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「ねえさん! 今日、わしはお泊りか?」
最近、母のテーブルに男性が席を替わって来られた。
若年性アルツハイマー。
お歳はまだ60を5歳超えられた所とか。 見るからにお若い方です。
その方、私を 「ねえさん!」 「ねえさん!」 と呼ばれる。
「う~ん! 私はおねえさんとは違うけど・・・昔のおねえさんって所でいいかな?」
すこ~し、例によって少々H語がお得意のようです。
そのお話には乗らないし無視。 背を向けて反応しない。
即効で話を変えるとこだわりなくこちらの話に乗ってこられる。
やっと気持ちが通じたのか殆どその会話が無くなったKさん。
とっても優しい顔立ちでなかなかのフェミニスト。
いつもニコニコされて優しい気遣いが出来る方です。
でも、時々スイッチが入り落ち着かなくなる。
「ねえさん、今日わしはなんでここに居るねん!」
「ねえさん! わしは誰と一緒に来たんや?」
「ねえさん! わし恥ずかしいねんけど・・・聞いてもええか?」
「ねえさん、 わしは頭がおかしいいねん。 何にもわからんようになってんねん」
「ねえさん、わしはどうなってしもたんや・・・大の男が情けない・・・」
Kさんはドスの効いた声で 「ねえさん」と言ってからしゃべりだす。
なんか・・・私は渡世の世界で「ねえさん」と呼ばれているみたいな錯覚になる。
母の認知症の初期の頃の会話がダブりKさんの気持ちが良く判る。
「Kさん、大丈夫よ。 人間60歳も過ぎると時々判らなくなる時があるよ。
私も時々、あれ?って思う時があるし。 誰かに聞くとあ~そうかって」
「ほんま? 誰でもそうなん? ねえさんも? 安心したわ」
ものの1分も経たない内にまた 「ねえさん!」が始まる。
近頃は漸く会話の中身が変わってきた。
季節の話、世間話を広げて話すとしっかりその会話を広げられる。
どなたに限らず会話は大事なリハビリなのだと思われる。
それとは反対に同室のMさん。
どんどん口を開き訴える事をしなくなってしまった。
そして、体調を崩されベッドに伏せる事が多くなった。
あの入所された時にもっと訴えに耳を傾け、寄り添ってあげていたら。
今、このような事にはならなかったのでは???といつも疑問が湧いてくる。
「私はもうどうなってもいいねん。 死にたい」とばかり言っていたMさん。
気力がなくなってしまったのだろうか???
「お話相手になりますから母と同じテーブルに」とお願いした事も届かなかった。
母の通う病院の家族会での合言葉。
「家族から絶対に目を離さない」 「心のケアは家族から」
「 特養 」 毎日通うとお一人お一人の様子が手に取るように判る。
やっぱり母だけではなく、みなさんにいつも心を向けてあげたい。
今日も合言葉が心に響く。
神さま
病める兄弟姉妹の上に
あなたの
愛と福音がありますように。
