【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper最終話長意(チャンイー)は生きていた。天君・汝鈞(ジョキン)の菩提樹の実が凍結を解きながら経脈を修復、長意は鮫尾を取り戻し、霊力が回復したという。こうして危機一髪だった紀雲禾(ジーユンファ)を救った長意、しかし妖魔と化した汝菱(ジョリョウ)は不敵な笑みを浮かべた。「鮫尾が戻れば世間の邪念に勝てるとでも?!」すると邪念を操る鈴の音が北淵の地に鳴り響いた。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)は蝶の姿で戦場を飛び回り、愛しい空明(コウメイ)を探していた。空明は操られた仲間たちに目を覚ますよう訴えていたが、突然、前方から我を失った姫成羽(キセイウ)が迫ってくる。弟弟子に手を出せず呆然と立ちすくむ空明、その時、洛洛が人像に戻って空明の盾となり、姫成羽に刺されてしまう。「…成羽uuuuuuuu!」空明は姫成羽を掌で吹き飛ばし、洛洛を抱き止めた。「あなたは私にとって霊石より大事だと分かったわ…」洛洛は最後にうっすら笑みを浮かべ、空明の腕の中でそっと目を閉じてしまう。驚いた空明は泣きながら霊力を与え続けたが、そんな2人に向かって敵兵の剣が飛んで来た。すると姫成羽が咄嗟に飛び出し、身を挺して師兄を守る。姫成羽は心魂を操られながらも師兄の怒号を聞いてわずかに良心を取り戻していた。( ๑≧ꇴ≦)るおるおーっ!って、姫成羽って生きてたの?!雲禾と長意は力を合わせ汝菱に挑んだ。激しい攻防が続く中、やがて雲禾は汝菱の鈴を取り上げ、目の前で粉々に砕いてみせる。すると操られていた弟子たちが一斉に我に返り、戦いは収束した。しかし目を覚ました思語(シギョ)が林昊青(リンコウセイ)の姿がないことに気づく。実は林昊青は別の場所にいた。「あはははは~!鈴を壊せば終わるとでも思ったの?!」高笑いした汝菱は別の鈴を招喚、合図を送ってしまう。「あの鈴が操るのは単なる傀儡(クグツ)、でも魔気で作った鈴は破壊できないわ 林昊青にぴったりでしょう?」「師兄?…長意、天君が危険だわ」雲禾は林昊青の狙いが天君だと気づき、長意に汝菱を任せた。汝菱に心魂を操られた林昊青は殞魔(インマ)陣を開こうとしている天君を背後から襲おうとしていた。しかし危ないところで雲禾が現れ、師兄を阻止する。「天君、ここは私にお任せ下さい!」一方、長意は汝菱を追い詰め、最後は鮫尾の一撃で陣の中に放り込んだ。その頃、天君を守っていた雲禾は師兄と差し違えていた。思わず顔を背けた雲禾、しかし刺されたのは林昊青だけで雲禾は無事だと気づく。「師兄っ…」「雲禾…私はこの巨大な碁盤の中に捕らわれてしまった… だが最後の力を大切な人のために使える…これで死んでも悔いはない… ″怖くはない、私が雲禾を守る″…」林昊青は幼い時に師妹に誓った約束を果たし、崖から身を投げた。( ๑≧ꇴ≦)師兄nnnnnnnnnnn!殞魔陣を開いた汝鈞は姉を封印するため、雲禾と一緒に駆けつけた。陣に捕らわれた汝菱は弟の仕打ちに激怒、恩知らずには天地を掌握する資格はないと暴言を吐く。「身は滅んでも術と魂は滅ばない!そうよ、風となって1人残らず殺す! この四海八荒(シカイハッコウ)を道連れにしてやる!」その時、汝菱は自ら身体を消散させ、魔気となって衆生に復讐しようとした。雲禾は咄嗟に長意を突き飛ばすと、その隙に九尾狐となって陣に飛び込んでしまう。「風になるというなら私が全て受け止める、共に滅ぼうとも構わない」雲禾は全ての魔気を自分の身体に取り込むと、琉璃心灯を封じた。「ごめんなさい長意、こうするしかないの」すると雲禾はどこかへ消えてしまう。雲禾は火口へやって来た。そして琉璃心灯を放り込み、心灯で天地の火をおこしてあらゆる悪を焼き尽くすと決める。すると長意が駆けつけ雲禾を引き止めた。「雲禾!悪を滅ぼすために、また犠牲になるつもりか?!」「順徳が死なないと平和は訪れない…」「なら私も飛び込む!」しかし雲禾は自分が飛び込んだ後、封印して噴火を防げるのは鮫族の権杖(ケンジョウ)を使える長意だけだという。「辛いでしょうけど、信頼できるのはあなただけなの…長意、これは私の選択よ 安心して、心灯が守ってくれるから私は死なない、魔気が消滅したら戻る方法を見つけ出すから… 将来はあらゆる困難を共に乗り越えましょう」「分かった、では約束してくれ」長意は雲禾に唇を重ね、再び鮫珠を渡した。「鮫珠があれば私を忘れない、私は永遠に君の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)だ、帰りを待っている 鮫人は生涯、独りの相手と添い遂げる」「約束するわ、どんなことがあろうと必ず戻る道を見つけると… だって私の居場所はあなたのそばしかないんだもの でも私のために北淵に留まらないで、遊歴して世の中を見て欲しいから…いいわね」「分かった、約束するよ」こうして雲禾は長意から手を離し、火口へ身を投げた。北淵に平和が戻った。しかし空明はまだ洛洛を抱きしめたまま涙に暮れている。「私に責任を取りたくないのか?」「…高くつくの?」「洛洛?!」意識が戻った洛洛は晴れ渡る空を見上げ、すでに何もかもが終わったと気づいた。( ๑≧ꇴ≦)洛洛、生きてたのかーい@絶叫w長意は火口を氷で閉ざした。その場からなかなか離れることができない長意、そこへ天君がやって来る。「やっと分かった、父が遺した百万の神兵とは謎の部隊ではなかった 悪と戦うあらゆる者たち、つまりそなたたちだったのだな だが紀雲禾が犠牲になるとは思わなかった、すまない」「天君は関係ありません、雲禾がこうと決めたら誰も止められない だが彼女は必ず約束を守るでしょう」しかし魔気が消えるまで100年か1000年か、もしくは1万年か、天君にも分からないという。すると長意は東海の封印を解き、万花谷を見守って欲しいと頼んだ。「北淵なら卿瑤(ケイヨウ)がいれば安心でしょう」こうして長意は尊主の座を卿瑤に譲り、独り旅立った。洛洛は空明と結婚、その日、待ちきれずに仙師府を訪ねた。姫寧(キネイ)は天君が仙師と審議中だと止めたが、ちょうど2人が外へ出て来る。「洛洛?!」仙師府に復帰した空明は仙師として忙しい毎日を送っていた。すると洛洛が意味ありげに自分のお腹を指さしている。「空腹なら家に帰ろう」「私じゃない…ふふ、もう父親よ」喜んだ空明は人目もはばからず洛洛を抱き上げ、喜んだ。洛洛の慶事は北淵にも届いた。微妍(ビゲン)は尊主もそろそろ伴侶を見つけてはどうかと言ったが、卿瑤は北淵の平和だけで十分、心が満たされているという。その頃、天君は菩提樹を眺めながら姉を思い出していた。合虚(コウキョ)神君は未だ順徳のことが諦められないのだと分かったが、時には過去を振り返ることも必要だという。「今日はやけに機嫌が良いな、吉報か?」「飛廉(ヒレン)と雷沢(ライタク)が復活したと聞けば元気にもなります」「それは良かった!万花谷の雪(セツ)統領にも知らせよう! だが離殊(リシュ)世子の逝去が悔やまれるな…」すると合虚はここへ来る途中で月下(ゲッカ)仙君と出くわし、もう一つ朗報を聞いたという。「いや、やはり秘密にしましょう、相思相愛の者たちを驚かせてやりたい」三月(サンゲツ)は今日も離殊が遺したかんざしを髪に挿していた。するといつも遊びに来る黒猫が庭先に現れたが、今日に限ってどこかへ行ってしまう。三月は仕方なく干物を持ってあとを追いかけると、やがて大きな藤の木の下で猫を捕まえた。「今日はどうしたの?」「美しい毛並みにしなやかな体、大切に飼われていますね」「…誰なの?!」三月は勝手に入って来た男の声に腹を立てて振り返ったが、我が目を疑い呆然となった。「人間界から来た新弟子だ、なぜかここに迷い込んでしまって… 君も弟子だろう?万花谷で最強だという雪統領に憧れている 彼女の好みを知っているかい?歓心を買って気に入られたら感謝するよ」その新弟子は離殊とうり二つだった。( ๑≧ꇴ≦)てっきり黒猫が生まれ変わりだと思ってたー!思語は雪統領が無事に離殊の生まれ変わりと再会したのを見届け、谷主に報告した。「奴の絵姿を見た時、天の計らいだと思った、三月の弟子にしよう」崖から身を投げた林昊青は命拾いしていた。しかし重傷を負って歩けなくなり、かつての父のように車椅子での生活を余儀なくされている。思語は三月と離殊の幸せな結末を喜びながらも、そんな谷主の姿を見ると胸が痛んだ。「万花谷は残っているし、お前もいる、それで十分だ」「でも谷主ご自身は?」「私?歩けないが思うまま生きられている、本来の自分に戻れたのだ、お前も喜んでくれ それより雲禾と長意の新たな情報はあるか?」「火山に動きはありません、長意も人間界へ行ったきりです、探ってみますか?」「いや忘れてくれ」すると林昊青は良い天気なので散歩へ行こうと笑った。( ๑≧ꇴ≦)師兄、生きてたのかーい!@絶叫その2その頃、長意はかつて雲禾と一緒に人間界を眺めた崖の上に立っていた。あれは成婚の夜のこと、今でも昨日のことのように覚えている。雲禾は来世では尊主や護法ではなく、普通の夫婦として温かい家庭を築きたいと願い事をしていた。『春は夜桜、夏は満天の星、秋は満月、冬は初雪を楽しみたい 春夏秋冬ずっと一緒よ、けっしてそばを離れない』…雲禾、君は私の心に咲いた最も美しい花だ…私たちの過去は愛に満ちていた…2人で自由に憧れ、手を携えて逃げたが、お互いを誤解した…紆余曲折を経て再会し、君に私の烙印をつけた…1度ならずも2度も君を失い、そして1度ならずも2度も君を待った…私は信じていた、必ずまた会えると「チャンイー、私たちの馴れ初めはおとぎ話みたいね」長意と雲禾は再び巡り合い、東海を見渡す崖の上にいた。「それであなたの鮫尾は?」「君が初めて見た時とすっかり変わらないよ…でも君はまだ見たことがなかったね」「不思議だったの、あなたがなぜそんなに純粋で無邪気なのか… 確かに広大な海の前では全てが小さく見える、険しい道も波しぶきと同じ、すぐに過ぎ去るのね」「これからは大空の下で共に生きよう、雲禾…もう2度と離れない」「ねえ…どっちが早く泳げるか試してみない?」すると雲禾と長意は手をつないで東海に飛び込んだ。海面から飛び上がった2人の鮫尾は夕陽に照らされ、美しく輝いている。終わり( ๑≧ꇴ≦)終わったあぁぁぁぁぁぁぁ!配信当時はなぜ雲禾が生まれ変わったのか良く分からなかったけれど、ようやくこれで個人的にも完結できました!では次は安楽伝でお会いしましょう~(^ꇴ^)ノ″ ←勝手に決めているw
2023.09.18
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第19話ようやく結ばれた紀雲禾(ジーユンファ)と長意(チャンイー)、しかし幸せも束の間、長意は婚礼の午夜には凍結する運命だった。空明(コウメイ)から話を聞いた洛錦桑(ルオジンサン)は雪三月(セツサンゲツ)と一緒に雲禾の元へ行こうとしたが、空明が止める。実はこれが雲禾と長意の選択であり、最期の夜は2人だけで過ごさせたかった。一方、雲禾の幸せを祈って酔い潰れていた林昊青(リンコウセイ)は花海で朝を迎えた。すると妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)が現れ、雲禾への慕情を見抜かれてしまう。汝菱はそんな林昊青の心の隙間に目をつけ、呪術を放った。霊力を使い果たしていた林昊青は抵抗できず。汝菱に心魂を操られてしまう。↓白雪姫の魔女と化粧が濃くなった師兄翌朝、雲禾が寝殿を出ると洛洛たちが心配して回廊で待っていた。長意の件はすでに空明から聞いたという。「長意の身体は凍ったわ… 長意は私の縫った衣を着て一緒に天灯を眺め、歌も歌ってくれた、それで満足よ」すると雲禾は皆を心配させまいと笑顔を見せ、戦に向けた防備の確認へ足早に出かけてしまう。残酷な2人の運命に胸が痛む雪三月、しかし離殊(リシュ)は2人に自分たちの姿を重ねていた。天君・汝鈞(ジョキン)は琉璃心灯(ルリシントウ)の最後の破片が見つけられず、修復できずにいた。しかし琉璃心灯は上古の仙族が仙骨で作った神器、思いつめた汝鈞は雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君の目を盗み、自分の仙骨で補おうとする。その時、飛廉と雷沢が現れ、止めた。実は新たな妖魔の正体が仙姫だと分かり、これは天君が乗り越えねばならない天劫だという。「ゆえに心灯の修復は我々にお任せください」すると2人は天君を陣に封じ、己の仙骨抜いて修為を使い果たし、琉璃心灯を修復した。雪三月と離殊が辺境にいた雲禾の元へやって来た。「皆を動揺させまいと耐えているのね、でも私に気遣いは無用よ」悲しみをこらえていた雲禾はついに涙があふれ出し、ようやく胸の内を明かした。「覚悟はできたつもりだった… でも一度、手にした幸せを失うのは辛過ぎる、痛くて胸が張り裂けそう」離殊は長意を連れて凍結を解く方法を探しに行くよう勧めたが、雲禾は長意から引き継いだ責任をまっとうしなければならないという。「北淵と衆生のため、私の命はとうに私のものじゃないの」その時、天君が現れた。天君は見事に琉璃心灯を直していたが、そのために飛廉、雷沢両神君が犠牲になったという。すると汝鈞は妖魔の正体が姉だと知った上で、自分が始末すると言った。雲禾は天君に凍結した長意を診せた。空明たちは回廊で待っていたが、寝殿を出てきた天君と雲禾の表情は険しい。「やはりもう誰も救えないのか…」落胆する空明、しかし雲禾はそれより今は明日にも北淵に到達しそうな順徳の大軍を心配した。卿瑤(ケイヨウ)は天君の琉璃心灯で制圧できると期待したが、実は琉璃心灯が直ったところで雷が生む天光がなければ殞魔(インマ)陣を開くことができないという。そこで三月が取りに行くと名乗りを上げたが、天君にも天光のある場所が分からなかった。離殊は独りで長意と会った。命を賭して戦を止めた雲禾、朱厭(シュエン)を始末するため命を投げ出した長意、琉璃心灯を修復するため犠牲となった神君たち、そして姉と戦わねばならない天君…。離殊は皆の潔さに敬服し、自分の宿命を受け入れると決めた。「次に英雄になるのは俺だな…行ってくる」離殊は高台へ登ると首飾りの鈴に呼びかけた。「祖父、天火はどこですか?!」すると鈴が天に舞い上がり、巨大な雷雲が現れる。見回り中だった雲禾たちは急な雷鳴に驚いたが、そこへ汝鈞が駆けつけた。実は琉璃心灯が急に何かに反応して熱を帯びたという。三月は何やら胸騒ぎがして洛洛に離殊を見たか聞いた。しかし洛洛は離殊が長意の寝殿から出たのを見たのが最後だという。三月たちは離殊を探した。するとどこからともなく天火が現れ、天君の琉璃心灯を照らしてくれる。「誰が取りに行ったの?」洛洛が困惑していると、何かに気づいた三月が急に飛び出した。離殊は使命を果たし、ついに琉璃心灯を天火で灯した。しかしついに身体が消え始めてしまう。「離殊っ!」三月は離殊の姿を見つけて走り出したが、あと一歩というところで離殊は消散した。すると雪の上にかんざしだけが落ちてくる。そのかんざしにはわずかに離殊の元神が留まっていた。「離殊…」…本当は愛する妻へと刻もうと思ったが、名だけにしておいた…別の男に嫁げなくと困るだろう?…君は己に厳しく生きづらいだろうが、もっと自由に生きて欲しい…大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)に家を用意させてある…何もかも終わったらそこで思うまま生きて欲しい…先は長い、君を守ってくれる者を見つけたらいい…俺のように君に嘘をつかず、傷つけない者をな…だが俺は悔いていない、君の猫になれたことは1番の幸せだった離殊の残像が消えた。三月は離殊の形見となったかんざしを手にすると、そこに″愛する妻の三月″と彫られている。「私を騙して逃げるなんて…虫が良過ぎるわ」三月はしばし悲しみに暮れていたが、やがて涙を拭いてかんざしを髪に挿し、立ち上がった。「天君、この心灯で北淵を守り、順徳の成敗を…」「はお」一方、閬風巓(ロウフウテン)では合虚(コウキョ)神君が天をながめながら命数を数えていた。「天君、今、星が全て南を向き命宮に集まり、陽の気が最も盛んです 妖魔を退治するのに最も適しています、機を逃さぬように…」雲禾は凍結している長意に出発を伝え、寝殿を出た。凌霜(リョウソウ)台は卿瑤に任せたが、最後は天君にかかっている。「天君、ご覚悟は?」「…姐姐には何度も機会を与えたが顧みなかった、今こそ終わらせなければ」一方、洛洛は空明の居所に駆けつけ、自分も一緒に戦いたいと訴えた。空明は心配でかえって足手まといになるとなだめ、ここで待っていて欲しいという。その時、戦鼓が鳴り響いた。「言い争っている時間はない、いいな?」すると空明は洛洛のおでこに口づけして出て行ってしまう。雲禾たちは辺境に戦力を集め、敵を迎え撃つ準備は整った。その時、瞿暁星(クギョウセイ)が敵軍の中に思語(シギョ)や長老、万花谷の御霊師たちがいると気づく。空明は衝突しないよう攻撃はせず、何とか結界で持ち堪えることにした。すると高台で酒を飲みながら見物していた汝菱が結界に悪念の杖を放ち、ひびを入れる。雲禾は仲間たちと結界を守ったが、汝菱を倒さねばらちが明かなかった。「ここは任せたわ、順徳にお返しする」しかしついに結界に穴が開き、敵兵が北淵に雪崩れ込んでしまう。雲禾は高みの見物を決め込む順徳を挑発した。「遠路はるばる来たのに、手下に戦わせて自分は隠れているの?」「お前を早く殺しておくべきだった」「でもその願いは永遠に来ないわね…」雲禾は順徳を陣がある雪山まで誘き出し、2人は対峙した。鮫人(コウジン)の教化から始まった2人の因縁、ならば自分たちが決着をつけて終わらせるしかない。そんな2人の姿を高台の崖から汝鈞が見つめていた。…姐姐、今度こそこの手で阻止します…紀護法、殞魔陣が開くまで持ちこたえてくれしかし汝菱はあっさり雲禾を捕まえてしまう。汝菱は雲禾の首を締め上げ、高笑いした。「この程度でおしまい?哀願したら?そうすればひと思いに殺してあげる」「ぐっ…順徳、あなたは本当に哀れね…」「今や全能の私をお前が哀れむとは笑止!ふん、九尾を振って命乞いしたらどう?」その時、突然、凄まじい霊力が順徳を吹き飛ばした。_:(´ཀ`」∠):_ グハッ!雲禾を助けたのは長意だった。「長意、やっと目を覚ましたのね」「すまない、遅くなって…」「来ると信じていたわ」汝菱は長意の姿に呆然となった。「あり得ない…」「私が死ななければお前は油断しなかっただろう?」実はあの時、汝鈞は100年に一度だけ実る菩提樹の実で長意の凍結を解いていた…『この実は姐姐が私を育ててくれた菩提樹に実ったものなのだ これまで記念に持っていたが、ここで役に立つとはやはり縁なのだな…』2人は汝菱を油断させて勝機を確信させておくため、ひとまず秘密にしておいたしかし凍結を解いたと言っても、長意がいつ目覚めるのかまでは分からない『危険な賭けでは?』『必ず長意が来てくれると信じています』つづく( ๑≧ꇴ≦)分かってたーっwww
2023.09.18
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第18話妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)。北淵(ホクエン)では迫り来る戦に向けて準備が急がれたが、空明(コウメイ)は長意(チャンイー)を失ってしまう悲しみに打ちひしがれていた。そんな中、紀雲禾(ジーユンファ)と長意は3日後に婚礼を行うと発表する。卿瑤(ケイヨウ)は準備が間に合わないと心配したが、雲禾と長意は格式や慣習にこだわるつもりはないと言った。「親しい友と酒を飲めればそれでいいの」何も知らない洛錦桑(ラクジンサン)は2人の婚礼に諸手を挙げて喜んだが、空明だけは浮かない顔をしていた。雲禾は卿瑤にも招待状を渡した。しかし卿瑤は親しい友だけを呼ぶはずだと困惑する。「共に戦ったら友よ」一方、長意は空明に招待状を届けていた。空明は15話で自分が長意を巻き込んだせいでこんな運命になったと後悔を募らせる。すると長意は真実の友との出会いは何物にも代え難いと笑顔を見せた。「だから後悔はない」長意が寝殿に戻ると雲禾が針仕事に勤しんでいた。雲禾は長意に気づいて慌てて婚礼衣装を隠したが間に合わない。「あなたの好みを聞いて作りたかったけど、私は手仕事が苦手なの、一番簡単な様式しか作れない 法術は便利だけど婚姻は2人の誓約よ?誠意をもって臨みたくて…」すると長意は鮫族に婚礼衣装がないことから、どんな衣装でも嬉しいと言った。「今の君を見ていて分かった…これが″家″なんだな」長意は雲禾に口づけすると、そのまま寝台に連れて行った。翌朝、長意はそっと寝台を抜け出して空明の治療を受けた。凍結は予想より早く、長くもっても明日の午夜までだという。「婚礼の夜までか…」長意は身体の衰えをしばし抑える方法がないか聞いた。←あ、下ネタじゃないですwしかし寒気を抑えれば凍結の速度が上がり、寒さが骨を刺すという。「本気なのか?」「間もなく死ぬ身だ、雲禾には美しい記憶として残りたい」一方、天君・汝鈞(ジョキン)は雷沢(ライタク)、飛廉(ヒレン)両神君と共に琉璃心灯(ルリシントウ)の修復を急いでいた。しかしなぜか最後の破片が見つからず、行き詰まってしまう。雷沢と飛廉は思い詰める天君を心配し、自分たちに任せてしばし休息を取るよう勧めた。その頃、自分の使命を知った離殊(リシュ)は雪三月(セツサンゲツ)に打ち明けられないまま悶々としていた。すると情報を集めて来た大歓(タイカン)・小歓(ショウカン)が駆けつける。実は新たな妖魔の正体は順徳だった。三月はそれより雲禾が生まれ変わって戻ったことを喜んだが、なぜか離殊の様子がおかしい。しかし離殊は新たな戦いが始まると思うと長意が心配だとごまかした。「だから私たちが手伝うのよ、順徳を始末したら私たちも仙島に家を持てばいいわ …これでやっと私も普通の女子のように平凡な暮らしができるのね」三月の夢を聞いた離殊は胸が痛み、思わず三月を抱きしめた。「俺がどこかへ去ったら君はどうする?」「どうしたの?どこへ行くの?どこへ行こうと私たちは離れない、生きるも死ぬも一緒よ」結局、離殊は三月へ使命のことを告げられず、すぐ北淵へ出発しようと言った。大歓と小歓は世子が紆余曲折を経て三月と結ばれることを祝福した。そこで長老から預かった誓いの品を渡しておく。「妃を娶るにはこれが必要だそうです」化粧箱の中には美しいかんざしが入っていた。林昊青(リンコウセイ)は絵姿を焼くため霊力を使い果たし、万花谷で静養していた。思語(シギョ)の報告では仙師の死後、順徳が仙師府を牛耳り、山には黒い邪気が立ち込めているという。また瞿暁星(クギョウセイ)からも知らせが届いていた。北淵は紀雲禾と長意が結界を巡らせ警戒中、実は今夜、2人が婚礼を行うという。「雲禾の望みが叶ったのだな…」卿瑤は姑獲鳥(コカクチョウ)を呼び寄せ、雲禾の花嫁支度を任せた。「あなたは恩人よ、恩返ししなくちゃね」「私は身寄りがないから嬉しいわ」しかし姑獲鳥は紀雲禾が夫との未来を夢見る幸せな新婦に見えず、心配になる。雲禾は添い遂げるだけが本当の愛ではないと話し、たとえ一瞬でも一生の支えになると明かした。「苦しみ迷った時ほど愛は深い意味を持つわ…ありがとう、前輩、でも決して後悔しない」その日は美しい夜だった。雲禾と長意は婚礼衣装に身を包み、親しい仲間たちが集まる大殿に現れる。2人は夫婦の杯を交わし、仲間たちを媒酌として誓いの言葉を述べた。「私、紀雲禾は長意と夫婦となり、苦難を恐れず永遠に共にいると誓います」「私、長意は紀雲禾と夫婦となり、今を大切に生き、死んでも共に眠りたいと願う」すると北淵の民が尊主の婚礼を祝うために揚げた天灯が夜空を彩った。「家族だけが祝うものだと思っていた」「長意、皆も家族なのよ…」それはまるで辛酸を嘗めてきた長意への天からの償いのように見えた。しかし長意は雲禾とこの美しい天灯が自分にとって最高の贈り物だという。「長意…あなたは優しすぎる」一方、林昊青は花海で独り雲禾の婚礼を祝っていた。その手には大切に残しておいた思い出の花冠@11話参照がある。林昊青はついに花冠を手放し、雲禾の望みが全て叶うよう祈った。「望むものを手にし、災難とは無縁であるように…そしてもう何も失うな、喜び多く、長く幸あれ」( ;∀;)師兄nnnnnnnn!婚儀もお開きとなり、洛洛は空明と居所に戻った。「婚礼の時、どうして仏頂面だったの?教えて」「…間もなく午夜だ」「それが何?…隠し事なの?」その時、離殊と三月が現れた。「なぜ婚礼を知らせてくれなかった?」洛洛は空明の様子から雲禾に何かあったと誤解し、三月を連れて様子を見に行くことにした。しかし空明が止める。「洛洛!…もう話してもいい時分だ」その頃、雲禾と長意は床に入って仲良く手を繋いでいた。雲禾は唯一の後悔が長意に尾を失わせてしまったことだと言ったが、長意は雲禾と出会えただけで何の心残りもないという。すると長意は急に雲禾の手を強く握りしめ、その後そっと離した。「もう午夜だ、眠ろう」「まだ眠くない…もう少しだけ」「分かった、あちらを向いてくれないか、歌を聴かせてあげよう」「十方陣の中で聴かせてくれた歌がいいわ」昨日の朝、長意と空明の話を立ち聞きした雲禾はその時が来たことを知っていた。雲禾は背中で長意の歌を聞きながら声を殺して泣いた。次第に身体が凍り始めた長意、すると雲禾は眠くなって来たと告げる。「長意、とても素敵な夜だわ、ありがとう…」「雲禾…私は陸に上がったことを後悔していない… 順徳もひとつだけ正しいことをしてくれた…私を万花谷に送り…君に会わせた…」すると長意は愛する人の隣で永遠の眠りについた。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ちゃんいぃぃぃぃ…∩(∩ ゚ェ゚)ん?ちゃんいー凍ったってことは…離殊の炎で解凍できるんじゃ?!
2023.09.14
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第17話紀雲禾(ジーユンファ)は寧清(ネイセイ)の弱点が師匠の寧悉語(ネイシツギョ)だと分かった。そこで寧悉語に寧清の元神を導くので説き伏せて欲しいと頼み、単独で仙師府に乗り込む。寧清は雲禾が師匠と夢で会ったと聞いて激高、いきなり首を締め上げた。「この千年間、再会を待ち焦がれる私が夢でも会えぬというのに、なぜお前ごときが?!」しかしふいに風が吹き、寧悉語の呼ぶ声が聞こえる。「小清、私よ」「師父…?!」その時、長意(チャンイー)が現れ、一瞬の隙を突いて雲禾と寧清を陣に封じ込めた。寧清は雲禾を介し、寧悉語と感動の再会を果たした。しかし師匠は自分の復讐を喜ぶどころか、ここで終わりにしろという。すると寧悉語は寧清に過去の記憶を思い出させた。…あの時、寧若初(ネイジャクショ)は信頼する師匠と弟弟子だけに隠れ家を教えていたしかし寧清は巻き込まれることを恐れ、長老たちに師兄の居所を明かしてしまう寧清はこれで兄弟子も青姫と別れると思ったが、目論見は失敗寧若初は青姫をかばって万花谷と対立し、師匠は2人を守って追放されてしまう師匠と共に谷を出た寧清は後悔が募り、師匠を万花谷へ戻そうと過激な手段で御霊を行うようになったそして段々とたがが外れていく結局、それが凶獣の報復を招く結果になった寧清が長(オサ)を惨殺して追い詰めなければ、凶獣も寧悉語を襲ってくることはなかっただろう…敬愛する師匠を死に追いやったのは誰でもない寧清本人だった。寧清は絶望から現実逃避して全てを忘れ、誰かを恨むことで自分を欺き、正気を保ってきたのだろう。結局、これまでの虐殺は復讐ではなく、自分の記憶を塗り替えるための所業でしかなかった。『若初に気づかれることを恐れ、あなたは手を下したのね 良心の呵責に苦しみ、いくつもの罪を重ねるうち、引き返せなくなった あなたが憎んでいたのはこの世界ではない、自分自身だったのよ』寧清はなぜ師匠が夢にさえ出てきてくれなかったのか、その理由をようやく理解し泣き崩れた。一方、朱厭(シュエン)は汝菱(ジョリョウ)に助けを求めた。紀雲禾と鮫人が仙師府に乗り込み、寧清を追い詰めているという。まさに積年の恨みを晴らす千載一遇の機会。汝菱は仙姫府を飛び出したが、長意が必死に守っている陣をなかなか破れなかった。寧清は全ての過ちに気づいたが、今さら手を引くこともできなかった。「どうせ私など誰からも愛されぬ存在です…」『私は衆人だけでなくあなたを救いに来たのよ? …最も辛い時にそばにいてやれなかった、長い歳月を寂しく過ごさせてしまったわね あの頃、一緒に過ごした家に戻りたくない?私が連れて行きましょう、どう?」その時、長意の陣が突然、破れた。汝菱は師匠のもとへ駆け寄り、雲禾と長意を殺してくれと頼んだ。しかし寧清はこれまで犯してきた罪を償うと決め、朱厭との血の契りを反故にし、強引に指輪を引き抜いてしまう。「紀雲禾、あとはお前に任せる!」寧清はみるみる白髪になり、精気を失って膝をついた。寧清に裏切られた朱厭だったが、千年の間に蓄えてきた力があった。すると指輪から邪念があふれ出し、空に暗雲が立ち込める。長意は意を決し、雲禾を陣で封じて守ると、独りで飛び出した。「長意!ダメよ!」長意は心血鋳剣(シンケツチュウケン)で我が身を削り攻撃、ついに朱厭に止めを刺した。すると寧清は安堵し、そろそろ旅立つ時が来たと気づく。その時、独り悶々としていた汝菱は朱厭の一条の残魂に気づき、咄嗟にその力を吸収した。「このまま帰れると思うな!」汝菱はいきなり雲禾と長意に悪念を放ったが、寧清は最後の力を振り絞って結界を開き、2人を逃してしまう。汝菱は寧清を恨みながらも、師弟の深い絆を忘れられなかった。そこで自分に従うなら殺さないと言ったが、寧清は今さらながら正しい師弟のあり方や愛し方を教えられなかったと後悔する。「その手で殺すがいい、お前が道を誤らなければそれでいい」「…許さないわ!今度はあなたが私に従う番よ!」しかしその時、寧清の目に映っていたのは風に乗って現れた寧悉語の残像だった。すると寧清はまるで師匠に導かれるように呪符を描き、自ら止めを刺して消散してしまう。汝菱はしみじみ師匠には最初から自分に一片の情すらなかったのだと痛感した。深く傷ついた汝菱は激しい嫉妬と絶望から、この世界を恨み、復讐を誓う。↓ウェ〜ハッハハハハハ〜!その頃、無量山に閉じ込められた離殊(リシュ)は夢の中で祖父と会っていた。祖父は先帝と共に朱厭と戦い肉体は滅んだが、琉璃心灯(ルリシントウ)に留まった元神のかけらが無量山が開く機に乗じ、離殊を呼び寄せたという@14話。実は神獣陸吾(リクゴ)の末裔が他の者と違って9つの命を持つのには理由があった。『無量天火(ムリョウテンカ)は天上の雷海(ライカイ)で生まれる 最強の陸吾の末裔のみが蘇りの強みを生かして雷海を越え、天火を手にできるのだ』陸吾の末裔は天火のために生を授かり、心灯に火をつけることが使命、祖父が死んだのもこのためだという。『そんな…婚姻目前なのに!』『使命は巡り回ってくるものだ、時が来たら果たさねばならぬ、いずれお前にも分かる』『俺には分かりません…分かりたくもない!』その時、離殊は目が覚めた。すると同時にうなじに激痛が走った雪三月(セツサンゲツ)が思わず悲鳴を上げる。離殊は慌てて三月に駆け寄ると、驚いたことに寒花の印が消えていた。天君・汝鈞(ジョキン)は三月の寒霜が解けたことから、朱厭が滅んだと分かった。これで無量山の結界も壊れただろう。しかし飛廉(ヒレン)神君は寧清と朱厭が消えた代わりに別の妖魔が現れたと分かった。「邪気を吸収して強大化しています、このままでは朱厭に比肩(ヒケン)する力を得るかと…」汝鈞はひとまず山を離れ、琉璃心灯の修復に集中することにした。「雪統領は身体が弱っている、離殊、2人は英気を養っていてくれ、北淵で再会しよう」寧悉語はわずかに残っていた元神も消え、雲禾に別れを告げた。『もう会うことはないでしょう、順徳(ジュントク)が寧清と朱厭の力を我が物にしたわ 熾烈な戦いになる、でももう助けられない、この先は自分たちで…』雲禾が目を覚ますと洛錦桑(ルオジンサン)が付き添っていた。洛洛は雲禾に抱きついて再会を喜び、2人が凌霜台で倒れていたのを見つけた時は驚いたという。しかし長意は空明(コウメイ)の居所でこもったまま、洛洛にも状況が分からなかった。雲禾は空明の居所を訪ね、そこで偶然、2人の話を聞いた。実は長意は朱厭の残魂を砕いた時に逆襲され、もはや空明でも手の施しようがないという。雲禾は部屋に入り、長意の病状を包み隠さず教えて欲しいと頼んだ。すると空明は朱厭の寒気で長意の全身の骨と血が凍り始めていると教える。「…全身が凍れば命も尽きる」「長意の病状は誰にも知られてはならないわ」雲禾は長意と寝殿に戻り、婚礼を挙げようと言った。しかし長意は束縛したくないと拒否する。すると雲禾はかつて死にかけた時、何より時を無駄にしてしまったことを悔やんだと訴えた。「妻という名義はあなたが存在した証しになる、あなたが去ってもその証しが2人を繋いでくれる 長意、これは束縛ではなく成就なの…」雲禾は思わず長意に抱きついた。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、私の想いを成就させて」「雲禾…私の想いはもう成就している」つづく( ;∀;)ああああ〜離殊〜
2023.09.13
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第16話凌霜台(リョウソウダイ)大殿。長意(チャンイー)は林昊青(リンコウセイ)にも雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符を見せた。実は寒霜(カンソウ)は朱厭(シュエン)の実体である玄冰(ゲンヒョウ)が生んだもので、玄冰が死なねば寒霜も消えないという。その時、林昊青は急に寒霜の発作に襲われたが、何とかこらえてやり過ごした。「玄冰は上古の凶獣、先帝でも滅ぼせなかった、手ごわい相手だぞ?」しかし長意は天君からの依頼であり、紀雲禾(ジーユンファ)の願いでもあると教えた。長意は林昊青を寝殿に案内し、まだ昏迷している雲禾と会わせた。阿紀(アージー)のため好物の桂花糕(ケイカコウ)を持ってきた林昊青、しかし包みを開けてみるとすっかりつぶれている。「気をつけていたのだが…ふっ」林昊青は仕方なくそのまま枕元に菓子を置いた。「分かっている、阿紀は2度と戻らないのだろうな…決めるのはお前であって私ではない 幸せに生きられるなら邪魔はしない、自分の道を行け、師兄が守ってやる」すると林昊青はまたいつか再会できると信じて寝殿を出た。「奪われたくなければしっかり面倒を見てくれ」「見るとも、代償を惜しまず…」凌霜台を後にした林昊青は思語(シギョ)に寒霜の秘密を明かし、雲禾のためにも朱厭と戦うと決意した。思語は身体がもたないと反対したが、もし寧清(ネイセイ)と朱厭を引き離せることができれば残魂を破壊できるという。その話をちょうど北淵の危機を知って駆けつけた青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫が聞いていた。「面白い話を聞かせてもらったわ、紀雲禾が言っていた寧清の背後の力とはあいつだったのね」青姫は恨みがある者同士で手を組まないかと提案した。「私が寧清、あなたは朱厭を始末するのはどう?」「…決まりだ」雲禾は再び夢の中で寧悉語(ネイシツギョ)と接触した。『やっと戻ったのね』『前輩、私は瀕死ではないのになぜ…』『一度、死んだ者は超越した存在なのよ…あなたと長意は今度こそ丸く収まるはずよ』一方、洛錦桑(ルオジンサン)は寝殿の外で雲禾が目覚めるのを今か今かと待っていた。すると急に長意の御水術の光が消え、ついに雲禾の意識が戻ったと気づく。待ちきれず寝殿に入ろうとした洛洛だったが、空明(コウメイ)が止めた。「久々の再会だ、2人きりにしてやろう」雲禾の意識が戻った。長意は空明に診てもらうことにしたが、雲禾が引き止める。「長意…長い間つらかったでしょう?」「いいさ、君が戻ったんだ」「…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、苦労をかけたわね」すると雲禾はまだ身体が思うように動かない中、外へ出たいと頼んだ。長意と雲禾は北淵を一望できる高台に立った。「なんて美しいのかしら…長意、山の向こうの景色はもっと美しいの?」長意はやはり雲禾がここを離れたいのだと気づいて落胆した。しかし雲苑(ウンエン)に閉じ込めてしまった過ちから、回復したら好きな場所へ行って構わないという。「引き留めないよ」「あなたは?」「私は尊主としての責任がある…」すると雲禾は自由とは遊歴することではなく、心のまま選択できることだと気づいたという。「私が望むのはどこへ行ったとしてもいつでも帰れる場所よ 天地広しと言えど私の居場所はあなたのそばしかない」長意は喜んで雲禾を抱きしめた。「長意…崖で何があったか聞いたでしょう?私は裏切っていない」「分かっていた、全ては私を助けるためだったと…」こうして雲禾と長意は長年のわだかまりが解け、変わらぬ愛を誓った。「雲禾、全てが片付いたら尊主の座を退き、君だけの大尾巴魚に戻るよ 君に付き添い、どこへでも好きな所へ行こう!」一方、空明の居所を訪ねた姫寧(キネイ)は師兄・姫成羽(キセイウ)を助けて欲しいと頼んだ。師兄は恩人の師匠をどうしても見放すことができず、不本意ながら命令に従っているという。「大師兄なら助けられませんか?!」しかし空明は自分の運命を決めるのは自分しかいないと教えた。「今の成羽を救えるのは本人だけだ」青姫は寧清を楽游(ラクユウ)山に誘き出した。「まさかあなたが同門の師兄を殺していたとはね 大事に思ってくれる人に手を下すとは…どこまで冷酷なの?!」「あの時、寧若初(ネイジャクショ)がお前を捨て我々の元に戻っていれば、師父の悲劇は起こらなかった」「寧悉語のことを分かっていないのね、だから人でなしの順徳(ジュントク)に面影を重ねていたんだわ」「ごぅら(够了)!」珍しく寧清は動揺、そこで師兄の最期の言葉が青姫を見逃してくれだったと明かした。実は青姫だけ生かしておいたのは愛する者を失った苦しみを味わわせるためだったという。その頃、林昊青は寧清の密室に忍び込み、薊柏(ケイハク)草で作った炎で姿絵を燃やすことに成功した。すると侵入者に気づいた姫成羽が現れる。姫成羽は師匠が絵姿に魔物を隠していたと知り呆然、良心に従い林昊青と思語を見逃すことにした。「いっそ私と一緒に…」「いや、師父を裏切ることはできない」楽游山に合図の照明弾が上がった。青姫は林昊青が朱厭の残魂を始末したと気づき、寧清が本領を発揮できなくなったところで攻撃を仕掛ける。こうしてついに寧清は消散、青姫は復讐を果たした。しかし死んだふりをして身を隠していた寧清が現れ、突然、背後から一撃を受けて激しく吹き飛ばされてしまう。姫成羽は師匠が戻ると自ら罰を請うた。「お前が青羽鸞鳥と林昊青を助けたのか?」「はい…悔いはありません」寧清は一瞬、ためらったが、結局、愛弟子に手をかけてしまう。しかし朱厭には姫成羽の霊力だけではまだまだ足りなかった。「異変を察知し、避難していて良かった…」実は朱厭は寧清の指輪に宿っていた。雲禾が眠っていると寧悉語が風に乗って青姫の危機を知らせに来た。『私の目を貸すわ…』すると従棘所(ジュウキョクショ)に閉じ込められた青姫の姿が見える。朱厭は鳳凰の強い霊力に目をつけ、寧清に内緒で青姫に手を組まないかと持ちかけた。もし青姫の肉体を譲ってくれるなら、青姫の姿になって敵討ちを手伝えるという。「いいわ…」青姫は自分の霊丹を差し出したが、それは罠だった。青姫は朱厭が霊丹に取り憑いたところで自ら霊丹を潰し、喀血して倒れた。その時、寧悉語が風の中に隠して送ってくれた雲禾の意識が現れる。『前輩?』「…朱厭と一体になった時、感じ取ったの、朱厭の残魂は寧清の指輪の中よ 重傷を負わせてやった、今は指輪に逃げ戻り、回復するまでどこにも移れないはず 始末するなら今のうちよ…機会を逃さないで」すると青姫は自分の役割を果たしたと満足し、愛しい寧若初の元へ旅立った。雲禾は長意の呼びかけで目を覚ました。「長意…青姫がようやく家に戻ったわ」青姫は紆余曲折を経て、思い出の山荘で待っていた寧若初と再会を果たした。『今までどこへ言っていた?』『ちょっと迷ったけれど、やっと辿り着いたわ』『これからどこへ行く?』『あなたと一緒ならどこへでも、さあ行きましょう』一方、深手を負った朱厭は慌てて寧清の指輪に飛び込んだ。「欲張ると痛い目に遭うと言っただろう?」寧清は朱厭が何を企んでいるのか知りたくて泳がせていたという。しかし結果的にうまく駒を進められたと満足した。「対局も終盤だ…」雲禾は長意に青姫の話を伝え、全てを終わらせる時だと覚悟を決めた。すると長意は一緒に立ち向かおうと約束、そこで雲禾は無謀な攻撃ではなく、知恵を働かせることにする。「敵の弱点は技ではなく心、どうやって操ればいいか分かった気がするの」翌朝、仙師府に紀雲禾が現れた。「紀雲禾、まだ生きていたとは…まあ良い、お前に何かあれば鮫人が暴れ出すはずだ」寧清はこれで北淵が挙兵すれば天庭が迎え撃ち、終わりなき乱が始まると喜んだ。すると雲禾が寧清を挑発する。「確かに身近な人の死で生きる意味を失うのは理解できる …でも寧悉語がそれを知ったら喜ぶかしら?」「その名前をどこで聞いた?!」「本人からよ」つづく( ゚ェ゚)皆様の熱いご要望にお応えし、洛洛と空明のイチャイチャシーンはカットですw
2023.09.12
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第15話長意(チャンイー)は外に出たいという阿紀(アージー)を連れて冰湖(ヒョウコ)にやって来た。阿紀は楽しそうに走り回ったが、なぜ急に尊主が優しくなったのか解せない。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」…機嫌がころころ変わるなんて変、やっぱり早くここを離れよう…「なら師父が迎えに来たら出ていきます 閉じ込められるのは嫌なんです、もっと外の世界を見たい」尊主は考えておくと言ってくれたが、どこか寂しそうだった。一方、鹿台(ロクタイ)山に留まった林昊青(リンコウセイ)はついに寒霜(カンソウ)の解毒薬を完成させた。そこで早速、自らの身体で試してみたが、効果があったのは一瞬だけ、すぐ寒霜が復活してしまう。「…なぜだ」すると北淵(ホクエン)の瞿暁星(クギョウセイ)から伝令符が届いた。…北淵に現れた阿紀という狐狸が紀雲禾(ジーユンファ)を思わせます…今、長意といますが紀雲禾と関係が?生まれ変わっても再び巡り会った雲禾と長意、林昊青はこれが天意なのかとぼやいた。その頃、朱凌(シュリョウ)は仙姫に命じられ、北淵の雷火地脈(ライカチミャク)を探していた。すると偶然にも北淵を追放された奇鋒(キホウ)を捕まえる。もはや霊力のない奇鋒は抵抗できず命乞い、長意への恨みを晴らすため協力を申し出た。長意は阿紀を自由にしてやりたいと思う一方で、雲禾を手放すと思うと耐え難い苦しみに襲われた。すると空明(コウメイ)から戦が迫っていると知らされる。雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符によれば天君・汝鈞(ジョキン)がついに仙師の秘密を突き止め、寧清(ネイセイ)の後ろに朱厭(シュエン)がいたと分かった。しかし仙師が天君たちを無量山に閉じ込め、この機に乗じて動く可能性がある。「そうなったら雲禾をどうしたい?」辺境の猿翼(エンヨク)営に戻った阿紀は北淵を発とうかどうか悩んでいた。すると瞿暁星と合流した林昊青と思語が迎えにやって来る。「師父!」阿紀は師父に抱きついて喜び、道中で人助けをしたところ仲間だと思われて連行されたと説明した。「でもここに夢の中で出会った鮫人がいました、鮫人に会うとドキがムネムネして…」「師父が何と教えた?」「振り返るなと…」「違う!言い間違えるな!」←とは言ってないwしかし侵入者の存在に気づいた護衛が凌霜台に急報を送っていた。奇鋒の案内で朱凌はついに雷火地脈を発見、法術により眠っていた地脈を復活させた。「これで山河の力がこの陣法を動かし、岩漿(ガンショウ)を全て流出させれば北淵は地火に包まれる」すると朱凌は用済みとなった奇鋒に斬りかかり、地脈へ突き落としてしまう。長意は林昊青が阿紀を連れ去ったと知り、矢も盾もたまらず飛び出した。ちょうど裏山で怪しい2人組を捕まえた長意、しかし外套をめくってみると、おとりになった思語と瞿暁星だと分かる。思語はこれも紀雲禾を守るためだと訴えたが、その時、急に地面が揺れた。すると空明が駆けつけ、雷火地脈が復活したと知らせる。このままでは地が裂け、川が煮えたぎり、溶岩が噴出して生類は絶滅するだろう。「空明は卿瑤(ケイヨウ)と協力して皆を逃がせ、私には東海の権杖(ケンジョウ)がある!」空明は長意が独り犠牲になる覚悟だと分かったが、仕方なく凌霜台へ戻った。焦った瞿暁星は谷主と阿紀にも避難を手伝ってもらおうと提案、しかし長意は必要ないという。「林昊青に遠くへ逃げろと伝えろ、北淵には2度と戻るなと…」その頃、林昊青は阿紀を連れて林を抜けていた。すると阿紀がふいに立ち止まり、北淵を離れると思うとなぜか胸が痛むという。「やはり私と鮫人には何か関係があるの?」その時、激しく山が揺れた。2人が呆然としていると、思語が戻ってくる。実は雷火地脈が再燃、このままでは火山が爆発して溶岩が噴出するという。「長意は炎洞に入るので阿紀を連れて逃げろと…」林昊青は長意が死を覚悟して地脈を鎮めるつもりだと分かった。阿紀は尊主や仲間たちが心配になり引き返すことにした。しかし林昊青が引き留め、戻れば全てが無駄になるという。「確かにお前と鮫人は過去に関わりがあった、お前たちには辛い過去がある お前は苦しみ抜いて、やっと自由になれたのだ、阿紀、北淵を出よう」「師父は言ったわ、いずれ必ずやりたい事が見つかると…見つけた、北淵を守りたい」阿紀はなぜか無性に鮫人を救わねばならない衝動に駆られた。そこへ運悪く朱凌が仙師府の弟子たちを連れて通りかかる。朱凌は紀雲禾が生きていたと知り、すぐ仙師府へ連行すると決めた。すると林昊青は朱凌に剣を突きつけ、その間に阿紀を逃がす。「阿紀、お前の好きにしろ…行け!」林昊青は寒霜で凍えた身体だったが、相手が朱凌なら事足りると強気だった。卿瑤は狐族を避難させ、長意が入った炎洞に駆けつけた。しかし洞窟の中は灼熱地獄、いくら長意が心配でも近づくことさえできない。侍女の微妍(ビゲン)は必死に少主を引き止めていたが、その時、突然、2人の横をすり抜け、紀雲禾が洞窟へ入っていた。「紀雲禾?!…なぜなの?!」長意は陣を敷いて氷を操り、溶岩を鎮めようとしていた。そこへ突然、阿紀が現れ、自分も協力するという。「ここは危険だ!去れっ!」長意は阿紀を逃がそうとしたが、その時、阿紀の首飾りの真珠が砕け散った。すると真珠に封印されていた紀雲禾の記憶が阿紀の中に戻り、阿紀はついに自分の過去を思い出す。「早く去れ!雲禾!」しかし阿紀は九尾狐の力で長意の陣に加勢した。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!うぉらいらっ!」長意と雲禾は雷火地脈を爆発寸前で止めた。力尽きた雲禾は喀血、長意が慌てて抱き留める。「何もかも忘れたいと思っていたのに、阿紀になってもあなたを忘れられなかった あなたが心から離れない…」すると雲禾は昔のように長意の頭を撫でながら気を失った。林昊青は寒霜と霊力の消耗で満身創痍ながら、思語の協力で朱凌を始末した。そこで阿紀の無事を確かるべく炎洞に向かったが、ちょうど雲禾を抱いて出て行く長意の姿が見える。…生まれ変わりさえすれば過去は無縁と思っていたが、どうあがこうと阻めないことがあるようだ…雲禾は帰ってしまった一方、汝菱(ジョリョウ)は北淵の地火が消え、朱凌も行方不明だと聞いた。このままでは御霊師から霊力を奪えないと苛立つ汝菱、そこへ師匠がやって来る。寧清は最終段階の薬を飲むよう命じたが、恨みを募らせた汝菱は咄嗟に最強の力を持つ師匠の霊力を奪おうとした。しかし寧清にあっけなく跳ね返されてしまう。「薬を飲め」「…この顔のせい?自分に背いた弟子を殺しもしない、それほどこの顔が大事なの?! ならば私が師父の望みを奪ってやる!」汝菱は自ら顔を潰そうとしたが師匠に止められ、無理やり薬を飲まされてしまう。姫成羽(キセイウ)は仙姫を訪ね、師兄として互いに改心すべきだと諭した。かつては善良だった仙姫。姫成羽は自分も悪行の結果を負うつもりだと言ったが、お互いにまだ贖罪の機会が残されているのか定かでない。しかし汝菱はすでに魔道に落ち、師匠だけでなく全ての者を従わせると憎しみを募らせた。雲禾は熱毒で心脈を痛め、目覚めるまでには時間がかかりそうだった。そこで長意は寝殿にこもって御水術で雲禾を救うと決め、その間の政務を空明に任せる。いつもなら反対する空明だったが、北淵の恩人である雲禾のためにも了承した。すると卿瑤が雲禾へ霊薬の差し入れを持って来る。「心配しないで、私も先生に協力します」卿瑤は何のためらいもなく死地に赴いた雲禾に感服し、今や深く思い合う長意と雲禾を祝福したいと言った。林昊青が凌霜台に現れた。長意は林昊青を大殿に呼び、阿紀は記憶を取り戻して雲禾に戻ったと教える。「私が完治させる」「会うのを拒まれると思っていた、雲禾を連れ去った私を恨んでいるのかと…」「お前は雲禾を救ってくれた、それに朱凌を殺したと聞いた」長意はこの恩に必ず報いると約束したが、雲禾を返すとは言わなかった。「雲禾が引き返した時、よく分かったよ、記憶を失ってもやはり雲禾なんだと… 私には止められなかった」すると長意は林昊青に三月から届いた伝令符を渡した。実は寒霜は玄冰(ゲンヒョウ)が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。その時、急に林昊青が寒霜の発作に苦しみ出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)チョコボール割れたぁぁぁ~色は関係なかったのかーいw
2023.09.11
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第14話符恒(フコウ)復活の儀式に乗り込んだ奇鋒(キホウ)。しかしそれは阿紀(アージー)が長意(チャンイー)に献策した罠だった。奇鋒はまんまと騙され馬脚を現したが、まだ奥の手があると不敵な笑みを浮かべる。実は奇鋒は長意が阿紀に紀雲禾(ジーユンファ)の面影を重ねていると気づき、配下に阿紀を捕らえるよう命じていた。その頃、阿紀はこの機に乗じ、姫寧(キネイ)と一緒に北淵を離れることにした。すると雪山で奇鋒の配下に阻まれ、迷煙のせいで霊力が弱まってしまう。反撃できないと知った阿紀は姫寧に目配せ、二手に別れて走り出した。しかし阿紀は追っ手が放った剣気で足を負傷してしまう。↓この人が奇鋒の方が良かったw奇鋒は自分に手出しすれば阿紀が死ぬことになると脅した。すると長意はいきなり仙縄を放って奇鋒を岩に縛り付けてしまう。「よく聞くがいい、私と交渉できると思うな」そこへ姫寧が逃げ込んできた。「尊主!尊主!阿紀が冰湖(ヒョウコ)で襲われて…」足を怪我した阿紀は転倒、そのまま動けなくなり、元の姿に戻った。…幻形術が保てない、だから師父は北淵に入るなと?私ここで死ぬの?…その時、首飾りの真珠が急に光を放った。すると長意が現れ、奇鋒の配下を一撃で退ける。長意は直ちに阿紀の元へ駆けつけたが、雪の中で倒れていたのは阿紀ではなく、夢にまで見た紀雲禾だった。「雲禾…」しかし阿紀は気を失ってしまう。阿紀は尊主の寝殿で目を覚ました。ちょうど鮫人に救われた夢を見ていたが、もしや過去にも助けてもらったことがあったのだろうか。すると尊主が現れた。阿紀は術が解けていることを思い出して慌てふためいたが、尊主は怒るどころか優しい。「幻形術を使っていたのか…やっと戻った、2度と会えぬと思ったぞ」「誤解です!私は散歩していただけで(汗)じゃあ私はこれで…」「まだ私のことを怒っているのか?今度こそ一緒にいて欲しい」「怒るなんて滅相もない、何か誤解があったのなら水に流して友だちになりましょう?」「友だち?!」長意は阿紀に昔の記憶がないと気づき、愕然となった。大殿では卿瑤(ケイヨウ)が長意から奇鋒の処分を任されていた。安堵する奇鋒だったが、卿瑤は狐族が見守る中、北淵が担う責務は狐族の栄誉より重いと糾弾する。ただし従兄の命までは奪えず、結局、奇鋒の全ての霊力を廃して北淵から追放した。長意は阿紀を自分の部屋に留め、独り冰湖にいた。すると空明(コウメイ)が現れる。「なぜ戻った?」「文を読んで奇妙に思ってな、古書を調べ回ったところ理由が分かった」実はあの時、紀雲禾は死んでいなかった。「紀雲禾の体内には林滄瀾(リンソウラン)が注入した両極の力が双脈を作っていた 御霊師としての心脈は尽きたが、九尾狐の霊丹は残っていたのだろう 事情を知る誰かが九尾狐に人像を与えたのだ」「それで…御霊師としての紀雲禾が死んだ時、記憶も消えてしまったのか 双脈の原理を知っているのは林昊青(リンコウセイ)、阿紀の師父とはあの者だな」空明は記憶を取り戻す方法を探してもいいと言ったが、長意は断った。「今の雲禾は明るく楽しそうだ、これは天からの恩情かもしれない、過去には戻って欲しくない」そこで長意は久しく封印していた雲苑(ウンエン)まで消した。洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星(クギョウセイ)は羅策(ラサク)から思わぬ話を聞いた。長意が阿紀を抱いて凌霜台(リョウソウダイ)へ連れて帰り、自ら治療までしたという。「まるで阿紀が紀雲禾のように思える」洛洛は長意が長く思いつめたせいで狐狸を雲禾の身代わりにしたいのだと誤解した。すると瞿暁星はもし阿紀と紀雲禾が似ているのなら奇跡だと喜ぶ。「雲禾が阿紀となって戻って来たのかも!」「いい?雲禾はたった1人、誰も取って代われないの!」空明は居所に戻り、自分が帰ったことを知らない洛洛を驚かせようと考えた。その時、突然、洛洛が現れ、空明に気づかず薬材の棚をあさり始める。「何か探しているのか?」「毒薬を…ってえっ?!」空明は感動の再会を期待して両手を広げて待ったが、洛洛は一方的にまくし立てた。「長意が小狐狸にたぶらかされたの! 毒薬を盛ろうと思ったけど、ちょうどいいわ、一緒に追い出しましょう!」「長意が立ち直ったならいいじゃないか?」「はあ?!雲禾が死んだから野狐を後釜に据えてもいいの?! あたなも私が死んだらすぐ乗り換えるのね?! いい?あの狐狸を追い出さないならあなたを殴るから!」すると空明は話を聞こうとしない洛洛を抱き寄せ、口づけした。洛洛は急に頭がぼうっとして何を話していたのか忘れてしまう。「君の代わりなんていない、この世で誰より君が大切だ」一方、長意は阿紀の寝顔を眺めながら、今度こそ雲禾に何の憂いもなく幸せであって欲しいと願っていた。人間界では雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が山猫族の夫婦の家に身を寄せていた。山猫夫婦の幸せな様子を見た三月はこの平凡で単純な″家″こそが得難いものだと実感する。するとついに無名山を調べていた天君・汝鈞(ジョキン)たちが戻って来た。「やっと謎を突き止めたぞ」無名山は″朱厭(シュエン)の乱″で戦場となった無量山のことだった。当時、無量山に反乱軍が集まり、先帝が琉璃心灯(ルリシントウ)で鎮圧を試みたという。戦は数ヶ月続き、結局、先帝は自分の身を犠牲にして朱厭を滅ぼした。その時の凄まじい衝撃で無量山は天界と人間界の狭間に落下、それ以来、500年に一度だけ陰陽が交錯する時にしばし山が開くという。飛廉(ヒレン)神君の計算によれば、ここ数日内に山が開くはずだった。「早く行かなくては!」離殊が突然、立ち上がり、雷沢(ライタク)神君はなぜそんなに焦っているのかと驚いた。すると離殊は一刻も早く仙師を倒して三月と婚姻を挙げたいという。飛廉は自分の″贈り物″が功を奏したのだと気づき、思わず失笑した。天君たちは再び地図にあった無名山の場所へやって来た。しかし崖のどこが狭間なのか、いつ開くのかも定かでない。すると離殊は誰かが自分を呼ぶ声を聞いた。三月は崖から足を踏み外しそうになった離殊を止めたが、確かに前方から声がするという。「あなたを信じるわ」そこで三月と離殊は硬く手を繋ぎ、思い切って崖から一歩、踏み出した。驚いたことに2人は落下せず、宙に浮いている。その時、前方に無量山へ入る結界が現れた。道なき道を渡り無量山へ入った汝鈞、するとなぜか四方(シホウ)神君の識海(シキカイ)にいた。四方神君と言えば父と共に戦死したはず、しかし先帝がわずかな元神を守り、この日が来るのを待っていたという。実は朱厭は完全に滅びていなかった。朱厭は悪念の権化(ゴンゲ)、そのため悪念がある限り消滅しない。あの戦いで肉体と霊丹が滅ぼされたが一条の魂が残り、先帝はかろうじてこの山に封じていた。そんなある日、偶然にも寧悉語(ネイシツギョ)と寧清(ネイセイ)が山に迷い込む。汝鈞は四方神君が見せた当時の映像で寧悉語が姉にそっくりだと知った。この時、寧悉語は高潔ゆえ影響を受けなかったが、まだ幼い寧清は心に隙があったのだろう。寧清には朱厭の言葉が届いた。…いつかお前は戻ってくるだろう…朱厭の期待通り師匠を失った寧清が姿絵を持って無量山にやって来た。その日は無量山の陰の気が極まる日、四方神君も朱厭と寧清の接触を阻止できなかったという。朱厭は自分と血の契りを結べば禁術を授けるとそそのかし、寧清は復讐を果たすため取引に応じた。こうして寧清は絶大な霊力と権勢を手にし、朱厭は姿絵に取り憑いて山を出ることに成功する。寧清はあの密室で朱厭をかくまいながら、その肉体を再生させるため殺伐の気を集めていたのだ。実は朱厭の真の姿は永年の玄冰(ゲンヒョウ)だった。寒霜(カンソウ)とは玄冰が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。「先帝は仙令のみ遺して落命された 私はここを離れられず、真相を知らせるべくお待ちしておりました 使命を果たせば消えるまで…」すると四方神君は朱厭を制することができる″殞魔(インマ)陣″を入れた琉璃心灯を渡して消散した。汝鈞が目を覚ますと皆も同じ結界の中にいた。実は全員が四方神君の識海の中へ入って全てを見ていたという。しかし異変に気づいた寧清が無量山に結界を張り、神君たちでも破ることはできなかった。三月もせいぜい北淵に伝令符を送ることしかできないという。そこで汝鈞は琉璃心灯を出した。先帝が戦った際に破損していたが、汝鈞は自分で修復し、主になってみせるという。朱厭は天君が琉璃心灯を手に入れたと知り動揺を隠せなかった。しかし寧清は天君にはまだ修為が足りず、心灯の修復は無理だという。「お前の望みは間もなく叶う」すると寧清は弟子の姫成羽(キセイウ)を連れて仙姫府を訪ねた。汝菱(ジョリョウ)は師匠から霊力を集めていることを指摘されたが、咄嗟に傷を早く治したいからだとごまかす。そこで寧清は朱凌から″雷火地脈(ライカチミャク)″について聞くよう助言し、出て行った。寧清は姫成羽が空明と通じていることなどお見通し、改めて自分を失望させるなと釘を刺した。一方、汝菱は雷火地脈が北淵の地下にあり、燃え上がると爆発して北淵ごと吹き飛ぶと知る。「これなら逃げる御霊師を簡単に捕えられます」阿紀は長意の術のおかげですっかり元気になった。「傷も治ったし、鮫人もいない…今のうち逃げようかな」「何だと?」そこへちょうど阿紀の独り言を聞いた長意が入って来た。「その…ちょっと散歩したいだけなんです」「では一緒に行こう」長意は急に阿紀の手を取り冰湖へ連れて行った。阿紀は冰湖の冷たい風を全身に浴びて嬉しそうだった。「気に入ったか?」「うん、思い切り走ってみたい!(はっ)いえ、逃げません」「構わぬ、好きにせよ」すると阿紀は嬉しそうに氷の湖を走り出した。しかしふと自分を眺めている尊主に気づき、足を止める。…あの目、なぜか懐かしくて、それに胸が高鳴る…長意はここが好きなら毎日でも来ようと言った。驚いた阿紀は苦役に戻ると言ったが、長意は阿紀を働かせたのは間違いだったという。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」つづく( ๑≧ꇴ≦)戻った〜!
2023.09.10
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第13話北淵(ホクエン)で捕らわれの身となった阿紀(アージー)。しかし機転を利かせて脱獄し、姫寧(キネイ)を連れて南方へ向かうことにした。すると雪深い森の中で急に首飾りの真珠が光り出し、方角を示す。阿紀は念のため姫寧を待たせ、独りで先を探ってみることにした。阿紀はやがて凍った湖に出た。すると酔い潰れて眠っている男の姿が見える。阿紀は試しに男の元まで行ってみると、驚いたことに夢に出て来る変わった男とそっくりだった。…なぜこんな所に?…その時、ふいに阿紀の脳裏に紀雲禾(ジーユンファ)の記憶が蘇る。万花谷(バンカコク)に運び込まれたその男は美しく大きな尾ひれを持ち、助けてくれた御霊師に″長意(チャンイー)″と名乗った。「長…意?」長意は誰かが自分の名を呼んだと気づき、目を覚ますと同時に阿紀を法術で吹き飛ばした。「何者だ?!」尻餅をついた阿紀は立ち上がった男が紋様入りの黒い外套を着ていることから、高貴な位だと気づく。その時、阿紀を探しに来た姫寧が叫んだ。「早く逃げろ!そいつは北淵尊主・長意だぁぁぁぁ!」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノしかし長意はあっという間に侵入者2人を拘束してしまう。「誰の差し金だ?!」激高した長意は阿紀を凍らせようとしたが、驚いた阿紀は無意識に叫んだ。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!」長意はその名を久しぶりに耳にし、しばし茫然と立ちすくんでしまう。そこへ羅策(ラサク)が駆けつけ、狐狸が牢を破って仲間を連れて逃げたと報告した。するとちょうど尊主が狐狸を捕まえている。「あ…こりゃずい分と可愛い狐で…」阿紀が夢で見た男は北淵の尊主だった。師匠が北淵に行くなと言ったのは自分と何か因縁があり、恨まれているせいなのかもしれない。…師父のためにも正体を隠し通さなくては…一方、奇鋒(キホウ)は長意が盧瑾炎(ロキンエン)をなかなか処刑せず、苛立ちを募らせていた。すると配下が駆けつけ脱獄騒ぎがあったと報告、すでに全員が捕まって大殿に連れ戻されたという。奇鋒は卿瑤(ケイヨウ)と一緒に大殿に駆けつけ、脱獄した4人を即刻、処刑場へ連れて行くよう命じた。しかし阿紀が反発、尊主は誰一人殺せないはずだと訴える。「尊主は″北淵は争うより手を携えることを望む″と言ったわ!」「…なぜそれを?」長意はあの時の宣言をなぜ狐狸が知っているのか訝しむ。そこで阿紀は咄嗟に風の便りに聞いたと誤魔化した。「調べもせず俺たちを殺せば噂になる、北淵も仙師府と同じだとな」「お前の名は?」「阿紀」「アージー?」すると長意はなぜか4人の死罪を免じ、猿翼(エンヨク)営での苦役を課した。盧瑾炎と符超(フチョウ)は尊主と堂々と渡り合った阿紀に一目置いた。しかし阿紀は実は怖くて尻尾が出そうだったという。「俺が話したから助かったわけじゃないさ」「じゃあお前の名前で助かったとでも?」盧瑾炎はからかったつもりだったが、阿紀はまさに名前がきっかけかもしれないと感じていた。盧瑾炎は聡明で度胸もある阿紀に自分の無実を晴らして欲しいと頼んだ。早く北淵を離れたい阿紀は面倒ごとはごめんだと断ったが、そこへ突然、尊主が現れる。蜘蛛の子を散らすように逃げて行く仲間たち、すると阿紀はなぜか鮫人に罪悪感を感じ、やはり仇敵なのだと確信した。「お前を鍛えてくれた師父はどこの神仙だ?」「師父?…」阿紀は言葉につまり、咄嗟に厠へ行くと断って飛び出した。阿紀は元の姿に戻って侍女になりすまし、北淵から逃げることにした。そこで女の衣装を招喚したが、着替えに行こうとしたところで尊主に見つかってしまう。長意は阿紀がまた逃げるつもりだったと知り、再び無妄窟(ブボウクツ)で反省させると脅した。「また閉じ込めるのか?!…尾は大きいのに心はちっぽけだな!」その時、長意の顔色が一変する。実は紀雲禾も全く同じことを長意に言ったことがあった。阿紀はその隙に逃げようとしたが、あっさり捕まって衣装を落としてしまう。「女子の衣…お前は女子なのか?!大尾巴魚と呼んだな?なぜその名を?!何者だ?!」(´・_・`).oO(まずい、このままじゃ正体を暴かれる…「どんな衣を着ようと勝手だろ?!女だと疑うな調べろよ!ほら!男同士だ、気にするな!」すると阿紀に迫られた長意は呆れて帰ってしまう。一方、林昊青(リンコウセイ)は謁見を求めて仙姫府の前で嘆願を続けていた。やがて汝菱(ジョリョウ)は引見したが、例の謎の力を使って林昊青から霊力を奪おうとする。しかしなぜか林昊青の霊力は身体が受けつけなかった。林昊青は人間界で捕縛した御霊師の身柄を引き渡して欲しいと上奏した。しかし汝菱は長老から取り上げた薊柏(ケイハク)草を放り投げ、本当に欲しいのはこれかと迫る。「全てお見通しよ、薊柏草は寒気をしのぐ、最も冷たい寒霜(カンソウ)でさえもね」激怒した汝菱は御霊師を皆殺しにすると言ったが、林昊青は自分が罰を受けると泣きついた。「私をお使いください、私の霊力は朱凌より強い、必ず役に立つでしょう」「万花谷を救って欲しいなら忠心を証明してみせなさい」林昊青は薊柏草を諦めるしかなかった。その時、思語(シギョ)が落ちている薊柏草を招喚、後ろ手に隠してしまう。林昊青は思語を引っ叩いて薊柏草を取り返し、仙姫の目の前で粉々に破壊した。すると汝菱は喜び、人質は解放するという。林昊青は仙姫に従順なふりをして長老たちを無事に解放した。東濂は谷主が薊柏草と自分たちの命を引き換えにしたと知って自責の念に苛まれたが、実は消滅した薊柏草は偽物だという。あの時、思語は本物と偽物をすり替え、林昊青に返していた。林昊青は長老たちを先に万花谷へ帰した。思語は谷主がかつて情鏡をすり替えた紀雲禾と同じ手を使ったと気づいていたが、今はあの時とは違って危機にいても生き生きして見えるという。「私を待つ人がいると思うと希望が持てる、阿紀との約束は守らなくては」「再会できるよう私が2人をお守りします」「お前こそ気をつけろ、思語姐姐に何かあったら阿紀が泣くぞ?」「分かりました」しかし寧清(ネイセイ)と悪念は汝菱ほど簡単に騙せなかった。寧清と悪念は林昊青の企みを見抜いていた。自分たちに必死に抗おうとする勇気は称賛できるが、残念ながら結果はすでに出ている。「それだけだ…」寧清は冷静だったが、悪念は順徳(ジュントク)が大勢の弟子を駆り出したことはどう収拾をつけるのかと心配した。「望み通りでは?そのために夢で彼女と会ったのだろう?」悪念は結局、自分に協力してくれる寧清に安堵し、それより無名山が見つかることを恐れた。「すでに人間界に人を遣わしてある」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は久しぶりに同じ寝床で眠った。しかし翌朝、三月が目を覚ますと、離殊は猫の姿ではなく人像のまま眠っている。三月は急に恥ずかしくなり、思わず離殊を寝台から突き落とした。どうやら子猫の誕生はまだまだ先のことになるらしい。その日も無名山を探しに向かった三月と離殊、すると2人の前に姫成羽(キセイウ)たちが現れた。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)を放った罪で捕縛する!」2人は反撃したが、離殊は三月をかばって姫成羽が放った呪詛で深傷を負ってしまう。「空明(コウメイ)はお前が悔い改めると信じているが、見誤っていたようだな」姫成羽は師兄の名を聞いて動揺、その隙に三月は離殊を連れて姿を消した。三月と離殊は思いがけず山猫族の夫婦に助けられた。山猫世子に恩がある夫婦は自分たちの家で静養するよう勧め、結界を張ってあると安心させる。一方、姫成羽は師匠に三月と離殊の捕縛に失敗したと報告していた。寧清は姫成羽が2人を見逃したと気づき、2度と失望させるなと釘を刺す。確かに姫成羽の手には師父からもらった呪詛がまだ残っていた。長意は阿紀に多くの監視をつけたが、特に変わった様子はなかった。しかしなぜか阿紀が気になり、ふと天君の言葉を思い出して空明に伝令付を送る。…先生、故人は本当にいつか戻って来るのだろうか?…阿紀は脱出する方法を思いつき、尊主に会いたいと頼んだ。尊主は通常、そんな些事に対応しないが、長意は阿紀だと聞くと大殿で会うという。すると阿紀は手柄を立てたら解放して欲しいと持ちかけた。「符恒(フコウ)を殺したのは盧瑾炎じゃない、尊主はどうせ分かっているんだろう? だから符恒を起こして聞いてみれば分かる 符恒は相柳(ソウリュウ)の末裔で9回、復活するんだ」阿紀は呪符を招喚し、この秘術を使えば生き返らせることができると言った。「やり方はここに記した…おっと、その前に約束してくれ、俺と姫寧を解放すると…」しかし長意はあっさり法術で呪符を奪い取ってしまう。「取引するなら品定めは欠かせぬ」長意は阿紀の妙案に内心、驚いた。そこでひとまず阿紀の苦役を解いて自由にし、沙汰は追って知らせるという。「秘術を得たんだ、裏切るなよ」阿紀は仕方なく大人しく戻った。すると長意は羅策に阿紀の計画を渡し、誰にも知られないよう密かに手配させる。しかしその話を奇鋒の配下が聞いていた。奇鋒は配下から報告を受け、羅策たちを追跡した。人目のない雪山ではすでに蛇族が棺を置いて待っている。羅策たちが早速、秘術を試すと、棺のふたが開いて亡骸が立ち上がる様子が見えた。驚いた奇鋒は口封じするため配下と共に駆けつけ、符超(フチョウ)たちも一緒に始末すると脅す。ついに馬脚を現した奇鋒、しかし棺の男が振り返って奇鋒の首に剣を突きつけた。「俺を陥れたのはお前か…」実は棺に入っていたのは盧瑾炎だった。そこへ長意が現れる。「復活の呪文などない」つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!アクアクさんになったと思ったらいつの間にか手がある!
2023.09.07
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第12話成長するにつれて紀雲禾(ジーユンファ)の記憶を夢で見るようになった阿紀(アージー)。その日も阿紀はまた奇妙な夢を見て師父に相談したが、それは雲禾の身体が消散した時のことだった。阿紀は夢の中で美しい男に抱かれ、氷の上に横たわっていたという。「そうだ、その人は長くて大きな尾があったわ! 彼は悲しそうな顔をして、目から珠が落ちたの…あ、これと似てる!」すると阿紀は自分の首飾りの真珠に触れた。驚いた林昊青(リンコウセイ)は咄嗟に阿紀の好物・玉釀酥(ギョクジョウソ)を招喚、阿紀の興味をそらす。「良くある夢だろう…阿紀、実は師父もある夢を見た、好きな人と恨んでいる人が出てくる夢だ 好きな人が離れるのを命懸けで留めようとしたが、恨んでいる人が言ったんだ ″お前にはなすべきことがある、お前の命や心よりもずっと大切だ″と…」「うーん…阿紀には良く分からない」一方、北淵(ホクエン)では尊主・長意(チャンイー)に反発する狐族・奇鋒(キホウ)が深酒していた。そこへ狐族の駐屯地を分けてもらった蛇族・符恒(フコウ)が現れ、奇鋒をからかう。「お前の従妹は尊主に首ったけだが相手にされていないとか…なら従妹も俺に差し出すか?」激情に駆られた奇鋒は方術を放ち、符恒が避けた一瞬の隙を狙って湾刀で首を切り裂いた。駐屯地の件で蛇族と争った盧瑾炎(ロキンエン)が酔って符恒を殺害、凌霜(リョウソウ)台に連行された。盧瑾炎は酔い潰れて目が覚めたら凶手にされていたと釈明したが、符超(フチョウ)は弟の手に盧瑾炎の腰牌が握られていたと証言する。「無実の者がなぜ冰湖(ヒョウコ)まで逃げたのだ?!」冰湖と聞いた長意の顔色は一変、盧瑾炎と符超を無妄窟(ブボウクツ)へ収監するよう命じた。卿瑤(ケイヨウ)は早まって処断しないよう諫言したが、長意は命乞いなど無用だと一蹴する。「北淵の掟だ、騒ぎを起こした者は殺す」奇鋒はまんまと身代わりに罪をなすりつけほくそ笑んだが、実は長意が本当に疑っていたのは奇鋒だった。長意は羅策(ラサク)に奇鋒の監視を命じた。そもそも北淵に来て間もない盧瑾炎が符恒の居場所を探り当て、酩酊状態で音もなく侵入し殺害するとは到底、考えられない。駐屯地での騒ぎの時も現場には奇鋒がいて険悪になっていた。奇鋒の御霊師への憎しみが増す中、なぜか今日は珍しく長意の判断に反対していない。長意は2人を断罪したと見せかけ、奇鋒が尻尾を出すのを待つことにした。「どちらにしても冰湖の静けさを脅かす者は許さぬ、あの2人には教訓を与える」万花谷では阿紀がついに幻形術を習得、林昊青も寒霜(カンソウ)の解毒薬の完成が間近になった。「もうすぐ東濂(トウレン)長老が薬材を持って帰ってくる、解毒薬が完成したら阿紀と出発だ」しかし東濂から思いがけない伝令符が舞い込んだ。…谷主、朱凌(シュリョウ)の埋伏(マイフク)に遭いました、谷主はどうかご無事で…結局、最後の薬材は手に入らず、火を入れた丹炉も爆発してしまう。林昊青は長老たちを救うため仙師府へ向かうことにした。そこで阿紀に急用ができたと伝え、ひとまず先に遊歴に出すことにする。「お前の法術は未熟ゆえ法宝を用意した、明日、独りで発て 南方に元部下がいる、文を出したゆえそこで待っていてくれ」思語(シギョ)は谷主が自分の留守中に阿紀の存在を仙師府に勘づかれるのを恐れ、逃すのだと分かった。すると林昊青は思語も阿紀と共に発つよう命じる。「父の敷いた道は独りで歩み、独りで死ぬ…」林昊青は思語の霊丹を戻すことにしたが、思語が咄嗟に取り出すのを止めた。「谷主に追従することがただ一つの望み、こたびの命には従えません!」翌朝、林昊青は幻形術で少年になった阿紀を送り出した。「今日から自由だ、好きなことをしろ、私が来なくても探さなくていい 自分のしたいことが必ず見つかる、だが3つの約束は忘れるな」林昊青は必ず行くと約束はしたが、いつもの指切りはしなかった。師匠に背中を押されて出発した阿紀、ふと振り返るとすでに師父の姿はない。その時、林昊青は木の影に姿を隠していた。「阿紀…いいか、もう振り向くな」↓皆さん、お忘れなく、周りにはこの顔に見えていますw北淵を旅立った洛錦桑(ルオジンサン)は人間界にいた。しかし紀雲禾を失った今、独りで賑やかな市場を散策してもちっとも楽しくない。その時、ちょうど御霊師たちを連れて帰来(キライ)客桟へ入って行く瞿暁星(クギョウセイ)を見かけ、後を追った。瞿暁星は洛洛がてっきり空明(コウメイ)を探しに来たと誤解した。「空明先生なら上で診療中だ、すぐに来る」「あの人は関係ない!…良縁を探してブラブラしていただけ」その様子を上階から空明が見ていた。すると良縁と聞いた御霊師たちがクスクス笑い出し、その器量では難しいという。「このそばかすなら修練で美しくなれるわ!」憤慨した洛洛は瞿暁星に一緒に修練しようと迫ったが、その意味を知る瞿暁星は断った。「君はただの友だちだし無理だ」「大丈夫、責任は取るから!」しかし突然、空明が現れ止めた。「また″責任か?!」空明は洛洛を客室へ連れて行った。洛洛は腹いせに部屋にあった酒を飲み始めたが、空明に取り上げられてしまう。すると空明も酒をあおり、2人は酒の勢いそのままに言い争いになった。「酔って次は誰に責任を取る?!」「先に去ったのはあなたでしょう?!」「いいか!君は私だけに責任を取ればいい!」「取らせないのはあなたよ!あなたは逃げてばかり!」その時、空明が洛洛の口をふさぐように口づけし、そのまま寝台へ連れて行った。再び情を交わした洛洛と空明、するとついに洛洛の顔からそばかすが消える。「もしかして私が好きなの?」「今さら?!君にとって私は何なんだ?!」「あなたがいないと毎日が楽しくなかった…あなたがいい、あなただけよ」一方、阿紀は独り人間界を楽しんでいた。大道芸をながめ、美味しい物を食べ、色々な土産を買うと、その日の宿を取る。…何だか前にも人間界に来たような気がするわ、夢で見た大尾巴魚(ダーウェイバーユー)と何か関係が?…しかし阿紀は師父が夢の話を嫌っていることを思い出し、手紙には書かなかった。「あ、霊力を感じる…もう師父が来たのかも!」阿紀は喜んで帰来客桟を飛び出したが、そこに現れたのは御霊師に追われる仙師の弟子だった。仙師府の弟子・姫寧(キネイ)は客桟の前で転倒、仙姫の命令でやむを得ず来ただけだと命乞いした。「私は誰も傷つけてはいない!」阿紀は無抵抗の姫寧を見捨てられず、思わず飛び出して姫寧をかばってしまう。そこへ偶然、洛洛が現れた。洛洛は目の前の少年がまさか紀雲禾だと思わず、御霊師に英雄気取りの狐狸も一緒に北淵へ送るよう頼む。…北淵?師父から行くなと言われているわ…驚いた阿紀は咄嗟に仙縄で洛洛を捕縛、陣を敷いて姫寧と洛洛を連れて姿を消してしまう。山へ逃げた阿紀は洛洛を木に縛りつけた。姫寧は恩人に感謝し、自分たちは悪党ではなく、命じられて仕方なく働いていると釈明する。「ふ~ん、どうやら悪党は北淵のようだな?」そこで阿紀はわざと洛洛を怖がらせたが、結局、何もせず解放することにした。すると連絡を受けた空明が瞿暁星たちと駆けつけ、背後からいきなり2人に法術を放って眠らせる。「洛洛!大丈夫か?!」しかし空明は狐狸と一緒に倒れているのが姫成羽(キセイウ)の弟弟子だと気づいた。ともかく2人を北淵に連行させ、洛洛も一緒に帰すことにする。再び離れ離れになってしまう空明と洛洛、しかし空明は御霊師たちの治療が終わり次第すぐ戻ると安心させた。長意が冰湖で独り酒を飲んでいると青(セイ)姫が現れた。青姫は仙師の様子を聞きに来たが、今のところ何の動きもないという。すると長意がすでに酒を2瓶も空けていると気づいた。「酔い潰れたいのは夢の中で誰かに会うため?」長意は説教じみたことでも言われると思ったが、青姫は自分も十方陣に閉じ込められた当初、酒ばかり飲んでいたと笑う。「でももし紀雲禾が健在なら、魂が抜けたあなたを見たいかしら?」青姫が帰ると、長意はまた飲み始めた。…構わないさ、夢の中でひと目でも君に会えるなら…しかしどんなに酒を飲んでも長意の前に雲禾が現れることはなかった。阿紀は戦の夢を見ていた。それは紀雲禾と朱凌が戦う様子だったが、記憶がない阿紀には意味が分からない。すると姫寧に起こされ、阿紀はようやく自分が北淵の無妄窟に収監されたと知った。…どうしよう、師父に怒られる…阿紀は何とか脱獄できないかと牢を調べたが、同じく収監された盧瑾炎が自分も試したが無理だったと教える。しかし阿紀は隣の牢にいる符超が蛇族だと分かった。符超が法術で姿を消すと、阿紀は守衛に隣の蛇族が穴を掘って逃げたと知らせた。守衛は慌てて駆けつけたが牢はもぬけの殻、そこで阿紀たちを呼んで蛇が逃げた穴を教えろという。阿紀は適当に岩壁の穴を指差すと、守衛が穴の中をのぞき込んだところで背後から盧瑾炎たちが頭を殴って気絶させた。阿紀の機転で脱獄した4人は雪山へ出た。盧瑾炎と符超はひとまずお互いの怨讐を忘れ、助けてくれた阿紀に感謝して別れる。阿紀は姫寧を連れて南方へ行くことにしたが、その時、急に首飾りの真珠が輝き出した。つづく(  ̄꒳ ̄)この顔はいつまで続くのか…
2023.09.06
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第11話汝菱(ジョリョウ)の顔の治療に固執する仙師・寧清(ネイセイ)。そんな中、不思議な霊力を手に入れた汝菱は朱凌(シュリョウ)を呼びつけ、人間界に逃げた御霊師たちを捕らえるよう命じた。上仙・姫成羽(キセイウ)は師匠に汝菱をたしなめるよう嘆願したが、ちょうど碁譜を解いていた寧清から遠回しに脅されてしまう。「…碁石は従えば石だが、逆らえば敵となる」「弟子としての本分を忘れるところでした…」「この件は朱凌に任せよ」姫成羽は朱凌に令牌を渡したが、最後まで手を引くよう説得した。しかし功名を得たい朱凌は無視し、仙師府の弟子たちを連れて出発してしまう。その中には仲間を捕えるのは嫌だと訴えていた弟弟子・姫寧(キネイ)の姿もあった。姫成羽は恩を受けた師父に背くのは罪だと言い聞かせたが、後ろめたさに苛まれてしまう。その時、22話で長意(チャンイー)から聞いた空明(コウメイ)師兄の伝言を思い出した。…愚かさに気づいて己の道を歩め…一方、雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は天君・汝鈞(ジョキン)たちと合流、無名山を探していた。しかし広物集(コウブツシュウ)が示す場所に到着しても山は見当たらない。そこで汝鈞は一度、天庭に戻って古書の記録を調べることにした。三月と離殊はこのまま人間界に残って引き続き調査することになったが、別れ際、飛廉(ヒレン)神君が離殊に贈り物を用意しておくと悪戯っぽく笑う。「いずれ分かる…では」姫成羽は長意が伝言と一緒に返してくれた縫いぐるみを大切に持っていた。それはかつて姫成羽が空明の誕辰に贈ったお祝い、2人は親がないため玩具とは無縁に育っている。実は姫成羽は人間界で師兄が縫いぐるみを眺めていたのを偶然、見ていた。『人間界では魔除けの意味があり、平安と勇気を示す物だと…師兄に贈ります』姫成羽はあの時のことを思い出し、空明がなぜ縫いぐるみを返したのかその意味を察した。「平安と勇気か…」その夜、三月と離殊はふもとの町で宿を取った。しかしその日に限ってどの宿も満室、唯一この宿の1室だけが空いているという。「奇妙な話です…あ、ちなみに布団もその1組だけしかありませんから~」離殊は神君の言った贈り物がこれだと気づき、戸惑う三月を尻目にほくそ笑んだ。長意は紀雲禾(ジーユンファ)の死後、ほぼ不眠不休で政務に没頭していた。時折ふいに冰湖(ヒョウコ)へ行っては、ただ立ち尽くしている。羅策(ラサク)は鮫珠が戻って霊力が強くなっても、これでは身体が参ってしまうと心配していた。すると空明が現れ、姫成羽が仙師府の様子を伝えて来たと知らせる。「順徳(ジュントク)が仙師府の弟子に命じて人間界にいる御霊師を捕らえるそうだ」空明は御霊師を救えば仙師と順徳を見限って北淵に集まり、北淵の力も増すと期待した。「分かった、行ってくれ、私は残る」「…紀雲禾のこと、すまなかった」「雲禾が決めたことだ、誰も阻めない」「少し休むべきだ、こうなった今、自分を責めても仕方がない」空明は人間界へ出かける前に洛錦桑(ルオジンサン)に会いに行った。青(セイ)姫も三月も離殊もいなくなった屋敷に独り残された洛洛。実は霊石を貯めて雲禾と約束した通り常春の仙島を買うことにしたという。「ここを去るわ、嫌なことは全部、置いて行くの」「私も遠くへ行く、別れを伝えに来た」洛洛も空明も相手を思いやりながら、結局、素直な気持ちを伝えられず、離れ離れになった。その頃、万花谷では林昊青(リンコウセイ)に守られながら阿紀(アージー)がすくすくと育っていた。胸元には今も赤い真珠の首飾りがある。やがて阿紀は不思議な夢を見るようになった。これも外の世界を知らないせいだと考えた阿紀は結界から出たいと懇願、すると林昊青は護身の法術を覚えたら遊歴に連れて行くと約束する。「本当に?!やったー!早く行きたいわ!」そして阿紀は眠るたびに成長、あっという間に当時の紀雲禾とほぼ同じまでに戻った。阿紀はほとんどの法術を習得した。すると林昊青は最後に最強の法術を授けるという。それは外見を変える幻形術だった。「鏡を見よ」阿紀が鏡をのぞいてみると、驚いたことに見知らぬ少年の姿が映っている。実はこれは九尾狐だけが使える法術だった。林昊青はこの術を習得したら外へ連れて行くと約束したが、その代わり3つの条件を出す。「鹿台(ロクタイ)山へ行かないこと、元の顔を絶対にさらさないこと、そして北淵に入らないこと」「誓います!」北淵は御霊師や多くの仙友たちが集まり、今や人間界の町のように賑やかになった。しかしそのせいで思いがけず御霊師と地仙たちの間で諍いが起きてしまう。南方からやって来た盧瑾炎(ロキンエン)たちは仲間が多いので蛇族たちに駐屯地を譲れと迫った。双方は一触即発となったが、卿瑤(ケイヨウ)が駆けつけ、盧瑾炎たちに場所を譲る代わりに蛇族たちには狐族の駐屯地から3分の1も譲るという。蛇族は喜んで条件をのんだが、奇鋒(キホウ)は長意のために譲歩ばかりする卿瑤に不満を募らせた。卿瑤は長意の書斎を訪ね、騒ぎを収めたことを報告した。空明のおかげで仙師に不満を持つ御霊師は増える一方だったが、狐族の長老たちは尊主が御霊師ばかり厚遇していると誤解している。「尊主は有能な者を多く集めたい、全て北淵のためなのに…」卿瑤は批判されても釈明せず、黙々と政務を続ける長意の姿に胸が痛んだ。「まるで紀雲禾があなたをここに閉じ込めてしまったみたい」長意の書卓の上には今も雲禾からもらった貝殻があった。今日は紀雲禾の誕辰、思語(シギョ)は阿紀を起こし、師匠が花海(カカイ)で待っていると教えた。かつては政敵だった紀雲禾、当初は谷主のために世話を焼いていた思語だったが、無邪気に慕ってくれる阿紀に自然と顔がほころぶ。花海では林昊青が阿紀の生誕祝いに人間界から持ち帰らせた花火を見せた。阿紀は無邪気に喜んだが、なぜか見覚えがあると気づく。それは紀雲禾が人間界で長意と見た花火だった。しかし記憶がない阿紀は今は花火より菓子が食べたいと訴える。「幻形術は習得したか?」「…それが幻形術だけはなかなかうまくいかないの」すると林昊青は習得するまで食事抜きだと命じた。阿紀は謎の魚の幻影に悩まされ、訓練に身が入らなかった。そこへ林昊青が現れ、実は人間界の長寿麺を作ったという。「師父はやっぱり優しいのね!おいしい!」すると阿紀は修練を怠けているわけではなく、悪夢に心を乱されていると告白した。「なぜか氷の上に横たわっていて、雪も降っていて寒いの 誰かが私を抱いて、私は顔を見上げている 見たところかなりの美男よ、その人は長くて大きな尾があったわ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)変なカツラキター!
2023.09.05
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第10話天君・汝鈞(ジョキン)は姉の不始末の責任を取るため北淵(ホクエン)を訪ねた。しかし長意(チャンイー)は紀雲禾(ジーユンファ)の亡骸のそばを離れられず、雲苑(ウンエン)に閉じこもったまま出てこようとしない。雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は説得に向かったものの、長意の気持ちを考えるとまだまだ時間がかかりそうだった。雲禾の死を受け入れられない長意。すると窓から吹き込んだ風で広物(コウブツ)集が転がり落ち、その衝撃で間に挟まっていた紙が飛び出した。そこには13話で2人が仲良く崖から人間界の町を眺めている様子が描かれている。裏には雲禾の遺書が残されていた。…風のように自由でいろと言ったわね…死んだ後も風に身を任せて世間を見ることができれば満足よ…私がいなくなったらあなたは悲しむかしら…この文を読んでもらえるかどうかは天意に任せるわ雲禾の手紙を読んだ長意は天君を雲苑に呼んだ。汝鈞は雲禾の死を悼み、北淵への謝罪と償いに来たという。そして力を合わせて仙師府を倒し、平和を取り戻そうと提案した。「尊主にも恨みがあろう、でも衆生への愛は消えていないはず… 返事は急がぬゆえ考えてみて欲しい」汝鈞は長意のやりきれない悲しみを思い、無理強いはせず戻った。長意は独り人間界へ出かけた。雲禾と中秋節を楽しんだ町も今夜は閑散としている。…雲禾、四海八荒(シカイハッコウ)の幸が永続するならどんなにいいだろう…すると長意はようやく雲苑の結界を解いた。洛錦桑(ルオジンサン)、三月、離殊、空明(コウメイ)が身守る中、長意は雲禾の亡骸を抱いて冰湖(ヒョウコ)に出た。そして雲禾が以前、脱走して倒れていた場所までやって来る。…覚えているか?ここは君が逃げてきた所だ…″心から幸せを感じた″と言っていたな…あの日、本当は早くから君を眺めていたんだ、君の本来の姿を見てすぐには止められなかった…あれは私が知る限り最も単純で幸せそうな君だった…実を言うと羨ましい、人生の最後に君は解き放たれた、私からもその時、長意の血の涙がこぼれ落ち、雲禾の手のひらで赤い真珠となった。ついに亡骸の封印を解いた長意。すると雲禾の身体が消散し、風に乗って舞い上がって行く。…雲禾、君はもう世界中を自由に飛び回れる、世界の争いや束縛は私が取り払うよ…同じ頃、凌霜(ヒョウソウ)台からも御霊師や地仙たちが北淵のために散った雲禾を見送っていた。長意はいくつか書物を持ち出してから雲苑を封印、氷で固く閉ざした。その時、偶然、羅策(ラサク)の腕から落ちた広物集が開き、雲禾が印をつけた頁が開く。小さく折り畳んだ頁の角には″寧清(ネイセイ)″とあった。「天君を大殿に呼んでくれ」長意は天君に雲禾が印をつけた広物集の頁を見せた。詳しいことは何も分からなかったが、そこへ空明がやって来る。すると天君はかつて遊歴で出会ったあの男だと気づいた。「そなたか?!」「あの時の?!」実は天君こそ空明が人間界で失意のどん底にいた時、救ってくれたあの神仙だった@15話。「全ては運命で繋がっていたのですね」死を覚悟した雲禾は戦場に赴く前、空明に寧悉語(ネイシツギョ)から聞いた話を明かしていた。「いつか天君に会えたら伝えて欲しいと…その書物の作者は寧悉語です」天君たちは寧清の悪行の全てが亡き師匠・寧悉語のためだと知る。当時、寧清は一介の御霊師に過ぎず、林(リン)氏より位が低かったが、ある時、瞬く間に目覚ましい進歩を遂げた。寧悉語の話では寧若初(ネイジャクショ)を殺してから寧清はしばらく万花谷を離れたという。風に乗って寧清を追跡してみたところ、行き先はかつて偶然に迷い込んだ奇妙な山だと分かった。しかしその時、寧悉語はなぜか山に入ることができなかったという。遊歴が好きな寧悉語は寧清と各地を巡っていた時、いつの間にかある荒れ山に足を踏み入れたことがあった。そこは最も憧れることと恐れることが幻覚となって現れる奇妙な山だったという。寧悉語は別世界に入ったと気づいて探ろうとしたが、気がつくとすでに外へ出ていた。戻ろうとしても2度と入れず、広物集に″無名山″と書き記しておいたという。寧清はその山を降りた時から不思議な力を身につけていた。その後、修為を伸ばして出世、御霊師の頭領となり、やがて寒霜(カンソウ)を作って万花谷を支配する。雲禾が19話で偶然にも密室を見つけたのは寧悉語が風で導いたからだった。『あの絵姿は妙よ、何か隠されているはず…』雲禾が印をつけたのはどうやら無名山の頁だった。その時、汝鈞は無名山の絵と砕けた仙令が示した図が似ていると気づき、2つを重ねてみる。すると無名山の絵と仙令の図がぴったり一致した。汝鈞は神君たちと早速、無名山を探しに行くことにした。そこで最後に長意に思わぬ言葉を残す。「尊主、朽ちた花は形をなくすが、息吹はまだ世間を漂っている、緑が絶えぬ限り流転する 数千年後、故人も戻るかもしれない」一方、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)を解放していた。帰順した御霊師は北淵で受け入れるが、中には自由に生きたい者もいたという。どちらにしても空明の薬があり、命の危険はないと安心させた。思語は仙師の目が光る万花谷へ戻るより北淵に留まった方が安全だと進言した。しかし林昊青にとって万花谷は家、まだ谷に残っている力ない者たちを放っておけないという。何より寒霜を解毒する方法を必ず見つけねばならない。すると瞿暁星(クギョウセイ)と東濂(トウレン)長老たちが駆けつけ、谷主と一緒に帰ると言った。林昊青は感謝したが、瞿暁星には北淵に残って欲しいという。「お前は長意と親しいだろう?…北淵で仲間の面倒を見てくれないか」「分かりました…でも雲禾は本当に死んだのでしょうか?」「…生きていればいつか願いは叶う」長老は谷主に頼まれ、弟子を連れて寒霜の薬に必要な薬材を探しに出かけた。すると林昊青は万花谷ではなく山へ入り、やがてうずくまっている狐を見つける。「紀雲禾だ…」実は双脈の雲禾は元神が散っても卿舒(ケイショ)が授けた九尾狐の霊丹が残っていた。思語はようやく谷主が仙姫から雲禾を殺せと命じられても怯まなかったのは、雲禾が復活できることを知っていたからだと気づく。「彼女をどこへ?長意には?」「雲禾は北淵や万花谷のために犠牲を払い過ぎた…もう過去の苦しみを忘れさせてやりたい」林昊青は大事そうに狐を抱きあげると、万花谷に連れて帰った。一方、三月は志半ばで力尽きた雲禾のため、代わりに願いを叶えようと決めた。離殊はそんなことだろうとすでに飛廉(ヒレン)神君に後を追いかけると連絡しておいたという。こうしてそれぞれが前を向き始める中、洛洛だけは雲禾を失い途方に暮れていた。雪山で独り酒をあおる洛洛、そこへ空明が現れる。「身体を大切にしろ」「…独りで生きて何になるの?」雲禾は天敵に襲われ万花谷に落ちて来た洛洛を助け、いつもかばってくれた。「でも雲禾は死んだ…誰のために生きればいいの?」「私だって君を必要と…」空明は大義をなすため言葉を飲み込み、そっと外套を掛けた。「自分の道は必ず見つかる、それまでは身体を大切にするんだ」すると空明は帰ってしまう。林昊青は雲禾の生存を隠すため、かつての居所から雲禾の好きな花海(カカイ)まで結界で覆い隠した。そこで狐に自分の半生分の霊力を分け与え、千年の修為が必要とされる人像(ヒトガタ)を与えてやる。人間の姿になった狐は幼い頃の雲禾そのものだった。しかし雲禾は過去の記憶を失い、自分のことも林昊青のことも何も覚えていない。「生まれ変わったんだな…」すると雲禾は美しい真珠を一粒、大事そうに握りしめていた。思語は長意の涙だと気づいて回収しようとしたが、林昊青は持っていても構わないと許す。「君の名は″阿紀(アキ)″、私は君の師父だ」「師父!」北淵での戦が失敗に終わり、姿絵に封印される悪念は苛立ちを隠せなかった。しかし寧清は汝菱(ジョリョウ)の顔の傷を治すことに執着し、全く話を聞こうとしない。痺れを切らした悪念は寧悉語にとって最も大切な弟子は寧若初だけだと挑発したが、憤慨した寧清は出て行ってしまう。「好きにしろ!」悪念は汝菱の夢の中に入り込み、最も恐れる幻覚を見せた。…師父と弟に見捨てられ悲しみに暮れる汝菱、するとどこからともなく声が聞こえてくる『力を持たねば誰からも侮辱される、力こそが全てなのだ 踏みにじられる弱者のままでいるか?それとも万民に君臨する仙姫に戻るか?』『力をちょうだい、ここから出して!』『ここを出たいのなら他人の霊力を奪うのだ』すると汝菱の手の平に不思議な力が宿る…汝菱はそこで目を覚ました。夢を見ていたのだと分かったが、ふと手の平を見ると本当に力が宿っている。その時、仙娥が薬を持ってやって来た。汝菱は試しに手の平の力を使ってみると、驚いたことに本当に霊力を奪うことができる。つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!まさかアクアクだったとは!w
2023.09.04
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第9話洛錦桑(ルオジンサン)に紀雲禾(ジーユンファ)を助けると約束した空明(コウメイ)。しかし北淵(ホクエン)と万花谷(バンカコク)の戦を止めたいという雲禾の強い意志に共感し、一度だけ霊力を奮起させる薬を渡した。「だが戦を阻む方法はあるのか?」「その前に会っておきたい人がいるの」その頃、父を弔った狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は位牌の前で敵討ちを誓っていた。すると空明が父を殺した紀雲禾を連れて現れる。興奮して今にも雲禾に掴みかかりそうな卿瑤、しかし空明が止めた。実は雲禾は狐王の霊を慰め、長意(チャンイー)を救う方法を伝えるために来たという。「従棘所(ジュウキョクショ)に捕らわれていた時、仙師から聞いたの、鮫族は霊力を回復できると… 鮫珠が長意の身体に戻れば、あるいは失う前より強い霊力を取り戻せる 私は争いを阻止したいだけ、この美しい北淵で皆に楽しく酒を飲んで欲しい」御霊師たちは自分たちが寒霜(カンソウ)で操られていると知り、そのせいで士気が下がっていた。両軍の共倒れを狙う朱凌(シュリョウ)は撤退させるつもりなど毛頭ないが、そんな敵軍の変化に長意が気づく。そこで兵を退く引くなら林昊青(リンコウセイ)を引き渡すと提案した。「長意!我々も不本意だが戦わざるを得ないのだ!」瞿暁星(クギョウセイ)はついに号令をかけ飛び出した。その時、雲禾が空明と卿瑤を連れて両軍の間に割って入る。「やめて!」長意は雲禾の元気な姿に驚き、急いで駆けつけた。雲禾は林昊青が北淵に進行した目的は仲間たちを帰順させるためだと明かした。仙師から寒霜を強制された時からすでに万花谷の負けは決まっていたという。「今後も支配され続けていいの?!」すると空明は自分が寒霜を抑える薬が作れると伝えた。実は以前、助けた御霊師たちは薬を飲んで健やかに暮らしているという。しかし長老は御霊師を恨んでいる地仙たちが自分たちを受け入れるとは思えなかった。そこで卿瑤が御霊師たちを安心させるため、自分たちの敵は父の霊丹を砕いた仙師であり、仙友たちを脅かしたのは順徳仙姫(ジュントクセンキ)だと伝える。「ここに誓う!北淵に帰順し、共に戦いたいと願う御霊師を快く受け入れ、決して傷つけないと!」雲禾は寒霜に侵されようと正義や希望まで失うわけではないと叱咤し、自分たちの魂は永遠に自由だと訴えた。(」゚ロ゚)」<自由だぁあ~~~~~~!!! ←違うw長意は尊主として争いより手を携えることを望み、北淵に加わる者を決して裏切らないと約束した。すると真っ先に瞿暁星が帰順を表明、御霊師たちは次々に剣を捨てて追従する。雲禾たちは平和的解決に安堵したが、そこへ仙姫の仙侍・朱凌(シュリョウ)が現れた。朱凌は投降した万花谷軍に激怒、仙姫から授かった術で御霊師たちの寒霜を発動させてしまう。「ぶっはははは~!薬があると言ったか?御霊師3000人を一度にどうやって救えるかな?」その時、意を決して雲禾が舞い上がった。雲禾は御霊師たちの暴走する寒霜を止めるため、霊力を全て使い果たした。驚いた長意は落下する雲禾を抱き止めたが、その隙に朱凌は逃げてしまう。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)…本当に風になれた…」「雲禾…暖かい雲苑(ウンエン)に戻ろう」その頃、無妄窟(ブボウクツ)にいた林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)は戦鼓の音が止んだことを訝しんでいた。するとふいに風が舞い込み、林昊青は雲禾の散った霊力だと気づく。「まさか…」長意は雲禾を連れて湖心島に戻った。すると雲禾はこのまま外で雪が見たいという。「私は君を許していない、死なせないぞ!」しかし雲禾は激しく喀血した。必死に自分の霊力を送る長意、その悲痛な面持ちを見た雲禾は最後の力を振り絞って長意の頭に手を伸ばす。「なでると…楽に…なるわ…」その時、雲禾は心海の中で長意の幻影にようやく全てを明かした。…本当は言いたかった、私は裏切っていないと…でも言えなかったの、大局のため嘘をつき、自分の心も偽った…怖かったの、私のした事全てが誤りに思えて…あなたを騙し、去るよう仕向けたこと、崖であなたを刺して絶望させたこと…あなたの純粋な心を引き裂き、別人のように変えてしまった…今さら言っても無駄ね、私たちはもう戻れない『大尾巴魚、私を忘れてどうか楽になって欲しい』すると雲禾の手が力無くだらりと落ちた。空明は洛錦桑を連れて湖心島へ駆けつけた。するとちょうど雲禾の体内にあった鮫珠が長意へ戻る様子を目撃する。それは雲禾が息絶えたことを意味していた。「雲禾…目を開けて…起きるのよ…」洛洛は雲禾に呼びかけた。「騙しているんだ、いつも嘘ばかりつく、あの時も私を逃がそうと嘘をついて刺したんだ 今度は自由になるために死んだふりをしている」雲禾の死を受け入れられない長意、その時、激怒した洛洛が長意を突き飛ばして雲禾を奪った。「あなたのせいよ!全てあなたのためだと知っていたのに、なぜ雲禾を閉じ込めたりしたの?! 雲禾はあなたのことが一番好きだった、でもあなたは譲歩しなかった 雲禾は最後まであなたを助けたのに…」しかし長意は洛洛から雲霞を取り返し、黙って雲苑に入ってしまう。長意は雲禾を寝台に寝かせて結界で身体が消散しないよう守った。「過去の事などどうでもよかった…君をどうしても留めておきたくて 結局、どこへ閉じ込めようと君は離れて行ってしまうのか? …お願いだ、私をまた1人にしないでくれ」長意の涙は大きな真珠となり、床にこぼれ落ちた。長意は雲苑を封印、洛洛は中に入れなかった。空明は泣きじゃくる洛洛をなだめ、これも天意であり雲禾の願いだったと言い聞かせる。その時、洛洛はふと気づいて空明と距離を取った。「雲禾を守ってくれると約束したはずよ?…だましたのね?」「…すまない」「もう2度と会いたくない、責任も取らないから…」すると洛洛は逃げるように去ってしまう。洛洛は青(セイ)姫を頼ったが、すでに出立した後だった。…楽游山(ラクユウザン)にへ帰るわ、縁があればまた会いましょう…。゚( இωஇ )゚。<みんな去ったぁぁぁ~一方、卿瑤は父の位牌に雲禾が亡くなったと報告していた。最期まで北淵を案じていた雲禾。卿瑤は雲禾を誤解して偏見を持ち尊大だったと反省し、ようやく大局を理解できたという。「父王の仇敵は必ず討ちます、でもやはり自分の過ちが悔やまれます」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が玉露霊芝(ギョクロレイシ)を手に入れて帰ってきた。しかし悲嘆に暮れる洛洛の様子で間に合わなかったと知る。一方、汝菱(ジョリョウ)は独りでのこのこ帰ってきた朱凌に激怒した。「またしても失敗するとは!」「仙姫!お待ちを!紀雲禾が死んだのです!それで急いで戻りました!」汝菱は急に機嫌を直したが、その時、三月から訃報を聞いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが現れる。すると汝鈞は朱凌に最も重い罰を与え、姉を閬風巓(ロウフウテン)へ連れて行った。汝菱は両親が混沌へ戻った時、この菩提樹に弟の元神を入れて世話をした。「この中に肉親がいると思えば寂しさが紛れたわ」「そうだ、懸命に守ってくれた…だが過去の話だ」汝鈞は姉の堕落ぶりを嘆き、心を入れ替えて欲しいと訴えたが、その思いは届かなかった。「紀雲禾は私の顔を傷つけ、仙師は私を身代わりにした、私を侮辱したの 失った物を取り返して何がいけないの?」姉に全く悔いる気持ちがないと知った汝鈞は北淵の出兵が天道に背くとして姉の仙号を剥奪、禁足を命じた。汝菱は猛反発、しかし菩提樹が放った強力な霊力の仙縄で拘束されてしまう。「これは両親が植えた木、霊性の宿る木も姉上に怒っているようだ …また過ちを犯した時は姉上を捨てる」楽游山では青姫が独り酒に溺れていた。雲禾が亡くなってから届いた思わぬ知らせ、実は寧若初(ネイジャクショ)は約束を破ったわけではなく、寧清(ネイセイ)に殺されたという。…若初、寧清が弱りきった時を待つわ、その時、あなたと共に敵討ちをする…つづく( ;∀;)ぁぁぁぁぁ~
2023.09.03
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第8話100年に一度しか現れない無量金雷に見舞われた雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)。三月は離殊を突き飛ばして逃したが、離殊はすぐさま戻って三月を抱きしめかばった。しかし危機一髪のところで天君・汝鈞(ジョキン)が仙令を放って2人を金雷から救ってくれる。2人は無事だったが、金雷が直撃した仙令は身代わりとなって砕けた。三月は天君が先帝の法宝を犠牲にして自分たちを守ったと知り、どう償えば良いのか分からなかった。しかし汝鈞は罰を受けるなら使うと決めた自分だという。「今日1人を見捨て、明日は千人、万人の命を見捨てれば、私は永遠に衆生を救えまい 仙令や神兵がなくとも、世を救う決意は揺るがぬ」こうして新たな悟りの境地を開いた汝鈞、すると急に仙令の破片が飛び散り、また新たな図を示した。汝鈞は玉露霊芝(ギョクロレイシ)が成熟したと確認、自ら摘み取って三月に託した。「紀雲禾(ジーユンファ)に届けよ、いずれまた会おう」汝鈞は三月たちを見送ると、しみじみこれが合虚(コウキョ)神君の言う″縁″なのだと感慨深かった。一方、雲禾は林昊青(リンコウセイ)と一緒に逃亡を決意、呪符を使って烙印の効果を消した。「長意(チャンイー)…私は行くわ」ちょうど同じ頃、林昊青に呼応した御霊師が敵陣に夜襲をかけ、長意たちを引き付けた。雲禾はその間に無妄窟(ブボウクツ)へ潜入、護衛を倒して林昊青と合流する。しかし思いがけず狐王・卿玄(ケイゲン)が狐族を率いて現れた。雲禾は狐王が目を覚ましたと知り驚いた。ともかく和睦のために逃して欲しいと懇願したが、狐王の目的は長意を惑わし娘を苦しめる雲禾を始末することだという。「林昊青と紀雲禾を殺せ!」その頃、長意と空明(コウメイ)は高台から戦況を見ていた。しかし御霊師は進んでは戻り、挑発しているように見える。「陽動作戦か?…しかし目的は?」すると洛錦桑(ルオジンサン)が現れた。「大変よ、雲禾が林昊青と脱走して狐王に見つかったわ」「狐王?」雲禾はこのままでは術の効果が切れ、長意に気づかれると焦った。そこで隠魂針(インコンシン)を招喚、自分たちを解放するよう脅す。狐王は雲禾が妹の霊力を奪ったと誤解し、思わず襲いかかった。驚いた雲禾は咄嗟に師兄をかばって盾になったが、その時、卿舒(ケイショ)からもらった霊力が反応、狐王は激しく吹き飛ばされてしまう。狐王は九尾狐の霊力が雲禾を守ったことに驚きを隠せなかった。実は霊力はおのずと主を守る。林昊青はこれで卿舒自ら雲禾に霊力を与えたことが証明されたと言ったが、激情に駆られた卿瑤(ケイヨウ)は2人を殺せと命じた。林昊青は咄嗟に結界を開いて別の洞窟へ移動した。そこで偶然、谷主を心配して探しに来た思語(シギョ)と合流するが、すぐ追っ手に囲まれてしまう。すると知らせを聞いた長意が現れた。「これが目的だったのか…全ては逃げるための手段だったとは…結界を緩めるべきではなかった」雲禾の計画は失敗、結局、衰弱した身体で再び湖心(コシン)島に監禁され、林昊青と思語は牢に閉じ込められてしまう。狐王は卿瑤の与えた霊力で一瞬、息を吹き返しただけだった。すでに霊丹が砕けて死んだも同然だったことから、空明はもうもたないと宣告する。奇鋒(キホウ)はこれも全て長意が紀雲禾を連れて来たせいだと八つ当たりしたが、長意はそもそもなぜ狐王の蘇生を隠していたのかと怪しんだ。「その間、雲禾を監視し、牢へ行くのを見届け、牢破りの罪で殺すつもりだったのか?!」その時、狐王がふいに意識を取り戻し、紀雲禾の殺害を謀ったのは自分だと明かした。狐王は霊丹が砕けた長意を救ったのは自分ではなく娘だったと明かした。あの時、卿瑤は人像(ヒトガタ)を失う覚悟で自分の霊力の半分を長意に与えたという。しかし卿瑤は恩を売ることを嫌がり、これまで父が助けたことにして隠していた。狐王は娘の恩に報いて欲しいと哀願し、長意に卿瑤と北淵を託して死んでしまう。林昊青と思語の牢に長意がやって来た。長意は全て林昊青の仕業だろうと激怒、頑なに雲禾は渡さないと拒む。すると林昊青は雲禾が計画を明かそうとしないのは長意を他人だと思っている証しだと指摘した。「雲禾との縁は尽きたのだ、手放せ、お前では守れぬ」「紀雲禾は私が守る!」林昊青は長意が出ていくと早速、瞿暁星(クギョウセイ)に伝令符を放った。狐王の死で北淵と万花谷は一触即発、何とか衝突を避けなければならない。一方、大殿に集まった狐族は狐王の復讐を果たすべく、紀雲禾を殺して開戦しようと声を上げていた。知らせを聞いた長意は騒ぎを鎮めるため凄まじい法力を放って狐族を圧倒、紀雲禾に手を出すことは許さないという。そして恩返しとして卿瑤に自分の半生分の霊力を一方的に返した。「その霊力があればこの戦いで命を落とすことはない、北淵は私が責任を持って守る これで狐王との約束は果たした、その代わり誰も私から雲禾を奪うことはできぬ!」↓スタイリストさん、もうちょっと何とかならなかったのか朱凌(シュリョウ)は瞿暁星が林昊青の命令に従って勝手に動いていることに激怒した。「逆らえば皆、寒霜(カンソウ)で死ぬことになるぞ?」「寒霜とは何だ?」その声は長老の東濂(トウレン)と木沢(ボクタク)だった。2人は谷主が捕らわれたと聞いて駆けつけたが、そこで思いがけず朱凌の口から″寒霜″という流言を聞く。しかし朱凌は説明するのも面倒だと言い放ち、瞿暁星に北淵を攻めろと命じた。木沢は谷主の命にしか従わないと猛反発、すると激怒した朱凌は木沢の寒霜を発動させてしまう。「素直に従うんだな、私に逆らえばどうなると?」瞿暁星は解毒薬を渡すよう頼んだが朱凌は無視、木沢は見せしめとして死んでしまう。卿瑤は長意の仕打ちに動揺したが、空明は長意を追い詰めたのは卿瑤だと指摘した。北淵の敵は本来、仙師府であり、万花谷でも紀雲禾でもない。しかし卿瑤は長意が林昊青と結託して父を殺した雲禾をなぜ守るのかどうしても納得できなかった。「…世に矛盾は多く、人の心は複雑だ、時には目で見るより心で悟るべきなのでは? 狐王はもういない、今後どう歩むべきかは自分でよく考えて決めるしかない」雲禾は昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会した。すでに反発は心脈に迫り、余命はわずかだという。寧悉語はこれが万花谷と北淵の運命であり、雲禾には何もできないと言った。雲禾が目を覚ますと洛洛がいた。聞けば万花谷軍は朱凌が率いてすでに布陣しているという。卿瑤も敵討ちを叫び、今にも戦いが始まりそうだった。長意は雲禾を復讐から守るため恩返しという名目で半生分の霊力を卿瑤に渡したという。これまで運命に翻弄されて来た人生、雲禾は仙師が自分を手駒として使うつもりなら、徹底的に抵抗すると決意した。「洛洛、長意に会いたいと伝えてくれる?命が尽きる前に会いたいの…」洛洛は尊主の居所に駆けつけたが、長意は会わないと突っぱねた。「長意、前はあんなに素直だったのに、どうして心を隠すの?」「心を隠す?…隠しているのは誰だ?!」すると激高した長意は方術で洛洛を外に放り出してしまう。…雲禾、私は最初から間違っていたのか?…( ゚ェ゚)知らんがな長意に追い出された洛洛は回廊でばったり空明と出くわした。そこで願いを聞いてくれるならもう2度と煩わせないと誓う。「雲禾を逃して欲しいの」洛洛の涙を見た空明は情にほだされ、思わず同意してしまう。長意は雲禾に会う勇気がなかったが、外から雲苑を眺めていた。すると青(セイ)姫が現れる。「雲禾を自分のそばに置くことで満足できると思っていた しかし身体も心も弱り、生気のない姿を見ると考え違いをしていたのかと思う」「愛に正解も誤りもない、でも失って後悔するのは耐え難い苦痛になるわ」青姫は雲禾と長意には自分と違う結末を迎えて欲しいと期待したが、その時、万花谷軍の戦鼓が聞こえて来た。「前輩、行かなくては…この戦が終わったら紀雲禾を解き放ちます その時は2人であなたと酒を酌み交わしたい」雲禾は阿鳴(アメイ)に書簡を託し、全て終わったら渡して欲しいと頼んだ。そこへ突然、空明がやって来る。阿鳴は預かった書簡を持って帰ると、空明は洛錦桑に頼まれて来たと教えた。「北淵と万花谷が戦えば共倒れとなる、仙師と順徳(ジュントク)の思う壺だ それを阻止するため、君に手を貸そう」「昔のよう戦える方法はある?あるのでしょう?」確かに残った霊力を奮起させる丹薬があった。しかし体内の生気を全て失い、最後は激しい痛みの中で死ぬことになる。「自害と同じだぞ?」「護法としてそんな死に方も悪くないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)師兄、ペース配分!結界を開いたならせめて林まで逃げて欲しかったわwww
2023.08.31
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第7話長意(チョウイ)は万花谷(バンカコク)軍から紀雲禾(ジーユンファ)の引き渡しを求められるも拒否した。そこで林昊青(リンコウセイ)をよく理解する雲禾が布陣を読み解き、3陣営を長意・空明(コウメイ)・青(セイ)姫がそれぞれ攻めてはどうかと提案する。空明は賛成したが、長意はもしや雲禾が自分に鮫珠を返すための口実ではないかと疑った。「そんな風に考えないで、総帥には強い霊力が必要でしょう?」「…はお、ならば必ず1時(トキ)で戻ってくる」「え?!それじゃまた口移しするの?!私も手伝うわ!」空明は洛錦桑(ルオジンサン)の思わぬ言葉に驚き、慌てて連れ出した。一方、敵陣から戻った思語(シギョ)は林昊青に北淵(ホクエン)との交渉が決裂したと報告した。紀雲禾が監禁されている湖心(コシン)島の警備は厳重、その上、紀雲禾の耳には鮫人の烙印がついていたという。「危機を感知する烙印だとすれば連れ去るのは困難かと…」「ならばこちらから出向くまでだ」林昊青も雲禾が攻めてくるであろう3経路を特定し、わざと囚われの身となって凌霜台(リョウソウダイ)に潜入すると決めた。明朝、空明と洛洛が出発、長意も雲禾から鮫珠を取り戻した。雲禾は笑顔で長意を見送ったが、激しい反噬(ハンゼイ)に耐えられず血を吐いてしまう。実はこれも昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会して当時の真相を聞くためだった。寧悉語は雲禾が自分と会うために鮫珠を取り出してわざと衰弱したと気づいた。『死の瀬戸際よ?』『ですから急いで話をお聞かせください…真相を確かめてから協力するか結論を出します』すると寧悉語は寧清との出会いから話し始めた。…あれは寧若初(ネイジャクショ)を連れて遊歴していた時のこと寧悉語と若初は人間界の竹林で偶然、ある少年を見かけた若初は自分たちに気づいて逃げ出した少年を悪霊だと誤解して追い詰めたが、寧悉語が止める実は寧悉語は少年に内なる霊力があると気づき、御霊師の末裔だと見抜いたなぜ人間界に落ちたのか分からなかったが、少年は両親も家もないという『私と一緒に来る?』寧悉語は少年を連れて万花谷へ戻り、″寧清″と名づけて直弟子としたしかし明るく活発な若初とは違い、孤独で卑屈に育った寧清は繊細で剣術に不向きだと分かるそこで寧悉語は寧清に剣術ではなく陣法を教え込み、2人の直弟子はそれぞれの個性を伸ばしながら成長したそしてやがてあの寧若初と青姫の騒動が起こる寧悉語は2人をかばったせいで指導が甘いせいだと非難を浴び、谷主失格だと断じられたこの機に乗じ、谷主の座を狙っていた林氏一派が皆を焚きつけ寧悉語を糾弾結局、寧悉語は修為を廃され、万花谷を追放されてしまう林氏は寧悉語を万花谷の汚点として痕跡を抹消し、やがてその名も忘れさられていった寧悉語は寧若初を苦しませないよう何も知らせなかったその後、自分を慕ってついて来た寧清と共に人間界を渡り歩き、かつて寧清が住んでいた人間界の家に逗留した時、風景や人々の暮らしなどを紀行文として書き残したという…雲禾は仙師が自分に読ませた紀行文が寧悉語のものだと知った。実は愛読していた広物書も寧悉語が万花谷で記したものだという。それにしても弟子になって情義に厚くなった寧清がなぜ暴虐な仙師になってしまったのだろうか。…寧悉語と寧清は人間界で御霊を行っていたすると寧清は次第に情け容赦なく、残忍な手段を取るようになったというこれも師匠が万花谷へ復帰できるよう、手柄を焦っていたせいだったそんな寧清を戒めようと思っていた矢先のこと寧悉語は林で凶暴な獣の悪霊に取り囲まれてしまう万花谷に助けを求めたが、救援が来ないまま深傷を負い、寧悉語は命を落とした寧清が師匠を発見した時にはすでに手遅れだった師匠を抱きしめ絶叫する寧清しかし身体が朽ちても寧悉語の元神は完全に消えることなく、広物集に一条の元神が残ったという寧清は寧悉語の死を受け入れられず、師匠を苦しめた者たちへの恨みを日に日に募らせた師匠を陥れた林氏、悪霊を放逐した万花谷、そして全ての発端となった寧若初と青羽鸞鳥(セイウランチョウ)の駆け落ち『誰一人、許すものか!この手であやつらを全員、葬ってやる!』寧清は万花谷に師匠の訃報を伝え、三日三晩の嘆願で帰還を許された思えばこの時から寧清は道を外れたのだろう寧清は寧若初を呼び出し、安住の地を得られると持ちかけて青姫を十方陣に封印させ、その後、寧若初を殺した…寧悉語は今や寧清に対抗し得るのは青姫だけだと訴えた。その時、不意に風が吹いて寧悉語は長意たちが勝利したと気づく。『そろそろ戻った方がいいわ』すると雲禾は寧悉語の瞳を通して戦況を見た。どうやら青姫と洛洛がいきなり本営に乗り込み、御霊師ではなく林昊青を捕縛したらしい。雲禾はこれも師兄の作戦だと見破った。それにしても寧悉語は青姫ではなく、なぜ自分に助けを求めたのだろうか。寧悉語は自分が天地の法則に逆らう存在であり、ここは五行の内ではないと教えた。『双脈という天地の法則に逆らったあなただけがここへ来ることができたの』『辛く苦しい運命だと諦めていたのに、こんな邂逅(カイコウ)が残されていたなんて… 少しだけ報われます』雲禾は協力を約束したが、その時、体内に鮫珠が戻って急に引き戻されてしまう。↓さすがにもうお腹いっぱいw長意は雲禾に口づけして鮫珠を戻した。約束通り1刻で戻るところは長意らしい。長意は気恥ずかしくて目が泳いだが、その時、ものすごい剣幕で空明が入って来た。「のんきだな!鮫人さえ無事に戻ればいいのk…(はっ)」空明は我ながら興奮して言葉が過ぎたと気づいた。聞けば洛洛が青姫と一緒に林昊青の陣へ行ったきり戻らず、心配らしい。そこへ洛洛が嬉しそうにやって来た。「雲禾!林昊青を捕まえて無妄窟(ブボウクツ)に閉じ込めたわ!」すると空明になぜ危険な真似をしたのかと激しく責められてしまう。雲禾と長意は空明が洛洛を心配するあまり怒っていると分かったが、当の本人は全く気づかない。「私が大手柄を立てたからひがんでいるの?」「…救い難いやつだ!」雲禾は林昊青と面会したいと頼んだ。長意は認めたが、その代わり1刻だけだと釘を指す。「過ぎたら踏み込むぞ」「分かったわ」しかし雲禾は約束の時間より早く戻って来た。「交渉はまとまらなかったの、状況は複雑ね、条件を話し合わなくては… 明日もう一度、ここへ来て話をするわ」「いや一度きりだ、あとは空明に任せる」その頃、林昊青は空気孔から伝令符を放った。…今夜、陽動作戦を決行せよ、騒ぎに乗じて紀雲禾を連れ出す…密かに伝令符を受け取った思語、そこへ焦った瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけた。「このままでは朱凌(シュリョウ)に軍を乗っ取られる、谷主を救出しよう!」思語は仕方なく伝令符を見せ、実は全て谷主の計画だと明かす。雲禾を解放すると知った瞿暁星は喜んで準備に向かったが、思語はまだ半信半疑だった。…谷主、本当に紀雲禾を手放せるのですか?…雲苑に戻った雲禾は笑顔だった。すると長意は嫉妬し、思わず林昊青と会えて嬉しいのかと聞いてしまう。「北淵へ侵攻しないと林昊青が約束したら大きな懸念が消えると思っただけ… どうしたの?妬いているの?」「…だとしたら?弁解すらしないのか?」雲禾は気まずくなって休むことにしたが、急に長意が腕をつかんで引き留めた。「誰とでも楽しそうに話をするのに、なぜ私にだけは胸の内を明かさぬ?!」「長意、あれほどはっきり告げたのにまた蒸し返すの?」その時、偶然、洛洛がやって来たが、2人の争う様子に驚いて中に入れなかった。「信じないと言ったら?崖で言ったことは本心じゃないと言ってくれたらすぐ信じるのに… 今までの言葉に1つも真実はなかったと言うのか? 言い訳ならいくらでも聞く!だから話してくれ…何とか言ってくれよ!」しかし雲禾は黙ったままだった。↓るおるおは見た!長意は何も言ってくれない雲禾に深く失望し、雲苑をあとにした。洛洛は慌てて雲禾のもとへ駆けつけ、長意は雲禾を信じているとかばう。「どうして話してあげないの? …誰かを愛したら心が躍るものだと思ってた、でも2人はいつも苦しそう」すると雲禾は愛にも色々な形があると教えた。「私はもう長くない、長意に悲しみを引きずらせたくないの…あなたもいつか分かる」「苦しいだけなら愛なんていらない」雲禾は空明のことをどう思うか聞いたが、洛洛にはまだ男女の情など分からなかった。「私が手柄を立てたのに頭ごなしに怒鳴るなんて何なの?! まあいいわ、それより薬を持って来る!」雲禾は長意のことを思うと胸が張り裂けんばかりだった。…長意、私にとってあなたは暗闇を照らす光、悲しみを渡る舟、だから巻き込みたくないの…林昊青があっさり捕縛されたのは自分に会いに来るためだと分かっていた。実は北淵を守る唯一の方法は自分を順徳(ジュントク)に差し出し、釈明するしかないという。『はお、師兄と共に行くわ』『いいのか?順徳の要求はお前の死なんだぞ』『私は先が短い、囚われたまま逝くより、皆の役に立てるなら幸せよ 私の亡骸で師兄の前途が開けたら本望だわ』すると林昊青は今夜、陽動作戦で雲禾を連れ出すと伝え、ある呪符を授けた。『時が来たらこの術を使え、鮫人の烙印を1時だけ封じられる』雲禾は結局、また長意を欺くことになると思うとやりきれなくなった。「これであなたは永遠に私を許してくれないわね…」狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は一向に反省する様子がない従兄・奇鋒(キホウ)に手を焼いていた。するとついに狐王が目を覚ましたと報告が来る。父との再会を喜ぶ卿瑤、しかし奇鋒は舅王が眠っている間に長意のせいで北淵を失いそうになったと吹き込んだ。経緯を聞いた狐王は長意を警戒、自分が目覚めた事を公表せず、林昊青と紀雲禾に怪しい動きがあれば誅すると決める。卿瑤は父が誤解していると気づき、長意と将来を誓い合った仲だと話したのは秘術を使うための嘘だったと明かした。しかし長意を救うため娘が多大な犠牲を払ったと知っている狐王は、北淵の尊主である長意が私心のまま行動すべきではないという。一方、岱輿(タイヨ)ではついに玉露霊芝(ギョクロレイシ)のかさの周囲が金色に変わった。これは成熟した証しだが、玉露霊芝は霊性が強く、身を守るための見せかけの成熟もあるという。雪三月(セツサンゲツ)はどちらか見極めるため霊芝に接近、その時、離殊(リシュ)が駆けつけた。「成熟したと思って来てみたんだが…」岱輿に突然、暗雲が垂れ込めた。驚いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが外へ出ると、100年に一度の無量金雷が見える。「なぜ急に?(はっ!)雪統領のいる場所が危ない!」つづく( ゚Д゚)うわっ!急に腕をつかむからびっくりした~!←ぼ〜っと見てるのバレバレw
2023.08.30
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第6話岱輿(タイヨ)で玉露霊芝(ギョクロレイシ)の成熟をじっと待ち続ける雪三月(セツサンゲツ)。そこへ心配した飛廉(ヒレン)神君がやって来た。神君は三月が万花谷(バンカコク)を離れたと知り、天君に仕えてはどうかと誘う。そんな2人の様子を離殊(リシュ)の従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が盗み見ていた。「何かあってからではまずい、まとめて始末するか?」すると離殊が現れた。「何を企んでいる?私を騙せると思ったか?」大歓と小歓は仕方なくこれも世子のためだと訴える。「崇吾(シュウゴ)山にだって″業障(ゴウショウ)″に劣らない美女はいますよ!」2人は三月の恨みが消えれば世子は晴れて自由になり、山へ帰れると誤解していた。しかしその話を三月に聞かれてしまう。( ತ _ತ)<誰が業障じゃ!三月は離殊に釈明の機会も与えず、万花谷の雷符を放った。「今後、3丈(ジョウ)以内に近寄らないで」すると三月は霊芝の崖に戻ってしまう。離殊は再び三月を怒らせてしまったと動揺したが、飛廉神君は三月が霊芝に何か起こった場合、離殊を巻き込まないよう遠ざけたのだと分かった。万花谷との戦が迫る北淵(ホクエン)。狐族少主・卿瑶(ケイヨウ)は尊主のために作らせた鎖帷子(カタビラ)を差し入れたが、長意(チャンイー)はすでに見事な鎖帷子を持っていた。しかし長意は紀雲禾(ジーユンファ)からの贈り物だとは言えず、偶然、手に入れたとごまかす。その頃、無理を押して鎖帷子を作った雲禾は衰弱が激しくなり、横になるとそのまま昏睡した。雲禾は夢の中で自害を邪魔した謎の神仙と再会を果たした。『力を貸して欲しい、全てを見せるわ…』すると神仙は雲禾の腕を握り、楽游山(ラクユウザン)で談笑する青(セイ)姫、寧若初(ネイジャクショ)、寧清(ネイセイ)の姿を見せた。しかし寧清は兄弟子を万花谷へ呼び出し、十陣法で青姫を封印させた後、寧若初を殺したという。雲禾は思わぬ事実に困惑したが、急に苦しみ始めた。卿瑤は長意と軍務について話し合った。すると突然、話の途中で長意が血相を変えて飛び出してしまう。一方、謎の神仙は雲禾が極度に衰弱した時だけ会えると明かした。『夢が長引くとあなたの元神が滅びてしまうわ…』そこで雲禾は神仙に正体を聞いた。実はその神仙こそ仙師府の密室で見た姿絵の女子、雲禾はその神仙が寧若初と寧清の師匠・寧悉語(ネイシツギョ)だと知る。『青姫に伝えて、寧若初を殺したのは寧清、寧清を阻止しろと…』長意は洛錦桑(ルオジンサン)や羅策(ラサク)と一緒に外で空明(コウメイ)の治療が終わるのを待った。やがて長意は烙印の反応で雲禾が目覚めたと気づき、急いで部屋に戻る。卿瑤も長意の様子を心配して湖心島(コシントウ)に駆けつけたが、令牌を取り上げられた手前、雲苑には入らなかった。雲禾の意識が戻った。しかしいよいよ霊力の反発が心臓を圧迫し、死にかけているという。もはや一刻の猶予もないと気づいた長意は雲禾を引き寄せ、口移しで自分の霊力を鮫珠に送った。空明は戦が迫る大事な時に霊力を雲禾のために使った長意に憤り、出て行ってしまう。困惑した雲禾は鮫珠を返そうとしたが、やはり自分では取り出すことができなかった。「長意と2人で話をさせて…」雲禾は人払して長意と2人だけになった。「あなたは東海へ帰るべきだった、恨みに執着などせずに…」「執着しているのは最初から恨みではない」「…じゃあ何?」←気づかないw「当ててみろ」←どうしても言いたくないw「…長意、私の命が残り少ないのは自分の責任よ、無駄に霊力を使う必要はないの 鮫尾(コウビ)を断たれ、鮫珠も失い、どうやって北淵を守るの?」「鮫尾や鮫珠など最初から当てにしていない」すると長意は出て行ってしまう。卿瑤は雲禾が長意の鮫珠を持っていると知り、父が眠る洞窟で独り悲しみに暮れた。「とうに気づいていたのに自分を騙し続けた…でももう無理です 長意は紀雲禾が憎いと言いつつ、心の中では誰よりも大切に思っています もう彼を止められない、私はどうすればいいの?」その時、かすかに父の指が動いた。「父上、早く目を覚まして…長意を諭せるのは父上だけです」雲禾は長意の霊力のお陰で回復したように見えた。洛洛は喜んだが、青姫は一時的に元気になっても助かるわけではないという。長意も分かっていながら頑なになるばかり、しかし青姫は自分も長意のようにもう一度、錯乱してみたいものだと懐かしんだ。「でももうあの人はいない…」すると雲禾は夢のことを思い出し、寧若初と寧清は兄弟弟子だったと聞いたが、確執があったのか尋ねた。しかし青姫の話では2人とも師匠の元で家族同然に育ち、確執はなかったはずだという。実は2人の師匠である寧悉語は万花谷で唯一の女谷主だった。「前輩、まだ寧師祖を恨んでいますか?」「…恨んだわ、でも時と共に思いも薄れた、月日が経てば笑い話になるものよ」雲禾はせっかく過去を手放した青姫に真実かどうかも分からない夢の話など伝えるべきではないと断念した。空明は雲禾のために北淵を顧ない長意に腹を立てていた。しかし長意は初めから万花谷に和睦を持ちかける計画だったと明かす。もし万花谷が今回の遠征に不満があれば″緩み″があるはずだ。今の自分たちに仙師と順徳を倒す力量はないが、御霊師の長である万花谷と手を組めば勝算が見込めるという。「説得するために攻撃せずに待つ」空明は長意が尊主としての役割を忘れたことがないと分かり安堵したが、恨みであれ情であれ、執着は大局を見誤らせると警告した。「君だって洛錦桑が好きだろう?」「いっ、いきなり何を言い出すんだ?!」長意は動揺する空明に失笑しながら、公私ならわきまえていると自信を見せた。万花谷軍は北淵の森へ侵攻した。しかしそのまま全軍が敵の陣に入り、辺境の森で足止めされてしまう。仙姫に自薦して督軍となった朱凌(シュリョウ)は林昊青の失態を責め、兵符を渡せと迫った。その時、北部の部隊だけが攻撃して来たと報告が来る。林昊青は北淵の内紛だと気づいた。「北の峠から突破する」長意は阿鳴(アメイ)から雲禾が一睡もしていないと聞いて雲苑に駆けつけた。すると雲禾は万花谷との交渉に自分が行きたいと頼む。林昊青とは敵対していたとは言え一緒に育った師兄であり、今となっては最後の身内でもあった。「身内?…そんなに親密だったか?北淵から連れ出してくれると期待しているのか?」「そんな…」その時、空明が洛洛と一緒にやって来た。「大変だ、林昊青が陣を破って森から出た」実は北を守っていた奇鋒(キホウ)が卿瑤の話を聞かず、勝手に攻撃を仕掛けて反撃されてしまったという。「形勢は不利だ」しかし思いがけず林昊青の使者として思語(シギョ)がやって来る。雲禾と会わせてくれるなら交渉に応じるというのだ。実は林昊青の仙侍・思語は生きていた。長意は思語を雲苑に呼んで雲禾と会わせたが、交渉の条件として紀雲禾を引き渡して欲しいという。しかし長意は断固拒否した。「紀雲禾は絶対に渡さない、空明とて同じ、北淵で保護する者は誰1人として渡さない」雲禾は長意の姿に驚いた。…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、以前とまるで違う…交渉は決裂、空明と洛洛は思語を見送りに出た。「長意…」「言いたいことは分かっている、保護などされたくないと言いたいのだろう」「私が言いたいのはそうじゃない、堂々として立派だったと言いたかったの」すると雲禾は長意に協力すると言った。「一緒に戦いましょう」つづく( ゚ェ゚)またしても口づけするためだけの1話でしたっ
2023.08.29
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第5話旧友と再会し、久しぶりに笑顔が戻った紀雲禾(ジーユンファ)。長意(チャンイー)は少しでも雲禾が元気になればと思い直し、友人たちの出入りを認めることにした。しかし雲苑(ウンエン)の警固を任されている羅策(ラサク)は尊主が一体、紀雲禾をどうしたいのか分からず混乱してしまう。一方、洛錦桑(ルオジンサン)は青(セイ)姫でも雲禾を治せないと知り、深く失望した。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)が空明(コウメイ)より役立たずなんて(ボソッ」離殊(リシュ)は暴言を吐いた洛洛を叱り、青姫のこと本当は方法があるはずだと言った。すると青姫は岱輿(タイヨ)にある玉露霊芝(ギョクロレイシ)が手に入れば少しは命を長らえられるかもしれないという。「たとえ1日でもいいわ、ありがとう前輩!」雪三月(セツサンゲツ)は離殊に家を守るよう頼み、飛び出して行った。寧清(ネイセイ)は今日も激しい痛みを伴う塗り薬を持って仙姫府にやって来た。すると順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は治療を受ける代わりに褒美が欲しいという。「師父と同じ強い法術が欲しいのです」「お前が望むなら何でも与えよう」「では全ての御霊師を自由に使っても?」「もちろんだ」洛洛が嬉しそうに雲苑にやって来た。こうして自由に雲禾に会えるのも長意の誤解が解けたからだと思ったが、雲禾は違うという。「どうして本当のことを話さないの?」「私を恨んでいてもこんなに優しいのよ?真相を知ったらどうなるか…」雲禾は北淵の尊主となった長意はもはや自分だけの大尾巴魚(ダーウェイバーユー)ではないと言った。「でももう大丈夫、私たちが何とかするから!」「ふふ…洛洛、こうしてあなたに会えるって素敵ね」一方、離殊は三月が気になって上の空、得意料理さえ失敗してしまう。すると呆れた青姫は家なら自分が守ると安心させ、三月を探しに行くよう背中を押した。洛洛は三月が戻るまでひとまず空明をおだてて雲禾の治療をさせることにした。そこで居所に汁物を差し入れ、忙しい空明のため手伝いたいと申し出る。「薬を煎じるくらいはできるわ!」「そんな簡単な仕事じゃない、一瞬も目を離せないんだぞ?」「分かった!一瞬たりとも離さない!」すると洛洛は土瓶をじっと見つめ、瞬きもしなかった。空明は主に忠実な仙侍だと感心したが、洛洛は雲禾から″衆生に貴賤はない″と教えられたという。「私たちは主従じゃなく一番の友であり仲間なの、親友に尽くすのは当然でしょう? あなたにもいる?親友や兄弟分が…あ、長意は数えないでいいから」「…過去にはいた」「えー?死んだの?!マジか…でも私がいるわ!元気出して!」ね!>(๑•̀ㅂ•́)و✧ ( ̄▽ ̄;)<おおう…林昊青(リンコウセイ)は仙師の絵姿を利用して仙姫をあおったが、そのせいで次の解毒薬は遅れると連絡が来た。「こうなればあえて危険を犯さねば…」そこで再び仙姫を訪ね、今度は北淵を平定すべきだとけしかける。「私が仙姫の代わりに北淵を征伐します!」「認めるわ、その代わり紀雲禾を殺して!」すると汝菱は言葉に詰まった林昊青を法術で吹き飛ばし、顔を足で踏みつけた。「私につくなら誠意を見せるのね…」万花谷ではここ数日、御霊師が謎の病で相次いで死亡していた。北淵から流れてきた噂では″寒霜(カンソウ)″という病が原因らしい。万花谷に不安が広まる中、鹿台(ロクタイ)山からようやく戻ってきた谷主が北淵を攻めると言い出した。長老たちは反対したが、林昊青は相談ではなく軍令だと一喝、反感を買ってしまう。実は長老たちも自分たちが寒霜で操られているという事実を知らずにいた。寧清は林昊青を刺激するため、解毒薬を遅らせ、寒霜の噂を流した。思惑通り焦った林昊青は北淵の討伐を決めたという。霊力はこれで殺伐の気を得られると喜んだが、近頃、寧清はどこか上の空だった。一方、万花谷から宣戦布告を受けた北淵も一致団結していた。長意は自ら前線に立ち戦うと宣言、仙友たちも尊主と一緒に北淵を守ると誓う。そこで長意は雲禾の耳に入らないよう軍務は大殿で話し合うと決めた。しかし青姫と一緒に見舞いに来た洛洛が早速、雲禾に報告してしまう。すると雲禾は林昊青の行動を訝しんだ。「変ね…林昊青なら順徳と北淵の争いをあえて傍観し、漁夫の利を狙うはずよ?」「まあどっちにしても青姫がいれば私たちは無敵よ!」「ちょっと…1瓶の酒と1杯の甘酒で看病に果し合い、雑談まで付き合わされるの?」青姫は調子が良すぎると呆れたが、洛洛はあの酒なら命懸けで造ったと訴える。「あの日、空明と修練して何とか生き延びてね、お陰で美人になったの! あの時、光が差して、空明をこうやって押し倒して…」(  ̄꒳ ̄)<離殊にその能力があれば苦労しないのにねえ~@青( ̄ェ ̄;)<修練って…押し倒したってそういうことなの?@雲洛洛は雲禾のため空明の居所に足しげく通っていた。すると洛洛は美人になるためまた一緒に″修練″したいという。「修練したいのは美人になるためなのか?」「うん」空明は落胆し、仕方なく準備しておいた洛洛への贈り物だけ渡して追い返した。「わあ~良い香り!」珊瑚の粉をもらった洛洛は雲禾以外の人から初めて何かをもらったと喜び、空明の頬に口づけしてしまう。「本にあったお礼の仕方よ!間違ってる?」洛洛は呆然とする空明など気にする様子もなく、嬉しそうに帰って行った。長意は自ら雲禾のために薬草を採りに出かけていた。そうとは知らず雲禾は苦そうな薬だと顔をしかめながら、気休めと分かっていても飲むしかない。「長意、林昊青が攻めてきたらどうするの?」「心配するな、下手な根回しも必要ない」すると長意はまた大殿に戻ってしまう。「いいわ、どうせ私はもう戦えないし…」そこで雲禾は何もできない代わりに長意のために鎖帷子(カタビラ)を作った。↓ラバちゃんが〜夜なべ〜をして…編んでいますw岱輿に到着した三月は霊芝を発見、しかし偶然にも天君たちとかち合った。「友の命を救うためです、譲ってください」「譲るのは構わぬ、ただし触れてはならぬ」実は玉露霊芝は霊性があり、成長を阻止すればすさまじい力で反撃してくるという。「成熟を待ってから摘むしかない」汝鈞が試しに石を投げてみると、霊芝の霊力により粉々になってしまう。汝鈞は霊芝を必要としているのがあの紀護法だと知った。まさかそれほどの反発に苦しんでいたとは知らず、自分も縁ある紀護法を助けたいと願う。そこで霊芝が成長するまで自分の居所で待つよう勧めたが、三月はこの場で霊芝を見守りたいと遠慮した。一方、離殊は大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)と一緒に三月を探していた。しかし大歓と小歓は嗅覚で三月が他の男といると気づき、咄嗟に東の方角だと嘘をついてしまう。翌朝、軍務を終えた長意が雲苑に戻って来た。すると雲禾の顔色が悪いと気づき、糖蒜(トウサン)を卓に出す。「私の好物を覚えていてくれたの?」素直になれない長意は自分が食べたいだけだと嘘をつき、苦手なにんにくを食べる羽目になった。「ふふ、糖蒜に免じて贈り物をあげるわ」雲禾は鎖帷子を招喚し、これで少しでも身を守って欲しいという。「こんな物で機嫌を取るつもりか?」「要らないならいいの」しかし長意は慌てて受け取った。「…まだ用がある、遅くなるから待たなくていい」雲禾は笑顔で送り出したが、鎖帷子に霊力を使ったせいで体力を激しく消耗していた。つづく(  ̄꒳ ̄)まだまだ引っ張る…w
2023.08.28
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第4話湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に居を移した長意(チャンイー)。紀雲禾(ジーユンファ)は部屋の中を埋め尽くすお宝を眺めながら、奢侈(シャシ)に流れると尊主の地位を失うと笑った。すると雲禾の治療を頼まれた空明(コウメイ)が現れ、長意が散財するのを見るのは初めてだという。実はお宝は全て雲禾の身体を癒すための宝器だった。空明は雲禾の容体を見たが、余命ひと月だと宣告した。それでも長意はあきらめがつかず、天命さえ変えてみせるという。呆れた空明は無垢の者なら全力をかけて助けるが、悪党などどうなろうと構わないと言い放った。しかし長意は仙師府から仙友たちを解放したのが雲禾だと明かし、そもそも雲禾を苦しめる原因となったのは寒霜だと指摘する。「君なら道理が分かるはず…違うか?」天君・汝鈞(ジョキン)は岱輿(タイヨ)で修行することになり、姉に別れを告げにきた。岱輿と言えば師匠と初めて出会った場所、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)はふと当時のことを思い出す。「あの時、猛獣に襲われたことを覚えている? 師父が現れ、私たちを天庭へ送り、私を弟子に迎えてくれた」「姐姐、あの時は姐姐が命懸けで私を守ってくれたことしか覚えていません」すると汝鈞は修行が終われば自分が姉を守れると伝え、出発した。汝菱は居ても立ってもいられず、仙師府に駆けつけた。ちょうど寧清(ネイセイ)は留守、そこで林昊青(リンコウセイ)から聞いた話が事実かどうか調べることにする。汝菱は法術で密室の場所を探し当てると、確かにそこには自分とそっくりの絵姿があった。「師父が私に重ね合わせていた女ね?」その時、寧清が現れる。「汝菱…戻りなさい、2度とつまらぬことをしてはならぬ」「私は身代わりにはならない!」師匠の裏切りに激怒した汝菱は絵姿を燃やそうとしたが、寧清が阻止した。すると寧清は汝菱を仙縄で縛りつけ、再び激痛を伴う治療を始めてしまう。空明は雲禾に薬湯を差し入れた。しかし善良な長意を騙して傷つけても悔いる様子がない雲禾を見て憤る。長意は策を練り、好機を見て仙師府から雲禾を救い、尊主の就任式典の時も雲禾の自害に気づいて飛び出したという。雲禾は長意がそんな無茶をしていたと知ったが、空明も本当は雲禾が長意を守っていると見抜いた。ただし大業のためには雲禾の存在が大きな障害となり、長意にとりなすつもりはないという。「とにかく早く薬を飲んでくれ、長意が来る」仙姫府では汝菱が酒を飲んで荒れていた。仙侍・朱凌(シュリョウ)たちは手が付けられず殿前で控えていたが、そこへ林昊青が現れ、勝手に寝殿に入ってしまう。「仙姫、このまま引き下がるのですか?」憤慨した汝菱は床に杯を投げつけると、林昊青は躊躇なく破片の上にひざまずいた。「仙師があなたを見る目には情がありません…」すると汝菱は孤独な胸の内を明かした。「父母は落命する前、汝鈞の養育を私に託したわ…それ以来、私は責任だけを求められた 1人で閬風巔(ロウフウテン)を守る私を誰も顧みず、私の望みなど意に介さなかった 弟を育てるのが唯一、私が存在する価値だった、でも師父は違った ″自分らしくあれ″と言ってくれたの、それなのに… 何も知らない方がよかった!なぜ私を覚醒させようとするの?!」汝菱は激怒して剣を招喚、林昊青の首に突きつけた。しかし林昊青は怯むことなく、どれほどの苦痛が伴っても知らない方が惨めだという。「もしあなたが強い力を持てば愛する者を留めておけます」一方、尊主となった長意は政務に追われ、夜も寝ている様子はなかった。さすがに雲禾も根を詰める長意が心配になり、自分から折れることにする。「私が以前と同じように接すれば言うことを聞いてくれる?」「考えすぎだ。あり得ない」すると雲禾は優しく長意の腕に手を乗せた。「試してみない?」「そうか…では試してみよう」長意は突然、雲禾を引き寄せ口づけしてしまう。その時、急に戸が開いて空明が入ってきた。雲禾はふいに現実に引き戻され、慌てて身体を離し、うっかり薬をこぼしてしまう。「試したが無駄だったな」( ゚д゚)おおう長意は気恥ずかしさから今夜は空明の居所で戦術を練りたいと頼んだ。しかし雲禾との口づけが頭から離れず、上の空になってしまう。一方、雲禾は長意が自分を恨んでいながらなぜ口づけなどしたのか分からず、独り悶々としていた。長意は夜が明けてから雲苑に戻った。すると一睡もせず待っていた雲禾がなぜ口づけしたのか尋ねる。「敵との口づけは鮫族の掟破りじゃないの?」「私が掟を破ることはない、君は永遠に私のものだ 鮫人の烙印は私と君の五感を繋ぐもの、君がどこで何をしているか私にはいつでも分かる 鮫人が心に決めた者に与える印だ」「だから死にかけた時、駆けつけられたのね…長意、私は一体、何?あなたの影?」「違う、檻の中の獣だ、烙印を使い閉じ込めておく」「どうかしてる…他の伴侶を求めず、私を一生、監禁するの?」情愛に疎い雲禾に長意の本音が分かるはずもない。長意はため息をつき、雲禾を寝台に寝かせて結界で閉じ込めた。「ねえ答えてよ」「眠れ」『余命が短くて良かった、私が死ねば彼は孤独な一生を送らずに済む でも鮫人は後妻を娶らないはずよ?…もういいわ、今は休もう』『雲禾、閉じ込めないと留めることができないなら、あえてそうするしかない…』洛錦桑(ルオジンサン)は冰湖(ヒョウコ)を眺めながら雲禾の身を案じていた。すると偶然、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)と侍女が現れ、2人の立ち話を耳にする。「…式典の日の騒ぎも尊主を惑わす手管では?」「死にかけたのは本当よ、尊主にも考えがあるの…今は待ちましょう」雲禾が死にかけたと聞いた洛洛は驚き、空明の居所に押しかけた。空明は長意に頼まれ雲禾の薬を準備していたが、余命はひと月だという。「林滄瀾(リンソウラン)に施された術で身体に異変が起こったんだ 君が混乱すると思って言えなかった…私では治せない」しかし洛洛は空明が雲禾への復讐で治療をしないと誤解した。「冷酷ね…もう顔も見たくない!」洛洛は青(セイ)姫に事情を説明し、雲禾を診て欲しいと訴えた。青姫は相変わらず情のもつれには関わらないと断ったが、離殊(リシュ)の説得のかいもあって重い腰を上げる。「私が後悔しているのは皆に乗せられ、この子の酒を飲んだことよ」長意は洛洛たちが来ても雲禾に会わせようとしなかった。衰弱した雲禾にとって感情の高ぶりは命取りになる。しかし何も知らない洛洛は空明に雲禾を救う気がないなら青姫に診せるべきだと迫った。離殊も今の雲禾にとって友との楽しい語らいこそ一番の薬だと訴える。「最近、雲禾の素直な笑顔を見たか?」雲禾は洛洛たちと再会を果たした。「これは夢なの?…青姫まで来てくれるなんて」万花谷から別れて色々なことがあったが、こうして集まると何も変わっていないような気がする。久しぶりに心からの笑顔を見せた雲禾、しかし青姫にも雲禾を治す手立てはなかった。「早く楽にしてあげるべきよ…」長意は雲禾を休ませるため、治療法がないなら帰れと洛洛たちを追い返した。しかし雲禾の幸せそうな笑顔を思い出し、雲苑の結界を解くことにする。つづく( ゚ェ゚)ただ口づけするためだけの1話?話は全く進まずw
2023.08.27
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第3話長意(チャンイー)が紀雲禾(ジーユンファ)に烙印をつけたと知り、慌てて話をつけに来た山猫族世子・離殊(リシュ)。しかし烙印だと思っていた″鮫人の印″は互いの五感を繋ぐものだった。離殊は長意が雲禾を諦められないと分かったが、長意は決して認めようとしない。「…まだ好きだと言ったか?」「口に出さずとも心は分かっているはずだ」一方、空明(コウメイ)は長意から押し付けられた洛錦桑(ルオジンサン)に手を焼いていた。すると長意が苛立ちながら戻ってくる。「長意、あんまりよ!雲禾が自由を望んでいると知っているくせに!」「外の状況を知らぬのか?!」実は北淵(ホクエン)では雲禾が卿舒(ケイショ)を殺したと言う流言が広がり、今、自由にしても狐族に復讐されかねないという。「監禁と復讐とどちらがましだと?!」長意は空明と洛洛をつないでいた仙縄を解くと、洛洛は大人しく帰って行った。空明は確かに紀雲禾が身を隠すには雲苑(ウンエン)が最も安全だと気づいた。北淵の外に出れば仙師府に追われ、北淵内では狐族に狙われる。「ようするにまだ諦められないのだな?」「…執念でも未練でもいい、必ず生かし続ける」空明は長意と雲禾、雪三月(セツサンゲツ)と離殊、どちらも情のもつれから抜け出せないと嘆いた。( ;∀;)ちゃんいー三月は長意を説得する離殊の姿に深く感銘を受けた。するとちょうど離殊が冰湖(ヒョウコ)から戻って来る。雲禾を想いながら決して認めようとしない長意と釈明もしないで辛い現状を受け入れている雲禾。三月は2人の意地の張り合いに自分の姿が重なり、後悔する前に素直になろうと決めた。「長意に話していたでしょう?好きな人を喜ばせることが愛情だと…」離殊は三月が全て聞いていたと知った。「だからあなたをもう不安にさせたくない…私はあなたが好き、やり直しましょう」三月は傷ついた自分を遠くから見守ってくれた離殊の深い情に応え、勇気を持って前進した。一方、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は激しい傷の痛みに苦しんでいた。すると万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)が薬を差し入れてくれる。「仙師が鎮痛薬を与えないのはあなたの痛みに無頓着だからです 仙師の懸念はその顔のみ…仙姫も疑ったことがあるはずです 仙師が大事なのはあなたか、別の誰なのか?」汝菱はふと思い出した。確かに鮫人の美しい鱗で作った袴で舞を披露した時、師匠から厳しく叱られたことがある。激高した汝菱は思わず鞭で林昊青を打ちつけ、自分たちを反目させるつもりかと迫った。「これも忠誠心ゆえ、お疑いなら仙師の書斎にある密室へ…答えはそこにあります」林昊青はいずれ仙師と対する時、仙姫が最上の武器になると踏んでいた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は北淵の安定のため、仲間たちの同意のもと長意を新たな長に推挙した。空明は長意の性格からして断ると思ったが、長意はためらいながらも結局、引き受けることにする。一方、微妍(ビゲン)は長意が尊主になったのは少主を想ってのことだと喜ばせていた。卿瑶もまんざらでもないが、ともかく早く就任の式典を行い、長意の威厳を示して一族の士気を高めたいという。毎日、欠かさず父に自分の霊力を注いでいる卿瑤、しかし未だ父が目覚める様子はなかった。その頃、長意に烙印を押された雲禾は絶望の淵にいた。しかしこれまでどんな圧力にことごとく抗い、屈したことはない。「最期くらい自分で選ばせてもらうわ」雲禾は思い立って帷(トバリ)を外し、梁(ハリ)に引っ掛けようとしたが、運悪く長意が現れた。( ತ _ತ)<何をしている?(^ꇴ^)、<…埃を落とそうかな〜なんて( ತ _ತ)<やれ(^ꇴ^)、<…もう終わったわ雲禾は今日も長意に監視されながら食事を始めた。…首を切るのは痛すぎる、飛び降りてもせいぜいお尻を打って終わりよね…絶食したくてもこれじゃ無理だし、喉を詰まらせて窒息?ダメか…部屋に火をつけてみるのは?でも長意に氷漬けにされて終わりよねその時、雲禾はある方法を思いついた。「長意、ここ数日、冷え込んできたから練炭をもらえない?」すると羅策(ラサク)が世子を迎えにやって来た。卿瑤少主が呼んでいるという。長意が席を立つと、急に雲禾が呼び止めた。「長意、あなたは私が出会った中で一番美しく、一番優しくて、一番善良な人よ あの崖の1日がなければ大好きなままでいられた、生涯の伴侶になれたかもしれないわね」しかし長意はなぜ今さら雲禾がそんな事を言い出すのか分からない。「…明日は重要なことがあり来られない、しかと薬を飲んで食事を取れ」「ええ…安心して」雲禾は最後に伝えたいことが全部、言えたと安堵し、独り涙を流した。翌日、雲禾は窓を全て閉め切り、紅羅(コウラ)炭を焚いた火鉢を並べて横になった。「最期にあの美しい尾ひれを夢で見られたらいいのに…」一方、長意は狐族や仙友たちが見守る中、尊主就任の儀に臨んでいた。しかしふいに鮫人の印が雲禾の異変を知らせる。驚いた長意は矢も盾もたまらず、卿瑤が止めるのも振り切って大殿を飛び出して行った。その頃、雲禾の魂は肉体を離れ、まさに混沌に帰ろうとしていた。しかし急に面紗(メンシャ)で顔を隠した仙女に止められ、引き戻されてしまう。「…まだ生きている」目を覚ました雲禾はいつのまにか窓が開き、風が吹き込んで練炭を消してしまったと分かった。そこへ式典を抜け出した長意が駆けつける。「本気で死のうとしたのか?」長意は雲禾の無事な姿に安堵したのか、寝台に腰をかけた。すると雲禾が長意の冠からかんざしを引き抜き、自分の首を突き刺そうとする。焦った長意は咄嗟に阻止、雲禾の首をつかんで押し倒した。「雲禾、勝手に命を絶っていいと言ったか?!」「長意、あの崖で懲りていなかったの?…ふっ、私の筋書き通り東海へ帰ってくれたら良かったのに 結局あなたを傷つけ、私は順徳に捕まったわ、あなたを順徳の下僕にしたくなかったから」「黙れ…黙れっ!」「復讐したら?…憎いのなら殺せばいい、殺してよ、殺して!」「いくら望んでも死なせない」雲禾は誰が自分の邪魔をしたのか分からないまま憎しみを募らせた。一方、長意は雲禾が自分との時間より自害を選んだことに落胆を隠せない。空明はひとまず長意が体調不良だったと取り繕っておいたが、これで尊主としての権威が失墜したのは事実だった。しかし長意と言えば雲禾が自害しようとしたと嘆き、衰弱が激しいので治療して欲しいという。空明は仕方なく治療を引き受けたが、長意に一途な想いを抱く卿瑤には自分で釈明するよう言い聞かせた。卿瑤は仲間たちの信頼を取り戻すためにも雲禾を追放するよう提案した。「尊主のそばに置くにはふさわしくない」長意は雲禾を追い出す口実に自分を尊主に祭り上げたのかと疑ったが、卿瑤は誤解だという。「今日から私がしかと彼女を見張る、騒動は起こさせない」「構わないわ、強要するつもりはない、ただ尊主と北淵のために言っただけよ」一方、閬風巓(ロウフウテン)では天君・汝鈞(ジョキン)が仙令の示した模様に頭を悩ませていた。ひとまず模様を図に写してみたが、それが何を表しているのか見当もつかない。その時、偶然、風にあおられた図が碁盤に乗り、その上に碁石が落ちた。「岱輿(タイヨ)へ行くべきだ」合虚(コウキョ)神君の助言を聞いた雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君はこの図が地図とも限らないと首を傾げたが、汝鈞はこれも巡り合わせだと確信して出かけることにした。雲禾は騒がしい音で目を覚ました。すると侍女たちが雲苑に荷物を運び込み、忙しく準備をしている。「何をしているの?」「尊主がこちらに越して来ます、議事や巡視以外の務めは全て雲苑で行うとのこと 睡眠の邪魔にならないよう結界を張って音を遮りますのでご安心下さい」「これ以上どこに結界を増やす…(はっ)まさか寝台の周りに?」「そうです」…やってくれるわね、私を見張るためここまでするなんて…雲禾は自由に死ぬこともできず、解放どころか居場所は寝台ひとつ分だけになった。つづく(  ̄꒳ ̄)ちゃんいー、やってくれるわね~
2023.08.24
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第2話仙師・寧清(ネイセイ)の密室にある姿絵が万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)の知るところとなった。実は姿絵に封印された霊力は早く元の姿に戻りたいと焦り、仙師を焚き付けるため自ら誘き寄せたという。寧清は戻りたければおとなしく待つよう言い聞かせたが、霊力は開き直った。「もし従わなければどうする?私を殺すのか?」しかし寧清は霊力と血の契りを交わしているため、約束を破れば死が待っている。わずか1000年で修為がここまで激増したのも霊力から授かった力だった。「殺すわけがない…ただ大乱を起こすならとことんやらなくては…」( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!一方、湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に監禁された紀雲禾(ジーユンファ)は今日も窓際で外を眺めていた。すると食事を運んで来た侍女がいきなり襲いかかってくる。雲禾は咄嗟に赤い狐火で応戦、隠魂針(インコンシン)を放った。「(はっ!)なぜ姑姑の隠魂針が使えるの?!」「姑姑?」雲禾は卿舒(ケイショ)が狐王の妹だったことを思い出し、侍女が実は狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)だと気づいた。そこでこの霊力は卿舒からもらったと釈明したが、卿瑤は信じられず、叔母の敵を討つという。しかし危ないところで長意(チャンイー)が駆けつけ、卿瑤を連れて出て行った。「ふふ、噂通り美人ね…」雲禾は卿瑤が長意を好きだと分かったが、急に霊力を使ったせいで反噬に襲われてしまう。「生きられる日も残り少なくなって来たわ…」卿舒は愛する林滄瀾(リンソウラン)のため自分の霊力を雲禾に差し出し、自害していた。「やはり御霊師は人心掌握術に長ける…」卿瑤は叔母が林滄瀾に惑わされたと落胆し、もしや長意も雲禾に惑わされているのではと心配する。しかし長意は雲禾に自分の苦しみを味わわせるまで死なせたくないだけだとごまかした。そこで卿瑤からも令牌を取り上げ、雲苑を立ち入り禁止にしてしまう。凌霜台(リョウソウダイ)では奇鋒(キホウ)に焚き付けられた狐族が集まっていた。卿瑤は雲禾なら叔母を殺していないと報告したが、奇鋒たちはどちらにしても御霊師を生かしておくのは危険だという。すると卿瑤は長意への反発を押さえるため、軍心を乱した罰として奇鋒に20日間の禁足を命じた。長意は独りで雲禾の世話をすることにした。しかし雲禾は衰弱が激しく、身体が薬を受け付けない。驚いた長意は咄嗟に鮫珠(コウジュ)に霊力を送ったが、その時、雲禾は一瞬、無垢だった頃の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の面影を見た。「…紀雲禾、あの時、崖の上で何があったんだ?」雲禾は言葉に詰まり、話をそらしてしまう。「知っているのになぜ聞くの?…長意、もう時間がない、最後の数日だけ自由にして」すると失望した長意は雲禾の望みを叶えるつもりはないと言い放ち、出て行ってしまう。…長意、今さら真相を伝えて何になるの?恨まれたままでいい……紀雲禾、君の愛が本物だったのか、なぜ教えてくれないんだ…( ;∀;)ちゃんいー卿舒にまつわる噂が広がり、雪三月(セツサンゲツ)はこのままでは雲禾が危険だと焦った。そこで凌霜台の前で長意を待ち伏せ、力づくでも雲禾を連れて帰ると迫る。しかし離殊(リシュ)が駆けつけ止めた。「長意、お前とは争わないが、雲禾のことは後日、話し合おう」凌霜台では騒ぎを聞きつけた空明(コウメイ)が長意を待っていた。空明は雲禾への執着を捨てるよう言い聞かせたが、長意は何を吹っ切れても雲禾だけは無理だと吐露する。「本当に知りたいのは当時の真相なんかじゃないんだろう?」長意は空明に心を見透かされ、思わず疲れたとごまかして帰ってしまう。( ;∀;)ちゃんいー離殊は道すがら三月を説得した。例え今、雲禾を解放しても、北淵を出れば仙師府に追われるだけだという。「慎重に考えた方がいい、俺から話してみるよ、とにかく身体が冷えるから帰ろう」離殊は魚汁を作ると言ったが、三月はもう自分の面倒を見る必要はないと突き放した。「あなたはもう私の仙侍じゃない、山猫世子に世話をさせるなんて恐れ多いわ」「なぜそんな言い方を?!…わだかまりを解くには時間がかかるだろう 三月、とにかく信じて自然に身を任せよう」しかし三月は素直になれず、独りになりたいと頼んだ。(´-ω-`)ウム…離殊は一足先に山荘へ戻り、厨房で魚汁を作り始めた。すると楽游山(ラクユウザン)に置いて来たはずの従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が現れる。2人は雪三月のため自ら料理をする世子の姿に困惑し、どうすれば世子を解放してもらえるのか考えあぐねた。長意は雲苑で調べ物をしながら雲禾を監視していた。やがて時間になると薬湯を招喚、すると雲禾は自分が死んでも閉じ込めたままなのかと聞く。「こんな方法で私を苦しめるのは絶望させるためなのね…成功よ」雲禾はもはや抵抗する気力もなく、素直に薬湯を飲み干した。哀れな雲禾の姿、長意は居たたまれなくなり席を立ったが、ふと思い立ち、以前、雲禾からもらった広物(コウブツ)集を出す。「まだ持っていたの?」雲禾が微笑みかけると、長意は気恥ずかしくなったのか、慌てて出て行った。( ;∀;)ちゃんいー雲禾はこのままおとなしく死期を待つつもりなど毛頭なかった。そこで霊力で結界を壊そうと試みるも、簡単に破れるはずもない。その時、仙師府から逃した地仙・阿鳴(アメイ)が食事を届けにやって来た。「北淵にいたのね?」「狐族世子の側近は立ち入りを禁じられたの、代わりに私がお世話するわ」一方、洛錦桑(ルオジンサン)は九寒洞で図らずも一夜を共にしてしまった空明に協力を頼むことにした。空明は突然、居所に乗り込んで来た洛洛にたじたじ、しかし涙ながらに雲禾の解放を訴える姿を見て情にほだされてしまう。…女子に手をつけておいてうやむやにはできないしな…「洛錦桑、責任はと…」その時、洛洛がいきなり空明を押し倒して馬乗りになった。「本当だ!本で読んだ通りね!男は同情を引けば油断するものだって!」洛洛の目的は空明から湖心島の令牌を奪うことだった。「持ってないって!」そこへ何も知らずに長意がやって来る。洛洛は悪びれる様子もなく退散したが、焦った空明は洛洛と一時の関係があったと認めた。「責任を取ろうとしても、あっちは恋愛感情が欠落している!」雲禾は阿鳴の協力でついに結界を破り、最後の力を振り絞って雲苑を抜け出した。しかし空明と辺境の防衛について相談していた長意が結界の異変に気づく。すると外で様子をうかがっていた洛洛は雲禾が逃げ出したと知って部屋に飛び込んだ。「帰ったと思ったでしょう?…ここにいてもらうから!」洛洛は雲禾を逃すため鱗粉(リンプン)を放ったが、長意は咄嗟に回避、洛洛と空明の腕を仙縄でつないでしまう。長意は雲禾が嬉しそうに走っている姿を見た。しかし雲禾は雪山までたどりつけず、あと少しというところで氷の上に倒れ込んでしまう。それでも自由を味わった雲禾は幸せだった。「解放された…やっと自由になれたわ!」冰湖(ヒョウコ)に響き渡る雲禾の笑い声、その時、長意が現れた。「やはり…こんな方法は甘かったわね…でも価値はあったわ」長意は雲禾を仙縄で縛り、連れ帰ることにした。雲禾は隙をみて逃げようとしたが、今の霊力では長意に叶わない。すると憤慨した長意はいきなり雲禾を引き寄せ、耳に噛みついた。「覚えておけ、天下広しと言えど、君の居場所は私の目の届く範囲のみだ」この様子を偶然、大歓と小歓が見ていた。離殊は2人から長意が雲禾に烙印を入れたと聞いて呆然、慌てて長意に会うことにする。「三月には秘密だぞ」しかし三月は離殊が慌てて出て行くのを見ていた。長意は雲禾が再び逃げないよう、雲苑の中にも結界を敷いて出ていった。すると阿鳴が雲禾の耳にある烙印に気づく。雲禾は長意が自分の所有物だと思い知らせるため印をつけたと気づき、深く傷ついた。「私は私自身のもの…誰にも操られず、支配もされない…長意でも無理よ…」( ;∀;)ラバちゃん…世子を迎えに冰湖へやって来た羅策(ラサク)、すると世子の耳に印があると気づいた。「世子?!鮫人の印を誰に?!…(はっ!)まさか紀雲禾ですか?!」長意は否定も肯定もしなかったが、それが答えだった。「鮫人の印は互いの五感を繋ぐんですよ?!紀雲禾の反噬の苦しみを分かち合うつもりですか?!」すると離殊が現れた。「雲禾を忘れられないんだな…生涯、守りたい人に出会えただけで幸運だ だが自分に縛りつけて死なせるな」「そういうお前こそ、縛られているのでは?」しかし離殊は自分と長意では全く違うという。「俺は三月に疎まれ、捨てられたら潔く諦めるね、だがお前はどうだ? 殺しもせず、こんな所に監禁して…彼女は何より自由を欲しがってる 北淵に引き留めたければ監禁するな、少しは譲歩しろよ」その話を三月が聞いていた。つづく( ゚ェ゚)…必ずどこかで誰かが見ているw
2023.08.23
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第1話…万花谷(バンカコク)の最強御霊師・紀雲禾(ジーユンファ)ある日、雲禾は順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が捕らえた鮫族世子・長意(チャンイー)の教化を任される心を通わせるうち、互いに惹かれ合うようになった雲禾と長意長意は寒霜に冒された雲禾を救うため、自ら尾ひれを切り落とすという鮫族の禁忌まで犯してしまうしかし雲禾は自分の命がわずかだと知り、長意だけでも逃そうと考えたそうとは知らず雲禾に胸を刺され、海へと突き落とされてしまう長意運良く従者と再会し、元仙師府の空明(コウメイ)に救われるも、自分を裏切った雲禾への憎しみは募った長意は新天地を求め北淵(ホクエン)へそこで仙師府と対抗している青丘の残党を助け、手を組む青丘は長意と空明のおかげで凌霜台(リョウソウダイ)を奪還、狐王を解放したさらに仙師府に捕らわれた仙友たちを救おうと計画する長意は絶大な霊力を誇る青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫の協力を得て鹿台(ロクタイ)山へ侵攻しかし思いがけず仙師に捕らわれた雲禾が策を巡らせ、ひと足先に地仙たちを逃していた長意は矢も盾もたまらず雲禾を救出再会を喜ぶ雲禾だったが、長意が自分を深く恨んでいると知る雲禾は自分なら間もなく死ぬと安心させたが、長意はこれから雲禾の命は自分のものだと言い放った『私が死んでいいと言うまで生きなくてはならない』すると長意は裏切りの代償を払わせるべく、満身創痍の雲禾を北淵へ連れ去ってしまう…ここは北淵にある氷に閉ざされた湖・冰湖(ヒョウコ)。長意は意識のない雲禾を湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)で休ませていた。すると雲禾の容体を見た空明はかろうじて脈はあるものの、骸も同然の身体だという。「天仙と地仙、両極の力が注入されているのは寒霜を解く手段だろう それが体内に双脈と霊丹を生んだ、だがこの方法は禁忌だ ゆえに寒霜は解けても体内で大きな反発が起こっている」長意は雲禾の話が本当だと知って驚いた。ともかく誰も近づかないよう湖心島の周囲を禁域に決めるが、羅策(ラサク)と空明は反対する。「無妄窟(ブボウクツ)に置かず、ここで静養させるのですか?」「長意、それは反感を買うぞ?」しかし長意は自分に考えがあると突っぱねた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は父の仙体を前に悲しみに暮れていた。一族を救うため自ら霊丹を取り出し犠牲になった狐王・卿玄(ケイゲン)。かろうじて凝丹(ギョウタン)術で経脈を保つことはできたが、目覚めることは難しい。しかし卿瑤はどうしても諦められず、空明の助言に従って仙体を凍らせ、父が目覚めるのを待つことにした。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)と雪三月(セツサンゲツ)は雲禾を追いかけ北淵にいた。ひとまず青姫の居所に身を寄せたが、雲禾が監禁されていると知り困惑する。すると長意が訪ねて来た。長意は青姫の助力に感謝したが、青姫は感謝されるほどの働きはできなかったという。実は仙師・寧清(ネイセイ)は青姫が封印されていた1000年の間に修為が激増、そのため青姫の霊力をもってしても寧清が仙師府へ戻るのを阻止できず、負傷していた。「あれほど強くなるなんて、何か裏がある気がするわ」そこへ羅策が駆けつけ、紀雲禾が目覚めたと知らせた。長意は慌てて帰ることにしたが、すかさず洛洛が止める。「どうして雲禾を閉じ込めるの?!…雲禾はあなたを逃して捕まった、何て恩知らずな!」「恩か仇かは私が決めて片をつける、君は関係ない」その時、厨房にいた山猫世子・離殊(リシュ)がやって来た。「長意!…滋養のある魚汁ができたところだ、飲んでいけよ」しかし長意は魚汁を奪って、帰ってしまう。洛洛と三月は雲禾の身を案じた。しかし青姫は″情のもつれ″には関与できないと冷たい。三月は腕づくでも雲禾を解放させると息巻いたが、離殊が止めた。「様子を見よう、長意が雲禾をいたぶるとは思えない、さっき魚汁を奪ったのは誰のためだと思う?」雲禾は窓を開けて外を見た。「雪だわ!大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の計らいかしら?私が雪を見たいと知ってるから…」しかし腕を伸ばすと結界に触れてしまう。そこへ卿瑤侍女・微妍(ビゲン)が食事を届けにやって来た。「立場をわきまえるのね、ここは湖心島の雲苑、あなたは監禁されているの」雲禾は自由を手に入れたわけではなく、牢から牢へ移動したに過ぎないと知る。「食事があるだけ上等よ、面倒をかけないで」微妍が帰ると入れ違いで長意が現れた。「長意…」雲禾は過去のことを謝罪し、解放して欲しいと頼んだ。しかし長意は食事をしろの一点張り、他には何も話そうとしない。「喉を通らないの…もう霊力を養う必要もないし…」「自分で食べるか、法術で食べさせるか、好きな方を選べ」憤慨した雲禾は卓をひっくり返そうとしたが、もはやその力もなかった。仕方なく食事を済ませて寝台に横になった雲禾、すると長意は黙って出て行ってしまう。「本当に帰った…私と話す気もないのね」すると長意は法術を放って日の光を隠し、代わりに満点の星空にして帰った。その頃、仙師府では顔に深傷を負った汝菱が目を覚ました。しかし付き添っているのが師匠ではなく弟の天君・汝鈞(ジョキン)だと知って深く落胆する。すると顔の怪我を思い出し、寝台から飛び出して鏡を見た。「この顔は…?!だから師父は会いに来てくれないのね」汝菱は包帯だらけの顔に激しく動揺し、すべて弟のせいだと八つ当たりしてしまう。「知ってるわ、あなたが元凶よ…紀雲禾の勝手を許して罪仙どもを逃したでしょう? 私の顔が傷ついたのもあなたのせいよ!全てあなたの過ちよ!」汝鈞は確かに全て自分の過ちだと認めた。「私が放任したせいで姉上は善悪も分からなぬ者になってしまった…」ここは閬風巓(ロウフウテン)。合虚(コウキョ)神君は以前、天君が置いた石を碁盤から浮かせて聞いた。「こうなると前もって知っていれば、ここに打ちましたか?」すると汝鈞はまた同じ場所に石を置いてしまう。親も同然の姉が苦しむ姿には確かに気が咎めるが後悔はしていなかった。「私は弟である前に天君なのだ」汝鈞はついに父から仙令を得たことで自信がついたが、まだ神兵を招集するほどの修為はない。その時、仙令から不思議な模様が飛び出した。「父上はこの模様で何をお示しなのだろうか?」一方、仙姫を救った万花谷の谷主・林昊青(リンコウセイ)は仙師府に傷の治りを良くする荀草(ジュンソウ)の実を差し入れた。姫成羽(キセイウ)はありがたく受け取り、師匠が戻るまで待って欲しいと頼む。その頃、寧清はようやく仙姫府を訪ね、治療を始めることにした。敬慕する師匠の来訪を喜ぶ汝菱、しかし寧清が回復を急ぐあまり荒療治を行い、激痛に苦しむことになる。「これも全て紀雲禾とあの鮫人のせいよ…必ずや悲惨な代償を払わせてやる!」雲禾が窓を開けて外を眺めていると、微妍が薬を届けにやってきた。寒い中、憎き御霊師の世話を任され不満が募る微妍。そこで半ば強引に窓を閉めることにしたが、雲禾の狐火で吹き飛ばされてしまう。微妍はこれに激怒、雲禾に立ち向かうも長意が現れ、窓から放り出されてしまう。雲禾は数日だけでも外へ出たいと頼んだ。しかし長意は認めてくれない。「私が死ぬのを待たなくていいわ、ひと思いに殺してちょうだい」「紀雲禾、君は死なない、私が苦しめる間は決して死なせない」雲禾は仕方なく薬草を食べ始めた。…ばかね、毎日あなたに会えるのに苦しいわけがない、短い余命の中で最大の喜びよ…仙師府に突然、悪霊が現れた。実は悪霊を放ったのは林昊青の仙侍・思語(シギョ)。三月に解毒薬を奪われた林昊青は姫成羽が悪霊退治に出かけている隙に解毒薬を盗もうと計画した。しかし解毒薬はどこにあるのか。その時、誰かの気配を感じた。林昊青は幻覚でも見たのかと思ったが、戸棚の隙間から不自然に風が出ていることに気づく。そこで戸棚を押してみると、隠し部屋が現れた。寧清はちょうど悪霊退治を終えた姫成羽と合流、林昊青が待っていると聞いた。足音に気づいた林昊青は慌てて隠し部屋から飛び出し、危機一髪のところで間に合う。「碁の盤面を見ていました、戻し忘れがあればご容赦を…」一方、微妍は主に紀雲禾が奇妙だと訴えていた。囚徒と言いながら鮫族世子が頻繁に通っており、今日は雲禾が赤い狐火を使ったという。卿瑤は世話係を変えると安心させたが、なぜ御霊師が狐火を操れるのか分からなかった。「詳しく話して」赤い狐火を操れるのはかつて林滄瀾(リンソウラン)に従い万花谷へ行った叔母の卿舒(ケイショ)だけだった。すると卿瑶の従兄・奇鋒(キホウ)は紀雲禾が叔母を殺して霊力を盗んだと疑う。「表哥、私に調べさせて、本当に紀雲禾が凶手ならその時は許さない」林昊青は結局、解毒薬を見つけられず万花谷へ戻った。それにしてもあの密室にあった絵姿は誰なのか。一見すると順徳に似ていたが、その顔には順徳にはない英気があった。聞けば仙師は順徳の治療に幽虫(ユウチュウ)を使っているという。思語は驚いた。確かに幽虫は腐肉を除いてくれるが、薬性が極めて強く、火に焼かれるより激しい痛みを伴うという。林昊青はもしや仙師が愛しているのは順徳の顔だけではないかと疑った。「今日の最大の収穫はあの絵姿だ…」寧清は林昊青が密室に入ったと気づいていた。「お前が招き入れたな?」「だから何だ、お前が約束した大乱が始まらぬゆえ、足元に火をつけてやったのだ これ以上、引き延ばすな!私を元の姿に戻らせよ!」絵姿に封印された霊力は不満を爆発させた。「戻りたくばおとなしく待て」「もし従わなければそうする?私を殺すのか?」つづく( ゚ェ゚)幽虫ぶ…w
2023.08.22
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