追記:↑の絵はかんこ様より頂いた挿絵です。ありがとうございます!(H18.6.5)
復讐に燃えるサスケと受けてたつイタチなのですが……ギャグです。
注:うちは兄弟が壊れていますので、苦手な方はご遠慮ください。
『兄弟対決』(イタチとサスケ・ギャグ)
ある日第七班新米忍者サスケは、明日は有給休暇をとらせてくれ、とカカシ先生にお願いした…というか決めつけた。カカシが訳をたずねると、サスケは
「私事ですので」
と社会人らしくクールに決めた。しかし心配なカカシ先生がしつこく問いただすと……。
「るせーんだよカカシ! オレは明日復讐に行くんだ!」
と、いつもの態度に戻った。
カカシは、少し厳しい目でサスケの肩にポンと手を置き静かに言った。
「サスケ。復讐なんてやめとけ……」「……アンタにオレの気持ちが分かるのか!?」
サスケは怒ったあと、急に不敵な笑みを浮かべ、続ける。
「オレは明日のおやつをもう買ってしまったんだぞ! 心配するな新米忍者のおやつは300円までという決まりはちゃんと守った」
サスケはさらに楽しそうに、ハイテンションになっていく。
「レジャーシートもリュックに入れたし。おむすびの具に入れるおかかもちゃんとかつおを削って作ったんだぜ。ふふんおしぼりも忘れちゃいねーぜ手がべたべたするからな」
どうだ完璧だろうと言わんばかりに、サスケは超自慢気だった。
「サスケ。お前何しに行くわけ?」「だから復讐だと言っただろ。人の話を聞け」
そうしてフンと帰っていくサスケに、カカシ先生はあっけにとられていた。
家に帰ったサスケはいそいそと明日の準備を始めた。
「せんべい、ポテチ……お菓子はOK! そうだ虫にさされるかもしれんオイレックスも持っていこう。あと焼酎もかかせんつまみはスルメイカだな」
次の日、サスケはうきうきとリュックを背負い出発した。そして暁の組織へたどり着いた。
「おーいおーい」サスケは「暁の組織」と書かれた家の前に立って呼びかけた。すると兄のイタチが出てきた。
「愚かなる弟よ。暁の人間はたくさんいるんだ。おーいおーいじゃ分からないだろう」
「るせーなオレはアンタを兄さんと呼べないんだよ。原作でそーなっているからな」
「そうだったのか許せ弟よ」
「いーけど。オレは今日復讐に来た」
「今のお前がオレに勝てるわけが……何っ!?」
「ふふふ」
サスケは拳銃をイタチに向けていた。勝ち誇った顔をして。
「おい待てサスケそれは反則だお前忍だろ忍なら忍らしく手裏剣とかクナイとか」「問答無用覚悟!」
サスケはバンと一発ぶちかました。それはイタチの耳のすぐ横をかすめ、イタチは冷や汗だらだらだった。
「いいだろうコレ。ナルトに通販で買ってもらったんだぜ」
「通販で買えるのか?」
「日本最大級の通信販売ショッピング暁で買ったんだ」
「うちの組織ではないか」イタチは、サスケ(ナルト)に拳銃を売りつけたヤツ(多分デイダラとかいう男)を後でぼこぼこにしようと誓った。
「覚悟っ!」「ああっ!」
サスケは撃ちに撃ちまくった。だがその弾はすべてとんでもない方向へ飛んでいった。どうやら最初の一発はまぐれだったらしい。ついに弾は切れた。
「やはりお前がオレに敵うはずはない……ってオイ」
サスケはのんきにおむすびを食べていた。
「何をしている」「昼飯を食ってるに決まっているだろう。その後はおやつだ。言っておくが頼まれてもおやつはやらねーぞ」
「いやおやつはいらないが……ってオイ」
サスケは焼酎をあおっていた。
「お前はまだ未成年だろう」
「フン。オレはもう任務の報酬金を稼ぐ立派な大人だ。文句あるか」
「兄さんはお前をそんな風に育てた覚えは……」
イタチは滝涙を流した。
しかし……。ポテチの中に入っていたNARUTOカードに喜んでいるやはり子供なサスケを見て、イタチは安堵するのだった。
「さて、飯も食い終わったことだし、そろそろ帰るか」
サスケはリュックを背負い立ち上がった。
「サスケ。食事は栄養バランスを考えているか。レトルト食品に頼るな」
「ああ、分かってる」
「風呂は毎日入れ。洗濯用洗剤はアタッキNO.1を使え。掃除機は部屋のはしっこまでかけろ」
「るせーんだよ。いいかよく聞けよ」
サスケは酔っぱらいながら語り始めた。
「まず朝は四時に起床している。森を散歩し朝の修業後家に戻り、掃除洗濯をすませ食事を作る。任務はそつなくこなし買い物をして帰り夕食を作り後かたづけをする。どうだ完璧だろう」
イタチはなんだか少し心配になった。
「確かに完璧だが、それではお前の心のよりどころがないだろう」
「だいじょうぶアンタへの復讐を考えつつ持参するおやつ&酒は何がいいかと日々考えているからな」
ふふふと笑うサスケに、イタチはそれなら安心だと思った。
「今度はいつ来る」
「さあな」
「月に一回は来い。お前が不良になっていないか監視する必要があるからな」
「そういうアンタは?」「……」
イタチはにっこり笑うと、怪鳥を口寄せしてサスケを乗せ強制送還させた。
次の日。
「お帰りなさいイタチさん。昨日は弟さんに会えて楽しそうでしたね」
話しかけてきた鬼鮫に。「オレはアイツに興味はない」
宅急便でサスケ宅にトマトを三箱送ったばかりのイタチは、しゃあしゃあと答えるのであった。
「サスケ。復讐は楽しかったか?」
ニコニコとたずねるカカシに。「復讐が楽しいわけがないだろう」
昨日の出来事を日記につづり”楽しかったです”で締めくくったサスケは、フンと答えた。
うちは兄弟。二人の関係は全くもって意味不明であった。
☆あとがき☆
かんこさんへのお誕生日プレゼント小話その2です(また迷惑行為)
今日の小話は「うちは兄弟が壊れているギャグ」というリクエストからです。サスケはよく壊しているのですが^^;イタチを壊したのは初めてだったかもです。ちょっち難しかったけれど、でも楽しく書けました(^^) 少しでも楽しんで頂けたならよいのですが……。
では、この小話を、かんこ様へ捧げます。
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