NARUTO-ナルト小話
注:シカマルが壊れています。シカマルがひどい扱いを受けています。苦手な方、意味の分からない方は絶対に読まないでください。
※これでも、シカマルは一番の好きキャラです……;;
「あ、あの……シカマルくん……、お願いがあるの……」
任務帰りの十班の前におどおどやってきたヒナタは、もじもじしながらシカマルに話しかけた。
「あー? なんだよ……」
「あっ、あのね、実は……、ピアノを弾いてほしいの」
「ええーっ!?」
シカマルより先に、いのとチョウジが驚いて大声をあげた。
話によると、ヒナタは幼い頃からピアノを習っており、明日子供たちを招いて演奏会を開く予定だったらしい。しかし急の任務が入ってしまった。ヒナタの知り合いにピアノを弾ける者はいない。子供たちが楽しみにしているので中止にすることもできない。悩んだヒナタは、天才のシカマルならきっとすぐにピアノをマスターするだろうと、代わりを頼みに来たのだった。
「あー無理無理。オレはおたまじゃくしが全くわかんねーからな」
「そんな……」
ヒナタの目に、見る見る涙がたまっていく。いのとチョウジはドキリとした。
「ちょっとシカマル! 女の子を泣かせるなんてサイテーよー!」
「大丈夫だよヒナタ! シカマルはこう見えてもいいヤツなんだ。明日は任せといて!」
ヒナタの顔がぱっと明るくなる。
「おいチョウジ勝手に――」
「じゃあ明日はシカマルに任せてー! 任務頑張りなよヒナタ」
いのはにっこり笑うと、チョウジと共に無理矢理シカマルを引っ張り去っていった。
かくしてシカマルは、明日の演奏会でピアノを弾くことになってしまった。家に帰り、ブツブツ言いながら『はじめてのピアノ~木ノ葉の幼児版~』という本をめくる。パラパラとめくり、わずか三十五秒でシカマルはおたまじゃくしを覚えたのだった。
次の日、太陽がさんさんと降り注ぐ野原に、子供たちがきゃっきゃと集まっていた。真ん中には、大きなピアノがある。そこに、いのとチョウジにひっぱられるようにして、シカマルはやってきた。
「……ったく、めんどくせーな」
「ねーシカマルー。いくら音譜を覚えたとは言っても、指の練習はしておいたほうがいいんじゃないー?」
「……」
シカマルはピアノを見ただけで、思い切りうんざりした顔をした。
「クソめんどくせーからいい」
そうしてシカマルは草むらに寝っ転がり、本番の時間を待った。
やがて時間になり、シカマルは超めんどくさそうにピアノの前の椅子に座った。まるでやる気のない半開きの目で、シカマルはピアノのふたを開ける。ずらりと並んだ鍵盤。
「……」
シカマルの目は大きく見開かれた。
いのの始まりの合図とともに、シカマルは鍵盤をバーンと叩いた。間髪入れず激しく情熱的な曲が流れる。いのとチョウジは何事が起きたのかとシカマルを見つめる。
シカマルは、超流ちょうにピアノを弾いていた。激しく! 情熱的に! 目を爛々と輝かせ!
いのとチョウジは口をあんぐりと開ける。これは……このシカマルは……自分たちの知っているシカマルではない!
シカマルは、さらにさらに情熱的に弾きまくった。あごを時折ピンとあげる。ついには髪紐がほどけ、激しい動きに合わせて髪を振り乱す。息づかいはハァハァしていて、表情は異常に楽しそうである。大きく見開かれた目は、はっきり言っていっちゃっている。子供たちは、あまりの迫力と異様さと恐怖で、石になっていた。
こうして天才ピアニストシカマルは、人格を壊しながら、華麗に演奏を続けたのであった。
帰り道。
「シカマルって……ちょっと怖いね……」
「言い方がぬるいわよチョウジー! 怖すぎなのよっ!!」
シカマルは、二人の反応を不思議に思いながら見ていた。何故なら、本人には全く自覚はなく、ただそれなりに弾いていただけだからだ。
しかし、シカマルは心の奥底で、激しい快感を感じていた。その感情の正体は、いのもチョウジも、シカマル自身も分からなかった。
いつかシカマルが再びピアノを前にしたとき、その感情は再び激しく掻き乱れるに違いない。今はまだ、天才ピアニスト(異常)のシカマルの血は眠ったままであっても……。
演奏を聴いた子供たちの中で、おもらしをした子が三名、腰が抜けた子が五名、動悸がした子が十余名……木ノ葉病院は子供たちでいっぱいになった。
☆あとがき☆
「こころのしずくについて」アンケートでリクエスト頂いた「壊れシカマル」です。管理人も書こうと思っていたのですが、とうとう書いてしまいました>< い、い、いかがだったでしょうか;; 壊れキャラ好きさまに、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
シカマル『よくこんなくだらねー話が思いつくよなぁ(←怒るのもめんどくさいらしいです;;)』
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