草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2024年02月15日
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ウイリー (懐疑的に)壊れた。君は無一文のがっついた顔つきをしていない。俺は君を財閥だ

と半断するが君のポケットには びた銭が詰まっている。少なくとも二ドルか三ドル。我々は君

にそれを何処で手に入れたかなぞとは質問しないよ。べスパジアンが喝破した如くに、ウイスキ

ーは全部甘く匂う。

パリット どういう意味ですか、僕がお金を何処で手に入れたか、とは。(ラリーに向けて、笑

いを無理に作り)僕を財閥呼ばわりするなんて、御笑い草ですよ、ラリー。僕は生涯の全部をあ

の運動に献身したのですから。

  (ラリーはパリットに不安で懐疑的な視線を送り、眼を逸らした。それはまるで何か嫌なも

のを見ないようにするかのようだ)



あっちへ行って、怒りを爆発させな、よい子よ。ヒューゴはただ一人の免許を持った福音書の説

教師だ。危険なテロリストの、ヒューゴ。彼は直ぐにビールの大コップを目の前で飲み干してし

まうだろう、(ラリーに向いて)この無用な若者を無視しようや、ラリー。我々も祈りに参加し

ようや、偉大なるセールスマンのヒッキーが幸いなるブルジョワの札束をひっさげて到着するだ

ろうからね。ヒッキーか死神がやって来るだろう。その間に俺は唄を歌う。美しくて古いニュー

イングランドのフォークバラードだが、教育の最中にハーバードで採取したものだ。(彼は荒々

しいバリトンで、拳でテーブルを叩きながら、次に示す一節を歌う)

  ジャック、おお、ジャック、は若い船員だよ。そして彼は酒場にジンを飲みに来た。

 そして口で トン トン トンと鳴らした。だが、決して魂は込めない。

  (テーブル席の酔っぱらい達が動いた。ロッキーはバーの席から立ち上がり、裏部屋への

入口へと後ずさりした。ホープは苛ついて眼鏡越しに片目を上に向けた。ジョー・モット―は両



この美しい小唄の原曲は神秘に包まれている、ラリー。ケンブリッジ大の便所に書き伝えられて

いる伝説があるが、ワルド・エマーソンが牧師として勤務した時期に作曲したものだそうだ。一

方で彼は讃美歌を書こうとしていたのだ。俺の意見では、もっと遡ることになると思う。ジョナ

サン・エドワードが作詞し作曲したのだ。(彼は歌う)

  彼は口ずさむ、ラップ ラップ そしてトン トン トン と。死者が起きるのに十分なま



  (酔っぱらい達は目をしょぼつかせ、ぶつくさ呟き、呪いの言葉の様な音を立てる。ロッキ

ーが後ろのバーから姿を現し、欠伸をした)

ホープ (イライラとして)ロッキー、その気違い歌をやめて静かにしろ。(ロッキーはウイリ

ーの所に歩み寄り)

ウイリー そして今、善き女性の影響は我々船員の生活に入って来る。そう、多分、善い では

なくて形容詞は 途轍もなく親切 が相応しい。(彼は歌う)

  まあ、いらっしゃいな、素敵な若い船乗りさん、と乙女は言う。あなたと私は意気投合し、

最も可愛らしい物をお見せしましょうね。ラップ ラップ ラップ、今までに目にしたこともな

い最上の宝物を。(彼は話す)解るかい、ラリー。みだらな清教徒調さ、明らかに、そして更

にその特徴が明瞭になるのだ。(歌う)

  ああ、若者は乙女の腰に手を回し、彼女の輝く青い瞳を見詰める、そしてそれから彼は…。

(しかし此処でロッキーはウイリーの肩をゆすって)

ロッキー ピアノだ。この屑溜まりを貴様はどう思っているのだ。

ホープ 奴に上の階のくだらない物をやれ。奴を部屋に閉じ込めてしまえ。

ロッキー (ウイリーの腕をぐいと引っ張る)さあ、飲んだくれ。

ウイリー (憐れむべき恐怖に陥って)いやだ、頼むよ。ロッキー、一人であの部屋にいると気

が狂ってしまう。幽霊が出るのだよ。俺は…。(ホープに声を掛ける)頼むよ、ハリー、此処に

居させてくれ。静かにするから。

ホープ (直ぐに優しくなり、しかし憤然として)彼に何をしようというのだい、ロッキー。こ

の哀れな男を打ちのめせなどとは言わなかった。静かにしているのだったら、ほっといてやれ  

よ。

  (ロッキーはウイリーを憤慨したように放し、バーの自分の席に戻った)

ウイリー (しゃ枯れ声で)有難う、ハリー。君はいい男だよ。(目を閉じて疲れ果てたように

椅子にもたれ、また体を引きつらせたりびくびくと痙攣させる)

ホープ (朦朧としながら目覚めているマクグロインとモッシャーに話し掛けて、非難するよう

に)いつも同じだ。誰も信じられない。秩序を保つのはあのダーゴに任せろ、兎に角大騒ぎし

ている、歌ったり、色んなことして。そして君ら二人はバーの大事な常連で途轍もなく俺の助け

になっている。食べて、眠って、酔っぱらえ。全部がいい、この家には地獄が凍りついてしまう

まで酒はないんだよ。(二人ともホープの侮辱と脅しには無関心で彼に二日酔いの笑みを向け

て、互いにウインクし合った。ハリーはぷんぷんしている)笑え、ウインクしろ。此畜生め、二

人して俺に目をつけてやがる。(二人を怒りきれずにぶつくさと小声で呟いている。一方、中央

のテーブルではルイス大尉とウエットジョーエン将軍が重い二日酔いの許す範囲でぱっちりと目

を覚ましている。ジミー・トモローが頷き、眼をしょぼつかせている。ルイスはテーブル越しに

まだウイリーの唄でひとりクックと笑っているジョー・モットを凝視している。ルイスの顔の表

情は自分の見ている対象を信じられないようだ)

ルイス (自分に対して声を出して、酔った驚きで)やれやれ、俺は血なまぐさい事が好きなカ

ルフィー族の奴と一緒のテーブルで酒を飲んでいたのか。

ジョー (にやにやと笑って)やあ、大尉。御目覚めですかね。カルフィールだって。誰のこと

かね。

ウエット・ジョーエン (目をしょぼつかせて)カルフィールとは黒人だよ、ジョー。(ジョー

は身を固くして、眼を細める。ウエット・ジョーエンは大層な滑稽さを示して続ける)奴に冗談

を言うなよ、ジョー。彼は君を知らない。彼はまだ酔っぱらっている。酔いどれ紳士って格さ。

俺のライフルでライミ―将校を大勢撃ったのだが、彼を外してしまった。憐れんでくれよ。(彼

はクックと笑い、ルイスの裸の肩を軽く叩いた)へい、目を覚ませ、セシル。おバカさんよ。お

前は旧友のジョーを知らないのか。彼は黒人のカルフィールなんかじゃないさ。白人だ、ジョー

は。

ルイス (明るい兆しで、悔恨の情を見せて)俺の深甚なる悔恨をみせよう、ジョセフ、古き友

よ。視界はぼんやりしている、と思うが、俺が知っているもっとも白人らしい黒人。我が友と呼

ぶのを誇りにしている。優しい感情なのさ、ねえ。(彼は手を差し伸べた)

ジョー (直ぐにニヤリとして善良な性格を示し、握手した)いいえ、大尉、それは間違いです

よ。若い常備兵、水兵だとしても。(やがて彼の顔が固くなった)でも僕は誰からも黒人扱いさ

れていない、断じて。昔、人々は僕を黒人と呼んだ、病院で目覚めると。僕は不潔なギャング団

のリーダーだった。僕等六人の黒んぼは頑強だった、特に僕はね。

ウエットジョーエン (自慢げな回顧癖に鼓舞されて)僕は古き時代にトランスバールであまり

にも頑健で力持ちだったので、牛車に荷物を一杯に摘んで羽でもあるかのように曳いたのだ。

ルイス (穏やかに笑いを浮かべて)君に関しては一廉の人間の様に歩く香しいボーア人とし

て君を自由にしている外人政策の重大な失策と言うべきだ。一度君とクロンジェの義勇軍を取り

押さえたのだ。我々はロンドン動物園に連れて行くべきだった。そして竹の檻に閉じ込めて、そ

して説明書きに「観覧者は彼の青い背中で本物のヒヒと区別して頂きたい」とつけて。

ウエットジョーエン (にやりと笑う)南無さん、十人の勇敢な水兵を少なくとその額を射抜い

て、スピオン・コプジェでね、俺は君を逃してしまった。俺は自分を決して許さないつもりだ。

  (ジミー・トモローは一人ひとりに酔っぱらいらしい優しい微笑を示した)

ジミー (感傷的な気分で)さあ、さあ、セシル、ピエット。我々は戦争を忘れるべきだよ。ボ

ウアと英国は公平に戦い、よりよい方が勝利し、最後には握手した。我々は皆兄弟さ、帝国軍旗

の下では太陽は決して沈まない。(涙が彼の目に溢れる。彼は非常な感傷を込めて引用した。ま

るで少しだけ勤勉さを示すように) 

   船でスエズの西の何処かへ連れて行ってくれないか……。

ラリー (突然に冷笑的になって)もう君はそこにいるよ、ジミー。最悪こそ最善なのが此処

さ。そして西は東で、明日は昨日なのだ。それ以上、何が欲しいんだよ。

ジミー (少しだけ寛大さを見せて、やんわりと非難するように)いいや、ラリー、旧友よ。僕

を騙すことなど出来はしない。君は辛辣で皮肉な哲学者を気取っているが、心の中では吾々の中

で最も親切な人なんだ。

ラリー (混乱して、苛つきながら)馬鹿を言うなよ。

パリット (ラリーの方へ体を傾けて、確信ありげに)何たる馬鹿者達だ。

ジミー (何かを思い出したように、どこか切迫した素早さを示し、もう滅茶苦茶を言う風では

なくて)明日だ、そう。俺が整理をして、仕事にまた取り掛かる潮時なんだ。(潔癖そうに袖を

伸ばして)このスーツを洗濯してアイロンを掛けなけれなならない。俺は浮浪者みたいにみられ

てはだめなんだ、つまり…。





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最終更新日  2024年02月15日 21時02分23秒
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