NARUTO-ナルト小話
『ガイ先生の熱~いマンガ読み方講座』(ガイ班・ギャグ)
注:コミックのあからさまなネタバレを含みますのでご注意ください。
注:管理人はガイ先生とリーくんをばかにしたりしていません。が…このお話はギャグなのでそうとられるかもしれない要素を含みます。そーいうのは嫌だなって思う方はご遠慮ください。
「よぉし! 今日はオレが直々にマンガの読み方というものを教えてやろう! ……ということで募集を募ったのだが、誰か生徒は来ているかな?」
ガイは森で仁王立ちになり、辺りをながめた。
「はーいはいはいっ! ボク教わりにきましたっ!」
木の陰から、リーがピョンピョン跳びはねながらやってくる。
「おおっ! さすがは愛弟子リーよ!」
ガイはリーをひしと抱きしめた。
「ガイ先生~!!!」「リー!!!」
二人がひしと抱き合い涙を流しているのを、ネジとテンテンは影から呆れて見ていた。
「おやっ!? ネジとテンテンではないか! お前たちも講座を受けにきたのだな!」
「リーに無理矢理連れてこられた。修業中だというのに……」「私武器のお手入れで忙しいのにー!」
ネジとテンテンは不機嫌をあらわにする。
「その心配は無用だ! この講座は、修業同様ためになる話だ!」胸を反らすガイを、二人は疑いの目で見つめた。
「では始めるぞ」
「オッスガイ先生!」
リーは目を輝かせた。
「まずマンガというものは……」
「ちょっと待ってくれ」
ネジはさえぎる。
「これはマンガの講座なのか?」
「そうだが、それがなんだ」
「オレはマンガなど読まん」
しーん……
「バカバカしい。オレは帰る」「待てネジよ! ならばお前にマンガの素晴らしさを教えよう!!」
ネジは無理矢理残された。思い切り不機嫌そうに座り直すネジ。
「まずは良いマンガを選ぶことから始まる。リーよ、良いマンガを知っているか」
「はいっ! ボクは『巨人の☆』を読んでいます!」
「おおっ! あの努力と熱血があふれんばかりの野球マンガか! いいぞリー! それもとても素晴らしいのだが、私が今日持ってきたおすすめマンガはこれだ!」
ガイはポーチからばーんとコミックを取り出した。
表紙には『NARUTO-ナルト』と書かれている。
ガイはさらにばさばさと出し、既刊34巻すべてを地面にぶちまけた。
ネジはぶっきらぼうに一冊拾い、中をペラペラとめくっていたが……
「こ……これは……!」
ネジはみるみる赤面する。
ネジが見たページ……それは、コミック12巻P125……。
『そして…父上…私の目的はただ一つ…。もっと強くなりたい。誰にも負けないくらい…今はそう思います…』ネジが窓から外を見上げてすがすがしく笑う、超感動シーンだった。
「なっ、なんだコレは! 『マンガ』というのは、人を隠し撮りして絵にするというものだったのか! 今まで読んだことがないから知らなかった!!!」
ネジはショックのあまりよつんばいになったが、急に立ち上がるとそのコミックをめっちゃくちゃに破いた。その目は怒りと恥ずかしさのあまりぎらぎらしている。
「ダメですよネジ。物は大切にしなければ……」
「良いのだリー。ネジは初めてマンガを目にし、感動のあまり混乱したのだろう」「先生……ネジの話ちっとも聞いてないでしょ」
テンテンは呆れた。
ガイは新たにコミック12巻を取り出し(バイブルなので各巻につき3冊ずつ携帯しているらしい)例のページを開きネジに見せる。
「よっ、よせっ!!!」
「ネジよ。恥ずべきことはなにもない。マンガの読み方心得その一。それは素直に感動することだ!!!」
「はいっ!! ガイ先生っ!!!」
代わりに答えたリーは、例のページをガイと読みふけり、二人して号泣した。
「ネジ、だいじょうぶ? 顔が真っ赤よ?」
「……恐ろしく気分が悪い」
ネジは今度は青ざめていた。
「おおっ! このシーンもいいですね!!! ホラ、テンテン!」「……(絶句)」
コミック9巻P25
中忍試験 テンテンvsテマリ
試合が開始してから一コマ目で負けたテンテン。
「こっこっこれの……これのどこがいいシーンなのよ!!!!!」
テンテンは怒りで武器攻撃をしかけそうになった。
「テンテンよ! 人は何度も倒れ、そして成長し大きくなる。これはその青春の一コマだ! だから輝かしいのだ!!!」
「青春って……」
「マンガの読み方心得その二。それは苦境から立ち上がり青春する人物に自分を重ね、より精進することだ!!!」
「ガイ先生~」
またも号泣するガイ&リー。
「ネジ……私も具合悪くなってきた……」テンテンはネジのとなりにくたっと座った。
「おおおー!!!!!」
リーが興奮したページ。それは……
コミック20巻P185リーに手術を受けろと言うガイ。万一手術が失敗したら一緒に死んでやるからと言われ、リーはガイに抱き付き思い切り泣く。
「感動ですガイ先生~!!! 感動的すぎですー!!!!!」
「いいぞリーよ。マンガの読み方心得その3。それは、感動場面に思い切り涙することだ!!!!!」
「ガイ先生~!!! うわあああん~!!!!!!」
ガイとリーは激しく抱き合い泣き合った。
「帰るぞテンテン……」
「うん……」
二人はげんなりしながら帰っていった。
「あれ? 二人が帰っていきますよ」
「ふふ。まだ青春の素晴らしさを知らないからだ。理解できるようになれば、この世界はバラ色だ! そしてきっとくせになる!!」
ガイは歯をキラーンと輝かせ、ナイスガイポーズをとった。
「この真っ赤な夕陽にも感動の涙を流すようになりますよね!」
辺りはいつの間にか夕焼け色に染まっていた。ガイとリーは沈む夕陽を見ながら、幸せの涙を流した。
☆あとがき☆
ガイ先生とリーくんの師弟関係は大好きなんですけどね、ホント。今回はギャグにしちゃってすみません^^;
~おまけ~
「ガイ先生! ネジたちがいつまでたっても青春に目覚めないので、ボク、マンガを描いてみましたっ!」
「おおっ! どれどれ……」
コミック未収録 NARUTO-ナルト外伝『ネジとテンテンの青春』ロック・リー作~
ネジ 「さあ! あの夕陽に向かってどこまでも走ろう!」
テンテン「ええ! どこまでも! 私、今日の夕陽を一生忘れないっ!」ネジ 「オレもだテンテン! 青春とは、かくも美しいものだ!!!」
目をキラキラさせ(目の中に星が十個入っている)滝涙を流すネジ&テンテン
「おおおおおー!!! さすがは我が愛弟子リー!!! さっそくネジとテンテンに見せに行こう!!!」
それを見た二人は、ショックのあまり木ノ葉病院へ入院した。
リー『青春をバカにしてはいけません!!!』
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