眠れない夜のおつまみ

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2005/02/28
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テーマ: 小説日記(233)
カテゴリ: LOVE
ホテルのカーテンから朝の日差しがこぼれてサトミは目を覚ました。
横には寝息をたててまだ眠っているミケがいた。
昨夜の事を思い出すと全身が熱った。
気持ち良さそうに眠っているミケの髪をなでる。
暫くするとミケも目を覚ました。
「おはよう。」
サトミが言うとミケは挨拶代わりにキスをした。
そして2人は昨夜のように堕ちていった。
掴み合ったり放したり今お互いの目の前にいるのはお互い以外何者でもなかった。

ミケは煙草は吸わない。
2人してベッドでシーツに包まって横たわっているとミケが抱きついてきた。
力強く抱きしめると、身体の中から搾り出すようにミケは言った。
「好きだ、好きだ、好きだ。」
サトミはミケのそんな声が切なく感じた。
2人がホテルをチェックアウトし外に出ると太陽は頭の天辺まで昇っていた。
全てが眩しくて恥ずかしくなった。
軽く言葉を交わしただけで人ごみに紛れていった。

サトミは人の流れに逆らうように自分のマンションへ向かう。
時間が経てば経つほど自分の行動に恥じた。
いつもはエレベーターを乗るのだが、今日は階段を一段一段ゆっくりと踏みしめた。

驚きのあまりサトミは身体が凍り付いてしまった。
「どこ行ってたんだよ。」
一歩づつコウジが近づいてくる。
「携帯見てみろよ。」
慌ててバッグから携帯を取り出して開いた。

この分だと部屋の電話にも何度か電話したに違いない。
途中でバイブにしていた事をサトミは思い出した。
コウジはサトミの右頬をぶった。
サトミの目から涙がこぼれた。
こぼれ落ちる涙はますます激しい濁流のように止めどなく流れた。
そんなサトミの姿を見てコウジは我に返った。
「ゴメン。打つ気はなかったんだ。話し合おう。」
頷きながらバッグから鍵を取り出してドアを開け、部屋に入った。
留守電のランプが静かに点滅していた。
暫く涙が止まらなくてサトミの泣き声だけが部屋に響いていた。
「さっきはごめん。サトミの話も聞かずに自分のイメージだけでカッとなってしまった。」
ううん、と頭を振った。
「私も悪いの・・・昨日は。」
「いいよ。具体的に言わなくても。多分俺の思っている通りなんだろ。」
「・・・でも、コウジだって昨日は私と同じような事していたんでしょ?私、洗面に置いてあったハートのピアス知ってるんだよ。」
コウジは顔色を変えずに話し始めた。
「俺達、1回別れてるだろ。別れてから気になってて、また会えるようになったら今度は上手く行くように、って思ってたんだ。だけど、お前態度が全然変わっちまってて、何考えてるのか分らなくなっちまった。前はもっとぶつけて来てくれたじゃないか。だから俺も適当な女と寝た。サトミ、知ってたんだね。」
そんな風に思っていたなんてサトミはショックだった。
私自身、コウジを苦しめていたなんて。
苦しいのは自分だけだと思っていた。
「私、また壊れるのが怖かったし、そう思うと自分の気持ちも言えなかった。自分の気持ちも分らなくなっちゃった。」
沈黙が続いた。
この沈黙は永遠に続くように思えた。
「私達、こんなの可笑しいよね。別れようか。」
沈黙を破ったのはサトミだった。
2人は目と目を見詰め合ってコウジは小さく頷いて部屋を出て行った。

それから1週間、サトミは淡々としたOL生活を送っていた。
不思議と涙はもう出なかった。
ブログの日記もチャット部屋にも行かず、好きな音楽を聴いたり、DVDを観たりして時は過ぎて行った。
コウジの事もミケの事も頭にはなかった。
無理やり追い出していた。
そろそろ寝ようかと思って電気を切った。
携帯が鳴った。



                   <つづく>

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+ちょっと一言+

修羅場です。(笑)





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Last updated  2005/02/28 12:02:34 PM
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