『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第21話「ボクが呼び捨てで名前を呼ぶのは」
『……なんでもありません』
『そんなわけないだろう! 里の一大事だというのに、任務にも集中出来ていないではないか!』
『……すみません』
つい先日、そんな会話をしたのを思い出す。
『けど……あなたには欠けているものがあると思うの……』
テンテンの言葉が痛い。
リーの家のドアが、かちゃりと開いた。
「ネジ。どうしたんです? こんな時間に……」
リーは、不思議そうにたずねる。
「リー。オレは……ナルトのように真っ直ぐな性格ではないし……性格などそう簡単に変わるものでもないと思うが……。それでも少しずつ、変えていけたら良いと思っている……」
「ネジ……」
「だから……お前に何があったのか……教えてくれないか」
ネジはとまどいながらも、リーを懸命に見つめる。
「これでも……オレはお前を心配している……」
ボソリと、ネジはつぶやく。
「……ちょっと出ましょうか。ネジ」
リーは元気なく、けれど笑って外へ出た。
星空の下に広がる丘。そこに二人は並んで座り、しばし星を眺める。
「小さいですね、ボクたち……」
「?」
夜空を見上げるリーを、ネジは不思議そうに見つめる。
「新米忍の中では、はっきり言ってボクらはめっぽう強いです。ネジはもともと天才ですし……あ、いえ、ネジだって努力もしているの、ボクは知ってます。ボクは、天才ではないけれど、努力をしたから、多少の自信はあります。けど……こんな風に広い空の下にぽつんといると……、不思議ですね、なんだかボクたち、ちっぽけに思えてきませんか?」
リーは静かに語る。
「ああ。そうだな……」
ネジも空を仰ぐ。
「それでも……ちっぽけでも……ボクは自分が大事です。昔は自分なんか大嫌いだった……。けれど自分を信じろって……そう教えてくれたのは、ガイ先生です。ボクはガイ先生に、たくさんの大切なことを教わりました。ボクは教わったとおり、努力して努力して……そうして成長していった自分を、やっと好きになることができました。だから、ガイ先生は、ボクにとってなくてはならない人で、大事な人です」
「……ああ」
ネジは、空を見つめたまま――目に少し悲しい色をたたえて……。そんなネジを、リーは見つめる。
「今日、ネジのいないときに、テンテンに怒られました。班の仲間が心配しているのに、どうして何も打ち明けないのかと。……すみません。ボクは、勘違いをしていました。ボクはただ、ネジやテンテンに心配をかけたくなかっただけなんです。そしてガイ先生はボクの師匠だから、心配してくれても当然のように思ってきました。けれど、今日テンテンに言われて、考えてみて……。どっちも……間違っていることに、気がつきました……」
「……リー?」
リーの肩は、かすかに震えていた。
「……すみません。ボク、なんだか少しホッとして……」
リーのかすれ声が、しんとした丘にかすかに響く。
「だって……ガイ先生が帰ってくるまで……独りで耐えなくてはならないと思ってましたから……。だけど……ボクが呼び捨てで名前を呼ぶのは……ネジとテンテンだけです……。それを思い出したから……安心して……」
リーの目に、涙が浮かぶ。
ナルト『次回は……頑張れゲジマユ! んんっ? まぁたサスケかぁ。オレの出番はいつだってばよ』
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