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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 『雛舞い』番外編(カカシ少年編) (四代目班・ギャグ&ほのぼの少々) 時は昔。カカシ十三歳の春。雛舞いの季節が訪れた。 当然、美形のカカシに誰もが期待し、一番の候補に選ばれた。 しかしカカシは……。「なんでオレがやらなきゃならないんですか!」 任務帰り、仲間とともに森を歩きながら、カカシは先生に怒鳴った。いつも冷静なカカシなのに、今日はハァハァしながらすごい勢いでつっかかっている。息があがっているのは、一人先に帰ると急ぎ隠れながら走っていたところ、皆に探され、結局先生につかまったからだ。「ん、カカシ、雛舞いに選ばれるということは、光栄なことなんだよ」 先生はにっこり笑った。しかしカカシはふてくされたように顔をそらす。「先生だって昔踊ったんでしょ! なんで分からないんですかオレの気持ち」「ん……そうだよね」 先生は、昔を思い出したようで、苦笑している。「あ~私先生の踊り見てみたかったなぁ。カカシのも……見てみたいな~」 リンは、ほんの少し頬を赤らめる。「人事だと思って……」 カカシはリンを軽く睨み付ける。するとオビトが、カカシの前にずいと出た。「お前なぁ! せっかく選ばれたのになんで素直にやろうとしないんだよ! 美麗なるうちは一族を差し置いて選ばれやがったくせにさ」 オビトはくやしそうにカカシの胸ぐらをつかむ。「だったらお前がやればいいでしょ。紅つけて、ほお赤くして、花柄の着物着て……」「……!」 オビトは自分がそれをする姿を想像したのだろう、青ざめた。「いや。選ばれたのはお前だ。お前がやれ!」 オビトは急にカカシの肩に手を置き、真剣に顔を覗き込んだ。カカシは(こいつ雛舞いの恐ろしさがやっと分かったな)という顔をする。「そうよカカシ! やるべきよ! 注目されたら出世も早いよきっと!」 カカシのまぶたがほんの少しピクリと動く。「やれよなカカシ。お前はオレのライバルなんだ。お前が上に行ってくれなきゃ張り合いが無くなる」 本気な部分もあるオビトの言葉に、カカシはぐっと拳を握る。「ん、カカシ。強い忍になりたいなら、いろいろなことを経験しないとね」 先生の言葉は、カカシを説得させる決定打となった。 雛舞い当日。観客に囲まれる中、化粧をして女物の着物を身につけたカカシは、真っ赤になって立っていた。皆の口車にのせられたことに気付いたが、もう遅い。カカシはハァとため息をつくと、華麗に踊り始めた。観客の誰もが美しさに酔いしれ、息を呑んだ。だがカカシは、いますぐ火の国から逃げ去りたいほど恥ずかしかった。 雛舞いを終え、ダッシュで水道場へ行き化粧を落とすカカシの元へ、先生が現れた。「ん、よく頑張ったね。カカシ……」 頭に手を置かれ、思わず顔をあげたカカシ。頬が赤かったのは、ほお紅が落ちていなかったのか。恥ずかしさが残っていたのか。それとも、ほめられてうれしかったのか。「先生も、昔頑張ったんでしょ」 カカシはボソリと言い、穏やかに笑った。☆あとがき☆雛舞い番外編です。これは灯さまからアイデアを頂いて書いたものです。ありがとうございます^^カカシ『ま! いい思い出だね』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
February 21, 2009
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 ☆あとがき☆バレンタインデーの頃、期間限定拍手御礼小説になっていたものです(その際はたくさんの拍手をありがとうございましたv) 今回、一部加筆しました。ヒナタの好きな人は、ご想像にお任せします^^管理人『季節外れの小話を読んでくださってありがとうございました』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
November 9, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第十話「恋のバレンタインデー」 ヒナタは、チョコを持ったまま爛々と目を輝かせていたが、やがてハッと我に返った。黒ヒナタから元の状態に戻ったのである。「こんな私……やだな……」 ヒナタは自己嫌悪に陥り、疲れもあったのか、ついチョコを口にしてしまった。「……」 ヒナタはしばらく、黙って両手の平を見つめていた。そして、優しく笑った。「自分の力で、がんばろう。そんな私が、好きだから……」 ちょこエッセンスは、自分を好きになるのにも効果があったようだ。 ヒナタは夜空の下を駆け抜け、家に戻ると、一生懸命チョコを作り直した。もちろん、ちょこエッセンスなど入れずに。 そうして、好きな人の元へ、歩き出した。完ヒナタ『好きって気持ちはとっても自分を強くするんだね』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ あとがきへ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
November 8, 2008
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NARUTO小話(短編小説SS)『ハロウィンな七班』(七班・ギャグ)※第一部設定 木ノ葉にも、ハロウィンというものが存在した。 夜、子供たちは仮装して、お菓子を奪いに、いやもらいに行くのである。 ナルト、サスケ、サクラの三人は、夜仮装して集合した。「ナルト、お化けの格好似合ってるわよ」「サクラちゃんも魔女の格好似合ってるってば」 二人はにっこり顔を見合わせたあと、サスケに目を向ける「……」 二人は固まった。「どうした?」 サスケは不思議そうに首をかしげた。 サスケはドレスを着て口紅を付けていたのである。「サ、サスケ君……その格好は…?」「変か? ハロウィンというのは怖い格好をするものだと聞いたぜ」 確かに怖い。別の意味で。「昨日見た夢に、こんな格好した男が迫ってきてな。あれは怖かった……」 そういう意味じゃないんだけど、と二人は思ったが、とりあえずスルーした。早くお菓子をもらいに行きたい。 行き先はカカシの家である。 トントン、トントン……。 ナルトがノックをしたが、返事はなかった。けれどカカシの家の窓には明かりがついている。「バカね。こういうのは窓から忍び込むものなのよ」 そうなの? とナルトが思っている間に、サクラはしゃーんなろー的な感じで窓を拳で割った。ガラスはバラバラにくだけた。「なーにすんの」 寝ぼけまなこでカカシが起きてきた。「カカシ先生! 怖いだろ~怖いだろ~」 ナルトはうらめしやのポーズをとった。「いやー、別に……」 ナルトはがっくりした。「いーから菓子を出せ!」 サスケは一括した。「怖っ!」 カカシは後ずさった。「じゃあ先生、お願いね」「はいはい」 カカシは奥へと入っていった。「まずサスケ。クッキーね」「オレは甘いもんと納豆はダメだぜ」 サスケはクールに決めた。「あ、そうなの……」 仕方なくカカシは漬け物をやった。「次。サクラ。チーズケーキね」「私はダイエット中なのよ!!!」「あ、そうなの……」 仕方なくカカシはこんにゃくをやった。「最後にナルト。チョコレートだよ」「オレってばラーメンがいいってばよ」「あ、そうなの……」 仕方なくカカシはカップラーメンをやった。 三人は満足げに帰っていった。「アイツら、ハロウィンをなんだと思ってるんだ?」 カカシは三人の背を見送りながら、一人つぶやいた。☆あとがき☆ NARUTO世界にもハロウィンがあったら楽しいだろうな~と思います。他の班も楽しそう♪カカシ『よく分かんなかったけど子供たちは可愛いね~』人気blogランキング 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
October 31, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第九話「オトナのバレンタインデー」 カカシが元に戻ったのは、陽が暮れてからだった。気がついたときいた場所は、もちろん宇宙ではなかったが、何故かイルカの家だった。「イルカ先生! ごめんってばよ~」「ナルト……、お前、ちゃんと課題をこなしたのか?」「うん! ばっちし!」 ナルトがニシシと笑うと、イルカはホッとした顔で、ナルトの頭をくしゃくしゃなでた。「す、すいませんイルカ先生。なんかよく分かんないけど、勝手にお邪魔しちゃったようで…はは。あっ、良かったらチョコ食べます?」 イルカは唖然としながら、チョコを食べた。ナルトからもらい、カカシの唾がとんだチョコを。 大人の世界を繰り広げ始めた二人を背に、ナルトは外へ出た。「カカシ先生。オレ、ちゃんと先生のこと尊敬してるよ。それに、本当、大切だってば。ただ、どうやって伝えたらいいか、分からなかっただけなんだってばよ」 ナルトは、冬の澄み切った夜空に輝く星を見上げた。イルカ『カカシさん、オトナの夜を……』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
October 19, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第八話「七班のバレンタインデー」 サクラはカカシに、雷切をするカッコいいカカシの絵が描かれたチョコを、不器用ながら作って、渡した。カカシはにっこり笑い、課題クリア。 時を少し戻そう。サスケは昨日、丹誠込めて作ったトマトを大鍋でぐつぐつ煮込んでいた。何故か黒マントを着て暗闇の中爛々と目を光らせるその様子は、さながら悪い魔女のようである。サスケはこれを一週間も前から行っていた。その日サスケは「出来たぜ!」と万歳すると、その中にチョコをどぼんどぼんと入れていった。そうして出来たどろどろの液に、豪火球をおもむろに浴びせ、ほとんど黒こげ状態のものを冷蔵庫で冷やし固めたのである。 それを今、カカシに渡した。サスケはカカシに近寄り、その目をじっと見つめた。「オレが、一生懸命に作ったトマトが入ってる。雨の日も、風の日も、手入れを怠らず……ただ美味しくなるように、愛情いっぱいに込めて……」 何故かトマトの話になっているが、カカシたちはなんとなく感動的なので聞き入ってしまう。「トマトは、太陽の光をいっぱいに浴びて、やっとここまで大きくなった。やっと大好きなトマトが食べられる…! だがそれでいいのかオレ? 『尊敬する師』にすべて差し上げるべきだろう!」 だから愛すべきトマトをチョコに入れたのだと、超熱い演説を終え、サスケはカカシを上目遣いに見つめた。そしてサスケは見事課題をこなした。カカシが感動する横で、サスケはフフフと不敵に笑った。実はトマトは、全部こないだの台風で落ちて腐ったものだった。しかもあびせた豪火球は、日頃任務の待ち合わせに遅れるカカシへの恨みであった。だが、カカシがチョコを食べようとすると、サスケは思わずチョコを奪い自分で食べてしまった。激マズのチョコに涙を流しながら。なんだかんだ言って、彼はやっぱりカカシのことが大切らしい。 さてナルト。言うまでもなさそうだが、ナルトはちょこエッセンスを考えもなしにぜ~んぶ入れてしまった。カカシはチョコを食べた。「ナルト。結婚しよ(はあと)」 カカシはにこにこしながら恐ろしいことを言った。「なーーーーー!!!!!」 ナルトは腰を抜かした。「な、なな、なんっ…で……ぇぇえええええー!?」「なんでって、ナルトはオレの人生のすべてだもん(はあと)」「ふぎゃーっ!!!!!」 ナルトは焦りに焦りまくった。カカシの目は完全にナルト色に染まっている。サスケとサクラは、固まったまま既に気を失っていた。「そうだ! 二人だけのところへ行こうよ」「どどどどどどこへ!?」「宇宙とかさ!」 カカシはにっこり笑うと、ナルトを抱いて猛スピードで跳んでいった。途中、ちょこエッセンス入りのチョコを持ち怪しく笑うヒナタの横を、一瞬で駆け抜けた。ナルトは気がおかしくなりそうになりながら、どうにか課題をこなした。カカシ『ま! やっぱり七班だよね』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
August 19, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第七話「十班のバレンタインデー」 いのはアスマに、顔岩にアスマが描かれているという凝ったチョコを渡した。いのはクリア。 シカマルは、えいっとチョコを渡した。もちろん中に”ちょこエッセンス”が入っている。食べたアスマは、なんとシカマルをお姫様抱っこした。シカマルはあわてつつも、まずは課題をクリアした。けれど媚薬の効果はなかなか消えない。アスマはシカマルをぎゅううっと抱きしめて、唇を近づけ――「わああああああー!!!」 叫んだ瞬間、アスマは元に戻った。シカマルはぐだぐだになった。「ねぇ、なんか昨日のナルトよか反応がすごくない?」「じ、実は手元がくるって二滴入っちまったんだ」 ぜいぜいしながら、シカマルは小声で答えた。横ではいのが呆然としている。「嘘! ボクそんなこと考えないで、三滴くらい入れちゃったよぉ!」 時既に遅し。アスマはチョウジのチョコを口にしたところだった。 アスマはチョウジの上着をバッと脱がせた。そして恐ろしい速さで自分も脱ぎ始めた。チョウジは半泣きになりながら課題をクリアし、あとはひたすら逃げまくった。 やっと効果が切れると、なんで上半身裸なんだオレ…とつぶやくアスマと固まっているいのを残し、シカマルとチョウジはマジ泣きしながら走り去った。アスマ『十班は自慢の班だ!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
August 11, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第六話「八班のバレンタインデー」 ヒナタは普通に、紅花をかたどったチョコを渡した。ヒナタのちょこエッセンスは、紅ではなくもちろん好きな男の子に使われるのである。だから今ヒナタは、担当上忍にチョコをあげている場合ではなかった。心の中で黒ヒナタは(ついにエッセンスを使うときが来たわフフフ…)とこみ上げる笑いを抑えきれずにいた。 シノは昨日と同じようにカッぺっをしたエッセンスをチョコに入れ、紅に渡した。紅はぽーっとなり、効果の切れるまでシノを抱きしめていた。シノはその間に、しっかりと『尊敬のしるしを受け取った』という言葉をもらっておいた。ちなみにヒナタは”ちょこエッセンス”計画に忙しく、この異様な光景をまったく見ていなかった。 キバも、どきどきしながらチョコを渡した。すると紅は「わん」と言った。キバはびっくりして、シノにどういうことか小声で聞いた。「お前、まさか赤丸の唾液を……」「入れちまったかも……。いつも一緒にいるし……」 けど自分のも入ってるしなと、キバが紅を見つめていると、紅は「キバ好きわん」と言いながら抱き付いてきた。キバもどうにか、課題をクリアした。紅『八班は最高ね!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
August 2, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第五話「ガイ班のバレンタインデー」 リーはガイに、気合いを込めてチョコを渡した。チョコには”一生ついていきます! byリー”とぶっとい行書が掘られていた。正に尊敬が表れていた。 テンテンは、ガイのスーツをかたどったチョコを作ってきた。師が愛用している服をかたどるとは…と、ガイは尊敬のしるしを受け取った。 ネジは、ため息をつきながら、何か書かれたチョコを渡した。見ると”運命は変えることが出来る!!!”と書き殴られていた。どこが尊敬のしるしなのか誰が見ても分からなかったが、ガイは、大好きな熱き青春を受け継ごうとしているのだろうと思い(勘違いし) 尊敬のしるしとして受け取った。 その日、リーとテンテンが帰ったあと何故か一人残ったネジは、ガイにそっけなく言った。「今度…オレにもアンタの技……教えてくれ……」 ガイが呆然とうなずくと、ネジは何も言わずに去っていった。青春を受け継いでもらうことは勘違いでも、師として尊敬されていることは勘違いではなかった。 さて問題は、ちょこエッセンスを使った八班、十班、七班である。ガイ『うちの部下たちは皆良い子だ!!!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
June 25, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第四話「三忍のバレンタインデー」 伝説の三忍は、見晴らしの良いどこかの崖の上で、仲良く並んで座りチョコを食べていた。「やっぱり蛇ちょこが一番ね~」「いや、ナメクジちょこだ!」「ガマちょこだのぉ」 毎年この日だけは仲良くチョコを食べるのだと、三忍は決めていた。 仲間はずれにされて独りアジトに残ったカブトは、”カブトちょこ”を食べていた。「……美味しくないな」 むなしすぎた。大蛇丸『悪いわねカブト。今日はアナタにかまってる暇がないのよ』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
June 14, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第三話「暁のバレンタインデー」 暁メンバーは、チョコレートカフェを開いていた。イケメンのイタチ、デイダラ、サソリ(本体)たちが、ホスト風の服を着て、客を姫のように扱う。花びら入りの紅茶とともに、暁メンバーのサインが入ったチョコが出てくるのだ。客はもったいなくて食べられなかった。「オイラの作ったチョコ、食べなよ。うん……」 デイダラに耳元でささやかれた客は、卒倒しそうになりながらチョコを持つ。するとチョコはプチ爆発を起こした。客は興奮が頂点に達して気絶した。「ソォラァ! オレのチョコも食えよォ!」 客はやはりドギマギしながらチョコを持とうとするのだが、チョコはプチ本体サソリになっていて、ポロポロパーツが崩れるのである。客は、私のサソリ様がーなどと叫んで、あわててくっつける。「食べろ……」 イタチは、無表情ながら客をクラクラさせる視線で、チョコを勧めていく。客がチョコを持つと、なんと万華鏡写輪眼がチョコから浮き上がり、客はめくるめく甘い幻術へ堕ちるのだった。 ちなみにこれは、暁組織資金作りの活動であった。角都『金勘定はオレの役目だ』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
June 7, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第二話「砂隠れのバレンタインデー」 バレンタインデーがやってきた。 砂の国では、我愛羅のまわりに女の子が殺到していた。テマリやカンクロウや、バキまでいる。 砂のバレンタインは、一番可愛い男の子にチョコをあげる習慣があった。「”可愛い”より”カッコいい”がいい……」 我愛羅は小さくつぶやいた。その横で、カンクロウ作の全身チョコ傀儡が、カパカパしていた。カンクロウ『テマリはこのあと”ちょこエッセンス”の噂を聞きつけて旅に出たじゃん』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
May 31, 2008
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バレンタインデー企画(2008年)※元拍手御礼小説完全版(拍手御礼小説に加筆しています)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『忍たちのバレンタインデー』 (木ノ葉・砂・暁等たくさんのキャラ・ギャグ&ほのぼの&甘甘)目次注:BL風味・壊れキャラを含みます。大丈夫な方のみ読んでやってください。 第一話「ちょこエッセンス」 今日もナルト、シカマル、チョウジ、キバの四人プラス赤丸一匹は、木ノ葉公園でたむろっていた。「はぁ~めんどくせー」 砂場にごろんと寝転がりながら、シカマルはぼやいた。他の皆も、だれている。 明日は二月十四日、そう、バレンタインデーだった。「ねぇ、みんなチョコ作った?」 ポテチを食べているチョウジの問いに、皆はかったるそうに首を振る。「けど、気合い入れて作んねーと、マジやばいって」 キバはすべり台の下り口に寝そべり、ため息まじりに空を仰ぐ。「キバは紅先生にあげっからまだいーけどよー、シカマルとチョウジはアスマ先生にだし、オレってばカカシ先生だってばよ~」 まぁなぁ…という反応のキバに、他の三人は同時にため息をついた。 一般的にバレンタインデーといえば、女の子が好きな男の子にチョコをあげる日である。だが木ノ葉は違っていた。木ノ葉のバレンタインは、部下が担当上忍にチョコをあげるものと決まっている。そしてそれは手作りでなければならない。しかも、チョコに尊敬のしるしが込められていなければ、即刻アカデミーに戻されてしまうのだ。「オレ昨日ドックフードチョコ作ってみたんだけどよー、どーも美味くねぇんだよなー。赤丸はがつがつ食ってたけどよー」 キバは赤丸をぐしゃぐしゃなでる。人間の食べ物じゃないと皆は思った。「ボクは焼き肉チョコ作ってみたんだけどね。肉がさめちゃうからダメだねあれは……。肉は焼きたてジュージューじゃないとね……」 それ以前の問題だと皆は思った。「オレは、コンビニで買ってきたまんまビニール袋に入ってる板チョコを、コタツん中入れてとかしたのを、そこらへんに放って置いといて固めたんだけどよー。形がいびつなんだよなー」 めんどくさがりすぎだと皆は思った。「オレってばラーメンをチョコに――」 言われなくてもだいたい想像が付くと皆は思った。「だいたい尊敬のしるしなんて、どうやって込めたらいいんだろうねぇ……」 チョウジがカラになったポテチの袋をくしゃくしゃ丸めた、その時――「何故なら……」 突然決めゼリフをつぶやきながら、シノが現れた。「あー? なにが『何故なら』なんだよ、シノ」「いや、これはただの口癖だ、キバ……」 シノは両手をポッケにつっこみ、サングラスをきらりと光らせた。そしてシノが思う絶好のタイミングを見計らって、ポッケから小さな小瓶を取り出した。「これは”ちょこエッセンス”だ」 誰も聞いていないのに、シノは得意気な雰囲気をただよわせながらつぶやいた。「そろそろ帰るか」 シカマルに続いて、皆はだらだらと体を起こした。「待て! 普通『それはなんだ』などと聞くものだろう」「だってよぉ~、オレってば帰ってカカシ先生にチョコ作んなきゃだってばよ~」 ナルトは、もう完成しているシノをじとっと睨んだ。「これはチョコではない。ちょこエッセンスだ。これには特別な効果がある。皆にも与えよう。何故ならそれが友情というものだからだ……」 シノは小瓶を高々と掲げた。「なんなの? それ……」 チョウジは、うさんくさそうな目で小瓶を眺めた。「これは恋の媚薬。そう、相手を自分の虜にするのだ……」「ほんとか~?」 ナルトは疑いの目でシノを見つめた。「こうして小瓶の中に己の唾液を入れ……」 シノは、カッ、ペッと思いっきり瓶の中にタンを入れた。「汚!」 四人は叫んだ。「そうして相手の体内に入れる……」 シノは、ナルトが逃げる間もなくその口にちょこエッセンスを垂らした。「……シノ(はあと)」 ナルトは頬を上気させ、シノに抱き付いた。「大好きだってばよ、シノ。オレ……オレ……」 ナルトは涙ぐみながら、シノに頬をすり寄せた。「どうだ良く効くだろう」「効き過ぎだ!!!」 三人は青ざめながら叫んだ。「ヒナタは喜んで買ってくれた。一万両(約十万円)払ってな。アイツは日向一族だから金持ちだ」「お前……さっき仲間とか友情とか言ってなかったっけ……」 キバが呆れる横で、効果の切れたナルトはゲェゲェ吐いていた。 皆はブツブツ言いつつも、アカデミーに戻されるよりはマシだと、結局ちょこエッセンスを一人千両(約一万円)で買った。ナルト『ちょこエッセンス高いってばよ!』人気blogランキング 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
May 24, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』11(最終話) (木ノ葉新米忍他・ギャグ) ひな祭りの日がやってきた。 会場では、世にも美しい我愛羅が雛舞い、誰もが酔いしれ悩殺された……はずだった。 しかし我愛羅は、残念なことに直前で風邪をひき寝込んでしまった。 代わりに会場で踊っていたのは、カンクロウが操る傀儡であった。なんかよく分からない新作の黒っぽい傀儡は、カパカパ言いながら、コキコキカクカク、髪を振り乱して踊っていた。全く美しくなかった。 その年、木ノ葉のひな祭りは、台無しに終わった。☆あとがき☆まずこのあとがきを書いているのはひな祭りの日なのですが、ラストとこのあとがきをアップしているのは恐らくとっくのとっくにひな祭りを過ぎていると思います;; すみません;;作中ではみなさん「雛舞い」を気持ち悪がっていますが(笑)とっても美しくて可愛くてお似合いだと思いますよー(*^_^*) サスケやイタチ兄さんなんか素で似合いそうですし、愛しキャラシカマルも髪をほどいたりして美しそう…! 我愛羅なんかもう恐ろしいほど酔いしれそう! ナルトやチョウジやリーくんはかわゆいだろうな~(*´∀`*) キバは本気になれば目元に色気が出そうv シノも素顔は美しいのでは…! 綱手様が初めに向かったように、日向の日本的な雰囲気を持つネジ兄さんが一番似合うのでは…と思いましたv小話(SS)読んでくださってありがとうございました(*^_^*)ナルト『読んでくれてありがとうってばよ!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 番外編へ 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
May 17, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』10 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「オレがやる……」 木の上で腕組みをしていた少年……それは我愛羅だった。「だがお前は砂……いや、この際それはどうでもいい! お前なら最適だ!!」 綱手は狂喜したあと、ふと不思議そうな顔をした。「しかし、何故……」「存在を……オレの存在を……アピールしたい……」 我愛羅は、頬を赤らめた。 かくして、雛舞いを踊るのは我愛羅に決定した。キバは心の中で我愛羅最高と褒め称え、自分の無事を盛大に祝った。バキ『よくやった我愛羅! 次回は最終回だ!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
May 10, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』9 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「もうキバしか残っておらん。まぁいいか。顔立ちは整っているから、化粧を濃くすれば色気も出るかもしれん……」 キバはあわてふためいた。まさか自分のところにまわってくるとは夢にも思わなかったのである。だからナルトのように、シカマルに断り方のアイデアを聞いておくことも当然していなかった。「あっ、いや、その……」 キバは汗をだらだら流しながら、焦りまくった。不器用なキバは、とっさに上手い嘘がつけない。もっとも、純粋なヒナタに簡単な嘘をついてからかうことは良くあったが……。 もはやここまでかと思ったとき、救世主が現れた。ハナ『あの雛舞いを断ろうとするなんて!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
May 2, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』8 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「もうキバとナルトしか残っていないな……。キバは美形というよりはカッコいい系だしな。ナルトは……いやしかし、よく考えれば意外とナルトは可愛いのではないか?」 玄関から、カップラーメンを食べているナルトが出てきた。「雛舞いならヤダってばよ」 綱手が何も言う前に、ナルトは即答した。どうやら当然自分のところにまわってくると思っていたらしい。ナルトらしいと言えば、らしかった。「何故だ! たくさんの人に注目されるのだぞ! お前目立つのが大好きだろう!」「うん。けどオレ今、大人の男ってヤツ目指してんの。カカシ先生みたく、木によりかかってるだけで様になる男になりたいのオレってば! だから雛舞いなんてやってる場合じゃないんだってばよ」「ナルト! 火影命令だぞ!!」 綱手が怒鳴ると、ナルトはおもむろに上着を脱ぎ、火影の首飾りを手に取った。「綱手のばあちゃん。これ、質屋に売っちゃってもいいのかなぁ~? これオレのもんだしなー。何してもオレの勝手だってばよ」 ニシシ~とナルトは笑った。綱手は憤慨しながら帰っていった。「はーーーっ! よか……ったあ!!! あの踊り、男が化粧したりして毎年気持ち悪いんだってばよ!」 ナルトは心の底から安堵した。ちなみに”断り作戦”は、シカマルから教えてもらっておいたのであった。カカシ『あ、断っちゃうのね。もったいない』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
April 26, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』7 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「残るは三人か……。しかしチョウジはデ…じゃなかった、ポッチャリ系だしな……」 そこへ、演習場で修業をしているチョウジを見かけた。綱手はしばし目を奪われた。「アイツ……意外と動きはしなやかなのだな……。ポッチャリ系だからとあなどれん!」 綱手は意気揚々と、チョウジに声をかけた。「いや、その日は焼き肉パーティがあるんで。ゴメンナサイ」 チョウジは、自分に誘いが来たことをとても意外に思いながらも、やはり断った。「よし分かった! その焼き肉パーティの三倍肉をやろう!」 するとチョウジの目つきが変わった。綱手は、のった! と思った。だがそれは勘違いだった。「綱手様は分かってないですね……」 チョウジの目は燃える。「一人で肉もらって食ったって仕方ないんだよ! みんなで食べて、最後の一口を、見せびらかしながら堪能する……これぞ究極の幸せなんだよ!!!」 チョウジは口から唾を飛ばした。その様子が「デブ」と言われてキレる様子にそっくりだったので、綱手はたじろぎながらその場を後にした。チョウジ『焼き肉をなめるなああああああああー!!!!!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
April 20, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』6 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「しかし……シノの瞳が美しいというのは、嘘とはかぎらん。シカマルはシノと同期だし、素顔くらい見たことがあるだろう」「遠慮します」 突然、木の上から声が降ってきた。綱手が見上げると、シノがストンと下りてきた。「確かに俺の目は美しいですが……」 シノはサングラスに手をかけた。綱手はゴクンと唾を飲んだ。だがシノは、サングラスの位置を直しただけだった。「お見せする訳にはいきません。何故ならそれが忍のあるべき姿だからです。カカシ先生もそうでしょう」 シノは淡々と語った。「まぁ……そうだな……。だが、いい。お前に雛舞いを演じてもらうことにしよう」「不可能です」 シノは即答した。「何故なら、サングラスをかけて雛舞いをするなど言語道断……。そうですね……」「うっ!」 綱手はごもっともな意見に、返す言葉もなく去った。「フッ……」 シノは綱手の背を見ながら、不敵に笑った。紅『シノのサングラスを外した顔、担当上忍の私でさえ見たことないのよね』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
April 11, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』5 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「いや、無理っす! その日奈良家はシカを祭らなければならない大事な日で……」 まさか自分のところにまわってくると思っていなかったシカマルは、けれどとっさに頭を回転させて嘘をついた。 どうせ嘘だと分かっていた綱手だが、長引けばシカマルの頭脳で口車に乗せられ、結局断られると思った。だから、代償を用意していた。「雛舞いを演じたら、お前に二週間の有給休暇をやろう。どうだ。二週間もだぞ!?」 だが休み大好きのシカマルにとってさえ、褒美を蹴ってでも雛舞いだけはやりたくなかった。「そうだ! シノはどうっすか!? アイツの、サングラスで隠してる目、それはもう澄んでいてきらきらして、美しいっすよ!! それに比べてオレはがさつだしダラダラしてるしブツブツ……」 結局、思った通り、!Q200シカマルのでっち上げ話に騙された綱手であった。アスマ『雛舞いを断るとはもったいない!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 29, 2008
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NARUTO小話(短編小説SS)『兄さんのドロップ』(イタチとサスケ・シリアス)※主に仔サスケ語り 大きなガラス瓶の中に、色とりどりのドロップがたくさん入ってる。あかい色、あおい色、きいろい色、むらさき色、みどり色……。 兄さんは、どの色が好きかなぁ。 兄さんは、写輪眼をもってる。あの、赤い瞳で見たら、このドロップはきらきらしているのかな。それとも、もしかして、全部赤くそまっているのかな。 その瞳からは、オレはどういう風に見えるのかな。父さんや母さんは、どんなだろうな。木ノ葉の人たちや、空や雲や、散りばめられた空気や……、世界は……どんな風に見えるのかな。 ドロップみたいに、色とりどりだったらいいな。きらきらしてたらいいな。 兄さんに、どの色がいいって聞いたら、選んでほしいって言われた。いろんな色があるよって、オレは言った。 兄さんからの返事はこうだった。 オレは、色が、見えない。 ドロップの色も、世界の色も、見えない。 すべて、灰色にしか、見えない。 だから、サスケ。 お前が、オレの代わりに……。 そうしてお前の目に映る色つきの世界をオレも一緒に……。 それはただの夢だと分かっていた。 それとも、幻術の名残なのかもしれない。 どちらにしても、悲しかった。 色とりどりのドロップが灰色にしか見えないことが、悲しかった。 遠い昔の出来事に見せかけた、幻の記憶だったとしても。 目が覚めたら、太陽の光に包まれていた。 雨が上がり、世界はきらきらと輝いていた。 ドロップの色は、赤い色、青い色、黄色い色、紫色、緑色……。 全部、アンタのだよ。 ほら、色とりどりで、きらきらしてる―― これからは、オレの目で、色付いた世界を見ることができるだろうか。☆あとがき☆注:ほんの少々WJネタバレあります。今週号のWJ(うちは兄弟対決が終わったところ)感想代わりに書きました。感想や思うところは山ほどあるのですが、いろいろなサイト様でたっくさん語られていますので、あえて小説で。でも、なにかありましたらお話してもらえるとうれしいです。仔サスケ『兄さんのこと、ホントは大好きだったんだ』人気blogランキング 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 26, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』4 (木ノ葉新米忍他・ギャグ) さてどうするかと、腕組みで歩く綱手の元に、リーが笑顔で駆け寄ってきた。「ネジから聞きました! ボクが! ボクが熱く踊りを踊ってみせます!!!」 リーはナイスガイポーズで、歯をキラリと光らせた。綱手はリーをじっくりと眺めた。「リー、お前はとても男らしいな」「そっそうですか!? ありがとうございます!!!」 にっこり笑い、ガッツポーズ。そんなリーの肩を、綱手はポンと叩いた。「男らしいぞ……本当に……。だから察してくれ……」 綱手は去っていった。「はて。どうしたのでしょう……」 首を傾げるリーを背に、綱手はつぶやいた。「すまぬリー。お前の眉はとてもチャーミングだが、雛舞いには似合わん……」ガイ『我が愛弟子リーこそ雛舞いが似合うのだ! 綱手様はわかっとらん!!!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 22, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』3 (木ノ葉新米忍他・ギャグ) 訪れた綱手に、サスケはいきなり山盛りのトマトを押しつけた。「勘弁してくれ! オレは復讐者だし! トマト好きだし! けど納豆は嫌いだしな!」 動揺のあまり、意味不明の言葉を発している。「コラサスケ! これは火影命令だ! 聞かぬようなら――」「これもやる!!!」 トマトの上に乗せられたのは、本だった。「なんだこれは……ん!?」 本のタイトルは『うちは秘伝 ―☆必ず賭に勝つぜ☆― うちはイタチ著』だった。綱手は思わずうきうきしながら、ルンルンと去ってしまった。しかしよく考えたら、おかしいことに気付いた。あのイタチが「勝つぜ☆(ほし)」などという言葉づかい&おちゃめな☆づかいはしないはずである。不審に思い見ると、タイトルはサスケが油性黒マジックで書いたものだった。カバーをめくると、ものすごいぶっとい文字で『雛舞いだけはゴメンだ!!!』と書かれていた。やられたと、綱手は思った。 サスケはトマトをかじりながら、したり顔だった。「フフフ……雛舞いから逃れた上に、兄貴著で変な本を作ってやったぜ!」 ガッツポーズのサスケを、イタチは影から見ていた。「仕方のないやつだな……。だがまあ、気持ちは分かるぞサスケ……」 ずっと前、雛舞いに選ばれ踊るハメとなったイタチは、口に手を当てほんの少し顔を赤らめた。フガク『何故雛舞いを踊らんのだ! 美しいのに!!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 15, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』2 (木ノ葉新米忍他・ギャグ)「ネジ兄さんは、その……入院中です……」 ヒナタは、訪ねてきた綱手に、オドオドと答えた。「なにっ!? 任務で怪我でもしたのか!?」「そっ……、そう…です……! でも、ひな祭りを過ぎる頃には、退院できるって言ってましたから……」 視線を泳がせながら、ヒナタは答える。「そうか……。雛舞いを頼みにきたのだが仕方ないな。ではゆっくり休めと伝えてくれ」 綱手が去った後、ネジが青白い顔で出てきた。「すみませんヒナタ様……嘘をつかせてしまって……。けれど、雛舞いを踊る自分の姿を想像すると……うっ…気持ち悪い……」「ネジ兄さん!」 ネジは自分の想像にぶっ倒れて、本当に入院した。ヒナタ『ネ、ネジ兄さん……!』人気blogランキング 前へ 小説TOPへ 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 7, 2008
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ひな祭り企画(2008年)NARUTO-ナルト小話(短編小説SS ※プチ連載) 第一部設定。 『雛舞い』1 (木ノ葉新米忍他・ギャグ) 木ノ葉の里では、ひな祭りの日に「雛舞い」という踊りをする習慣があった。雛舞いは、まだ若い少年新米忍が女性と見まごうほど美しく着飾り、おしろいや紅を付け、優雅に踊る年中行事だった。毎年一名が選ばれる。選ばれた者は、中忍試験本戦に使われた会場で、皆に雛舞いを披露しなければならない。雛舞いはとても美しい踊りだった。だがこの年頃の少年たちにとって、お飾りをし、皆の前でしなやかに踊ることは、気が狂うほど恥ずかしかった。 ひな祭り一週間前になり、ついに五代目火影が動き出した。雛舞いをする人物を選ぶのは、火影の仕事なのである。「さて。候補は……ネジ、リー、ナルト、サスケ、キバ、シノ、シカマル、チョウジだな。誰にするか……」 綱手はリストとにらめっこしてう~んとうなると、よしとうなずき、火影室を出た。綱手『やはり雛舞いはアイツが適任だろう……』人気blogランキング 次へ他の小話(短編小説SS)はこちらから。
March 3, 2008
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いのちゃん、お誕生日おめでとうございますo(*^▽^*)o~♪ いのちゃんは、さばさばしつつもたまに見せる優しさが好きです。十班の仲間を大切にしているところも好きv サクラと一緒に、いのも頑張ってほしいです!今日は、NARUTO-ナルト小話(短編小説SS)でお祝いさせていただきます。いのお誕生日企画(2007年)第一部設定。『幸せプリン』(いの主役・十班+サスケ・ギャグ&ほのぼの) その日、いのは朝から寝込んでいた。熱を出してもいたが、風邪ではない。昨日の任務で、敵からかばってくれたアスマが、重症を負い入院してしまったのだ。さすがのいのも、落ち込みきっていた。 ドアをノックする音がし、シカマルとチョウジが入ってくる。任務前にアスマのところへ寄り、その帰りだった。「いの、アスマは大丈夫だ。だから泣くなって」「……私が、油断、したから……」 体を、小さく小さく丸めて。涙声。「……いの、任務が終わったら、なにか買ってきてあげるよ。何食べたい?」「――何も食べたくない」 心が痛くて悲鳴をあげているように、けれど消え入りそうな声。チョウジは、どうしようと言う風に、シカマルを見る。シカマルは、少しの間何か考えていたが、やがて静かに言った。「分かった。任務帰りに、お前の好きなサスケを連れてきてやる」 ビクッと、いのの肩が揺れた。「だから食うもん食って、元気になれ。いいな」 シカマルは、めずらしくビシッと言いつけ、出ていった。チョウジは、あわてて追いかける。「……」 皆が出ていってから、いのは初めて、伏していた顔をドアの方へ向けた。「何故オレがいのの見舞いに行かなきゃならねーんだ」 七班の皆と別れ、任務からの帰り道。木ノ葉街道のざわめきの中、話を聞くなりサスケは言い放った。「だからサスケは来ないよって言ったじゃない。どうするのシカマル?」 チョウジは小声で、シカマルにささやく。「お前がサクラを好きなのは知ってる……」「なっ……!」 唐突に言ったシカマルに、サスケの顔が険しくなる。「お前にとって別にいのは、深い友達ってワケでもねぇし、別に好きなやつでもねぇ……」 シカマルの目が鋭く光る。「けど、オレたちは同じ木ノ葉の忍だ。仲間だ。だから命懸けで見舞いに行く。これが木ノ葉流だ!」 シカマルは決めゼリフ(アレンジ見舞いバージョン)を言い放った。「……バカバカしい」 だが、サスケには通用しなかった。「シカマル~」「あわてるなチョウジ。次は作戦その2だ」 どうやら今のは、作戦その1だったらしい。「サスケ。どうやらお前、今夜のおかずは梅干し一個だけだろう……」「なっ、何故分かった……!」 サスケは動揺した。「そのスーパーの袋から出てるもの、『木ノ葉印のスーパーヘアースタイリング剤』だろ? それ高いんだよなぁ。けどそのつんつん頭を維持するためには、必要だよなぁ。お前の場合、飯よりまずそのつんつん頭を維持することが大事だもんなぁ……」 シカマルは不敵に笑った。「勝手に決めつけんな! この髪型は生まれつきだ!!」「しかし事実、お前は今夜の夕飯代がねぇ。そこでだ……」 シカマルはサスケの耳元で、なにかささやいた。 お か か の お に ぎ り と ト マ ト 。「ごちそうしてやっからよ」「何っ!?」 シカマルの甘い誘惑に、サスケは激しく心が揺れ動いた。ごくりと唾を飲み込みながら、必死に「おかかのおにぎりとトマト」の誘惑と戦った。「……オレがそんなものにつられるワケがないだろう」 ついに、飯よりプライドが勝利した。「チッ。……よし。作戦その3で決めるぜ……」 シカマルは、急にかがんで膝を抱えると、切なそうに語り出した。「オレの家はよ……スパルタ教育でな……。朝は四時から起きて過酷な修業だ……。少しでも弱音を吐けば、親父に容赦なく怒鳴られる……。しつけもすげぇ厳しくて……少しでも気を抜けば、母ちゃんは青筋立てて叱るんだ……」 青黒い哀愁オーラ漂うシカマルの横で、今度はサスケが不敵に笑った。「孤独……親に叱られて悲しいなんてレベルじゃねぇぞ!!!」 サスケは「不幸自慢」に勝ったと、超ご満悦に帰っていった。「ちっ……くしょー! 失敗に終わったか……」 シカマルは、わしゃわしゃと髪をかき乱した。「シカマル……頭のキレ悪くなった?」 シカマルは強烈なショックを受け、今度は本気で膝を抱えた。「シカマル……帰ろう? プリンでも買ってさ。いの、プリン好きだからさ」「がっかりするだろーな、いの……」 シカマルは、夕空を見上げ、つぶやいた。 プリンを買って、再びいのの部屋を訪れたとき、いのはまだ背中を向けてベッドに伏していた。「いの……。悪ぃ。サスケ連れてこられなかった……」 シカマルは、辛そうにあやまった。いのは、ばっと振り向く。「――よかった……」 いのの顔は、弱々しくも笑っていた。「へっ? なんで!?」 チョウジが、不思議そうにたずねる。「だって、サスケくんに、こんな惨めな姿見せられないじゃないー。こんな、髪もぼさぼさで、リップもつけてなくてー……」「……オレたちになら見せてもいいのかよ」「うん。いいよー」 いのは初めて、にっこり笑った。「だって、シカマルとチョウジは、運命共同体。三人でスリーマンセルだもんー」 いつになく素直ないのに、シカマルは照れ、チョウジはうれしそうに笑った。いのは、プリンありがとーと言って受け取り、おいしそうに食べ始めた。そして、ふと、ごめんねと、小さくつぶやいた。聞き逃してしまいそうな、小さな声で。けれど二人は、決して聞き逃さなかった。「いの。どうしてあやまるの?」 チョウジが優しくたずねると、いのはほんの少しだけ、くちびるを震わせた。そのまま、泣くのかと思った。けれどいのは、食べかけのプリンを見つめたまま、穏やかに笑った。「今日、二人だけの任務だったんでしょー。アスマ先生もいなくてー……」 いのの言葉が、少しとぎれる。「心配…したんだぁー……」 笑ったまま、いのの手に、ぽとりと涙が落ちた。「私も、ふさぎ込んでないで一緒に行けばよかったって……今から追いかけようかなって思ったんだけどー……またかばわれて二人を傷つけたらどうしようって……矛盾してるねー……」 笑っているのに、ぽろぽろ、ぽろぽろ涙を流すいの。シカマルは、いのの頭にポンと手を置いた。「ばーか。オレたちは運命共同体なんだろ? お前のために傷つくなんて当たり前なんだよ。アスマも含めてな」 そうして、頭を優しくなでてやると、いのの涙はあとからあふれて――けれどそれはもう、悲しい涙ではなかった。「いの。プリン食べな?」 チョウジは、いのからプリンとスプーンを取ると、いのに食べさせてあげた。「――甘くて、おいしー」 とろけるように甘いプリンは、幸せをいっぱいに含んだ味がした。☆あとがき☆いのお誕生日祝い小話です。書いていて思ったのは、いのうらやましー! ということです・笑 シカマルとチョウジに大切にされて、いいですねぇいのちゃは。あぁうらやましいです(←しつこいいのは、十班のプリンセスとして、みんなから愛されればいいなぁと思います(*^_^*)いの『みんな、お祝いしてくれてありがとー☆』人気blogランキング 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
September 23, 2007
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カカシ先生、お誕生日おめでとうございます(*^_^*)カカシ先生はなにもかも素敵すぎます(≧∀≦*) 世界中の女の子のハートをわしづかみに…! 恐れ入ります!!!管理人は、やっぱり、先生のあったかくて優しいところが好きです (弟子のナルトたちにたまに厳しいところも好きv)久々、NARUTO-ナルト小話(短編小説SS)でお祝いしようと思います。カカシお誕生日企画(2007年)第一部設定。『本当の笑顔を』(カカシとナルト&サスケ・シリアス)「ねぇ……カカシ先生って、なんでいつもさぁ……」 ナルトが、らしくなく、遠慮がちにオレをのぞきこむ。「さみしそうなんだってば……」 夕暮れの帰り道、他の誰もいないときを見計らったのだろうか。小さなナルトは、ぽつりとたずねた。「ん? なんで? オレいつも笑ってるじゃない」 言い返せば。「笑ってても、ホントに笑ってない感じする」 そう、返ってきた。雑踏に、のまれそうな声。 オレを、見つめたまま―― ドキリとした。その目が、先生のようで。「――カカシ。オイ、聞いてんのか」 ハッと、現実に引き戻された。そうか今は任務帰り。辺りはにぎやかな、木ノ葉の街並みで。 ナルトの横で、いつの間にいたのだろう――サスケがなにかをオレに押しつける。 甘酸っぱい香りがする。「こないだの、任務依頼人のばーさんに会った。お礼にと、これを……」「それで戻ってきてくれたの。……ああ、サスケは甘いものが嫌いだったな」 籠に入った豪華な果物を受け取りながら、サスケの黒い瞳に引き込まれる。 オビトに、似ているな……。「サクラにも分けてやってくれ」 そう、リンもいた。 先生と、オビトと、リンと、オレが。 遠いあの日々に、確かにいた。「カカシ……。いったいどうしたんだ……」「あのさ……カカシ先生が、さみしそうにみえるって話、してたってば……」 ナルトが、そっとサスケに打ち明けた。 サスケは、少しの間何か考えていたが、やがて口を開いた。「カカシ、アンタ、前オレに言ったよな。夕飯食ってるとき、突然家にやってきて、差し入れ持ってきて……お前は独りじゃないって、一方的に言ったよな。オレの気持ちなんか、まるでお構いなしに……」 サスケの言葉はそこで途切れ、しばらく黙ったままオレを睨んでいた。やがて息を、ため息なのかそうでないのか、あいまいに吐き出すと、うつむいて―― 顔をそらして、ボソリとつぶやく。「アンタだって、独りじゃねぇだろ……」 そのまま、帰る、とつぶやき背を向けたサスケが、すごく不安気で。 ああサスケは結局さみしいのだと思い。 オレもこんな風に見えるのかと、思った。「カカシせっんせ!」 見下ろせば、ナルトがニシシッと笑っている。 日も暮れそうだというのに、まぶしくて。ナルトは太陽のようだな。 孤独を持つ二人でも、対極的だ……。「サスケは、オレたちがいるって、そう言ったんだ」「――そうだな」「さみしくなったら、いつもそれ思い出してな」 ナルトは大きな目を真っ直ぐに、良く通る声で、続けた。「オレも、そうしてるってば!」 ああだからナルトはこんな風に、うれしそうに笑うのか。「ナルト。ありがとね」 ナルトはみるみる目を輝かせ、こんなことを言ってくれた。「カカシ先生が本当に笑うの、初めて見たってばよ!」 腕にからみついてくるナルトの頭をなでてやり。 今度一緒にサスケの家に差し入れに行こうなと約束した。 小さな、孤独な、二人なのに……あたたかく、オレに笑顔を贈ってくれた――☆あとがき☆カカシお誕生日企画小話です。NARUTOファン世界では言い尽くされてそうですが、カカシ先生は笑顔の中にいつも悲しみを秘めているようにみえます。オビトの慰霊碑の前で、いつも自分を戒める先生が、辛いです。いつの日か、本当に笑える日がくることを願っています。カカシ『今年もみんなお祝いしてくれて、ありがとーね!』人気blogランキング 他の小話(短編小説SS)はこちらから。
September 15, 2007
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NARUTO-ナルト小話『デイデイの芸術的な日々』(デイダラ・ほのぼの) デイダラは、子供の頃から芸術的な生活を送っていた。 まだ小さなデイダラは、よく「うん、うん」と言いながら、粘土をこねくりまわしていた。その様は楽しげで、無邪気で、可愛らしかった。器用に手を動かし、それはもう大人顔負けのものを作る。動物、虫……彼はとりわけ鳥を好んだ。しかし彼はイタズラっぽい目をくるりとさせて、それに起爆札を入れた。惜しげもなくその芸術作品を、お友達に投げつけていた。「芸術は爆発だ!」 目を輝かせ、そう叫ぶのが、彼には至福の一時だった。 爆発物を友達に投げつける……それは子供故の残酷さだった。けれど彼は、そのまま成長した。それは何故か……「残酷」なのは結果に過ぎない。「なぁサソリの旦那。オイラはさぁ、形あるものが一瞬で壊れる様が好きなんだな。うん」 形は違えど、同じ「芸術」という共通点をもつサソリに、デイダラはそう語ったことがある。「せっかくの造形物を一瞬で消してしまうことの、どこが楽しいのか……」 呆れるサソリに、デイダラはフフンと笑う。「ドカンと一発! 喝ってな! 一瞬が大事なんだぜ。うん」 無邪気に答えた後、デイダラは背を向け、ほんの少しだけ声のトーンを落とす。「一瞬の美……それがオイラのすべてだ。うん」 酔いしれているような、悲しみをそっと隠すような……いろんな風にとれた。が、暁のマントを翻して振り向いたデイダラは、いつものように楽しげに笑っていた。 芸術。デイダラにとっては、それがすべてだったのだ。それしかなかったのだ。だから、彼の心は子供の頃のまま、純粋で、残酷で、無邪気なのかもしれない。彼には芸術しかなかったから、他には何も欲しない。端から見れば孤独なのかもしれない。けれど彼は、今日も一瞬の美を追い続ける。それが、デイダラにとって、最高の幸せなのだから。 彼が小さい頃のあだ名は、デイデイだった。「デイデイは危ないものを投げるからキライ」 そう友達に言われれば、ムキになって芸術の素晴らしさを語った。「デイデイの爆発ってカッコいいよね!」 そう言われれば、デイダラは目を輝かせて、それこそやっぱり一日中でも芸術を語って聞かせた。 成長しても同じ。サソリと芸術論をかわしたときは、熱くなりすぎて、サソリの傀儡コレクションを爆発させまくった。「喝! 喝! うん!」 と、彼は目を異様に輝かせて満足そうだった。もっとも、怒り心頭に発したサソリに、傀儡の反撃を受けボロボロになったが。 とにもかくにも、芸術は爆発だ! に生きるデイダラは、今日も深くかぶった傘の下で目を輝かせ、楽しい毎日を送っているのであった。☆あとがき☆デイダラの人生論みたいなものを、なんとなく……(フリーズ)デイダラは、とにかく芸術のために生きてる人なんだと解釈してます。彼が無邪気なのも可愛いのも、子供が好きなものに夢中になる…そのままで成長したからなのだと、思います。この小話にストーリー性はほとんどないのですが、彼の魅力が表現できるように努力しました。少しでも…出てたらいいなと…思います……(フリーズ再)スミマセ…正直デイダラは難し……あの、その、過去が明かされてないから本質的なところがよく分からなく(あひィ~byシズネ) ただ、しつこいですがとにかく芸術に生きてる人なんだと言うことは分かります(誰でも分かるよ…)この小話を、220000HIT前後である220006HITのご報告をくださったでいだら様へ捧げます。※キリ番ではないので、通常はご報告頂いてもお礼は出来ません。今回は、いつも絵を頂いたりお話相手になってくださっているお礼も含め書かせて頂きました。※上記のような特例での御礼は、正式制度ではなかったのですが、他の方にも何度かさせて頂いていました。ですが、管理人の事情により、今回で最後とさせて頂きます。今後は、キリ番リクエストに関しては、指定のキリ番のみとなります。ご了承ください。※今までに前後の申告をしたのに断られてしまった、と言う方いらっしゃったら、大変申し訳ありません。ご報告くだされば、御礼をさせて頂きます(勝手ながらご報告の期限をH19.9.10までとさせて頂きます)デイダラ『オイラの魅力はもっと芸術的なんだぜ、うん』人気blogランキング他の小話はこちらから。
August 11, 2007
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チョウジくん、お誕生日おめでとうo(*^▽^*)o~♪ (注:チョウジのお誕生日は5月1日です。お祝いが遅くなってしまいました;;)チョウジのにっこり笑顔がかわいくて好きですw本日またまた久しぶりに、NARUTO-ナルト小話です。チョウジお誕生日企画(2007年)第一部設定。『ボクが誕生日にもらったもの』(チョウジ主役・十班・シリアス) ボクは昔から鈍くさい。弱くて、意気地もなくって……いつもみんなからバカにされる。そんなボクが、下忍になんかなれるハズがない。なれるハズなんかないんだ……。「――チョウジ。おいチョウジ」 シカマルの声に、ハッとして顔をあげた。ひんやりとした深い森に、ボクたちは立っている。シカマルといのが、ボクの顔をのぞき込んでいた。「準備できたぜ」 シカマルは木を見上げ、いのはその位置へ跳んで枝に立った。「いっくわよー!」 いのはニッと笑うと、足場の枝を思い切り蹴り、跳んだ。数十メートル先の、布を結んだ枝に見事に着地する。「楽勝ねー! 次はシカマルよー!」「ったくメンドクセーな」 今度はシカマルが枝に立つ。 昨日第十班になったばかりのボクたち。だけどそれは、まだ本当の意味でじゃなかった。今、何をしているのかというと、明日の演習に向けての練習だ。それに合格しなかった人は、アカデミーに戻されるらしい。アスマ先生が出した課題は、深い谷を挟んだ崖を跳ぶこと。それも、助走無しで。 シカマルも、簡単に目印の枝まで跳んだ。次はボクの番だ。気が重い。のろのろと、枝に登った。布が結ばれた枝。二人にはなんでもない距離なんだろうけど、ボクにはとても遠い。ボクには無理だ……。「チョウジー! ファイトよー!!」 いのの声援に、ますます気が重くなる。だって、カッコよく答えることが出来ないから。 仕方なく、ボクは跳ぶ。だけど、目標の枝はまだ遠いまま、ボクの体は落ちていった。 ストン、と着地すると同時に、いのがため息をつく。「ねー、私思うんだけどさー」 いのは人差し指を立てて、内緒話をするようにボクとシカマルに顔を寄せる。「昨日サクラに聞いたんだけどー、第七班が受けたサバイバル演習の合否って、実はチームワークだったんだって。だからさぁ、私たちも術でチョウジを跳ばしちゃえばいいんじゃないかなー」「いや、それはねぇな。カカシせんせーと違ってアスマは単純だ」 シカマルはきっぱりと言い切った。期待していたボクはがっかりした。「もういいよ。ボクはアカデミーに戻るから。二人は下忍になって頑張って」 せっかくシカマルと同じ班になれると思ったのに。いのも、思っていたよりいいコなのに。でもボクは、落ちこぼれだから……。「待てチョウジ」 背中を向けて歩き出したボクに、声をかけたのはシカマルだった。振り向くと、シカマルは丸薬を差し出す。「誰にも内緒だぜ? これは奈良家秘伝の特製丸薬だ。一粒食べりゃあ、副作用無しで何倍もの力を発揮する」「ホントっ!?」 ボクは早速食べてみた。ん? なんか甘くておいしいな。ガリガリ噛んで呑み込むと、急に力がわいてきたような気がした。勢いのまま枝に登り、ボクは跳ぶ。軽々と目印の枝に着地出来た! いのも驚いている。「すごい丸薬があるのねー!」「いや、実はただの菓子」 あっさり答えたシカマルに、ボクは枝からずり落ちそうになった。シカマルはボクを見上げて、ニッと笑う。「分かっただろチョウジ。お前はやれば出来るんだ。自信持て」「ん……」 だけど、お菓子と聞いて、今のはまぐれだった気がしてきた。「ちょっとシカマルー! どうせなら明日の演習までチョウジに思いこませとけばよかったじゃないー!」「いや……。本番はアレだからなぁ……」 シカマルは腕を組む。 アレって、なんだろう……。 ボクの前に、ドーンと深い谷が広がる。のぞきこめば、めまいがして落ちてしまいそうだ。本番を目の前にして、ボクはシカマルが言っていたアレの意味が分かった。「恐怖」だ。丸薬でパワーアップしたと思いこんでも、恐怖からは逃れられない。今だって、崖っぷちに立っているだけで、足がすくんで動けない。怖い。すごく怖い。 二人は、よく跳んだな……。シカマルもいのも、難なくクリアして、めでたく下忍となった。よかった、ホント……。でもボクは……。「どうしたチョウジ君。これくらい跳べないと、とても任務はこなせないぞ」 アスマ先生は、言葉とは裏腹に励ますように、ボクの肩をポンと叩く。「でも……ボク怖くて……」 情けなくて、ボクはうつむく。「だいじょうぶ。平地だと思えばいいんだ。下を見ずに、向こう岸だけを見て跳ぶんだ」 ボクは力無く顔を上げ、向こう岸を見る。シカマルがいる。いのがいる。二人のところへ行きたいけれど、あまりにも遠い。落ちこぼれのボクは、あの二人とはこれくらいの距離があるのかな。だってやっぱり、向こう岸までボクは行けない。「いざとなったら、オレが助けてやるから」 頼もしい、アスマ先生。でも……やっぱり怖いものは怖いよ。だって、平地だと思いこんだって、本当は深い谷だもの。ボクには、どうしても、無理だもの……。「ボク、跳ぶの、やめ――」 言いかけたその時、向こう岸の二人が手を振っているのが見えた。「チョウジー!」 シカマルが何か叫んでる。ボクはその声を聞こうと、思わず身を乗り出す。「落ちたらっ……オレが影真似の術で止めてやるっ!」 ハァハァと肩で息しながら、シカマルは叫んでる。「影がつかまんなかったらーっ、私が心転身の術で代わりに落ちてあげるーっ」 いのも、めいっぱい声を張り上げてる。「オレも一緒にっ、落ちてやるっ」 シカマルは必死で、ボクの方を見る。「だから、跳べチョウジーっ!」「跳んでよチョウジーっ!」 二人が同時に叫んだ言葉は、ボクの胸に真っ直ぐ届く。真っ直ぐすぎて、胸が熱い。なんで? なんで? なんでなの? ボクじゃなくたっていいじゃないか。ボクなんかより、他のヤツが十班に入ればいいんだ。ボクが入ったら足手まといじゃないか。シカマルがあんなにバカだとは思わなかった。いのもすごくバカだ。バカ…。バカ! バカッ!! ボクは、震えるくちびるをギュッとかんだ。怖いからじゃない。こみ上げてきた熱いものを必死で抑えこんだんだ。大丈夫。もう怖くない。だってボクの「怖い」を、シカマルといのは一緒に背負うって言ってくれたから。だから、怖くない。ボクは、足に力を込めた。 アスマ先生が、またボクの肩をバシンと叩く。「みんなで一緒に、十班になろうぜ」「……うん!」 にっこり笑う、大きくてあたたかいアスマ先生と。本当はとっても優しいいのと。そして親友のシカマルと。同じ班になりたい。絶対に同じ班になりたい! ボクは向こう岸をにらむ。だいじょうぶ。跳べる。だって昨日は跳べたもの! 一つ息をして。心臓が張り裂けるほどドキドキしてるけど。足がガクガクしてるけど。だけどボクは行くんだ。シカマルといのがいるあの場所へ! ボクは、渾身の力を込めて、大地を蹴った。 ボクはショックのあまり、地面に突っ伏していた。シカマルといのがそばで慰めてくれてるけど、ボクは立ち直れない。 落ちてしまった。届かなかった。気負いすぎて、バランスを崩しちゃったんだ。シカマルもいのも本当に一緒に落ちてくれて、結局アスマ先生が全員を抱えて助けてくれた。けど……ボクは下忍にはなれないんだ。第十班には、入れないんだ……。「なんだチョウジ。合格したのに何落ち込んでるんだ」「はあっ!?」 ボクが驚くより先に、シカマルといのが声を上げた。「だっ、だって向こう岸まで跳べなきゃ不合格なんだろ?」「誰がそんなこと言った? オレは「崖を跳んだら」合格だって言ったんだ。向こう岸にたどり着こうが落ちようがそんなこと今はどうでもいい。ただ、下忍になるための度胸と心構えを見たかっただけさ」 ボクが顔を上げると、シカマルといのは何だそれ? って顔をしてて、アスマ先生は愉快そうに笑ってた。だけどその後、シカマルといのは、急にうれしそうに笑った。「よかったねーチョウジー!」 いのが、心から喜んでくれてる。ボクは胸がぎゅっとなる。「ホント、よかったぜ……」 つぶやくように小さく言ったシカマルが、ほんの一瞬、泣きそうな顔をした。ボクはつられて……。シカマルはすぐに元にもどったのに……。ずるいよシカマル……。 我慢出来なくて大声で泣くしかなかったボクを、大きな胸で抱きしめてくれたのは、アスマ先生。ああ……このあたたかい先生のもとで、ボクたちは、忍になるんだ。みんなで、第十班になるんだ―― 実は今日はボクの誕生日で。それを知ったアスマ先生は、焼肉屋さんへ連れて行ってくれた。 先生、いいのに。だってボクは、もうプレゼントたくさんもらったよ。自信とか、勇気とか……「第十班」っていう仲間を……! ありがとう先生。ありがとう、いの。ありがとうシカマル。ボク、みんなと一緒に頑張るよ! うれしくて、うれしくて、焼き肉をいっぱい頬張ったら――帰りにアスマ先生がお店の人に土下座してたけど……。お財布忘れちゃったのかな?☆あとがき☆チョウジお誕生日企画小話です。チョウジは自分に自信がなくて……。そういうコって現実たくさんいると思うんです。だからチョウジって、読者が共感出来るキャラなのかも、と思います。今回は、チョウジがみんなに支えられて自信を持っていく過程を書いてみました。それからチョウジって、自分が人からバカにされたりして心の痛みを知っているせいか、とっても優しいんですよね。作中、それについてはほとんど出せませんでしたが、そういうチョウジも機会があったら書いてみたいです! 一番は、仲間に大切に思われているチョウジが書きたかったんです。落ちこぼれだと言われていても、チョウジの良さを分かってくれる人がいて……それが第十班なのだとも思います。この話を書いていて、改めてチョウジっていいコだなぁと思いました。チョウジくん、お誕生日おめでとう!※小さい読者さまや、オチが分からなかった方へ。アスマ先生は、おさいふを忘れたわけではありません。チョウジが焼き肉を食べすぎて、お金が足りなくなってしまったんです。チョウジ『ボクと十班のお話を読んでくれてありがとう!』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
May 4, 2007
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NARUTO-ナルト小話『ピアニストシカマル』(シカマル主役・十班+ヒナタ・ギャグ)第一部設定。注:シカマルが壊れています。シカマルがひどい扱いを受けています。苦手な方、意味の分からない方は絶対に読まないでください。※これでも、シカマルは一番の好きキャラです……;;「あ、あの……シカマルくん……、お願いがあるの……」 任務帰りの十班の前におどおどやってきたヒナタは、もじもじしながらシカマルに話しかけた。「あー? なんだよ……」「あっ、あのね、実は……、ピアノを弾いてほしいの」「ええーっ!?」 シカマルより先に、いのとチョウジが驚いて大声をあげた。 話によると、ヒナタは幼い頃からピアノを習っており、明日子供たちを招いて演奏会を開く予定だったらしい。しかし急の任務が入ってしまった。ヒナタの知り合いにピアノを弾ける者はいない。子供たちが楽しみにしているので中止にすることもできない。悩んだヒナタは、天才のシカマルならきっとすぐにピアノをマスターするだろうと、代わりを頼みに来たのだった。「あー無理無理。オレはおたまじゃくしが全くわかんねーからな」「そんな……」 ヒナタの目に、見る見る涙がたまっていく。いのとチョウジはドキリとした。「ちょっとシカマル! 女の子を泣かせるなんてサイテーよー!」「大丈夫だよヒナタ! シカマルはこう見えてもいいヤツなんだ。明日は任せといて!」 ヒナタの顔がぱっと明るくなる。「おいチョウジ勝手に――」「じゃあ明日はシカマルに任せてー! 任務頑張りなよヒナタ」 いのはにっこり笑うと、チョウジと共に無理矢理シカマルを引っ張り去っていった。 かくしてシカマルは、明日の演奏会でピアノを弾くことになってしまった。家に帰り、ブツブツ言いながら『はじめてのピアノ~木ノ葉の幼児版~』という本をめくる。パラパラとめくり、わずか三十五秒でシカマルはおたまじゃくしを覚えたのだった。 次の日、太陽がさんさんと降り注ぐ野原に、子供たちがきゃっきゃと集まっていた。真ん中には、大きなピアノがある。そこに、いのとチョウジにひっぱられるようにして、シカマルはやってきた。「……ったく、めんどくせーな」「ねーシカマルー。いくら音譜を覚えたとは言っても、指の練習はしておいたほうがいいんじゃないー?」「……」 シカマルはピアノを見ただけで、思い切りうんざりした顔をした。「クソめんどくせーからいい」 そうしてシカマルは草むらに寝っ転がり、本番の時間を待った。 やがて時間になり、シカマルは超めんどくさそうにピアノの前の椅子に座った。まるでやる気のない半開きの目で、シカマルはピアノのふたを開ける。ずらりと並んだ鍵盤。「……」 シカマルの目は大きく見開かれた。 いのの始まりの合図とともに、シカマルは鍵盤をバーンと叩いた。間髪入れず激しく情熱的な曲が流れる。いのとチョウジは何事が起きたのかとシカマルを見つめる。 シカマルは、超流ちょうにピアノを弾いていた。激しく! 情熱的に! 目を爛々と輝かせ! いのとチョウジは口をあんぐりと開ける。これは……このシカマルは……自分たちの知っているシカマルではない! シカマルは、さらにさらに情熱的に弾きまくった。あごを時折ピンとあげる。ついには髪紐がほどけ、激しい動きに合わせて髪を振り乱す。息づかいはハァハァしていて、表情は異常に楽しそうである。大きく見開かれた目は、はっきり言っていっちゃっている。子供たちは、あまりの迫力と異様さと恐怖で、石になっていた。 こうして天才ピアニストシカマルは、人格を壊しながら、華麗に演奏を続けたのであった。 帰り道。「シカマルって……ちょっと怖いね……」「言い方がぬるいわよチョウジー! 怖すぎなのよっ!!」 シカマルは、二人の反応を不思議に思いながら見ていた。何故なら、本人には全く自覚はなく、ただそれなりに弾いていただけだからだ。 しかし、シカマルは心の奥底で、激しい快感を感じていた。その感情の正体は、いのもチョウジも、シカマル自身も分からなかった。 いつかシカマルが再びピアノを前にしたとき、その感情は再び激しく掻き乱れるに違いない。今はまだ、天才ピアニスト(異常)のシカマルの血は眠ったままであっても……。 演奏を聴いた子供たちの中で、おもらしをした子が三名、腰が抜けた子が五名、動悸がした子が十余名……木ノ葉病院は子供たちでいっぱいになった。☆あとがき☆ 「こころのしずくについて」アンケートでリクエスト頂いた「壊れシカマル」です。管理人も書こうと思っていたのですが、とうとう書いてしまいました>< い、い、いかがだったでしょうか;; 壊れキャラ好きさまに、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。シカマル『よくこんなくだらねー話が思いつくよなぁ(←怒るのもめんどくさいらしいです;;)』人気blogランキング他の小話はこちらから。
March 19, 2007
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四さま、お誕生日おめでとうございます(*^_^*)(注:四代目のお誕生日は明日、1月25日です。一日早くてゴメンナサイ^^;)四代目の優しさが大好きな管理人です。本日久しぶりに、NARUTO-ナルト小話です。四代目お誕生日企画。四代目とカカシ。神無毘橋の戦い後。『見上げた先生は微笑んでいた』(四代目とカカシ・シリアス) オビトが殉職してから早一ヶ月。今日も『木ノ葉の黄色い閃光』率いる小隊には任務が入っていた。「先生……また今日もカカシ、遅刻ですね」 リンは、はぁとひとつため息をつく。今まで規律という規律をすべて守ってきたカカシ。けれどオビトの死以後、カカシが集合時間を守ったことはなかった。「ん……そうだね」 先生は、リンに優しくほほえむ。それだけだ。 しばらくして、やっとカカシは姿を見せた。「……すみません。道に迷ったおばあさんがいて……」 今日もカカシは嘘をつく。まるで、かつてのオビトのように。「カカシ! どうしちゃったの……? 最近いつもいつも――」「リン」 先生は、リンの言葉を途中で遮った。「分かってるよ。カカシ……」 先生は、カカシに微笑する。カカシは、そっと目を伏せる。 任務休憩時。以前ならカカシはオビトと口げんかをして過ごしたものだが、今は木陰で静かに本を読んでいる。リンはおとなしいカカシがさすがに心配になり、そっと近づく。「カカシ……何読んで……」 リンは口に手を当て、見る見る真っ赤になる。「そっ、そっ、それ、たしか、いちゃいちゃなんとかっていう、オトナが読む本……」 カカシはリンに取り合わず、ボーっと本を眺め続ける。「カカシにはまだ早いでしょ! それは子供が読んじゃダメって決まってるんだから!」「……きまり…ねぇ……」 カカシは、ぼんやりとつぶやく。そこへやってきた先生が、カカシの本を手に取る。「ん……確かにカカシには早いね。けど、いいよ」 先生は、カカシに本を返す。「先生……?」 カカシは、何故怒らないのかとばかりの表情で、先生を見上げる。「だってカカシは、それをただ眺めてるだけでしょ。読んでるわけじゃないよね」 カカシは目を見開いた。 その夜。岩の上で先生が見張りをしていると、寝ているはずのカカシがやってきて、隣に腰を下ろした。「眠れないのかい? カカシ……」 先生は、優しく笑う。カカシは、静かにかぶりをふる。「……どうして先生は、オレのこと怒らないんですか? 遅刻したり、その…変な本読んだり、してるでしょ……」「カカシは、怒ってほしいのかい?」「……」 カカシは、うつむく。「分かってるよ。カカシ……」 先生は、朝と同じことを言った。「カカシは、オビトのことが今もまだ、すごく苦しいんだよね……」 カカシの肩が、ぴくりと動く。「遅刻をするのは任務前にオビトが眠る慰霊碑に行くからで、遅刻の理由をオビトと同じにするのはオビトを忘れたくないからで、本に没頭しようとするのは逆に辛くてオビトを忘れたいからで、読んではいけない大人の本を読むのはわざと規則を破るためで……」 カカシは動揺し、それは次第に激しくなっていく。「君は、サクモさんのときとは逆で、今度は規則に固執しすぎたことをとても後悔しているんだ……」 カカシの呼吸が乱れる。「だって君は、オビトが大好きだったから……」「……オレ…は……」「そうだよね」 カカシは何か言おうとしたが、それは震えて言葉にならず……。顔をおおい、その手からは涙が伝わり地面に落ちた。声を必死で殺し、けれど肩を震わせ泣くカカシ。「泣かせてごめんね。カカシ……。けれど、君に覚えていてほしいことがあるんだ」 うつむくカカシの頭に手をやり、先生は星空を見上げる。「オビトもね、君のことが大好きだったんだよ」 カカシは、一瞬息を止める。「だからね、オビトはこう思っているよ。オレのことで苦しんだり、泣くのを我慢したりするな。気の済むまで泣いて、そうしたら笑って……笑っててほしいんだ……って……。ねぇカカシ……」 カカシは、涙をふいて先生を見上げる。「オレも、同じだからね」 とけこむような優しい笑顔に、カカシは思わずボーっと先生に魅入る。「もしも……だけど……。そんな時がきたら……。オレはそう願いながら、カカシを見守っているからね」 まるで夢の中にいるみたいに。その声はカカシには遠く聞こえた。 「先生」が逝ってしまったのは、それからそう遠くない日だった。 やがて月日は流れ、カカシは第七班の先生となる。意外性ナンバーワン忍ナルト。素直でないサスケ。恋に夢中のサクラ。個性派三人を理解するのは難しい。 けれど、と、カカシは思う。あの時、先生は全て理解してくれた。解ってくれた。何も言わないのに、なにもかも――。 あんなにも深く、慈愛にあふれ、心優しい先生。どれほど偉大な人物であったか、今なら分かる。そして、自分はもちろん、きっと誰からも慕われた、大好きな師は――四代目火影となった。 自分はそんな器ではない。けれど、ほんのカケラでもいいから、あの人のようになれたら……。そう思い、部下三人を見つめる。素直に、可愛いと感じる。大切だと、思う。『笑っててほしいんだ』 あのとき、最後に、はいとつぶやいて……見上げた先生は微笑んでいた。 まるで太陽のように、綺麗で、あたたかかった。 この子たちの前では、いつも笑っていよう。 ねっ、先生……。 空から、四代目が見守ってくれている気がした。☆あとがき☆えっと…なんかカカシモードになってしまいましたが……四代目生誕記念小話です。カカシ先生から見た、優しくあたたかい、偉大な四代目です。四代目の意志が、カカシへ、そしてナルトたちへ受け継がれていくよう、願いをこめて書きました。四代目『ナイスだよ…みんな!』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
January 24, 2007
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NARUTO-ナルト小話『雨に濡れていた』(暗部カカシ・シリアス)※カカシ語り雨に濡れて心も塗れて血がオレを締め付ける大切なものをなくしてしまった何もないオレはこんな風にしか生きていけなかった面をつけて、オレはオレなど捨てて、血を浴びて……雨の日は辛い傷に染みて心に染みて雨宿りする気力もなくぼんやり座り塗れ続ける小さな足音が聞こえた少女はオレの前に立ったオレが少女に目をやると少女は舌足らずな言葉で言ったあめにぬれたら、かぜひくよ?少女はオレを抱きしめたオレに降り注ぐ雨を全て受けるようにぎゅっと……ぎゅうっと……少女も雨に濡れていたのにやがて雨がやみ、オレは少女と虹を見たずっと暗闇だったオレの心に、光が差した行かないでと、少女は小さな手でオレの服をそっとつかんだその手をとり小指を絡ませ指切りをしたまたいつか、会おうとそう、いつか……その時までオレは生きていく生きていける降り注ぐ雨をオレの代わりに受けてくれた抱きしめてくれた少女のぬくもりが今も残っているから☆あとがき☆原作でサスケが「なんなら今からアンタの一番大切な人を殺してやろうか?」と言ったとき、カカシ先生は「もうみんな死んでる……」と答えました。大切なものを失ったカカシ先生は、何を支えにして生きていくことができたのだろうと、考えながら書いてみました。作中の少女は、春日詩様のオリジナルキャラ・もみじちゃんになります。詳しくはBookmarksから「Spring*Wind」様サイトへご訪問してお楽しみくださいv(その際サイト様の注意事項を読んでくださいね^^)この小話を、いつもいっつも、何度も何度も何度も(エンドレス…)素敵作品をくださった春日詩様へ、お礼として捧げます。カカシ『暗部か……。そんな時代もあったねー』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
January 9, 2007
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カカシ先生お誕生日おめでとうございます~(*^_^*) (とっくに過ぎましたけどね・笑)今日は、先日参加させて頂きました「カカ誕ふぇすてぃばる」の主催者なおりん(*mm)様へのお礼小話です。注:カカイルです。苦手な方、意味の分からない方はご遠慮ください。注:当サイトBL許容範囲最大で書かせて頂きますので本当に気をつけてください。(具体的に知りたいかたはこちら^^;) …といっても、BL好きさんにはものたりないくらいですが^^;同意頂けた方のみ自己責任の上反転してお読みください。 『神聖な教室で』(カカイル・ギャグ)「イッルカせんせー!」任務から帰るなりアカデミーに直行したカカシは、教壇に立つイルカにぎゅっと抱き付きキスをした。アカデミーの生徒が見ている目の前で。イルカは真っ赤になりカカシを引き離す。「あー! 男同士がキスしてるー」「へんなのー」「あーいうのってー、びーえるとか言うんだよねー」最後に発言した子供、何故それを知っている……。とにもかくにも、イルカは顔を真っ赤にし、カカシに耳打ちする。「カカシさん! 神聖な場所でやめてくださいよ!」「えっなにをー?」カカシは満面の笑みを浮かべる。「えっ!? そ、それは……あ、あんなことやそんなことや…ぺけぺけやばちばちやめきょめきょや……ってーカカシさんオレに何言わせてるんですかっ!」「イルカ先生が言ったんでしょ! オレ、そこまで説明してほしいなんて言ってないですもん」しらっと答えるカカシに、イルカの顔が真っ赤に染まる。「もー可愛いなぁイルカ先生は!」カカシは再びキスをした。「……んっ」イルカが声をもらすほどの、なが~いふか~いキス。「……ぷはぁっ! だ か らー! やめてくださいって! そーいうことはいつものように夜になってから――」イルカがハッと口をつぐんだときは、時既に遅し。「またキスしたぁー」「いっつも夜にそーいうことしてるんだぁー」「カカシ先生がせめなんだねー」最後の子供は何者だろう。「ま! いいじゃない! もっとオープンに行きましょうよ! ほら……こんな風に……」「……っ」ふっと耳に息をふきかけられたイルカは、息が乱れる。「先生はぁはぁしてるー」「耳に息かけられただけなのに変なのー」「あれは、かんじているんだよ」最後の子供って……。「生徒のみんなも見ておくんだよー」「……ひっ」カカシの手がイルカの頬に触れる。「先生の目なんかうるんでるー」「ほっぺた触られただけで泣いてるー」「好きな人に触れられると感情が高ぶるからね」最後の子供……。カカシの顔がイルカに近づいて……イルカは抵抗出来ずに……。カカシの唇は再び、イルカの唇をふさいだ。ここは教室で、生徒の目の前。けれどイルカは金縛り……。「三回もキスしたー」「お友達とあーいうことするのがオトナなのかぁ」「フッ、お友達ではなくて恋愛感情があるのさ」最後の子……。カカシはそっと唇をはなすと、にっこり笑った。「あー楽しかった!」「……え?」「イルカ先生の動揺する姿が見られて! んじゃ夜待ってますからね!」カカシは超ごきげんで去っていった。残されたのは、ひそひそとささやきあう子供たち(約一名、分かってるさという目で見つめる謎の子がいた)そして可愛い教え子たちは、いわゆるびーえる系の世界に興味津々に!(カカシさん……もうアナタとは絶交だぁーーー!!!)イルカは心の中で絶叫した。それでも、その夜イルカはいそいそとカカシ宅に足を運ぶのであった。おしまい。☆あとがき☆はふー。。こ、ここ、こんな感じで…いーのでしょか。。。(って頼まれてないですけど・汗) こんなでもサイト許容内マックスで書かせていただきました^^; ほんの少しでも気に入って頂けたらうれしいです。作中の謎の子供に、深い意味はありません。ただ、BL系にくわしい子ということで^^;この小話を、先日参加させて頂いた「カカ誕ふぇすてぃばる」の主催者なおりん(*mm)様へ捧げます。イルカ『オレの熱い授業が! 生徒が! のおおおぉぉぉ!』人気blogランキング他の小話はこちらから。
September 17, 2006
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NARUTO-ナルト小話今までは、ただの憧れだった。恋に恋してるだけの女の子だった。だけど……今は違う。『初めて本当に恋をした』(サスサク・シリアス)※サクラ語り※綱手五代目就任時少し前からのサクラの回想から。実のお兄さんにやられて、瀕死の状態で里へ帰ってきたサスケくん。心配で心配でたまらなかった。綱手様が治療をしてサスケくんが目を覚ましてくれたとき、私はサスケくんに抱き付いてた。恥ずかしいとかそんなことを思う余裕もなくて。たくさん流れた涙をぬぐうのも忘れて。ただ、サスケくんの息づかいを感じ、ぬくもりを感じ、とてもとてもほっとした。怖いくらい、サスケくんのことを好きになった。サスケくんがいなくなったら、生きていけないと思った。なのにサスケくんは、行ってしまったね。ねぇサスケくん。私は今、綱手様のもとで修業して、くたくたになって帰る毎日なんだよ。電気をつける気力もなくって、七班の写真を見つめて……。もうここにはない、あなたの声やぬくもりを思い出して……。消えることない感覚や、想いを……ぎゅって抱きしめているんだよ。ありがとうって、最後に言ってくれたね。どういう意味で、言ってくれたのかなぁ……。いろんなことを想像できるけれど。その前に、いつも涙がでてきちゃうよ。だって、サスケくんの声が、あんまり優しかったから。もう、憧れでもなくて、恋に恋してる女の子でもない。初めて本当に恋をした。サスケくんが、好きで好きで、たまらない――☆あとがき☆ただひたすら、サクラちゃんのサスケへの想いを率直に書いてみました。サクラ『サスケくん、待っててね』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
September 12, 2006
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NARUTO-ナルト小話注:今回はWJ(2006年40号)に便乗してのアスマとシカマル師弟ものです。ネタバレが入りますのでご注意ください。なんか、このネタ、アスシカサイト様でたくさん書かれていそうですが……;;『怖い夢』(アスマとシカマル 師弟もの・シリアス) ※シカマル語り三代目が亡くなって、一週間が過ぎたってのに。アスマはいまだに、煙草を吸わない。三代目を、そんなに慕っていたのだろーか。よく分かんねーけど。アスマが相当なショックを受けて、まだ立ち直れないでいるのは分かる。「ねぇシカマルー、アスマ先生なんで禁煙してんのかなー」「……女にでもふられたんだろ」いのには適当に答えておいた。アスマが理由を言わねぇってことは。よーするにオレらに知られたくねーってことだ。だから、聞けねぇ。アスマから見たらまだまだガキのオレが、力になれるわけねーからな。けどそれから。十日たっても、二週間たっても、アスマは煙草を吸わなかった。煙草なんて害のあるもん、吸わねーにこしたことはねぇけど。ただ「アスマの禁煙が続いてる」ってことが。どーにも気になる。そんでオレはついアスマの行動に目を向けてしまうのだけれど。二週間と一日が過ぎた夕方。任務帰り。アスマが別れ際に、一瞬だけど、やるせない顔をしたのをオレは見た。だからオレは思わず追いかけたのだが、角を曲がったら見失った。アスマがいない。オレは追いかける。なんだかアスマが消えてしまいそうな。追いかけて追いかけて。訳もねぇのにそんな気がして。どこまでも追いかけて。やっと見つけたときは、夜になっていた。アスマは、湖のほとりに立っていた。近づきかけて。けど、やめておいたほうがいーんだろーなと思い。オレは木の陰に座った。アスマは、長いこと水面を見つめて、ぼんやりしてた。アスマに背を向けて座るオレは、時々アスマの様子をうかがいつつ、後は空を眺めてた。星は嫌いじゃねーが、今日みたいな日には痛い。アスマ。早く元気になって、いつもの笑顔見せてくれよ。心配させんなよ。勝手に心配すんなって言われても……。心配するに決まってんだろ?こー見えても、アスマのこと大事なセンセーだと思ってるんだぜ。「……ル、シカマル」「……ん」しまった。不覚にも眠っちまったみてぇだ。「こんなところで何やってるんだ?」不思議そうにアスマは聞く。こいつが勘の鋭いヤツでなくて良かったぜ。「……散歩してたら帰るのめんどーになっちまって、休んでたら寝ちまった」しかもオレはなんでか、とっさに嘘考えるの得意なんだよな。「こんなところで寝たら風邪ひ……シカマル……」「あー?」「怖い夢でも見たのか?」オレのほおをぬぐったアスマの指は。涙でぬれていた。やべぇオレ泣きながら寝たのか?まじカッコわりぃ。「お化けに襲われる夢見た」アスマが大好きだから、アスマが心配だから、アスマが辛そうで悲しかったから泣いたなんて真実よりは、クソカッコ悪くてもこんな嘘でごまかした方が百万倍マシだ。「もう忍になったってのに、まだまだガキだなぁ」アスマは豪快に笑い出す。けっ、ガキで悪かったな。どーせオレはまだまだガキだよ。先生追いかけて泣いてるガキだよ……。けど、そんなことでアスマが笑うんなら。今はお化けが怖いガキでいーや。☆あとがき☆師弟もの万歳・笑 なんで管理人はこんなにも師弟ものが好きなんだろう。。今回、可愛くなくって可愛いシカマルを書いてみました。シカマルらしくってシカマルらしくない感じで(微妙な説明…) 書きたかったのは、アスマを心配するシカマルですw シカマルをからかって可愛がるアスマ先生も・笑シカマル『また管理人の手で意味不明なキャラにされちまったぜ』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
September 7, 2006
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NARUTO-ナルト小話※今回は(当サイトで)あんまり、または全く書いたことない組み合わせシリーズ。『熱血リーくんとおどおどヒナタちゃん』(ヒナタとリー(ナルヒナ要素含)・ギャグ)注:リーくん大好きさんにはきつい内容かと思います(ごめんなさいっ><) あと…ヒナタもちょっと性格よろしくないかも…です、スミマセン;;大丈夫な方のみお読みください。木ノ葉崩し後、人手不足の里は、もはやチームなどと言っていられなかった。空いているものをどんどん組み合わせ、任務をこなしていかなければならない。そんなことで出来た組み合わせが、ヒナタとリーだった。ヒナタはリーと話をしたことがなかった。ヒナタは考える。リーといえば……。ナルトくんがゲジマユと言っている人。ナルトくんが濃ゆいと言っている人。ナルトくんが一目置いている人。すべてナルトを通して思い出すヒナタ。「中忍試験でアナタのことは知っていますが、改めまして、リーです!!」キラーンと歯を輝かせるリー。(こ、こゆい……)第一印象はそれだった。(でも……礼儀正しくて……、きっといい人……!)「ヒナタです。よろしくお願いします」ヒナタは丁寧に頭を下げた。「こちらこそ!!!」直角に腰を曲げ、頭を下げるリー。「ヒナタさんっ!!!」「はっ、はいっ!」ヒナタはビクッとする。「アナタは自分ルールというものを知っていますか?」「い、いえ……」「なんというもったいない! 知ればもっと人生が充実します! それはそれは愛と青春にあふれた――」「こらっ! 早く任務へ出かけろ」ここは火影室で目の前に綱手がいたことを忘れていたリーであった。任務はDランク。迷子犬を探すことだった。森をうろつきながら、リーは熱く語る。「ガイ先生は……(略) ガイ先生が……(略) ガイ先生の……(略…以下延々と…) 」(ガイ先生と言えば……)ヒナタは考える。ナルトくんが激眉先生と言っている人。ナルトくんが濃ゆ濃ゆと言っている人。ナルトくんがリーさんの着ている全身タイツをもらった人。ヒナタは本当によく知っていた。どこでその情報を手に入れるのだろう。ヒナタはさらに考える。(あのナルトくんが一目置くリーさんの先生なんだから、きっと強い人なんだわ。ナルトくんのように努力家で、きっと毎日修業をかかさず……そう、ナルトくんのように……ナルトくん、今日も修業してるんだろうな。どんどん強くなっていく……。私も頑張らなくっちゃ……! だってナルトくんは……(略) ナルトくんだって……(略) ナルトくんってば……(略…以下延々と…)「……というわけで、ガイ先生は素晴らしい師匠なのです!!!」「あ…ごめんなさい……。全く聞いてませんでした」……「ではもう一度初めから! ガイ先生は…(以下超延々と…)」(なんか……この人の体から熱気が……)「白眼!!!!!!」 ヒナタはおもむろにリーに向かって白眼をかました。「なっ、なにを……!!」「……リーさん!!!」ヒナタは目を見開く。「血液がどろどろです!!!」 「……なんですとーっ!?」「あの…水分、ちゃんと取っていますか?」「いいえ! 修業中はのどが渇いても我慢するものでしょう!!」「古っ!」「は?」「あ、いえ……」「言いにくいのですが……修業中に水分をとってはいけないなんていうのは、今や昔のお話……今は健康ブームですから、みんな水分には気を遣っていますよ」「そうだったのですか……」「あっ、迷子の犬さん!」ヒナタはひょいと犬を捕まえた。「ああっ! ダメですよヒナタさん!!」「え?」「ボクが先輩として見本をお見せしましょう! さぁ一度その犬を放してください!」「は、はい……」ヒナタは犬を放した。「パトラッシュー!!!」リーは勝手に名を付けたその犬に向かって猛スピードでかけよりぎゅっと抱きしめた。「もうお前をひとりにはしないよ……ああ、お腹がすいたんだね……でもゴメン、お金がなくて肉は買えないんだ……でもスープを作ってあげるからね!」感動の涙を流す少年(&嫌そうな犬)「……誰?」ヒナタは呆然とした。「どうだ、たまには新鮮な組み合わせも勉強になるだろう」任務報告をしにきた二人に、綱手は笑った。「はい! ボクがガイ先生の教えに基づいてヒナタさんにいろいろ教えて差し上げましたから!」「そうか。ヒナタ、勉強になったか?」「はい……とっても……」「ではボクはこれにて失礼しますっ!」リーが出ていったあと、ヒナタは言った。「リーさんは血液がどろどろなのでしばらく入院させたほうがいいと思います」(訳:リーさんは濃ゆい人なのでしばらくかかわりたくありません)「それから占いでは金髪でオレンジ色の服を着た人が私の成長を促すと書いてあり――」「ヒナタぁっ!!!」 「ひゃあぁごめんなさいぃ~!!!」☆あとがき☆意外な組み合わせを書いてみたかったのですが……。毎度スミマセン;; あと、シリーズ化は予定ですので、絶対ではありません。。 ヒナタ『綱手様を怒らせてしまいました(びくびく…)』人気blogランキング他の小話はこちらから。
September 5, 2006
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NARUTO-ナルト小話『ガイ先生の熱~いマンガ読み方講座』(ガイ班・ギャグ)注:コミックのあからさまなネタバレを含みますのでご注意ください。注:管理人はガイ先生とリーくんをばかにしたりしていません。が…このお話はギャグなのでそうとられるかもしれない要素を含みます。そーいうのは嫌だなって思う方はご遠慮ください。「よぉし! 今日はオレが直々にマンガの読み方というものを教えてやろう! ……ということで募集を募ったのだが、誰か生徒は来ているかな?」ガイは森で仁王立ちになり、辺りをながめた。「はーいはいはいっ! ボク教わりにきましたっ!」木の陰から、リーがピョンピョン跳びはねながらやってくる。「おおっ! さすがは愛弟子リーよ!」ガイはリーをひしと抱きしめた。「ガイ先生~!!!」「リー!!!」二人がひしと抱き合い涙を流しているのを、ネジとテンテンは影から呆れて見ていた。「おやっ!? ネジとテンテンではないか! お前たちも講座を受けにきたのだな!」「リーに無理矢理連れてこられた。修業中だというのに……」「私武器のお手入れで忙しいのにー!」ネジとテンテンは不機嫌をあらわにする。「その心配は無用だ! この講座は、修業同様ためになる話だ!」胸を反らすガイを、二人は疑いの目で見つめた。「では始めるぞ」「オッスガイ先生!」リーは目を輝かせた。「まずマンガというものは……」「ちょっと待ってくれ」ネジはさえぎる。「これはマンガの講座なのか?」「そうだが、それがなんだ」「オレはマンガなど読まん」しーん……「バカバカしい。オレは帰る」「待てネジよ! ならばお前にマンガの素晴らしさを教えよう!!」ネジは無理矢理残された。思い切り不機嫌そうに座り直すネジ。「まずは良いマンガを選ぶことから始まる。リーよ、良いマンガを知っているか」「はいっ! ボクは『巨人の☆』を読んでいます!」「おおっ! あの努力と熱血があふれんばかりの野球マンガか! いいぞリー! それもとても素晴らしいのだが、私が今日持ってきたおすすめマンガはこれだ!」ガイはポーチからばーんとコミックを取り出した。表紙には『NARUTO-ナルト』と書かれている。ガイはさらにばさばさと出し、既刊34巻すべてを地面にぶちまけた。ネジはぶっきらぼうに一冊拾い、中をペラペラとめくっていたが……「こ……これは……!」ネジはみるみる赤面する。ネジが見たページ……それは、コミック12巻P125……。『そして…父上…私の目的はただ一つ…。もっと強くなりたい。誰にも負けないくらい…今はそう思います…』ネジが窓から外を見上げてすがすがしく笑う、超感動シーンだった。「なっ、なんだコレは! 『マンガ』というのは、人を隠し撮りして絵にするというものだったのか! 今まで読んだことがないから知らなかった!!!」ネジはショックのあまりよつんばいになったが、急に立ち上がるとそのコミックをめっちゃくちゃに破いた。その目は怒りと恥ずかしさのあまりぎらぎらしている。「ダメですよネジ。物は大切にしなければ……」「良いのだリー。ネジは初めてマンガを目にし、感動のあまり混乱したのだろう」「先生……ネジの話ちっとも聞いてないでしょ」テンテンは呆れた。ガイは新たにコミック12巻を取り出し(バイブルなので各巻につき3冊ずつ携帯しているらしい)例のページを開きネジに見せる。「よっ、よせっ!!!」「ネジよ。恥ずべきことはなにもない。マンガの読み方心得その一。それは素直に感動することだ!!!」「はいっ!! ガイ先生っ!!!」代わりに答えたリーは、例のページをガイと読みふけり、二人して号泣した。「ネジ、だいじょうぶ? 顔が真っ赤よ?」「……恐ろしく気分が悪い」ネジは今度は青ざめていた。「おおっ! このシーンもいいですね!!! ホラ、テンテン!」「……(絶句)」コミック9巻P25 中忍試験 テンテンvsテマリ試合が開始してから一コマ目で負けたテンテン。「こっこっこれの……これのどこがいいシーンなのよ!!!!!」テンテンは怒りで武器攻撃をしかけそうになった。「テンテンよ! 人は何度も倒れ、そして成長し大きくなる。これはその青春の一コマだ! だから輝かしいのだ!!!」「青春って……」「マンガの読み方心得その二。それは苦境から立ち上がり青春する人物に自分を重ね、より精進することだ!!!」「ガイ先生~」またも号泣するガイ&リー。「ネジ……私も具合悪くなってきた……」テンテンはネジのとなりにくたっと座った。「おおおー!!!!!」リーが興奮したページ。それは……コミック20巻P185リーに手術を受けろと言うガイ。万一手術が失敗したら一緒に死んでやるからと言われ、リーはガイに抱き付き思い切り泣く。「感動ですガイ先生~!!! 感動的すぎですー!!!!!」「いいぞリーよ。マンガの読み方心得その3。それは、感動場面に思い切り涙することだ!!!!!」「ガイ先生~!!! うわあああん~!!!!!!」ガイとリーは激しく抱き合い泣き合った。「帰るぞテンテン……」「うん……」二人はげんなりしながら帰っていった。「あれ? 二人が帰っていきますよ」「ふふ。まだ青春の素晴らしさを知らないからだ。理解できるようになれば、この世界はバラ色だ! そしてきっとくせになる!!」ガイは歯をキラーンと輝かせ、ナイスガイポーズをとった。「この真っ赤な夕陽にも感動の涙を流すようになりますよね!」辺りはいつの間にか夕焼け色に染まっていた。ガイとリーは沈む夕陽を見ながら、幸せの涙を流した。☆あとがき☆ガイ先生とリーくんの師弟関係は大好きなんですけどね、ホント。今回はギャグにしちゃってすみません^^;~おまけ~「ガイ先生! ネジたちがいつまでたっても青春に目覚めないので、ボク、マンガを描いてみましたっ!」「おおっ! どれどれ……」コミック未収録 NARUTO-ナルト外伝『ネジとテンテンの青春』ロック・リー作~ネジ 「さあ! あの夕陽に向かってどこまでも走ろう!」テンテン「ええ! どこまでも! 私、今日の夕陽を一生忘れないっ!」ネジ 「オレもだテンテン! 青春とは、かくも美しいものだ!!!」目をキラキラさせ(目の中に星が十個入っている)滝涙を流すネジ&テンテン「おおおおおー!!! さすがは我が愛弟子リー!!! さっそくネジとテンテンに見せに行こう!!!」それを見た二人は、ショックのあまり木ノ葉病院へ入院した。リー『青春をバカにしてはいけません!!!』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
September 3, 2006
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るろうに剣心小話 剣心とは違うその背中を、追いかけるにはわけがある―― 『悪一文字の背中』(弥彦と左之助・シリアス)※弥彦語り前に、こんなことがあった。まだ俺が剣を習い始めたばかりのころで。買い出しの帰りに不良集団に襲われた俺は。弱くてやられっぱなしで。たまたま通りかかった左之助が、あっという間に片づけた。んで、おんぶさって帰った。その時、左之助の背中はとても広く感じたけれど。そんなことよりただ悔しかった。少し剣術の腕が上がってきた頃。また不良集団に襲われた。今度はやっつけられると思ったのに。途中でバテて結局やられて。また左之助に助けてもらった。今度はちゃんと立ち上がったのに。左之助の悪一文字は俺の頭のずっと上にあって。やっぱり悔しかった。今はもう刃渡りもできるようになって。今度不良集団に会ったら、きっと圧勝できるはず。悪一文字が、ほんの少しだけ近くなった気がするのに。だけど現実は全然届かなくて。とにかく悔しい。「よぉ弥彦」初秋の月夜、道場の中庭で稽古してた俺に声をかけたのは、左之助だった。「こんな時間に、なに人んちの縁側でくつろいでんだよ」「おめぇこそ、お子様のくせに、なにこんな時間まで起きてんだよ」俺は左之助をにらみつける。「縁との闘いも終わって平和になったっていうのによ」「……言っただろ。俺の夢」『この目に映る弱い人たちや泣いている人たちを守りたい』そういえば、そんな大切なことを、俺は最初に左之助に話したんだ。なんでだろ。京都で剣心に『勝ったものが正しいと言うのならそれは志々雄真実と同じでござるよ』って言われて、気付いた未熟さ……それも左之助に話したんだっけ。悪一文字の背中はまだまだ遠いのに、強さも、悔しいけど心だってまだ全然かなわねーのに、どこか左之助は近いんだよな。ホント、なんでだろ。そーいえば……。「なぁ左之助」「あー?」「お前には、夢があるのか?」初めはなにげなく思ったことなんだけど。言葉にしたら無性に知りたくなって。俺は真剣に左之助の目を見つめてた。左之助は、めずらしく真顔でしばらく考えたあと、ニッと笑って言ったんだ。 「なんか、でっけぇことしてーな」「でっかいこと?」「世界一周の旅とかな」俺はこいつが初め何を言ってんのか全くわかんなくて。だけど『世界』というものが果てしなく遠くにあることを思い出して。体の血がどくんと騒いだ。「弥彦?」体が熱い。「おい弥彦……」熱でもあんのか俺。「弥彦……」左之助がいけねーんだ。そんな遠くにいっちまったら「……泣いてんのか?」せっかく少しずつ近づいた悪一文字に手が届かなくなっちまうだろ泣いてねぇ、と言って。左之助に背を向けて涙ぬぐった。そんで、なんで俺が追いかけてるのは剣心の背中なのに、こいつの悪一文字も追いかけたくなるのか初めて分かった。それはこいつが剣心とは少し違う背中で。強くて男気があって……左之助にしかないものへの憧れがたくさんあるからなのだけど。だけど一番の理由は、そーいうことじゃなくって。例えば剣心は父上の代わりではなく。例えば薫は母上の代わりでもないのだけれど。左之助は……「お子様のくせに泣くの我慢してんじゃねぇよ」左之助が無理矢理俺の顔を自分の腹に押しつけるから。「左之助……に……」「あー? なんだ?」「……っ」俺は左之助の背中に手ぇ回して、悪一文字をぎゅっとつかんで。言いかけたことをのみこんで。そのせいで必死で泣くのを我慢するハメになった。遠くへ行かないで悔しくなるのも大切なことを話すことが出来るのも近くに思えるのも左之助だからなんだ悪一文字の背中は俺にとってすげぇ大事な左之助兄ちゃんの背中なんだ―― だけどそれからすぐ、左之助は海の向こうへ行ってしまった。『少しさみしいけれど、我慢しなくてはな』剣心にそう言われたから、俺は涙で揺れる視界で。必死に悪一文字の背中をこの胸に焼き付けた。だいじょうぶ。さみしくても我慢できる。悪一文字は、俺が背負っていくのだから。 ☆あとがき☆82999HITのご報告をくださったトッポ様へのプチ捧げものです。弥彦と左之助のコンビがお好きとのことで書いてみたのですが、いかがでしたでしょうか。ええと管理人は、弥彦は左之助のこときっとお兄ちゃんのように思っていると思います。悪一文字の背中を追いかけるのは、左之助が剣心と違う魅力を持つこともありますが、「大好きなお兄ちゃん」だからでもあるのかなって勝手に思ってます。この小話を、82999HITのご報告をくださったトッポ様へ捧げます。左之助『(十五歳弥彦に)悪一文字つけてんのはいーけどよォ、そんな目立たねェところに小さくつけてんじゃねェよ』人気blogランキング 他の小話はこちらから。
September 1, 2006
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NARUTO-ナルト小話『トマトなサスケ』(サスナル・ギャグ)注:サスナルです。壊れサスケです。ナルトも壊れ気味です。苦手な方、意味の分からない方はご遠慮ください。OKな方のみ反転してお読みください。「今日も豊作だぜ。ふふふ……」サスケは朝からいそいそと畑仕事にいそしんでいた。うちは一族の全財産をかっさらって生きているサスケは超リッチ。トマトなどスーパーでいくらでも買えるのだが、サスケのトマトへのこだわりはただものではない。畑で作っているだけでも感心なのに、有機栽培なのである。頭には麦わら帽子。土まみれのサスケは不敵な笑みを浮かべフンと鼻を鳴らす。その行為に特に意味はない。しかも今日は任務の日であったが、サスケにはトマトの方が大事だった。もぎたてのトマトをナルトに食べさせる。それがサスケの本日の予定であり、他のことなどどーでもよかった。サスケはトマトをもぎ籠に入れながら、妄想をふくらませる。~愛のサスナル妄想劇場~サスケ「ナルト。摘みたてのトマトだ。さあ食え!」ナルト「サスケ……。オレの為に……(涙)」サスケ「ナルト。オレが一生お前においしいトマトを食わせてやるぜ」(プロポーズ!)ナルト「サスケェー! オレってば幸せだってばよ(号泣&抱き付く!)」サスケはよっしゃあとトマトをにぎりつぶした。そうと決まればさっそくナルトのもとへトマトを届けに行こう。サスケはうきうきと出かけた。森で、任務途中のカカシ班と会った。「サスケ。遅いぞ」カカシはクールに部下に注意する。サスケはぎろりとカカシを睨み、その口にトマトを突っ込んだ。「サ、サスケくん……」「なんだお前も食いたいのか仕方ないな」サスケはサクラにトマトを一個渡すと、辺りをきょろきょろ眺めた。「ナルトはどこだ」「ナルトなら風邪で任務休んだわよ」その瞬間、サスケはショックのあまり頭にチューリップの花が咲きそうになった。「なっ、てっ、てめぇは……!!」サスケはカカシを涙目で睨む。「ん?」「てめぇは風邪で熱を出して寝込んでいるナルトに……独りで倒れて病院運ばれて死にそうなナルトに……」「いや別にそんなひどくは……」カカシの声などサスケの頭には入らない。「意識不明でもうじき命の灯火が消えようとしているナルトを独りにしたって言うのかバカやろぉー!!」うわわわわんとサスケは泣きながら、猛スピードで木ノ葉病院へとむかった。後に残されたカカシとサクラは、トマトをかじりながら呆然としていた。「うずまきナルトさんは入院していませんよ」木ノ葉病院の受付でそう言われたサスケは、ショックで固まった。「ナルト……もう手に負えなくて家に帰されたというのか!」サスケは再び号泣しながらナルトの家へ猛進する。「可愛そうなナルト……うっうっ、待ってろよ今オレが行ってやるぜ!」サスケは家の屋根を次々と跳ぶ。「オレの愛のトマトさえ食べればだいじょうぶだ! すぐに元気になる! そしてくせになる!!」よく分からないことを口走りながら、サスケはナルト家の窓を突き破って侵入した。「なっ、なっ、サ、サスケ……!」ベッドで寝ていたナルトは、口をぱくぱくさせていた。「ナルト! もう大丈夫だ! オレが来たからにはもうお前はオレのものだ!」ずいぶんと話が飛躍している。「サスケェ……この窓割っちまって、どーしてくれんだよ」「心配ない。ガラスは後でシールで貼り付けてやる」「えー」ナルトも熱のせいで反応がややおかしい。「それより……」サスケはトマトを一口かじると、それをおもむろにナルトに口移ししようとした。「ぎゃーやめろー!!!!!」ナルトはベッドから飛び起きて、ドアまで引き下がった。「ナルト。顔が青ざめているぞ。病気が悪化したか?」「おまえの……ぜーぜー……せい……ぜーぜー……だってばよ……」「そんなことはない!」サスケは言い放った。これっぽっちも自分の壊れぶりに気付いていないらしい。「ナルト……」だが、サスケは急にうつむき、ぼそりとつぶやく。「サスケ……?」「オレ……オレは……お前のこと心配で……」目に涙を浮かべるサスケ。ナルトは、だまってサスケのそばにより、肩に手をおいた。「心配で……頭にチューリップが咲きそうになったんだぜ!」ナルトは再びドアまで飛び退いた。だがドアには鍵がかかっていて開かない。鍵を開ければいいだけのことだが、混乱したナルトはそこまで気が回らない。「うぇ~んイルカ先生~……カカシ先生~……サクラちゃん~……」ナルトはドアをがちゃがちゃ開けながら、号泣し始めた。どうやらナルトも熱で思考回路がおかしくなっているらしい。「えっぐ……えっぐ……サスケが怖いよぉ……」ナルトの顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。「ナルト……」サスケがナルトに近づく。「くんなサスケ! お前ってば絶対おかしいってばよ!」「オレはおかしくないぞナルト」サスケは平然と答える。「やだーくんなー怖いー」ナルトはパジャマの一番上のボタンをとってサスケに投げる。「ナル……ト……」パジャマの第一ボタンがとれてナルトの肌をちら見したサスケは、ぶっ倒れた。しかし顔を上げ、鼻血を垂らしながらはうようにしてナルトに近づく。ナルトはぶるぶると震えながら、覚悟を決めてドアに抱き付いていた。しばらくしてナルトの肩に当たったもの。それはトマトだった。サスケが、懸命に腕を伸ばしてナルトの肩にトマトを当てていた。「じっとしてろ」「?」「今トマトの治療をしている」「……トマトの治療?」「そうだよく効くぞ」「……トマトの……治療……?」「そうだよく効くぞ」「……」「よく効くからな!!!」「……サスケ」ナルトは顔を赤くして(熱のせい)にっこり笑った。「……ナルト」サスケは、ナルトの頬を真っ赤にして笑う顔にくらくらした。バタ……。二人はぶっ倒れた。サスケは、ナルトラブラブ度がマックスに達して。ナルトは、サスケの壊れっぷり度への恐怖がマックスに達して。「トマトのちりょう……トマトのちりょう……」木ノ葉病院のペッド上で、ナルトはそればかり繰り返してうなされていた。「ナルト、なにをわけのわからないことを言っているのかしら。ねぇサスケくん」「さぁな。オレにもウスラトンカチの考えていることはさっぱりわからん」サクラの前ではしれっとしつつ、サスケは何故いつもナルトアタックが失敗に終わるのか懸命に考えていたが、どうしても思い当たらなかった。(完璧だった。確かに完璧だった。どこがいけなかったのだろう……)そして毎度の如く、次のサスナルー作戦を考えるのだった。☆あとがき☆サスナル・ギャグ好きさんに楽しんで頂けたなら幸いです。そうでない方、注意書きをしたとはいえ……スミマセン;;サスケ『また書きやがったか。もう怒る気にもなれん勝手にやってろ』人気blogランキング他の小話はこちらから。
August 29, 2006
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NARUTO-ナルト小話お前がいなくなってから、たくさんのものを失った。『失ったもの』(ナルトとサスケ・シリアス)※ナルト語り目標。憎まれ口。憧れ。ライバル。友達。さみしさを共有できた存在。兄弟。第七班のチーム。サクラちゃんの、心からの笑顔。三人で築いていくはずだった未来。繋がり。お前が戻ってくれば、みんな取り戻すことが出来るのに……。☆あとがき☆すくいようのない話でスミマセン・汗ナルト『サスケェ……(寝言)』人気blogランキング
August 21, 2006
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サスケくんお誕生日企画4サスケくんお誕生日おめでとうーo(*^▽^*)o~♪ (まだ言ってる人w)今日は管理人の小話です~^^『あおい、いろ』(サスケイメージ・シリアス)※詩形式あおい色は、きみによく似合うけれど染まりすぎて悲しいね きみのいろは重い、あお だけど、空を見上げてごらんこんなにきれいなあおも、あるんだよ ちいさなきみが着ていたうちは家紋のあおい服はたくさんの血に染まったね それでも 今きみが流す涙はすきとおる、あおだよ きみの、あおは悲しくて優しくてきれいだね ☆あとがき☆え……と、サスケのいろいろを、「あお」で表現してみました。「青」でなく平仮名表記なのは、「青」「碧」「蒼」三つの意味が含まれているからです。お誕生日企画はずるずると続きますwサスケ『青だろーが蒼だろーが碧だろーがそんなことはどーでもいい……』人気blogランキングほかの小話はこちらから。
July 25, 2006
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NARUTO小話カウンター69999番のご報告をくださった春風詩様へ捧げます。※キリ番ではないので、通常はご報告頂いてもお礼は出来ません。今回は、いつも小説等を頂いたりお話相手になってくださっているお礼も含め書かせて頂きます。『好き。』(カカもみ・シリアス)第一部設定※カカもみ=カカシ×もみじ。もみじは春風詩様のオリジナルキャラで、ナルトと同期(ナルトより一つ年上)の女の子です。初めは、ただの憧れだと思った。大人だから、惹かれるのだと思った。カッコいいから、目が離せないだけだと思った。 だけど、例えば笑顔の中に隠された悲しみとか冷静の中に潜められた必死さとか そういうものを知ってしまいけれど好きになったときに、もう理由などなかった。 あの人が私を受け入れてくれたとき本当にうれしくて、けれどとてもとても不安だった。幼く小さな弱い私が、大きなあの人を受けとめてあげられるのだろうか、と。 そばで笑ってくれるだけでいいんだよって言われたときすごくすごく泣いてしまったけれど でもそんなのは嫌だからあの人のためになんでもしてあげたい。 一緒に生きていくのだから 好き。☆あとがき☆もみじの純情な心を書いてみました。年の差CP素敵です。もみじ頑張れ!この小話を、69999キリ番を踏んで下さった春風詩様へ捧げます。カカシ『照れるねぇ……ははは』人気blogランキング
July 20, 2006
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NARUTO-ナルト ネジ兄さんお誕生日企画2です。ネジのイラストです(……というか、落描きというか^^;タイトル『生きる喜び』(大げさなタイトルだな…)シチュエーションとしては、運命は変えられるのだと知ってから迎えた初めての誕生日。祝ってもらい、照れたり喜んだりw そのいきさつとは……。続きは小話で。 『ネジの笑顔』(ガイ班 ※ネジ主役・ほのぼの)「オレは誕生日の祝いなど必要ありません!」のっけからネジは、話を持ち出したガイに間髪入れずに断った。任務帰りのことである。「えー!? せっかくみんなでパーティしようと思ってたのに!」「そんな暇があるなら修業する」テンテンにも、相変わらずの態度を見せる。「ネジ! 誕生日というのはですねぇ……」リーが得意気に説明を始めようとした矢先、ガイはネジの肩をガッシとつかんだ。濃ゆい瞳でネジを見つめる。「な、なんですか……」「お前の誕生日は、班の皆で祝ってやる」滝汗を流すネジをよそに、ガイは青春の炎を燃えたぎらせた。次の日、ネジは無理矢理リーに連れられ、ガイの家へ行った。ガイとテンテンが、クラッカーを鳴らしてネジを迎える。「ハッピーバースディ、ネジ!」テンテンは、無言のネジにプレゼントの箱を渡した。「ねぇ、開けてみて」ネジが箱を開けると、中からは可愛い鈴がころんと出てきた。「素敵でしょ! ポーチにつけてね、ネジ!」「こ、これをか……?」ネジはたじたじしている。「ボクからはこれです! ネジ」リーは愛用の全身タイツをびろんと差し出した。「ま、まさかオレに……これを着ろと……」「そうです!」リーは笑顔で歯を輝かせた。「……」「どうしたの? ネジ」「オレは帰る……」ネジは、不機嫌な表情でドアを開けようとした。「ネジよ……」ガイの呼びかけに、ネジはドアにのばした手をぴくりとさせた。「テンテンとリーの贈り物に込められた意味が、お前には分かるか?」「意味?」ネジは、背中をむけたまま問う。「鈴は、お守りの効果がある。任務で怪我を負わないようにと、そう祈りを込めてテンテンはお前に贈った。タイツも、修業時に効果のあることを知っているリーだからこそ贈ったのだ」「……」「そして、オレからの愛のプレゼントはこれだ……」ガイはネジに近づく。ネジが振り向くと、ガイはネジを抱きしめた。「……なっ、何するんですかっ!」一瞬固まっていたネジは、我に返るとガイをはねのけた。「オレとリーを一緒にしないでくださいっ!」ネジは真っ赤になって怒鳴った。「ああ、すまん。そうだった……」ネジが反応する前に、ガイはもう一度ネジを抱きしめていた。「言い忘れていた。これは、お前の父さんの代わりだ……」「……父上の?」「お前が、幼いときから今まで得ることの出来なかった、父親からの愛情だ。オレで悪いがな……」ネジは、少しの間おとなしく目をつむっていたが、やがてガイから離れた。「アンタは、父上じゃない」「そうか……」ガイは少しさみしそうに笑った……が。「ではやはり先生としてお前を抱きしめよう!」再びガイはネジを熱く抱きしめた。「や、やめろ……」「じゃあボクは友達として抱きしめます!」リーまでもがネジに抱きつく。「おいよせ! 暑苦しい……」「じゃあ私も!」どさくさにまぎれて、テンテンもうれしそうに抱きついた。夕暮れの道を独り歩くネジ。「全く……なんて班なんだ……」毒づいたそのとき、ちりん……と鈴の音が鳴った。『任務で怪我を負わないようにと、そう祈りを込めてテンテンはお前に贈った』「こんな可愛らしいものを、ポーチになどつけられるか」ちらりと見たポーチの中身に、リーに押しつけられた全身タイツが入っている。『修業時に効果のあることを知っているリーだからこそ贈ったのだ』「こんな格好悪いもの、一生着るものか!」ネジは乱暴に、鈴とタイツをポーチの奥に突っ込む。「……ポーチに入れておくだけだからな」その時、雲間から赤い光が差し込み、ネジは思わず振り返った。大きな夕日。なぜか、ガイに抱きしめられた感覚を思い出す。認めたくなかったが、ガイの胸は、夕日のように優しくあたたかかった。もう忘れてしまった父のぬくもりも、あんなにあたたかかったのだろうか。そう思うと、ネジの胸はなんだか泣きたいような、くすぐったいような、そんな気持ちになった。ガイが誕生パーティの最後に言った言葉を思い出す。『誕生祝いというのは、生まれてきたことと、今日まで生きてこられたことを祝う日だ。皆、お前が今ここにいてくれることがうれしいのだ』熱く語るガイの横で、リーはうんうんとうなずき、テンテンは笑っていた。――父上、オレは生きています。大切な人たちも出来ました――ネジは、泣きそうに笑った。誰もいないところでないと、こんな表情が出来ないネジ。人前で上手く笑うことの出来ない、不器用なネジ。だがやがて、心からの笑顔を、誰かに贈ることが出来るようになるかもしれない。 そう、いつの日か。生きていることを喜び、大切な人たちに見守られている自分を喜び、笑って伝えられるようになる日が―― ☆あとがき☆ネジ兄さんハッピーバースディ♪ガイ班に祝ってもらうネジを書きました。熱~いガイ班はこんな感じかなぁと、楽しく書きましたw クールなネジ兄さんは大好きですが、いつかは人前で本当に笑えるようになってほしいです。ネジ『それでもオレはタイツは嫌だ!』人気blogランキングイラストはPhoto Album(フォトアルバム)ランダムアップイラストアルバムにアップしました。こちらから。
July 4, 2006
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るろうに剣心の弥彦イラストをPhoto Album(フォトアルバム)ランダムアップイラストへアップしました。アップした絵は↑こちらです。約2ヶ月前に描いたものです。画材は色鉛筆使いました。携帯写メです。フォトショで加工してあります。 剣心、薫、左之助……。今はみんながいて、幸せだって分かってる。それでも俺は、たまに戻りたくなる場所がある。『母上への贈り物』(弥彦・シリアス)さみしい原っぱ。辺りは夕焼け。朽ち果てた、俺の家のあと。今日の出稽古でのことだった。他流道場のヤツに、薫の弟かって聞かれて。俺は居候なのだと答えた。何にも間違ってねぇ。薫を姉ちゃんだと思ったことは一度もないし。ただその時、急にここへ来たくなった。空を仰ぐ。風を感じる。懐かしい匂いがする。母上と過ごした日々を思い出す。あったかいご飯を作ってくれて。怪我をしたら手当てしてくれて。大事に育てられた俺。けれど、それはやがて逆になり。俺が母上の看病をして。ご飯を作り。そうして母上は――そこでいつも考えは止まる。いや、止めて。振り向かずにここをあとにする。もう泣かなくなったけれど。いつになったら、笑ってここに立つことが出来るのだろう。母上が死んで、笑うのが苦手になった俺。だけど母上はきっと、俺の笑った顔が見たいのだと思う。母上。いつかきっと―― その夜、夕食を囲んで薫は言った。「あなた、もう居候なんて言うのやめなさい? 家族でいいの」俺は思わず箸を落としてしまった。「そんなにびっくりすることないでしょ。いーい分かった? 剣心もね」「ああ。ありがとうでござるよ。薫殿」そうして片方ずつ箸を拾ってくれた二人は、俺ににっこりと笑った。母上。次に会いに行くときは―― ☆あとがき☆妄想万歳(何いえ、ホントは妄想とはちょっとずれてるんですけどね^^;弥彦は家族でいてほしいという願望と、あんな風に母上と暮らした場所にたまに帰っているのかなって思っているんです。弥彦『いや、俺はそーいうキャラじゃ……』人気blogランキングPhoto Album(フォトアルバム)はこちらから。
June 27, 2006
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NARUTO-ナルト小話。今日はガイ先生とリーくんの師弟ものです。多分初挑戦だったと…^^; いつも努力努力というガイ先生が、一度だけ違うことを言ったことがあります。もういいから、休め、と……。『ガイ先生とボク』(ガイとリー 師弟もの・シリアス)それは、まだ忍になりたての頃でした。ボクは、修業! 努力! 根性! の毎日です。天才のネジには負けたくなくて。何より夢を叶えたくて。己の忍道を貫きたくて。そんなボクを、ガイ先生は、厳しくもあたたかく見守ってくれました。任務明けの休日。その日は、朝から雨が降っていました。でもボクにはそんなこと関係ありません。雨が降ろうが槍が降ろうが、修業はかかしません。ですから、その日も当たり前のように外へ出ました。だけど、冬の朝の雨は、氷のように冷たかったのです。演習場で、立木にひたすら蹴りを続けていました。それで寒さをふきとばすつもりだったのに。体の震えは増すばかりでした。「リーよ」声をかけられて、ふりむいたら、ガイ先生でした。「ガイせんせ……おはよ……ござ…ます……」ボクの乱れた息から漏れるのは、声よりも白い息のほうが多くて。かなりマズイかも……。そう思ったときには、体がぐらりとゆれて、ボクは倒れました。ガイ先生はボクを抱きかかえ、額に手を当てると、無言でボクの肩をつかみました。先生の手があまりに強く肩にのめりこむので、痛くてうめき声をあげたほどです。「ガイ……先生?」ボクが呼びかけたとき――一瞬の後、ガイ先生の腕の中で、ボクは殴られたことに気付きました。そして、その後すぐに、先生がボクを抱きしめてくれたことにも。「リーよ」ガイ先生は、静かに語り始めました。「お前は、自分のことしか考えていないのか」ガイ先生の言葉の意味が分からなくて。ボクは先生を見上げました。先生は静かに、けれど厳しい目で、ボクをじっと見つめました。「体の様子がおかしいと、気付かなかったわけではないだろう」「はい……」訳が分からないまま、ボクは答えました。「高熱がある。無茶をすれば死ぬかもしれないことは、分かっていただろう」「ええ……」「それが分かっていて、何故修業を続けた」「……それがボクの忍道だからです。そのためだったら、どんなときでも努力します。それで死んだら、ボクはそれだけのものだったのだとあきらめます」そうボクは、思ったままに答えました。「リーよ。お前はそれで良いのかもしれない。だがな……」ガイ先生の、ボクを抱く力が強くなりました。「お前は独りで生きている訳じゃない」ボクははっとして、ガイ先生を見上げました。「お前が死ねば、テンテンはきっと泣くだろう……」いつもボクを叱咤してばかりいる、テンテンが……。「ネジも、泣くだろう……」いつもボクを見下している、ネジが……。「そうしてオレは……」言葉の続きの代わりに、ボタボタと落ちてきたのは、熱い涙でした。ガイ先生に言われて。ネジやテンテンとすごしてきた日々を思い。ボクをいつも見守ってくれるガイ先生を思い。そうしてやっと気付いたんです。ボクが、みんなに大切に思われていることを……。思い出したように感じた、頬の痛み。とても、熱い。ごめんなさいと言おうとして。けれどそれは嗚咽となって。先生にしがみついて泣きじゃくりました。ボクをおぶった先生は。「今日はもういいから、休め」優しく言うので。「オッス……」気合いを込めるはずだった返事は、また涙声になってしまいました。「ガイ先生、ボク、自分ルールを一つ追加しました」「おお! なんだ」「もしもボクがボクを大切に思ってくれる人の存在を忘れたならば……ボクは忍をやめます」「!?」「だから絶対にこのルールは守ります」「……リーよ」『そうしてオレは……』その続きは結局聞かなかったのですが。だから先生が何を言おうとしたか分からないままなのですが。思い出すたび、今でも涙が出そうになるのです。 ☆あとがき☆はっきり言っていいですか? こんな照れるものを書いたのは初めてです!!! ですがっ! 師弟愛好きの管理人にとっては、ある意味たまらないものがありますね><~おまけ~「リーよ! 氷枕を作ったぞ! おかゆは卵入りだ!! 特製の丸薬もこしらえたぞ!!!」ガイ先生に無理矢理入院させられたボク。ガイ先生はいたれりつくせりでした。「医者はまだこんのか! 可愛い愛弟子が死んだらどうするんだ!! そうだ手術もしないと……」本当に、いたれりつくせりでした。「いや、木ノ葉病院では心配だ! もっと大きな病院へ……! いや、ここはオレが全国津々浦々を旅し伝説の綱手姫を探して……」本当に……。リー『ガイ先生には御世話になってます! オス!!』人気blogランキング
June 26, 2006
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イラストはドラゴンボールの孫悟飯です。5/1頃に描いた絵です。マウス直描き、背景はフォトショです。※突然別ジャンルですみません^^; ごくたまにやってます^^絵の内容とはあんまり関係ないのですが、今日はドラゴンボール小話です。 ナメック星から帰ってきて、みんな生き返って、デンデたちも帰っていった。今までの戦いが嘘みたいに、地球は平和になった。『夕焼けいっぱい夢いっぱい』(悟飯とクリリン・ほのぼの)ボクは毎日勉強の日々。勉強はきらいじゃないけど、たまにはお外に出たい。動物さんたちと遊びたいし、草や花もながめたりしたい。そんな気持ちで、勉強机から窓の外を見る。青い空。緑色の草がそよそよと風になびいて……。本当に平和だ。だけど、ここにはいない。お父さんも。ピッコロさんも。大大大好きな二人は、いつもボクのそばにはいてくれない。空を見てたら、何故かここから抜け出したくなって。えんぴつを置いて。ボクは窓から、ふわりと飛び出した。だけどひとりきりで空を舞うのは。思ったよりさみしくて。風はボクの心をむなしく通り抜けていった。ぼんやりと飛び続けて、気がついたらかなり遠くまで来ていた。ここは、カメハウスの近く……。近くの島で、クリリンさんの気を感じた。ボクが小さな島に下りていくと。独り修業をしていたクリリンさんはボクに気付いて。悟飯って、声をかけてくれた。ボクは、一生懸命笑って、こんにちはって言ったのだけれど。クリリンさんが、いつものようにとっても優しく笑うから。気がついたら、クリリンさんにしがみついて泣いちゃっていた。そっかぁ、お前もやっぱりさみしいよなって。ボクが何も言わないのに。クリリンさんはそう言って、ボクを抱きしめてくれた。クリリンさんはお父さんの親友で。お父さんは、クリリンさんはとってもいいヤツだって言う。ボクはそれがどうしてか、知っている。クリリンさんは、誰よりも優しい人だから。ボクは時々思う。ピッコロさんや、ベジータさんでさえ。クリリンさんの前では、ほんの少しだけ、心穏やかになっているのだと。ボクは今日、その優しさに甘えたくて、クリリンさんのところへ来てしまったのだと思う。お父さんが好き。ピッコロさんが好き。だけどクリリンさんは、二人とは違う風に、好き。お父さんが真夏の太陽なら。ピッコロさんはさみしい月で。クリリンさんは、夕焼けのお空。だって、ほら。今、空いっぱいに広がる夕焼けは。お父さんやピッコロさんがそばにいてくれる、そんな夢をいっぱいに見せてくれるから。☆あとがき☆ふわぁー新鮮ですね! たまには違うジャンルも気分転換になっていいかもです^^それにしても……またしても出ました管理人のマイナー趣味^^; ドラゴンボールでは、悟飯くんとピッコロさんの師弟愛も大好きなのですが、悟飯くんとクリリンさんの兄弟みたいなあたたかい関係がいっちばん好きなんですよねぇ(*^_^*) キャラでも一番はクリリンさんが好きですしv 可愛い悟飯くんも大好きですー(*≧ー≦*) もっと悟飯くんっぽく書いてみたかったな……。また機会があったら書きます! 書きたいのでw悟飯『クリリンさんは、本当に優しいんです』人気blogランキング
June 25, 2006
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NARUTO-ナルト小話私はハナビ。日向家宗家の次女。姉上よりも強いのだと、父上は私に言う。けれど……。『白い花』(ヒナタとハナビ・姉妹もの・シリアス)※ヒナタアカデミー卒業後、新米忍になりたての頃。修業が終わり、顔を洗ったら、差し出された手ぬぐい。お水できらきら光る視界の先には。優しい姉上の笑顔があった。「ありがとうございます。姉上」姉上の、やわらかく白い手が、ふわりと私の頭をなでる。「ここ、濡れちゃってるわ」にっこり笑いながら、私の髪をふいてくれる姉上。「修業、今日もよく頑張ったね。えらいね」姉上の声はすきとおるように清らかで、そよ風のように心地よく。「はい……。でも姉上のほうが――」「いいのよハナビ。ありがとうね」そうして私は、そっと姉上に抱きしめられた。「あなたは、とても強い子で……とっても、すごい子だよ」姉上……。「あなたが生まれてきてくれて、よかった……」私は……。そのとき、姉上に伝えたかったことがある。だけど、姉上の胸がとてもあたたかくて、いい匂いがして……。もう少しそのままでいたかったから、だまっていたんだ。 父上は、私を宗家の跡継ぎにしようと必死で。ネジ兄さんは、姉上を見下した目をして。どうして誰も気付かないんだろう。自分自身でさえ気付いていない様子の姉上。だからか姉上は、一見、まるでたんぽぽのわたげのように頼りなく。そうだ。姉上にお花を差し上げよう。きっと、喜んでくれる。元気の足りない姉上が、少しでも明るく笑えるように。そう思ったら、いてもたってもいられずに。もう夜も遅いというのに、私はこっそり外へ出た。月の明かりが優しくそそがれる、水仙のお花。白く、可憐で、姉上によく似合う。私は、一本一本丁寧に摘んで、花束にしていった。殺気……。振り向いたときには、クナイが振り下ろされるのが見えたのに。何故か手からぱらぱら落ちる白い花がただ悲しくて。死ぬ、と分かったとき。姉上の笑顔が見えた気がした。カキィン――反射的に目をつむり、そして……。一番に心地よい気配を感じ、そっと目を開ける。「姉上……」目の前には、水仙の花と同じくらい、白く清らかな姉上。「ハナビ! だいじょうぶ!?」黒い刺客にクナイを向け、私に背を向けたまま、姉上は心配そうにたずねる。「はっ、はい……」答えた私の声は、震えていた。体も硬直して、動かない。「よかった」姉上はそう言うと、黒い影と戦闘に入った。だけど姉上のクナイはすぐにはじき飛ばされて。私も姉上もかなわない敵なのだと、さとった。影は再び私にクナイを向ける。お願いだからせめて足下の白い花だけは、踏みにじらないでそうして私は覚悟を決めて目を閉じる。一瞬後抱きしめられた感触と、血しぶきの音――「……姉上っ!!」私をかばった姉上の肩から血がにじんでいくのが、薄暗い月明かりでも分かった。「ハナビ、怪我はない?」「姉上……」「邪魔をするな……」黒い影は、初めてうなるように声を発した。どす黒い、重い声。「オレが殺したいのは日向の跡取り娘だけだ。落ちこぼれのお前に用はない」その言葉に、私は全身の血がたぎった。「何だとっ!? 姉上は――」「そうか。落ちこぼれで一族にとって必要のないお前は、跡継ぎの妹を守るよう教育されているのだな」姉上の、私を抱く力が強くなった。違う、姉上は……姉上は……!「私が落ちこぼれなのは認めるわ」静かに、姉上は言った。「それに、父上にいらない子って言われたのも本当よ」姉上……。「だけど私はハナビが宗家の跡取りだから守る訳じゃない……」そうして姉上は私のことをしっかり抱きしめてくれて。「ハナビは、私の大事な妹だから」姉上は、逃げなさい、とささやくと私を突き放し。「ハナビのためなら、私は死んでもいいの」そう言った姉上は、確かに笑ってた。優しく、穏やかな、慈愛に満ちた表情で。その時誰かが遠くの道を通りかかって。黒い影はちっと舌打ちして一瞬にして去り。拍子抜けするほどあっけなく、危機はすぎていった。「姉上っ!!」ガクッと膝をつく姉上にかけより、私は急いで自分の袖を切り裂いて、姉上の肩に当てる。「ごめんなさい姉上……。私が、こんな遅くに出かけたりしたから……。宗家の生まれは狙われやすいから気をつけるようにって言われていたのに……。姉上をこんな目に合わせてしまって……」「私のことはいいのよハナビ。毎日修業で遊べないから、お外に出たかったんでしょう?」姉上は痛みをこらえながら、ほほえんでくれる。私は、姉上の傷が致命傷でないのを確認すると、姉上からはなれて。ぱらぱらと落ちた、白い水仙の花を、一本一本拾った。そうして出来た小さな花束を、姉上に渡す。「これは、姉上に……」「ありがとう。……ハナビ?」姉上は私を見て、驚いている。私の、涙を見て……。「誰も気付いてないけれど……」伝えたかった。「私は知ってます……」ずっと。「姉上は……」本当のことを。「私よりもずっと強くて……」私だけが知ってる。「優しくて……」真実を――姉上は、驚いたあと、困ったように笑った。「そんなことないわ。でも、ありがとう。ハナビ」私は、張りつめていた糸が切れたように。なんだか分からないものが一気にあふれ出して。姉上に抱き付いて思い切り泣いた。姉上が、大好きです。姉上が私の姉上でいてくれて、うれしいです。一番に言いたかった言葉は、涙にのまれて、言えなかった。水仙の花は、姉上によく似合う。お願いです。白い花を、もう誰も汚さないで。 その想いは涙となり、頬を伝って落ちた雫は、白い花にそっと染みこんでいった。 ☆あとがき☆一度書いてみたかったんです。この姉妹は仲良しなのが希望! ハナビが姉を慕っているのが希望です!ハナビ『どうか姉上の強さを分かってあげてください』人気blogランキング
June 19, 2006
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かんこ様より「こころのしずく」60000HITお祝いとして頂いた剣心&弥彦絵をFreepage List(フリーページ)るろうに剣心頂き物イラストにアップしました。アップした絵は↑こちらです。水彩画風のとても優しい絵です。剣心の優しい感じと、弥彦の若いパワーが伝わってきます。かんこ様、ありがとうございました!さて、絵にちなんで、剣心と弥彦の小話です。母上が死んでから、ずっと独りぼっちだった。だけど、あの日橋の上で、剣心と薫と出会って。そうして俺の夢は始まった。 『あの日から……』(剣心と弥彦・シリアス)※弥彦語り朝起きたら、剣心がご飯作ってくれて。それは誰かの残り物なんかじゃなくて。昼になったら、薫が稽古をつけてくれて。もうスリをして手を汚さなくてもよくて。夜になったら、左之助がふらりとやってきて。上納金を取り立てにくるわけでもなくて。そんな毎日が、当たり前のように過ぎていく。ふいに、その幸せが夢なのではないかと思って。また地獄のような日々に戻るのが怖くて。白昼、一瞬足を止めてしまった俺は、少し前を歩く剣心の袖を思わずつかんだ。「どうしたでござるか? 弥彦」「……」胸がつまって、何も言えない。「ひどく、不安そうでござるよ」「……」剣心は、俺の顔をのぞきこむ。そうして剣心は、俺の頭にポンと手をおいて。言ったんだ。「だいじょうぶ。拙者も、みんなも、弥彦のそばにいるでござるよ」あの日。冬の終わりの寒い日。差し伸べられた手は大きくてあたたかく。その日から、剣心がいて、薫がいて、左之助がいて。「弥彦……」剣心が、俺を抱きしめる。なんで涙が出るんだろう。あったかい胸の中で、俺は実感する。そう。あの日から。俺の夢は始まった。剣心がいて、薫がいて、左之助がいて……。☆あとがき☆きゃあぁあ恥ずかしいです><以下、軽いネタバレご注意です。ええと『るろうに剣心 巻之二十四 ユメノオワリ』から、いろいろ想像して書きました。原作で弥彦は、 剣心たちと初めて会った日を回想し「あの日から剣心がいて薫がいて、俺の夢も始まった」というようなことを言っています。ここで言う「俺の夢」とは、もちろん剣心の跡を継いで人々を守りたい、という意味もあるのでしょう。けれど管理人は、それプラス「みんなと生きていくこと」という意味もあるのだと思います。そんな弥彦の、みんなと生きる幸せを伝えたくて、書きました。作中では表現できていませんが、弥彦は周りの人が「極道連中」から「あたたかい人たち」に変わり楽になったから幸せなのではなく、剣心たちという家族が出来たから幸せなのだと思っています。あ、「あの日」に左之助はまだいなかった;;弥彦『おい管理人。勝手な想像してんじゃねェ!! ったく……』人気blogランキング ほかの小話はこちらから。頂いた素敵絵はこちらから。※お手数ですがスクロールで6番までお進みください。
June 6, 2006
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airin様より頂いた、「Belly Flop!」(airin様サイト)一周年記念 フリーイラストをFreepage List(フリーページ)NARUTO頂き物イラストへアップしました。「Belly Flop!」で開催された「一周年記念フリーイラストに描いてほしいキャラ」というアンケートで選ばれた上位五位のキャラが描かれています(管理人も投票させていただきました♪ 誰かは内緒(*^_^*) 多分常連様ならお分かりになるかと^^ それぞれ個性がよく出ていて、airin様らしいポップで可愛い絵です☆ 特に一位に輝いたテマリはもう……! 生き生きとしていて可愛くて(*≧ー≦*) airin様の描くテマリはもう最高です!airin様、ありがとうございました!では、絵にちなんでNARUTO小話です。え…と、この5人の組み合わせ……まとまるかなぁ(^-^;;すみません、ギャグでいかせていただきます!『テマリ戦隊5レンジャー』(テマリ、シカマル、我愛羅、テンテン、ナルト・ギャグ)日々極悪忍者と戦う愛と平和の戦士たちがいた。その名も「テマリ戦隊5レンジャー」「さあ今日も任務だよ! 出かけるぞ!」リーダーのキイロレンジャーテマリが、仲間に呼びかけた。「よっしゃぁ! はりきっていくってばよ!!!」オレンジレンジャーナルトは、飛び跳ねて準備を始めた。「はぁ……。毎日毎日、どうしてこう任務があるのかしら」ブルーレンジャーテンテンは、ため息をつく。「めんどくせー」キミドリレンジャーシカマルは、かったるそうに体を起こす。「……」ピンクレンジャー我愛羅は、無表情で立ち上がる。こうして戦士たちは任務に出かけた。「わははこのワシがお前らを倒してやる」敵は突然現れた。しかもヨロヨロのおじいさんで、なんだか適当なキャラで、吹けば飛びそうなほど弱そうである。我愛羅は無言で蹴りを入れようとしたが……。「待て我愛羅。変身してからだ」キイロレンジャーテマリはピンクレンジャー我愛羅を止めた。「こんなやつ相手にいちいち変身すんのかよ」ぶつぶつ言うキミドリレンジャーシカマルを、キイロレンジャーテマリはじろりとにらむと、変身のポーズをとった。こぶしを高々と上げる。オレンジレンジャーナルトはノリノリで、キミドリレンジャーシカマルは超めんどくさそうに、ブルーレンジャーテンテンは仕方なさそうに、ピンクレンジャー我愛羅はかすかに頬を赤く染め、それぞれお決まりのポーズをとった。キイロレンジャーテマリは、声高らかに変身用のセリフを言い始める。「砂と木の葉にさすらう正義の戦士! それは……」ピカーン☆五人の戦士はそれぞれ持ち色の煙玉をたき、その間に変化の術をした。「愛と正義のテマリ戦隊5レンジャー!!!」そして現れた戦士たちは……。キツネのかぶりものをしたナルト。シカのかぶりものをしたシカマル。タヌキのかぶりものをした我愛羅。女調教師が二人。「それいけー!」キイロレンジャーテマリとブルーレンジャーテンテンの合図で、キツネとシカとタヌキのかぶりものをした戦士たちは、いっせいに攻撃をしかけた。まずオレンジレンジャーナルトがふわふわのしっぽでおじいさん(敵)の頭をなでさすり、次にピンクレンジャー我愛羅がもこもこの手でおじいさん(敵)の肩をポンとたたき、最後にキミドリレンジャーシカマルがやわらかい前足でおじいさん(敵)の足をちょんとふんだ。「ふぐぁっ!!!」おじいさんは倒れた。こうして今日も、テマリ戦隊5レンジャーの活躍で、極悪忍者から『NARUTO-ナルト』世界は救われた。「おいみんな! アジトの掃除はどうした!!」キイロレンジャーテマリは五人のご飯を作りながら怒鳴ったが……。「だってまだ『秘密のマッコちゃん』終わってないってばよ」オレンジレンジャーナルトはテレビに夢中で。「あははごめん! これからネ○とデートなの」ブルーレンジャーテンテンは出かけてしまい。「……」ピンクレンジャー我愛羅は無言で窓から空を見上げていて。「グー……スー……」キミドリレンジャーシカマルは寝ているのだった。<謎のナレーター>戦士たちの、つかの間の休息の一時。だが明日も、超極悪忍のおじいさんなどが、また現れるだろう。頼んだぞテマリ戦隊5レンジャー! 「NARUTO-ナルト」の運命はお前たち5人にかかっているのだ!!テマリ『く、くだらんことをさせるなっ!!』人気blogランキング ほかの小話はこちらから。頂いた素敵絵はこちらから。
June 3, 2006
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春風詩様より頂いたサスケ絵をFreepage List(フリーページ)NARUTO頂き物イラストへアップしました。伏し目がちの目とか、髪の感じとか、表情とか、とにかく管理人めちゃ好みの絵だったので、半ば強引にお願いして(オイ)特別に頂いてしまいました。春風詩様、ありがとうございます(*^_^*)では絵に合わせて、NARUTO-ナルトのサスケ小話です。(なぜか主役はナルトだったりw)『サスケへの手紙』(ナルト(とサスケ)・シリアス)※ナルト語り(手紙語り)なぁサスケ。お前が大蛇丸の元へ行って、あれからもう半年。オレは今、エロ仙人と一緒に修業の旅だってばよ。お前は、どうしてる? ひどいことされたりしてねぇか?ちゃんと飯、食ってるか?独りぼっちで、さみしくねーか?よく、夢を見るんだ。夢の中では、最後に会ったあの谷で。お前は独り、うずくまってる。伏し目がちに。さみしそうに。たった、独りで……。 お前の黒い目は、闇みたいで……。なのにお前は、オレが近づくと行っちまう。そこで目が覚めて。この手紙が届くことは決してないから、正直に言うけど。いつもオレ、朝日の中で泣きながら目を覚ますってばよ。お前はオレのライバルで。お前はオレの兄弟で。お前はオレの……。一番の……。紙を折って、紙ヒコーキを作って、青空へ飛ばした。 一番の友達だってばよ。 最後の文字が、涙でにじんだ、あの手紙は。はるか遠くへ、飛んでいく。☆あとがき☆なんかいつもこんなの書いてる気が(^-^;;サスケを、友達だからと、兄弟みたいだからと、一途に思うナルトがすっごく大好きです!ナルト『ちょっと待ってくれってばよ! あの手紙、誰かに読まれたら恥ずかしずぎるってばよ!』人気blogランキング 頂いた素敵絵はこちらから。※スクロールで30番目です。
June 2, 2006
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