草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2024年04月11日
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第三幕

場面 ハリーホープが経営するバールーム、第一幕と二幕で使用された裏部屋の一部を含む。右

の壁には二つの大きな窓、その間には通りに通じるスイングドアーがある。バーそのものは背後

にある。

その背後には鏡があり、ハエ除けの網があり、その上の棚には安物のウイスキーの樽が置かれ、

瓶に入った品物などが一緒に並べてある。バーの左側はホールに通じる通路と仕切り戸がある。

左側にはテーブルが一つ、バールーム専用の場所には椅子が四脚。右の手前には小さな昼食棚、

左向きには販売人が立って昼の時間にスープを売るスペースが空けられている。バーの背後の鏡

の上方にはリチャードクローカーとビッグ・トム・サリバンの枠付きの写真が掲げられている。



部屋だったところがカーテンで仕切られて、第二幕の祝祭用のテーブルが片付けられてテーブル

は第一幕のように窮屈に押し込まれている。

 時刻はホープの誕生パーティーの朝の中頃で、暑い夏の日である。表の通りには太陽光が燦々

と降り注いでいる。しかしその光は窓には届かず、裏部屋の光は薄暗い。

 ジョーモットが動き回っている、彼の腕の下にはオガ屑の箱があり、それを床に撒いている。

彼の態度は陰気だし、顔の表情は暗い。彼はみんなを無視している。場面が進むに従い、オガ屑

撒きの仕事を終えて、昼食カウンターの後ろに行き、パンを切り分けている。

 ロッキーはバーの背後にいて、カウンターを拭いたり、グラスを洗い、などをしている。彼は

仕事着を着て、袖をまくりあげている。彼は眠く、苛立ち、疲れている。バールームのテーブル

では、前の方にラリーが椅子に座り、右前を向いている。彼の前には飲み物はない。前を見詰め

て深い考えに耽っている模様。彼の右で右向きの椅子にヒューゴが座り、何時ものごとくにテー



いる。前列の背後にパリットが座っている。彼は前を凝視して、緊張し、ぎこちない不動の姿勢

でいる。幕が上がると、ロッキーはバーでの仕事を終える。前に出てきて、ラリーのテーブルに

精根尽きた様子で坐る。

ロッキー 市場では昼時の忙しさまで何もできないぞ。俺はこれから休憩を取ろう。(イライラ

して)俺はバカじゃないからチャックに俺を騙して働かせるようにはしない、それで彼は朝の休憩



れが俺にとってなんだと言うのだ。ヒッキーはひどいものを手にしてしまったな。(厳しく)昨夜

のパーティーかね。何たる葬式だ。のっけからケチが付いていたよ。でも、ヒッキーが妻のこと

を死んだと告げたのがあれにケリをつけてしまったな。

ラリー そうだ、ありゃあ誕生パーティーじゃなくてお通夜だよ。

ロッキー 彼はガラクタ物を平和に片付けて行くと約束していたが。あいつは喋りに喋って止ま

らないようだったな。みんなはこっそりと上の階に行ってしまった。酒や食物を毒のように後に

残して。彼等が彼を揺すったって何の薬にもならない。ヒッキーは部屋から部屋へと歩き回って

いたっけ。彼は止められないよ、彼は今朝も一流の 改革の波 を強めているよ。気づいたか

い、奴がジミーを急き立てて衣類を洗濯させ、アイロンをかけさせていたのを。彼には口実など

は要らないのだ。ウイリーには小銭をやってソリーの店からボロを買い戻させていた。残りの全

部はブラシをかけたり大急ぎでヒゲを剃ったりすればいい。

ラリー (喧嘩腰で)俺の部屋には来なかった。彼は俺が何か質問するのを恐れているのだ。

ロッキー (嘲るように)そうなのか、彼は君を恐れているようには見えなかったが。君の方が彼

を恐れているのだ。

ラリー (刺々しく)嘘をついているんだ、それじゃあ。

パリット (伸びをして、ラリーを見て、冷笑しながら)彼にからかわせないようにしなよ、ロッ

キー。彼は自分の戸をしっかり閉めてしまっている、僕だって中には入れない。

ロッキー そうだ、君は誰をからかっているのだろうか、ラリー。彼は君にすっかり見せてしま

った、大丈夫。彼が言うように、君が殺そうとしているならば、何故もっと前に火災報知機をと

りはずさなかっのだ。

ラリー (憤然として)臆病者の所業だからだ、それが理由さ。

パリット 彼は全くの臆病者さ、ロッキー。ヒッキーは黄色の老いたいかさま師だよ。

ラリー (パリットに正対して)この嘘つきめ、忘れるなよ、俺が君に警告したことを。

ロッキー (パリットを詰る)そうだ、黙っておれよ、お前。口出しをする許可を何処で手にした

んだ。奴をとっちめてやってもいいかい、ラリー。君が奴にうろついて欲しくないなら、誰もが

そう思っているんだよ。

ラリー (無理に無関心を装い)いいや、彼にいさせろよ。気にしないからな。俺には奴は無にし

としいや。(ロッキーは肩をすくめ、眠そうに欠伸した)

パリット そうですよ、僕には行くところがないのです。世界でたった一人当てにできる人があ

なたなのです。

ロッキー (眠そうに)君はいい加減ヤワなバカだよ、ラリー。彼は嫌な虱さ、ヒッキーみたい

な。属性がないんだ、(欠伸をして)疲れてよ、眠っていないからな、まぶたが開かないよ。(彼

は目を閉じ、頭をこくりとさせる)  (パリットはロッキーに一瞥をくれると立ち上がってラリ

ーの左側に擦り寄り、彼とロッキーの間に来た。ラリーは退いて決然としてパリットを無視する)

パリット (ラリーの方に身を屈めて、迎合的な、哀願するような語調で)あなたを悩ませたりし

て御免なさい、ラリー。でもあなたは僕に何が起きても意に介さないように振舞って僕を苦しめ

ているのですよ。戸を締め切ってしまい、話ができないようにした、(次には希望を込めて)でも

それはヒッキーをはじき出すためなんでしょ、僕は非難なんかしません、僕は彼を嫌い始めてい

るのです。ますます彼を畏怖しだしている、彼が自分の妻は死んだと話したあとでは殊に。何処

かで彼と感情を交差させているような奇妙な気分がした。何故だかは分からないのですが、それ

が僕にマザーの事を思わせ始めたのですよ、マザーが死んだみたいに…、(彼の憐れな語調には

どこか満足気な奇妙な背後の感情が流れている)マザーは元気でしょう、心の中は、という意味で

すがね。彼女が僕を思うと、死の苦しみが襲うでしょうよ、僕はそうなってほしくはないのです

が、それは必然なのです。結局は僕は彼女のたった一人の子供なんですからね。彼女は僕をダメ

にして玩具にしていたのです。長い時間の間に一度だけという意味です。彼女が僕を思い出した

時に。彼女が何かをしようと決断したみたいに、罪を自覚したごとくに、それで彼女は僕を少し

だけ愛した、それでもそれが彼女の自由を侵害しないように、(不思議な切迫した悩みを示し)分

かりますか、ラリー、僕はかつて密かな疑惑を抱いた、多分、真実が明かされたら、あなたは僕

の父親ではないかと。

ラリー (暴力的に)この愚か者め、誰がそんな狂気の考えをお前の頭に吹き込んだのだ。嘘なん

だ、決まってる、西海岸の誰もが、お前が生まれた後まで、彼女に俺が目を付けなかったことを

知っている。

パリット でも、僕には訊くことなど不可能です、あなたは正しいのを知っています、母に聞い

たことがあるのですよ、彼女は僕を率直であるように育て、何でも質問させた。そして彼女は何

時でも本当の事を話してくれた。(唐突に)でも、彼女が今僕について感じているに相違ない事を

話そうとしたのですよ、僕の例の運動体験、彼女は絶対にそれを許さないでしょう、運動は彼女

の人生です。そして彼女を官憲に売ったのが僕だと知ったら、彼女は最終的に駄目になってしま

うに違いないのです。

ラリー だまれ、このガキが。

パリット 僕は母を殺すでしょう。僕は確信があるのです、彼女は僕が下手人だと知ってい

る。(突如、自暴自棄の性急さで)でも僕は警察が彼女を逮捕するなどとは思わなかった。信じて

くださいよ、僕のたったひとつの正当性を、僕が昨夜話したことは嘘っぱちです、愛国者で、自

国への義務だなどという、ダボラは。でも、本当の理由があるのですよ、ラリー、たった一つの

理由が、それはまさにお金です、僕は売春婦にのめり込んで、金を相手に握らせていい思いがし

たかった、それが全部なんですよ、お金です、正直、(真にグロテスクな風で、自分の徹底した

卑しさを告白して、自分の真実の罪悪から無実の証を立てようと口実を与える者のように)

ラリー (パリットの肩を掴み、揺する)こん畜生め、黙れ。それが何だって言うんだ。(ロッキ

ーが目を覚ました)

ロッキー 何が起きているんだい。

ラリー (自制して)何も、このお喋りな若造が俺の耳をふさぐようにがなり立てている、それだ

けだ。奴はヒッキーより悪質な死病のペストだよ。

ロッキー (眠そうに)そうさなあ、ヒッキー…、まあ、聞きなよ、彼に質問するのをヒッキーが

恐れているって、どういうことなのさ。どんな質問なんだよ。

ラリー そう、彼は何かを隠しているようだ。気づいたろうが、彼はどんな原因で妻が死んだの

かを言わなかった。

ロッキー (反駁するように)おい、止めないか。憐れな奴さ…、何がわかったんだい。あれは彼

一流の冗談だったかもな。

ラリー いいや、彼は此処に死を連れてやって来たんだよ、おれは死の凍えるような感触を感じ

たよ。

ロッキー ああ、ダボラだよ。君は頭をガーガー言わせるぞ、古い墓地野郎。(突然彼の目が広

がった)例えばだが、君は彼女が自殺したとでも言いたいのかい。彼の嘘つきグセとかで。

ラリー (ニヤリとして)そうだとしても驚いたりはしないぞ。俺は彼女を責めたりはしないよ。

ロッキー (嘲るように)が、キチガイじみてるよ。ああ、彼女がそうしたとして、ヒッキーはそ

れで喜んでいるなどとは言わないだろうよ、奴はそれ程の悪じゃあないよ。





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最終更新日  2024年04月11日 19時48分48秒
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