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2018年01月13日
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第 二百八十三 回 目

 ババの見た夢・その一   「貴公子からのプロポーズ」

 場所:夢の中  現代の京都と思われる広壮な屋敷の内部

 人物:ババ、貴公子、その秘書たち(男性と女性たち)

 大きなホールのような応接間に数人の美人秘書たちによって案内されるババ。

 ババ「さっきから諄いくらいに何度も言っていますが、これは何かの手違いに間違いありません

ので、さっきの男性のお方、確か コレミツ さまとおっしゃいましたか。あのお方をもう一度

此処に呼んでください。お願い致します」

 秘書のA「かしこまりました。コレミツは直ぐに参ります」



 コレミツ「お呼びで御座いますか?」

 ババ「ああ、よかった。コレミツさん、コレミツさん。やっぱりこれは大きな手違いです。

間違いありません。どうか私にこれ以上恥を掻かせない様にしてください」

 コレミツ「ご安心ください。最初から申し上げて居りますように、間違いなどどこにも御座いま

せん」と、極めて冷静に対応する。そこへ女性秘書のBがお茶を運んで来て、ババの近くのテーブルの上に置いた。

 ババ「ねえ、あなた、美人の貴女。どうか私を助けて下さいな。これはどう考えても大きな

手違いか、勘違いが有るに相違ありませんので」

 女性秘書 B「間もなく、この家の主人・ひかる様が参りますので、御客様の御疑念は氷解

致すものと存じます」

 ババ「あの有名な日本一、いや世界一の美男と評判の貴公子、源のヒカル 様が、ですか?

吾に、このババにあの、プロポーズすると言うのですか、本当に」



 これを聞いてババは近くの椅子に倒れこむ様に腰を下ろす。と、奥の扉が開いて通称 輝く

日の宮 こと・源(みなもと)のヒカルが姿を現す。驚いて座っていた椅子から飛び上がるように

立ち上がったババである。

 ヒカル「どうぞ椅子にお座りください。どうぞ普段通りに、御自由に御振る舞い下さい」

 ババ「まあ、何て高貴で美しいお方なのでしょう…。それにこの得も言われぬ良い香りは、



 ヒカル「どうぞ、お茶を召し上がれ。宇治から取り寄せた特製の抹茶です。シバタ様のお好み

に合わせたつもりですが、お気に召しましたなら幸いです」

 ババ「そうですか、それはどうも(とお茶を一口飲んで)、うわぁーッ、すごく美味しいです、

この御抹茶」と、続けざまに全部飲み干してしまった。心の底から感動している。その様子を見て

満足げなヒカル。

 ババ「それで、吾 私に御話があるそうですが、それは一体どういう内容なのでしょうか?」

 ヒカル「素晴らしい!貴女のその極めて率直で、つまり単刀直入な物言いが僕は今また、非常に

気に入りました。是非とも僕の恋人の一人になってください。これ、この通りお願いいたします」と、その場に土下座して懇願するヒカルであった。ババはもう呆気に取られていたが、

 ババ「あの、あなた。ヒカルさん、あなた冗談にも程というものがありますよ」

 ヒカル「(途中から言葉をさえぎって)冗談や悪戯(いたずら)などではありません。僕は

自分の人生で今現在程、まじめに、そして真剣に物を申し上げたことは、過去に一度もありませ

ん。神かけて申し上げます」と何か厳粛な雰囲気さえ醸し出しているヒカルの態度からは、青年

貴公子の気取りや見栄・プライドなどと言った不純物は、微塵も感じられない。

 ババ、視線を転じて周囲に控えているコレミツはじめ、女性秘書たちの表情を伺う。誰も彼も
真剣そのものである。一人の秘書に念の為といった風情で声を掛けたババである。

 ババ「(ヒカルを指差して)この人、頭がいかれている訣では、ありませんよネ、ネ」

 女性の秘書 C「はい、ヒカル様は極め付きの頭脳明晰、判断力抜群の、理想的な知識人で

いらっしゃいます」

 秘書 D「私はヒカルお坊ちゃまが御小さいときから、お仕え申し上げて居りますが、こんなに

も誠実で人情味のあるお方を、ほかに世間でお目にかかった事は、いまだに御座いません」

 ババ、納得せざるを得ない窮地(?)に立たされたかに見えたが、一転して開き直った如くに、

 ババ「それじゃあ、吾も自由に発言させて貰いますが、ヒカルさんとやら、輝く日の宮さんとか

仰るそうですが、吾の事、この皺くちゃババアの氏素性を、性格の悪さまで含めて、どこまで

知っていると言うのですか、一体」

 その場に居合わせた秘書全員「何もかもで御座います」

 ババ「(一瞬、たじろいだが気を取り直して)吾 の何もかもを知っているってか!? 一体

全体どうやったらそんな事が、出来ると言うのよ」

 コレミツ「我が かがやく財団 には豊富な資金力が御座いますので、ご心配戴かなくとも

大丈夫、全て正当な企業力で獲得いたしました、後ろ暗い所など微塵もないピカピカの浄財ばかり

でございますから…、その純粋なる浄財を縦横無尽に駆使いたしまして、三年がかりで調査

致したものですから、少しの間違いもなく、正確無比な情報ばかりであります」

 ババ「三年がかりで(と、心底から呆れている)」

 秘書たち「ヒカル様の誠意と真情の証で御座います」と、口々に訴える。

 ババ「それでも、それでもですよ、私の心の中までは分からないでしょう、いくら何でも」

 ヒカル「ですから、今日こうして御足労頂いて、恐縮ながら御面談をお願い申し上げているので

す。実(まこと)に恐縮では御座いますが」

 ババ「吾 の気持ちを確かめる為の 面接 なのですか、これは?」

 ヒカル「はい。遠路はるばるお運び頂きまして、大変に恐縮でございます」

 ババ「いえ、いえ、私は何も嫌だと言っているのではありませんので、ただ…」

 ヒカル「ただ、私の真意が信じられない。そう、仰るのでしょうか?」

 ババ「(大きく頷く)」

ヒカル「今回だけでなく、時間をかけて二人の心が通い合うかを、入念に確かめて参りたいと

考えて居ります。私は自分の愛情の押しつけや、一方的な強要をしようなどとは、最初から考えて

は居りません。もっとも、私の貴女様に寄せる深い愛情が揺らぐ心配は、全く御座いませんが…。

後は、貴女のお気持ち一つなのです」

 ババ「(自分の頬っぺたを何度も抓りながら)吾の気持ち次第だってか?」

 ヒカル「仰る通りです」と、実にチャーミングな笑顔を見せるのだ。

 ババ「(自分自身に)だって、そんな事、信じられる…。女性なら誰だって憧れずにはいられな

い理想の男性が、若くて、ハンサムで、大金持ちで、性格がとびっきりに善くて、あらゆる才能

に恵まれた独身男性が、吾に、こった皺くちゃの耄碌婆あにぞっこん惚れ込んで、首ったけだって

かッ……、とっても信じられない」とさっきまで腰かけていた椅子の中に、崩れるように倒れこ

む。舞台は急に暗転する。

 稍々あって、舞台は再び明るくなる。自宅の台所のテーブルにうつ伏せになり、夢から目覚めた

ババ。「あーあ」と大きく伸びをした。

 ババ「うん、……、やっぱり」とがっかりしている。





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最終更新日  2018年01月13日 08時03分15秒
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