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2010.04.16
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カテゴリ: 読んだ本
訳 : 木原 悦子
1997年4月 (株)原書房より

五世紀、ブリタニアは闇のふちに立たされていた。ローマ文明の記憶は薄れ、浸透する
キリスト教の前に異教の神々はすたれつつあった。いがみあうブリタニア諸王国も
侵略者を前に結束はしたが、その結束はいかにも脆く、大王ユーサーの権威によってのみ
保たれていたのだ。ところが大王にも死期が近付いていた。その跡継ぎは強力な指導者
どころか、凍てつく冬の夜に生まれた幼子なのだった・・・。ユーサーの玉座を守り、
諸王国を束ねて敵と対抗できるのはただ一人、アーサーしかいない。聖なる剣を手に、
真の戦士アーサーはついに起つ。平和と勝利を手にするために・・・。

(表紙裏 紹介文より)


からの続きです。

これ以降は後の自分のための粗筋となり、当然ですが全てネタバレとなります。
ご注意ください。



物語はノルウェンナの出産からスタートします。
世嗣モードレッドの誕生です。

待望の世嗣誕生ですが、ユーサーは既に老いて病気の身。
長くは保たないので、自分の死後をどうするかを決めるため、各国の王を集めて
総評議会を開きます。

実はユーサー、アーサーを嫌っています。
自分の息子(前の世嗣モードレッド)が戦で死んだのは、アーサーのせいと
思っているからです。

本当は違うけど。
アーサーが援軍として一緒に攻め込む予定だったのに、モードレッドが勝手に1人で
先に戦端を開いたせいなんだけど。
遅れてきたアーサーが敵を蹴散らした時には、モードレッドはもう死んでいたというわけ。

結局、敵対国シルリアの王ギンドライスがノルウェンナと結婚し、
世嗣の義父となることで敵対関係を解消。
ただしギンドライスが勝手な行動に出ないように、他に4人の後見人を付けることに。
後見人は、同盟国グウェントの王テウドリック、ドゥムノニアの守護闘士オウェイン、

生まれた子供とノルウェンナは、マーリンの館に預けられて養育されることになります。

守護闘士というのはユーサーに使える家臣で、国内で一番く強い戦士で、
何かあった時には国の代表として戦う役目を負っている人みたいです。

これで一見平和になったように見えました。
が、ユーサーの死後、ギンドライスはやっぱり裏切ります。

館を焼き払う。
ダーヴェル達はモードレッドを連れて命からがら逃げ出し、カダーン城へ向かいますが、
ギンドライスの追撃を受け、もう少しで城というところで追い付かれます。
カダーン城からオウェインが率いる守備兵も出てきて対峙しますが、多勢に無勢。
戦闘が始まったら助からない、というところでアーサー登場。

輝く鎖かたびらをまとったアーサーが、騎馬団を率いての登場シーン。
カッコよかったです~♪
アーサー達は戦いに勝利し、ギンドライスを捕虜にします。

ここまで結構退屈だったんですが、アーサー登場でぐっと面白くなりました。
やっぱりねー、主役がいないとダメよ。(^^)

アーサーって面白い人物です。
剣に優れ、戦上手なのはもちろんですが、カリスマ性が高く、人の気持ちをつかんで
逸らさずにおくことが得意。
正義感が強く、略奪や虐待を好まない優しさを持っています。
ダーヴェルが評して「ちょっと見栄っぱり」。(笑)
ピカピカ光る鎖かたびらは常に従者に磨かせて光らせ、肩からひるがえる白いマントを
汚さないように気を配る、そして自分の政略結婚の相手が美人であることを喜ぶなどに、
それが感じ取れました。
でも、そういうところが欠点ではなく、愛すべき個性と見えるんですね。

こういった人物像って誰かに似ている、と思いました。
よくよく考えてみたら、愛される専門バカの人達がこんな感じ。
例えば、野球バカの長島監督、サッカーバカの中山雅史や武田修宏など、
自分の専門分野に没頭していれば、それだけで幸せな名選手です。
アーサーは戦バカだったみたい。(笑)

そしてアーサーの大いなる理想は、後見人である自分が、ブリタニアを戦のない
平和な国へと変えて、王であるモードレッドに渡すというもの。

まずそのためには、アーサー自身がドゥムノニア内の実権を得なければなりませんが、
庶子であるアーサーは、戦には強いけれど、モードレッドの4人の後見人の内の1人に
過ぎません。

そんな時に事件が起こります。
ケルノウの世嗣・トリスタン王子が、自国の鉱山とそこで働く人々&村とを、
ドゥムノニアの守護闘士オウェインによって侵略・虐殺・略奪されたと
訴えを起こされたのです。

もちろんオウェインは認めません。
本当はしたんですけどね。
でも、相手は小国と侮り、大国の権威と自分の武威とで知らぬ存ぜぬで押し通す。
また見ていたという承認が幼い少女だったため、発言も認められません。

その時、アーサーがオウェインは罪を犯したと非難し、「剣の裁判」を挑むのです。
「剣の裁判」というのは通常の裁判以外のもう1つの裁判で、
原告側と被告側が決闘を行い、正しい方には神の加護があって勝つはずだという理屈で
勝った方が正しいとするものです。

オウェインは現在の守護闘士。
体格的にも技術的にも勝ち目はないと思われたアーサーですが、鬼神のように戦って
オウェインを倒す。
そして、これによりアーサーは自身の力を国内に認めさせ、国の運営に関して
実権を得るのです。

次にアーサーが着手したのは、ドゥムノニアとポウイスとの和平。
直近の戦いで、アーサーはドゥムノニアに攻め入ってきたゴルヴァジド王の軍を蹴散らし、
ゴルヴァジドの片腕を切り落としちゃったりしています。
和平は難しそうなんですが、自分とゴルヴァジドの娘カイヌインとの結婚により
それを成し遂げようという作戦。

ゴルヴァジドは最初大反対なんですが、和平を勧めたい世嗣キネグラスや
同盟国グウェントのテウドリック王の協力もあり、婚約が整います。
そして、アーサー達がポウイスを訪れて行った婚約式の時に、大事件発生。
婚約式の祝宴でアーサーは、レオデガン王の娘・グィネビアに一目惚れ、
あろうことかポウイス側・グゥエント側には内緒で、グィネビアと電撃結婚して
しまうのです!

あーあ、やっちゃった。

ゴルヴァジドは征服欲の強い野心家で、良くも悪くも王らしい王。
だから王が愛人を持つのは当たり前という考えの人です。
彼は、アーサーがグィネビアに惹かれているのを気付いてはいたようですが、
まっとうな国主としての判断でカイヌインが正妻、グィネビアは愛妾で問題なしと
思っていたんですね。
なのに、バカ正直に好きな人との結婚を選んでしまうアーサー。

当然のことながらゴルヴァジドは激怒、穏健派の世嗣キネグラスも怒り、、
同盟国であるテウドリック王も呆れながら激怒。
和平は破れ、ブリタニア統一の夢も破れます。

でもアーサーは幸せな結婚の喜びに浸り、能天気に一夏を過ごします。
妻のために館を建てたり、贅沢品を贈ったり。
その会計を任された妻の父・レオデガン王が、こっそりモードレッド王の資産を
使い込んでいるのにも気付かずに。

ここで「ああ、アーサーって戦バカだったんだな」と思ったわけです。

秋になり、正気に戻ったアーサー(でもグィネビアへの愛は変わらない)は
ゴルヴァジドに謝罪の使者を送りますが、許されるはずもなく
ブリタニアには戦乱が開かれる・・・というところで上巻終了。

どうなる、ブリタニア!?







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Last updated  2010.04.16 12:45:55
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