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2006.09.02
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カテゴリ: 読んだ本
2003年12月 (株)マガジンハウスより。

自分が本はほとんど図書館で借りて読むので、タイトルに惹かれて借りました。

図書館のPCで蔵書検索をすると、内容案内として簡単な本の紹介があるんですが、それには
「アクシデントで夢をあきらめ、傷ついた心を抱え、国語教師としてある高校に赴任した
ヒロイン清(きよ)。
彼女が学校の図書館で出会ったひとりの男の子、垣内君。
どこからでも海の見える明るい高校で、瑞々しい物語が始まる…。」

とあって。

何となく、若い女性教師が生徒に対して淡い恋心を抱くような、そんな恋愛小説かなと
思いました。
そんなの読んで楽しめるかな、と思ったんですが、読んでみたら全然違いました。(^^;

主人公『早川 清』は生真面目で、小学生の頃からバレーボールに一途に打ち込んでる。
上手くなりたいという意識が強く、誰よりも努力し、実際上手。


ところが、清が高校3年の時に、所属しているバレー部で事件が起きて、
バレー部をやめざるを得なくなる。
清は深く傷ついて、バレーから離れ、大学も地元から離れた普通の大学へ進学する。

しかし、好きだったバレーがやりたくてたまらず、部活の顧問としてバレーに携わろうと、
教員免許を取って高校の講師となるが、彼女が顧問になったのはバレー部ではなく文学部。
文学部の部員はたった1人、3年の『垣内君』だけ。
そこで顧問として過ごす1年間が描かれています。

事件前の清は、真面目というか潔癖というか、正しいことは正しい、悪は悪、
正義は常に1つ、と信じているような少女です。

仲の良い弟がいるんですが、彼の言った
「水清ければ魚棲まずだよ。
 きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば正しいって思えるし、実際間違いを
 起こさない。
 だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の
 正しさと一致するわけでもないからね」

というのが、全てを現しているなあという感じ。



何に対しても真摯になれず、投げやりに生きている清が、垣内君や弟とのやりとり、
また不倫相手との小さな出来事を通して、少しずつ変わっていきます。

変わろうと決意して変わることも、時には人に必要なことですが、そんな大それたものではなく。
小さなきっかけで、少しずつ「あれ?」「もしかしてこんな考え方もあり?」という感じで、
日常の中で気付いていく。

解放されていく様子が、うん、確かに瑞々しかったです。

私も学生の頃は融通の利かない、頭の固い子だったから、彼女の気持ちはわかる。
そういうのって持って生まれた性格に起因するところが大きいので、他人から
「そんなふうに考えなきゃいいじゃん」と言われたところで、簡単に変えられるものでも
ないんですよね。

それでも今、この本を「ああ、瑞々しいな」と微笑んで読める程度に自由になれたのは、
人との出会いによるところが大きいと思う。

清にとっては、それが垣内君と弟だったわけです。
垣内君はちょっとできすぎな感じが、しなくもないですが。(笑)

ボリュームが少なくて、気軽に読める本です。
共感できる人はできるし、できない人にはたぶんどうでもいい本になるでしょう。
学生時代の私だったら、理解できない話。
なるほどね、って思える今の自分がけっこう好きだな。(^^)

図書館の神様





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Last updated  2006.09.02 09:44:15
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