眠れない夜のおつまみ

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2005/12/25
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カテゴリ: 小説




俺が電話を一方的に切ったのは、かおるが絶対来てくれると言う自信があったからだ。
しかし、名古屋と安城は少し距離がある。
着くまでの時間、本当に来てくれるのかまた不安になった。
そして、また馬鹿な事をしている自分を後悔した。

俺はかおるに出会ってから後悔ばかりしている。

病気になって、ナースの彼女と分かれて以来、今までそんな事無かった。
後悔なんていう言葉を俺は殺していた。
本当は後悔なんて生きていればいくらでもあるはずなのに、それを真っ直ぐ見ずに、あたかもはじめから存在すらしなかったかのように思い込ませていた。

偽ってばかりいたんだ。
そんな自分にも本当は気付いていた。でも、気付かせてくれるような人に出会わなかった。
ただそれだけだと思う。
俺は今のかおるへ向かっているこの瞬間、本当に生きていると感じた。
そして、この事は病気の事を一時的に忘れさせてくれた。

三河安城駅は新幹線もこだまではあるが止まる割かしこの地区では大きな駅だ。1号線を走って行くと標識が現れた。標識通りに交差点を右折する。
もう少しで駅に着く。次第に期待感と不安が入り乱れた言葉では言えないほどの興奮が身体の芯から湧き上がってきた。

タクシー乗り場に車を止めてかおるに電話する。

ーもしもしー

電話はすぐ繋がった。
「本当に来たの?」

「どこにいるの?」
「結婚式場の前のタクシー乗り場に車止めてる。」
「分かったわ。」
と言って今度はかおるに電話を切られた。
リダイアルしようと思っていたところでクラクションを鳴らされて、その車をよく見るとかおるだった。

車を降りてかおるの車へ歩いていった。
近づくとかおるは窓を下げて
「こんばんは。」
と笑顔で言った。
「来てくれたんだ。」
「いきなり行くって電話切ったのはそっちよ。」
俺達は顔を見合って笑った。

俺達は昨日実現できなかった事をしようとしている。
駅の目の前にやや控えめではあるがラブホテルのネオンに引き込まれるように車を滑らせて行った。

俺達は部屋に入るとお互いに求め合うようなキスをした。
どちらからとでもない自然な、そして情熱的なキスだ。
ベッドに倒れこみお互いの唇や身体を確認しあうように抱き合いながら長い長いキスをした。
気付けば互いの肌は露にされていた。
それ以上俺が踏み込もうとするとかおるに制された。
「シャワーを浴びたいわ。」
そう言ってシャワーを浴びに行ってしまった。
俺はぽつんとベッドに取り残された。
「ねぇ~。一緒に入ってもいい?」
俺が甘えると
「駄目!絶対駄目!」
と返事が帰って来たので、仕方ない今日は大人しくしていることに決めた。
こんなワクワクする気持ちも最近は全く無かった。
街で拾った女とはとても口には出来ないような事もした事があるのだが、それとは全く違う。
乾いた心に水が染み込んで急速に潤っているのを感じた。
それが、いつまで続くかなんて今は考えれないし、いや、永遠に続くとでも思っていたのだと思う。
シャワーを浴びたかおるがバスタオルを巻いて出てきた。
俺は興奮してすぐにでもベッドに押し倒したいと妄想したが、おとなしくバスルームへ向かった。
淡々と恋人達の順序通りに進んでいるようだが、俺の内面では興奮のマグマが爆発し続けていた。
腰にタオルを巻いてバスルームから出ると、TVを見ているかおるに抱きつた。
そのまま俺達は何一つ纏わない生まれたての姿になった。昨日、こうなるはずだったのだ。
飢えた俺は隅々までむしゃぶるようにかおるを愛撫した。
いつ出会うかも分からない、俺を立たせてくれるこんな女性はたまにしか食べられないご馳走に似ている。
食べ残しが無いように、そして味わうようにゆっくりゆっくり愛撫した。
かおるのあえぎ声が一層刺激して、俺はますます硬くなっていく。
かおるは、そんな俺を甘い蜜で誘惑している。
その甘い誘惑に俺は素直に従うだけだった。
一緒になれてお互いの吐息を頬で感じあう。
もう離れられないと思った。
このまま、ずっと一緒にいられたらと心底願った。
俺達はお互いの全てを見せあって、悦びを共有し一緒に絶頂に向かっている。
もっと激しいバイブを欲しがって、お互いせがむように抱き合ってうねらせる。
もう駄目だ。これ以上の快感はない。
俺は絶頂を迎えた。
それと同時に、一瞬激痛が走った。まるで電流が背筋を走るような凄まじい痛みだった。
快感と不快がいっぺんに来た妙な感覚を体験した。しかし、その痛みはその一瞬で消えた。
かおるもどうやら同時に達したようで、俺の横でぐったりとしたいた。
息を整えて腕枕したかおるに聞く。
「どうして来てくれたの?」
「来ないかと思った?」
かおるの顔は少し意地悪に見えた。
「正直、来ないかと思った。ここまで来る時思ってたんだ。なんて俺って馬鹿なんだろう、って。すごくかっこ悪いことしたな、って。」
「そうね。ちょっとカッコ悪かったわよね。」
と言ってクスクス笑っていた。
「だけど、そのカッコ悪い男の元に来たのはかおるだよ。」
「だって、言ったでしょ。私も好きだって。」
かおるはそう言うと俺の頬にキスをした。
俺は暫く味わった事の無い温かい気持ちになった。
神様がいるなら、今だけ、このままでいいだろう?
病気の事、嘘を付いていたっていいだろう?
もし罰を受けるなら全て受けるから。
だた、今はこのままでいさせて欲しい・・・。
そう心の中で一人願っていた。


                      <つづく>




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どうなんだろう?こんなん出ましたけど。(笑)





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Last updated  2005/12/26 03:23:50 AM
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