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2020年10月09日
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今回は「 魂の貴族 ― 天上界からの使者 」と題し、予告した通りに書く事にします。

 魂とは人間の肉体という場を借りて霊妙な活動をする精神の部分を指して言うものです。そして、天上

界とは比喩として言う世界で、地上よりもより高貴で清潔な魂の住処を表現するものです。

 今の日本では、皇族方を除いては皆が「平民」でありますが、この魂・精神のあり方や働きからして、

謂わば貴族とそうでない唯の人とに分かれます。誰が分けるのか今の私には定かでありませんが、その人

に直に接した感触で、その高貴度は直ぐに識別可能です。厳密な差別や等級と言った便利な識別法は特に

ありませんが、特別の能力を使用せずに誰にでも判別可能であります。ただ、正直で素直な心さえ持って

いればそれでよいのですね。

 さて、前置きはこのくらいで済ませて、直ちに本題にはいりましょうか。私は 素敵な少女 について



一種の神のお告げが突如として私の身に降りて来たからなのでしょう。

 ご承知の如く十五年間ほど或る大手の学習塾で講師をしていました。何故か、成り行き上で結局、小学

校の低学年生から、大学浪人生までを担当することになり、しかも驚くべき事に全教科を、英語・数

学・国語・古典・社会(歴史、公民を含む)・理科(生物、物理、化学を含む)など、現在の高等学校までの

学校教育で教えられている全てのジャンルを指導したのであります。念の為にお断りいたしますが、私の

在籍した学習塾は講師の大半が現役の大学生か大学院生で、それぞれが得意の教科を一つ乃至二つ担当す

るのがせいぜいで、私のようなケースは稀な中でもレアーで、自分でも驚いているくらいです。もう一つ

この学習塾での売りが、生徒が講師を指名出来る指名制度が有った事です。自分で言うのは気が引けます

が、教授法を含めた人間的な魅力において、この学習塾の中では傑出していたからなのでありましょう。

 ついつい、自慢話が長くなりましたが、冗談は抜きで、ともかく人気が抜群だった。これ、自慢などで

はなく、ただ単に事実を述べただけにしか過ぎない。



い ―― ようやく本題の核心に辿り着く事が出来ました。 ( よかったです )

 この女子高生は姿形だけでなく、頭脳も抜群に良かった。従って学習塾とか家庭教師などとは無縁の筈

だった。何か人知れない悩み事でもあったのでしょうか、ある時に突然成績が振るわなかった。普通の平

均的な生徒であれば何ら問題のない位の、スランプさ加減だった。所が、几帳面で生真面目な彼女はひど

く落ち込んで、母親と相談した上で、入塾を決断したようです。



速度が早い。三年間で通常学ぶ範囲を一年余りでカヴァーしてしまう。それも、殆どが自学習主体で。ど

んなに優秀な生徒であっても大変な作業です。とにかくも、その御蔭で私としては幸運な出会いを得た。

神の配剤でありましょう。少女は直ぐに担当講師に私を指名した。彼女が出来ないと悩んでいた単元も、

丁寧にごく常識的に指導すれば、直ぐに理解する。指導するのに何の困難さもない。言わば、学校の指導

法が無理を強いているだけで、生徒の側に問題はないわけだ。私は自分が感じたままを彼女に率直に伝え

た。彼女の表情は別人の如くに明るくなり、学習自体が楽しいと感じるまでには、三ヶ月とかからなかっ

た。で、授業でも余裕が出来て、無駄話を時折交えるようになった。「先生、私、タレントとか女優とか

になりたのですが、どうでしょうか」とある日、席に着くなりその少女が言った。

 私がテレビドラマのプロデューサーをしていた事を口を滑らして言ったのかも知れません。兎に角、こ

の種の話は若者から度々聞かされることがありました。成程、彼女は癖のない美人だし、スタイルも抜群

によい。ファッションセンスなども垢抜けている。聞くと、度々、通学や買い物の際などにスカウトから

声が掛かっていたと言う。私は即座に「それは止めた方がよい」と答えた。

 売れっ子のプロデューサーだった頃にも、知り合いを通じて「タレント、乃至、俳優になりたい」志望

者とは数多く面談している。そして、私は全員に希望を断念するように、丁寧に説明した。素質がないの

が大部分だったが、中でも若い女性の場合、素敵だと感じた場合には、「タレントとか、俳優などと言う

職業には、もうこの道以外には生きるすべが見つからない。そう言った、特殊な人以外には、足を踏み込

むべきでない」旨を、懇懇と説いて聞かせたものであります。俳優・タレントなどと言うのは、文字通り

に賤業、川原乞食の成れの果てであって、苦労が多いだけで、幸福な人生は望み薄である。そう、身近で

彼や彼女たちと接している者としての意見を、正直に述べるのが常であった。

 目の前の、この素敵な少女である生徒にも、同様の考えを述べた所、聡明な彼女はすぐさま、ニッコリ

と頷いて「先生、有難うございます。御蔭で、迷いがなくなりました」と言ったのでした。

 その生徒とは自習で教室にきた際に、英語を指導しました。彼女の英語の質問は高校生としてはかなり

レベルの高いものばかりでした。それから半年ほどして、彼女は教室に姿を見せなくなっていましたが、

大勢の担当生徒を抱えていた私は、何となくその生徒の事を忘れていました。

 ある時に、ふとした話の調子で彼女の事が当時の教室長との会話の中で、出て来たのです。教室長が言

うには、「古屋先生に、古典を教えて頂きたいのですが…」と言うので、「古典などという教科は、学習

塾で習うものではないよ」と言って、止めさせた。そう言います。

 私は無言でしたが、何故か( 教室長は、私に嫉妬したな )と思ったものでした。教室としては、どの

ようなリクエストであれ、生徒が望むことに応えてあげるのが、商売上のマナーであり、唯一のと言って

良いサービスだったからです。

 この高校生との経緯は以上で終わるのですが、魂の貴族のテーマに関しては、ここから始まります。

 つまり、私はこの生徒が天界からの使者であり、魂の貴族の典型であると申し上げたのです。

 魂は目では見えませんが、心眼にはとても良く映ります。こちらの心・魂が汚れていたり、濁っていな

い限りはです。

 俳優やタレントの職業的なスカウトには、外面に現れた要素だけが見えるし、それだけが選考する上で

の大切な要素なのですが、私のごとく、セミプロの魂鑑定人からすれば、スタイル・容貌など外見上の要

素は余り関係ありません。強いて言えば、肉体を透過して衣服まで無視して外部に溢れ出る透明なオーラ

だけが重要な要素となります。

 もっとも、特別な眼力をそなえていなくとも、そしてまた魂の貴族に関する知識を得る機会がなかった

人であっても、相手と正対して接する機会さえ持つならば、天上界からの使者であるか否かの弁別は、容

易に出来るのであります。

 こうして書いてくると、魂の貴族になるには何か特別な資格なり、その為のトレーニング・修練が必要

のように思われるかも知れませんが、そうではありません。愚見によれば、苟もこの世に人間として生ま

れたからには、少なくとも魂の貴族予備軍には配属されていると、言えるのですね。

 しからば、どうして真っ直ぐに魂の貴族として成長を遂げるか、それとも己の進むべき正しいコースを

逸れてしまうのか。それはつまり、その人自身の行き方が決めるのでありましょう。苦労したり、挫折を

繰り返したりする度に、堕落したり、下降を繰り返す生き方が、その人の魂の貴族としての資格を徐々に

失わせていく。逆に、同じような人生の試練が、その人を輝かせ、一層魅力ある人物へと成長させる。

 こうした違いなのだと考えられる。世の中の現状を俯瞰して見たところ、貴族は実に寥々たるもので、

魂の下賤、下人ばかりが世にはびこっている。

 私は幸い、地上での魂の貴族としての仲間入りが出来ている。これは思うに、私の努力もさる事ながら

両親を始めとした御先祖様達の何世代にも亘る営々たる努力があった上での、その余徳が子孫たる私に有

難くも及んでいるわけでありますよ。

 又、極めて少数者でしかない魂の貴族達に、希希ではありましたが、人生の随所で思いがけなく出会

い、ささくれ立っていた私の心の傷口を有難い事に癒してくれています。その本当に有難い私の人生を象

徴するかのような出来事が、あの少女との爽やかな邂逅であった。

 七十歳を過ぎて十六歳の清純な乙女と恋に落ちたゲーテに憧れ、勉学の道に進んだ私が、ゲーテと同じ

ような体験をするなどとは、余りにもラッキー過ぎるではありませんかね。もっとも、私の場合には恋と

は言えないのかも知れませんがね。勝手に純愛と解釈しても、誰にも迷惑をかけませんので、ここは自分

に都合のよい受け取り方をしておきます。魂の貴族たる私の生徒に幸いあれ!彼女なら、間違いなく、幸

福な人生行路を歩むのに、相違いはありません。そして、また、勉強以外でも困ったことがあったなら、

遠慮などせずに、私に連絡を下さい。ご承知の如くに、私は根っからの善人であり、お人好しであります

から、精々利用してやって下さい。





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最終更新日  2020年10月09日 16時45分50秒
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