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2018年03月07日
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第 二百九十四 回 目

 「 神話の世界を 楽しく 語る 」の二回目

 人物:司会者、解説の男 と 女

 司会者「今回も神話の世界を皆様方に改めて、御紹介したいと思います。先ず 神話 ですので

神々の世界から始まります。地上から見て遥かな上空に、高天原という八百万(やおよろず)の

神々たちが楽しく、平和に暮らしている世界がある。それが何よりもまず前提条件として、存在し

ている」

 男「そうです。我々人間の世界がどのように始まり、今日、と言うのはつまり代々語り継がれて

行く神話の、謂わば原材料としての説話が成立した、大昔を意味しますが…」



思い浮かべてみる、必要があるようです。何よりも説話・神話の内容を心から楽しむためには」

 男「我々が住む、この大宇宙の誕生と言う不可思議千万な現象を、神話ではいとも素朴に、そし

てある意味では非常にリアルな表現で、簡潔きわまりない叙述を以って済ましています」

 女「何処からともなく御一人の神が出現され、やがて又、何処へともなく姿を隠された、と。そ

して七代目に当たる男女の神が御結婚されて、日本列島を誕生させた」

 男「そして火の神をお産みになられた後、産褥熱で女性の神は亡くなります」

 女「男の神・イザナギは死して地下の黄泉(よみ)の国に行かれた女神・イザナミの後を慕って

魔物の住む、恐ろしい闇の世界に下って行きます。それ程に妻の事を強く愛して居られたのです

ね」

 男「所が、イザナミは黄泉の国の食事を済ましてしまっていたので、生者の昼の世界には

戻れない事が、判明します。それどころか、凶悪な悪魔と化してイザナギを襲います。そして、



千引きの岩を間に挟んで、貴方の国の人間を一日に千人殺してしまう。そう、女神が言うと、

男神はそれならば自分は一日に千五百人、誕生するようにしむけよう、と返答したのです」

 女「何という恐ろしい、そしてまた実に痛ましく悲しい会話ではありませんか」

 男「深く愛し合って、大勢の神々をこの世に誕生させたお二人の神々が、まるで仇敵同士で

あるかのように、呪いの言葉を相手に投げかけ合うのですからね」



よって行われ、ここでも大勢の神々が誕生する」

 男「善い事の後には凶事が、悪い事の後では善き事が、あざなえる縄の如くに生じている。イザ

ナギは恐ろしく汚い国での穢れを洗い清めるために、綺麗な海水で身を洗い清拭する。そのプロセ

スで太陽神のアマテラス、夜の世界を支配する月・ツクヨミ、大海原の支配者のスサノオ、という

最重要な三神が出現する」

 女「昼間の天、夜の世界、そして海上の広大な世界。この三つが神話の作られた当時の人々に

よって認識され、区別された大きな世界の基本的な在り方だった」

 男「ところで、姉のアマテラスと弟のスサノオの間に激しい抗争が生じて、アマテラスが遂に

姿を隠してしまう。海上で猛威を振るうスサノオの乱暴な行為に、堪忍袋の緒を切った太陽神。

自然現象を壮大なドラマとして描写した、古代人の雄大な想像力に感嘆せずにはいられない」

 女「時代はずっと下りますが、兄弟姉妹の関係から言えば、海幸と山幸の兄弟の話があります

よ。海幸と山幸が役割を一度交換するのですが、弟は兄が大切にしていた釣り針を紛失してしまっ

た。そこで弟は無くした釣り針を求めて、海神の宮を訪問し、美しい海神の娘と結婚するという、

美しい説話があります」

 男「姉妹つながりで言いますと、高天が原から降臨したニニギの命が木の花のサクヤ姫に求婚

した際に、父親のオオヤマツミは醜い姉のイワナガ姫を一緒に献上したのです。長女の甲姫は醜く

次女の乙姫(おつひめ、おとひめ)は美貌であるという考えが、広くあったようであります。同時

に観賞用ではない娘には、健康と長寿という善きことが、保証されているとの信仰も伴っていた」

 女「非常に含蓄のある考え方が、背景に隠されている。特に、適齢期の殿方には十分に心して

頂きたい教訓ですよ」

 男「はい、十分に考慮に入れたいと考えます。ところで兄弟の話ですが、秋山の下氷(ひたひ)

オトコと春山の霞オトコのエピソードがあります。兄は弟に言いました。自分は多くの男性が

求婚しても得られないでいた美女・イズシ乙女との結婚に失敗してしまった。お前は見事乙女を

手に入れることが出来るか、と。母親の手助けを借りて乙女との結婚に成功した弟でしたが、

兄は約束したご褒美の品々を与えては呉れない。弟はまたもや母親に泣きついて、兄をさんざんに

いたぶり報復する。そういう内容の御話」

 女「源の頼朝と義経の反目と抗争の例を持ち出すまでもなく、兄弟間の喧嘩や仲違いは世間

一般に見られる現象であり、珍しい事ではありませんね。ここで一つ指摘しておきたいのは、蔭に

隠れている女性の援助の力の偉大さであります。日本人は元来が農耕を主とする女系家族性を主体

として、長い歴史を発展させて来たとみられますが、倭健の物語やこの秋と春の兄弟のエピソード

での女性の驚異的な助力や献身が、ヒーローを裏側でしっかりと支えている。注目に値する重要な

事柄だと思います」

 男「その女性の力の、負の側面を代表するのが強力な嫉妬心の発露でしょうか。高き屋に 登り

てみれば 煙(けふり)立つ 民のかまどは 賑わいにけり ― と詠まれた仁徳天皇ですが、

その御妃・皇后のイワノヒメは非常に嫉妬深い事で、有名でした。クロヒメ、八田のワカイラツ

メ、メトリの女王などが天皇の愛情の対象になった場合の、やり取りにそれが如実に現れていま

す」

 女「歴史的には一夫多妻制度が圧倒的に長く多く、一夫一夫制度はほんの最近に定着したもので

すが、様々なこじつけに近い言い訳や口実があっても、男女の愛情の質に本質的な違いはない筈の

もの。特に私たちの国・日本は大昔から女性で持ってきた、つまり女性の力によって支えられて

来ている。太陽神の天照大御神に始まり、卑弥呼、現代の かかあ天下と甲斐性なし亭主 に到る

まで 女性上位 の趨勢は持続しているのです。その点を、よくよく御考慮なさって、賢明な

行動をなさってくださいませ」

 男「御忠告、胸の奥に叩き込んで、君子としての振る舞いを、よくよく心掛けたいと思います。

が、それにつけても、女性と言うものは私たち男性にとって、なんとまあ可愛らしく、魅力に

溢れた存在なのでしょうか」

 女「そんなお上手な事をおっしゃいながら、またまた浮気心を発揮なさろうという、下心

なのではないのですか」

 男「御明察、恐れ入りました」

 女「女性の真の恐ろしさを、篤とお考え下さいね」

 男「重ねて、恐れ入りまして御座います」

 女 と 男「(笑い)」





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最終更新日  2018年03月07日 01時40分06秒
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