で集中講義をしていたわけですが、その講義の中で、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に触れることがありまして。

 この作品、アメリカSF映画の金字塔であるわけですけれども、自己啓発思想の面でも非常に面白い映画でね。

 というのも、この映画の主題が「人類の進化」だから。冒頭、猿が道具を扱うことを知り、人間への進化の道筋をつけるシーン。そして最後、ボーマン船長が人間からスター・チャイルドへの進化を遂げるシーン。どちらも「新人類への進化」が重要な概念となっている。

 で、この映画がアメリカで封切られた1968年という時代は、まさに人間の進化が切実に希求されていた時代でもあったわけ。公民権運動(内憂)とベトナム戦争(外患)で国が荒れていた時期、人々(特に若者)は、社会の大改編、それも長い時間をかけたゆるやかな改変ではなく、一夜にして社会が変わるような、巨大なパラダイムシフトが望まれていた。その人々の希求が、スター・チャイルドへの進化という形で、あの映画の中で描かれていたわけですよ。

 だから、この映画は自己啓発映画なのね、人間の進化がテーマだから。

 それはいいのだけど、そういうことなしに考えても、私たち世代の人間にとって、『2001年宇宙の旅』を観たことがないとか、そういう状態は考えられないわけよ。私は中学生の時に観ましたし、それ以来、様々な形でこの映画のことが話題に上がることがあった。常識中の常識なわけ。ところが・・・

 京大生・院生ともに、受講生の誰一人として、この映画のことを知っている者がいなかったのでした。観たことがない、ではなく、この映画の存在自体を知らなかった、というんですわ。タイトルすらも、初めて耳にしたと。

 で、逆に聞かれましたもん。「この映画とどうやって出会えばいいんですか?」と。

 ええ゛ーーーーー、だよね!



 それが、一般の人ならまだわかるけど、京大の学生・院生、それもアメリカ文学とかそういうことに興味のある連中がそうなんだからね。

 そのうちに日本で、「ピカソって何をやった人ですか?」とか、「シェイクスピア? そんな人の名前を聞いたことがありません」とか、そういう風に言われる日が来るのかな。

 いや、ひょっとしてもう既に来ていたりして・・・。





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Last updated  September 13, 2025 08:50:04 PM
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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