草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2025年11月05日
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エドワード  いいや、そうじゃあない。ただ、そうではないのだよ。そして、全てのこうした理由は僕

に示唆されたのだ、あの男、僕がライリイと呼ぶのだが、名前はライリイなどではないのだが。それは彼

が歌っていた歌の中の名前にしか過ぎないのだ。

セリア  彼はあなたにライリイと言う名前の男の歌を歌ったのね。実際、エドワード、あなたは気が狂

ていると思うわ。つまり、神経的な破滅の縁に瀕しているのよ。エドワード、私が行ってしまったなら、

或る偉大な医師、私はその名声を聞いて言うのだけれど、診てもらうと約束して。彼の名前はライリイな

の。

エドワード  最も偉大な医師よりも更に偉大な誰かが必要だろうね、この、病を治すには。

セリア  エドワード、もし私が今行くとして、全てが大丈夫だと言ってください。ラヴィニアを引きも



いと…。それが私に関心のある事の全てなの。本当よ、エドワード。それが上手くいけば、全てがそうな

るわよ、私、約束するわ。

エドワード  いいや、セリア。ずっと素晴らしかったし、感謝もしている。しかも君は非常に稀な貴重

な人物だよ。でも、もう、遅すぎる。そして、僕は認識するべきだったのだ、君にとっては公平ではなか

ったと。

セリア  私は、公平ではなかったですって。あなたは其処に立っていて、私が公平であると話をする能

力がある。

エドワード  ラヴィニアが離別しなければ、この事態は決して起こり得なかった。どんな未来が君に有

り得ると考えられるのだろうか…。

セリア  私にどのような未来が望みうるか、ですって…。我々が事を始める前に、私は未来などは捨て

ているわ。そしてその後では、私は何時も現在に生きている。其処では時間など無意味なの、我々だけの



エドワード  僕はその経験については以前に聞いたことがある。

セリア  一つの夢。私は今日まで仕合せだった、夢に浸っていて…。そしてそれから、ジュリアがラヴ

ィニアについて質問して、ラヴィニアがあなたを去り、あなたは自由になると知れた際に、私は突然に気

付いたのよ、あの夢は十分ではなかったと。私はそれ以上の何物かを欲していたことを、私は欲してた、

私はあなたの所に走って言いたかった、でも、あの夢の方がより素晴らしかったのだ。それは真実の現実



ったのは私自身だったわけね。何時も、何時も、私が望んだこの世界と同時にあれも…、知ってみれば、

とても屈辱的で、心痛むことだわね。

エドワード  君が傷ついたり、悲しんだりする理由などは何もない…。

セリア  ああ、あなたが私に屈辱を与えているなどと思わないでね。屈辱とは、私が自分にしている何

物かなの。あなたは私に屈辱を与える程には十分に現実的ではありませんわ。大多数の女は二人で素晴ら

しい何かを共有した相手の男が一時的な気晴らしの遊びとしていたのだと知った時に、自分が堕落させら

れたと感じと私は思う。ああ、私、敢えて言わしていただくわね、あなたは自分を騙していた。それが有

りの儘の事柄、疑いもなく。

エドワード  僕は君を一時の気晴らしなどとは思わなかった。もしも一過性の娯楽を言いたければ、ピ

ーターをどう考えるのかね。

セリア  ピーターですって…、ピーター誰のことですか。

エドワード  ピーター・クイルプ。彼は今晩此処に来ている。彼は一種の夢の中に居たし、今はただ単

に不幸で、狼狽えている。

セリア  私には単純にあなたが話していることが分からない。エドワード、それは余りにも残酷な逃げ

口上だわ。自分を正当化するための。一切、何もなかった、ピーターと私の間には。

エドワード  無かったのかな、彼はそう想った。彼はそれについて僕に話したくて戻って来たよ。

セリア  でもそれは馬鹿げている。私はピーターに私が彼に強い関心を抱いていると思わせる何物も

与えてはいない。私は彼には才能が有ると思った。彼が孤独なのを知った。彼を手助けできるかもとは思

った。私は彼をコンサートに連れて行った。しかしそれから、彼が更なる交友を深めたいと接近した際

に、以前より関心が弱まった。そしてむしろ己惚れていると感じた。でも、何故、私達はピーターの話を

する必要はない。重要な事の全ては、あなたが今ラヴィニアを欲していると考えている事。そしてもし

も、あなたがそうした人物であるならば、そうね、そうすべきなのでしょうね。

エドワード  そうではないのだ。僕はラヴィニアに恋などはしていない。僕は実際に彼女を恋したこと

はない。もし、これまでに僕が恋愛感情を抱いたとすれば、そして今僕はその経験があると思うのだが、

君以外の誰にも恋心を感じた覚えはないのだ。そして多分、今もそうだ。でも、これはこれ以上は先に進

まない。有ってはいけない事が起こってしまったのだ。……、或る永遠の事柄が。君は別の男が、もっと

年齢的に近い若者が。

セリア  私はあなたの助言などは興味ないのよ、エドワード。あなたが私の未来に興味と関心を持つな

ど資格がないのよ。自身の未来を上手く切り抜けるに足る有能さを有していることを私は望むだけよ。そ

してあなたがラヴィニアに恋していずに、これまでにもそうではなかったならば、あなたは何を望んでい

るのかしらね。

エドワード  僕には確信が持てない。比較的に確かな事は、今朝から始まったばかりなのだが、僕は自

分と中年男として初めて直面したのだ。老いを感じるとはどういうことか、知り始めたのだ。それは最悪

の事だ。最も自分が欲している物全てを欲する欲望を喪失したと感じた時は。以前に、自分が欲するべき

対象が強く感じられたのが、今は背後にどのような欲望が残されているのか、を知りたいと願い続ける。

でも、理解できない。老いを感じるとはどのような事なのか、どうして理解出来ようか。

セリア  私は、あなたを理解したいわ。理解できるのだから。そして、エドワード、どうか信じてね、

私はどのような事態が起きても決してあなたを呪ったりはしないつもりよ。でも、あなたの人生はどうな

ってしまうの。私にはそれを考えるのに堪えられないの。ああ、エドワード、あなたはラヴィニアと一緒

で幸福でいられるのかしらね。

エドワード  いいや、幸福じゃあない。もし幸福と言うものがあるとしても。単なる知る仕合せ、悲惨

さは愛らしさの廃墟にはどんな養分も与えはしないと言う事実を。飽き飽きする単調さは愉悦の住み家で

はない。僕は知ったのだ、僕に人生はずっと前に決定してしまっていたことを。其処から逃走を図るのは

見せかけの振りで、虚偽にしか過ぎない。現に存在するもの、存在しない物、或いは変え得ると思われる

ものだ。自己はこう言うかもしれない——、僕はこれが欲しい、或いはあれが…。意志する己は薄弱な低

能なのだ、そして最後には行きつくかもしれない、頑迷な、より強固な自己で以て、話をしないし、決

して話そうとしないで、議論もせず、そしてある人の場合には後見人の如き存在かも知れないが、僕のよ

うな者にあっては、鈍重で、執念深く、負けじ魂の凡人精神なのだ。意思する自己は大きな不幸、この望

まなかった友愛の絆の災厄を乗り越えようと画策出来る。が、より強力な相手の支配に屈服する形でしか

繁栄することはかなわない。

セリア  私には確信が持てないの、エドワード、あなたを理解しているか。でも、前には理解しなかっ

た程には理解してるのよ。思うのだけれど、信じているの、あなたは以前よりも、私に対してはあなた自

身になっていると。二度、あなたは変化した。私があなたを見つめ始めてから。私はあなたの顔を見た。

そしてあらゆる外見を知り、愛したと思う。そして私が見ているとそれは皺だらけにしぼんだ。まるでミ

イラの包帯をほどいたかのように。あなたの声に耳を澄ますと、私の心はいつもわくわくと震えた。そし

てそれが別の声に変じたわ、いいや、声ではない、私が聞いたのは人間の声ではなくて昆虫の出す音だっ

た。乾燥して、終わり無く、無意味で、非人間的で、……。あなたは両足をこすり合わせて音を立ててい

るかのよう。或いは、バッタがそうしているかのようで。私は見た、そしてあなたの心臓に耳を傾けた。

あなたの血液の運行に…。そしてただカブトムシしか、人間の形をしたものしか見なかった。その中では

何も無い空虚な間隙で、あなたがカブトムシを踏みつけた時に出る物しか出てこない。

エドワード  多分、それがありのままの僕だね。僕を踏んで見給え、そうしたいのならね。

セリア  いいえ、私はあなたを踏みたくはない。それはあなたではないから。私があなただと思ってい

たものの抜け殻にしか過ぎないから。わたしは今別の人物を目の前にしている。前には見た事の無い人物

として接しているの。私が前に見ていた人は、彼は単なる投影された影だった。いまはそれが分かるの。

私が望んでいた何かのね…、いいえ、欲していたのではなくて、心の底から渇望し熱望しいた…、この

世に実在していて欲しいと死ぬほどに願っていた何物かなの。何処かには何かの拍子に出現するかも知れ

ない、そうあって欲しい…、でも、何かしら、何処になのか…。エドワード、私は単になたを利用してい

ただけなのかもしれないわね。出来れば、許して欲しいの。

エドワード  君を……僕に許して欲しいだなんて。

セリア  そう、二つの点で、ひとつ目は…   (電話が鳴る)

エドワード  忌々しい、電話だ。電話に出た方がいいね。

セリア  そう、出た方がいい。

エドワード  もしもし……ああ、ジュリア。どんな御用でしょうか。あなたの眼鏡がまた…、何処にそ

れを置いたのですか。でも、さっきも、あちこち全部探しましたよ。バックの中は見ましたか、どうか僕

の頭を混乱させないで、……、確かなのですか、台所に…。分りました、そのままでいてくださいね、

我々、僕が探しましょう。

セリア  そう、あなたが探してあげてね。私はまた台所には行かないわ

      (エドワード、退場する。再び眼鏡とボトルを手に戻る)

エドワード  彼女は今度だけは正しかった。

セリア  彼女はいつだって正しいわよ。でも、何故、空のシャンペン・ボトルを持ってきたの。

エドワード  空ではない、少し気が抜けているかも。でも、何故彼女はハーフボトルと言ったのだろう

か。これは家の最上のひとつなのだ。そして僕はハーフボトルは持っていない。さて、僕と最後の一杯を

飲んでくれないかな。

セリア  何に乾杯しましょうか。

エドワード  誰にグラスを捧げようかね。

セリア  後見人たちに!

エドワード  後見人達にだって…。

セリア  後見人達に。後見人の話をしたのはあなたよ。 (二人はグラスを飲み干す) ジュリアも後見

人かも知れないわね。多分、私の後見人なのよ。メガネは預かるわ。お休みなさい、エドワード。

エドワード  お休み…、セリア。  (セリアは退場)

エドワード  ああ、いけない! (素早く受話器を取り上げた)もしもし、ジュリア、あなたは御待ちで

したね…、お待たせ致し大変に申し譯御座いません。でも、我々は、僕はメガネを探していたもので…、

いいえ、見付けました。はい、彼女が今それを持っていきますから…、おやすみなさい。


              幕が降りる





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最終更新日  2025年11月05日 10時52分42秒
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