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2011.11.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
谷川俊太郎に「谷川俊太郎の33の質問」とかいう本(ちくま文庫)があり、詩人その他の文化人計七人に問いをぶつけ、それを綴ったものがこの本になっている。

 今をときめく(爆)、斎藤孝せんせーも本書を「質問力」の優れた例として触れておられる。

 それで計33の質問があるわけなんだけど、その三つめが「女の顔と乳房のどちらによりエロチシズムを感じますか」というもの。
 でも、がっかりした。
 ちょっと考えれば顔にきまってる、でも、みんながみんな、おんなじこと、言ってもしょうがないやんけ?
 まあ、これはもともと、お客さんたちの前の公開対話シリーズ(ジャンジャン)だから、あんまり極私的見解は述べられなかったのかもしれないけどね。

 大岡さんなんて、乳房にエロチシズムなんてぜんぜん感じないって、いばってる。
 ほかのひとで、インテリになるほど乳房より顔に感じる度合いが強まると語っているひともいる。ということは、プロレタリアートのような場合は、逆転することもありうるのだろうか。(ちょっと思い出したけど、まさにアマルコルドのなかに、肉体的フェティシズムがあらわされてるエピソードがありましたね)

 なんとか恰好をつけるべく、谷川さんは乳房にもエロチシズムは感じるけど、顔のほうがより多い、なんて玉虫色述懐に耽っておられるけど。

 どこか歯切れがわるくなっているかな。
 乳房には個性がないのだろうか。
 総論でなく、各論で押していくべきなのだろうか。
 たとえば、容貌がまったくちがうのに、じつはじつは、乳房がまさにうりふたつ、といった具合に似通っていたのを知ったときは、一種のパニックが生じるのだろうか。
 うむ、乳房を基にして、その全体性を作り上げる、再構成する想像力というのは、存在理由に欠けているのだろうか?



 なぜ知的な肉体はあるのに、知的な乳房はないのか。
 なぜなら乳房には思考することが出来ないからだという。
 またエロチシズムを感じさせる顔というのは、自分の好みの顔とは違うのだという。
 好みではないひとの顔でも、ときには溢れるようなエロチシズムを感じさせるときがあるらしい。
 あえて表わすとするならば、表情ということになるだろうけど、やはりそこは微妙でいまひとつ、説明しにくいと谷川さんは言う。


 ここからは、わたしのはなし。
 わたしの趣味に、ひとの表情を盗み見るということがある。
 街中の乗り物など、近くのひとがだれかと居ようと、ひとりきりで居ようと、その生の表情の動きを眺めるのは歓びだ。
 べつに映画のなかの役者さんたちの表情の動きに違和感を持ったりしているわけではない。それはそれでいい。
 だれにもじっと見られてはいないと思っているようなひとの生き生きとした表情を覗き込むのは、まるでこっそりそのひとの内面まで忍び込んでしまったような、隠微なまでの歓びをもたらす。


 ところでエロチシズムの美について、バタイユは「穢れとしての動物性の暗示を必要とする」と述べている。
 まあ、広義では、生殖を旨とする本能としての性のほかに、欲望としての性の在り方をエロチシズムというんだそうな。でも、これでは何も言ってないに等しい。その欲望を記述化しなければ。。。


             (2003/10/13、14)





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最終更新日  2011.11.29 10:53:12
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