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2014.10.20

１９９４年０３月　世界文化社より

三代にわたる真田家の活躍を描いた話です。

真田幸隆の若い頃、武田信玄の信濃攻めにより戦場で命を落としかけたところ
幻のように現れた女神によって導かれ、逃げ落ちることができた、
という所からスタート。

え、女神？ファンタジー？

と思いましたが、実はそれは忍者の幻惑の術。
風魔小太郎の優秀な配下で、浮寝小次郎（うきねのこじろう）という忍者が
北条の元を離れて、真田幸隆に仕えたいと退却に手を貸してくれたのです。

2人の主従の仲が良くて、なかなか可愛かったです。

その後、幸隆は武田家に仕官します。
山本勘助が何かにつけて幸隆に「命を大事に、武田家に殉じてはいけない」的な事を言い、
しかも信玄のことも呼び捨て。
これが後になって判明するんですが、実は勘助の正体は風魔小太郎であり、
川中島の啄木鳥作戦の失敗も、北条家のために武田・上杉の両方の力を削いで
バランスを取らせておきたかったから。
いや、びっくり。

幸隆の没後は、小次郎は真田昌幸に仕えます。
この頃に、霧隠才蔵と猿渡佐助が小次郎の配下につきます。

関ヶ原の後、九度山で昌幸没後は幸村に仕えます。

小次郎にしろ、才蔵、佐助にしろ、見た目と計算した年齢が合わないぞ？
実は、皆こっそり代替わりしており、何人目かの小次郎・才蔵・佐助でした。

大坂夏の陣では、幸村は真田丸で大活躍。
多くの武将がやたら攻め入っては撃退されるのが痛快です。

最後は大坂冬の陣で終わります。

と言われていますが、この本では幸村は豊臣秀頼を城から逃がすために
共に大阪城を離脱していました。

一方、本陣に攻め込まれた家康は、3人の幸村に襲われて首をはねられてしまいます。
3人は全員影武者。
家康は身元が判明するものを取り除いて埋められ、でもその死は伏せられ
影武者が何事もなかったように前将軍として勤めていく、という最後で終わります。

あっちもこっちも影武者か。
幸村が実は生き残っていて・・・と聞いても、全然ときめかないのは何でだろう？
ふーん、こんな説もあるのねー的な感想でした。

話としては面白かったです。
幸隆の登場する話は初めてだったので、興味深く読みました。
ただ、文章が古くて（特に会話部分が）すらっと読めなくてちょっと苦労しました。

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