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2009.02.04
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カテゴリ: 読んだ本
2008年11月 ポプラ社より


主人公は料理人になって、いつか自分の店を持ちたいと思っている倫子。
ある日、家に帰ると、同棲していたインド人の恋人が、一切合切の家財道具と共に消えていた。
唯一残されていたのは祖母の形見のぬか床のみ。
ショックのあまり声を失った倫子は、母親との確執のため15才で家出した故郷の村へ帰る。
そこで倫子は、母親が飼っているブタ・エルメスの世話を条件に、母親から物置を借り、そこを
改造して「かたつむり」という名の食堂を始める・・・という話。


冒頭が「何もない部屋に倫子が帰る」というシーンで、けっこう衝撃を受けました。
『帰ったら何もない部屋』というのがすごく怖くて。

想像もしたことがない酷い仕打ちじゃないですか?

一瞬、インド人をキライになりかけました。
いや、マジで。(笑)
フィクションだよ、落ち着け自分って思い直したけどさ。

こんなにショックってことは、自分はモノに執着するタイプなんだな、と再発見した思いです。(^^;


それはともかく。
話のメインは倫子が村に帰ってから。

倫子は料理をとても神聖なものとして捉え、食堂も1日1組限定の予約制。
しかも事前に面接をして、そのお客にふさわしい料理を全身全霊を込めて作る、といったスタイル。
そしてその料理が、食べた人達に不思議な幸せをもたらしていきます。

その不思議さとか、倫子に協力してくれる人達の存在などが、ちょっと浮き世離れしている感じで、


そのせいか料理の描写がすごく多いのに、あまり食べたいという気持ちにならない。
きれいな写真集を見ているみたいでした。

「いただきます」という言葉には、そこに食べ物として供出されたものの命をいただきます、という
感謝の言葉なのだ、という話を以前に聞いたことがあったんですが、その話を思い出しました。


全体的に透明感のある、きれいな流れの中から世界を見ているような本でした。







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Last updated  2009.02.04 12:47:09
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