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March 18, 2006

NARUTO短期連載小説第１６話「仲間」

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テーマ：お気に入りの漫画は？？(2221)

カテゴリ：企画

『キメラの勾玉』NARUTO-ナルト短期連載小説

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※通常更新履歴は日記にて記載しているのですが、連載中はFreepage List（フリーページ）「更新履歴（仮）」に記載します。

第１６話「仲間」

　走って走って、ナルトはどこまでも広がる草原に突っ伏した。草をつかみ、嗚咽を漏らす。背中にそそがれる太陽のあたたかさも、優しい草の匂いも、今のナルトにはなぐさめにはならなかった。

「話は五代目から聞いた。ナルト。お前こんなところで何やってる」
「カカシ……せん…せい……」
　ナルトはなんとか起きあがって座り込むと、止まらない涙を必死でぬぐいながら、カカシにすがった。
「オレ……出来ないってばよ……。サスケと……敵として……戦うなんて……」
　ナルトの肩は、ひっくひっくと震える。
「ナルト……。今何て言った……」
「だか…ら……サスケと敵とし――」
　パアン、と、頬を打つ音が辺りに響いた。ナルトは思わず息を呑み、カカシを見上げる。
「カカシ……先生……？」
　ナルトは、頬に熱を持つのを感じながら、かすれた声で師の名を呼んだ。
「サスケは……敵、か？」

「サスケが……そう、言ったんだってばよ……」
　ナルトは瞳を悲しみの色に染める。カカシはそっと、ナルトの両肩に手を置き、ナルトをのぞきこんだ。
「なんでお前は、敵じゃない、と言ってやれなかった……」
　ナルトは、はっとしてカカシを見つめた。カカシの目は鋭く、悲しく、そして優しさに包まれていた。
「そっか……。アイツが何て言っても……サスケはオレたちの仲間だもんな先生。そっ……そうだよなっ。ずっとずっと……仲間だもんな……。……っ、うっ、うわわぁぁーカカシ先生～」

　やがて落ち着いたナルトに、カカシは巾着から小銭を取り出した。それをナルトに渡す。
「ほら、オレのおごりだ。これで一楽のラーメン食ってこい！」
　ナルトは目をぱちくりさせた。
「えっ？　こんなときに！？」
「腹が減っては戦は出来ぬって言うだろ」
　カカシはにっこり笑った。
「けどこうしてる間にもあの化け物は！」
「だーいじょうぶ！　シカマルたちもいるだろ。お前は五分でラーメン食って、そしたらすぐサスケのところへ行け」
「……分かったってばよ！」
　ナルトは立ち上がると、同じく立ち上がったカカシは、ナルトの頭をポンと優しく叩いた。
「オレがこんな体ですまない……。ナルト、サスケはオレにとっても大事な仲間だ。サスケを頼む」
「ああ」
　ナルトはニシッと笑うとカカシに背を向けて駆けだしたが、途中で振り返った。
「カカシ先生、ありがと」
　ナルトは照れたように笑うと、今度こそ駆けていった。
「ナルト……頼んだぞ」
　カカシは、ナルトが去った方角をしばらく眺めていた。

☆次回予告☆
最終戦突入！　新米忍たちの大技が次々に炸裂！！

キバ『よっしゃあ！　次回はオレのワイルドな技で決めるぜ！！』
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