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3時間後、準備を済ませワルキュリア隊はボルドー軍との合流地点へ向けて出発した。運転席に座っているのは、違う兵士だった。その光景を見て、アイナはまた切なくなっていた。そこにクラウドが肩を叩いてきた。アイナは振り返る。「倒そうな、次こそ」彼女の目からは自然と涙が溢れ出ていた。「うん・・・」人目を気にせず、アイナはクラウドに抱きついた。助手席のセレーナはそれに気づき、空気を変えようと荷台に向けて話しかけた。「予定時間にあまり余裕がない。山道を通る。酔うなよ」隊員はキョトンとしている。「どうした?」セレーナが問うた。すると隊員の一人が吹き出し、笑いだした。それにつられる様に次々と隊員たちが笑いだした。「だって、隊長・・・そんなクールに『酔うなよ』はないですよ」セレーナは恥ずかしくなり、すぐさま前に向きなおった。「もうすぐ山道だ。しっかりつかまっていろ」ワルキュリア隊の針路上にレオンたちはいた。「来たぞ。予測通りだ。レイジ!!」「任せろ」レイジは物陰から飛び出し、ワルキュリア隊のトラックへ向けてキャノンを連射した。弾の数発がトラック前部に着弾し、残りは地面に当たり粉塵を舞いあげた。「うわあああぁぁぁ!!!」数人の隊員が外に投げ出される。「ハンドルを切れ!!」セレーナが運転手の隊員に指示を出す。しかしよく見ると、彼はさっきの状況で被弾し、すでに死亡していた。セレーナは焦って運転席に乗り移る。そして、どうにか立て直そうとハンドルを切った。トラックはレオンたちの横を通り過ぎ、山道へと突入した。「乗って!!」マリが車で走ってきてレオンとレイジが飛び乗り、トラックを追撃した。「奴らはすでに虎穴の中だ。仕留める」3人の乗る車は徐々にトラックとの距離を縮めていく。それを見たクラウドがセレーナに訴えた。「隊長。俺たちが奴らを食い止めます」「は?そんな命令は出していない」「必ず追いつきます。今のままでは全滅です」セレーナは黙ってトラックを進める。「隊長もそう考えているのでしょう?足止めをしようと。最悪自分で。だがあなたは必要な方だ。死なせるわけにはいかない」ミハエルがクラウドの意見を推すような発言をした。セレーナは図星を突かれたという風な反応をしてしまった。「お前には何でもお見通しか、ミハエル。いいだろう。ただしこれだけは守れ。・・・死ぬな」クラウドとミハエルは微笑み、了解、と言って荷台の出口の方へ向った。「私も行くわ」アイナが2人のあとを追おうとした。「いいのか?」「死なないもの」クラウドがそれを聞いてうなずき、3人はトラックから飛び降りた。それを見てマリはアクセルを全開にして突っ込んだ。クラウドたちはそれを回避する。「行かさん!!」ミハエルがライフルを構え、車の右後輪を撃ち抜いた。「なに!?」車はまっすぐ走れなくなり、停止した。「何が虎穴だ」「うるせぇ。こうなったんだから仕方ねぇだろ」レオンが頭をかきながら言った。そしてベテルギウスを装備し始めた。レイジもベテルギウスと同じ型の赤い鎧を装備した。「はぁ、またこれを着て戦うのか」「文句を言わない」「はいはい。じゃあ、マリア。援護頼むぜ」「任せて」「行くぞ、レオン!」「言われずとも!!」青と赤の鬼神が3人に向かって突っ込んできた。レオンの首からはネックレスがぶら下がっている。その先についているのは、白龍のウロコだった。大事な戦闘の時は必ずつけて出るお守りのようなものだ。「その眼帯、あのガキか」「お前はっ!!」レオンが剣を振り下ろし、クラウドはそれを剣で受け止めた。「まだ生きてたか!」「お前を殺すまでは死なない!!」クラウドの目からは憎悪を感じさせられた。「クラウド!!」ミハエルが後方から援護射撃をしてきた。レオンは回避することもなく、ベテルギウスの装甲で防いだ。「バーカ」「お前の相手は俺だ!!」レイジがミハエルに向けてキャノンを連射した。ミハエルは草陰に飛び込んで回避した。それと入れ替わりでアイナがレイジに斬りかかった。「ウォール」だがそれはマリの防御魔法によって防がれた。前大戦を切り抜けた者たちの強さとコンビネーションは一筋縄では崩せない。クラウドたちは苦戦を強いられるのが必至だった。
2008年03月31日
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