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花间令 In Blossom第5話馬車の車輪についていた土が鉱山のものだと気づいた潘樾(パンユエ)。そこで上官芷(シャングワンジー)を連れて廃坑に向かった。「あの日、お前は楊采薇(ヤンツァイウェイ)をさらってここで危害を加えようとしたな? だが楊采薇が逃げ出し、お前は㬢園(ギエン)まで追いかけ、突き落としたのだ」潘樾はその証拠に上官芷の香袋を示し、楊采薇の遺体の近くに同じ香袋が落ちていたと明かした。…上官芷、私に成り済ましたのになぜまだ持っていたの?…さらに潘樾は上官芷が自分を酔わせて記録を盗み見たことも知っていた。恐らく現場に香袋が落ちていたか確かめたかったのだろう。「白状しろ、命で償わせるぞ?」しかし采薇には証拠があった。「下を見て」すると崖下に上官家の護衛と祈祷師の亡骸があった。上官芷は確かに楊采薇を廃坑に連れて来たと認め、盗賊に襲われて谷に落とされたと説明した。運良く上官芷たちは枝に引っかかって助かり、楊采薇を馬車で逃してから気を失ったという。「なぜ逃した?」「彼女の話を聞いて分かったの、2人の絆が強いことを…私は独り善がりだった」潘樾は楊采薇から何を聞いたのか尋ねた。すると驚いたことに上官芷が知るはずのない潘樾の告白を明かす。「10年前、彼女はあなたに門前払いされたと… 禾陽(カヨウ)に流れついても顔の傷のせいで蔑まれ、死者を頼りに生きる日々 そんな時、別世界にいると思っていたあなたが現れた 全てが誤解だと言うあなたを信じて心から嫁ぎたいと思ったそうよ ″この生涯で娶りたいのはただ1人、10年前も10年後も変わらない、そなただけ″ あなたがそう言ったと…」すると潘樾は誤解だったと気づき、上官芷に馬車で帰るよう告げて独りで行ってしまう。そんなある日、禾陽に銀雨楼(ギンウロウ)の少主が戻って来た。人を食べると噂になるほど恐れられる少主。新しい県令の着任から禾陽の勢力関係が崩れ、先日も銀雨楼の面目を潰すためか県令が40万も吹っかけてきたという。「潘樾は銀雨楼が片づけると伝えろ…私が追い出してやる」白小笙(バイシャオション)がついに老姜頭(ラオジアントウ)を探し出し、楊采薇は感動の再会を果たした。老姜頭は始めこそ上官芷の外見に戸惑っていたが、自分が教えた検視の心得を聞いて弟子だと確信する。実は老姜頭は楊采薇の婚儀の日、覆面の男に襲われていた。しかし幸い楊采薇の妙薬のおかげで症状が落ち着いていたことから、隙を見て逃げ出すことに成功したという。「顔ははっきり見えなかったが、新郎衣装だった」「潘樾ね、本当に冷酷な男だわ…師父はここで養生して、私が調べるから」老姜頭はくれぐれも用心するよう訴え、解剖道具を渡した。楊采薇は帰り道、古木のうろに隠しておいた玉佩を回収した。…必ず元の身分を取り戻して見せる…潘樾は昨日の一件で上官芷が役所を辞めやしないか心配したが、翌朝も上官芷は元気に書斎へ現れた。すると突然、銀雨楼が県署に押しかけ、少主の代理だという孫震(スンジェン)が潘樾を夫人殺害の罪で告発する。嫌がらせなのは火を見るよりも明らか、しかし上官芷の死因を知りたい楊采薇にとって渡りに船だった。「潘大人が犯人だという証拠はありますか?」「証拠は役所が探せ、当時、御史として前県令の調査を妨害したとか 弾劾されると今度は県令として戻って来た 法を踏みにじる殺人犯に禾陽の長を任せられると?!」そうだ!そうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ@銀雨楼の死ね死ね団潘樾は銀雨楼の宣戦布告と知りながら7日以内に結果を出すと約束した。「度胸のあるやつだ、お手並み拝見といこう」孫震から報告を聞いた少主はちょうどある娘の人形を彫っていた。楊采薇はこの機を利用し、検死を公開して隠し立てしない態度を見せてはどうかと進言した。しかし潘樾は楊采薇の死なら事故のため調べる必要はないという。「私に計画がある」「計画って何ですか?!」墨をすっていた采薇は思わず身を乗り出したが、潘樾は教えてくれない。その時、うっかり硯(スズリ)に触れて采薇の手が汚れてしまう。その夜、潘樾は百花宮(ヒャッカグウ)に宮主・青帝(チンディー)を訪ねた。尾行した楊采薇は上客に呼ばれたと舞い上がっている楽師たちを見かけ、どさくさに紛れて弾けもしない阮咸(ゲンカン)を持ってついて行く。すると個室ではすっかりくつろぐ潘樾の姿があった。采薇は露台で楽師たちの曲に合わせて指だけ動かしながら、帳(トバリ)で仕切られた部屋の様子をうかがう。その時、青帝が現れた。青帝は潘樾が噂通り眉目秀麗な風流才子だと絶賛した。しかしそんな潘樾でも銀雨楼の少主には手こずるはずだという。卓山巨(ジュオシャンシュー)の一人息子・卓瀾江(ジュオランジアン)は都の書生だった。実は3年前、禾陽に金水幇(キンスイホウ)という勢力が現れ銀雨楼と抗争となり、卓楼主が命を落として少主が戻ったという。「あの夜、何があったのか誰も知らない 翌朝、赤く染まった川に人々が気づいた時には金水幇全員の頭が城門に掛かっていたわ」潘樾は青帝が銀雨楼から手を引かせたいのだと思ったが、意外にも青帝は潘樾と手を組みたいと申し出た。「禾陽に来たなら四大宗族との勝負は必至、百花宮がお力添えしましょう」青帝は四大宗族の末席では満足できず、潘樾に賭けたいという。そこで誠意を示すため贈り物があると言ったが、青帝が声を落としたせいで采薇には聞こえなかった。潘樾と青帝は交渉がまとまったのか乾杯、青帝は次の曲を弾くよう命じた。その時、楊采薇は過って弦を弾いてしまい、潘樾の注意を引いてしまう。楽師たちは面紗で顔を隠していたが、潘樾は阮咸の楽師にどこか見覚えがあった。すると潘樾は楽師の手に墨の汚れがあることに気づき、その楽師が上官芷だと気づく。「私の気を引きたいようだ、今夜は私に付き合え」楊采薇は帰りの馬車で潘樾に厳しく叱られた。「何をしようと構わぬが、私は哥哥からそなたを預かっている 今度、バカな真似をしたら守れぬぞ?!」それ以来、潘樾は上官芷が尾行しないよう用心深くなった。おかげで上官芷の埋葬場所を見つける手立てを失ってしまう。しかし偶然、采薇は劉(リウ)捕吏たちの噂話を耳にした。例の7日の約束で賭けが始まり、賭場は大賑わいだという。そこで采薇は白小笙と一芝居打ち、賭場で卓少主が勝つと触れ回った。実は少主がすでに夫人の遺体を発見、勝負はついたも同然だという。賭場を後にした楊采薇と白小笙は急な雨に降られ、ひとまず酒屋の前で雨宿りした。すると小笙が令嬢となった采薇を気遣い、傘を買いに行ってくれる。その時、酒屋から男の騒ぎ声が聞こえた。「楊采薇、毎月ここで飲む約束だろう?どこへ行ったんだ?!」…阿江?…男は楊采薇がかつて無縁墓地で偶然、助けた阿江だった。驚いた采薇は給仕に銀子を払って見逃してもらったが、そこへちょうど傘を買った白小笙が戻ってくる。「お、イケメンね、誰?」「私が命を助けたの、友だちと呼べるのはあなたと彼だけよ」すると采薇は酔い潰れて倒れた阿江を助けた。屋敷に戻った楊采薇は自責の念に駆られた。師匠は自分のせいで身を隠し、小笙には気を遣わせ、苦しむ阿江に真相を明かすこともできない。…早く全てを終わらせなくては…すると約束の7日まであと2日という時、ついに噂を耳にした潘樾が動いた。「夜までに馬の用意を」そこで楊采薇は胡瓜の花粉を袋に入れ、潘樾の馬の鞍にこっそり下げてから小さな穴を開けた。その夜、楊采薇は潘樾が出かけるのを確認して屋敷を出た。すると袋の穴からこぼれた胡瓜の花粉が目印となり難なく潘樾の行き先が分かる。上官芷の墓は采薇がかつて潘樾に自分の墓を立てたいと話した桃林にあった。…なぜここに?…楊采薇は潘樾が帰るのを待ってから廟に入った。すると位牌に″亡妻楊采薇之霊″と書かれている。采薇が棺のふたを開けると、そこには花嫁姿の自分の身体が眠っていた。つづく( ゚ェ゚)パン君の白髪が増量し、師父は霊蛇のおかげでしらふに…
2025.02.15
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古相思曲 An Ancient Love Song第2話「まさかの二度目」史実と全く異なる″元啓(ゲンケイ)の変″を目撃した沈不言(シンフゲン)。孤立無援の皇后・陸鳶(リクエン)の元へ駆けつけるも、趙啓龍(チョウケイリュウ)に襲われてしまう。「はっ!またお前か」「″また″って…」沈不言が趙啓龍の言葉に困惑していると、その時、陸鳶が颯爽と飛び出し、趙啓龍に応戦した。陸鳶は武芸者だった。沈不言を守りながら孤軍奮闘する陸鳶。するとその隙に丞相・李擁(リヨウ)が弩(ド)に矢をつがえ、沈不言に狙いを定めた。「全てお前のせいだ、沈なんとやら…初めからお前がいなければ…」しかし李擁の放った矢は咄嗟に沈不言の盾となった陸鳶の背中に命中してしまう。皇后が倒れる姿を見た虎豹(コヒョウ)営は一斉に突撃。驚いた李擁たちは陸鳶の息子・楚同裳(ソドウショウ)を置いて逃亡した。血まみれの陸鳶を抱き留め、途方に暮れる沈不言。すると陸鳶は沈不言の手を握りしめながら、うっすら笑みを浮かべた。「恐れないで…あなたはまた私に会える…」その時、沈不言は激しいめまいに襲われ、気がつくと自宅の机にいた。スマホの着信画面を見た沈不言はまだ30分しか経っていないと知った。やはり夢だったのか。しかし自分の著書″南晟遺事(ナンセイイジ)″を開いてみると、″元啓の変″の結末が変わっている。…やはり夢じゃない、陸鳶は私のせいで死んだのか?…すると5つに割れていた玉がいつの間にか4つになっていた。よく見ると欠片の2つがつながり、4つになったと分かる。沈不言は試しに接着剤で玉を修復したが、やはり晟国には戻れなかった。そこで翌朝、玉を譲ってくれた露店の老婦人を頼ることにする。しかし露店は見つからず、書店の店員に尋ねても無駄だった。「露店?露店なら禁止されていますけど…」家に戻った沈不言は頭を抱えた。すると昨夜、鼻血が出たことを思い出し、試しに指に針を刺して玉に血をつけてみる。その時、急に風景が回転し始めたかと思うと、どこからともなく賑やかな声が聞こえてきた。…3月は上巳の節句!柳の露で厄を払おう!…沈不言は昨夜の古装のまま上巳節で賑わう大晟の城下にいた。どうやらタイムループして″元啓の変″の直前に戻ったらしい。沈不言は陸鳶に李擁の裏切りを伝えようと決めたが、その時、人ごみの中に陸鳶の姿を発見した。「陸鳶!陸鳶!私だ!待ってくれ!」すると沈不言の声を聞いた陸鳶が足を止め、振り返った。しかし陸鳶も侍女・倚華(イカ)も沈不言を知らず、感動の再会どころか冷たくあしらわれてしまう。…そうだった、まだ私を知らなくて当然だ…沈不言は陸鳶の後を追いかけ、江都で有名な鏡花楼(キョウカロウ)に入った。そこでちょうど風流な場にふさわしくないと邪険にされていた公子を見かけ、止めに入る。実はその子供のような公子は元啓(ゲンケイ)皇帝だった。無邪気な元啓は自分を助けてくれた沈不言に御牌(ミハイ)を渡し、上機嫌で遊びに行ってしまう。その時、店内に西榮(セイエイ)商人たちが現れ、御牌を持っている沈不言を元啓皇帝だと勘違いした。「少爺?西榮に帰りましょう、馬車で老爺がお待ちですよ?」「誰が少爺だよ…はっ!」男の短刀を見た沈不言は西榮の黒賊(コクゾク)だと気づき逃げようとしたが、捕まってしまう。…まずい、まだ陸鳶と話していないのに…しかしちょうど元啓を探していた陸鳶が現れた。陸鳶は今回も沈不言を守りながら見事な武芸を見せた。そこへ″殺神(サッシン)″の虎豹(コヒョウ)の面をつけた武将が駆けつけ加勢、黒賊を一掃する。「阿時(アジ)」「姐姐」沈不言は驚いた。陸鳶の弟・陸時(リクジ)と言えば無骨な男のはず。しかし仮面の下から現れたのは爽やかな好青年で、何より史実では陸時はもう死んでいるはずだった。陸時はまだ遊び足りないという皇帝を説得して店を出た。沈不言はまた自分を救ってくれた陸鳶に感謝し、今は元啓何年なのか確認してみる。「恐らく元啓15年かと…」「…元啓5年よ」陸鳶は皇后ではなく、まだ皇帝の世話をする掌宮(ショウキュウ)という身分だった。ともかく沈不言は10年後に李擁が国を裏切ると訴え、未来に起こる出来事を詳しく伝えておく。しかし陸鳶はでたらめだと相手にしなかった。「私に養子などいないし、丞相が裏切るはずない、もう帰って」沈不言は陸鳶を追いかけたが、店を出た陸鳶は驚いたことに李擁の馬車に乗り込んだ。沈不言は皇帝の御牌を持っていたお陰で堂々と長晟(チョウセイ)宮に入った。するとちょうど李擁が陸鳶の手を取って馬車から下ろしている姿が見える。…10年前の2人は親しかったのか、陸鳶に李擁の思惑を伝えなくては…沈不言は窓からこっそり紫光(シコウ)殿に入った。そこは皇帝の寝所だったが、まるで子供部屋のように玩具が並んでいる。正殿から漏れ聞こえる陸鳶と李擁の話し声、すると元啓が寝所にいる沈不言を見つけた。「しーっ!陛下、あの二人はどういう関係です?」「朕の鳶姐姐なのに毎晩、取られちゃうんだ 朕は文字が嫌いだが、亜父は好きなんだって」「亜父って…」李擁は元啓を傀儡にして朝廷を牛耳っていた。朝臣の中には李擁の独裁だと糾弾する上奏もあったが、陸鳶は5年前に皇帝がうつけとなって以来、政を担ってきた丞相の苦労を労う。「お前さえ分かってくれれば良い」その時、陸時がやって来た。「義父、姐姐…」鏡花楼に現れた西榮商人は北烈人だった。所持する曲刀は西榮の型だったが、素材は北烈の寒鉄だったという。沈不言は李擁が皇帝の居場所を漏らしたと気づき、晟と西榮を戦わせるためだと分かった。すると陸時も北烈が晟に戦をさせる魂胆だと進言する。「北烈と西榮の戦が始まって3ヶ月、大事な時期です 陛下を連れ去れば我が国は西榮へ攻め入り、北烈は漁夫の利を得られる…」実は最近、北烈軍が火烽堡(カホウホウ)周辺の遊牧民を装ってが西へ移動していた。陸時はこの機に山河を奪還したいと嘆願、雪辱を果たす好機だという。つづく(  ̄꒳ ̄)これは…篤姫?
2025.02.14
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花间令 In Blossom第4話翌朝、楊采薇(ヤンツァイウェイ)が目を覚ますと上官蘭(シャングワンラン)はすでに出立していた。まだ眠っている妹を起こさぬよう、大金を残して都へ帰った上官蘭。采薇は見たこともない銀子の山に度肝を抜かれながら、妹を思う兄の優しに胸が痛んだ。…この先、どうやって上官公子に真実を告げたらいいの?…潘樾(パンユエ)着任の日。楊采薇は㬢園(ギエン)を引き払い、県署に引っ越すと決めた。親友に面倒を見ると約束した手前、潘樾は許したが、我がままな上官芷(シャングワンジー)のこと、すぐに根を上げるだろう。県署には李(リー)家殺害の件で楊采薇を杖(ツエ)打ちに処し、鬼市では用心棒に潘樾がいると密告した劉(リウ)捕吏がいた。令嬢らしい微笑をたたえながら内心、怒り心頭の采薇。しかし意外にもすぐ鬱憤を晴らす機会がやって来る。実は禾陽(カヨウ)では″官位を保ちたくば四大宗族に留意せよ″という掟があった。四大宗族とは″禾陽を覆う銀雨楼(ギンウロウ)″、″妓楼が避ける百花宮(ヒャッカグウ)″、″財のため生死を賭ける生死坊(セイシボウ)″、″善を施し万家を司る済善堂(サイゼンドウ)″のことで、もし四大宗族に関わる案件が持ち込まれた場合、原告と被告の素性を調べ、四大宗族に有利になる方が白と決まっているという。すると潘樾は汚職を指南した劉捕吏を断罪し、杖打ち20回と減棒三月に処した。「上官芷、そなたが打て」「うぉ(我)?」采薇は困惑したが、確かにあの時の恨みを晴らす絶好の機会だと気づき、上官千金という身分も忘れて大きな杖を振り下ろした。(^ꇴ^)<だーれん、終わりました!ひと仕事終えて居所に落ち着いた楊采薇。すると回廊を歩いてきた潘樾の姿を見つけ、彼の部屋が上官芷の部屋のすぐ近くだと分かった。…ふっ、順調すぎて驚きよ、待っていなさい、私への借りを全部、返してもらうから…翌朝、楊采薇は侍女・凌児(リンアル)に頼んでおいた使用人の衣装で役所に現れた。少々わざとらしい継ぎはぎだったが、潘樾はすぐ上官芷がいつもと違う雰囲気だと気づく。「別人に生まれ変わったようだ」「はい、九死に一生を得たので」「九死に一生か…そう言えば㬢園に押しかけて暴れたな あれからどこへ行って、何が起きたんだ?」「(上官芷は私をさらう前、㬢園を訪れていたのね?何のため?) …あなたが他の女子を娶ると知って深く傷ついた私は遺書を残して姿を消しました 数日だけ身を隠すつもりでしたが道中で盗賊に遭い、馬車から崖下へ飛び降りたんです 盗賊には死んだと思われ、命拾いしました」どちらも腹に一物ありながらおくびにも出さない采薇と潘樾。すると潘樾は主簿が老年のため上官芷に補佐を任せ、これからは裁判の記録を取って判決を言い渡すよう命じた。「理由なく私のそばを離れぬように」上官芷は潘樾と一緒に書斎で仕事をする羽目になった。…潘樾を調べるつもりが逆に私が監視されてるじゃないの…潘樾は自分の着任宣言に上官芷を同行させることにした。しかし道中で孫万財(ソンワンツァイ)と夫人の揉め事に巻き込まれてしまう。夫人は気が触れているように見えたが、潘樾も楊采薇も夫人の腕からのぞくアザを見逃さなかった。楊采薇は夫に虐待された夫人を救うため、潘樾に暴言を吐いた罪で夫人を収監することにした。しかし潘樾が却下、心身喪失した者は罪を免れると見逃してしまう。「だが今後は夫人の言動に責任を持ってもらうぞ」「はい大人、次は私が全責任を負います!」安堵した孫万財は配下に夫人を拘束させたが、その時、激高した夫人が潘樾を″悪党″と罵った。すると潘樾は孫万財の言葉尻をとらえ、責任を取って夫人の代わりに罪を償えと迫る。劉捕吏は慌てて孫万財が銀雨楼だと教えたが、潘樾は鼻であしらった。「捕らえよ!…私の牢は善人の入るところではない」着任宣言も無事に終わり、潘樾は地元の名士たちと宴席にいた。楊采薇はその間に上官芷の事案の記録を探し出そうと保管庫へ向かう。実は保管庫はかつて検視官だった師匠が未解決の事件を調査するよう県令に懇願し、追い出された因縁のある部屋だった。保管庫に上官芷の案件の記録はなかった。主簿の話では全て潘県令が持っていったという。采薇は慌てて潘樾の部屋へ、すると大きな行李の中に錠がついた箱があった。その時、運悪く潘樾が千鳥足で戻って来る。焦った采薇は行李の影に隠れ、潘樾の着替えが終わるのを待つしかなくなった。そのお陰で潘樾が鍵を肌身離さず持っていると分かり、思いがけず腹に大きな傷跡があると知る。…見た感じ、ひと月も経ってないわね…その夜、晟喜(セイキ)楼に四大宗族が集まることになった。四大宗族の資金源である孫万財を捕まえた新人の県令・潘樾への対応を協議するためである。すると銀雨楼の使いが現れ、少主がまだ禾陽に戻らず欠席すると知らせて帰った。生死坊坊主・蔡昇(ツァイション)と済善堂堂主・顧雍(グーヨン)は若造などさっさと潰そうと息巻いたが、唯一の女子である百花宮宮主・青帝(チンディー)は妻を殴る男をかばう気はない。そもそも郡主の婿に手を出せば禾陽にいられなくなるのは自分たちだという。「まずは礼を尽くすのみ…」楊采薇は市場で商売している白小笙(バイシャオション)を頼り、強い酒を手に入れた。すると嬉しいことに小笙が師匠の手がかりが見つけたという。「続報を待っていて」采薇が酒を持って屋敷に戻ると、ちょうど四大宗族が藩越を訪ねていた。そこで回廊で立ち聞きしたが、潘樾は孫万財を釈放したければ40万払えと要求している。…昔は実直だったのに、なぜこうもひねくれたのかしら?…呆れた采薇はそこで引き上げてしまう。その夜、楊采薇は捕吏たちを夕食に誘い、実は県令も皆と仲良くしたいと吹き込んだ。悪い気はしない捕吏たち、すると偶然、潘樾が居所に戻ってくる。そこで劉捕吏が代表して県令を酒席に誘い、采薇は計画通り潘樾にも例の強い酒を飲ませることに成功した。疑われないよう采薇も乾杯したが、実は独りだけ酔い止めを飲んでいる。…早く潘樾の正体がバレて報いを受けますように…すると護衛の阿澤(アーヅー)まで凌児に無理やり飲まされ、泥酔してしまう。寝たふりをしていた楊采薇が薄目を開けると、潘樾も捕吏たちも酔い潰れていた。そこで采薇は潘樾に肩を貸して部屋まで送り届け、何とか寝台へ寝かせてから鍵を手に入れる。箱の中には鬼市で描いてもらった潘樾と自分の絵姿があったが、その下から報告書が見つかった。…楊氏が落下した当時、部屋は無人、毒も検出せず外傷もなく部屋に紛失物も損壊の跡もなし唯一、遺体のそばに奇妙な水の染みがあった…その時、潘樾が寝返りを打ち、驚いた楊采薇は箱を閉めて潘樾に鍵を戻した。「では潘大人、ごゆっくりお休みください」しかし上官芷が部屋を出て行くと潘樾が起き上がった。翌朝、楊采薇は上官芷の案件を考えあぐねていた。…あの時、婚房の明かりが一度、消えたわ、再度ろうそくを灯す前に上官芷を気絶させた?時間差で落下するよう仕組めば不在は証明できる、でも例の水はどこから?…采薇は潘樾が上官芷を殺害して亡骸を窓の前に立たせ、紐で梁に固定したと仮定した。時間を稼ぐため梁側に氷を挟み、溶けると同時に紐が外れて亡骸が窓から落ちるというからくりか。しかし仮に殴られたのなら上官芷に外傷がなくてはおかしい。唯一の手がかりは上官芷の亡骸だったが、潘樾がどこに上官芷を埋葬したのか分からなかった。潘樾は急に上官芷を連れ出し、馬車でとある民家を訪ねた。実は調査の末、頼(ライ)家の老三が上官芷を襲った盗賊だと判明し、面通ししろという。楊采薇は困惑し、盗賊なら覆面をしていたので分からないと誤魔化した。すると潘樾は物証があると教え、上官家の馬車を示す金の飾りを頼老三に投げ返す。「これを一昨日、質に入れたな?どこでこれを?」実は婚礼の日、上官家の馬車を御していたのは老三だった。通りかかった㬢園が婚礼で警備が手薄だと気づき、裏庭から侵入してめぼしい品を盗んだという。上官家の馬車は頼家の裏庭にあった。あの岩山での出来事を思い出し動揺を隠せない楊采薇。すると馬車を調べていた潘樾が車輪についている土の特徴に気づき、意味ありげに上官芷を見た。つづく( ˙꒳˙ )あのシックスパック、本人じゃなさそう?←そこ?w
2025.02.14
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长相思 第二季 lost you forever S2第20話小夭(ショウヨウ)も結局は両親や父王のように天下万民のため、復讐より大義を選んだ。独り残された瑲玹(ソウゲン)は小夭を抱きしめ号泣。しかしその時、不意に目が覚めて小月頂で祖父と一緒にいると気づく。「はっ!爺爺(イェイェ)、このお茶は一体…私は幻境にいました」太尊が瑲玹に飲ませた茶は″因果″と呼ばれ、3000年に1度だけ開花し、次の3000年で実をつけ、更に3000年で実が熟し、9000年を経て実る果だという。瑲玹は祖父から塗山璟(トザンケイ)を殺したか聞かれたことを思い出し、自分ではないと否定した。太尊も瑲玹でないと分かっていたが、その実、塗山璟の不幸を喜んでいたはずだという。「小夭の目はごまかせぬぞ?お前が本気で調べ上げねば猜疑の念に苦しむだろう」太尊は瑲玹より気の短い者が手を下していなければ、いずれ幻境が現実になっていたと釘を刺した。≡≡≡≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコーッ!赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は塗山篌(トザンコウ)と防風意映(ボウフウイエイ)をけしかけた黒幕が妹だと気づいていた。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は見えすいた嘘をついたが、兄をごまかせるはずもない。実は秘法で顔を消していた死士は王后となった妹を守るため辰栄氏が育てた私兵だった。「従兄を殺すとは」「塗山璟は単なるついでよ、本当の標的は西陵玖瑤(セイリョウキュウヨウ)だった まさか防風意映が仏心を出して裏切るとはね、おまけに塗山篌までしくじった」馨悦は事の重大さに気づいていないのか、何の証拠もないので問題ないと悪びれる様子もない。 「後悔している…徳のないお前を王后にしたせいで災いを招いてしまった!」「そうよ!徳がないから人質にされたのよっ!」しかし馨悦は万が一の時は自分1人で責任を負い、一族に迷惑をかけないと約束した。すると豊隆はすでにこの件を処理しておいたと教える。「だが忘れるな、今回だけだ、2度と過ちを犯すな」( ๑≧ꇴ≦)お前だったのかーい!すっかり忘れていたわw瑲玹は恐る恐る小夭の部屋を訪ねた。現実の世界では何事もなく医書を編纂している小夭、しかし美しい黒髪に白髪がある。「小夭、その髪は…」「何本か色が変わっただけよ…分かってるわ、婚礼のことで怒っているのね?」「小夭…お前が生きていれば私はどんなことでも受け入れられる」「心配しないで、早まったりしない、それに璟を待たなくては」すると瑲玹は婚礼を阻止しようとした時、小夭が″あの時とは違う″と言った意味を聞いた。「だって娘(ニャン)と璟では違うから…娘は子供より責任が大事だったのね 両立できないから私が捨てられた、仕方がないわ、だって西炎の王姫で責任も重大だもの でも璟は違う、彼にとって一番大事なのは私 娘は私を捨てて死んだけれど、璟は私のために生きる、私を捨てて逝くはずない 何があろうと必ず戻ってくるわ」小夭は幻境でも現実でも塗山璟が自分にとっていかに大切かを訴えた。「璟は生きている…哥哥、分かってくれる?」 「分かるよ、これからも捜索させる」瑲玹は思わず小夭を強く抱きしめた。「忘れないでくれ、全て私が悪かった、私のせいなのだ、最初から私が間違っていた」「ふふ、分かった、じゃあ私が過ちを犯しても全て哥哥のせいね?」その夜、王后の寝宮に西炎王が現れた。久しぶりの来訪を喜ぶ辰栄馨悦だったが、人払いした瑲玹から塗山璟の一件を追及されてしまう。「そなたが塗山璟を殺した目的は何だ?何の利がある?」「彼が消えれば陛下は想い人を娶れます、陛下は塗山璟が消えて欲しいと思っていたのでは?」「なぜ殺したのか聞いたのだ!」「なぜか?…ふっ、陛下は私など全く眼中になかったのですね」「まさか標的は小夭だったのか?」「そうです!」馨悦は瑲玹こそ自分の王位のために愛する女子を他の男の元に送りながら、王位を得たら奪い返そうとしたと蔑んだ。バシッ!⊂彡☆))Д´)アゥ!瑲玹は怒りに任せて馨悦の頬を引っ叩いたが、気位の高い馨悦は毅然としていた。「西 炎 瑲 玹 ! 度胸があるなら私を殺しなさい!」「できるかっ!…その位は奪わぬ、だが王后の権利は与えぬ! 誰にとっても目障りな存在となり、死ぬまで苦しむのだ 辰栄馨悦よ、しかと王后の座を享受するがいい」( ๑≧ꇴ≦)馨悦wwwww~振り返ったところ最高w辰栄残党軍の洪江(コウコウ)は再三の説得にも応じず、瑲玹はいよいよ挙兵して内患を解決することになった。そこで蓐収(ジョクシュウ)を総帥、覃芒(タンボウ)を副将に決めたが、赤水豊隆は自分に任せて欲しいと嘆願する。しかしそんな息子の姿を辰栄熠(ユウ)が苦々しく見ていた。赤水豊隆は総帥に命じられた。すると屋敷に戻ってから父に厳しく叱責されてしまう。「敵に帰順した私は今も父親(フーチン)に恥じている それなのに息子のお前が兵を率いて辰栄残党軍を滅ぼすというのか?! 中原の氏族を出征させぬのは陛下のご配慮なのに!」すると豊隆は私欲で名乗りをあげたのではないと訴え、事情を明かした。実は王后が小夭と塗山璟の暗殺を企て、小夭は無事だったものの塗山璟は未だ行方不明だという。「馨悦の過ちは死罪に値する だが陛下は中原の氏族を敵に回せず、馨悦を罰することができません しかし馨悦の人生は終わったも同然 真相に気づいて私が秘密裏に処理しましたが、陛下にも璟にも合わせる顔がない…」真実を知った辰栄熠は呆然となり、腰が抜けてへたり込んでしまう。赤水豊隆は出征前に妹を訪ねた。しかし頑な辰栄馨悦は兄の気遣いに感謝するどころか、2度と来るなと冷たく追い返してしまう。そしていよいよ西炎軍が出陣する日を迎え、西炎王自ら見送りに出た。「勝ちを急ぐな、兵力の損失を抑え、敵の消耗を待って一撃で倒せ」「承知しました!」太尊は編纂に没頭する小夭を訪ねた。実は今朝、赤水豊隆が洪江討伐のため兵を率いて出征したという。しかし瑲玹がすでに清水(セイスイ)鎮から民を避難させたと安心させた。太尊は相柳(ソウリュウ)と近しい小夭の反応が心配だったが、思いのほか小夭は冷静に見える。「分かったわ…」すると小夭はふいに窓際に立って外を眺めながら、初めて回春堂での生活や塗山璟、相柳との出会いを明かした。その頃、空き家となって久しい回春堂に相柳がやって来た。中庭には今でも玟⼩六(ビンショウリク)が横になっていた長椅子がある。小夭と相柳は時を同じくして偶然にも回春堂で過ごした時間を懐かしんでいた。「傷を負って訪ねてきた相柳は動けなかったの だからかまどの木炭で目を7つ描いてやったわ、本物の目と合わせてちょうど9つよ 相柳は憎々しげに私を睨みつけていた、でも不思議ね、相柳から殺気は感じなかった」相柳はあの時のように玟小六の寝台に腰掛けた。するとふいに蠱虫(コチュウ)がうずいて左胸に手を当てる。…2つの地で抱かれる1つの愁いか…相柳は寝台に横になると、当時、自分に寝床を奪われふて腐れていた玟小六の顔を思い出して微笑んだ。洪江は最後の決戦を前に、去りたい者は去るよう勧めた。しかし残党軍は誰一人、逃げ出す者などいない。「軍師が残るのに我々が去るとでも?!最後まで共に戦おう!」おーっ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<おーっ!戦が始まって1年、洪江は相柳に反対され前線には出なかった。そんなある日、相柳から今夜、西炎軍に奇襲をかけて欲しいと頼まれる。「派手な方がいい、赤水豊隆を動揺させる」「なぜ今夜なのだ?」「…時機が来たのだ」一方、豊隆も西炎の国力があれば勝利を急ぐ必要はないと分かっていた。「だが妹の性分では長くは待てまい…」その時、にわかに軍営が騒がしくなった。「洪江の奇襲です!兵糧に火が放たれました!」豊隆はついに敵将が現れたと知り、これを好機と見て出撃してしまう。赤水豊隆は功を急いで洪江を追いかけ、相柳の策にはまって大敗を喫した。西炎の氏族は総帥を代えるよう上奏、しかし豊隆を降ろせば中原の氏族が黙っていないだろう。瑲玹は祖父に戦況を報告し、自ら清水鎮へ赴くと伝えた。すると小夭が一緒に行くという。瑲玹は危険だと反対したが、祖父は小夭もケリをつけたい思いがあるとして認めた。「分かりました、小夭、ただし私から離れず、勝手に動くなよ」「はお」こうして小夭と瑲玹は因縁深い清水鎮にやって来た。つづく( ;∀;)回春堂での時間が確かに懐かしい〜
2025.02.11
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长相思 第二季 lost you forever S2第19話かつて小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)は亡き祖母の前で誓いを立てた。生涯お互いを信じ、その誠意を疑わない、そしてお互いを思い合い、決して裏切らないと…。小夭は誠心誠意、瑲玹を支えてきたが、まさかその見返りに愛する人を失うとは思わなかった。「うぇいしぇんむぁぁぁぁぁぁぁ~!」小夭は逆上、ちょうど部屋にあった小刀で瑲玹に襲いかかった。瑲玹は小刀を突きつけられ、小夭が本気だと知って慌ててかわした。すると小夭が振り回した刃がわずかに瑲玹の首をかすめ、血が滲む。「塗山璟(トザンケイ)のために私を殺すのか?!」「彼は私の夫君(フージュン)よ!」「私は哥哥だぞ?!」「もう哥哥じゃないっ!」瑲玹は自分に向ける小夭の激しい殺意に呆然、その時、小夭の小刀が瑲玹の左肩に突き刺さった。瑲玹はその場で崩れ落ちるようにひざをついた。「どこで間違った…こんなはずじゃなかった…私はお前が好きだ、いけないか? お前を娶りたいと望むことが過ちか?小夭と添い遂げたいと願うのが過ちなのか?!」瑲玹の小夭への真心は男女の情だった。これまで小夭を婚礼に参列させず、祝辞を断ってきたのも、小夭が自分の婚姻を認めていないと思い込むためだったという。「黙って…黙りなさい!殺すわよ!」小夭はにわかに信じられず、激しく動揺した。すると瑲玹は小夭の小刀を素手でつかみ、自分の首に当てる「結ばれぬのならいっそ共に死にたい!」瑲玹の手から流れる鮮血を見た小夭は恐ろしくなり絶叫、その声を聞いた太尊たちが駆けつけた。老桑(ロウソウ)と瀟瀟(ショウショウ)は興奮する瑲玹を強引に連れて帰った。太尊は念のため小夭の手と足を拘束して監禁、侍衛たちに見張らせる。やがて日が暮れる頃、太尊は小夭と面会し、私情のため天下を乱して民を苦しめるような真似をするなと叱った。しかし深く傷ついた小夭の心に祖父の道理は届かない。「九尾狐の檻に30年いたけれど、あなたはいつまで私を閉じ込めておけるかしら? 復讐を止めたいなら、今ここで殺すのね」小夭は悪態をついて祖父を追い返したが、ふと瑲玹の告白を思い出して悲しくなった。「…私が悪いの、全て私のせいよ、私が悪い」翌朝、苗莆(ビョウホ)は小夭に着替えと西炎王からの差し入れを届けた。「陛下からはお手製の氷葚子(ヒョウシンシ)をお預かりしました」「瑲玹は会う度胸もないのね」「太尊に止められているのです、では帰ります」小夭はつかめるだけ氷葚子を手に取り握りつぶしたが、思いがけず鍵が入っていた。瑲玹が鳳凰樹林にある鞦韆(ブランコ)で待っていると小夭が現れた。「鍵をありがとう」小夭は瑲玹のおかげで拘束具を外し、小月頂を簡単に脱出していた。しかし実は危険に備えて常に毒薬を身につけていたという。それも祖父や瑲玹に心配をかけずに済むためだった。「まさか…」「私や爺爺にそれを使うことになるとはな…鞦韆に乗るか?」「ええ」すると小夭は朝雲(チョウウン)峰での幸せな日々を懐かしんだ。「楽しい時は共に笑い合い、疲れた時は哥哥がおぶってくれた 機嫌を損ねれば哥哥があやしてくれたし、苦難の時には全て哥哥に任せればよかった 私は疑り深くて誰も信じない、実の両親さえ信じられなかったけれど、哥哥は特別だった あなたは塗山璟を殺した、と同時にそんな哥哥まで殺してしまった」小夭は鞦韆を降りると摘んでおいた鳳凰花の籠を取った。「どうして罪のない璟を殺したの?あなたは璟の敵、私が敵を討たなくては」すると小夭は瑲玹に鳳凰花を差し出した。「この鳳凰花に毒を仕込んだわ」しかし瑲玹はためらわず鳳凰花の蜜を吸ってしまう。「独りでは逝かせない、私も逝くわ」「それもいい、お前を残して行くのは忍びないからな…一緒に逝けるなら心残りはない」小夭と瑲玹は真っ赤な絨毯のごとく舞い落ちた鳳凰花の上に並んで腰掛けた。鳳凰花の蜜を吸いながら、これまでの長い苦難の道を思い出す2人。その時、先に毒が回った小夭が喀血し、驚いた瑲玹が小夭を腕に抱いた。「小夭、塗山璟が私を殺したら敵を討ってくれるか?」「彼は哥哥とは違う…あなたを決して殺さないわ…私にとってあなたが大切だと知っているから たとえ自分が苦しくても、絶対、私を悲しませたりしない」「…すまない」瑲玹は初めから自分が間違っていたと後悔した。塗山氏と赤水(セキスイ)氏の支援を得たいばかりに小夭を利用し、塗山璟を近づけてしまった自分が恨めしい。「哥哥…哥哥…泣かないで、もういいの…」「小夭、もう一度やり直せるなら王姫になったお前から絶対に目を離すものか その時は私を選んでくれるか?」しかし小夭は答える前に激しく血を吐いて苦しみ出した。すると小夭の血を浴びた鳳凰花が一瞬で黒くなってしまう。瑲玹はなぜ自分が未だに無事なのか分からなかった。「…馬鹿ね、あなたの薬はしびれ薬よ…だってあなたを守ると誓ったから…」その時、小夭の身体から力が抜けた。「小夭?!小夭ォォォォォォォォォォォォ~!」つづく・:*+.\(( °ω° ))/.:+*:・ ヒャァァァァァァァァァ~!
2025.02.11
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古相思曲 An Ancient Love Song第1話「始まりと終わり」…不思議な夢を見た『妖后(ヨウゴウ)!妖后!』『妖后を倒せ!』城楼にいる妖后はなぜか私と特別な関係があるような気がしたよく見えなかったが彼女は私を見つめているようで、そのまなざしはまるで全てを見通すかのようだその時、妖后が城楼から身を投げたすると空中に舞った妖后の玉佩も地面に叩きつけられ、あっけなく割れてしまう…九国(キュウコク)史で有名なアカウント・今朝残陽(キンチョウザンヨウ)こと沈不言(シンフゲン)の動画更新が止まって4ヶ月余り。ファンの間では様々な憶測が飛び交っていたが、本人の消息は分からないままだった。全ての始まりは4ヶ月前にさかのぼる。南夢湖の書店で開かれた沈不言の歴史小説・″南晟遺事(ナンセイイジ)″の新書交流会でのことだった。「林(リン)編集長、私の本に興味がなくてもいい、だがせめて名前は正しく表記を ″妖后・陸鳶(リクエン)″のエンは″鳶″だ、″鴛″じゃない」ポスターの間違いを指摘された編集長は慌ててインターンの誤字だと謝罪したが、そこで交流会をお開きにしてしまう。林編集長は仕事があると急いで帰って行った。憮然とする沈不言、すると会場のそばで工芸品を売っていた老婦人が声をかけてくる。「怒っているのは字の間違いのせい?それとも本当の陸鳶が妖后ではないと思っているから?」「老人家、私は事実を重んじます、名前の間違いは礼を欠く、でも彼女が妖后なのは史実です」陸皇后と言えば賢相・李擁(リヨウ)を殺めて皇帝を操り、贅沢三昧で国を傾かせた妖后として知られている。しかし老婦人は民の願望がそう言わしめたのかもしれないと言った。すると観光客のカップルが現れ、老婦人から願掛け用の札を買っていく。確かに老婦人の後ろには大きな願掛けの木があった。その時、沈不言は工芸品の中に見覚えのある割れた玉を見つける。「はっ!この玉はどこで?」沈不言は思いがけず夢の中で見た玉を手に入れ家に戻った。するとその夜、林編集長から″南晟遺事2″を執筆して欲しいと連絡が来る。実は″南晟遺事″のドラマ化のオファーがあり、先方は3部作を希望していた。沈不言は史料となる″起居注(キキョチュウ)″が不完全のため続きが書けないと断ったが、編集長は創作しろと迫る。「嫌なら他を当たる、ゴネるなら投稿アカウントも止めるぞ?(ガチャン!」沈不言は編集者の無神経さに憤慨、頭を抱えた。すると頭に血が上ったせいか鼻血を出し、うっかり机に置いた玉に垂らしてしまう。鼻血に気づいた沈不言はティッシュに手を伸ばしたが、次の瞬間、なぜか夜の宮廷の石段で雨に降られていた。…また夢を見ているのか?…その時、仮面をつけた兵士たちが通りかかり、沈不言に気づいた。<何者だ?!「あれは大晟(セイ)の虎豹(コヒョウ)営?」虎豹営は皇后の弟・陸時(リクジ)率いる精鋭軍で、仮面をかぶり豹や虎のごとく俊敏で勇猛と恐れられていた。沈不言は実物を見て興奮したが、我にかえって慌てて逃走する。すると逃げ込んだ部屋は偶然にも御書房だった。「大晟の御書房ってことは…そうだ″起居注″!あれが手に入れば続編が書けるぞ!」沈不言が御書房をあさっていると、ついに棚にある″起居注″を見つけた。しかし手を伸ばしたその時、皇后の侍女・倚華(イカ)が現れ、奪われてしまう。「迎えに来ました、行きましょう、小姐のもとへ、長らくお待ちでした あなたの求めるものはこの書にはない、答えは小姐がお持ちです」「小姐?」沈不言は大人しく倚華について行くことにした。すると倚華が髪に挿している白い花に目を留める。「姑娘、ご愁傷様…南晟の人は一途で恋人を亡くすと10年は喪に服すとか」「あなたも悲しませぬように」やがて宮殿の奥に進むと、激しい雨の中、水月亭で真紅の豪華な衣装をまとった威厳ある女人がいた。「あなたをずっと待っていたわ」実は沈不言を待っていたのは妖后・陸鳶だった。陸鳶はまるで沈不言を知っているかのように親しげだった。驚いた沈不言は隠し持っていた花瓶の破片を突きつけ解放するよう迫ったが、あっけなく手首を捻りあげられてしまう。「横暴だな、やっぱり妖后だ…」「ふふ、倚華、今は何刻?」「戌の刻です」「…沈公子、時間がありません、疑問もあるでしょうから私と取引を」陸鳶は3つの要求に応えてくれたら3つの質問に答えると約束した。「なぜ私の名前を…」陸鳶の最初の要求はこの時代の装いに着替えることだった。すると衣はまるで沈不言のために仕立てたようにピッタリ、しかもこの時代にまげを結ったかつらまであるとは驚きだ。その時、母を訪ねて幼い少年がやって来た。「母后(ムゥホゥ)」ちょうど着替えを済ませた沈不言は衝立からこっそり様子を見ることにした。史実によれば元啓(ゲンケイ)皇帝は側室を持たず、陸鳶との間に子もいない。沈不言はあの少年が陸鳶の養子で、いずれ九国を統一することになる楚同裳(ソドウショウ)だと分かった。「上巳(ジョウシ)節の贈り物に献上品の金絲軟甲(キンシナンコウ)を…あとで着るように」一見、母子関係は良さそうだった。しかし史実では楚同裳がいずれ陸鳶を粛清することになる。…息子に殺されるとはやはり悪辣なのだろう…一方、元啓皇帝は紫光(シコウ)殿の玉座でのんきに眠っていた。すると丞相・李擁が現れ、こっそり書簡に玉璽を押し、防衛図を盗んでしまう。陸鳶の2つ目の要求は一緒に食事をすることだった。妖后が何をしたいのか皆目見当がつかない沈不言だったが、あることに気づく。「品数が多い…今日は何日だ?」「春は3月、上巳の節句…旬の食材の家庭料理よ?」「家庭料理?…その風習なら本で読んだ」沈不言は料理を楽しんだが、意外にも陸鳶は妖后らしからぬ気さくな人柄だった。すると倚華が現れ、残り1刻だと知らせる。「上巳ゆえ人出が多い、城下に外出禁止令を…沈公子、私と城下を歩きましょう 人がいる場所ではこの仮面をつけて」皇后が外出禁止令を出した。上巳節の祭りで民に紛れて脱出するはずだった李擁たちは計画を変更せざるを得なくなってしまう。趙啓龍(チョウケイリュウ)はいっそ皇后を始末してはどうかと進言したが、李擁は旧情を忘れられなかった。陸鳶の3つ目の要求は城下の散策だった。いつもなら賑やかな鏡花楼(キョウカロウ)も閑散としている。沈不言は思わず私欲で外出禁止令を出すとは妖后らしいと呆れたが陸鳶はどこ吹く風、今夜だけは自分を庶民だと思えばいいと笑った。「来世では普通の民になりたい、人間らしく暮らし、自由気ままに生きるの もう皇后にはなりたくない」「なぜ?」「それが最初の質問ね?…人生には心残りが付き物よ、あなたも運命に従うのみ」「心残りって?」「私はある人と上巳節を過ごせなかった」「その人は誰?」「もう3つ目よ?…次回、分かるわ」沈不言は約束違反だと憤慨したが、その時、陸鳶が柳の枝を折って水瓶に浸し、沈不言に水滴を浴びせた。「何をするんだ?!」「大晨での上巳の習わしよ、こうして露で厄を払うの」「節句を祝ったことはない、無意味だ」陸鳶は沈不言の言葉に落胆し、黙って柳を置いた。「意味はあるわ…儀式は終わりよ」「じゃあこれで私はお役御免だな」すると陸鳶はあっさり沈不言を解放した。沈不言は大街を独り歩きながら、陸鳶が想像と全く違うことに困惑していた。その時、夜空に照明弾が上がる。「上巳は3月3日…まさか今日は元啓15年の3月3日か?…はっ!″元啓の変″か!」史実によるとその日は陸鳶が李擁を襲撃する日だった。李擁は追っ手の目をごまかすため、私兵を四路に分けて逃走した。報告を聞いた陸鳶は水利に長ける李擁が水路に通じる東門から逃げると確信、虎豹営を率いて向かう。一方、沈不言は一足先に東門に到着していた。すると李擁たちが門衛を惨殺する様子を見てしまう。「あれが私の知る李擁?」しかし東門を開けようとしたその時、陸鳶たちが駆けつけた。「李擁、裏切りの証拠は揃っている、観念なさい」李擁は大局を見極めるよう陸鳶を説得した。北烈(ホクレツ)と西榮(セイエイ)が迫っている今、どちらかに和議を求めねば国が滅びるのは目に見えている。「弱国は従属してこそ生き延びられるのだ」「敵を招き、国を滅ぼすと?…私が北烈からの見返りを知らぬとでも?」沈不言は陸鳶の襲撃の理由が李擁の裏切りだと知った。「阿鳶…私の長年の恩情を無下にするつもりか?」「私の幼名を2度と口にするでない!」すると趙啓龍が連れ去った楚同裳を袋から出し、李擁が剣を突きつけた。「母后!」「皇后娘娘(ニャンニャン)、この子の正体を私が知らぬと思ったか? 私に抵抗できると見込んで養子として迎えたのであろう? いつかお前と対峙する時、弱点になると思って見逃してきたのだ」楚同裳は母に防衛図を盗まれたと伝え、虎豹営に退くなと叫んだ。しかし陸鳶は息子を助けるため、虎豹軍を場内に戻してしまう。物陰から見ていた沈不言は自分が知る歴史と全く違うことに動揺した。…陸鳶が劣勢なのか?まずい!…そこで沈不言は仮面で顔を隠し、陸鳶の元へ単身、飛び出してしまう。「丞相は甘い、従属は危険です!北烈は小国を利用したいだけ 防衛図を渡して国が滅びればあなたはお払い箱です! 投降後に重用されることなど歴史上まれなことだ」すると李擁の心変わりを恐れた趙啓龍がいきなり沈不言に襲いかかり、仮面が外れてしまう。「はっ…またお前か?!」σ( ˙꒳˙ )<え?また私ってつづく( ゚д゚)見た?見た?見た?男主の美しい指を!←そこかwww
2025.02.10
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花间令 In Blossom第3話潘樾(パンユエ)と楊采薇(ヤンツァイウェイ)の婚礼前夜、上官芷(シャングワンジー)は采薇をさらって身体を入れ替えた。翌朝、全身の痛みで目を覚ました采薇は、上官芷に崖から突き落とされたことを思い出し、呆然となる。確かに采薇は上官芷の衣装をまとい、顔に触れると傷跡も消えていた。付近を見回すと、すでに息絶えた祈祷師と護衛の姿がある。采薇は運良く途中で一度、木に引っかかったおかげで命拾いしていた。「まさか本当に私の顔で婚儀に?早く止めなくては」痛めた足で何とか立ち上がった楊采薇、すると自分の玉佩が落ちていた。一方、拝礼の儀を済ませた潘樾は宴席で上官蘭(シャングワンラン)の祝福を受けていた。しかし実家から使者が来たと知らせが届き、潘樾は席を立ってしまう。すると今度は上官蘭に妹・上官芷からの文が届いた。…哥哥、あの人の愛を失った今、生きる意味がなくなった、さようなら、妹絶筆…驚いた上官蘭は慌てて従者と一緒に㬢園(ギエン)を飛び出した。楊采薇は祝宴で警備が手薄になった㬢園に潜入した。すると2階の婚房の窓紗に2つの人影が映っている。采薇は2人が名実ともに夫婦になってしまうと動揺したが、その時、なぜか潘樾が1人で出て行ってしまう。その隙に采薇は上官芷を捕まえるべく部屋に向おうとしたが、突然、上階の窓から自分の顔をした上官芷が降ってきた。上官芷は死んでいた。楊采薇は無我夢中で㬢園から逃げ出し、やがて体力が尽きてへたり込んでしまう。すると玉佩が外れて道に落ちた。采薇は玉佩を持っていては危険だと判断、咄嗟に古木のうろの中へ押し込んだが、そこで意識を失ってしまう。その頃、車椅子の要人が密書で楊家の娘が死んだと知り、ほくそ笑んだ。「潘公子に感謝せねばな…ふっ」上官芷がようやく目を覚ました。上官蘭や侍女・凌児(リンアル)は安堵したが、楊采薇は見ず知らずの人間に囲まれ、怯えてしまう。「芷児?…まだ全快していないのだ、もう少し休め」「ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ 触らないで!私は芷児じゃない!」大夫はひと月も昏睡したため神経に影響が及んだのかもしれないと診断、鍼を打つと言い出した。「来ないで!…下がって、独りになりたいの」楊采薇は身体を入れ替えなければ今頃、自分が死んでいたと思うと恐ろしくなった。婚礼の夜、一体、何があったのか。…真相が分かるまで正体を隠さなくては…その夜、楊采薇は凌児にそれとなく自分の事件の話を聞いた。凌児の話では婚房にいたのは新婦だけで役所の調査でも不審な点はなく、自害として処理されたという。上官蘭は墓の手配を申し出たが、潘樾は遺体なら埋葬したと報告していた。…即座に埋葬するなんて怪しい、もしや証拠を隠すため?…上官芷は短気で侍女に恐れられていた。しかし楊采薇は彼女のようにわがままに振る舞えず、また美を追及する独特の生活習慣に馴染めそうにない。このままでは正体がバレるのも時間の問題、そこで翌朝、屋敷を出ることにしたが、上官蘭に捕まった。「荷物はまとめた、すぐ都へ出発するぞ」楊采薇は仕方なく上官蘭と馬車に乗った。しかし市場を通りかかったところで腹が痛いと訴え、馬車を止めてしまう。上官蘭は凌児に妹を任せて近くの店に行かせたが、采薇は厠に行くと見せかけて逃げ出した。楊采薇は義荘へ戻ったが師匠の姿はなかった。しかも屋敷の中は無惨に荒らされ、床には血痕が残っている。…まさか師父も襲われたの?…采薇は師父の手がかりを探すため町へ引き返したが、そこで偶然、新任の県令が潘樾だと耳にした。「噂では郡主と婚約するはずが先帝の賜婚(シコン)が妨げだったらしい しかし晴れて婚約した今、郡主の口利きで亡き妻を偲ぶ名目で禾陽(カヨウ)の県令に… 朝廷に戻ったら郡主の婿になるんだよ」楊采薇は愕然となった。恐らく潘樾が自分を殺したのは先帝の賜婚を清算し、出世に利用するためだったのだろう。しかし県令として禾陽に舞い戻った潘樾の黒髪には白髪が混じっていた。楊采薇は潘樾の裏切りに深く傷つき、桟橋で独り泣いていた。そこへ妹を探していた上官蘭が駆けつける。妹はすでに潘樾の着任を知っていた。上官蘭が帰京を急いだのは妹を潘樾から遠ざけるためだったが、上官芷は帰らないと拒む。仕方なく上官蘭は2度と愚かな真似をしないと約束させ、妹が禾陽に残ることを許した。…上官芷、あなたの行いは許せないけれど、私の代わりに死んだのは不本意よ、あなたに成り済まして生きるのは兄君に申し訳ないけれど仕方がない、この姿で潘樾に近づき、化けの皮を剥がす、あなただって無念なはずよ?約束するわ、必ず真犯人を見つけて安息をもたらすと…覚悟を決めた楊采薇は上官芷の部屋を調べながら好みや振る舞いを会得した。そんなある日、市場へ買い物に出かけた采薇は道端で装飾品を売っている白小笙(バイシャオション)と接触する。「私よ私、楊采薇」「へっ?!楊姐姐?でもその顔…」白小笙は呆気に取られたが、確かに自分が鬼市で仕入れた偽物を売っていることを知っているのは采薇しかいない。「詳しいことは後日に…実は師父が生死不明なの、消息を探って」するとお使いを頼んだ凌児が戻ってきた。「凌児、腕輪を壊しちゃったわ、10倍の値で弁償してあげて」白小笙は黙って銭袋を受け取り馬車を見送りながら、采薇が金持ちになったことを喜んだ。上官蘭は都へ戻るため、禾陽に戻った潘樾と別れの杯をあげていた。それにしても悪名高き禾陽に自ら乗り込んで来るとは、恐らく潘樾には何か別の意図があるのだろう。「やるべきことがある、話せば長い、またの機会に…」すると突然、上官芷が現れた。上官蘭も潘樾も微妙な表情になったが、上官芷はすっかり心を入れ替えたという。「…こたび死にかけたことで無縁墓に眠る禾陽の民たちに思いを馳せたのです 樾哥哥、禾陽の秩序を正すために来たのでしょう?私も手伝います ″悪者を懲らしめ″、民の暮らしを守れたら生き延びた甲斐があるというもの 私に機会をください、必ずお役に立って見せます!」上官蘭は妹が思慮深い人間に成長したと感激もひとしおだったが、潘樾は一蹴し帰ってしまう。上官芷は潘樾を追いかけ、中庭で呼び止めた。「私を避けるのは郡主を娶るから? 外見や地位は気にしな〜いとか言ってたくせに、チャチな男 出世を手助けできずごめんなさいね〜 ホント、楊采薇も気の毒よ、あなたに踏み台にされて ちょっと顔がいいくらいで何なの?人の心を踏みにじっても当然って顔して、中身は腐ってる! だいたい突然、現れておいて私に手厳しくするなんて、なぜなの?」采薇は上官芷だということも忘れ、悪態をつきながら潘樾の肩を小突いた。上官芷らしからぬ様子に潘樾は困惑したが、楊采薇の名を聞いたせいで頭に血が昇ってしまう。「急に牙を向くとはどういう了見だ?!すぐ都へ帰れ、2度とあの者の名を出すな! さもなくば身の安全は保証せぬ!」潘樾はじりじりと上官芷に迫って欄干まで追い詰め、柱を思い切り叩いた。すると回廊の灯籠が落下し、上官芷の頭に当たってしまう。上官芷は頭を抑えてかがみ込んだが、その際、うっかり香袋を落としていた。物音に気づいた上官蘭と凌児が中庭に駆けつけた。「潘樾!やり過ぎだぞ!…確かに芷児は短気だが悪人ではない!なぜ辛く当たるんだ?!」上官蘭は自分が妹を甘やかしたせいでわがままに育ったが、今やしっかり物事を理解できるようになったという。「もう一度、機会を与えてやってもいいだろう?病み上がりなのに…」「…いいだろう、機会をやる」上官蘭は怪我をした妹を連れて慌てて屋敷に戻った。奇しくも上官芷の面倒を見ることになった潘樾。その時、上官芷が落とした香袋に気づき、顔色が一変する。潘樾は帰りの馬車の中で楊采薇の亡骸のそばに落ちていた香袋を取り出した。なぜ上官芷が全く同じ香袋を持っているのか。…やはりお前だったのか…つづく( ๑≧ꇴ≦)気になる、先が気になる!でもやっぱりキクちゃんがががw
2025.02.08
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长相思 第二季 lost you forever S2第18話小夭(ショウヨウ)は心に受けた衝撃と低体温がたたり昏迷していた。西河に落ちた塗山璟(トザンケイ)の捜索は難航、川底を全てさらっても見つからない。瑲玹(ソウゲン)は捜索範囲を海まで広げるよう命じたが、塗山璟を見つけるのは海中で針を探すようなものだった。塗山璟の事故の知らせは紫金(シキン)宮の後宮にも届いた。王妃・曋淑恵(シンシュクケイ)は不運な小夭を哀れんだが、王后・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は小夭こそ疫病神だと蔑む。「防風邶(ボウフウハイ)の次は塗山璟が命を落とした、不運なのはあの女子に関わった方よ」あれから昼夜を問わず塗山璟を捜索すること丸3日。依然、塗山璟は見つからず、手がかりさえつかめなかった。何より海は広く、水獣(スイジュウ)がうようよいる。離戎昶(リジュウチョウ)もさすがに深手を負った塗山璟が無事とは思えなかった。報告を聞いた瑲玹は肩を落として小屋に戻った。すると小夭が目を覚まし、黙って天井を見つめている。「私はどれくらい眠っていたの?」「丸2日だ」「哥哥…海辺に行きたい」すでに意識が戻っていた小夭は瑲玹が外で聞いた報告を知っていた。瑲玹は小夭を連れて海岸に出た。塗山璟は恐らくこの大海原のどこかにいるのだろう。実は小夭はどうしても腑に落ちないことがあった。「今まで間違いを犯した時は何を誤ったか気づいて改められた でも今回は何がいけなかったの? 重病の子供を見舞ったことは間違っていない、私が治療へ向かったのも間違いじゃない 暗衛の帯同も間違っていない 死士たちに囲まれてその場で殺されるより、決闘を選んだのも間違っていないわ 何も間違っていないのに…何が起きたの?何を間違えたの?」「小夭、お前たちは間違っていない」「哥哥…これまでは間違いを正せば良かった、それで上手くいったわ 今回はどうしたらいいの?彼が戻ってくるなら何でもする…ゥッ」小夭は悲しみのあまり血を吐いた。しかし塗山璟が自分との約束を破るはずないと奮起、いきなり海上に突き出た岩場に登ってしまう。「…塗山璟!私を娶ると言ったわ! 7日後は十五夜よ、満月の夜に婚礼を執り行いましょう! あなたは花婿よ!必ず戻ってきて!満月までに戻って! どこにいても、歩けなくても、這ってでも来て!」全軍で10日間さがしても結局、塗山璟は見つからなかった。しかし小夭は自分が決めた通り婚礼を挙げると強行、満月当日に寝宮の前に祭壇を作ってしまう。瑲玹は祖父と一緒に小夭の支度部屋を訪ねたが、小夭はすでに花嫁衣装に身を包んでいた。「阿爺、哥哥、間に合って良かった 大宗伯(ダイソウハク)の卜占(ボクセン)では酉の正三刻が大吉で婚礼に最適らしいの 普段は信じないけれど一生の大事だもの、今日はあえて信じることにしたわ」驚いた太尊は戯れ事では済まされないと叱ったが、小夭は至って真剣だという。すると瑲玹はついに現実を小夭に突きつけた。「塗山璟は死んだ!…娘亲(ニャンチン)を失った時のように辛いのは分かる だが私がいるだろう?2人でなら乗り越えられるはずだ」「哥哥、あの時とは違うの」「違うものか!いつかは過去になる!」「反対しても無駄よ、婚礼は予定通り執り行う」 太尊は小夭を追いかけようとする瑲玹を止めた。「小夭は独りで大きくなった、私にもお前にも頼ったことはない 我々が反対する権利はない」「その通りです、私の方が小夭に頼ってきた 小夭のお陰で今がある、だからこそ塗山璟のような男に小夭は渡せません!」瑲玹は声を荒らげ反発、祭場へ向かった。瑲玹は祭壇に向かって歩き出した小夭の前に立ちはだかった。「もう少し待て、消息がつかめたら日取りを決めよう」「哥哥、もう待つのは嫌なの、随分、時を無駄にしてしまった」小夭は瑲玹の横を通り過ぎたが、瑲玹は自分の許可なく婚礼をあげることは許さないと怒号を響かせる。すると驚いたことに小夭が瑲玹に平伏して嘆願した。「どうか陛下のお許しを…」瑲玹は小夭にとって塗山璟がこれほど大事な存在なのだと思い知らされ、呆然と立ちすくんだ。その時、太尊が現れ、小夭と塗山璟の婚礼を許可してしまう。瑲玹は不本意ながら祖父と一緒に新郎のいない拝礼の儀を見守った。小夭は夫婦の拝礼ができなかったが、代わりに満月を望みながら願掛けする。「璟はこの場にあらずとも、天のご加護を請い、再会の時を祈ります …いかなる姿であろうと天下の果てより渡り帰らんことを」満月に拝礼した小夭は笑顔だった。婚房に入った小夭は来るはずもない塗山璟を待った。床入りの吉時が過ぎてもまだ、小夭は寝台に腰掛けたまま微動だにせず翌朝を迎えてしまう。すると苗莆(ビョウホ)が声をかけた。「小姐?」「…着替えるわ」苗莆は小夭の冠を外して櫛を通した。その時、小夭の美しい黒髪に白髪を見つけて呆然となる。「小姐…御髪が…」「誰かを待つのは疲れるの…お腹が空いたわ」苗莆は小夭の食欲が戻ったと喜び、献立を聞いてから急いで厨房へ向かった。実は献立は全てかつて塗山璟が作ってくれた料理。小夭は玟⼩六(ビンショウリク)の頃のように肉を手掴みで食べ始めたが、やがてたがが外れたように泣き出してしまう。「璟…帰ってきて…待ってるから…」小夭は独り峰の頂上に立った。…璟、幼かった頃、西炎山で母を6年間待ち続けたけれど待ち得なかった、玉山では瑲玹と父王を待ち続けて70年を費やしたのに2人は現れなかった、誰であろうと2度と待たないと誓ったけれど、もう一度だけあなたを待ってみる、必ず戻って、何百年でも待ってる…そんなある日、塗山璟の一件に違和感を感じていた太尊は小月頂で瑲玹に探りを入れた。塗山篌(トザンコウ)は一族から追放されたはず、塗山璟に対抗し得るほどの死士たちをどこから手に入れたのだろうか。「塗山璟は慈悲深いが馬鹿ではない、処分を決めたら禍根を残さぬ 塗山篌の後ろには別の者がいる… 四大世家に対抗し得る力と登山族長を殺すだけの度胸を持っているのは天下に多くない 瑲玹…お前の仕業なのか?」瑲玹は呆然と祖父の顔を見つめたが…。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工小夭は編纂した医書を眺めながら、ふと塗山璟を思い出して涙をこぼした。すると瑲玹が現れ、木妖(モクヨウ)の達人に手稿が傷まないよう処理させるという。小夭はあれから自分の何が間違っていたのかずっと考えていたが、どうしても分からないと嘆いた。「お前は悪くない」「…では誰のせいなの?」瑲玹は言葉に詰まったが、小夭は久しぶりに飲みたいと誘った。小夭と瑲玹は老桑(ロウソウ)が差し入れてくれた朝雲峰の桑葚(ソウシン)酒を飲んだ。「あなたは璟を見下してきた、確かに彼に非はあったけれど、私にもあったの 誤解していた、想い合う仲ならどちらかが尽くせばいいのだと… でも添い遂げるためにはお互いに努力しなくては」「お互いに?婚約解消さえできない男だぞ?!努力して何になる?!」「あはたは私が璟を助けたからしがみつかれていると思った? 実際、助けられたのは私の方なのに」小夭が瀕死の塗山璟を助けたのは九尾狐に監禁された時の自分の姿と重なったからだった。そこで何としてでもこの男を助け、苦しみや傷を克服して生き延びる姿を見たかったという。「その姿を見れば私も癒されると思ったわ」「小夭、塗山璟とお前は違う!」「哥哥には玟小六が元気そうに見えたでしょうね?でも心は病んでいた 九尾狐から逃げられたけれど、何百年たっても心はあの暗く冷たい檻に繋がれたままだったの 自分も経験したから璟のことがよく分かる なのに璟は私とは違った、全く逆だった 彼は虐待などなかったかのように善良で暖かいままだったわ 哥哥、分かる? あの檻から時をかけて私の心を解放してくれたのは彼なの 誰かを信じて尽くす心を思い出させ、希望を持って生きることを教えてくれた 哥哥、私にとって璟はとても大切な人なの…」すると小夭の声色が厳しくなった。「何物にも変え難い…」その時、小夭が強く握りしめた碗がグシャリと割れた。瑲玹は小夭の手の平から破片を取り出し、霊力で傷を治した。「見つかるまで探そう、私も一緒に塗山璟を待つ、いいか?」小夭が初めて見せた自分への殺気に瑲玹は動揺を隠せない。「…あれからずっと考えていたわ、でも間違いが見つからない ただそれ以外に分からないことがあるの 塗山篌は顔のない死士をどこから手に入れたのかしら? この広い天下に塗山璟を殺せる力と度胸を持つ者は少ない… あなたが塗山璟を殺させたの?答えて?あなたの仕業なの?!」瑲玹は言葉に詰まったが、小夭の目を見ると嘘はつけなかった。「そうだ、私だ」「どうして…なぜなのぉぉぉおおおお!」Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!瑲玹はこれも小夭のためだったと釈明したが無駄だった。絶望した小夭は棚にあった短刀を握りしめ、従兄の裏切りに憤る。「私はあなたを支えてきたぁぁぁ!あなたが欲しがるものは何でも手に入れさせたぁぁぁ! 私が欲しいのは塗山璟だけ、なのにたった1つの望みを奪うなんて… 私が何かした?何がいけなかったの?」「違う…お前は関係ない…」「うぇいしぇんむぁぁぁぁぁぁぁ~!」すると激情に駆られた小夭は瑲玹の首に短剣を突きつけてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)出た~久しぶりのヤンズー節w
2025.02.06
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长相思 第二季 lost you forever S2第17話辰栄(シンエイ)軍大本営。相柳(ソウリュウ)は王位継承したばかりの西炎王が攻撃を仕掛けてくるにはまだ時間がかかるはずだと説明した。しかし洪江(コウコウ)はどちらにしても事態は変わらないという。かつて辰栄が強大だった頃、辰栄王は五神山を取ろうと皓翎(コウレイ)に出兵した。当時の皓翎王は軟弱で辰栄軍は破竹の勢いで都に迫ったが、父の命を受けた王子が1人で辰栄軍を阻んだという。「まさかあれ程の人物が戦わずして自ら最後の皓翎王になろうとはな…」洪江はもはや過去に執着する意味があるのか分からなかったが、相柳の決心は揺らがなかった。「私は最後まで戦う」一方、妹に手厳しく追い返された赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は父に不満を漏らしていた。しかし辰栄熠(シンエイユウ)は馨悦(ケイエツ)の性格が歪んだのも人質として120年も苦労を強いられたせいであり、そのお陰で豊隆も自由に暮らせたと戒める。「豊隆、お前には辰栄氏と赤水氏の血が流れている 馨悦が頼れるのは兄であるお前だけ、陛下にお仕えする際は十分に言動を慎め 両氏族の前途も妹の地位もお前にかかっている」父の忠告で深く反省した豊水はお詫びに妹へ珍しい簫(ショウ)を贈った。赤水紅蓮の茎を用いた簫は玉のようでありながら、それ以上の品格がある。すると憮然としていた馨悦の表情が和らいだ。「陛下の琴(キン)と合奏すれば調べも格別です」「ありがとう、哥哥」「至らぬ兄だと父親(フーチン)に叱られたよ、今後はお前を支えられるようもっと気を配る」西炎山で父王に付き添っていた小夭(ショウヨウ)が小月頂(ショウゲツチョウ)に戻った。父王が新天地になじめるか心配していたが、すっかり体調も回復し、店を開いて楽しそうに過ごしているという。話を聞いた太尊は大局を見極めることができる者が少ない中、全てを捨てて新たに始められる者はさらに少ないと感心しきりだった。瑲玹(ソウゲン)が紫金(シキン)宮へ戻った。知らせを聞いた馨悦は早速、兄からもらった簫を献上することにしたが、太尊と食事するため小月頂へ行ってしまったと知る。「今の私には贈り物を渡す機会すら与えられないのね…」馨悦は瑲玹の目的が孝行ではなく小夭だと知っていた。小月頂では塗山璟(トザンケイ)が小夭の編纂を手伝っていた。太尊に挨拶に来た瑲玹だったが、小夭の部屋から漏れ聞こえる楽しそうな笑い声が気になって仕方がない。そこで太尊は術を放ち、自分たちの周りに障壁を作った。「何を考えている?」「防風意映(ボウフウイエイ)は存命です」瑲玹は死んだと発表された防風意映が密かに清水鎮で暮らしていると明かしたが、祖父もすでに知っていた。「爺爺(イェイェ)、そんな軟弱な男に小夭を任せるおつもりで?」「彼は血なま臭い裏切りのあとでも高潔な心を持ち続けている それこそが真の心の強さだと思わぬか? お前が気に入らずとも構わぬ、肝心なのは小夭が好きかどうかだ」瑲玹は切ない胸の内を誰にも理解してもらえず、赤水豊隆を誘って酒を飲んだ。「陛下、何かあったのですか?」「医書の編纂が終われば小夭は塗山璟に嫁いでしまう、優柔不断な男など小夭に合わぬ」豊隆は優しすぎるゆえ塗山璟は兄に手を下せなかったとかばった。しかしその優しさのせいで小夭は深く傷つき、大病を患っている。「味方を傷つける優しさが何になる?軟弱で無能なだけだ お前がいなければ塗山氏は今頃、四大世家から外れている」「陛下、それは…」実は豊隆の功績も塗山璟の献策のおかげだったが、ふと父の諫言を思い出して豊隆は言葉を飲み込んだ。…陛下にお仕えする際は十分に言動を慎め…天下統一を果たした西炎王にとって清水鎮に駐屯して数百年になる反乱軍は頭痛の種だった。瑲玹は側近たちを集めて知恵を絞ったが、太尊は当代きっての名将・洪江と戦術の鬼才である相柳を殺すのは惜しいという。そこで瑲玹は最後にもう一度だけ説得してみようと提案した。すると豊隆が辰栄王族の末裔である父・辰栄熠が適任だと推挙する。その頃、塗山璟が珍しく小夭の仕事中に回春堂へやって来た。実は胡珍(コチン)から塗山瑱(トザンテン)が重病だと知らせがきたという。小夭は胡珍の薬でも治せないなら普通の医者でも無理だと気づき、自分が同行すると申し出た。苗莆(ビョウホ)は留守を任されたが、小夭が心配でたまらない。しかし小夭は護衛なら塗山璟の暗衛がいると安心させ、明日には戻ると約束した。防風意映は息子のために駆けつけてくれた小夭に心から感謝した。しかし塗山瑱の診察を始めた小夭の背後からそっと近づき、いきなり手刀で首を突いて眠らせてしまう。「なぜだ?!」塗山璟は驚いて小夭を助けようとしたが、意映は小夭に短刀を突きつけた。「瑱児は毒を盛られたの、西陵(セイリョウ)小姐を殺せば解毒薬がもらえる」その時、中原を追われたはずの兄・塗山篌(トザンコウ)が配下を連れて現れた。「お前は完全に罠にハマった、暗衛なら全て始末したぞ」塗山璟は自分を陥れるために我が子を利用した兄を軽蔑したが、塗山篌は歯牙にも掛けない。「父親のためだ、息子も喜んで手を貸すさ」すると塗山篌は一対一で公平に決闘したいと申し出た。塗山璟と塗山篌は場所を移し対峙した。「幼い頃から母はお前ばかりかばって私が何をしても認めなかった… 今日はどちらかが死ぬまで戦う、お前の母親もその結果を受け入れるしかないからな」こうして2人の対決が始まった。塗山篌は塗山璟を叩きのめし、自分より劣っていると認めるよう迫ったが、塗山璟は今の兄を軽蔑するという。これに激昂した塗山篌は止めの一撃を与えようと構えた。その時、いきなり背中から弓矢が突き刺さる。塗山篌は自ら弓矢を抜き取ったが、再び背後から射抜かれた。「意映…これは私がお前に贈った矢だ…」塗山篌が振り返ると意映がゆっくり歩いてきた。防風意映の面紗が風で吹き飛んだ。その下から現れたのは生気を使い果たして枯れた老婆の肌。「この顔もあなたから贈られたものよ」実は意映がこの罠で殺したかったのは塗山璟ではなく塗山篌だった。「族長、ごめんなさい、まただましてしまったわね 篌の配下は皆、始末した、西陵小姐も三時もすれば目覚めるはずよ 瑱児には文を残したわ、私たちの過ちを伝え、両親に代わって罪を償って欲しいと」すると塗山璟がふらふらと立ち上がった。防風意映は最後に自分を本当に愛していたのか塗山篌に尋ねた。「この期に及んで本気かどうか知ってどうする?」「ふん、本気でも遊びでも構わない、あなたは約束した、私と添い遂げるとね」すると意映は塗山篌に抱きつき、貫通していた矢尻を自分の胸に突き刺してしまう。「…私が選んだ男よ、裏切りは決して許さない」「塗山璟、また人にかばってもらったな…しかも私の妻に…」愛する人の口から″妻″と聞いた意映は涙を流し、2人を突き刺す弓矢をさらに深く押し込んだ。しかし塗山篌はわずかに残った霊力を使い、握りしめていた矢を背後に放ってしまう。ふいをつかれた塗山璟は弓矢が直撃、そのまま西河に落ちた。一方、小月頂では辰栄熠が叔父の説得に失敗したと報告していた。「帰順に同意せず、最後まで戦うと申しておりました」太尊は落胆したが、瑲玹は予想通りの結果だとあきらめて辰栄熠を下げる。すると入れ違いで苗莆が駆けつけた。実は小夭と塗山璟が清水鎮で襲われたという。罠を仕掛けたのは塗山篌で、塗山璟の暗衛を全て始末し、結局、防風意映が塗山篌と心中していた。「小姐は無事です、ただ族長が行方不明に…」小夭を迎えに行った瑲玹は一緒に現場検証している赤水豊隆たちのもとへ駆けつけた。塗山篌の配下と思われる亡骸は全員、今回のために訓練した死士と思われ、秘術で顔を消されている。その時、離戎昶(リジュウチョウ)が地面に残った霊気を発見、その場で何があったのか記憶をたどった。「ここで璟は怪我を負った…その時にはすでに五臓六腑をやられて危険な状況だった しかし塗山篌が矢を受け、形勢に変化が…」地面には塗山篌の霊血と塗山璟の心の臓の血があるという。「防風意映は西陵小姐を傷つけることなく息子と一緒に隠し部屋に寝かせた 初めから敵意はなかったのでしょう 2人を隠してから塗山篌を射て、璟を救った」「璟は?璟はどこなの?」小夭は思わず身を乗り出した。すると離戎昶が塗山璟の血をたどりながら歩き始める。「防風意映は式神を養う祭祀で体力は限界でした 塗山篌はわずかな隙を突いて死の直前に璟に攻撃を…璟は西河に落ちたようです」瑲玹は豊隆に水軍を使って塗山璟を探すよう命じたが、その時、小夭が崖から飛び込んでしまう。「私が行く、皆は塗山璟を探せ!」瑲玹は迷わず小夭を追って川に飛び込んだ。相柳は毛球(ケダマ)と空を飛びながら、西河で塗山璟を探している水軍を見かけた。その時、急に胸が痛み始め、小夭に何が起こったのか気づく。「なんという事だ…こんな事になるなら…塗山璟めっ!」一方、瑲玹は小夭を引き上げ、防風意映の小屋で休ませた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ!
2025.02.06
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偷偷藏不住 Hidden Love第11話江銘(ジャンミン)が化粧室から戻ると、桑稚(サンジー)が熱心にクレーンゲームで白くまのぬいぐるみを取ろうとしていた。そこで江銘も隣の台で挑戦、見事にぬいぐるみをゲットする。しかしちょうど桑稚もぬいぐるみを手に入れたところだった。「桑稚、これ…ぁ」「ちょうど1人1匹だね」寮に戻った桑稚と江銘。江銘は一緒に学食で夕食でもどうかと誘ったが、桑稚は部屋で食べるとつれない。その時、背後から偶然、桑稚のルームメイトたちがやってきた。寧薇(ニンウェイ)は桑稚の抱きついて驚かせると、大晦日に皆で出かけようと誘う。「でも絶対に人が多いよ?」「だって~あ、江銘も来ない?にぎやかな方が楽しいし」「いいよ、じゃあ寮に戻る」江銘は大晦日も桑稚と過ごせると期待したが、当日、桑稚は来なかった。大晦日、人混みが苦手で寒がりの桑稚は結局、独りで寮に残ることにした。寧薇は出かける直前まで説得したが、虞心(ユーシン)にしつこいとたしなめられてしまう。その時、着替えを済ませた汪汪(ワンワン)が現れた。汪汪はコンタクトを入れてメガネをはずし薄化粧、珍しくミニスカートを履いている。防寒のためパンツだった寧薇は自分も着替えると言い出したが、虞心は時間がないと急かした。「じゃ桑桑、行ってくる!お土産、買ってくるね!」「気をつけてね~!」 新年快楽!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ待ち合わせ場所で合流した江銘は汪汪のイメチェンにすぐ気づいた。「いいね!」江銘に褒められて嬉しい汪汪、しかし江銘は桑稚が来ないと知って落胆してしまう。実は上着のポケットに桑稚のために買ったプレゼントがあったが、江銘は気まずそうに紙袋を押し込んだ。桑稚は寮の部屋で夕飯を食べようとしていた。すると段嘉許(ドワンジアシュー)から着信が鳴る。📱<会社の食事会に家族を呼べるから来ないか?( ತ _ತ)<(誰が家族じゃボケ…)夕食ならデリバリー頼んだから、行かない📱<大晦日にデリバリー?人混みが嫌なら2人でどう?( ತ _ತ)<外に出たくないの段嘉許は桑稚の揺れる乙女心など知る由もなく、食事をおごってくれる約束だという。📱<店を予約しておく、早く着替えて…もう大学に着くぞ?段嘉許はまだ会社にいたが、嘘をついて腰の重い桑稚を誘い出した。〓第十一篇 ~心動~ これが情愛なら〓段嘉許に誘われ渋々、食事に出かけた桑稚。段嘉許は上司の助言通り病院でからかったことを謝罪した。「お詫びに今日は俺がおごるよ」「私が食事をごちそうするって約束だから」「どういう意味だ?これを最後にもう会わないと? はあ~孤独で気の毒なおじさんとは食事もしたくないのか~( ߹꒳ ߹ )」「嘉許哥?ちゃんと食べて、今日は口数が多いのね」「やっと小桑稚と食事ができたんだ、口数も増えるさ」2人は話題を変えて食事を楽しんだが、その時、運悪く同じ店に姜穎(ジャンイン)が現れた。姜穎は友人と一緒に入った店で偶然、楽しそうに食事をしている段嘉許を発見、矢も盾もたまらず段嘉許の席に押しかけた。「電話に出なさいよ!」「…言っただろう?もう連絡の必要はない」段嘉許の冷たい仕打ちに怒った姜穎はいきなり段嘉許の顔にコップの水を浴びせた。桑稚は呆然となったが、すかさず立ち上がって自分のコップの水を姜穎に浴びせてしまう。「何するの?!私が水をかけた理由が分かる?」「理由なんてどうでもいい、あなたが手を出すなら私がやり返す」すると激情に駆られた姜穎が今度はテーブルの皿をつかんでしまう。姜穎の目に余る行動にさすがの段嘉許も憤慨、皿を奪い取って床に投げ捨てた。「何のつもりだ?!」「その女は誰?!支払いが終わっても一生、私に借りがあるのよ!逃さないから!」そこへ騒ぎに気づいた店主が駆けつけ、姜穎たちを店から追い出した。桑稚は気が動転している段嘉許を連れ、2人分のコートを持って店を出た。「嘉許哥、あの人は誰?」「…父親の元貸主だ」桑稚は段嘉許にコートを着せてマフラーを巻いてから自分もコートに袖を通す。「彼女を見たことがある、入院中に家に荷物を取りに行った時よ あの時、彼女はあなたに会いに来たのね」しかし桑稚は父親の元貸主なら段嘉許には関係ないと励ました。「負けちゃだめ」「俺が…どうして負ける?」段嘉許の強がりに桑稚は少し切なくなったが、その時、段嘉許はようやく笑顔を見せた。「言い忘れていた、ありがとう、桑稚」すると夜空からちらちら雪が舞い落ちてきた。宜荷(イーホー)で雪が降るのは珍しく、前に降ったのは段嘉許が高校1年の頃だった。「私はすごく運がいいのね」「俺も桑稚と一緒に雪を見られるなんて幸運だ」そこで2人はそれぞれ手を合わせ、初雪に願い事をした。…嘉許哥に辛いことが起きませんように、彼のそばにいるのが私でありますように…桑稚がずっと幸せで健康でありますように、俺も同じく一方、桑稚の友人たちも初雪の願い事をしていた。すると汪汪は片想いしている江銘に思わず何を願ったのか聞いてしまう。「あ、無理に言わなくていいの」「構わないよ、俺の好きな人が願い事をしていたら、それが必ず叶うようにと…」「その人は幸せね」姜穎が路地裏で待ち伏せしていると段嘉許が帰って来た。「許して、2度としないから」「言ったはずだ、もう2度と連絡しない」すると下手に出ていた姜穎が豹変、激しく段嘉許を責め立てた。「支払いが終わったら連絡を断つ?あなたは私に借りがあるのよ?! あなたのパパが私のパパを殺したんでしょう?!」「賠償金は払った、父さんも相応の代償を払った、借りはない」段嘉許は入り口に立ちはだかる姜穎を押し避け、鍵を開けてビルに入った。しかし姜穎が激しくドアを叩いて怒号を響かせる。<段嘉許!あなたのママが約束したわ!自分たちが一生、私の面倒を見るって!…段嘉許が高校生の頃、父が姜穎の父親を車でひき殺した段嘉許は母と2人で姜家に謝罪に向かったが、許してもらえるはずもないすると母は玄関先で泣き崩れながら、裁判所が決めた賠償金を必ず完済し、残された家族の生活を自分と息子が最後まで面倒見ると誓った実は当時、段嘉許と姜穎は同じ高校のクラスメートクラスでは事情を知った同級生たちが段嘉許を殺人犯の息子と噂したが、それでも段嘉許は学校を休まなかった…新年を祝う花火があがった。音に気づいた段嘉許は屋上に出て写真を撮っていたが、その時、ちょうど桑稚からメッセージが届く。<祝嘉許哥新年快楽 天天開心すると桑稚のスマホに″哥哥2号″から返信が届いた。<おめでとう<今、花火を見てるの<🎆俺も見てる、きれいだね段嘉許の心を唯一、明るく照らしてくれる桑稚の存在。段嘉許はアドレスの桑稚のファイルを出し、名前を″只只(ジージー)″に変えることにした。▶︎保存しますか?「はい」「いいえ」その時、ふと自分の家庭環境や年齢のことが頭をよぎり、結局、桑稚に戻した。段嘉許が部屋に戻ると着信音が鳴った。確認してみるとチャットグループ525に銭飛(チェンフェイ)からメッセージが届いている。💬報告がある、俺、結婚する!しかし新年のせいか誰も返信しなかった。💬何だよ?皆もう寝たのか?無視かよ~😢そこで段嘉許は直接、銭飛に電話した。銭飛はひとしきりノロケたあと、段嘉許にも気になる子がいるか聞いた。すると段嘉許は一瞬、考えたあと、ふいに桑稚の姿が頭に浮かんで黙り込んでしまう。「今の沈黙は…いるんだな?誰だ?言えよ?!」「結婚するんだろ?早く寝ろ(ガチャ!」「おーい!誰か教えてくれー!」段嘉許は慌てて電話を切ったが、我ながら動揺していた。「俺は何を考えているんだ?相手は子供だぞ?」江銘はキャンパスで桑稚たちと遭遇した。「桑稚、年越し来なかったね、週末どこかへ出かけない?」「テストが近いからまた終わってから…」「じゃあ、テストが終わったら皆でどこか行こうよ」すると寧薇が新しい店がオープンしたことを思い出し、早速、夕食へ行こうと提案した。しかし桑稚は親戚に会いに行くからと断ってさっさと行ってしまう。実は桑稚は段嘉許のため防犯グッズを手に入れていた。段嘉許は会議を終えて携帯をチェックした。すると桑稚からメッセージがある。…渡したい物があるから会社へ行くね、忙しければ受付に預けておく…今どこ?段嘉許はすぐ返信したが、その時、思雲(スーユン)がまた姜穎が会社に押しかけてきたと報告した。「ビルに立ち入らないよう警備員に頼んであるわ」段嘉許は桑稚と姜穎がかち合うことを恐れた。そこで急いでロビーまで降りたが、ちょうど姜穎と警備員が押し問答している。「自由に入れません!」「私は彼の親友よ!」段嘉許は仕方なく裏口から外へ出ると、ちょうど桑稚を見つけた。焦った段嘉許は急いで桑稚を引っ張ってビルの影に隠れたが、つい口調がきつくなってしまう。「桑稚、突然、会社や家に来るな、来る前に連絡してくれ」「これを私に来ただけ、ドアカメラよ、もしもの時は警察に連絡できるし… 仕事に戻って、私は授業があるから」すると桑稚は帰ってしまう。仕事を終えて家に戻った段嘉許は桑稚がくれたドアカメラを早速、取り付けた。桑稚の気遣いに心が温まる段嘉許、まさか桑稚が自分のせいで悶々としているとも知らずに…。つづくΣ(꒪꒫꒪ )ジアシュ哥の過去がヘビー過ぎて引いた
2025.02.02
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长相思 第二季 lost you forever S2第16話阿念(アネン)との婚礼を明日に控えながら漪清(イセイ)園でやけ酒をあおっていた瑲玹(ソウゲン)。小夭(ショウヨウ)は瑲玹の切ない胸の内など知る由もなく、自分の妹を娶るのが嫌なのかと呆れた。「辰栄馨悦(シンエイケイエツ)との婚礼は上機嫌だったくせに…」「私が上機嫌だっただと?!」「あなたは上機嫌だったともっぱらの噂だったわ」「小夭!誰が噂しようとお前の口からは聞きたくなかった! あの婚礼がどれほど苦痛だったと思う?!」激情に駆られた瑲玹は小夭を押し倒さんばかりに詰め寄り、思いの丈をぶちまけそうになった。しかしぎりぎりのところで言葉を飲み込み、うなだれてしまう。小夭は瑲玹の苦しみの原因が自分だとは夢にも思わず、背中をさすって落ち着かせた。「阿念のことばかりであなたの気持ちを考えなかった あなたにとって一番、大事なのは天下と情勢、他は二の次だと思っていたから…」↓プンプンポーズはさすがにちょっと…( ̄▽ ̄;)小夭が瑲玹をなだめている頃、皓翎(コウレイ)王は婚礼準備に忙しい娘の顔を見に行った。しかし長年の夢が叶うというのに阿念は浮き立つ様子がない。婚姻しても瑲玹の真心を得られないと知っているからだ。皓翎王は娘の幸せのため婚礼を取り消すと言ったが、阿念はそれでも瑲玹に嫁ぎたいという。「瑲玹にとって私が1番ではないように、私も今では瑲玹が一番じゃない 選択を迫られたら瑲玹より父王や皓翎の民を選ぶわ 父王、私はもう大人よ、自分を不幸になんてしない」一方、小夭も瑲玹に縁談を押し付けたことを反省し、婚礼を取り消そうと提案していた。しかし冷静になった瑲玹は本来の目的を思い出し、阿念を娶るという。「あなたの望みは何?何か言いかけたでしょう?私が叶えてあげる」「私の望みは…私とお前の平平安安だ」「瑲玹、あなたは天下の主になるの、もう私たちを傷つけられる人なんていない」「そうだな」すると瑲玹はこれまで通り小夭には婚礼の儀に参加してもらいたくないと訴え、祝いの言葉もいらないと伝えた。「漪清園には思い出があるだろう?婚礼が終わったら辰栄山に同じ庭園を造ろう」「気を遣わないで、璟(ケイ)が青丘(セイキュウ)に造ってくれるの」その時、瑲玹から一瞬、殺気が立った。小夭は気づかなかったが、池にいた魚が急に姿を隠してしまう。(・Д・)<あれ?どこ行った魚?翌日、西炎王と皓翎王姫の婚礼が執り行われた。小夭は海岸で暇を潰していたが、その時、思いがけず相柳(ソウリュウ)が現れる。海から上がった相柳は小夭の前までやって来たが、小夭はいきなり相柳の頬をつねった。( ತ _ತ)<何をする?(* ˙꒳˙)<いや夢かと思って…で、何しに来たの?相柳は皓翎王が儲君も立てず一人娘を嫁がせると知り、瑲玹の天下統一を認めたと気づいた。そうなれば瑲玹が洪江(コウコウ)を粛清するのは必至だろう。小夭は友として別の生き方を勧めたが、相柳は失笑した。「私が友だと?…ふっ 私たちが蠱毒で生死が繋がっていると知ったら西炎瑲玹は私を殺せまい お前は西炎王を制する駒に過ぎない」相柳はわざと憎まれ口を叩き、海へ帰ってしまう。「相柳?!一体、何がしたいの?!」「小夭?」その時、小夭を探していた塗山璟がやって来た。塗山璟は西炎王の婚儀が無事に済んだと報告した。安堵した小夭は散策中に相柳が現れたと話し、恐らく相柳は蠱毒の解き方を知っているという。「でも大丈夫、私も医術の研鑽を積んでいるし、そのうち自分で解けるから」「その通りだ、君なら必ず解けるよ」すると2人はかつて瑲玹に収監された龍骨獄に辿り着いた。小夭はあの時、塗山璟が自分の口づけを拒否したと揶揄したが、塗山璟は改めて愛しい人と唇を重ねる。「今日は君を逃さない」一方、海上に戻った相柳もまた貝殻で瀕死の小夭と共に過ごした年月を懐かしんでいた。今も大事に持っていた小夭が残していった涙…。相柳は未練を断ち切るように涙を放り投げたが、結局、手放すことができなかった。皓翎王は朝廷で西炎瑲玹に王位を譲ると宣言した。太尊は小月頂で知らせを受け取ったが、天下統一と言ってもまだ名目に過ぎず、皓翎の部族すべてが承服しているとは思えない。しかし瑲玹のこと、必ずや徳をもって成し遂げられると期待した。西炎瑲玹は即位後、五神山に留まって民のため政に力を尽くした。蓐収(ジョクシュウ)や覃芒(タンボウ)たち腹心の尽力により反発していた愛国の臣下たちも徐々に従うようになる一方、私利のため逆らう奸臣たちは厳しい手段で抑えつけられ、禅譲の波乱は次第に収束していく。そして西炎瑲玹の統治により皓翎の地は栄え、やがて西炎と皓翎の真の統一が実現、瑲玹は名実ともに天下を統べる帝王となった。すると皓翎王は国が治ったのを機に西炎山に移りたいと希望する。皓翎の大臣たちの退路を断ち、君主は瑲玹だけだと示すためだったが、同時に西炎王族の地に住むことで太尊と同等の位にあり、皓翎が滅んだわけではないと示したいという。しかし静(セイ)妃については阿念が淋しくないよう五神山に残すことにした。小夭は父王の養生を手伝うため一緒に西炎山に同行した。「父王は本当に名君ね」「私は善い息子でも善い兄弟でも善い夫でもなかったが、名君にはなれた」「善い父親でもあったわ、私と阿念にとって最高の父親よ」一方、辰栄山では赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が王后を訪ねていた。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は阿念への嫉妬で逆上、父と兄に八つ当たりしてしまう。「出世のためにまた私を犠牲にしたわっ!」「お前が選んだ道だ!私や父上が縁談を勧めたか? 一途な夫を望むなら嫁ぐなと助言したはずだ お前の地位を守って来たのは誰だと思って…」「出ていけっ!守ってもらわずとも結構よ!」その頃、相柳は辰栄軍の陣営にいた。天下が統一された今、果たして自分たちの固辞に意義があるのだろうか。洪江は思わず弱音を吐いたが、相柳は千万の敵であろうと戦うと明言した。つづく( ˙꒳˙ )ぴんぴんあんあん、頂きました!
2025.01.30
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长相思 第二季 lost you forever S2第15話百黎(ヒャクレイ)にある赤宸(セキシン)寨を訪ねた小夭(ショウヨウ)。両親の家で赤宸と西陵珩(セイリョウコウ)を知る謎の家守と出くわし、赤宸が噂とは異なり敬愛された獣王で、母もここでは赤宸の妻でしかなかったと聞いた。「それは赤宸が自分の娘のために作ったゆりかごよ?そのおもちゃも…」卓の上にはお世辞にも可愛いとは言えない人形と、母が縫ったと思われる赤子の肌着が並んでいた。さらに行李の中にも赤宸の手作りのおもちゃが並んでいる。「少なくとも娘に情はあったようね、でもいざとなったら無慈悲に娘を捨てた」「確かに2人は天下と民を裏切らなかったけれど、実の娘を裏切ってしまった… 人の親とは呼べないわ」「あなたに私の両親をそしられる筋合いはない!(はっ)一体、あなたは何者?!」小夭は物陰にうずくまっている家守の正体を探ろうとした。しかし女人は激しい炎をまとい、なかなか近づくことができない。「駄目よ!来ないで! 太陽火(タイヨウカ)は全てを焼き尽くす、霊力の強い神族でも灰と化してしまうわ!」「あなたに命令されるいわれなどない!意地でも行ってやる!」小夭は忠告を無視して自ら炎の中に入ったが、その時だった。「小夭…」実は黒衣をまとった謎の女人は小夭の母・西陵珩だった。小夭は念願かなって母と再会、これまでの恨みつらみが嘘のように消えて行くようだった。西陵珩の顔は太陽火で真っ赤に焼けこげていたが、小夭は自分の医術と西炎王となった瑲玹(ソウゲン)の力で必ず治すと訴える。しかし西陵珩は娘と話せただけで十分だと言った。「小夭、娘(ニャン)と赤宸の最大の願いが分かる? 全て手放してあなたとここで暮らし、あなたが嫁ぐ日まで大切に育てることだった でも運命がそれを許さなかった…これまで1人で辛かったでしょう?」「ううん、辛くなんてない…本当は少し辛かったけど大丈夫… だってほら、こんなに立派に大人になったでしょう?瑲玹も外にいるわ」小夭は瑲玹を呼ぼうとしたが、西陵珩にはもう時間がなかった。「ここであなたを400年も待った、本当に申し訳なかったと謝りたくて… あの人も私と一緒にここであなたを待っていた」当時、西陵珩は辰栄軍を倒すため太陽火を使った。しかし太陽火は全てを焼き尽くす炎、西陵珩も巻き込まれて理性を失った怪物と化したが、赤宸が己を犠牲にして灰となり、西陵珩の念をこの家に封印してくれたという。「だからあなたに会えたの」その時、窓の隙間から桃の花びらが舞い込み、小夭を愛おしそうに包み込んだ。「あなたと瑲玹が無事に成長したなら思い残すことはない、もう行くわね」「いやよ…娘、どこへも行かないで!」小夭は炎の中をはいつくばって母の念にしがみついたが、ついに母は灰となって桃花と共に消えてしまう。すると1ひらの花びらが小夭の額のあざに舞い降り、駐顔花(チュウガンカ)の封印を解いた。駐顔花は天地が生んだ神器、皓翎王は小夭の霊力では攻撃力を制御できないが、顔を変えることで護身できると教えた。そこで小夭は早速、瑲玹や塗山璟(トザンケイ)の顔を模倣し、また元の顔に戻ってみせる。「使えるようになったわ!」皓翎王は嬉しそうな小夭の姿を見ながら、これで赤宸と西陵珩に借りを返せたと安堵した。そんなある日、相柳(ソウリュウ)も赤宸寨の家で2人の絵姿を感慨深げに眺めていた。すると曲者が現れたと聞いて巫王(フオウ)が駆けつける。しかし思いがけずその曲者が百黎族の獣王・赤宸の骨令を持っていた。「どこで手に入れた?」「義父が赤宸と知り合いでね、知己とまでは言えないが戦友だった」実は百黎族は骨令を持つ者の頼みを1つ聞かねばならない掟があった。「教えてくれ、情蠱(ジョウコ)の解き方を」相柳にとって赤宸が家を持っていたことは意外だった。巫王の話によるとここは西陵珩のために赤宸が建てた家だったが、結局、暮らせたのはわずか数日だったという。相柳は2人の絵姿に自分と小夭を重ねたが、叶うはずもない幻だった。その夜、海上で月と毛球(ケダマ)を相手に酒を飲む相柳。「敵となるくらいなら忘れた方がいい…」皓翎王は瑲玹と一緒に小夭の薬が届くのを待っていた。実はいつも身につけている指輪は西陵珩が切り落とした指の骨で作ったものだという。「過去の過ちを戒め、教訓として生かすためにな」「師父はご自分に厳しすぎます、私も小夭も恨んでいませんよ」そこへちょうど小夭と塗山璟が薬湯を運んできた。「陛下、心穏やかに養生すれば良くなります」「まだ陛下と呼ぶのか?」「…父王」瑲玹は皓翎王がなぜ病を装ったのか分からなかった。「病のふりをしなければ儲君の話も出なかったでしょう? 白虎(ビャッコ)部と常㬢(ジョウギ)部も裏切ることはなかった」「私が世継ぎを考えなかっとでも?儲君は育ててある、重臣もな、3人の弟子だ 覃芒(タンボウ)は信頼に足る、蓐収(ジョクシュウ)は重責を任せられる 瑲玹には…天下を預けられる」皓翎王は民が平和に暮らせることが何より大事だと考え、早々に禅譲を決意していた。しかし大臣たちの反発は必至、そうせざるを得ない状況に追い込むには瑲玹の武力による脅威が必要だったという。その頃、父王の代わりに出征した阿念(アネン)は軍隊を率いて険しい道のりを進んでいた。瑲玹は師匠の深い考えに感銘を受け、必ずや期待に応えると叩頭した。すると皓翎王はこの機に朝廷以上に難題だった阿念の縁談を解決する。「瑲玹に嫁がせたいと思う」これまで何十年も反対して来たが頑固な娘を説得できず、今回の戦で諦めると思いきや、今も阿念は瑲玹を忘れられずにいた。小夭は瑲玹の辛い胸の内など知る由もなく妹と瑲玹の縁談に賛成、阿念を娶れば多くの争い事が避けられるという。「しかし私にはすでに王后が…」瑲玹は咄嗟に回避する理由を思いついたが、皓翎王は君主と違って王后の数に決まりはないと安心させた。「辰栄馨悦(シンエイケイエツ)と同様、王后に立てれば良い」「賛成よ!私の妹妹は王后じゃなくっちゃ!」瑲玹は無邪気に喜ぶ小夭の様子に一瞬、顔を曇らせたが、断る道理がなくなった。「では王后として阿念を娶ります」皓翎王は瑲玹が縁談に乗り気でないと気づき、小夭と塗山璟を下げた。すると瑲玹は正直に阿念を女子として愛することはできないと伝える。「ただ師父が最愛の女子を胸に秘めながら静安(セイアン)妃を大切にするように、 生涯、阿念を守り、大切にします」瑲玹は師匠が叔母を愛していると知っていた。そこで愛する女子を娶れる気分はどんなものだったか聞きたいという。しかし皓翎王は分からないと答えた。「愛して娶ったわけではない、愛した時にはすでに赤宸のものだった…」「師父もご存知ないのですね」瑲玹は思わずため息を漏らした。「大きな花園を持っていながら肝心の花がない、唯一無二の1輪が…」「君主はあたかも全能であるかのように思われるが、その実、婚姻さえままならぬ」ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー阿念が白虎部と常㬢部を平定、朝議は久しぶりに和やかな雰囲気に包まれた。そこへ敵将の赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が現れ、西炎王と王姫の和親を提案する。「王姫は王后として迎えられます、2人の后を許さぬという決まりはありません」一方、紫金(シキン)宮では辰栄馨悦が父から西炎王と王姫の縁談話を聞いていた。辰栄熠(ユウ)は和親で戦を避けるのも天下の民のためだとなだめたが、馨悦は激怒、これまでの鬱憤が爆発する。「あなたたちは私より民が重要なのね? 民のために私を捨てたあなたが、また私を犠牲にするつもり?! ご立派な正論はもうたくさん…出ていけっ!」阿念との婚儀を前に瑲玹は回廊で独り飲んだくれていた。すると小夭が現れ、瑲玹の様子を見て困惑する。「これまでの婚礼とはちがうでしょ?妹も同然の阿念なら嬉しいと思った」しかし瑲玹は不機嫌になって空になった瓢箪を投げ捨ててしまう。つづく( ߹꒳ ߹ )ママン…ここに来てようやく泣けたそしてやっぱり成長していない小夭ヲヲヲヲヲ~w
2025.01.29
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偷偷藏不住 Hidden Love第10話術後で動けない段嘉許(ドワンジアシュー)のため、タオルで顔を拭いてあげることにした桑稚(サンジー)。すると段嘉許が終わったと思ったのか、ふと目を開けた。そのせいで桑稚と段嘉許は図らずも間近で見つめ合うことになってしまう。「ぁ…タオルを洗ってくる」桑稚は慌てて化粧室に逃げ込み、自分を動揺させた段嘉許に怒りが込み上げてきた。(,,Ծ‸Ծ,,)<目を開けるなら開けるって言ってよね?段嘉許は桑稚が独りで簡易ベッドを準備する様子を心配そうに見守りながら、自分の枕を1つ譲った。「哥哥の上着を掛けるといい…おやすみ」桑稚は電気を決してベッドに横になると、ルームメイトたちにメッセージを送ることにした。スマホにはすでに心配した友だちからのメッセージが溜まっている。💬親戚の人が病気で帰れなくなったの、心配しないですると桑稚はうっかり江銘(ジャンミン)のボイスメッセージを開いてしまう。📱<桑稚、映画館の前にいるけどもう着いた?驚いた桑稚は慌ててアプリを閉じたが、段嘉許はまだ眠っていなかった。桑稚は段嘉許に盗み聞きされたとふてくされた。しかし段嘉許は桑稚が勝手に音声を流しただけだという。「少し話さないか?…小桑稚を映画に誘ったのは誰だ? 騙されないようにチェックしてやる」また子供扱いされて面白くない桑稚、そこで段嘉許に嫌味を言った。「おじさんはもう寝る時間よ?どうせZ世代の生活なんて分からないでしょう?」「そうだな、俺には分からない」翌朝も桑稚は段嘉許の顔を拭いた。しかし今回は警戒し、視線を外しながら何事もなく拭き終わる。「嘉許哥、授業に行ってくる、必要なものがあったら取って来るよ?」「じゃあ家からパソコンを持って来てくれ、家の鍵は上着の中に、住所はあとで送るよ」「安静にしていなくちゃ、仕事はだめ、他の物だけ持って来る」「全く…俺に説教するとはずいぶん成長したもんだな」「もう子供じゃないの、やっと分かった?ふん!…行って来ま~す」〓第十篇 ~冗談~ 私に忘れる理由を〓桑稚はルームメイトたちに退院まで親戚に付き添うと話し、授業が終わると急いで出発した。するとちょうど運動場でウォーミングアップ中の江銘が桑稚に気づいて駆けつける。「昨日はどうしたの?」「親戚が急病で一晩中、付き合ってたの、行けなくてごめん 今度、埋め合わせに映画に行こう」「いいよ、来週末なら空いている」桑稚は社交辞令のつもりだったが、約束するしかなくなった。「そうね、来週末に」段嘉許の家は雑居ビルの裏手にあった。路地にある入り口から入って階段を登って行くと、最上階に段嘉許の家がある。綺麗に整頓された部屋には大学の卒業式で桑稚と2人で撮った写真も飾られていた。当時を思い出して感慨深げな桑稚。すると隣の写真立てに若い段嘉許と中年の女性の写真がある。桑稚は段嘉許と母親の写真だと気づいて思わず挨拶した。初めまして、桑稚です>(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ペコリ桑稚は段嘉許の着替えを持って行くことにした。その際、うっかり下着の棚を開けてしまい大慌てで閉じる。しかし下着はどうしても必要だと思い直し、そっぽを向いて手探りでカバンに放り込み解決した。桑稚が荷物を持ってビルから出ると、ちょうど入れ違いに女性が入って行った。実はその女こそ段嘉許に付きまとっている姜穎(ジャンイン)。段嘉許から一方的に絶縁された姜穎は思い詰めるあまり段嘉許の家に押しかけてしまう。しかし入院しているとは知らず居留守を使われていると誤解し、姜穎はドアを叩きながら必死に段嘉許を呼んでいた。段嘉許は桑稚が下着まで持って来たことに面食らった。気まずい桑稚はパソコンも持って来たと教えて話題をそらしたが、その時、今日から同じ病室に入ったというおじいさんがやって来る。するとおじいさんは桑稚が段嘉許の奥さんだと勘違いした。段嘉許は妻ではなく妹だと否定したが、耳が遠いせいかおじいさんはなかなか理解できない。「ああ?結婚していないのか?…こんな可愛いお嬢さんを待たせてはだめだ 早く結婚しなさい、大事にしないと後悔するぞ?」「はいはい、分かりました」面倒臭くなった段嘉許は笑ってごまかしたが、桑稚にとって結婚は冗談で済まされる問題ではない。「おじいさん、こんなに年が離れてるんですよ?彼は夫というより父親でしょう?」「はあ?父親?ああ〜そうか、早く子供ができるといいね」段嘉許はめでたく退院した。しかし桑稚は機嫌が悪い。段嘉許はおじいさんに合わせて結婚すると言ったことが不味かったと分かったが、暇つぶしの冗談だと釈明する。「とにかくもうそんな冗談はやめてよね」桑稚は段嘉許を家まで送り届けた。「片付けはいいから何か食べに行こう、寮まで送るよ、ちょっとトイレに行ってくる」すると独りになった桑稚は何とも言えない複雑な感情に襲われた。…この2年間、心の奥に封じ込めた小さな想いに怯えて来たきっと彼は気づいていないのね今も彼の心の中で私は兄妹という関係以外の何物でもないだからあんな冗談が言えるのよ…桑稚はポストイットに注意事項を書き留め、部屋中に貼り付けた。「段嘉許、課題が溜まっているから帰るね」「送るよ…車を出すから」「いいの!大丈夫!…1人で帰れるから、じゃあ」段嘉許は桑稚から激しく拒否され、引き止める間もなくドアを閉められてしまう。桑稚は道すがらスマホを出した。…今の状態も悪くない、どのみち私はただの妹だもの…そこで住所録から段嘉許のファイルを出し、名前を″哥哥2号″に変えてしまう。一方、段嘉許は桑稚の様子に困惑しながらも、部屋中に貼られたポストイットを愛おしそうに見つめていた。🧸徹夜禁止🧸薬を忘れずに🧸時々は歩く…段嘉許は仕事に復帰した。そこで上司である先輩夫婦に相談を持ちかける。「彼女は怒ったみたいなんです、いくら考えても原因が分からなくて…」「おじいさんに冗談を言っただけだろう?」「男って何を考えてるの?」思雲(スーユン)は若い女の子ならなおさら恋愛を冗談にするなどもっての外だと呆れた。しかし勘違いしたのはおじいさんの方、段嘉許はなぜ八つ当たりされるのか分からない。「共犯者だからよ、懸命にお世話しているのに茶化されたのよ?感謝すべきなのに… 食事にでも誘って釈明したら?でも彼女を子供扱いして茶化しちゃだめよ?」実は思雲は2年前に桑稚が家出した時、段嘉許と一緒に空港まで探しに来てくれた人だった。段嘉許は桑稚にメッセージを送ることにした。しかしちょうど姜穎から着信があり、送りそびれてしまう。「少し会えない?」「連絡する必要ないと伝えたはずだ」「私を捨てるの?!」段嘉許はヒステリックな姜穎の声を聞いて不愉快になり、用があると断って一方的に電話を切ってしまう。週末、桑稚は約束通り江銘と映画に出かけた。するとモールでクレーンゲームを見かけ、景品があのクマのぬいぐるみだと気づく。つづく( ๑≧ꇴ≦)ジアシュガが地雷踏みまくりwww
2025.01.26
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长相思 第二季 lost you forever S2第14話敵将を暗殺するため西炎軍営に単身で忍び込んだ阿念(アネン)こと皓翎億(コウレイオク)。しかし殺したのは将軍ではなく替え玉で、異変に気づいた駆けつけた禺彊(グウキョウ)に捕まってしまう。そうとは知らず旧情を温めた赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と塗山璟(トザンケイ)が幕舎に戻って来た。「将軍、ちょうど良いところに…こやつをどうしますか?」禺彊が捕縛した刺客は西炎王の従妹だった。阿念は塗山璟の計らいで解放され、身なりを整えた。すると知らせを聞いた瑲玹(ソウゲン)が駆けつけ、阿念の無事を確認して安堵のため息を漏らす。阿念はそれとなく神器をはめた左手を伸ばしたが、結局、断念して腕を下ろした。「怖かっただろう?師父に黙って来たのか?私が送って行こう」「哥哥…お願いよ、もう攻撃しないで、父王は心労で髪が真っ白になり、お加減も悪い 歩くのも辛そうなの、お願い、お願いだから…哥哥」「阿念、今回ばかりは聞いてやれぬ、お前や小夭(ショウヨウ)の頼みでもな」瑲玹は両国が戦っていても自分たちの関係が変わることはないとなだめたが、阿念にとってその優しさはむしろ残酷だった。その夜、阿念が独りで暖を取っていると小夭がやって来た。小夭は自分の出自を知った阿念に嫌われたと誤解、これまで避けていたと明かす。しかし阿念が怒っていたのは小夭が音沙汰もないまま約束を破ったせいだった。「文くらい書けるでしょう?待っていたのに… 私に泳ぎを教えて魚を焼いてくれる約束だった、口先だけなんだから」「てっきり私には会いたくないかと…」「赤宸(セキシン)の娘だからって何?!私が姐姐と認めたの たとえ石から生まれたとしても私の姐姐だわ、本当にバカなんだから」小夭は感激のあまり涙し、ようやく阿念に寄り添った。「明日、私が魚を焼いてあげる!」喜んだ小夭は翌朝、手料理を準備して阿念を起こしに行ったが、すでに阿念の姿はなかった。阿念は皓翎軍営で保護された。蓐収(ジョクシュウ)は無謀な行動を叱責したが、実は阿念には瑲玹を暗殺する機会があったという。「哥哥は全く警戒もせず目の前にいたわ、手を下すこともできた でもそんな気になれなかったの、大臣たちの言う通り私は役立たずね」「役立たずではない、優しいだけだ」いつもなら辛辣な蓐収が珍しく阿念を慰めた。「ここに蓐収哥哥がいるだろう?強くて頼りになるぞ?」「分かってるわ」「分かっているなら瑲玹のことは忘れろ」「忘れたい…でも忘れられないの」蓐収は阿念を悲しませた瑲玹に憎しみを募らせた。そこでこれまで禺彊との対戦を却下していた羲和部の将領・青漣(セイレン)をついに送り込むことにする。「お前と禺彊は幼なじみで共に学んだ仲、だが戦場で私情は許されぬぞ?」「禺彊は今や裏切り者、全力で撃ち倒して見せます!」「はお、覃芒(タンボウ)は赤水献(セキスイケン)を迎え撃て、敗北は許さぬが勝ってもならぬ」配下は大将軍の意図が分からなかったが、覃芒はその意味を察して拝命した。瑲玹は豊隆から禺彊の相手が青漣だと聞いた。これまで同族の戦いを避けていた蓐収がなぜ今回は青漣を使ったのか。「赤水献の相手は?」「覃芒です」「はっ!これは罠だ、禺彊を呼び戻せ!」しかし一足遅く禺彊は深手を負っていた。援軍は禺彊を連れて命からがら逃げ出した赤水献を発見、軍営まで連れ帰る。昏迷する禺彊だったが、同行した小夭の治療のおかげで一命を取り留めた。皓翎では大臣たちが蓐収に阿念を娶らせて政を補佐させるよう進言していた。阿念はもちろん阿念の気持ちを知る蓐収も提案を拒否するのは必至、しかしこのまま白虎(ビャッコ)部と常㬢(ジョウギ)部が黙って引き下がるとも思えない。案の定、儲君の提案を退けられた白虎部と常㬢部は西炎軍営へ密使を送り込み、帰順したいと願い出ていた。白虎部と常㬢部が西炎に帰順した。皓翎王は見せしめに自ら討伐すると奮起したが、急に倒れてしまう。そこで阿念は王姫としての責任を果たす時が来たと腹をくくり、将軍として出征することにした。皓翎の様子を聞いた小夭は慌てて瑲玹の幕舎に駆けつけた。瑲玹は帰順を推奨するため、自ら白虎部と常㬢部へ向かうことになっている。「瑲玹!2部の謀反で父…いえ皓翎王が倒れたそうよ」「知っている」「皓翎王に代わって阿念が出征する話は?…阿念と戦うつもりなの?!」瑲玹は戦経験のない阿念が出征するはずないとなだめたが、興奮した小夭は聞く耳を持たず、皓翎王の見舞いに行くと決めた。「小夭、待て!」「離して!私に戦は止められない、ならあなたも私を止めないで!」皓翎王は塗山璟が見舞いに来たと聞いて会うことにした。侍女・静夜(セイヤ)に変身した小夭も塗山璟の後に続いたが、その時、思いがけず胡珍(コチン)に成り済ました瑲玹が駆けつける。「なぜ来たの?無謀すぎる、早く帰って」「もう手遅れだ」しかし皓翎王は寝所に現れた侍女と護衛を見てすぐ正体に気づいた。小夭と瑲玹は元の姿に戻って拝礼した。師匠の身体を心配する瑲玹だったが、皓翎王は大臣たちを牽制するため朝議でわざと倒れたと明かす。すると小夭は母を恨んでいるかと聞いた。しかし皓翎王は西陵珩(セイリョウコウ)と赤宸の関係も小夭の出自も全て承知の上だったという。「2人に借りがあるのは私の方なのだ」実は皓翎王と西陵珩の縁談は情愛ではなく和親だった。当時、皓翎王と西炎青陽(セイエンセイヨウ)は共に世継ぎ争いの危機にあり、婚姻は結盟だったという。皓翎王と西陵珩は盟友でいようと決め、青陽が無事に即位した暁には別れる約束だった。「だが世はままらぬもの、辰栄(シンエイ)との開戦が運命を変えた…小夭、娘(ニャン)を恨んではならぬ」「恨むなと?…親なのに私を育てもしなかった、捨てられても恨むなと? 私は実の父すら知らなかった、不義の子と罵られ、各地を放浪して隠れ住むしかなかったわ 本当の顔まで失い、30年も檻に閉じ込められていた 頼る術もなく虐げられている時、私の親はどこにいたの?! 娘のことなど忘れて潔い最期を迎えた英雄? 子供を捨てただけの無責任な男と女じゃないのっ!」皓翎王は小夭の暴言に思わず碗を床に投げて割った。「小夭、一緒に行きたい場所がある」皓翎王は小夭たちを連れて百黎(ヒャクレイ)にある赤宸寨にやって来た。西陵珩と離れ離れになった赤宸は愛する人を想うたび桃の木を植え、山水を陣として霊力で水を引いたという。そして数百年で広大な桃林となり、今や天然の障壁となった。皓翎王の話では小夭を出産した西陵珩は命の危険を冒してまで我が子の身体に駐顔花を封印したという。「ここがお前の両親の家だ…2人が何より求めたのは″家″だった 中を見て来なさい、ここで待っている」困惑した小夭は不安そうに瑲玹と塗山璟を見たが、2人とも小夭の背中を押した。恐る恐る歩き出した小夭。すると不思議と結界が小夭を迎え入れ、再び戸は固く閉じてしまう。「小夭!」塗山璟は思わず飛び出そうとしたが、皓翎王が止めた。部屋の中には母と赤宸の姿絵があった。その時、小夭は物音を聞いて誰かがいると気づく。「誰?!」「…ごめんなさい、驚かせるつもりじゃなかったの、この家を預かる者よ」物陰から女人の声が聞こえたが、戦で酷い傷跡があるため見られたくないと訴える。「分かったわ、話がしたいだけなの、絵姿の2人に会ったことがある?」「あるわ、赤宸将軍は血も涙もない魔王ではなかった この地を守って敬愛された獣王だった、王姫将軍もここでは赤宸の妻でしかなかった 医術で人を救い、西陵巫女とあがめられていたの」つづく(  ̄꒳ ̄)瑲玹も阿念も豊隆もそれぞれ自分の道を歩き始めて大人になったでも肝心の女主だけが相変わらずな気がするw
2025.01.23
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长相思 第二季 lost you forever S2第13話賭場で思いがけず相柳(ソウリュウ)と出くわした小夭(ショウヨウ)。そこでこの機会に蠱毒(コドク)を解くよう説得したものの、相柳に断られてしまう。実は塗山璟(トザンケイ)からも解いて欲しいと頼まれたが、引き受けたくてももう解けなくなっていた。するとそこに塗山璟が現れ、小夭の手を取る。「間者を遠ざけた、脇門から出られる」「助かったよ」相柳は2人の繋いだ手を一瞥すると、独りで去って行った。小夭は帰りの道すがら、瑲玹(ソウゲン)に会うのが嫌で賭場で時間をつぶしていたと釈明した。しかし塗山璟は気にする様子もなく、小夭を探していた苗莆(ビョウホ)を先に帰らせたと報告する。一方、瑲玹は日が暮れても帰って来ない小夭を心配して下山していた。すると偶然、橋の上にいる小夭と塗山璟の姿を見つける。2人が楽しそうに夜景を眺めている様子を見て険しい表情になる瑲玹。しかし2人の元へ向かう時には満面の笑みを作っていた。塗山璟は西炎王に気づいて拝礼した。何ともばつが悪そうな小夭だったが、瑲玹が迎えに来たと知って素直に塗山璟に別れを告げる。塗山璟は2人の後ろ姿を見送りながら、相柳の件が杞憂だと気づいた。…陛下は小夭を溺愛している、蠱毒が解けなければ相柳を殺さないだろう…一方、小夭を送り届けた瑲玹は自分を避けるために出歩く必要はないと伝えた。「休戦したそうね?」「今は雨期だ、戦を続けたら洪水の被害は免れぬ…戻るよ」「待って…」すると小夭は急な雷雨を心配し、瑲玹に傘を渡した。雨期が終わって戦が再開した。皓翎(コウレイ)王は体調を崩しながらも政務に追われていたが、朝議では平然と皓翎王の失策を批判する大臣が現れる。しかし出征を志願した蓐収(ジョクシュウ)が巻き返し、負け続きだった皓翎に勝利をもたらした。喜んだ阿念(アネン)は早速、父王を訪ねたが、そこにはすっかり老け込んで弱々しくなった父の姿がある。阿念は霊術で父王の白髪を黒く染め、蓐収に任せてゆっくり静養するよう勧めたが、何の役にも立てない自分を恥じた。瑲玹は祖父と一局、手合わせしていたが上の空だった。実は西炎軍が白嶺(ハクレイ)城の一戦で敗北。叩き上げの蓐収に比べて挫折を知らない赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が気がかりだという。「今回の敗北によって士気が下がるのが心配です 爺爺(イェイェ)、西炎城の巡視という名目で密かに軍営を訪ねようかと…」「行って来い、私がいる」すると瑲玹の期待通り、話を聞いた小夭は心配で同行すると言ってくれた。しかし父王に追放されたことを思い出し、小夭はやはり行かないと断ってしまう。そこで瑲玹は塗山璟に同行を頼み、中原で民に喜ばれる物産選びを手伝うよう頼んだ。塗山璟は快諾、小夭も行かざるを得なくなってしまう。皓翎に入った小夭は西炎に陥落されながら戦などなかったように平和な街に困惑していた。塗山璟の話では瑲玹が戦に際し民の暮らしを侵さぬよう厳命、河川の増水期には兵士たちが堤を修築したという。また駐屯兵たちは西炎王の勧めで家族を呼び寄せて定住させ、心身ともに落ち着いて任務に当たっていた。小夭は自分が想像していた悲惨な戦と全く違うと知った。すると瑲玹は皓翎にいた200年であらゆる苦労をしたと明かす。時には漁師として働き、行商や人足で銭を稼ぎ、従軍して匪賊討伐に出かけたこともあった。「孤独で先の見えない日々をこの国の民たちと共に暮らして来た …小夭、この地への思いはお前より深い」「王姫だったのに私はこの国のことを何も知らなかったのね」瑲玹は天下統一で民に利をもたらすためには血も流れると分かっていた。それでも民の犠牲を極力、避けたという。「私のやり方に賛同しろとは言わない、だが努力は認めてほしい」「はお」小夭は瑲玹へのわだかまりを解き、お陰で3人はその夜、野宿で久しぶりに自由を楽しんだ。小夭は西炎軍営に到着したものの、赤水豊隆に合わせる顔がなかった。そこで幕舎には入らないことにしたが、運悪く豊隆が外へ出て来てしまう。しかし豊隆はすでに立ち直り、過去を手放していた。西炎軍はすでに4敗を喫していた。自分の不甲斐なさを嘆く豊隆だったが、瑲玹は責めることなく、数回の負け戦など大した問題ではないと笑い飛ばす。「勝敗は時の運、常に勝ち続けるなど無理な話だ」一方、皓翎の朝議では連勝に気を良くした大臣たちが士気をあげるため三軍に報奨を出すよう嘆願していた。するとある大臣が病の皓翎王につけ込み、儲君を立てるよう上奏する。しかし皓翎王の子供は皓翎億(コウレイオク)唯一人、当然ながら反対の声が上がった。「優秀な世継ぎの教育は君主の職責です、ですが王姫に儲君の大任は務まりますまい」そこで大臣は甥の中から選んではどうかと進言した。皓翎王はそれが真意だと気づいて憤慨、頭に血が昇って激しく咳き込んでしまう。塗山璟は弟同然の赤水豊隆と腹を割って話し合うことにした。そこで自分が欲しいのは小夭だけ、富も地位も何もいらないと告白する。「小夭との婚儀を防風邶(ボウフウハイ)に邪魔させたのは私だ、すまない」「ふっ、お前にもそんな一面があったんだな、求めるものが違って助かった」阿念は父王の助けになろうと今さらながら兵法を学んでいた。しかし朝議で白虎(ビャッコ)部と常㬢(ジョウギ)部が儲君の一件で自分と父王を愚弄したと聞いて激怒、目に物見せてやろうと独断で西炎軍営に潜入してしまう。侍女・海棠(カイドウ)はやはり帰ろうと説得したが、阿念の決意は堅かった。「守衛を引き離したら逃げなさい」西炎軍の兵士を装った阿念は幕舎に乗り込んだ。そこで寝所にいる人影に向かって毒を放ったが、おとりだと気づく。すると異変に気づいた禺彊(グウキョウ)が駆けつけた。「何者だ?」「裏切り者めっ!」阿念は禺彊に斬りかかったが、禺彊は王姫だと知らずに反撃してしまう。つづく( ˙꒳˙ )急にやる気を出して来た阿念、でも空回りか?w
2025.01.22
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偷偷藏不住 Hidden Love第9話ルームメイトとの恋バナを切り上げた桑稚(サンジー)の元に怒って電話を切ったばかりの兄からメッセージが入った。『言い忘れた、段嘉許(ドワンジアシュー)に食事でもおごってやれ、ずっとお前を気遣っていたんだ 受験の時はプレッシャーを与えるからって俺に成績を聞いてきた 誕生日や成績が上がった時はプレゼントを送ってくれただろう?ちゃんとお礼しろよ?』桑稚は空港での一件以来、段嘉許との連絡を断っていた。…無視していたの、良くなかったかな?嘉許哥が悪いわけじゃないのに…段嘉許がちょうど自宅に戻った時、桑稚からやけに仰々しいメッセージが届いた。💬先日は送ってくれてありがとうございます、食事をごちそうしたいのですが、いつ空いていますか?段嘉許は来週末と返信したが、また敬称付きの堅苦しい返事が届いた。💬分かりました、ではそちらの都合のいいお時間で段嘉許は仕方なくすぐ電話をかけ、時間はまだ分からないと伝えた。「で、なぜ急に″您″を?スマホが壊れて″你″が打てないのか? …あ~そうか、″您″という字は心にいる″你″だからか?」驚いた桑稚は咄嗟に父から5歳以上の年上の人と話す時は敬語を使えと言われたとごまかした。「それから…受験前は高校の寮にいて携帯が使えなくて…」「知ってた」「へ?知ってたのならなんで聞いたの?あ…だったらもういいの、じゃ!」桑稚はうっかり口を滑らせ、慌てて電話を切ってしまう。〓第九篇 ~抑えた感情~ 本当は好きなのに〓江銘(ジャンミン)は日曜日に桑稚を映画に誘うことにした。しかし切り出そうとしたちょうどその時、寧薇(ニンウェイ)と江銘のチームメイト・陳強(チェンチアン)が交際宣言、タイミングを逃して皆で一緒に出かけることになってしまう。桑稚は先約があると断ったが、ルームメイトたちに行こうと誘われた。…嘉許哥と食事しても気まずいもん、帰る理由になるからいいか…「分かった!」段嘉許はヒット作となったゲーム″一夢の江湖″のアップデートで根を詰めていた。相変わらず姜穎(ジャンイン)からしつこく付きまとわれていたが、そんな煩わしい日々からついに解放される。その日、段嘉許は姜穎に最後の賠償金を振り込み、今後は連絡不要と一方的にメッセージを送った。桑稚は待ち合わせ場所に到着し、段嘉許に連絡した。しかし段嘉許の様子がおかしい。「桑稚、すまない、行けそうにないんだ…」「…具合でも悪いの?」「少し胃が痛くて…」段嘉許は心配ないと言ったが、桑稚は有無を言わせず会社へ迎えに行くと決めた。ロビーで桑稚を待っていた段嘉許は顔が真っ青だった。桑稚はひとまず段嘉許を歩道に待たせて道路へ出たが、タクシーが捕まらない。「アプリで呼ぶわね…えーと、ここの住所は…」桑稚はスマホの画面を見ながら歩道へ戻ろうと後退り、その時、タクシーを探そうと前に出てきた段嘉許とうっかりぶつかった。するとふらついた段嘉許が驚いて振り返った桑稚を抱きしめ、勢い余っておでこに口づけしてしまう。「わざとじゃ…」「私も…」そこへ運良くタクシーが到着した。救急外来で検査した結果、段嘉許は急性虫垂炎だった。医師の説明を聞いた段嘉許は手術を選択、桑稚に寮へ帰るよう言ったが、桑稚は終わるまで待つことにする。その時、母から着信が鳴った。📱<もう10時過ぎよ、なぜ電話して来ないの?すると桑稚から事情を聞いた黎萍(リーピン)は思わずため息を漏らした。📱<可哀想に…独りぼっちなのよ桑稚はこの時、初めて段嘉許に母がいないと知った。あれはまだ大学1年だった頃、段嘉許は桑家の援助で母の葬儀を済ませることができたという。しかも段嘉許はお金を半年で返済していた。📱<只只(ジージー)、帰りは気をつけてね段嘉許の手術は無事に成功した。桑稚はすでに入院に必要な物を準備しておいたが、段嘉許は桑稚に付き添わせるわけにいかない。「もう帰りなさい、タクシーに乗ったら車のナンバーを送って、寮に着いたら…」「嘉許哥、分かってる、もう子供じゃないのよ?…じゃあ、また明日、来るね」「授業がない日にな…大丈夫だ、もう行って」すると桑稚は黙って帰ってしまう。…桑稚、怒ったかな?さっきの事、気にしてるよな?…偶然とは言え口づけしてしまったことを思い出し、悶々となる段嘉許。その時、桑延(サンイエン)から連絡が来た。「聞いたぞ?病気だって、でも元気そうだな、じゃあ切るぞ?」「待った、話したいことがある…いや、何でもない」いくら親友とは言え、さすがに桑延に妹の相談はできなかった。桑稚が突然、病室に戻って来た。「やっぱりお世話する… だって私が病気になって独りぼっちなら嘉許哥は付き添ってくれるでしょう?」段嘉許はもっともだと気づき、桑稚の厚意に甘えることにした。そこで桑稚はまだ動けない段嘉許のために顔を拭くことにしたが、目を閉じた段嘉許の顔に思わず見惚れてしまう。その時、段嘉許がふと目を開けた。つづく
2025.01.19
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长相思 第二季 lost you forever S2第12話小夭(ショウヨウ)が医書の編纂にまい進している頃、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)はついに皓翎(コウレイ)への出兵を命じた。その年の3月、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の指揮のもと赤水献(ケン)が赤水の南にある荊渡(ケイト)に夜襲をかけ占領。この大功により赤水豊隆は大将軍に任じられ、40万の兵で皓翎に侵攻した。西炎軍は破竹の勢いで進みながら3日間でさらに2つの城を落とした。時局の急変に天下は震撼、回春堂に集まる医者たちも仕事の手を止め、自然と話題は戦況になる。そこへ忙しく各地を飛び回る小夭が帰って来た。すると小夭に気づいた途端、医者たちは気まずそうに話をやめてしまう。小夭が小月頂に戻ると、ちょうど塗山璟が祖父と一緒に待っていた。そこで医館の医者たちの様子がおかしいと訴え、手当が不満なのかと訝しむ。塗山璟は何か言い出そうとしたが、太尊が咳払いをして邪魔した。「阿爺?」「隠し通すことはできないが、何があったかは瑲玹に聞け 私や璟から伝えれば咎めを受ける」すると小夭は手料理を作り、夕餉に瑲玹を招くことにした。一方、早朝に3つ目の城が陥落した皓翎では朝廷に動揺が広がっていた。しかし重臣たちは瑲玹を罵るばかりで反撃の手立てもない。呆れる皓翎王だったが、そんな中、蓐収(ジョクシュウ)と覃芒(タンボウ)が出征したいと名乗りを上げた。阿念(アネン)は瑲玹の裏切りを知り絶望、2人の思い出の品を眺めながら涙していた。すると父王が現れ、そっと隣に腰掛ける。「これは私と瑲玹の問題、これからも瑲玹はお前の哥哥だよ」「…父王に敵対する哥哥なんていらない、恩を仇で返すなんて! 姐姐は?姐姐はなぜ止めてくれないの?!ここで育ったのに!」阿念は父の腕にしがみつき、激しく泣いた。蚊帳の外にいた小夭はようやく自分の知らない動静があると気づき、夕餉を利用して瑲玹に問いかけた。瑲玹はもはや隠し通すことができないと覚悟、皓翎に出兵を命じたと明かす。寝耳に水だった小夭は耳を疑った。「瑲玹?…今、何て言ったの?」「私は…皓翎に…出兵せよと命を下しt…」小夭は憤怒、激情に駆られて瑲玹に杯を投げつけると部屋に帰ってしまう。(っ'-')╮シュッ!=͟͟͞͞🫗 ガツン!☆))Д´)アウッ!瑲玹は釈明しようとしたが、小夭は部屋に閉じこもったきり決して戸を開けなかった。「お前の知らぬ事情がある!西炎を追われたのも元はと言えば皓翎王のせいなんだ!」実は当時、王妃だった西陵珩(セイリョウコウ)は辰栄の陰謀を知り、瑲玹の父・西炎仲意(セイエンチュウイ)を救うため皓翎王に援軍を嘆願した。朝廷は兵士たちの安全を憂慮して貴重な軍隊を貸すことに難色を示したが、西陵珩は自分の指を切り落とし、誓いを立てたという。『この指に誓って必ず兵士を無事にお返しします、ですから部隊をひとつお貸しください』しかし結局、皓翎王は援軍を拒否、こうしてあの悲劇が起こったのだ。小夭は母の小指がない理由を初めて知った。今なら母がなぜ伯父の死後に皓翎王と別れたのか納得できる。「小夭、まだある、辰栄との戦には皓翎も関与していたんだ 姑姑と赤宸(セキシン)の死に皓翎王は無関係ではない!」全てを聞いた小夭は呆然、その場で崩れ落ちるようにへたり込んでしまう。塗山璟は太尊に引き止められ、碁に付き合わされていた。しかし小夭が心配で居ても立ってもいられず、上の空になってしまう。太尊はそんな塗山璟の様子に気づき、この問題は従兄と従妹2人で解決しなければならないと諭した。「君主に物を投げた小夭を咎めもせず、瑲玹は許しを請うているのだ かくも狼狽した君主の姿を見たいと? …2人は幼い頃から不遇で、家族と呼べる者もなく育った 再会してからは互いに支え合ってきたのだ あの2人にとっては私もある意味、家族とは呼べぬ」真実を知った小夭は戸にもたれかかったまま泣いていた。瑲玹は顔を見て話したいと訴えたが、やはり戸は開かない。「皓翎王も一国の君主、私情を犠牲にして大義を取らねばならなかったのだろう」「ええ、娘も大儀のために私を捨てた、皓翎王も君主のため私情を捨てるのは当然ね」「私も一国の君主、この決定は避けられない、師父も理解してくれるはずだ 小夭、分かってくれ」「分かってる、でも辛いの!あなたも娘や皓翎王と同じ!私の気持ちなんてどうでもいいのね! なら結構、もう帰って!2度と小月頂に来ないで!」「小夭!お前の気持ちを大切に思ってる!嘘じゃない!頼む!開けてくれ!」一方、王后・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は瑲玹がまだ小月頂から戻っていないと聞いた。恐らく小夭が出兵の件でへそを曲げているのだろう。やはり瑲玹も男、情愛より覇業への野心が勝ったのだ。「これで陛下もあの女に嫌気が差すわ…」瑲玹はいつの間にか戸の前で眠っていた。すると翌朝、瀟瀟(ショウショウ)が迎えにやって来る。「陛下、朝議のお時間です…お怪我を?手当てしてからお召し替えください」瑲玹は戸越しに朝議が終わったら出直すと声をかけたが、小夭から返事はなかった。西炎軍はすでに皓翎の6城を陥落させた。すると瑲玹は追撃せず、ここで進軍の歩調を緩めるという。皓翎は間もなく雨期に入るため各地で水害が起こるのは必至、そこで戦わない兵士たちに河川の整備と堤の補強を任せると決めた。西炎王の負傷は後宮の知るところとなった。后妃たちは金萱(キンケン)を呼びつけて事情を聞いたが、何でも西炎王は上奏文を読みながらうたた寝し、燭台にぶつかったという。素直な妃たちは西炎王も前線が心配で眠れないのだろうと納得し、それぞれ差し入れを届けることにした。すると馨悦は妃たちを下げてから金萱を追求する。「陛下の怪我は小月頂で?」「誰がそんな出まかせを?!…書斎で怪我をされたのです お疑いでしたら侍従を呼んでください、偽りなら罰を受けます」馨悦は金萱が口を割るとは思えず、仕方なくそこで諦めた。金萱は見苦しい王后の姿に自分の姿が重なり激しい嫌悪感を抱いた。そこで西炎王に暇(イトマ)を申し出たが、秘密を知り過ぎた自分の口を封じるためには死を賜るしかない。案の定、瀟瀟(ショウショウ)が酒を運んできた。金萱は覚悟を決めて杯を空け、実は忠誠心が情愛に変わり、このままでは我を失ってしまうと嘆く。すると瑲玹は自分も酒をあおり、毒ではないと教えた。「お前を信じている、先ほどの1杯は今までの力添えの感謝だ 紫金宮が嫌なら天下を遊歴し、各地の動静を知らせてくれぬか?」塗山璟は小夭の蠱術(コジュツ)について調べさせていた。詳しい者の話では小夭の蠱虫は″雌雄蠱(シユウコ)″と呼ばれ、一心同体どころか蠱虫に蝕まれ命を落とすこともあるという。…辰栄残党軍は早晩、殲滅される、そうなれば相柳(ソウリュウ)は…塗山璟は相柳を賭場に呼び出し、小夭の蠱毒を解いて欲しいと頼んだ。しかし相柳は拒否、今回ばかりは銭を積まれても無理だと断って帰ってしまう。一方、医館の仕事を終えた小夭は瑲玹を避け、小月頂に帰らず賭場で暇をつぶすことにした。すると見覚えのある後ろ姿を見つけ、思わず後を追いかけてしまう。男は人目を避けるように地下水路に出た。「相柳!」小夭は男の腕をつかんで引き留めたが、振り返った男は別人だと分かる。「姑娘(グーニャン)、何か用かい?」しかし小夭はやはり相柳だと確信した。「とぼけてもお見通しよ、相柳」すると男は何度か顔を変えて最後に相柳の顔に戻る。(´⊙ω⊙`)<全部あなたの顔?つづく( ๑≧ꇴ≦)アー!哥哥、小夭の地雷踏んだw
2025.01.16
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长相思 第二季 lost you forever S2第11話実の父が悪名高き赤宸(セキシン)だと確信し、激しい衝撃を受ける小夭(ショウヨウ)。相柳(ソウリュウ)はそんな小夭を励ますため作り話を聞かせたが、かえって小夭を怒らせてしまう。「以前、ある者から聞いたのだ、幸か不幸かは比較で実感するらしい だから私の悲惨な過去を聞かせて、お前はまだましだと思わせようと…」「私の話は現実よ!」相柳はさすがに共食いの話は不味かったと思ったのか、悲惨な話ならいくらでもあると言った。しかし小夭が聞きたいのは赤宸のことだという。相柳が義父に付き従ったのは赤宸の死後、そのため本人に会ったことはなかった。それでも同じ戦に身を投じる将として、戦場で死ぬことが最高の結末だと分かるという。「あなたも?…なぜ洪江(コウコウ)に従うの?義父だから?」「生死を共にして戦った戦友でもあるのだ、何百年も前の話だがな だが9つの頭が決して忘れない、今でも連中の顔が浮かぶ」すると小夭は母の言葉を思い出した。母はこの世には命を捨てても決して諦められない情義があると言っていたという。「伯父と伯母も瑲玹(ソウゲン)を捨て、娘(ニャン)は私を捨てた 家族でなければ私も偉大だと思うでしょうね、でも子としてはどんな大義だろうと許せない」小夭はいつの間にか眠っていた。やがて戸から吹き込む雪で目を覚ますと相柳の姿はなく、露店で見かけた灯籠が置いてある。確か灯籠には6枚の絵があり、非道の限りを尽くす赤宸と母が命を受けて出征するまでの物語が描かれていた。激怒した小夭は灯籠を庭に投げ捨てたが、ちょうど塗山璟(トザンケイ)が現れ、灯籠を拾って火を灯してしまう。「塗 山 璟 っ!」「小夭、よく見てくれ」すると絵にはそれぞれ題字が入っていた。…強敵を葬る…権勢を誅し…中原を守る…大義を担い…私情を棄つ…民と君を裏切らず…恐らく相柳の推測は事実だろう。しかし両親がいくら筋を通したとしても、小夭は大義のために自分を置き去りにした母への不信感を拭えず、塗山璟の胸で号泣した。小夭が小月頂に戻ると瑲玹が待っていた。もはや皓翎(コウレイ)の王姫ではなくなったと落胆する小夭だったが、瑲玹は身分ではなく叔母の嘘が原因だと分かっている。「姑姑が誰の子なのか明かさなかったからだろう?」「私の身体に駐顔花(チュウガンカ)を埋め込んで顔のない者にしたのが娘だったなんて…」「お互いに冷たい娘を持ったな」瑲玹は今では母を恨んでいないが、未だに自害した時の夢を見ることがあるという。この虚しさや憤りを共有できるのは2人だけ…。瑲玹は酔い潰れた小夭の頭を優しく撫でた。「心配するな、私はもう強くなった、私からお前を奪えるものなどいない 誰にもお前を傷つけさせぬ」皓翎でも第一王姫が赤宸の娘であるという噂が広がった。重臣たちは第一王姫の廃位を上奏したが、皓翎王はこの騒動に裏があると気づく。西炎王である瑲玹が抑えられぬ噂などないからだ。しかし何も知らない阿念(アネン)は激怒。祭祀を行って血統を証明しようと提案したが、驚いたことに父王は小夭が自分の娘ではないと認めてしまう。「玖瑤(キュウヨウ)は皓翎王族にあらず、宗籍から抹消する」実は皓翎王は瑲玹の思惑に気づいていた。…阿珩(コウ)、お前と青陽(セイヨウ)の信頼に応えたぞ、瑲玹への教えは無駄ではなかったようだ…鈴蘭(リンラン)は小夭が皓翎王族ではないと宣言されたと知り、喜び勇んで王后に報告した。しかしちょうど居合わせた赤水豊隆(セキスイホウリュウ)から太尊と西炎王の家族に対して無礼だと叱られてしまう。辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は鈴蘭を下げたが、小夭の噂を広めたのがてっきり兄だと思っていた。沐斐(モクヒ)が小夭を襲撃した理由を知り得るのは自分たちと西炎王しかいない。すると豊隆は噂を流したのが瑲玹だとほのめかした。「馨悦、陛下は小夭のためならこんな面倒な真似さえする、だがむきになって陛下を怒らせるな」小夭は皓翎王からの文で称号を剥奪されたと知った。優しかった父王の仕打ちに傷つく小夭、しかし当の本人をよそに祖父と瑲玹が小夭の新しい氏でもめている。そこで瑲玹が小夭に決めさせようと提案した。( ・᷄-・᷅ )<私なら名前だけでいいわ( ゚Д゚)゚Д゚)<駄目だっ!(´ ・ω・)<じゃあ西陵氏にするこうして小夭は西炎王から正式に西陵氏を賜り、辰栄山に住むことを認められた。小夭は皓翎から連れて来た侍女・珊瑚(サンゴ)の処遇に悩んでいた。故郷へ帰っても自分の巻き添えになって辛い目に遭うかもしれない。しかし塗山璟は珊瑚も兄と妹がいる土地に戻りたいはずだと考え、塗山氏の商いを任せることにした。塗山氏の後ろ盾があれば珊瑚も安全だという。「宝石や香料の店なら店主は女子のほうがいいからね」「そうするわ、これで1つ悩みが消えた!」「色々あって忘れているだろうが…防風意映(ボウフウイエイ)は青丘を離れた、1年後には君を娶れる」すると小夭は西炎ではなく西陵を選んだのは塗山氏と釣り合うからだと明かした。瑲玹は族長たちを集め、皓翎を討つと伝えた。すでに赤水豊隆が40万水軍の訓練を終え、糧秣と武器も調達済みだという。皓翎羲和(ギワ)部出身の禺彊(グウキョウ)はさすがに師弟関係で戦を始めれば天下の非難を受けると諌めたが、瑲玹は戦になれば私情など関係ないと言い切った。「天下統一のためにこの戦いは避けられぬ、異議がなければ出兵の具体的な策を練ろう」小夭は自分のまとめた″草薬集論(ソウヤクシュウロン)″にも限界があると分かった。使える薬材は患者の懐具合や気候風土の違いにより臨機応変に変えねばならず、この一冊だけで網羅するのは難しい。すると瑲玹は無謀にも医書のさらなる編纂を助言し、国をあげて手伝うと申し出た。この壮大な計画は小夭をそばに置きたい瑲玹にとって渡りに船。予想通り小夭は使命感に燃え、縁談どろこではなくなってしまう。塗山璟は正式に求婚するため、2人の隠れ家である草凹(ソウオウ)嶺の山小屋に小夭を案内した。「目を閉じて、手を引くから…いいよ」小夭が目を開けると、懐かしい回春堂の中庭にいた。「小夭、話がある、私と…」「璟、ありがとう!」小夭は塗山璟が医書の編纂に賛成し、自分を励ましていると誤解した。「編纂には時を要すし外出も多くなる、婚礼を遅らせたいと切り出せずにいたの でもあなたから応援してくれるなんて嬉しい!」塗山璟はがっかりして幻影の術が解けてしまったが、小夭の手前、自分も資料集めなどに協力すると約束した。「世のため人のためになることだ、応援するのは当たり前だよ」「璟ったら、どこまで優しいの?」つづく( ゚ェ゚)そう言えばパパがいつも触っている指輪、何だろう?
2025.01.16
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长相思 第二季 lost you forever S2第10話軹邑(シユウ)城に小夭(ショウヨウ)の医館・回春堂が開業。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は開業祝いに小夭の右腕として医者・鄞(ギン)先生を派遣し、塗山璟(トザンケイ)は自分が題した扁額を贈った。大街に鳴り響く爆竹の音、そんな中、小夭と塗山璟は仲睦まじい胡珍(コチン)と静夜(セイヤ)の姿に気づく。「私たちのために自分たちのことは胸に秘めていたのだ、随分と待たせてしまった」「私たちからお祝いを贈りましょう」「ああ、″私たち″から」塗山璟は小夭の言葉が嬉しかったが、ふと九尾狐の鋭い嗅覚がある人物の存在に勘づいた。「どうかした?」「いいや…」王后・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は医館の開業を見ようとお忍びで外出していた。しかし塗山璟に気づかれ、慌てて引き返す。侍女・鈴蘭(リンラン)は道すがら、西炎王がなぜ王姫と塗山璟の恥知らずな行動を戒めないのか分からないと憤った。「たとえ口を出しても何もできないからよ」小夭と塗山璟の復縁は順風満帆に見えたが、今頃になって皓翎第一王姫が赤宸(セキシン)の娘だという噂が広まった。塗山璟は一族の力を集結して揉み消そうとするも失敗、噂の出所を調べても分からない。そこで自ら古蜀(コショク)の西陵(セイリョウ)氏と北流(ホクリュウ)城の鬼方(キホウ)氏を訪ねることにした。「噂を流したのは辰栄氏や赤水(セキスイ)氏かもしれぬ、豊隆(ホウリュウ)は卑怯なことはせぬが…」塗山璟は王后の仕業を疑って3氏族の力で封じ込めようとしたが、なぜか噂を止められなかった。赤水豊隆は西炎王に水軍の訓練の完了を報告、武器や糧秣も全て整えたと伝えた。「今なら全軍の士気も高いので出陣すれば勝利は確実です!」しかし瑲玹はまだやるべきことが残っていると言った。「これは自ら処理せねば…」一方、軹邑城に戻った塗山璟はその足で回春堂を訪ねた。塗山家は一族の名誉を守るため防風意映(ボウフウイエイ)が病だと公表していたが、年明けには病死したと公表し、1年の喪が明けてから小夭との婚礼を相談するという。小夭は構わないと笑顔を見せ、父王と会って事情を説明して欲しいと頼んだ。すると塗山璟はあえて巷で小夭の噂が広まっていると明かしてしまう。もはや小夭の耳に入るのは必至、隠し切れないなら自分の口から伝えた方が傷は浅いだろう。「…言わせておけばいいわ、どうせ何もできないから」塗山璟は強がる小夭を優しく抱きしめた。「私は赤宸の娘なのかもしれない、これは子供の頃からの悪夢なの だから家を失い、辛酸をなめようと五神山に戻れなかった もう過ぎ去ったこと、そう思っていたのに悪夢が追いかけて来た」「心配ない、私がついている、君は君だ、君が誰の娘だろうと生涯、離れないよ」小夭の出生を巡る噂話は止まることを知らず、ついに西炎の朝議で重臣たちが諫言する事態となった。「このままでは陛下の名声まで脅かされます!皓翎第一王姫を皓翎へお戻しください」しかし瑲玹はむしろ噂が事実なら小夭を無関係の皓翎に帰す道理などないと一蹴した。「皓翎玖瑤は西炎の王姫大将軍の娘、開国の君主である太尊ご自身が孫と認めている なのに追い出せとは…ならば私も辰栄山から追い出す気でいるのかっ?!」瑲玹は声を荒らげ、追及するなら沐斐(モクヒ)と同じ轍を踏むことになると釘を刺した。小夭の噂は皓翎王の耳にも届いていた。そこで小月頂に小夭が喜ぶ貴重な薬材を届け、根も葉もない噂など気にするなと文を送る。小夭は父王の気遣いを喜び、年明けには必ず塗山璟を連れて父王に会いに行こうと決めた。塗山璟は族長として新年の祭祀を行わねばならず青丘に戻った。こうして迎えた除夜。辰栄馨悦は慣例通り西炎王と王后が過ごす夜を楽しみに待っていたが、使いから西炎王が来られないと報告が来た。しかし鈴蘭は他の妃嬪の宮殿に行ったのではなく、太尊に孝を尽くすため小月頂に行っただけだと安心させる。これがかえって馨悦を苛立たせた。「他の妃嬪が相手なら正々堂々と争える…寵愛を争うことさえ許されないなんて」一方、瑲玹は小月頂で太尊と小夭と3人で新年を迎えていた。小夭は酔った勢いで自分が誰の娘なのか祖父に尋ねたが、太尊は父親について何も分からないという。「誰の娘にせよ、そなたが私の孫であることに変わりない」塗山璟が青丘から戻った。その夜、小夭は男装して瑲玹と塗山璟の3人、路地裏にある焼肉の店に向かう。「前に友達と来たの」「防風邶(ボウフウハイ)とか?」瑲玹の鋭い指摘に言葉を失う小夭、すると塗山璟が助け舟を出してくれる。「空腹だ、話は食べながら」そんな3人の様子を密かに相柳が見ていた。瑲玹は隣の席に座ったのが離怨(リエン)将軍たちだと気づいた。しかしいくら衝立てで仕切られてるとは言え、小夭は全く声が聞こえないことを訝しむ。瑲玹は″遮音の術″だと教えたが、小夭は何を話しているのか気になった。「璟、連中の話を聞く方法がない?」すると塗山璟は西炎王の許可を確認してから遮音の結界に穴を開けた。離怨将軍は義弟と甥から王姫の噂は本当かと聞かれていた。驚いた塗山璟は術を解こうとしたが、小夭は聞きたいという。「王姫が誰の娘かは知らぬ…だが大将軍と赤宸の別れの抱擁を見かけたことがある 将兵たちが何事かと2人を取り巻いて問いただした 大将軍は皆の前で赤宸と想い合う仲だと認めたよ お前たち、赤宸を恨む者に噂を広めろと唆されたな? 言っておくが大将軍の娘を傷つける者は決して許さぬ、分かったか?! 確かに赤宸は私たちの敵だ、だが尊敬に値する男だった」すると離怨将軍が席を立ち、そこで3人とも帰ってしまう。「聞いた?やっぱり私は赤宸の娘なのね…」小夭は深く傷つき、独りになりたいと言って飛び出してしまう。店を出た瑲玹は暗衛の瀟瀟(ショウショウ)に小夭を護衛するよう命じた。「小夭は私が小月頂に送り届ける、帰って休め」「陛下、なぜこんな真似を?」「どうして分かった?」塗山璟は3氏族の力を借りるも噂を止められず、王后の仕業ではないと気づいたという。「あの3人が店に来たのも陛下のお考えですね?つまり小夭にわざとあの話を聞かせた」瑲玹は赤水豊隆から聞いていた通り塗山璟の知恵は天下一だと感心、これも小夭を守るためだと明かす。「陛下のお考えに口を出すなどもっての外、しかし小夭にはご配慮を…」しかし瑲玹は不機嫌そうに帰ってしまう。その頃、小夭は赤宸を知る辰栄軍の生存者・離戎戟(リジュウゲキ)の店を訪ねた。すると月明かりが差す部屋の中で離戎戟の霊位を見つける。「勇気を出して会いに来たのに…もういないなんて… 誰もが赤宸を憎んでいる、だから憎んでいない人の話が聞きたかった 恨むべきではないと言って欲しかったのに!」小夭はせきを切ったように号泣、その時、思いがけず相柳が現れた。「どうしてここに?」「友を弔いに来たらお前がいた…どうやら噂は本当のようだな」相柳は小夭が心配で密かに後をつけていたがおくびにも出さず、わざと小夭を怒らせた。「天下に聞こえた悪者が父親と知ったんだ、気持ちは分かる」「黙れっ!」「だが赤宸を知らぬとしても自分の母親まで疑うのか?」「黙れってば!」「お前は両親がいる、私よりましだ、私のように卵から生まれた妖怪は親を知らぬ 頭が9つもあるゆえ幼い頃から飢えとの闘いだったよ しかも九頭は互いに命を狙う、飢えが酷いと別の頭を食おうとした」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)<じぇんだ(真的)?( ゚ェ゚)<嘘だつづく( ๑≧ꇴ≦)オイオイオイオイ…なんだその慰め方w
2025.01.12
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长相思 第二季 lost you forever S2第9話海棠宴に塗山篌(トザンコウ)を招き、わざと塗山璟(トザンケイ)を邪険にして気を引いた小夭(ショウヨウ)。すると案の定、塗山家の店でかんざしを選んでいる小夭に塗山篌が接近してきた。しかし小夭はどんなきらびやかな装飾品にも興味を示さない。それもそのはず、小夭の胸には塗山璟が贈った希少な魚丹紫があった。「明日はお暇ですか?ある原石が手に入ります」「私に弓を教えた防風邶(ボウフウハイ)は死んだわ、覚悟があるなら来てあげてもいい」「では是非…」そんな2人の様子を偶然、離戎昶(リジュウチョウ)が見ていた。離戎昶は塗山璟に王姫が塗山篌に媚を売っていたと言いつけた。しかし小夭を信じると誓った塗山璟は我関せず、急に所用で出かけてしまう。「清水(セイスイ)鎮へ行く、はっきりさせたい事情がある」塗山璟は防風意映(ボウフウイエイ)の兄を演じていた相柳(ソウリュウ)なら何か知っているはずだと考えた。相変わらずぶっきらぼうな相柳だったが、小夭の幸せのために防風意映と塗山篌が通じていたと教えてくれる。その頃、小夭は男装して塗山篌と歌舞坊にやって来た。塗山篌は着飾らずとも比類なき美しさを放つ小夭にすっかり魅了され、魚探紅を献上する。それはかつて船遊びの時に塗山篌が手に入れたあの魚丹紅だった。離戎昶は塗山璟から防風意映と塗山篌が通じていたと聞いて激怒した。しかし証明するのは難しく、塗山瑱(トザンテン)が息子でないとも言い切れない。どちらにしても離戎昶は妃に防風意映との縁を切らせることにした。実は離戎妃が近々、女子だけの宴を開くという。「小夭も行くのか?」「陛下から出席を聞いている」「…これも全て私のためなのだな」すると塗山璟は離戎昶にくれぐれも小夭の邪魔をするなと釘を刺した。離戎妃の宴、防風意映は王姫の姿に戸惑いながらも釣りを楽しんでいた。すると侍女がうっかり水をこぼして王姫の衣を濡らしてしまう。小夭は着替えれば済むことだと然して気にせず、寝殿に戻った。「この衣は嫌よ、別のがいいわ」侍女の珊瑚(サンゴ)は別の衣を取りに行くため帳を開けたが、ちょうどその時、防風意映が通りかかった。防風意映は偶然、外衣を脱いだ王姫の姿を目撃、見覚えのある魚丹紅の首飾りに気づいて驚愕する。「美しい魚丹紅ですね…どこでお求めに?」「友だちがくれたからつけてみただけなの」小夭は軹邑(シユウ)城の塗山家にいる璟を訪ね、事情を話すことにした。しかし塗山璟は話を遮り、説明せずとも信じているという。「とにかく全て済んだわ、防風意映の不信感で塗山篌との足並みは乱れるはず すぐ青丘に戻ってこの機に真相をつかむのよ」小夭は密会を知られないようすぐ席を立った。すると海棠の鉢に気づいて足を止める。「私は青丘に戻るが鉢は持って帰れぬ、もらって欲しい…ある物と交換で」その夜、急ぎ青丘に戻った防風意映は隠し部屋に塗山篌を呼び出した。「あなたに預けた魚丹紅は持ってきた?」「…忘れた」「忘れた?それとも王姫に贈ったの?」焦った塗山篌は確かに王姫の気を引こうと渡したと認め、弟の想い人を奪い取ってやりたかっただけだと釈明した。「もちろんお前は他の女子とは違う」「私の目を見て答えて、私が他の女子と違うのは私を愛しているから? それとも私に指一本、触れていない塗山璟をあなたの子の父親にしたから?」「もちろん愛しているからだ」塗山篌は防風意映から目を離さず答えたが、防風意映はその白々しさに嫌気が差し、塗山篌を引っ叩いて出て行ってしまう。一方、塗山璟の護衛・胡珍(コチン)と侍女・静夜(セイヤ)は塗山篌と防風意映の密会現場を押さえようとしたが失敗した。しかし報告を聞いた塗山璟はなぜかすぐ荷造りして軹邑城に戻るという。小夭は祖父の仕事を手伝っていたが、心ここに在らずだった。すると小月頂に塗山璟がやって来る。太尊は小夭がそわそわしていた原因を知り、2人で話せるよう席を立った。塗山璟は残念ながら密通現場に近づくことができなかったと報告した。落胆する小夭だったが、実は塗山璟は2人の隠し部屋に海棠と交換した猩猩(ショウジョウ)の鏡を隠しておいたという。「ここに記録されていた、私の身は潔白だ、瑱児は大哥の子だったよ …小夭、もう一度、機会をくれないか」すると小夭は思わず塗山璟に抱きついた。「いいわ!」西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は小夭と塗山璟がよりを戻すと知り愕然となった。祖父がついていながらなぜ小夭に塗山璟を近づけたのか。瑲玹は祖父に八つ当たりしたが、太尊はこれも小夭の意思だとなだめた。「小夭は権勢も名利も栄耀栄華も求めておらぬ 求めるのはただ自分に一途な男だけ、添い遂げられる男だ」確かに小夭の屈託のない笑顔を見るのは久しぶりだった。「なぜ小夭を笑顔にする男が私でないのだ…」「小夭が離れていくのが嫌なら小夭の人生を制御しようとするな」「分かりました」塗山璟は決着をつけるため青丘に戻り、その夜、兄を呼び出した。「母が犯した過ちが全ての不幸の元凶だった 防風意映と所帯を持ち、瑱児と3人で暮らす気はないか?」塗山篌はようやく王姫と弟にはめられたと気づき激高、見境なく塗山璟に襲いかかってしまう。しかし待機していた長老たちが現れ、族長に殺意を見せた塗山篌を断罪した。逃げ場を失った塗山篌だったが、その時、防風意映が駆けつけ、塗山篌を助けて欲しいと懇願する。すると塗山篌は自分の身を守るため卑怯にも意映に全ての罪をなすりつけた。「この女人に誘惑された…この恥知らずな女人が誘惑したんだ! 私は惑わされて大罪を犯してしまった!」塗山璟は兄の裏切りに深く失望し、証拠となる鏡を長老に託して処分を任せた。↓おまわりさん、コイツです!塗山璟は寝殿に監禁された防風意映を訪ねた。「何も明かさぬと聞いた、なぜ弁明せぬ?」「愛する男に裏切られて死にたい気分なの、それで篌も助かる 父は塗山氏の恨みを買わないよう私を勘当した上、酷刑に処せと言ってる…」「瑱児のことはいいのか?」ふと母の顔に戻った防風意映は慌てて平伏、何度も頭を打ちつけながら息子だけは見逃して欲しいと嘆願した。「その代わり私の血をもって塗山氏の式神を育てます!」塗山璟は瑱児を青丘で立派に育てると約束した。防風意映は式神を養うため祭壇に幽閉され、永遠の痛みを味わうことになる。一方、塗山篌は皓翎(コウレイ)に流刑となり、青丘への立ち入りを永遠に禁止された。再び縁を結んだ小夭と塗山璟。しかし2人の幸せの裏で相柳や瑲玹が胸を痛めていることなど今の小夭は知る由もない。そんなある日、暗唱した医術をまとめていた小夭は無事に″草薬集論(ソウヤクシュウロン)″を完成させた。これを老医師たちに検分させ、誤りがなければ若い医師たちに医祖の書を伝授できるだろう。小夭は瑲玹に書を託し、西炎王に手柄を譲った。「で、これからどうする?」「軹邑城に医館を開くわ、実践でもっと腕を磨き、医祖の手記を全て完成させる」小夭は医館を開いたが、閑古鳥が鳴いた。その時、急に外で爆竹の音が鳴り、小夭は侍女・珊瑚(サンゴ)と一緒に様子を見に行く。すると外には開院を祝うため塗山璟が大勢の人と一緒に集まっていた。医館の門には葉十七(ヨウジュウシチ)が題した″回春堂″の扁額が飾られている。「開業、おめでとう!」つづく( ๑≧ꇴ≦)全視聴者が意映の顔になった瞬間wwwwww
2025.01.09
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花间令 In Blossom第2話冤罪を晴らすため楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)を同行して李(リ)家を訪ねた潘樾(パンユエ)。葬儀を仕切っていた陳(チェン)香主は下手人の采薇を見るなり斬り掛かったが、潘樾の護衛・阿澤(アーヅー)が阻止した。すると潘樾の目論見通り孫震(スンジェン)が駆けつける。さすがは大堂主、孫震は潘樾が道中でわざと人目を引いたのは自分を呼び出すためだと気づいていた。「では単刀直入に申す、李家惨殺の件で調査に参った」陳香主は犯人なら采薇だと怒号を響かせたが、孫震も確かにこの非力な娘が一家を惨殺できるとは思えなかった。「いいだろう」中庭に李家の遺体が並んだ。采薇は解剖で胃の内容物を確認、一家惨死の元凶は夏鐘草(カショウソウ)だと突き止める。恐らく家族は毒が混ざった牛肉を食べ五臓に激痛が走り、耐え難い痛みから逃れようと自害したのだろう。そこで潘樾は犯人が悪霊の仕業と思い込ませるため、梁の中にからくりを仕込んでいたと明かした。さらに銀雨楼の令牌を示し、からくりを暴いた自分たちを襲った覆面の刺客が身につけていたと教える。「下手人は恐らく銀雨楼で堂主と直接、利害関係にあった者だ 陳香主、あなたのことは調べさせてもらった、この葬儀の後、晴れて堂主に昇格するとか しかも李堂主の私邸数件がすでにあなたの名義に変わっているな」焦った陳香主は何も証拠がないと憤慨したが、采薇は証拠ならあると言った。采薇は陳香主に両手を水に付けるよう頼んだ。もし犯人なら毒のついた両手が水に触れて黒ずむという。陳香主は仕方なく袖をまくり上げて両手を入れたが、何も変化はなかった。「どうだ、黒ずんでなどいないぞ?」「…陳香主、それより腕の傷はどこで?」采薇は毒が水で黒ずむ話は嘘だと暴露し、探していた証拠はその引っかき傷だと明かした。確かに陳香主の左腕にある組織の入れ墨の上に引っかかれたような傷跡がある。「あの使用人の爪をご覧ください、その者の胃の中にだけ牛肉がなかった 彼女だけは自害と見せかけ絞殺されたのです あなたは彼女に毒を盛らせ、口封じに殺す際に抵抗された 彼女の爪に入った皮膚の墨は組織特有のもの、皆さんの方がよくご存知かと…」すると使用人の爪を確認した孫震は陳香主の裏切りを確信し、自ら成敗した。 采薇と潘樾は李家の埋葬を見届けた。すると采薇は感慨深げに自分の死期を悟ったら美しい桃林に自分の墓を見つけておきたいという。「君は昔から桃の花が好きだった」「そうなの、幼い頃に…はっ!」采薇はうっかり口を滑らせ、慌てて言葉を飲み込んだ。しかし潘樾がすでに自分の境遇を詳しく調べていたと知る。「10年前、君の父上は流刑となった。 しかし道中の水路で盗賊に襲われ両親は死亡 禾陽(カヨウ)に逃げ落ちた君は検視人に拾われ弟子となった 5年前、師父は病が重くなって任を解かれ、君は埋葬人を始めたんだな どうか本来の楊采薇に戻って欲しい」すると潘樾は自分の玉佩に采薇の玉佩をはめ込んで示した。「先帝は私たちを許嫁と定めた、2つ目の条件だ、そなたを娶る」その頃、都では美を手に入れるため無茶をした上官芷(シャングワンジー)が体調を崩していた。しかし全ては恋焦がれる潘樾のため、愛する人のためならどんな苦痛もいとわない。そんなある日、上官芷は兄・上官蘭(シャングワンラン)に届いた知らせを見て愕然となった。…潘樾が禾陽で成婚…上官蘭は妹をなだめようとしたが、激高した上官芷は采薇の絵姿を破り捨てて行ってしまう。采薇は久しぶりに10年前の惨劇を夢に見て目を覚ました。目の前で賊に殺されら母、自分をかばって殺された父…。あの時、采薇は賊に顔を斬り付けられながらも川に落下して逃げ延びた。采薇が頼れるのは潘樾だけ、しかし潘府に駆けつけるも門衛に追い返されてしまう。『公子の伝言だ、″お前は罪臣の子、今後は潘家に関わるな″と』…10年前に私とは縁を切ったはず、なぜ今頃、婚約の件を持ち出したの?…潘樾は阿澤に命じて采薇を式場となる住まい・㬢園(ギエン)に呼び出した。しかし采薇は退婚したいと訴え、いつか必ず恩返しすると約束する。「まさか女子に婚姻を強いるようなこと、人格者の潘大人なら絶対にしないはず」「私が人格者?私は目的のためなら手段を選ばぬ 5日後がかつて約束した婚姻の日、それまでに必ず承諾させてみせる」潘樾が現れてから穏やかな日常が一変した采薇。今日が毎月13日の鬼市の日だったことをすっかり忘れ、師匠を寝かせて慌てて義荘を出た。すると山道で潘樾がわけ知り顔で立っている。「鬼市まで仙班霊蛇(センハンレイジャ)を買いに行くのだろう」「なぜ知っているの?」采薇はようやく阿澤が自分を監視していることに気づいた。鬼市と言えば貴人と官人は禁制、そこで潘樾は身分を隠すため変装して付いてきた。市場は元は禾陽の権力者の拠点だったため、官府の侵入を防いでいた罠が至る所に残っている。それにしても鬼市にいる采薇はやけに生き生きして見えた。「禾陽に伝わる言葉を知らないの? ″出自よし、金持ち、容姿端麗、その1つでも満たせば楽しい人生、そうでない者は鬼市へ″」こうして潘樾が采薇との距離を縮めている頃、㬢園に招かれざる客が現れた。「潘大人のお住まいだ、去れ!」「小姐に失礼な!中のお方を誰だと?!」采薇は顔馴染みの鬼市の商人・白小笙(バイシャオション)と合流、潘樾を義荘の新入りだと紹介した。すると小笙が川辺にいる霊蛇売りの男の元へ案内してくれる。采薇は法外な値段を要求されたが潘樾には頼らず、必ず不足分を払うと約束して霊蛇を手に入れた。その時、運悪く潘樾の正体に気づいた用心棒たちが駆けつける。<あいつだ!潘樾だ!朝廷の御史だ!「潘樾?…彼が例の許嫁?」小笙は采薇の許嫁の話を知っていた。用心棒たちは潘樾に品物を置いて帰れと迫り、一緒にいた采薇の籠に手をかけた。采薇は抵抗、潘樾と小笙も加勢して用心棒と揉み合いとなり、勢い余って籠が吹っ飛んでしまう。そのせいで霊蛇が籠から逃げ出し、川の中へ消えた。采薇は慌てて捕まえに行こうとしたが、小笙が止める。「川の中は刀の罠があるのよ?!」すると潘樾がいきなり川へ飛び込み、負傷しながらも見事に霊蛇を捕まえた。采薇は潘樾の真心に触れながらも、もはや別世界の人間だと諦めていた。「10年前、人づてに私と縁を切ったはず… ここにいるのがただの勢いでも罪悪感でもどうでもいい、過去は水に流して これで終わりにしましょう」「私に情があるからそう言うのか? 当時、私を訪ねたのだな、恐らく守衛が伝えたのは父の意向だろう… 長年、そなたの消息を探し、禾陽にいると知って飛んできた 婚約を果たすのが最善の償いと思っていたが、長年の苦労に思いをはせるべきだった 独りよがりですまぬ…だが私は諦めぬ この生涯で娶りたいのはそなただけ、婚儀の日に待っている、来るか否かはそなたの自由だ」 すると潘樾は先に帰ってしまう。潘樾が㬢園に戻ると新郎新婦の寝所で上官芷が暴れていた。上官芷は潘樾にとって上官蘭の妹でしかなかったが上官芷は横恋慕、そばにいられるなら側室でも構わないとすがる。「苦労してあなたのために完璧な美貌を手に入れた、どんな痛みも耐えたのよ?」しかし潘樾は蔑むような目で上官芷を突き放した。「どんな外見だろうと関係ない、いつかそなたも運命の相手に出会えるだろう」すると潘樾は出て行ってしまう。その夜、采薇は師匠の薬を煎じながら、ふと潘樾から届いた花嫁衣装に目を留めた。実は自分を追い返したのが潘樾ではなかったと知り、心が揺れる采薇。そこで花嫁衣装に袖を通し、化粧台に座って慣れない手つきでかんざしを挿そうとした。すると誰かが激しく門を叩く音がする。「今、行きます!」采薇は着替える間もなくかんざしを握りしめたまま門を出たが、そこで待っていたのは馬車に乗った上官芷だった。采薇は鐘の音で目を覚ました。「はっ!ここはどこ?あなたたちは誰?!早く縄を解いて!」采薇は人けのない岩山に用意された祭壇の柱に縛り付けられていた。すると馬車に乗っていた女が歩み寄り、しみじみ醜い顔だと悪態をつく。「この姿になるまで私がどれだけ苦しんだか分かる? 多くを犠牲にしたのにあの人ったらこんな丑八怪を娶るなんて!」「あの人って…潘樾のこと?(はっ!)あなた上官芷?!」「やっと気づいた?あんたの金魚のフンだったあの太っちょの娘よ」驚いた采薇は嫁ぐ気などなかったと安心させ、逃がしてくれるなら遠くへ行くと約束した。しかし上官芷は頑固な潘樾のこと、一度決めたら決して変えることはないという。「あの人のためならどんな汚らわしい物も受け入れるわ、醜い顔さえもね」采薇の前に祈祷師がやって来た。すると物差しで采薇の顔を計り、骨格を調べてから祭壇に戻って小刀を手にしている。「どうかしてる!私をどうするつもり?!」「今日から私が潘夫人、あなたは私に代わって自害するの、失恋を苦にしてね…」「何をしても無駄よ、潘樾は落ちない、あなたと目も合わせないわ!」采薇は時間を稼ぎながら密かにかんざしで縄を切っていた。そこでわざと上官芷を煽り、近づいて来たところで人質に取ることに成功する。しかし上官芷はもう逃げられないと不敵な笑みを浮かべた。婚礼当日、采薇はなかなか㬢園に現れなかった。潘樾は落胆したが、その時、花嫁衣装に身を包んだ采薇が息急き切って駆けつける。「その顔はどうした?」「道中で思いがけず転んでしまって、でも間に合った 潘樾、ようやく分かったの、この世で最も大事なものを… 名誉も地位も美貌も全て取るに足らない、心から喜んであなたに嫁ぐわ」こうして潘樾と采薇の婚儀が始まった。立ち会った上官蘭は妹のことを思うと複雑だったが、新郎新婦は拝礼の儀を終えてついに名目上の夫婦になってしまう。その頃、上官芷は祈祷師と護衛と共に崖下に落下、倒れていた。つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!
2025.01.08
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长相思 第二季 lost you forever S2第8話辰栄(シンエイ)山に戻った小夭(ショウヨウ)。祖父の静かな怒りは小夭を怯えさせたが、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は嬉しさを隠しきれず、怒ったふりさえできなかった。「私が怒るとすれば婚礼のことではない…なぜ青丘に行った?」焦った小夭は面倒を起こして真っ先に思ったのは瑲玹だったと機嫌を取り、父王への謝罪に皓翎(コウレイ)へ帰ると決めた。「でも私のせいで父王の名声は地に落ちた、朝臣たちは私に愛想を尽かしたはずよ」「肩身が狭いなら一生、小月頂(ショウゲツチョウ)にいろ、無理に嫁がなくても私のそばにいれば良い」一方、青丘では防風意映(ボウフウイエイ)が痺れを切らしていた。塗山璟(トザンケイ)が重い病をわずらってからもう数十年、日に日に薬の量が増えているとは言え、あとどれくらい待てというのか。意映は塗山篌(トザンコウ)から直接、塗山璟に手を下す必要はないと諭されていたが、もはや我慢の限界だった。小夭の不安は杞憂に終わった。皓翎王はまるで何事もなかったかのように穏やかで、娘の面倒などたわいないと笑い飛ばしてくれる。「青丘に行ったとか…兵を出して防風邶(ボウフウハイ)を滅ぼしてもいい 塗山璟を取り戻してやる、冗談ではないぞ?」「ありがとう、父王、でも自分で何とかします、逃げずに向き合いたいから」すると小夭は薬房にこもり、自分の血を混ぜた煉丹を完成させた。小夭は塗山璟がくれた魚丹紫を眺めながら、ふと船遊びに出かけた時のことを思い出した。あの時、塗山篌が魚妖を倒して貴重な魚丹紅を手に入れたが、目を輝かせて欲しがった辰栄馨悦(シンエイケイエツ)とは対照的に防風意映は関心を示していない。…自分がもらえると分かっていたの?璟は確かに慎重だけれど、あの2人につけ込まれたのかもしれない、最善の解決方法は完全に危険を取り除くことね…そこへ父王がやって来た。「殺気が漂っているな、消したい者がいるのか?」「2人いるわ、でも殺しても解決しない ←( ๑≧ꇴ≦)いや認めるのかーい 必要なのは真相、真相を知りたいの…欺かれたままは嫌、必ず真相を暴き出してみせる 父王、中原に戻るわ」「はお、私がここにいることを忘れるな」その頃、青丘では薬湯の違和感に気づいた塗山璟が胡珍に薬材の調査を命じていた。すると誅凰(チュウホウ)の用量が増やされ、事実上の毒薬になっていると分かる。処方を変えた者はすでに自害していたが、指示したのは防風意映の侍女・喧昼(ケンチュウ)だった。塗山璟は長老たちを召集し喧昼を審問することにした。事の次第を知った長老は激怒、誰の指示で族長の命を狙ったのか追及する。塗山璟は主である防風意映を追い詰めようとしたが、喧昼は主をかばった。「族長の病のせいで不機嫌な夫人は私に八つ当たり その恨みを晴らしたくて薬に手を加えました!」すると喧昼は家族だけは見逃して欲しいと懇願し、隠し持っていた短剣で自害してしまう。侍女の忠誠により罪を免れた防風意映。塗山璟は次の手を考えあぐねていたが、そこへ小夭からの文が届いた。…軹邑(シユウ)城で会いましょう…一方、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は西炎王に任された水軍の訓練を終え、演習の成果を報告していた。そうとは知らず、老桑(ロウソウ)は殿内に飛び込むなり小夭の帰還を知らせてしまう。「陛下!王姫が戻って来ました!」瑲玹は豊隆の動揺に気づき、人払いしてから切り出した。「まだ怒りが収まらないか?」「普段は平静を装っていますが、小夭の…ぁ、王姫の話題を聞くと怒りも湧きます」瑲玹は改めて小夭の代わりに謝罪した。しかし豊隆は王姫への想いが深かったわけではなく、心より体面と誇りが傷ついたという。何より耐え難いのは他人の視線と噂話だった。「これも私の実力不足でしょう いつかこんな傑物に嫁ぎ損ねた王姫は惜しいことをしたと言わせて見せます」瑲玹は豊隆とのわだかまりが解け、気分よく小月頂を訪ねた。小夭は珍しく刺繍に没頭していたが、それが塗山璟の巾着だと知って困惑する。「よりを戻したのか?」「違うわ、これは丸薬を入れる巾着なの、今は医者と患者の関係よ」小夭は塗山璟が重病を患っていたと教え、手当てが遅れていれば100年も生きられなかったと言った。すると瑲玹は自分にも巾着を作って欲しいと頼み、刺繍は鳳凰花がいいという。「私のを先に作れ」「わがままなんだから」太尊と側仕えの舟山(シュウザン)は小夭と瑲玹の楽しそうな笑い声を聞いて部屋の中をのぞいた。子供のように無邪気にふざけ合う2人。「陛下は王姫の前でしかあんな笑顔をお見せになりませんね」「そうだな、いつの時代も二兎を追うことは難しい」塗山璟は軹邑城で愛しい小夭と再会した。しかし小夭はどこか他人行儀、挨拶もそこそこに脈診を始める。「快方に向かっているわ、薬材はそのままで量を半減して…では行くわね」すると帰り際、小夭は静夜を貸して欲しいと頼んだ。「帳簿の整理の仕方を私の侍女に教えて欲しいの」小夭は静夜を小月頂に連れ帰るといきなり質問攻めにした。「塗山篌から好意を示されたことは?もらった物は?」「私をお疑いに?…確かにあります、でも族長の敵に心を奪われたりしません! それに私には想い人が…胡珍です」「もういいわ、今日のことは璟には内密に、事情を知ったらきっと怒る 今の体調で感情的になるのは禁物よ」静夜は塗山璟に王姫からの届け物を渡した。手作りの巾着から出て来たのは命を繋ぐ霊薬で、常に持ち歩き火急の際に飲んで欲しいという。塗山璟は霊薬を大事そうにしまうと、今度は書簡を広げた。…これからはもうあなたに会わないわ、養生してね、1つだけ約束して、何があろうと無条件で私を信じると、何を見聞きしても目の前の真実より心に従って欲しい…すると塗山璟は2度と小夭を裏切るまいと心に誓い、今度こそ約束を果たそうと決めた。小夭は瑲玹にも丸薬を入れた巾着を贈って機嫌を取り、宴を開きたいと頼んだ。すると瑲玹は詮索することなくあっさり了承、控えている瀟瀟(ショウショウ)に話を振る。瀟瀟はちょうど海棠の木が見頃だと気づき、商羊(ショウヨウ)妃に海棠宴を開いてもらってはどうかと提案した。「いいわね、お願い」「招待客も伝えておけ」そこで小夭は塗山璟、防風意映、塗山篌、離戎昶(リジュウチョウ)の4人だけは必ず招待するよう頼んだ。王后・辰栄馨悦は商羊妃が宴を開くと聞いて兄を誘った。「小夭も来ているそうよ」豊隆は招待されていない者が急に加われないとそれとなく止めたが、馨悦は出かけてしまう。「娘娘(ニャンニャン)!…私も行きます!」宴に現れた小夭は招待客たちの好奇の目にさらされた。しかし商羊妃はそんな小夭を気遣い、湖畔の高殿に別の席を設けてくれたという。「王姫が招いた客以外は親しい方だけを通すわね」おかげでお供の珊瑚(サンゴ)と苗莆(ビョウホ)もホッと胸を撫で下ろした。商羊妃はいい方ね>(*´・ω)(ω・`*)ウンウン高殿に塗山璟と離戎昶が揃って現れた。すると小夭の姿に気づいた離戎昶が案の定、塗山璟とやり直すよう説得を始める。「こいつは王姫に一途なんだ」「そうは思えないわ」そこで小夭は霊力や法術を使わずに海棠の枝を折って来られるかと挑発した。しかし枝を折るためには池に入らなければならない。離戎昶はそんなことをすれば男の面目が丸潰れだと諌めたが、その時、激しい水しぶきの音が聞こえた。塗山璟はいつの間にか水廊へ降りていた。すると衆目の前で恥も外聞もなく池に飛び込み、海棠の枝を取ってびしょ濡れで戻ってくる。「ありがとう、族長」海棠の枝を受け取った小夭は髪に花を挿し、霊力で枝を腕に巻きつけた。その時、予想外に王后と赤水豊隆が高殿に現れる。「防風邶の死からわずか数ヶ月で宴に出て男を誘惑しているの? 哥哥、こんな女子が赤水氏の門をくぐらずに済んだのは幸いね~ 塗山族長、未練があるなら愛妾にしたら?どうせもう嫁ぎ先はないんだから でも見張っていないとまた男と逃げてしまうかも…ふふ」「にっ(你)!」塗山璟は小夭を侮辱した馨悦に憤慨したが、小夭はこっそり衣を引っ張って止めた。「塗山夫人も寛容だこと、夫に色目を使われても黙っているなんて まさか自分の哥哥を死なせた女と夫を共有するつもり?」馨悦はこれまでの鬱憤を晴らすように悪態をついたが、そこへ瑲玹がやって来た。瑲玹は小夭を辱めた王后を無視、あからさまに商羊妃との仲を見せつけた。苦々しい顔の馨悦、その顔を見て嬉しそうな意映、そんな中、小夭は静観している塗山篌に視線を移す。すると塗山篌は王姫と目が合い、まんざらでもない様子だった。「…哥哥?頭が痛いので失礼します」「私も爺爺に会いたい、一緒に行こう」瑲玹はこれみよがしに商羊妃の耳元で何か囁くと小夭と一緒に宴を後にした。面目を潰された馨悦は立ちくらみを起こしながら慌てて帰ろうとした。しかし豊隆に止められてしまう。「今、逃げたら笑い物になるだけだ…お前は王后、争う必要などない」すると馨悦は持ち前の負けん気の強さを発揮し、皆で酒を飲むことにした。翌日、宴で餌をまいた小夭は塗山氏の店に出かけた。小夭は宝飾品を眺めていたが、その時、塗山篌が現れる。「本当に良い物は店先には出しません、奥へどうぞ」つづく(  ̄꒳ ̄)なるほど〜離間の策ときましたか
2025.01.04
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长相思 第二季 lost you forever S2第7話相柳(ソウリュウ)に小夭(ショウヨウ)を連れ去られても静観している塗山璟(トザンケイ)。実はかつて小夭に相柳を選ぶ機会を与えなかったことに後ろめたさを感じていた。「その機会を返さねば…借りを返す」一方、桑甜児(ソウテンジ)と再会した小夭は塗山璟が度々、回春堂を訪ねて皆を気遣っていたと知った。「それで串子(カンシ)に嫁いで後悔しなかった?」「実は息子を産んだ後、串子の裏切りを知って別れようと思ったことがあってね でも怒りをのんで思いとどまった…今、思い返してみるとあれで良かったと思う 振り返ってみると色々なことがあったが満足さ、悔いはない」確かに選んだ道が正しいかどうか、その時には分からないものだ。しかし小夭は選んだ道の苦しさが報われるとも限らないとこぼした。甜児は思わず失笑し、何百年も生きられる神族でさえその答えは分からないという。「人生は荒れ山を進むようなもの、先に何があるのか誰も分からない だから人は道連れを求めるのさ、お互いに支え合って助け合えばどうにか一生を終えられる」「でも間違った相手を信じてしまったら?」「小姑娘、信じることを拒んでいたら心を尽くすことはできない 心を尽くすことさえできないのに、望むものを手に入れられると思うかい?」小夭は甜児の言葉で胸のつかえが取れたような気がした。…私と璟がこうなったのは私が間違っていたから?…するといつの間にか相柳が来ていたことに気づき、そこで話を切り上げることにした。「甜児、見事に生き抜いたわね、老木(ロウボク)も私も嬉しいわ」「あんたは一体…(はっ)」娘は愛おしそうに甜児の頭をなでると、黙って去って行った。呆然と娘の背中を見送る甜児。その時、ようやく娘の正体が玟小六(ビンショウロク)だと気づき、その場で思わず叩頭した。小夭と相柳は思い出深い西河(セイガ)に出た。今もほとりの景色は当時のまま、しかし2人の関係は以前とは全く違う。「あなたが防風邶(ボウフウハイ)に罪を背負わせれば防風意映(ボウフウイエイ)が一族を守ろうとする いやでも塗山氏が巻き込まれるわ」「私のせいだと?」すると相柳は小夭の婚礼を止めさせた黒幕が塗山璟だと暴露した。塗山璟は同じ場所で相柳と落ち合い、小夭の婚礼を止めて欲しいと頼んだ。『引き受けるなら今後は毎年、残党軍に糧秣を提供する』『臆病でできぬことも銭があれば片付くか…いい根性だ』『婚礼の前に止めて欲しい』『どうやるかは私に任せてもらう、あれこれ指示されたくない 条件は向こう37年間、辰栄軍に糧秣を提供しろ』寝耳に水だった小夭は激しく動揺、すぐ帰ろうと決めたが、急に胸が痛くなって倒れ込んだ。「防風邶の正体を漏らしたら死ぬぞ、秘密を守ることだ」「ゥッ…このために蠱虫(コチュウ)を解こうとしないのね」「私がどういう男か分かっていただろう?」相柳はわざと悪人ぶって先に帰ってしまう。置き去りにされた小夭は仕方なく市場に出た。すると運良く清水(セイスイ)鎮の王・兪信(ユシン)に出くわす。そこで青丘の塗山璟に会わせて欲しいと頼んだ。「私には会うはずよ、私の言葉が嘘で無駄足になれば罰を受ける でも私の言葉が本当なら罰を受けるのはあなた」相柳は兪信の馬車で清水鎮を発った小夭をかげながら見送った。その時、ふと小六が″たとえ一時の道連れでも寂しいよりはいい″と言っていたことを思い出す。…行きずりの防風邶の代わりに添い遂げる相手をやろう…塗山府に突然、小夭が現れた。知らせを聞いた塗山璟は喜び勇んだが、薬の匂いで小夭に病が知られてしまうと焦る。「新しい衣を出してくれ、私の顔色はどうだ?」すると侍女・静夜(セイヤ)はひとまず王姫に湯あみを勧めて旅の疲れを癒してもらうと安心させた。感情的になって青丘まで押しかけた小夭。しかし冷静になってみると浅はかな行動だったと気づき、湯殿からこっそり逃げ出した。すると回廊で塗山璟に見つかってしまう。「ぁ…相柳に聞いて頭に来てしまって、衝動的になると思いもよらないことをする 来るつもりじゃなかったのに」「もうすぐ日暮れだし大雪になりそうだ、今日は泊まっていくといい」「雪になるとは思えないけれど…」今日は晴天だったが、塗山璟は後ろ手でこっそり術を放ち、雪を降らせた。一方、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は未だ小夭の行方をつかめずにいた。報告では青丘にも王姫の姿は見当たらないという。しかし兪信という怪しい男の馬車が塗山府に入ったと知り、瑲玹は小夭がやはり塗山府にいると確信した。「今まで清水鎮にいたのか…清水鎮を調べてくれ、手がかりがなければ回春堂へ」小夭と塗山璟は互いに話があると切り出した。「君から先に…」すると小夭は塗山璟を忘れられず、本当はずっと思い続けてきたと正直に伝えた。確かに自分を裏切った塗山璟を恨んでいたが、最近になって自分の間違いに気づいたという。「防風意映が悪辣な女だと気づいていながら何もしなかった 2人で力を合わせれば解決できたかもしれないのに、そうしなかったわ… 不幸な生い立ちのせいで私は他人との関係に悲観的なの 誰にも心から期待せず、あなたを信じていなかった、怖いからよ 自分からは尽くさない、そのくせ結果を見ては毎回、思うの ″ほらやっぱり思った通り、人の心なんか当てにならない″ってね でも忘れていた、何事も自分から求めて努力しないと実りはないってことを 全て自業自得ね、独りよがりだった、だからあなたを失ったの」小夭はもはや取り返しがつかないと決別を告げたが、塗山璟の告白で事態は一転した。「小夭、瑱(テン)Rは私の子ではない」(꒪ꇴ꒪〣)ナッナンダッテー!塗山璟は過去の記憶を取り戻せなかったものの、塗山瑱が自分の子ではなく兄の子だと確信していた。当時、祖母に薬を盛らせ、小夭になりすまして塗山璟の寵愛を得たと思われた防風意映。しかし小夭に誘惑されたのならなおさら、塗山璟は娶ってから結ばれたいと願い、自制するはずだという。「君と正々堂々と結ばれることを望む私が他の女子の寝台で君を抱けると思うか?」「…あなたを信じる」すると塗山璟は急に咳き込んだかと思うと、喀血してしまう。塗山璟は薬を飲んで落ち着いたが、小夭には病ではないと嘘をついた。しかし小夭はなかば強引に塗山璟を脈診、重い病を患っていると気づく。「どうしてこんなことに?」静夜は族長が数十年前、悲嘆のあまり心脈を損ね、近年は王姫を想うあまり心を病んだと口を滑らせた。三ヶ月前には王姫から婚礼の招待を受けて倒れ、さらに悪化したという。「寿命まで縮んで…」「静夜!」塗山璟は静夜の言葉を遮り下げた。すると塗山璟の変わらぬ深い愛情を知った小夭は思わず抱きつき、号泣してしまう。翌朝、小夭は塗山璟のために新しい薬の処方を書いた。しかし胡珍(コチン)が王姫の処方では治療に20年ほど必要だと気づき、続けることができるか疑ってしまう。塗山璟は王姫の指示に従うよう命じて胡珍を下げ、かつて小夭に突き返された魚丹の首飾りを差し出した。「治療代として受け取ってくれないか?」その時、静夜が西炎から王姫の迎えが来たと声をかけた。苗莆(ビョウホ)は寝殿の前にひざまずき、西炎王の命を受けて迎えに来たと訴える。驚いた小夭は思わず立ち上がると、塗山璟の手から魚丹を受け取った。小月頂に帰った小夭は恐る恐る祖父の前に立った。「阿爺(アーイェ)…ただいま戻りました」そこへ知らせを聞いた瑲玹が駆けつける。小夭は思わず瑲玹の後ろに隠れたが、祖父から厳しく叱責された。「出てこいっ!防風邶はどうしたっ?!」「防風邶は…死んだわ、私のせいよ、でも私たちの関係については話したくないの」そこで瑲玹は小夭を捜索していた自分の侍衛が抵抗した防風邶を誤殺したことにしようと提案した。これなら世間も納得し、赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の怒りも収まるだろう。太尊は仕方なく了承すると、瑲玹は小夭に部屋へ戻るよう促した。瑲玹は祖父も相柳と防風邶が同一人物と気づいていると分かった。「知った上で帰順を?」「そんな気はしていたが、確信したのは今日だ」「姑姑も赤宸(セキシン)がいなければあんなことには…相柳め、一体、何を考えているんだ」つづく(๑•̀ㅂ•́)و✧ 私の子ではない!…って昼ドラあるあるw
2025.01.04
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花间令 In Blossom第1話長楽郡主・劉菁(リウチン)は上巳(ジョウシ)の節句に都の公子たちを招待し、絵心を競わせた。廷尉の嫡次子・潘檜(パンフイ)にはそんな風流な才能などなかったが、こっそり絵師に描かせた郡主の姿絵とすり替え、見事、郡主の目に留まる。「今日の勝者は潘檜…」「待たれよ」その時、都の富豪・上官蘭(シャングワンラン)の馬車が到着し、車から潘樾(パンユエ)が優雅に降りて来た。潘樾は廷尉の庶長子で潘檜の兄だった。先月、御史(ギョシ)に昇進し、今や都で指折りの風流人として知られている。「郡主、遅刻をお詫びいたします、今から描いても?」「もう遅いかと…」線香はすでに短く、残り時間は僅かだった。しかし潘樾は構わないと筆を走らせ、あっという間に描き終える。潘檜はただの山水画かと小馬鹿にしたが、よく見ると景色の中に郡主の横顔が隠されていた。「目には山と川、耳ぎわの髪には晩霞が映る…」すると郡主は笑みを浮かべ、潘樾の絵を選んだ。潘瑾(パンジン)は潘家のため、嫡子である潘檜と郡主の婚姻を望んでいた。しかし何かと自分に反抗する潘樾にまたしても阻まれたと知る。「一体、何が目的だ!」「息子の望みが何か父親(フーチン)は良くご存知かと…」「それは脅しか?!」「庶子の私に何ができましょう?ただある人を探し出せず気がふさぐのです 退屈ゆえ娯楽を見つけて暇を潰しているだけのこと」すると潘樾は郡主に花見に誘われていると言って席を立ってしまう。「いいだろう!居場所を教える、だが今日からお前と潘家は無関係だ」…あれから10年、ようやく君に会える…その頃、潘樾の尋ね人は禾陽(カヨウ)にいた。若い娘でありながら義荘(ギソウ)で埋葬人をしている楊采薇(ヤンツァイウェイ)。仕事もさることながら顔にある大きな傷跡も相まって周囲からは忌み嫌われていた。その日も翠雲(スイウン)楼の名妓の遺体を埋葬して戻る途中、悪童たちにからまれてしまう。お陰で肌身離さず持っている大事な玉佩を落としたが、優しい少年が拾ってくれた。「これ落としたよ?」「ありがとう」采薇が義荘に戻ると、ちょうど師匠が屍の死因を突き止めたと喜んでいた。しかし屍と言っても実はカエル。老姜頭(ラオジアントウ)は県衙の元検視人だったが、今やすっかり呆けていた。すると帰って早々、遺体運びの仕事が舞い込む。采薇は急いで荷車を引いて城東の李(リー)宅を訪ねたが、門を叩いても応答がなかった。李家は一家皆殺しにされていた。やむなく独りで屋敷に入った采薇は中庭に転がる遺体を見て呆然、しかも悲惨なことに采薇の玉佩を拾ってくれたあの優しい少年も巻き込まれている。しかし遺体を見た采薇は殺しではなく全員が自害だと分かった。…命を絶つほど一家を苦しめたのは何かしら?…県令が突然、事件現場にやって来た。すでに事件は悪霊の仕業として片付けられていたが、家主である銀雨(ギンウ)楼の孫(ソン)大堂主から真相究明を迫られたという。「霊の仕業にしても何の霊が突き止めろと言づかったのだ」県令も不本意だったが、禾陽を牛耳る銀雨楼の指示では無下にできない。その時、どこからともなく悪霊の豆太鼓の音が聞こえた。県令たちは震え上がったが、そこでようやく采薇の姿に気づき、面倒くさそうに追い払う。しかし采薇は少年の無念を思うと割り切れなかった。「大人(ダーレン)、先ほど遺体を調べたところ不審な点が… この者たちは自害の可能性が高いです」「無礼者!」すると県令は口を挟んだ采薇が怪しいと疑い、捕縛してしまう。堂主から難題を突きつけられた県令は埋葬人を下手人に仕立てることにした。采薇は厳しく追及されても否定したが、棒打ちされて無理やり供述書に指印を押されそうになってしまう。その時、突然、都から御史がやって来た。采薇はその男が県令を蹴り飛ばして叱責する様子をぼんやり見ていたが、そのまま気を失ってしまう。采薇が目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。机の上にはなぜか自分とよく似た姿絵がある。その時、潘樾が現れた。「目が覚めたか?まだ休んでいなさい…その顔の傷は?私を忘れたか?」「私とは別世界に住むお方、人違いです」采薇は伏し目がちに答えたが、潘樾は采薇の腕をつかんで顔をのぞき込んだ。「私の顔を良く見もしないで言い切れるのか?」采薇は恐る恐る視線を上げて御史の顔を確認、確かに見覚えがある。…はっ!彼だわ?!…驚いた采薇は咄嗟に潘樾から離れ、絶対に人違いだと否定した。しかし潘樾は証拠として采薇が持っていた玉佩をかざす。「これは旧友の持ち物だ、もし人違いなら盗んだのか?」「街で拾ったのです、では旧友の方にお返しください」「もう良い、持ち主が捨てたのなら返す必要はない」すると采薇は玉佩を窓から池に向かって投げ捨て、逃げるように帰ってしまう。「あれから10年よ?今さら現れて何なの?だったらあの時…」その夜、潘樾は護衛・阿澤(アーヅー)から采薇が出かけたと聞いた。「玉佩を探しにか?」「いいえ、城東の李宅です」采薇はこのままでは少年と家族の魂が浮かばれないと考え、李宅に忍び込んで勝手に検視を始めた。…毒の反応がある、でも毒で自害に追い込める?…しかし急に物音が聞こえ、采薇は慌てて身を隠した。すると安置所に入って来た潘樾が迷わず台の下をのぞき込む。「幼い頃と変わらぬな、何かにつけ下に隠れる」「大人…」采薇は死者を慰め、己の潔白を示すために忍び込んだと説明した。すると潘樾は真相を暴いても悪徳な県令が認めないという。「手を貸そう、私も朝官として民に尽くす責務がある」「では大人、遺体を解剖したいので目に毒かと…」「解剖?拝見しよう」潘樾はそうは言ったものの、いざ解剖が始まると気分が悪くなってしまう。その時、天井から物音が聞こえた。確かに禾陽には豆太鼓の悪霊の言い伝えがあったが、采薇は太鼓の音が弱々しく、どちらかと言うともがいているような音だと怪しむ。潘樾は試しに剣を抜いて梁を壊してみると、本当に仕掛けが落ちてきた。どうやら太鼓を鳴らしていたのは回し車で走らされたネズミだったらしい。そこに突然、弓矢が飛んできた。李宅は刺客に包囲されていた。潘樾は采薇を連れて何とか逃亡、その際、刺客から令牌を奪う。実は刺客を放ったのは銀雨楼だった。「孫大堂主は真相究明を命じたのに、望まない者もいるのね 私たちは目を付けられた…」「いや君だけだ、逃げなければ真相を暴く前に殺されるぞ?」「でも大人は朝官として責務があるとおっしゃいました、冤罪を見逃すの?」「管轄外だが守ってやってもいい、だが条件が2つある まず池に捨てた玉佩を見つけよ」采薇は夜が更けても玉佩を見つけられなかった。さすがに待ちくたびれた潘樾は明日にするよう命じたが、采薇はあきらめられない。「見つかるまで探します!」「子供の頃と変わらず頑固だな」そして采薇はついに玉佩を探し出した。「では調査に向かおう、2つ目はそれからだ」李宅では霊堂が設けられ、銀雨楼の幹部が参列していた。警備が厳重だと聞いた潘樾はあえて人通りの多い道から李宅へ行くという。すると都からやって来た御史の姿を見ようと多くの娘たちが集まって来た。しかし見目麗しい公子の車にあの埋葬人が座っている。「大人、こんな私を横に座らせてはいけません」「子供の頃に自分が言ったのであろう?″外見や地位で人を判断してはならない″と」『見かけや地位は飾りに過ぎない あなたは庶子だけど、私にとっては嫡子の100倍いいわ!』つづく( ˙꒳˙ )このお話は″虚顔″のパ…いえ豪華版といったところでしょうかw
2025.01.04
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长相思 第二季 lost you forever S2第6話塗山璟(トザンケイ)は小夭(ショウヨウ)に未練を残したまま、皓翎(コウレイ)第一王姫と赤水(セキスイ)族長の婚儀に参列した。小夭もまた塗山璟への想いを胸の奥に封印し、いよいよ赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と拝礼の儀に臨む。「天地に拝礼…両親に拝礼…」するとついに耐えきれなくなった塗山璟は身を乗り出してしまう。「小夭…」しかしその時、ちょうど婚儀に乗り込んで来た防風邶(ボウフウハイ)の怒号が塗山璟の声をかき消した。「小夭っ!そいつに嫁ぐな!」来賓客が騒然とする中、防風邶は小夭に向かって赤水豊隆に嫁がないよう訴えた。婚儀を妨害された小夭は激怒、相柳(ソウリュウ)を無視して拝礼の儀を済ませようとしたが、相柳から自分との誓いを忘れたのかと迫られる。確かに小夭はかつて西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の蠱虫を引き受けてくれる代わりに、相柳の頼みなら何でも聞くと約束していた。「…私を破滅させるためならこんな侮辱を味わわせる必要がある?!」「答える気はない、私と共にここを離れるのだ…今すぐっ!」豊隆は婚儀を続けるよう説得したが、小夭は借りを踏み倒すわけにいかず、豊隆の手を振り払ってしまう。「ごめんなさい、でもやっぱりあなたに嫁げない…」「私より奴を選ぶというのか?!」「違うの…行かなくてはならない、許しは請わないわ、いずれどんな罰でも受け入れる」赤水豊隆も塗山璟も防風邶に奪われた小夭をただ黙って見送るしかなかった。驚いた阿念(アネン)は姉を追いかけようとしたが、蓐収(ジョクシュウ)は咄嗟に引き留め、王姫の失態を謝罪して帰ることにする。「辰栄大人(ダーレン)、赤水族長、改めてお詫びに参上します」一方、瑲玹はこの知らせを鳳凰樹林で聞いた。「陛下!王姫がやらかしました!婚礼の途中で逃げ出し大騒ぎになったとか…」「逃げ出した?…いいぞ、よくやった!」同じ頃、王后・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は一族に恥をかかせた小夭に激怒していた。侍女・鈴蘭(リンラン)はどちらにせよ王姫が嫁ぎ先を失い、皓翎にも帰れず、辰栄山に隠れ住んで王后の情けでしか生きられないと冷笑する。「皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)が一生、辰栄山に留まると?」馨悦は瑲玹と小夭を引き離すことに失敗、思わず侍女を引っ叩いた。相柳は小夭を清水鎮のとある民家にかくまった。「私の借りだもの…取り立てが来たら返さなくてはね、でも私の婚礼を知ったのはいつ?」「お前が皓翎に発つ前だ」すると小夭はふつふつと怒りが込み上げて来た。「婚礼を止めたいなら時は十分にあったはず… なぜ婚儀の場から連れ去って私に敵を作らせるような真似を?私に何の恨みが? 皓翎の権威を失墜させ、私の人望を失わせ、誰からも軽蔑される女子に貶めるなんて!」しかし今さら理由を聞いても手遅れだと気づき、小夭は生まれつき運が悪いのだと卑下した。「疲れたわ、出て行って」 瑲玹は小月頂に祖父を訪ね、小夭の失態の穴埋めとして辰栄氏に洛水(ラクスイ)を下賜すると伝えた。その時、小夭の行方が分からないと報告が届く。太尊は騒ぎが収まるまで姿を消すのも悪くないと言ったが、瑲玹は配下に捜索を命じた。皓翎では第一王姫の前代未聞の不祥事に朝堂が紛糾していた。「他国の不興を買い、母国を辱めた第一王姫に厳罰を! 王室の名誉を汚した防風邶を死罪に処すご命令を!」しかし皓翎王は使者を送って謝罪の上、婚約を解消すると処断しただけ、小夭と防風邶を見逃してしまう。「赤水豊隆は面白みがない男だ、小夭を思って暴挙に出たのなら防風邶に嫁がせても構わぬ」そんな皓翎王を真っ先に蓐収が支持した。小夭が外へ出ると、すでに元の姿に戻った相柳が庭にいた。「防風邶は婚礼を台無しにして王姫を連れ去った、これからどうするつもり?」「大罪を犯したのだ、命で償うしかない」その意味を悟った小夭はかけがえのない親友であった″防風邶″を失った寂しさに思わず涙ぐんでしまう。「でも心配しないで、あなたが死んでも涙は流さないから」「何を心配するというのだ」「そうね、私たちは互いに何の感情もない、それでいいのよ」小夭は強がって部屋に戻ったが、戸を閉ざすとこらえ切れなくなって泣き出してしまう。静夜(セイヤ)は偶然、族長が辰栄残党軍に糧秣を差し入れようとしていることを知った。「西炎王が中原を治める今、残党軍に手を貸す氏族はいません、なぜですか? もし西炎王に気づかれたら…」「だから痕跡を残さぬために自ら動かねばならぬ」すると塗山璟は黙って″忠義″と書いた。清水鎮は一面、雪景色となった。相柳は強い酒を差し入れ小夭と飲んでいたが、あれほど懐かしんだ清水鎮に戻ってもなぜ外に出ないのか分からない。「なじみはもういない、悲しくなるから見ない方がいいわ」すると小夭は酔った勢いで相柳に罵声を浴びせた。「相柳、あんたは本当に無情な九頭蛇(キュウトウダ)よ、血も涙もない魔物だわっ!」「最初から分かっていただろう?私の性分を」「そうよね、取り引きはいつも公平だった…過ちを犯したのは私自身よ」そこで相柳は術を使って小夭の本心を聞き出すことにした。「小夭、私の目を見ろ…赤水豊隆に嫁ぎたいか?」「いいえ」「では塗山璟に嫁ぎたいか?」「…?」「葉十七(ヨウジュウシチ)ならどうだ?」「もちろん」「生涯を共にしたいのは誰だ?教えてくれ、誰と添い遂げたい?!」しかし相柳がしつこく追い詰めたせいで小夭は混乱して気を失ってしまう。「もういい、ぐっすり眠れ、目覚めたら今のことは忘れている」小夭は深酒して目を覚ましたが、愁いは消えなかった。すると隣の家から子供たちの楽しそうな声が聞こえてくる。<太奶奶!僕の雪だるまを見て!<僕のも!<どれも良くできているよ小夭は導かれるようにふらりと外へ出てみたが、その時、ようやく隣があの懐かしい回春堂だと気づいた。「小姑娘、隣に移ってきた人だね?…ここに来ておしゃべりに付き合っておくれ」小夭に声をかけた老婆はあの桑甜児(ソウテンジ)だった。「甜R?」小夭は隣人と話した時に名前を聞いたとごまかし、自分がいなくなってからの回春堂の様子を尋ねた。桑甜児は串子(カンシ)との間に子供を授かり、孫だけでなく曾孫にも恵まれていた。生涯を共にした串子は先に旅立ち、老木(ロウボク)も麻子(マシ)と春桃(シュントウ)夫婦もすでに他界したという。「今は私1人だ」「老木の最期は安らかだったの?」「はお、安らかだった、串子と麻子が実の父親同然に見ていたからね 私の父でもあった、私と春桃嫂嫂(サオサオ)もいい嫁だったと思う 老木は満足して逝ったはずだよ…ただずっと六哥を心配していた でも十七が戻って来てくれた」小夭は甜児の思わぬ言葉に耳を疑った。実は塗山璟は何年かおきに皆の様子を見に回春堂へ戻ってきたという。「塗山璟が老木を物陰に呼んで何か話していたことがあってね 老木が何を聞いたのか私は知らないが、それ以来、老木は肩の荷が下りたようだった」一方、塗山璟は小夭を迎えに行こうともせず、むしろ落ち着き払っていた。さすがの式神も他の男に奪われてしまうとせき立てたが、塗山璟は小夭に相柳を選ぶ機会を与えたいという。「借りを返さねば」つづく( ߹꒳ ߹ )甜R…って、この話がなかったら相柳の赤目ビームで脱落するところだったわw
2024.12.29
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长相思 第二季 lost you forever S2第5話赤水豊隆(セキスイホウリュウ)と婚礼を挙げることが決まった小夭(ショウヨウ)。小夭を手放したくない西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は思い止まらせたいが、祖父にたしなめられてしまう。次第に自分の気持ちを抑えられなくなって来た瑲玹を警戒する太尊。その頃、王后・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)も兄から婚礼の許しをもらったと聞いて目を丸くしていた。「太尊が反対せずとも陛下は…ぁ、可愛い妹妹を嫁がせるのが惜しいかと」馨悦もまた鳳凰樹がきっかけで薄々、瑲玹の気持ちに気づいていた。すると赤水豊隆は熟考した上で今が婚礼を上げる時機だと悟ったという。「ここだけの話、皓翎(コウレイ)と戦になる」一方、小夭から知らせを聞いた皓翎王は使者として蓐収(ジョクシュウ)を辰栄山に送ることにした。「小夭を迎えに行ってくれ、だが急ぐ必要はない、無理をせずゆっくり行くのだ」蓐収はその意味を理解し、婚礼を引き延ばすため時間を稼ぐことにした。小夭は相柳(ソウリュウ)に送る最後の煉薬を完成させ、いつものように塗山(トザン)氏の車力に預けて店をあとにした。すると奥から塗山璟(トザンケイ)が姿を現す。「まだ三月(ミツキ)経たぬのに彼女はなぜ届け物を?」塗山璟は小夭が三ヶ月ごとに清水(セイスイ)鎮へ毒薬を送っていると知っていた。もしや辰栄山で何か動きがあったのかもしれない。塗山璟は急いで店を出たが、その時、道の向こう側で待ち構えていた小夭を見つけた。塗山璟は小夭と近くの酒楼に入り、小夭の好物を注文した。しかし小夭は以前と好みが変わったと断り、赤水豊隆と近々、婚礼を挙げると報告する。「伝えるべきことは伝えたわ…あなたはごゆっくり」小夭はすげなく帰って行った。するとただでさえ内傷が癒えていない塗山璟はあまりの衝撃から激しく血を吐いてしまう。一方、小夭はなぜ大氏族である塗山氏が自分の婚礼を知らないのか首を傾げた。苗莆(ビョウホ)は西炎王と皓翎王が公にしなければ赤水氏も発表できないと言ったが、それを聞いた珊瑚(サンゴ)が思わず口を滑らせてしまう。「両陛下がなかなか公になさらないのは王姫に考え直させたいからかも」(,,Ծ‸Ծ,,)コラッ!( ・᷄-・᷅ )オゥその夜、小夭は瑲玹に手料理を振る舞い、別れの宴とした。実は婚礼まで父と過ごすため明日、五神山に帰るという。「永遠の別れじゃない、しばしの別れよ」「こたびは違う、どんなに離れていようと私たちはお互い唯一の存在だった 互いが拠り所であり、互いの家だったのに… でもお前は自分の家や子を持つ、もう私だけのお前ではなくなるのだ」小夭と瑲玹は杯を碗に替えて酒をあおった。「西炎王になりさえすれば離れずに済むと思った…もう西炎王になったのにやはり別れが訪れる」2人は涙しながら酒を飲み続け、やがて泥酔した。するとたがが外れた瑲玹がこれまで秘めて来た小夭への想いを全て吐き出してしまう。「小夭…お前が好きだ、お前だけが好きだ、私に嫁げ…私の王后になれ 誓ってもいい、女子はお前だけだ、他の女子などいらぬ!全員、追い出してやるっ! お前がいればいい、お前さえいてくれれば…」その時、太尊が背後からいきなり瑲玹の首を突き、眠らせてしまう。朦朧としていた小夭は瑲玹の戯言を受け流していたが、太尊は瑲玹の気持ちが暴走するのを懸念し、この機に小夭の婚礼を公にすると決めた。小夭が予想外に早く五神山に戻って来た。蓐収は皓翎王に睨まれ、居たたまれなくなって下がってしまう。「小夭、よく考えたのか?」「考えました」しかし皓翎王は小夭にあと7日間だけ猶予を与えるという。小夭は十分に考えたと答えたが、皓翎王はそれでも改めて考えて欲しいと訴えた。「婚姻は今後の人生を決めてしまう、決意が固いというなら7日の猶予が何だというのだ?」その頃、海上に出た相柳は小夭から届いた化粧箱を開けていた。小夭が作った最後の特別な煉薬には2人で海底散歩を楽しんだ光景が再現されている。あの時の幸せなひと時を思い出し、感傷的になる相柳。一方、塗山璟は思い出の西河(セイガ)で酒をあおりながら、式神の白狐相手に愚痴をこぼしていた。「私は3年間、大哥に監禁されて霊力を失い、手足も衰えていた 霊火でのどを焼かれ、声も出なくなっていたのだ 生ける屍となった私を大哥は川に捨てた 生きる意欲もない私はただ流されるまま、ここへたどり着いた あの時の私をお前は見ていない、全身が腐りただれ悪臭を放っていた だが小六(ショウリク)だけは迷うことなく私を抱き上げ、手当してくれたのだ …そんな小六を私は裏切ってしまった」瑲玹は祖父が勝手に小夭の婚礼を公にしたと聞いて腹を立てた。しかし太尊は平凡な幸せを望む小夭のためだという。「お前に小夭の望みが分かるのか? お前のそばにいて朝堂と後宮の勢力争いに巻き込まれることか? 常に利害を考えて慎重に行動することか? …小夭が求めているのは何者にも縛られぬ平和な日々だ」太尊は瑲玹に西陵珩(セイリョウコウ)との約束を思い出させ、無事に嫁がせて望む生活を与えてやることが小夭を守ることになると言い聞かせた。父王から7日間の猶予をもらった小夭は海岸で独り来るはずのない誰かを待っていた。そこへ阿念(アネン)がやって来る。「姐姐、何を待っているの?」「分からない、運命を待っているのかも… 一生のことは何も分からないでしょう?いつ生まれ、いつ死ぬのか 想い人と結ばれるのか、結ばれた相手と添い遂げられるのか 明日、何が起こるのかも分からない」阿念は確かに瑲玹がいずれ国を離れ、西炎王になり、自分が王后になれないなど予想もしなかったという。「私はいつか哥哥に嫁げるかしら」すると小夭は妹の肩を抱き寄せた。「姐姐、どんな運命が望み?」「7日間の猶予の間に何か起こっても何も起きなくても、それが運命だわ」「待つしかないのね」太尊は瑲玹を心配し、小夭の婚礼が終わるまで付き添うことにした。しかし瑲玹は君主となった今、自分の想いを果たそうと思えば何でもできるという。「だがそうしないのは小夭の意思を尊重したいからです、望むものは何でも与えてやりたい」「君主の道だ、我々は全てを手にし、全てを失った」「爺爺(イエイエ)と私は違います、私は君主などなりたくなかった しかし爹(ディェ)を失い、娘(ニャン)も失った、そして奶奶(ナイナイ)も姑姑(ググ)までも… 私が今の地位に立ったのは私に残された小夭を守るためです でも私が大きな力を手に入れた時、守りたい者を失ってしまった」すると太尊はそれ以上、何も言えなくなり、瑲玹を解放した。小夭は何も起こらなかった運命を受け入れ、赤水豊隆との婚礼当日を迎えた。しかし想い人ではない相手に嫁ぐためか、不安も期待もなく、衣装や化粧にもこだわりはない。同じ頃、相柳も婚礼に出席するため、防風邶(ボウフウハイ)として軹邑(シユウ)城に向かっていた。「保身の術を教えたのに、お前は運命に流されてそれでいいのか?私が許すとでも?」一方、赤水豊隆は小夭との婚礼を前に興奮と緊張が入り混じっていた。すると従者の焦平(ショウヘイ)が王姫に釣り合う相手は族長しかいないと励ましてくれる。やがて日が落ちる頃、花嫁姿の小夭が到着した。その高い身分もさる事ながら、誰もが息をのむ小夭の美貌。小夭は招待客が見守る中、水廊をゆっくり歩いていたが、その時、塗山璟の姿を見つけた。つづく( ゚ェ゚)だからもう手放しなさいって、相柳w
2024.12.28
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偷偷藏不住 Hidden Love第8話桑稚(サンジー)の失踪騒動は無事に解決。両親は娘の思わぬ行動に動揺し、食事をしながら言い聞かせることにした。しかし桑延(サンイエン)は妹の片思いでフラれてしまったと明かす。「あいつも反省しているし、俺も説教したから十分だよ あいつはプライドが高いから諦めると決めたら諦めるさ」桑栄(サンロン)は確かに思春期に反抗するのも普通だと納得し、黎萍(リーピン)もこれまで通りに振る舞うと決めた。「でも身分証とスマホは預かりましょう」部屋に戻った桑稚は真っ先に段嘉許(ドワンジアシュー)との思い出を片付け始めた。するとふと思い出して牛乳瓶から願い事の短冊をひとつ取り出し、星形を解く。…✩°。私の夢✩°。その1宜荷(イーホー)大学✩°。その2段嘉許✩°。…桑稚は″その2″の夢だけペンで消すと、最後にいつも一緒に寝ていた狐のぬいぐるみを箱に押し込んでふたをした。11月5日土曜日 嘉許哥、再見了(白熊のぬいぐるみを持って笑顔で見送る段嘉許の絵)あれから2年。桑稚は夢が叶い宜荷大学に合格、学生寮で新しい生活を始めていた。ルームメイト3人は個性がばらばらながら、姉妹のように仲良く暮らしている。派手好きで賑やかな寧薇(ニンウェイ)、スケボーやゲームが好きな虞心(ユーシン)、メガネっ子で真面目な汪汪(ワンワン)。そんなある日、何冊も本を抱えて歩いていた汪汪は誰かとぶつかり、本をぶちまけた。すると運動場にいた男子学生が駆けつけ、一緒に拾ってくれる。「随分たくさんあるね、どこまで運ぶの?」「デジタルメディア科よ」ランチタイム、汪汪は遅れてルームメイトと合流した。社交的な寧薇は汪汪と一緒にいる男子学生に興味津々。「こちらは…」「あ、初めまして、体育学部で長距離走チームやらせてもらってます江銘(ジャン・ミン)です」「私たちはデジタルメディア科でルームメイトなの せっかくだからSNSを交換しない?明日の誕生日、体育学部の人たちにも祝って欲しい!」「いいよ、後で場所を送って」汪汪は優しい江銘に好感を持ったが、江銘の目に留まったのは桑稚だった。翌日の寧薇の誕生日。桑稚たちはカラオケ店のロビーで江銘が来るのを待っていた。すると江銘が体育学部の友だちだけでなく後輩やサークル仲間まで連れて来てくれる。思いがけず大勢から誕生日を祝われ大喜びの寧薇。実はその店には偶然にも同僚たちと一緒に遊びに来た段嘉許がいた。〓第八篇 ~巡り合わせ~ 再会の前にさようならを〓誕生日パーティーは予想以上の人数で大盛り上がり。江銘はお目当ての桑稚と親しくなりたかったが、なかなかきっかけがつかめなかった。すると桑稚は外の空気を吸いたくなり、自分の上着を持って部屋を出てしまう。店の外に出た桑稚がポケットからスマホを取り出すと、一緒に入っていたタバコが落ちた。タバコを拾おうと手を伸ばした桑稚、その時、懐かしい声を耳にする。「サンジー?」顔を上げた桑稚は段嘉許の姿を見て呆然、そのまま固まった。( ꒪ω꒪)・・・段嘉許は桑稚が落としたタバコを没収した。焦った桑稚は友だちが間違えて自分の服に入れただけだと釈明したが、今度は酒を飲んだかと問い詰められてしまう。「久々に会ったのに挨拶もなしか?ん?」「ジアシュー哥…」「なぜ連休に連絡しない?」「授業があった、いやその~バイトが」段嘉許はしどろもどろになる桑稚に呆れた。「この恩知らずめ、小朋友は薄情だな…俺が何か悪いことをしたか?」「何を言い出すの?…ともかく私はもう大人よ、″小朋友″呼びはどうかな?」「だってまだ小朋友だろう?ふふ」「そうね、まだ小孩儿よね…でもあれから2年よ?嘉許哥だって年を取った、世の中も変わるの」すると憤慨した段嘉許は桑稚にスマホを出して見てみろと迫った。「何度も連絡したのになぜ返信しない?…外界と隔離か?」「もちろん、隔離しなくちゃ大学に受かっていない」そう言われると段嘉許も何も言い返せなくなってしまう。「もう9時を過ぎた、寮まで送る」「大丈夫、友だちと一緒に帰るから」桑稚は予定外の再会に動揺し、逃げるように店内に戻ってしまう。桑稚は母から電話が来る前に寮に戻らねばならず、先に切り上げた。…私はもう子供じゃないのに…「ちっ、老東西(クソジジイ)」独りで部屋を出た桑稚は歩きながら悪態をついたが、運悪くロビーで待っていた段嘉許に聞かれてしまう。「俺の悪口か?…ふん、行こう、オヤジが送ってやる」彡(-_-;)彡段嘉許の車で寮に向かった桑稚だったが、何ともばつが悪かった。一方、段嘉許はなぜ桑稚が自分との連絡を断ったのか分からず、答えを探そうとする。「俺に何か文句があるように見えるんだが…ん?」「子供扱いするから」「小朋友、俺は君より5歳も上だ、ご両親にとって君がいつまでも子供なのと同z…」「じゃあ父親?ぁ…ともかく大人になったのに子供扱いは気まずい」「分かったよ」すると段嘉許は急に黙り込んでしまう。そこで桑稚はどんな仕事をしているのか聞いた。実は段嘉許も夢を叶え、ゲームプログラマーとして働いているという。段嘉許は桑稚が宜荷大学を選んだ理由が例の彼氏かと探りを入れた。そんな設定などすっかり忘れていた桑稚は慌てて否定し、あくまでデジタルメディア科が国内一だからだという。「桑延(サンイエン)が宜荷大学を選んだことを怒っていたからてっきり…」「彼とは…とっくに連絡を取っていない 哥哥が怒っていたのは私が何も相談せず勝手に決めたからよ でも何も尋ねられなかったから…それにもう大人だもの、自分のことは自分で決める」「そうだな、サンジーはもう大人だ」「(でも今も子供としか見てくれないのね)」段嘉許は学生寮まで桑稚を送り届けた。「何かあったら俺に連絡するんだ、いいな?」桑稚は黙って頷いたが、どこかよそよそしい。「さっきのは冗談だ、薄情だなんて思っていないよ でもさっきの″老東西″っていうのは…小姑娘なんだから言葉に気をつけろ」「ごめんなさい、もう言わない」すると段嘉許は近いうち一緒に食事でもしようと誘った。「…うん」「哥哥は宜荷で独りで暮らしている、だから君が宜荷大学に来ると聞いて嬉しかったよ 早く入って」「じゃあ行くね、嘉許哥、再見」「おやすみ」桑稚は寮の部屋に戻った。…実家があるのになぜ1人暮らし?例の彼女とはどうなったのかな?…そんな事を考えていると段嘉許からメッセージが届いた。💬帰りが遅くなる時は誰かと一緒に帰るように分かった💬2年ぶりに段嘉許とのチャットを開いた桑稚、すると未読のメッセージがずらりと表示された。翌朝、桑稚は段嘉許から知らせを受けた桑延から叱られていた。「いや少し飲んだだけで…そんな怒鳴らなくても…(ガチャ!」桑延から一方的に電話を切られてしまう桑稚、するとなぜか寧薇が意味ありげに見ている。「昨日、江銘がずっとあなたの心配していた、彼から連絡があった?」「まだ見ていない」そこで桑稚は江銘のチャットを開いてみた。💬今後、遅くなったら一緒に帰るから桑稚は段嘉許から誰かと帰れと言われた事を思い出し、何とも複雑な気分になってしまう。「彼はなんて?見せてよ!」焦った桑稚は咄嗟にアプリを閉じたが、寧薇は教えてくれと食い下がる。そこで桑稚は″友だち″の話としてルームメイトたちに相談を持ちかけた。「友だちが子供の時に哥哥の朋友を好きになったの その後、彼に彼女ができたと知って諦めたわ、でも最近、再会したからどうしたらいいかと… 彼は24歳でゲームプログラマーなの」その時、ゲームと聞いた虞心が目を輝かせ、どんなゲームを開発しているか聞いた。「″一夢の江湖″って知ってる?」「知ってるも何も今年一番のヒット作よ!私も今、やってる!」↓桑桑と寧薇寧薇たちはその友だちの話が桑稚のことだと分かっていた。すると桑稚は本題に入り、彼が友だちのことを妹としか見ていないことが問題だと明かす。虞心は思わず彼が当時の桑稚を好きだったらそれこそ大問題だと笑ったが、慌てて寧薇が話を遮った。「茶々を入れないで!…で彼はどんな人?」「カッコいい、成績も優秀、話も性格も面白い、それから…魅力的なの」「知り合ったきっかけは?」「哥哥の親友で、いつも家に来ていて…」「そんな素敵な人なら恋人がいる!間違いない」「一件落着ね」「そんな~」桑稚の初恋はルームメイトたちに一刀両断されてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)タジタジのおやじ嘉許哥wwwwww
2024.12.23
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长相思 第二季 lost you forever S2第4話清水(セイスイ)鎮での自由な生活を懐かしみ、瀛(エイ)州で医館を開いた小夭(ショウヨウ)。その日は中庭で久しぶりに琴を弾くことにしたが、塗山璟(トザンケイ)との蜜月が頭をよぎって集中できない。その時、ふいに相柳(ソウリュウ)が現れた。久しぶりに見る白髪姿の相柳は約束の毒薬が届かないと催促に来たという。「ぁ…作る気になれなくて、少し待ってくれない?」「何があった?!(はっ…)」相柳はうっかり口を滑らせたが、すぐ冷静さを取り戻した。「通りかかったついでに取り立てだ」「今回だけは見逃してちょうだい、2度と待たせないわ」すると相柳は耳障りな琴の音に顔をしかめ、小夭の手を止めた。「弾けないなら弾くな」「自分は弾けるの?」小夭に挑発された相柳は琴の前に座ると、呼吸を整えてから弦を鳴らした。♪この眼をくり抜き~君が衣を我が血に染めよ~♪枝に開く桃花のごとく~君が目に我をとどめん~♪この心をえぐり出し~我が血で荒野を満たせ~山に咲く桃花のごとく~♪君が心に我をとどむるあたわば~君が心に我をとどむるあたわば~ただ我を…ボロロン( ̄▽ ̄;)<血生臭い歌ね「赤宸(セキシン)の詩だ」「まだ途中でしょう?続きは?」「…忘れた」「頭が9つもあるのに?」ポカッ!( ' ^'c彡☆)) Д´)アウッ!↓キュルルン!ポロロ~ン!ジャカジャカジャーン!って急にどうした?w一方、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は今夜も小夭宛の文を書いていた。すると鈞亦(キンエキ)が駆けつけ、また王后の侍女が西炎王の所在を探っていたと報告する。「ご安心ください、口の軽い者は始末しました」「お前に任せる、報告は無用だ」小夭の医館に今日も瑲玹から帰国を促す文が届いた。箋封(センプウ)には十三月で帰るという約束を忘れないよう″十三″と書かれている。苗莆(ビョウホ)は返事を出さない王姫を心配したが、小夭は帰るつもりも返事を出すつもりもなかった。そんなある日、瑲玹が予告どおり自ら小夭を迎えにやって来る。「なぜここに?!他国の君主が勝手に入り込むなんて危険よ?!」すると瑲玹は己の身の安全を盾にして帰るよう迫り、小夭がここに住むなら全てを捨てて付き合うという。小夭は口だけだと高を括ったが、その時、苗莆が西炎王の荷物を運ぶと報告に来た。「本気なの?!」「わざわざふざけに来たと思うか?」「西炎瑲玹nnnnnnnnnn!クソッ!帰るわよ!」(」゚ロ゚)」<苗莆ォォォ~荷物は解かなくていいってさ♪瑲玹は小夭を小月頂(ショウゲッチョウ)に案内した。この先には薬谷(ヤッコク)があり、すでに太尊が移り住んでいるという。半ば強引に連れ戻され不機嫌な小夭だったが、小月頂の素朴なたたずまいに目を見張った。わらぶき屋根の家と数畝(ホ)の畑、庭には鳳凰樹と鞦韆(シュウセン)がある。「2度と私から離れるな、どこへ逃げようと必ず探し出して連れ戻す」瑲玹は天下を自分の物にすれば小夭も逃げ場がないとからかったが、もし本当にそうなれば望む生活を与えてやれると空想した。そんなある日、小夭が戻ったと聞いた王后辰栄(シンエイ)氏が小月頂にやって来た。小夭は丁重に拝礼して敬意を表したが、馨悦(ケイエツ)は友の仰々しい態度に困惑してしまう。「水臭い、今まで通りでいいでしょう?」「たとえ親しくとも礼には従わなければ…」小夭に敬われて悪い気はしない馨悦、しかし帰り際、庭にある鳳凰樹に気づいて初夜の惨めな記憶が蘇った。すると小夭は西炎王が鳳凰樹が立ち並ぶ朝雲堂で育ったため、子供の頃の思い出があると説明する。「陛下は懐古的ね…」「誰でも故郷の記憶は忘れられないものです」塗山璟はあの夜の真相をはっきりさせるため、失った記憶を取り戻すしかないと考えた。実は青丘の長老が一度、試みたが何も思い出せず、双頭の犬神の力を借りるしかない。離戎昶(リジュウチョウ)は朋友の頼みを断れず、塗山璟を連れて伯父・離戎戟(リジュウゲキ)を訪ねた。しかし未来ならいざ知らず、天に逆らい過去に戻るのは命に関わると断られてしまう。「過ぎ去ったことを引き戻そうとするな」すると塗山璟はひざまずき、命を懸けても知りたいと訴えた。「小夭は過去のことではない、私の全てです!生きている限り私の中にいる どうかお力をお貸しください!」小夭は小月頂を気に入ったものの、やはり気は晴れないままだった。王姫の怠惰な暮らし振りに眉をひそめる太尊の側仕え・舟山(シュウザン)だったが、太尊は瑲玹が即位して危機が去り、塗山璟が妻を娶った今、生きる目標を見失ったのだと理解を示す。瑲玹も苗莆から毎日、小夭の様子を聞いて心配していた。しかしある日、小夭に転機が訪れる。医祖たる辰栄王が王宮に残した典籍を虫干ししていると、偶然、未完ながら難病の治療法を記した書を見つけた。実は亡き母が出征前に小夭に残していたのが辰栄王の″草薬集論″だったが、玉山の王母(オウボ)が災いの元になると心配し、小夭に覚えさせた後、書を葬り去っている。小夭はこの知識のおかげで九尾狐から逃げ出すことに成功し、医者として生計を立てることができた。「恩返しのためにも辰栄王の遺志を継ぐわ、民を病苦から解放する」太尊も瑲玹も再び生気を取り戻した小夭を暖かく見守った。小夭は母譲りの才能と努力で書物を完成させ、治療法の確立まであと一歩のところまで来る。そんなある日、小月頂を訪ねた赤水豊隆(セキスイホウリュウ)はそろそろ婚礼を挙げたいと願い出た。一方、離戎戟は塗山璟力の記憶を呼び覚ますため、命を料として過去を照らすと言われる光陰盞(コウインサン)を使うことにした。光陰盞と言えば鬼方(キホウ)氏の神器。離戎昶はなぜ伯父が持っているのか尋ねたが、離戎戟は答えなかった。「光陰盞に火を灯し、族長の髪を灯心、血を料として過去を探る…覚悟はいいか?」驚いた離戎昶は止めたが、塗山璟の決意は固かった。「私の命は小夭…天下など要らぬ、お願いします」赤水豊隆は太尊と西炎王に許嫁の小夭と祝言をあげたいと懇願した。太尊に異存はなかったが、瑲玹は小夭が断ってくれるのを待つしかない。「私に聞くな、小夭が決めることだ」すると豊隆は婚姻を堅苦しく考えないよう訴えた。「小夭、婚姻は一つの形だ、辰栄山が好きなら陛下から峰を賜ってここに住もう 軹邑(シユウ)城でいいなら屋敷を建て直して住めばいい どちらも嫌なら赤水に移ってもいいんだ、医館を開きたければ力になるよ 君がやりたいことなら私も大賛成だ」小夭は自分に族長夫人が務まるとは思えなかったが、豊隆の寛大な申し出で少し気が楽になった。そんな小夭の表情を見た瑲玹は動揺を隠せず、思わず口を挟んでしまう。「小夭…」「小夭がいいならそれでいい」太尊が思わず瑲玹の話を遮ると、小夭は小さくうなづいた。「謝謝、陛下!謝謝、太尊!皓翎(コウレイ)と日取りを相談します!」↓念を送る哥哥w一方、塗山璟は寿命を消耗、心脈が傷ついて倒れた。運良く命を取り留めて目を覚ましたが、結局、防風意映(ボウフウイエイ)と関係をもったのか思い出せない。分かったのはあの夜、意映が小夭の姿に化けて塗山璟を誘惑していたことだけだった。ともかくこれ以上、思い煩えば命が危うくなる。離戎昶は諦めて養生するよう言い聞かせたが、その時、塗山璟の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。赤水豊隆は喜び勇んで帰って行った。小夭は父王に婚礼を知らせることにしたが、瑲玹は咄嗟に伝書鳩を捕まえてしまう。「嫁がせたくない」「分かるわ、私も馨悦の王后冊立は辛かったから… あなたを馨悦に奪われて他人になるような気がした」「へ?辛かったのか?」瑲玹は小夭が自分の婚姻に傷ついていたと知り、内心、跳び上がらんばかりに喜んだ。「もちろんよ、大切な人を取られると思ったの でも了見が狭かっただけ、だって王后を迎えても哥哥は変わらず私に優しいわ だから心配しないで、嫁いでも哥哥は誰より頼れる家族よ」「誰より頼れる…家族?小夭、実は私は…」その時、太尊が現れ、瑲玹に伝書鳩を離せと叱った。「哥哥、放して、娘の婚礼の話なのよ?赤水氏からの打診が寝耳に水ではまずいわ」すると瑲玹は仕方なく術を解いた。つづく
2024.12.19
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长相思 第二季 lost you forever S2第3話小夭(ショウヨウ)が塗山璟(トザンケイ)への未練に苦しんでいる頃、塗山璟も愛する小夭に思いを馳せていた。そこへ侍女・静夜(セイヤ)が泣き腫らした顔でやって来る。実は今日は塗山篌(トザンコウ)夫人・藍枚(ランマイ)の命日だった。静夜は藍枚・緑蓯(リョクショウ)・蘭香(ランキョウ)と一緒に奉公に入り、4人で同じ部屋に住んでいたという。その後、藍枚と緑蓯は大少主、静夜と蘭香は二少主に仕えることになった。「でも藍枚と緑蓯が亡くなり、暇を出された蘭香は故郷に戻ってしまった 今はもう私ひとりです」「緑蓯も死んだのか?大哥が大嫂を娶ると緑蓯が大嫂の侍女になった 大嫂が亡くなって里に帰ったとばかり…」緑蓯は藍枚の死に責任を感じ、気を病んで里で病死していた。塗山璟と一緒に軹邑(シユウ)城に滞在していた静夜も後になって知ったという。当時、藍枚は夫の不義を苦にして自害したと言われていた。しかし静夜はあの我慢強い藍枚がそんな理由で死ぬとは思えないという。「亡くなる前日、族長に内密の話があると言っていました 夜に会わせると約束しましたが姿を見せず、訃報が届くことに…」塗山璟は確かに祖母の棺の前で大嫂から内密の話があると言われたことを思い出した。兄の不義が理由でなければ一体、何があったのか。「あの頃、屋敷で起きた大きな出来事で奶奶の死でないとしたら…」すると静夜は防風意映(ボウフウイエイ)の懐妊だと答えた。塗山璟は急ぎ青丘に戻った。庭園ではちょうど転んで手を擦りむいた息子・塗山瑱(トザンテン)が侍女たちに八つ当たりしている。塗山璟は横暴な息子を諫め、手のひらの血を拭いてやった。運良く息子の血を手に入れた塗山璟。そこで離戎昶(リジュウチョウ)を頼り、血統の判断に長けている離戎族の長老を紹介してもらう。塗山璟は息子の血だとは明かさず鑑定を頼んだが、確かにその血は九尾狐の霊性を受け継ぎ、自分とごく近い兄弟か父子であることに間違いないと分かった。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が祖父を訪ねると、今日も小夭と阿念(アネン)の楽しそうな笑い声が響いていた。すると太尊は阿念を下げてから瑲玹にそろそろ王后を立てるべき時だと催促する。瑲玹の密かな望みは愛する小夭を王后に迎えることだったが、太尊はそんな孫のわずかな心の隙間を見抜いていた。「辰栄馨悦(シンエイケイエツ)しかおるまい」何万年も続いた局勢を変えたのは西炎の氏族と中原の氏族を融合させるためのはず、瑲玹が中原氏族の象徴である馨悦を王后に迎えれば他の氏族もこぞって縁戚関係を結び、歳月と共に血統は複雑に混じり合うという。「私は反対よ」小夭の予想外の反応に瑲玹は思わず笑顔になった。しかし反対した理由が阿念だと知り、自分の早合点だと落胆する。「阿念はどうなるの?」「小夭、王后の位ひとつで再び天下を乱してもいいと?…瑲玹、お前に退路はない」小夭は瑲玹の気持ちを聞いたが、瑲玹にとって小夭以外の王后など誰でも良かった。「どちらでも構いません、お任せします、これが私の道ならどちらでも」西炎王后は辰栄馨悦に決まった。小夭は悲しみに暮れる妹を慰めていたが、阿念はひとしきり泣いてすっきりしたらしい。「爺爺が味方だから大丈夫、爺爺と私の秘密だから言えないけど でもありがとう、私の肩を持ってくれて」すると阿念は紫金宮の女主が決まった以上、ここにはいられないと言った。「皓翎(コウレイ)に帰るわ、姐姐も一緒に帰りましょう? いずれ目障りだと思われるのは目に見えてる それが嫌なら道は一つ、嫁ぐしかないわよ?」「分かったわ、一緒に行く」確かに馨悦とは適度な距離が必要だ。小夭は友情が壊れる前に立ち去るのが得策だと笑った。瑲玹が鳳凰樹林で物思いにふけっていると、小夭と女護衛・苗莆(ビョウホ)の声が聞こえた。思わず大木の影に隠れた瑲玹、すると小夭は以前のように瑲玹を訪ねることができなくなったと話している。「今や宮殿には多くの妃嬪がいる…陛下は良くても礼に反するわ」その時、ふいに鳳凰花が舞い落ちてきた。小夭は手のひらで花を受けると、幼い頃はいつも従兄と一緒だったと懐かしむ。「私が鞦韆(シュウセン)に乗れば彼が押してくれた、彼が花を摘み、私が蜜を吸ったの なぜ人は大人になるのかしら? 大人になれば世界が広がるように見えて足元の道はどんどん狭くなる 選べる道も少なくなってしまうわ…さあ、戻りましょう」瑲玹は誰も乗っていない鞦韆を押した。小夭が言った通り権力が大きくなるほど選べる道は少なくなる。「小夭、私はあの頃と同じように無心にお前の鞦韆を押し、鳳凰花を摘みたい」小夭と阿念は太尊に別れの挨拶を済ませ、紫金宮を出た。瑲玹は小夭にすぐ戻るよう声をかけ見送ったが、なぜか返事をしなかった小夭が気にかかる。そこで正門まで追いかけ、小夭だけを引き留めた。「一月で戻るか?」「まさか」「二月か?…なら三月、まさか1年?では十三月だ」小夭は分からないと言ったが、瑲玹は十三月後に戻らなければ自ら迎えに行くという。「一国の君主がそんなことできる?もう話は終わりよ」一方、赤水小葉(セキスイショウヨウ)は娘の立后が決まったと聞いて辰栄府に駆けつけた。水葉は愛されて嫁ぐ方が幸せだと説得したが、馨悦は夢が叶う機会をみすみす手放すはずがないという。「私と陛下は愛し合って添い遂げるの~」「地位だけでなく情愛まで欲張るつもり?そんなうまい話はないわ」しかし母の諫言も馨悦の耳には届かなかった。西炎瑲玹と辰栄馨悦の婚礼の日。馨悦は王后に冊封され、王后印を賜り、瑲玹と並んで氏族たちの祝福を受けた。幸せの絶頂を迎えた馨悦、しかし一方で瑲玹は心ここに在らず、無念でならない。…権力の頂点に立った今、私の隣にいるのが私を支え、生死を共にした女子でないのはなぜだ?…その夜、馨悦は寝宮に入って床入りの儀を待った。寝殿には西炎王から届いた褒美がずらりと並んでいたが、吉時になっても瑲玹は現れない。やがて老桑(ロウソウ)が現れ、西炎王は酒を過ごされ、他の部屋ですでに休んだと報告した。「王后もお休みください、明日は陛下が紫金宮を案内されます」老桑と入れ違いに侍女が戻った。実は西炎王は独りで鳳凰樹林を散策しているという。初夜を台無しにされた馨悦は激怒、思わず褒美に八つ当たりしたが、鈴蘭(リンラン)が止めた。「王后、お鎮まりください!ここで騒ぎを起こせば、妃嬪たちが陛下と王后の不和を疑います」「はっ…その通りよ」気位の高い馨悦にとって後宮の笑い者になるなどあってはならないことだった。一方、小夭は父王の許可を得て瀛(エイ)州に医館を開いた。すると姉を心配して阿念が様子を見に来る。男装して患者を診ている小夭はまるでかつての玟小六(ビンショウリョク)に戻ったようだった。「姐姐、まさかあの頃が懐かしいの?…私も父王も許さないから!」「ふふ、分かっているわ」つづく
2024.12.17
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偷偷藏不住 Hidden Love第7話桑(サン)家に泊まることになった段嘉許(ドワンジアシュー)。しかしとても眠る気分になれず、庭に出て物思いにふけっていた。療養院にいる父の容体は安定したが予断を許さないとのこと、何より姜穎(ジャンイン)からのしつこいメッセージが段嘉許を鬱々とさせる。そこへふいに桑稚(サンジー)がやって来た。「元気ないね?…悩みがあるなら私に話して、少しは楽になるかも、誰にも言わない 言いたくなければいいの、しばらくそばにいる」すると桑稚は遠慮がちに段嘉許の隣に腰掛けた。段嘉許は桑稚の純粋な笑顔に癒され、重い口を開いた。「秘密を教えるよ、哥哥は大勢に借りがあるんだ お金じゃない、でもお金とも言える…何というか」「嘉許哥、私が大人になったら稼いで一緒に返す、本当よ?」「桑稚、これは哥哥の借りじゃないんだ、手伝う必要ないよ」段嘉許は思わず手を伸ばし桑稚の頭を撫でた。部屋に戻った桑稚は初めて見る段嘉許の複雑そうな表情に困惑していた。…嘉許哥、何を強がっているの?…すると桑稚は短冊にメッセージを書き、いつものように星形に折りたたんで牛乳瓶に入れた。…たくさん稼いで返済に協力する…段嘉許はまだ薄暗いうちに桑家を出た。名残惜しそうに見上げる桑稚の部屋、すると物音に気づいた桑稚がベランダに出て来る。段嘉許はスマホを掲げて連絡すると合図し、笑顔で手を振った。仕方なく桑稚も手を振って見送ったが、ベッドに戻っても段嘉許のことが気にかかる。その時、着信音が鳴った。…哥哥は早朝の飛行機で宜荷(イーホー)に帰る、また試験の結果を教えてくれ……私との約束を忘れないでね…桑稚の返信を見た段嘉許は何の約束か分からなかったが、恐らく成績が上がった時のご褒美だと思った。〓第七篇 ~約束~ 最も重要なささいなこと〓桑稚も最終学年となり、いよいよ大学入試の準備が始まった。…嘉許哥、夢を見つけた、宜荷大学に入る…しかし今の成績では合格ラインに届いていないと気づき、テストで上位10位以内に入ると目標を立てた。成績が上がるたび届く段嘉許からのご褒美。やがて努力の甲斐あって桑稚はついに上位10位に名を連ねた。…もっと努力する、夢へさらに一歩、近づくために…そんなある日、桑稚は偶然、夜食を作りながら電話中の兄の話を立ち聞きした。<段嘉許に彼女が?!マジか!寝耳に水だった桑稚は愕然、電話を切った兄に確認した。「哥哥…嘉許哥に恋人がいるの?」「ああ、銭飛(チェンフェイ)がそう言ってた」桑稚は部屋に戻ると早速、段嘉許にメッセージを打ち始めた。…嘉許哥、恋人ができたの?恋人ができたんだね…しかし桑稚は段嘉許が約束を破るとは思えず、メッセージを消した。…彼女ができたら最初に私に会わせてくれる約束だもん、直接、聞いてみようかな…桑稚が週末の補習をサボっていなくなった。桑延(ソウイエエン)は車で探し回っていたが、ようやく携帯がつながる。<今ね、宜荷にいるの…ネットの彼氏に呼ばれて<そこを動くな、すぐ段嘉許を向かわせる、いいか?その男に会ったら容赦しないからな!桑延はすぐ段嘉許に連絡、両親も段嘉許が面倒を見てくれると分かって安堵した。桑稚は18番出口で段嘉許が来るのを待った。「サンジーっ!」うつむいていた桑稚は顔を上げたが、段嘉許が独りではないと知る。「嘉許?!…見つかった?」段嘉許は見知らぬ女性と一緒に桑稚を探していた。桑稚を見つけた段嘉許は険しい表情で駆け寄った。「約束しただろう?勉強に専念すると…大人にでもなったつもりか?!」しかし桑稚は段嘉許と一緒にいる女性が気になって上の空になってしまう。…この人は誰?やっぱり彼女?最初に私に言う約束だったのに、約束を破ったの?…「何とか言ったらどうだ?」「嘉許、そう怒らないで」恋人は段嘉許の肩を叩き、落ち着かせた。「例の男と会ったのか?」「…私を好きじゃない、子供だから嫌だって」「帰ったのか?」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク「桑稚、彼の判断は正しい、君はまだ若すぎる」「大人になる」「なら大人になってからにしろ」「でもその時には彼が心変わりしちゃう」「構わない、大人になったらもっと…いい人に出会える」「(その姐姐が″もっといい人″なんだ…)」すると桑稚はこらえ切れなくなり、思わず涙があふれてしまう。「ごめんなさい、迷惑をかけて」「…っ、迷惑なんて思っていない、帰りのチケットを買ってくる、顔を洗っておいで」段嘉許は安堵したが、化粧室へ向かった桑稚が号泣していることに気づかなかった。桑稚がロビーに戻ると段嘉許が独りで待っていた。彼女は用事があるので先に帰ったという。段嘉許は桑稚が急によそよそしくなったことに気づき、感情的になって叱ったせいだと考えた。「さっきの俺は怖かったか?」しかし桑稚は帰りのチケットを眺めて黙っている。「何だ?数ヶ月会わないだけで他人行儀だな、傷つくだろう?」「チケットはいくらだった?」「大したことない、出発までに何か食べよう」桑稚は何も喉を通らなかった。そこで卒業式に渡しそびれたネクタイを贈る。段嘉許は桑稚が自分のことを気にかけていたことを喜んだが、その時、桑延から連絡が来た。「電話に出るよ」すると桑稚は段嘉許が席を離れた隙に段嘉許の財布にチケット代を押し込んだ。段嘉許は桑稚を出発ゲートまで送った。「ご両親の言うことを聞いて、勉強に集中しろよ?いいな?」「…私に言わなくてもいいよ?」「何を?」「(もし恋人ができても私に言わなくていい)」段嘉許が不思議そうな顔で答えを待っていると、桑稚はカバンから白熊のぬいぐるみを取り出した。「これは…俺が取ってあげたやつ?」「あげる、楽しい毎日を送ってね」こうして桑稚の初恋は突然、終わった。何も知らずに笑顔で手を振る段嘉許。桑稚も懸命に笑顔を作って別れたが、小さな胸は今にも張り裂けんばかりだった。桑稚は南蕪(ナンウー)空港に到着、すると段嘉許から連絡をもらった桑延が待っていた。「小鬼、帰るぞ?家庭教師には休むと伝えておいた…」呆れる桑延だったが、桑稚は嗚咽を漏らしたかと思うと兄に抱きついて号泣してしまう。「もう泣くな、たかが失恋だろう?大したことないさ~ヨシヨシ」桑延は車の中で冷静に妹を諭した。両親を心配させてはいけないこと、何より相手の男が悪人だったら大変なことになっていたという。桑稚はうなずいたが、誰にも本当のことは言えなかった。…ネット恋愛なんて嘘、確かめたかっただけなの、私との約束を彼が覚えていたのか…自宅に到着した頃にはすでに日が暮れていた。桑栄(サンロン)と黎萍(リーピン)は娘を刺激しないよう普段通りに振る舞い、部屋へ上がっていく桑稚をそっと見守る。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ~
2024.12.16
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偷偷藏不住 Hidden Love第6話段嘉許(ドワンジアシュー)は桑稚(サンジー)の架空の彼氏の嘘を信じ、卒業までは恋愛するなと叱った。「うん…でも誘惑に負けそう」桑稚は身近な人の恋愛を見れば影響を受けると訴え、それとなく段嘉許を牽制する。「ったく、人の恋愛まで禁止するのか?いいだろう、もう何も言わない でももし君がネット恋愛の彼氏と会うために宜荷(イーホー)に来たと分かったら… 恐らく君が成人を迎えることはない」意外にも厳しい反応を見せる段嘉許。桑稚は自分の作戦が予想以上に成功したと確信し、楽観した。桑稚が苦手な物理を克服し、段嘉許は補修の必要がなくなったと判断して家庭教師を終えることにした。段嘉許と会えなくなると思うと桑稚は表情が曇ったが、その代わりテストで良い点を取れば褒美をくれるという。すると帰り際、母が段嘉許も明日の年越しを一緒にどうかと誘ってくれた。桑稚は目を輝かせたが、段嘉許は寮で過ごすと断ってしまう。「準備を手伝います」桑稚はふと思い立って慌てて自分の部屋に上がった。しかし段嘉許のこと、自分からのお年玉など受け取らないだろう。そこで桑稚は短冊にメッセージを書いていつものように星形に折りたたみ、飴と一緒にぽち袋へ入れた。階下ではちょうど段嘉許が窓の飾りつけ中。そこで桑稚は椅子に置いてある段嘉許のコートのポケットにそっとポチ袋を忍ばせた。年越しの夜。桑稚は父から没収されていたスマホを返してもらった。喜んだ桑稚はネット恋愛の彼なら削除したと安心させ、家族四人の楽しい食事が始まる。その時、桑稚のスマホから着信音が鳴った。両親も兄も一瞬、顔をこわばらせたが、桑稚は段嘉許だと教える。…祝桑稚天天開心, 早日找到夢想, 春節快楽…段嘉許は寮で独り、ネットゲームで年を越そうとしていた。すると桑稚から返信が届く。…謝謝哥哥, 春節快楽…段嘉許は手を止めたついでに食べかけの食事に手を伸ばした。その時、着信音が鳴る。電話は父が療養している病院からだった。肺に水が溜まったため処置が必要になり、至急、手続きして欲しいという。「分かりました」〓第六篇 ~距離~ 別の街にあなたがいる〓桑稚の試験が終わって間もなく、段嘉許から荷物が届いた。テストの総合20位と物理95点の褒美だという。「直接、渡せばいいのに…」「聞いていないのか?あいつは実家に戻ったんだ、何だか大変らしい」兄から事情を聞いた桑稚は段嘉許が黙って行ってしまったことに不安が募った。「卒業式には戻る?」「決まってるだろう」…あれは中学生の頃段嘉許に会いたい桑稚は口実をつけて兄に帰って来て欲しいと催促していたするとスマホ越しに偶然、段嘉許の声が聞こえて来る<どこに行くんだ?<これから実家に帰る<俺も行くよ桑稚は段嘉許に会えると喜んで楽しみに待ったしかし現れたのは桑延だけ、段嘉許は急にバイトへ行ってしまったという『哥、大学生って忙しいんだね、何がそんなに忙しいの?』『大学生には恋愛があるからな~』『恋愛?』…段嘉許から届いたご褒美は兄にそっくりな犬のぬいぐるみだった。喜んだ桑稚はすぐ段嘉許に連絡、実はぬいぐるみを見て桑稚の作文帳に書いてあった絵を思い出したという。「そうだ、住所を教えて欲しいの、お礼を送りたいから」桑稚は社会人になる段嘉許のためにネクタイを買っていた。しかし段嘉許は気持ちだけで十分だという。「嘉許哥、卒業式には戻る?」「卒業式に来るかい?その時に会えるの楽しみにしてる」「うん、バイバイ!」桑稚はネクタイを卒業祝いにしようと決め、大事そうにしまった。桑稚の可愛い声を聞いて心が和んだ段嘉許。しかしある女性の来訪でそんな気分は一瞬で吹き飛んでしまう。「(コンコン!)どなた?」「久しぶり、元気だった?」段嘉許がドアを開けると姜穎(ジャンイン)が立っていた。「あの人、具合が悪いんでしょう?今月分は急がなくて大丈夫」姜穎は封筒を差し出したが、段嘉許は断った。「そうだ、卒業の日程は決まった?私も行っていい?」「…必要ない」「いいの、あなたは戻ったし、いつでも会えるから」南蕪(ナンウー)大学の卒業式。桑稚は父と一緒に兄の晴れ姿を見に行った。そこで久しぶりに段嘉許と再会したが、恥ずかしくてなかなか声をかけられない。すると段嘉許がよそよそしい桑稚を呼び止めた。「久しぶり、妹妹」「これあげる、卒業おめでとう」桑稚は最初に花束を渡したが、その時、ちょうど卒業式開始を知らせる放送が流れ、ネクタイを渡しそびれてしまう。「哥哥、先に行って」「一緒に桑延を探そう」段嘉許は道すがら教授とゼミの仲間に出くわし、一緒に写真を撮った。共に苦労した仲間たちは卒業後、それぞれ故郷に帰ってバラバラになってしまう。「いつか会えるといいな」「ああ、じゃあまた」その様子を見ていた桑稚は不安になった。「哥哥、卒業したらみんなと会えなくなるの?私は?」「当然、君は違う、彼らはこっそりお年玉をくれたり、花束をくれたりしない、ふっ 心配するな、時間を見つけて会いに来る」「うん!」すると段嘉許は友だちに声をかけ、桑稚と2人だけの写真を撮ってもらった。卒業式の夜は同期たちがお別れ会に集まった。すると段嘉許のスマホに姜穎からメッセージが届く。…あなたが宜荷に戻って嬉しい…着信履歴にはずらっと姜穎の名前が連なっていた。桑延は珍しく飲みすぎて泥酔、段嘉許は家まで贈り届けてソファに寝かせた。すると物音に気づいて桑栄(サンロン)と黎萍(リーピン)が寝室から降りてくる。その様子を物珍しそうに桑稚が見ていた。黎萍は深夜に段嘉許を帰すわけに行かず、桑延の部屋に泊まらせると決めて桑稚に案内を頼む。「嘉許哥も酔い覚ましがいる?」「いいや、飲んでいないから大丈夫だ」「そうだ、タオル持ってくるね」世話を焼いてくれる桑稚の姿を見ながら、段嘉許は宜荷に戻った時のことを思い出した。急に故郷へ帰ることになり、鬱々とした気分で空港の出発ロビーにいた段嘉許。するとコートのポケットに手を突っ込んだ時、覚えのないポチ袋が出てくる。ポチ袋の中には星形に折り畳まれたメモと飴が入っていた。…嘉許哥、新年おめでとう…小さな妹からの思いがけないお年玉。段嘉許は思わず笑顔になったが、ふいに涙が込み上げた。つづく∑(⊙∀⊙)何か怖い人来たっ
2024.12.14
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长相思 第二季 lost you forever S2第2話中原への遷都を望む西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。そこで自ら郷土料理を作り、反発する西炎の大氏族らに振る舞った。瑲玹はかつて祖父が戦で大勝した際、三軍を労ったという料理と、亡き祖母が考案した質素ながら栄養満点の料理を再現。当時、この祖母の料理が敵地で援軍もなく食糧が尽きた兵士たちを持ちこたえさせたと語り継がれている。これには遷都反対の急先鋒だった湖禾(コカ)族長も甚く感激した。瑲玹はてっきり繁華な中原の街に惑わされたと思っていたが、今も祖先たちの苦難と尽力を忘れていないという。「私が進む道は爺爺(イェイェ)と奶奶(ナィナィ)が氏族らを率いて歩んできた道と同じ 先人たちの尊い功績を忘れたことは一度もない」五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)は思いがけない報告を聞いた。実は瑲玹が上手いこと族長たちの懐に入り込み、籠絡したという。禹陽は奮起、自分たちに従う氏族を連れて西炎山に戻り、五兄に王を名乗るよう提案した。「機会は2度とないぞ?」「はお、招待状を用意しろ、各氏族の族長を招いて呼びかける、皆で西炎城に戻ろうとな」一方、相柳(ソウリュウ)は小夭(ショウヨウ)と別れがたくなり、食事に誘った。「急いでいるの」「口に出した誓いは破らないほうがいい」小夭は蠱虫を引き受けてくれた相柳に″何でも言うことを聞く″と言ったことを思い出し、拒むことができなかった。離戎戟(リジュウゲキ)は相柳が店に誰かを連れて来たのは初めてだと驚いた。「しかも女子とはな」まさかこの老店主が相柳に蠱虫(コチュウ)の話を吹き込んだとは小夭も知る由もない。すると離戎戟は同志がまた2人逝ってしまったとぼやいた。「私と同じく大将軍に従った同志はあと数人だけ…次は我々の番かもしれぬ」そこへ思いがけず離戎昶(リジュウチョウ)が塗山璟(トザンケイ)を連れて現れた。離戎昶は賭場にいた塗山璟の想い人に気づき、親友のためひと肌脱ぐことにする。「小姑娘、悪い奴と付き合うと損するぞ?考え直したらどうだ? 防風邶(ボウフウハイ)は明日をも知れぬ身、罪を犯しはしたが塗山璟の方がましだ」憤慨した小夭はわざと音を立てて杯を卓に置いた。「私には許嫁がいる、防風邶ではないわ、だからこれ以上、侮辱しないでちょうだい」驚いた離戎昶は塗山璟の代わりに自分が許嫁に直談判すると訴え、名前を聞いた。しかし娘の許嫁があの赤水豊隆(セキスイホウリュウ)だと知る。( ̄▽ ̄;)<じゃあ君は皓翎(コウレイ)王姫で…西炎王の従妹?実は小夭の正体に一番、驚いたのは離戎戟だった。「君は王姫大将軍の娘なのか?!…では父君は?」「もちろん皓翎王よ?」離戎戟は呆然、急に辰栄(シンエイ)軍で聞きかじった詩を歌い出し、焦った離戎昶が部屋で休ませた。小夭と相柳は店を出た。店主の離戎戟は離戎昶の伯父で、赤宸(セキシン)配下の将軍だったという。片腕がなく不自由なのは冀(キ)州の戦で失くしたせいだった。「あなたも用心した方がいいわ」「…それより自分の心配をしたらどうだ? 婚約して幸せの絶頂だろう?賭場に独りで遊びに来るほどな」小夭は自分の複雑な感情を見抜かれていると知った。「道連れを見つけるのはなぜこんなに難しいの?」「見つけるのは簡単だ、だが意気投合して大切に想い合える相手を得るのは難しい」「人は生涯1人を忘れ得ぬものなの?」「相手による、塗山璟のことを言っているならあり得るな」「忘れられないのは私?塗山璟?」しかし相柳は答えなかった。天下にいい男は大勢いるが、小夭に心を明け渡せる男はわずかだろう。「もし私が豊隆に嫁がないとしたら誰に嫁ぐのがいい?」小夭は答えを待ったか、相柳は相変わらず冷たい。「ふっ、私に聞いてどうする?知るものか」「…誰にしても妻がいる人は話にならない、哥哥の敵もね」その時、阿念(アネン)の声が聞こえた。「姐姐!」相柳は小夭に自分の世界へ戻るよう告げて去って行った。すると阿念が辰栄馨悦(シンエイケイエツ)と一緒に駆けつける。「どうしたの?姐姐?」「何でもない、人混みで行き合わせただけの人、どのみち同じ道は歩めないわ」小夭の言葉を聞いた相柳はたまらず途中で振り返ったが、小夭はすでに妹たちと帰って行った。西炎徳岩と西炎禹陽の宴席には誰も来なかった。聞けば氏族たちは皆、湖禾族長の宴席へ行ってしまったという。五王の宴の日にわざとぶつけてきたのは明らか。こうして朝廷を掌握した瑲玹は叔父2人を除く全ての臣下の賛同を得て遷都を実現させた。太尊は瑲玹の手腕に感心しながらも、不肖の息子たちの末路を憂いた。しかし思いがけず徳岩と禹陽は敗北を受け入れ隠居を決意、西炎山に戻りたいと嘆願する。太尊は2人が国土を祭る生贄になると覚悟していたが、瑲玹は血を流すことなく事を成した。「これであの2人も天寿を全うできるだろう」辰栄馨悦は覚悟を決めて自ら紫金宮に出向いた。政務中の瑲玹は冷たかったが、馨悦は愛する西炎王にどこまでも付いていく覚悟だと訴える。その時、瑲玹はふと祖父の言葉を思い出した。…君主は権力を行使し、行使させられる、お前自身が選んだ道だ、退路はない、休むことも歩みを止めることも許されぬ、ただ進むしかない…すると瑲玹は筆を置き、馨悦の差し入れを味見した。「美味い」「お口に合ったのならまた作ります!」太尊は瑲玹に相柳を帰順させて欲しいと頼んだ。これまで何度も促してきたが拒絶されたという。瑲玹は驚いたが、確かに説得できれば国と民に利があると承諾した。そこで使臣として離戎昶に白羽の矢が立ち、早速、清水(セイスイ)鎮へ派遣する。離戎昶は友として相柳に自由になって欲しいと説得し、西炎に寝返るのではなく手を引くことならできると訴えた。「思うように生きろ…惚れた女子と所帯を持って添い遂げるのもいいぞ?」その時、向かいにある回春堂から賑やかな子供たちの声が聞こえた。「要求があるなら言ってくれ、陛下が考慮してくれる」「必要ない…もう帰れ」すると離戎昶は感情的になり、なぜ決して報われぬ道にそこまで固執するのかと嘆いた。その夜、相柳はある詩を口ずさみながら離戎戟の店を訪ねた。「大将軍!」独りで酒を飲んでいた離戎戟は赤宸が帰ってきたと喜んだが、良く見ると赤い衣をまとった相柳だった。「それは大将軍が妻に贈った詩だ、どこで聞き覚えた?!」「百黎だ」すると離戎戟は相柳が店に連れてきたあの娘が例の蠱虫を放ったのかと聞いた。相柳は素直に認めたが、離戎戟はあの娘だけは駄目だと反対する。「百黎に行って巫王(フオウ)に蠱毒を解いてもらえ あの娘を見れば手を貸してくれるだろう」「皓翎の第一王姫と赤宸将軍にどんな関係があるんだ?教えてくれ」「…大将軍の轍を踏むな、心を通わせながら敵として戦うと?! あの娘のためにも終わりにしろ、お前から離れてやれ」塗山璟との再会は小夭に暗い影を落とした。何も知らない瑲玹は元気のない小夭を心配し、何のために即位したのかと肩を落とす。すると小夭から思わぬ理由を聞いて愕然となった。実は小夭は過去の美しい思い出にしがみついて前に進めない自分に落胆しているという。「十七が忘れられない…私ったら駄目ね 分からないの、あれほど辛い日々を耐え抜いたのに、なぜ男一人のことで苦しみ続けるのか …どうしたの?哥哥、私より辛そうね?」「心の傷は癒し難いと以前から知っていた、だから母が自害したことは今でも許せぬ でもお前がいる、母を失った苦痛はもう癒やされた、新たな喜びは過去の傷を癒す」「別の男を見つけろと言いたいの?」「癒やす者がいてくれたらと思う、お前が自分自身を愛され大切にされる存在だと思えるように 捨てられる恐怖を忘れられるように」瑲玹の言葉を聞いた小夭は涙をこらえられなくなり、咄嗟に背を向けた。「子供の頃から不幸に慣らされた私には、そんな人がいると思うことさえ怖いわ」「いるとも…必ずいる」瑲玹はそっと小夭の背中を叩いて励ました。…塗山璟、小夭が涙を流すと知っていたら、いかに助けが必要でも小夭から遠ざけていた…瑲玹は今になって当時の自分を恨めしく思いながら、小夭の震える背中を黙って見ていた。その頃、塗山璟も小夭を想いながら、突き返された魚丹紫の首飾りを眺めているとも知らずに。つづく( ˙꒳˙ )おっ?哥哥、物語の核心を突いたか?…え?違う?w
2024.12.13
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长相思 第二季 lost you forever S2第1話愛する小夭(ショウヨウ)こと皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)と苦難を乗り越え、ついに王位を継承した西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。その夜、瑲玹と小夭は大明(ダイメイ)殿へ続く長い石段を見下ろしながら、2人だけで祝杯をあげた。「挙兵すれば話は早かったのに哥哥はそうしなかった、王位を譲られると信じていたの?」「まさか…賭けたのだ、私の思いが爺爺(イェイェ)に伝わるかどうかに」瑲玹は譲位してくれたこと以上に、祖父が自分の考える君主像を理解してくれたことが心から嬉しかった。小夭は若木(ジャクボク)の花を瑲玹に返した。この花は舅母が臨終の際、愛する人に贈れと瑲玹に言い残している。「もらえないわ、大切にしなくては」「小夭、私は…」祭祀の前、瑲玹は小夭に毒酒を飲ませて眠らせた。あの時はこれが最後の別れと覚悟して小夭の髪に若木の花を挿したが、そんな瑲玹の秘めた想いなど小夭は知る由もない。「私は心から・・・感謝している」「ちょっと!私たちは一連托生でしょう?そんな他人行儀なっ! だけど…宿願を果たしたのに何だか嬉しくなさそうね」「妙な気分だ、頂点に上り詰めたのに嬉しくない 先はまだ長いし、肩の荷が下りるどころか重くなった」「そうね、あなたは君主、ただの瑲玹じゃない、重荷を背負うのは当然よ」「大切な人を守るために西炎を目指したのだ」すると小夭は瑲玹の手を握りしめた。「分かってる」五神(ゴシン)山では阿念(アネン)こと皓翎億(コウレイオク)が辰栄(シンエイ)山に向かう準備で忙しかった。瑲玹に贈る山のような宝物を見た皓翎王は自分の宝庫が空になりそうだと揶揄したが、阿念はもっと祝いを出して欲しいと無心する。一方、一族のため瑲玹を見限った辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は悶々としていた。紫金宮には祝いの品を届けたが瑲玹からはなしのつぶて、文を送るも未だ返信はない。まさか貧乏くじを引かされたと思われた曋淑恵(シンシュクケイ)が今や王后に最も近い存在になろうとは…。紫金宮で新王による朝政が始まった。甥の即位に不満を募らせる叔父たちは早々に牽制、都である西炎城に戻るべきだと配下の族長に諫言させる。しかし思いがけず商羊(ショウヨウ)族長が異議を唱え、軹邑(シユウ)城への遷都を上奏した。「遷都するにしても考慮すべきことが多い、じっくり協議したい」朝議は散会、瑲玹は何やら思案しながら大明殿を出た。大明殿の門で王妃の侍女が西炎王を待っていた。曋(シュク)妃が午餐(ゴサン)の用意をして待っているという。すると咄嗟に老桑(ロウソウ)が辰栄氏の令嬢がいると耳に入れた。「太尊(タイソン)に政の相談がある、日を改めよう」馨悦は淑恵を訪ねるという口実で瑲玹との再会を願ったが、失敗した。太尊の寝殿にはちょうど小夭と阿念がいた。楽しそうに碁を打つ太尊と阿念、その様子を小夭が嬉しそうに眺めている。瑲玹はしばし黙って大切な家族の姿を眺めた。「陛下、入らないのですか?」「…私が天下を守るべき意義を見定めてこそ、このまま前へ進めるのだ」すると瑲玹はある決意を胸に部屋に入った。西炎王となっても瑲玹の阿念に対する態度は変わらず優しかった。しかし再会の喜びも束の間、瑲玹が太尊に商羊氏の娘を妃に迎えるつもりだと報告する。辰栄山に戻るなり衝撃を受ける阿念。仕方なく小夭はヘソを曲げた妹を残し、独りで瑲玹を見送ることにした。「小夭、本当は妃など欲しくはない、戦を避けるためだ」「分かっているわ、氏族らを遷都に賛同させて叔父たちと離間させるためよね」「祝辞はいらぬ」「知ってる」阿念は憂さ晴らしに深酒、酔い潰れた。呆れる小夭だったが、太尊は小夭も無邪気な阿念を見習って自由気ままに生きてみろという。「私の不自由は阿爺と瑲玹のせいなのに?…私が相柳(ソウリュウ)と出かけたいと言ったら?」「許さぬ、相柳は敵なのだぞ?」「ほらね、かりそめの自由なんていらないわ」一方、瑲玹は老桑を連れて鳳凰樹林を散策していた。「紫金頂を朝雲(チョウウン)峰に変えれば過去に戻れると思っていた だが一手の過ちで局勢が定まり、機会を失った」「陛下、どの一手を誤ったと?」「私にも分からぬ」どの一手も唯一の選択肢だったはずだが、予想とは違う結果になった。しかし老桑は瑲玹の望みが小夭だとは知らず、西炎王なら必ず実現できると励ましてくれる。「そうであることを願うよ」五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)は父を訪ねた。遷都は国の基盤を揺るがすようなもの、太尊から瑲玹を説得して欲しいという。すると太尊は急に激しく咳き込み、今や朝堂での力を持っていないと遠回しに断った。これで万策尽きたと思われたが、徳岩はふと遷都も悪くないと気づく。強行すれば西炎の氏族の大半を敵に回すことになり、恐らく反対派は王の廃位を訴えるだろう。古来、遷都に多くの障害は付き物だった。太尊もやり方を間違えれば臣下の心が離れて災いの発端となることは重々、承知している。小夭にとってもかつての皓翎のような内乱が起こることだけは避けたかった。西炎王は商羊氏の娘を妃に迎え、商羊族長に青容(セイヨウ)山を賜った。他の氏族の娘に先を越された辰栄馨悦は激怒、そこで兄の許嫁となった小夭に仲立ちを頼むことにする。すると小夭が気分転換を兼ねて阿念を一緒に連れて来た。本来は恋敵だった阿念と馨悦だったが、互いに瑲玹へ嫁げなかった者同士で意気投合する。「天気がいいから街に出ない?」「いいわね!」阿念と馨悦は嫌なことを忘れるように散財した。小夭は唖然としながらも最後に店を出たが、そこで偶然、塗⼭璟(トザンケイ)と出くわしてしまう。すると居たたまれなくなった小夭は妹たちを追わず、自棄になって独りで賭場へ出かけた。小夭を心配した塗山璟は友人・離戎昶(リジュウチョウ)に頼み、賭場の様子を見せてもらった。「あの娘のせいで店は大損だ、知り合いなら責任を取れよ?…はっ!お前の想い人なのか?」小夭は連戦連勝、しかし急に小銭ではつまらないと言い出し、大金を賭けて勝負しないかと対戦者を募る。すると防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)が名乗りを上げ、席に座った。野次馬が集まる中、防風邶は数の大小で競い、負けたら質問に答えると条件をつける。「正直にだ」「いいわ」何だそれ>ʕ•̫͡•ʕ*̫͡*ʕ•͓͡•ʔ-̫͡-ʕ•̫͡•ʔ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ<銭かけろや初戦は防風邶が勝った。「答えろ、お前は誰が好きだ?」「私が好きな人は…添い遂げられる人よ」「誰と添い遂げたい?」「質問はひとつよ」次の勝負は小夭が勝った。「もしやり直せるとしても同じ道を選ぶ?」「選ぶ」「なぜ?」「この道を選んだから大切な人に出会えたのだ」「あなたは義父に忠義一徹なのね」誤解した小夭はつまらないと一蹴、席を立ってしまう。その様子を複雑な表情で塗山璟が見ていた。相柳は店を出た小夭に追いついた。「独りで来たのか?将来、有望な許嫁はどうした?」「知っていたの?」「赤水族長と王姫の婚約だ、嫌でも耳に入るさ…おめでとう」「他に言うことはないの?」「何が聞きたい?」「別に…そうだ、2つ話があるの」小夭は婚礼が済めば毒薬を作れなくなるが、それまでは約束通り届けると言った。そしてもうひとつ、相柳に移した蠱毒(コドク)を解きたいという。「あなたも面倒でしょう?暇がある時に百黎(ヒャクレイ)で解きましょう 安心して、解いてもあなたとの約束は守る」「はお、暇がある時に…」小夭はそこで別れることにしたが、相柳は思わず引き留めた。つづく( ̄▽ ̄;)賭場のくだりいる?w
2024.12.11
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偷偷藏不住 Hidden Love第5話桑稚(サンジー)は家庭教師が嫌で家を抜け出すつもりがうっかり眠っていた。翌朝、恐る恐る部屋を出る桑稚。しかしどうやらまだ物理の家庭教師は来ていないらしい。桑稚はすっかり安心してリビングに降りると、キッチンで兄が朝食を作っていた。その時、なぜか桑延(サンイエン)が自分の部屋から降りてくる。実は兄だと思っていたのは段嘉許(ドワンジアシュー)だった。「(なぜ彼がここにっ?)」「お前の家庭教師だろ?ったく寝坊して人を待たせやがって…」桑延と段嘉許は桑稚の準備ができるまでリビングでゲームを始めた。すると桑稚が勉強道具を持ってやって来る。段嘉許は自分の履歴書を渡し、これを受け取ったら教師の変更はできないと笑った。…ジアシューって″嘉許″って書くのね、でも写真がない…桑稚はアドレス帳に使う段嘉許の画像をこっそりスマホで撮ることにした。しかし画面に映る段嘉許の顔を見てニヤけているうち、段嘉許に気づかれてしまう。思わずカメラ目線でピースサインをしてしまう段嘉許。驚いた桑稚は同級生に兄の友だちを見せたいとごまかし、慌てて部屋に上がった。〓第五篇 ~こっそり~ 私の心に刻まれた名前〓桑稚は兄の部屋で段嘉許のゲームが終わるのを待つことにした。ようやく完成したアドレス帳の″段嘉許″ファイル。桑稚は改めて段嘉許の経歴を確認しようとしたが、ちょうど段嘉許が来てしまう。「さっきの写真を見せてくれ、写りが悪かったら撮り直して欲しいから、ふっ」しかし桑稚は慌ててスマホを隠し、早く授業を始めようと机に向かってしまう。物理に興味がない上、段嘉許が気になって勉強どころではない桑稚。段嘉許は冬休み中に週3で授業すると言ったが、桑稚は思わず毎日でも良いと答えてしまう。「週4のインターン以外は全部、授業なんだ…確か家庭教師を嫌がっていただろう?」「教え方が上手いの、楽しくなってきた!」すると桑稚はなぜ地元の宜荷(イーホー)大学ではなく南蕪(ナンウー)大学に入ったのか聞いた。段嘉許は一瞬、困惑の表情を浮かべたが、南蕪はゲーム産業が発展している都市だからだという。「俺の夢はゲーム業界で働くことなんだ」そんなある日、段嘉許が遅刻してきた。実はインターンの残業で遅くなり、あまり寝ていないという。そこで桑稚は先に練習問題を済ませるので、その間だけ少し休むよう勧めた。「分かった、終わったら起こしてくれ、採点するよ」段嘉許はソファーに座ると一瞬で眠りについた。そこで桑稚は段嘉許を起こさぬよう兄の上着をそっと掛ける。やがて段嘉許はふと目を覚ました。するとなぜか桑稚が隣の椅子に座って何やら描いている。「こら!何してる?」桑稚は問題集を解いていなかった。仕方なく段嘉許は前回の問題集を採点することにしたが、桑稚は全く進歩していない。「俺の教え方が悪いのかな」「私が理解できないせいよ、物理って面白くないから頭に入らなくて」段嘉許は桑延に桑稚を科学館へ連れて行きたいと頼んだ。桑稚が物理に興味を持てず、勉強が進まないという。「お前の方が本当の兄みたいだw」すると桑延は春節前で仕事が忙しい両親に代わって自分が許可すると言った。桑延は車で段嘉許と妹を科学館まで送り届け、時間をつぶしに行った。憧れの段嘉許と夢のような時間を過ごす桑稚。すると段嘉許は将来の夢のために苦手科目もしっかり勉強するよう言い聞かせた。「でも哥哥は高校生の頃、反抗的だったでしょう?ゲームが好きだから 先生がゲームはダメだって」「それだけで?…俺が高校生の時は週に1時間ゲームができるだけで大満足だった あの頃はゲームをすることで現実逃避をして息抜きできた」段嘉許はその経験から自分のゲームを作ることが夢になったという。「うん、私、勉強を頑張る、自分の夢を見つけるわ 哥哥も頑張ってね、でも哥哥の夢はすぐ実現しそう」「本当か?じゃあお互い頑張ろう」段嘉許は小指を差し出し、桑稚と指切りした。桑稚は段嘉許が飲み物を買いに行っている間に2人の指切りの絵を描いていた。そこへちょうど段嘉許が戻ってくる。段嘉許は桑稚が本当に絵を描くのが好きなのだと知り、とても素敵な趣味だと褒めた。「ジアシュー哥、好きな人を作らないで…」「どうした急に?」「だって夢の邪魔になるから、哥哥にも言ったわ …実は友だちの哥哥に彼女ができたんだけど、その人は友だちに冷たいんだって ジアシュー哥、もし彼女ができたら私に優しくなくなる?」「ずっと先の話だ、その頃にはもう俺なんて忘れられてるだろうけどw そうだ、君によくしてくれる優しい彼女を作ればいいか?」「ぅん…分かった、もし彼女ができたら最初に私に合わせて欲しい」「いいよ、彼女ができたらな、覚えておく」段嘉許は急な仕事が舞い込み、科学館に留まって片付けることにした。桑稚は段嘉許と別れて兄の車で家に戻ったが、大事な絵日記を忘れたことに気づく。慌てた桑稚はすぐ科学館に連絡、運良く落とし物として届いていたと分かった。しかし安堵したのも束の間、段嘉許がノートを持ち帰ったという。「お連れの男性に渡しましたが、受け取っていませんか?」( ̄▽ ̄;)どうしよう…ジアシュー哥があの絵を見たら…翌朝、段嘉許は出勤前にノートを届けてくれた。まだ寝ていた桑稚は兄からノートを受け取ったが、段嘉許が中を見たかまでは確認できない。…でもなぜ哥哥に渡したの?絵を見たから気まずくて直接、返せなかったんだ…そこで桑稚は自分の想い人が段嘉許だと気づかれないよう、ある策を講じた。その夜、桑延が急に学生寮に帰ってきた。「俺が恋しいのか?」段嘉許は冗談を言ったが、桑延の顔は険しい。「家にいるのが嫌になった…実は小鬼に彼氏ができた、罰としてスマホを没収したよ ネット恋愛だとさ」段嘉許は信じられなかったが、ちょうど恋愛に興味をもつ年齢だとなだめる。しかし桑延は妹に彼氏など絶対に認められないと声を荒らげた。家庭教師の日、桑稚はいつになくやる気なさそうに兄の部屋へ向かった。恐らく段嘉許は兄から例の話を聞いているだろう。…どんな顔をして会えばいいかな?私の嘘を信じたかな?…すると兄が段嘉許と一緒に帰ってきた。桑延は段嘉許に妹を任せた。ばつが悪い桑稚はソファにもたれかかり、手で顔を隠している。「ネット恋愛だって?なれそめは?俺は禁止なのに自分はいいのか?いくつだ?」桑稚は段嘉許が自分の嘘を信じていると分かって安堵し、急に座り直した。「大学4年生…20代、宜荷にいるの」「年上の彼氏は君の年齢を知っている?」「うん」すると段嘉許は自分のスマホを出して男に電話するよう迫った。桑稚は拒んだが、段嘉許は思いのほか真剣に自分を心配しているらしい。「別れさせたいのは君が傷つくと分かっているからだ 卒業するまでは恋愛するな、大学生になれば自由だ、分かったか?」「うん…でも誘惑に負けそう」桑稚は段嘉許の顔を見つめながら思わず口を滑らせた。つづく(  ̄꒳ ̄)高校生なわけない…でも見えてくる不思議♪
2024.12.07
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岁岁青莲 Blooming Days第36話「それぞれの執念」「賀家は私を裏切ったぁぁぁぁぁ!」慕天殊(ボテンシュ)は刑場で安(アン)王への恨みをぶちまけ、賀元雪(ガゲンセツ)を殺めた罪で処刑された。慕天殊がいなくなれば三兄は孤立無援。賀連修(ガレンシュウ)は六弟・賀連値(ガレンチ)と新政反対派の臣下たちを引き連れ、賀連信(ガレンシン)に譲位を迫った。その時、七弟・賀連倚(ガレンイ)が慕天殊の配下を従え駆けつける。「王爺の号令で逆賊を捕らえます!」実は慕天殊の遺命は安王を守ることだった。…慕天殊が思わぬ事件を起こし、驚いた徐良川(ジョリョウセン)は急ぎ主の遺書を届けた『哥、賀連信は私を見捨てたけれど、一瞬たりとも恨んだことはない 私を哀れに思うなら、あの人を守り、支えて欲しい』徐良川はなぜ冷遇されても安王をかばうのか分からず、主に尋ねたすると慕海瑶(ボカイヨウ)は賀連信に負い目を感じて欲しいと答えたという『私を思い出すたび後悔して欲しい、それが海瑶からあの人への懲罰よ』実は徐良川は薄情な安王を恨み、これまで遺書を渡さなかったと説明した慕天殊は自ら極刑を嘆願、安王を孤立無援と思わせて黒幕の大旦那を誘き出すよう提案したしかし賀連信はどうしても決断できず、しばし昔話に花を咲かせる2人は酒を飲みながら出会った当時を懐かしんだが、やがて慕天殊は一献したいと杯を掲げてひざまずいた『来世があるなら、私は再び王爺にお仕えします…どうかお聞き入れください!』賀連信は涙があふれて声が出せず、震える手で杯を空けた『感謝します!王爺』…三兄はやはり一枚上手だった。賀連修は負けを認め、六弟や臣下たちもひざまずいて罰を請う。しかし賀連信は万死に値するのは賀連修ではないと言った。「大旦那のことなら、それも私です」賀連修は独りで罪を背負ったが、そこへ駱青蓮(ラクセイレン)が現れた。「嘘よ、ここ最近、礼(レイ)郡王は酒に溺れ政に関わっていなかった」「人の目を欺くためだ」「守りたい人がいるようね? でも多くの官吏が自害し、民が苦しんできた、海瑶姐姐も濡れ衣を着せられ死んだのよ? 無実の罪で死んだ人たちに申し訳が立つの?」賀連修が愛する阮之湄(ゲンシビ)をかばっているのは明らかだったが、結局、賀連修は妻を守り通した。「どうか私に処罰を…」賀連修は解放され、急いで屋敷に戻った。しかし阮之湄の姿がない。実は阮之湄は全て賀連信と慕天殊が仕組んだ計略だったと知り、自ら証拠を持って王府へ参上した。阮之湄は罪を認め、賀連修は無関係であったと証言した。「私の宿願は叶い難く、もはや生きる意味もない 王爺、どうか私を死罪に…骨を砕き、灰にして王府にまいてください 風に乗って潜み、決して消えません」賀連信はかつて自分を見限った想い人に会おうとしなかった。すると総管・蘇南春(ソナンシュン)が奥殿から現れる。「王爺はお認めになりました」「…感謝いたします、王爺」阮之湄は覚悟を決めて毒酒を手にした。そこへ突然、方懐蕊(ホウカイズイ)が現れる。「方家は勢いを失い、私だけが頼りだと勘違いした、まさか早々に手を引くとはね でも丞相が攻めてきたら方家もおしまいよ?」「あなたの讒言を信じて弟を犠牲にした、明日、王爺に真相を話すわ」阮之湄は刑部で毒酒を賜り息絶えた。妻を失った賀連修は絶えきれず、礼郡王邸で毒を飲み絶命してしまう。一方、呂北逸(リョホクイツ)は故郷へ戻り、家族が眠る場所へ賀元雪を埋葬した。…愛妻 賀元雪之墓 夫呂北逸泣立…呂北逸は長史処の左長史に任命されたが、勅命を固辞した。賀連信は呂北逸が妹の死の責任を感じていると考え、賀元雪も呂北逸が功成り名を遂げることを願うはずだと説得する。「″功成り名を遂げる″…人生は短い、大切な人のそばにいようと頑張ってきました でも気づいたのです、やり遂げる前から疲れていたと…では失礼します」方懐蕊は思い出の糖水を安王に差し入れた。しかし安王はまだ自分に怒っているのか、飲みたくないと冷たく突き放されてしまう。「阮之湄に利用されていたのです、まだ挽回の余地が?」そこで方懐蕊は急にひざまずき、王妃を廃して欲しいと嘆願する。実は糖水は嫁いで来た頃にいつも作っていた賀連信の好物だった。「廃妃を認めてくださるならどうかお飲み下さい」「立つがよい」すると賀連信は糖水を飲んでみせた。賀連信は駱青蓮に王妃の座を与えると決めた。しかし冊封当日、青蓮は礼服に袖を通さず、様子を見に来た安王に辞退を申し出る。「私の幸せは王爺の最愛の女人になること、その願いはとうに叶いました」青蓮はこれまで出会った人たちには皆、執念があったという。慕海瑶の執念は″情″、阮之湄は″名″、方懐蕊は″氏族″、呂北逸は″尊厳″。これら執念は首かせのように人を縛りつけ、一生、抜け出せなくなる。思えば青蓮は過去と決別して信宅に入った時から、執念はなくなっていた。「もしかするとそれが幸いしたのかも、でも王妃の座は特別です 人は高みに立つと思い通りにならぬもの、やがて初心を取り戻せなくなってしまう」賀連信は青蓮の決断に理解を示したが、そこへ蘇南春が慌てて駆けつけた。「王爺!丞相が曲涼討伐の兵を挙げました!」賀連信は久しぶりに駱青蓮を連れて城楼に登った。「私の執念は″曲涼″だ、お前は首かせのようだと言ったが、私は外そうと思ったことはない …新政が始まり、曲涼はこれからもっと繁栄する この戦で投降して丞相に帰順すれば信義に背くことになるだろう だが父親に誓いを立てた」「でも丞相の出兵は予想外です 先王が見たいのは誓いに縛られるあなたの姿ではなく、万民が心を1つにした曲涼です」賀連信は先王との誓いに青蓮を賭けたと明かした。すると青蓮は賀連信がいる限り孤独など感じないという。「2人ならどんな険しい山も乗り越えられます」…宰相討伐の檄古来、明君あれば栄えるが、陛下の仁徳と裏腹に大穆(ボク)では綱紀が廃れ、民は塗炭の苦しみをなめている全ては宰相が朝堂を我が物とし、策を弄して陛下を蔑ろにした結果だ君主が忘れ去られ宰相が国を牛耳る、これぞまさに国辱である国賊の宰相の軍にあらがわねばならぬこの賀連信、賀家先祖の名にかけて歃血して誓う逆賊討伐の決意をここに布告、もって天下に檄を発する…皇帝は丞相が曲涼へ出兵したと聞いた。しかし皇帝は賀家の子孫ならもちこたえられると信じ、何年経とうともその信頼は揺らがないという。「賀家は忠義にあつい、必ず国と民を守る」敵が迫る中、曲涼の軍民は勇敢に立ち上がった。2代にわたり民を思う安王の真心が伝わったのだろう。君主を敬う気持ちと郷土愛が1つとなり、天に通じる大きな力となって曲涼の地を駆け巡った。賀連信は娘が嫁いだジカルの軍と手を組んだ。そして丞相の10万の大軍を撃破、大きな痛手を与え、曲涼の安寧を取り戻す。終( ˙꒳˙ )え?全然、意味が分からないまま終わったwwwwww
2024.12.06
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岁岁青莲 Blooming Days第35話「黒幕 大旦那の正体」安(アン)王に手厚くもてなされるも黙秘を続ける鄭(テイ)。実は賀連信(ガレンシン)は黒幕が家族を盾にして脅していると踏み、すでに鄭家をかくまっていた。「機会は1度だけ、ここで死ぬか、家族と再会するか」すると鄭大人はひざまずき、家族に会いたいと頼んだ。「黒幕は″大旦那″です」大旦那は前科のある官吏たちの証拠をなぜか握っており、認罪書を書かせていた。どれも家族に累を及ぼす大罪だという。「大旦那とは…ゥッ!」鄭大人の食事に毒を盛ったのは沈静妍(シンセイケン)の侍女だった。阮之湄(ゲンシビ)の指示に従った沈静妍は毒を飲んでわざと駱青蓮(ラクセイレン)の前で倒れ、騒ぎのどさくさに紛れて侍女がこっそり毒を盛ってしまう。結局、鄭大人は黒幕の名を明かす前に絶命した。食事を作った駱青蓮と届けた慕海瑶(ボカイヨウ)は安王の審問を受けたが、当然、身に覚えはない。しかし同席していた方懐蕊(ホウカイズイ)が他に触れた人間はおらず、自分さえ断られたと証言した。「今、考えれば妙だわ…まあ青蓮が毒を入れずとも、他者の手を借りられる」遠回しに疑われた慕海瑶は憤慨した。そもそも鄭大人を殺す理由がない。すると審議の場に鄭夫人を名乗る女が現れた。↓おまえか…鄭夫人は慕海瑶が黒幕の大旦那だと告発、朗月閣で認罪書を渡したと証言した。「寝殿の化粧台の横にある箪笥の中に赤い箱があるはずです!」「確かに化粧台の横に箪笥がある、夫人が朗月閣に行った証拠ね」方懐蕊は間髪入れず夫人に同調、すると驚いたことに朗月閣で認罪書が発見されてしまう。慕海瑶は方懐蕊に陥れられたと気付いた。慕天殊(ボテンシュ)も駱青蓮も慕海瑶の無実を訴えたが、賀連信は調査が終わるまで禁足を命じてしまう。すると衝撃のあまり慕海瑶は激しく喀血した。賀連信は慕海瑶が自分を決して害さないと知っていた。しかし今回の黒幕は計算高く緻密、手がかりもない。「調査は困難を極めるだろう」駱青蓮は方懐蕊が黒幕だと訴えたが、賀連信は否定した。実は事件が起きた夜、新政にあたって方家を徹底的に調べたという。この数年、自害した官吏たちは暴利をむさぼっていたが、方家の資産はわずかだった。肺を患っていた慕海瑶は傷心により病が急速に悪化した。するとその夜、駱青蓮が朗月閣を訪ねてくれる。「姐姐、私の過ちよ、ごめんなさい…とにかく今は身体を大切にして」「悪いのは仕組んだ人よ」慕海瑶は青蓮との新たな関係が生きる希望となったが、思い出を語り合う美しい日々がもう来ないことを分かっていた。「疲れた…もう疲れたわ」侍従・徐良川(ジョリョウセン)が嬉しそうに安王の来訪を伝えた。しかし慕海瑶は会いたくないという。徐良川は仕方なく引き返したが、その時、慕海瑶と駱青蓮の話が漏れ聞こえた。「姐姐、王爺は一度もあなたを疑ったことがない、禁足も仕方なかったの」「そうじゃない、己を恨もうとも公子のことは…」すると慕海瑶はかつて不注意で暉児(キジ)を殺してしまったと明かし、賀連信に優しさを求める資格などないという。青蓮はてっきり慕海瑶が自分を排除するため企んだと思っていたが、慕海瑶は否定した。「まさか!愛する公子の子供を手にかけるはずない! あの日、ちょっと押しただけだったのに…天意ね、全ては天意」驚いた青蓮は賀連信に説明して誤解を解くと言ったが、慕海瑶は止めた。「どちらにせよもう昔には戻れない…もちろん会いたいわ 月が欠けては想い、雪が降っては想う 恨んでいる時でさえ想っているけれど、会いたいのは20年前の公子 まだ私を愛してくれた時の公子よ」慕海瑶の視線の先には幸せだった頃の賀連信と自分の姿があった。駱青蓮が呆然としながら寝殿を出ると賀連信たちが中庭で待っていた。すると青蓮は賀連信の腕の中で泣き崩れ、誰もが慕海瑶が旅立ったことを知る。一方、知らせを聞いた阮之湄は沈静妍の働きを喜び、褒美の銀子を贈るよう命じた。妹の死で慕天殊は激高、必ず新政反対派に回るだろう。「これで方懐蕊への借りは返した、あとは静観すればいい、曲涼の天はじきに変わるわね」翌朝、賀元雪(ガゲンセツ)は手作りの食事を携え、呂北逸(リョホクイツ)を王府まで送った。あれから18年、元雪のおかげで心を取り戻せた呂北逸。「あと少しだ、新政が敷かれて賎民から解放されたら堂々と君を妻に迎えるよ」一方、賀連信と駱青蓮は主を失った朗月閣で慕海瑶を偲んでいた。賀連信は慕海瑶が不注意で暉児を殺し、十数年も苦しんできたと知ったが、すでに過去のことだと許す。「朗月閣の物は全てこのままにしておこう」…瑶姐姐、来世は誰かに愛され、共白髪になれますように…安王と側妃は朗月閣をあとにした。侍女・如画(ジョガ)は安王の優しさを知って主の心も慰められると安堵したが、徐良川はわだかまりが残る。「優しさなのか、負い目なのか…」駱青蓮は道すがらふと黒幕がなぜ自分ではなく慕海瑶を利用したのか不思議だった。すると賀連信は標的が慕海瑶ではなく慕天殊だと気づく。そこへ総管・蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけた。「王爺!慕大人が新政細則を燃やそうとしています!」呂北逸が王府に到着すると、ちょうど慕天殊が新政に関わる重要な書類を清康(セイコウ)殿の中院に持ち出していた。驚いた呂北逸は妹を失って自棄になっている慕天殊を鎮めようとしたが、慕天殊は兄妹で安王に尽くしても報われなかったと逆恨み、新政細則を全て燃やすという。「邪魔をするなら…斬る!」慕天殊は剣を抜いて呂北逸に襲いかかった。その時、侍女から知らせを聞いて王府に引き返した賀元雪が駆けつける。するとちょうど衛兵と応戦している呂北逸に狙いを定める慕天殊の姿を目撃した「北逸っ!」元雪は思わず駆け出し、呂北逸をかばって慕天殊に刺されてしまう。呂北逸は賀元雪を治療しようとしたが、賀元雪は最後の時間を無駄にしたくなかった。「来世があったら私を娶ってくれる?」「今ここで君を妻にする、現世でも来世でも君を裏切らぬと誓う」「来世があるかしら?駱青蓮が言っていた、いつかきっと雲が晴れると… 確かに雲は晴れたけれど、太陽は見えない」その時、ちょうど賀連信と駱青蓮が駆けつけた。しかし元雪は呂北逸の腕の中で息絶えてしまう。阮之湄の予想通り慕天殊は安王を見限った。賀連値(ガレンチ)は兄嫁に慕天殊一派の名簿を渡し、賀元雪殺害の罪で慕天殊が処刑されれば配下は四兄につくという。すると我慢の限界に来た賀連佐(ガレンサ)はついに袂を分かつことにした。「新政は悪くない、老三のどこが悪いんだ? 嫂嫂(サオサオ)、老五はこれまで四哥に味方して来たが、今回は共に戦えません」「五哥!知っているぞ?!父親の臨終の日は三哥を逃がし、霊薇の時も助けたな?」賀連値は五兄を責めたが、賀連佐ももはや隠そうとしなかった。「そうだ、私がやった、私が生涯で最も尊敬するのは四哥だった だが四哥が心から望むものは何だ?本当に安王の椅子なのか?! …ジカル戦を図った時、尊敬の念は消えたよ」その時、すっかり蚊帳の外だった賀連修が現れた。かつて賀連修も強くて豊かな曲涼を願い、王座を目指していた。確かに王座は三兄に奪われたが、その願いを成し遂げている。「四哥、申し訳ありません、これからはお供できない…どうかお考え直しを」賀連佐は丁重に拝礼して帰った。すると賀連値も居たたまれなくなり、引き上げてしまう。賀連修は大旦那が阮之湄だと分かった。阮之湄は隠し事ならたくさんあると認めたが、決して賀連修を裏切っていないという。「資金があればこそ我ら一党は支えられた まさか忠誠心だけで共闘してくれたとでも?ふっ、世間は薄情なもの 公子のために心を砕き尽くせるのは私だけよ」「…元雪は?私の妹妹だぞ?」「忘れないで、以前、雷公藤(ライコウトウ)を盛ったのは誰?」賀連修は縁談が決まった賀元雪に毒薬を渡したことを思い出した。「そうだな、確かに君を責められる立場ではない… 今から王爺に会い、爵位を返上して政から身を引くよ」しかし阮之湄は引き止めた。「まさに千載一遇の機会なの!公子が決起すれば必ず王になれます!」つづく(´-ω-`)結局、阮之湄がラスボス?
2024.12.04
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岁岁青莲 Blooming Days第34話「王妃の座と肉親の情」兵糧のもみ殻混入事件で賀連修(ガレンシュウ)の尻尾をつかむつもりだった安王・賀連信(ガレンシン)。しかし罪をなすりつけられたのは責任者の駱容与(ラクヨウヨ)だった。知らせを聞いた駱青蓮(ラクセイレン)は投獄された父と面会した。駱容与に身に覚えはなかったが、さすがに関わった者全員が口裏を合わせることなどできないと落胆する。しかし青蓮はそれができる人物を知っていた。「何人、関わろうと皆に指図できるのは2人だけ まさか方懐蕊(ホウカイズイ)と阮之湄(ゲンシビ)が手を組むなんて…」賀連信は高齢で病弱という口実で駱容与に特赦令を出し、駱青蓮を安心させた。するとその夜、調査を任せていた七弟・賀連倚(ガレンイ)が物証を見つけて戻って来る。「三哥、ご覧ください」兵糧の木箱は細工が施され、駱容与の封を切らずとももみ殻を入れられるようになっていた。残念ながら証人は消されてしまったが、運良く逃亡した木箱職人が見つかったという。「明朝、曲涼に到着します」翌日、方懐蕊はもみ殻事件の下手人が自供したと聞いた。しかし関わったのは全て賀連修の手先。方懐蕊は何も心配していなかったが、侍女の話では木箱職人が方爾格(ホウジカク)を告発したという。「之湄夫人がお待ちです」阮之湄は王妃の座と方一族を守るため、方爾格を犠牲にするよう説得した。実は安王が新政を行うにあたり、まず方家の力を削ぐという噂がある。もちろん多少の損失はあるだろうが、それより官軍が曲涼に攻め入れば方家も全てを失うのは必至だ。「戦ったあげく共倒れになるか、私と共に劣勢を挽回するかは王妃次第 安王の意に従い肉親の情を捨て、弟に罪を認めさせれば大手柄です」すると阮之湄は黙って方懐蕊に″勤王″という切り抜きを見せた。証拠を押さえた賀連信は駱青蓮を伴って驚秋(キョウシュウ)院を訪ねた。すると殿内から弟を叱責する方懐蕊の怒号が聞こえる。方爾格は駱容与に賄賂の受け取りを知られ、兵糧にもみ殻を混入させて罪を被せたと認めて命乞いした。しかし方懐蕊は王妃として国と民を害した弟をかばえないという。「これから安王に拝謁し、罪を認めなさい!」「その必要はない」その声は賀連信だった。方爾格は即刻、処刑を命じられた。最後まで安王に命乞いしながら刑場へ連行される方爾格。…姐姐、悲しまないで、弟弟が死ねば方家は生き残れる、後悔はありません……ごめんなさい、姐姐は全てをあなたに背負わせてしまった…方懐蕊は苦渋の決断を下したが、賀連信も駱青蓮もそんな王妃に冷ややかだった。兵糧の一件も決着、新政に向けて動き出した賀連信。ようやく租税に着手し、民から重税を搾り取っていた奸臣を見つけ出した。その日は事件に関わる者の半数を召喚して追求する予定だったが、思いがけず呼び出された官吏が全て自害したと報告が届く。「真相を暴くのが難しくなりましたね」「それでもやり遂げねばならぬ!(๑•̀ㅂ•́)و✧」賀連信は人払いしてから駱青蓮だけに新政の勅命を見せた。新政では王府の領地を民に分け与え、賎民を解放し、田畑を与えるという。「税は重く、兵は軟弱、銀庫は空も同然、そして方家の旧勢力…これら全て旧政の弊害だ 私が望むのは清く明るい曲涼だ」青蓮は新政に期待しながらも、さらに多くの血が流れることを心配した。「王爺、曲涼が強くなれば挙兵して陛下を救い、先王の遺志を果たせるからですか?」「見抜いていたか」すると賀連信は先王と皇帝が交わしていた文を見せた。実は当時から新政の構想があり、皇帝が才徳と民をいたわる心を持っていることが分かる。賀連信は決して後戻りせずやり抜くと決意、青蓮も安王と共に歩むと誓った。駱青蓮は安王を支えるため、慕海瑶(ボカイヨウ)に協力を求めた。方家と手を組んだ賀連修は安王の敵となり、いずれ曲涼の大きな災いになるだろう。しかし権勢も情も失った慕海瑶にとって冷遇される毎日はもはや死んだも同然だった。「戻ってきてもあの人は私に目もくれない、終わったの、全部、過ぎたことよ …帰って、もう来ないで、私に敵がいるとしたら、それはあなたよ」青蓮は仕方なく引き上げることにしたが、最後に慕海瑶の誤りを指摘した。「姐姐、私さえいなければ王爺が戻ってくると? 王妃の所業を知りながら食事を共にできる方よ?姐姐は間違っている 王爺にとって一番、大切なのは私ではない、曲涼です」臣下たちは新政に反対、安王に諫言しようと集まっていた。しかし賀連信は病と称して清康(セイコウ)殿に閉じこもり、呂北逸(リョホクイツ)と手続きを進めている。不正を働いた官吏が罪を問われる前に自害するとは一体どんな秘密が隠されているのか。真相を明らかにできれば臣下たちも黙るはずだが、証人は皆、死んでいる。その時、慕天殊(ボテンシュ)が駆けつけ、自害せずに逃亡していた官吏を捕らえたと報告した。一方、阮之湄は自分の弱みを握っている鄭(テイ)が捕まったと知り、急ぎ沈静妍(シンセイケン)へ封書を送った。あれ以来、すっかりやさぐれてしまった賀連修。阮之湄は夫を二度と巻き込まないよう今の苦境も明かせずにいた。「今後、公子には何の憂いもなく気楽に生きて欲しい」賀連信は唯一の証人を守るため拷問をあきらめ、護衛を増やすよう命じた。駱青蓮も安王が口封じを心配していると分かったが、そこへ安王が病だと聞いた方懐蕊が薬湯の差し入れにやってくる。しかし賀連信は病を装っただけだと素っ気なかった。「先ほど耳にしましたが、鄭大人の身が心配なら私が飲食を準備します」「王妃がやる必要はない」すると賀連信は駱青蓮にその役目を任せた。慕海瑶は咳が酷くなっても薬を飲もうとしなかった。心配した駱青蓮は鄭大人の食事を作るついでに慕海瑶にも差し入れを届けたが、慕海瑶にもはや生きる気力はない。「一番、幸せだったのは信宅にいた3年間、あの思い出だけで別院の16年を生き抜いた でも美しい日々は暗く淡い記憶に変わってしまった、暗過ぎて自分でも思い出せない」駱青蓮は慕海瑶の絶望に胸が痛んだ。「姐姐、ならまた新しい思い出を作ればいい 気の合う人を誘って籐椅子に腰掛けてお茶を楽しむの、これも美しい光景では?」慕海瑶は青蓮の情にほだされ、差し入れを受け取った。「これからは苦い薬も飲むわ、咳き込んでばかりでは美しい光景が台無しだもの」その頃、朗月(ロウゲツ)閣の外では沈静妍が駱青蓮が出てくるのを待っていた。沈静妍は偶然を装い駱青蓮と出くわした。思いがけず沈静容(シンセイヨウ)の妹と顔を合わせ、気まずそうに挨拶した青蓮。その時、突然、沈静妍が倒れてしまう。青蓮は沈静妍を朗月閣に運び込んで医官を呼んだが、急ぎ鄭大人に食事を届けに行かねばならなかった。しかし沈静妍が苦しそうに姉を呼び、後ろめたさが残る青蓮はそばから離れられない。仕方なく侍女・染雲(ゼンウン)に頼むことにしたが、決して人の手に渡してはならないと厳命した。染雲は急いで朗月閣を出た。そこに王妃が現れ、足止めされてしまう。事情を聞いた方懐蕊は大事な役目を侍女に任せるとは何事かと駱青蓮を非難、自分が代わりに届けるという。すると染雲は機転を効かせ、汁物を忘れてしまったと断って慌てて引き返した。沈静妍を診た医官は不可解な症状だと首を傾げた。ともかく服薬して様子を診ることになったが、慌てて染雲が戻ってくる。すると話を聞いた慕海瑶は自分が代わりに届けると名乗りをあげた。慕海瑶は無事に食事を届けて帰ることにした。その時、ちょうど鄭大人の尋問に来た賀連信とかち合ってしまう。賀連信はまた企みかと構えたが、誤解だと分かった。「ご苦労だった、体調が悪いのであろう?無理するな」「失礼したします…ゴホッゴホッ」鄭大人は手厚くもてなされながらも黙秘を続けていた。そこで賀連信は黒幕から家族に手を出すと脅されているからかと探りを入れる。つづく( °◊° )見抜いていたか!って、みんな気づいてますけどw
2024.12.03
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岁岁青莲 Blooming Days第33話「消えない後悔」賀霊薇(ガレンビ)の輿入れが決まり、沈静容(シンセイヨウ)を傷つけた負い目を感じる駱青蓮(ラクセイレン)。賀南昭(ガナンショウ)は母が従姉の逃亡を知らないことに気づき、動揺を隠せなかった。「もし姐姐が逃げ出したらどうなりますか?」「恐らく姨娘(イーニャン)が死罪になるだけでは済まない、再び戦火が燃え始める」「はっ!…それが」事情を知った駱青蓮は慌てて王府へ駆けつけ、賀霊薇が急病により来られないと嘘をついた。賀連修(ガレンシュウ)はすでに手を打っていた。その頃、六子・賀連値(ガレンチ)はジカルとの和平を覆すべく、霊薇に刺客を放つ。すると計画に気づいた五子・賀連佐(ガレンサ)が現れた。「戦をさせるため姪を捕えるというのか?」「五兄、姪より私たちの前途の方が大切だと思いませんか?」「前途?…ふふっ、前途ね」賀霊薇は侍女とわずかな護衛で山道を疾走していた。しかし刺客に襲撃され、護衛と侍女が殺されてしまう。もはや絶体絶命、その時、駱青蓮の命で駆けつけた賀南昭が矢を放ち、霊薇を救った。賀南昭は侍衛が応戦している隙に霊薇を連れてこのまま逃げることにした。すると賀霊薇は今さらながら事の重大さに気づき、王府へ戻るという。姉の決断に敬服した南昭は馬車を引き返すことにした。「姐姐、約束するよ、ツェレンが姐姐を冷遇したら私が滅ぼしてやる!」しかし帰路で今度は村人に扮した刺客が襲ってきた。その時、突如、黒装束の男が現れ、刺客を阻んで南昭たちを逃してくれる。実は負傷しながらも南昭たちを助けたのは賀連佐だった。…三兄、私が犯した過ちは償えません、今、できるのはこの程度、どうか戦を終わらせて曲涼を平和にしてください…沈静容は腹を括り、罪を認めて安王に叩頭した。その時、賀南昭が駆けつけ、婚礼衣装を身にまとった霊薇を案内する。ツェレンは美しい花嫁に目が釘付け、そこで駱青蓮は改めてハーンに約束を守って欲しいと懇願した。「二度と曲涼と戦火を交えず、郡主を愛し、一生、大切にしてください」するとツェレンは安王に拝礼した。身を引き裂かれる思いで娘を送り出したのは賀連信(ガレンシン)も同じだった。そんなある日、追い討ちをかけるように生母・徳(トク)夫人の危篤の知らせが届く。しかし徳夫人は最期まで賀連信を拒絶し、遺恨を残して逝った。同じ頃、病に伏せっていた沈静容も命の灯火が消えようとしていた。駱青蓮は霊薇を逃せなかった責任を感じていたが、沈静容は昔のように碁を打ちたいという。「あの日は負けた方が餃子を作ることにしたのよね…最後は私が1目だけ勝った なぜ寡黙な私が大笑いして喜んだのか分かる? 碁に勝ったからじゃない、あなたがそばにいてくれることが嬉しかったの」それ以来、駱青蓮が自分を喜ばせるため勝ちを譲ってくれたことを沈静容は知っていた。今日も沈静容は1目だけで勝った。「約束してちょうだい、曲涼と穆(ボク)国が栄えるよう安王をおそばで支えて欲しい それでこそ霊薇はジカルで大切にされる」「約束する、必ず安王をしっかり支えるわ」そして沈静容は最期まで娘の幸せを願いながら、知己である駱青蓮の腕の中で息絶えた。不幸が続いた安王家。盟友を失った駱青蓮は未だ良心の呵責に苛まれていたが、それは賀連信とて同じだった。「母親は何も言わなかった…朝暉(チョウキ)院に着いた時にはすでに虫の息 霊薇の輿入れの頃から病だったらしい」実は徳夫人は賀連信に知らせるなと命じ、昏睡するまで誰も屋敷から出さなかったという。「人生に後悔はつきもの、それは変えようがない、残りの人生を全力で生きるのだ 歩き続けるしかない…」賀連信は駱青蓮を抱きしめ、悲しみを共有した。その様子を偶然、庭園を通りかかった方懐蕊(ホウカイズイ)が目撃する。青蓮は賀連信の胸で泣いていたが、ふと顔を上げると方懐蕊と目が合った。賀連信は呂北逸(リョホクイツ)に褒美を賜るため王府に呼んだ。「お前の3連勝がなければ和平の提案はなかった もみ殻の件も調べている、いずれ真相が分かるだろう 見当はついている、しかし証拠がなければ対抗できぬ」呂北逸は全力で曲涼の明主になろうとする賀連信の姿を見て、ある目的に気づいた。「先王が志したのは勤王の士となり陛下を救うことだったのでは?」賀連修は明日の封爵の大典を前に眠れぬ夜を過ごしていた。すると阮之湄(ゲンシビ)が現れ、夫が毒薬を持っていると気づく。「三兄に殺されるくらいなら自ら命を絶つ」「はっ!まさかもみ殻を混入したのは公子だったの? すべて上手く行くと言ったのに、なぜ勝手な行動を…」阮之湄は夫がまるで他人のようだと嘆いた。しかし賀連修は11年前の武器庫の一件でそもそも自分を捨てて八弟に乗り換えたのは阮之湄だと嘆く。「君を愛していたのに、君は王妃になる野望に燃え、私の心を踏みにじった! それでも夫婦だと?」「公子、私を責めているの?」「そうだ!この屋敷の主は私だ!君はしょせん私の女でしかない!」賀連修は思わず声を荒らげた。「夫妻はしょせん同じ林の鳥、災難に遭えば別々に飛んで行く」一方、方懐蕊もなかなか寝付けずにいた。王妃の座が手に入るのも目前、しかし王妃になったところで安王の心を奪った駱青蓮には叶わない。しかしそこへ思いがけず阮之湄がやって来た。封爵の大典、賀連信は皇帝から正式に安王の爵位を賜った。賀連修は礼(レイ)郡王に封じられ長史処を任され、賀連倚(ガレンイ)は義(ギ)郡王に封じられ兵馬司を任される。すると安王は早速、兵糧のもみ殻の件を断罪することにした。「徹底的に調べさせた、この中に結果がある、私もまだ見ていない 罪深い奸臣が誰か明らかになる!」しかし封書を開けた安王の顔色が一変した。賀連修は毒薬を口に入れようとしていたが、思わず手を止める。一方、睿(エイ)郡王邸では安王の聖旨が読み上げられていた。「嫡妻方氏を王妃に封じる、側室慕氏を側妃に封じる、側室駱氏を…」その時、突然、王府から宦官が駆けつけ、封爵の義を止めてしまう。実はもみ殻を混入した犯人は青蓮夫人の父・駱容与(ラクヨウヨ)だった。昨夜、阮之湄は方懐蕊に入れ知恵していた。『みじめな王妃になるのが嫌なら、安王が気にかける女を排除すればいいのです もみ殻の件を調査しているのはあなたの弟・方爾格(ホウジカク)ですよ?』つづく( ߹꒳ ߹ )霊薇ちゃんは幸せになれそう
2024.12.02
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岁岁青莲 Blooming Days第32話「平和のための花嫁」駱青蓮(ラクセイレン)が拘禁され、母の処遇に胸を痛める賀南昭(ガナンショウ)。しかしそばにはいつも母代わりの許奇柔(キョキジュウ)や沈静容(シンセイヨウ)と従姉・賀霊薇(ガレイビ)がいてくれた。そんな仲睦まじい関係を羨み、慕海瑶(ボカイヨウ)は久しぶりに許奇柔に接触したが、かつての同志は容赦ない。「感謝するわ、あなたのおかげで真の友情に出会えた 邪魔をしなければあなたを敵視しないから安心して でも私はおひとよしではない、一度、裏切った者はまた裏切る」こうしてまた心ある者が慕海瑶のもとから去って行った。…今のは私に何が残されているのだろう、後悔しても遅いの?…呂北逸(リョホクイツ)の登用が功を奏し、曲涼軍が連勝した。喜んだ安(アン)王・賀連信(ガレンシン)は直ちに兵糧を送って兵士を励ますよう指示したが、優勢だったはずの曲涼軍が大事な決戦で惜しくも敗北してしまう。実は軍営に届いた兵糧にもみ殻が混入、軍の士気が下がっていた。賀連信が呆然となる中、賀連佐(ガレンサ)はこれが四兄・賀連修(ガレンシュウ)の策略だと気づく。寵愛する駱青蓮を差し出せずに戦を選んだ安王がもし敗北すれば責任を問われ、王位は危うくなるはずだ。賀連佐は曲涼まで危うくする四兄のやり方に憤っていたが、その時、思わぬ報告が届く。ジカルの使者がすでに曲涼の城門に迫っているというのだ。懲理(チョウリ)院で使者の到着を聞いた駱青蓮はいよいよ自分が処刑されると悟った。そこで少しでも形見を残したいと刺繍の手を早めたが、突然、賀連信がやって来る。青蓮は別れを告げる機会を得たことに感謝したが、賀連信は青蓮も曲涼も守ると断言した。その夜、安王はジカルの使者のため歓迎の宴を開いた。宴には弟たちだけでなく夫人たちも列席、すると賀連信はまず弟たち1人1人を紹介する。「弟たちは私の肉親だが曲涼の要職も務めている 忠誠を尽くす対象は私ではなく大穆(ボク)であり曲涼の民である」すると使者は安王の言葉に感銘を受け、1杯、献じた。賀連信は次に夫人たちを紹介した。正室の方懐蕊(ホウカイズイ)、大将軍・慕天殊(ボテンシュ)の妹で側室・慕海瑶、すると最後に駱青蓮が現れる。すると賀連信は調査により献上品を燃やしたのは青蓮ではなかったと報告した。弟たちは驚いたが、使者は無実なら釈放は当然だと納得、確かに悪人には見えない美しい顔だという。「ご挨拶を…大人(ダーレン)」青蓮は使者に拝礼し、方懐蕊を一瞥してから着席した。和やかな雰囲気で進んだ歓迎の宴。やがて話が核心に迫ると、賀連信はこの逆境の中でも譲歩しないと啖呵を切った。「曲涼は征服を許さぬ、私が自ら出陣する、覚えておけ、2度目の勝利はないと」使者はハーンの予想通りだったと失笑し、安王も度量が大きいと称賛した。実のところジカルも3度の敗戦後、偶然に勝利したに過ぎないと分かっているという。「ハーンが私を派遣したのは和平のためです」すると使者は和親を提案した。沈静容の不安が的中、ジカルの使者はハーンの妃に安王の実の娘を望んだ。駱青蓮は沈静容のため賀連信の説得に向かったが、賀連信も人知れず苦しんでいると知る。霊薇は青蓮ら3人の母にとってはもちろん、賀連信にとっても誰より愛しい娘だった。「霊薇を嫁がせるおつもりですか?はるか遠く、砂漠の国なのですよ?」「私も辛い、だが父親との約束がある」賀連信は死んでも曲涼の民を守ると誓ったと明かしたが、青蓮は納得できなかった。「安王に命懸けでお仕えします、どうか霊薇の輿入れは断念を…」「蘇南春(ソナンシュン)、夫人のお帰りだ」駱青蓮はこのまま屋敷に戻ることもできず困惑した。すると蘇南春はあくまで自分の考えだと断り、使者に妃を選ばせてはどうかという。そこで青蓮は芳菲(ホウヒ)園を案内するという名目で使者を連れ出し、遠くから醜い化粧をした郡主の姿を見せた。さすがに容貌の悪い娘が妃になるとは報告できまい。しかし使者は和親の目的は戦の終結であり、人の美醜は外見ではなく心で決まると言った。「善良な郡主ならツェレンは死ぬまで郡主をそばに置き、寵愛するでしょう …小さな嘘で国が滅ぶこともありますよ?」駱青蓮の企みは使者に見抜かれていた。屋敷へ戻った駱青蓮はしみじみ使者の見識の高さに敬服していた。しかしふと一介の使者がハーンを呼び捨てにしたことに違和感を覚え、あの使者こそハーン本人だと気づく。一方、沈静容は青蓮に一縷の望みをかけて待っていた。青蓮は事情を説明し、霊薇にとって良き夫かも知れないと説得したが、沈静容を怒らせてしまう。その夜、南昭は辺境に嫁ぐ従姉へ別れの挨拶に向かった。すると沈静容が密かに霊薇を逃すつもりだと知り、慌てて引き返す。そして翌朝、霊薇は侍女と2人で裏門から脱出、馬車で逃亡した。輿入れ当日、清康(ケンコウ)殿では皆が霊薇が来るのを待っていた。南昭は急いで母に報告したが、駱青蓮は沈静容を傷つけてしまった負い目で見送りには行けないという。「え?では…」南昭はうっかり口を滑らせそうになった。どうやら母は何も知らないらしい。つづく(  ̄꒳ ̄)霊薇ちゃん、小さい時はめちゃくちゃ可愛かっ…ゲフンゲフン
2024.11.30
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岁岁青莲 Blooming Days第31話「王妃をめぐる暗躍」愛妻の駱青蓮(ラクセイレン)と赦免された慕海瑶(ボカイヨウ)に届いた豪華な褒美。嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)は落胆を隠せなかったが、最後に面目を守る重要な品を受け取った。「正夫人方氏に賜う物は…王妃の吉服である」感激した方懐蕊は真紅の吉服を愛おしそうに撫でたが、その時、突然、火がつき、燃えてしまう。すると驚いたことに残った燃えかすが蓮の花の形になった。↓( ꒪ω꒪)ちょっおま…①蓮の花は先帝の愛した前王妃と駱青蓮の好きな花だった。妻妾たちは青蓮夫人を王妃にするようにとの先帝のお告げではないかと噂する。そんな中、屋敷に戻ったばかりの慕海瑶は静観を決め込んだ。「徐良川(ジョリョウセン)、どう思う?」「黄燐(オウリン)を使ったのは明らかです、ただ蓮の花になるのは不思議ですね」徐良川は王妃になりたい駱青蓮の仕業だと断定したが、主なら将軍に頼めばその座を手に入れられるという。しかし主が本当に欲しいのは今でも肩書ではなく賀連信(ガレンシン)の真心だと知った。沈静容(シンセイヨウ)と許奇柔(キョキジュウ)もまた駱青蓮が回りくどい手を使ったと考えていた。しかし青蓮がてっきり2人の勇み足だと思っていたと明かし、互いに誤解だったと分かる。一体、誰が企んだのか。すると許奇柔が吉服の燃え方を見て思い出し、ある白い粉を手に入れていた。「絹雲母(キヌウンモ)という石を粉にすれば火を防げるの、これで蓮の形を残せたのね 手に入るのは王府の蔵のみ 安王と王妃の受封の日が近い、これから策略がうごめくわ」賀連信は兄弟の情を鑑みて阮之湄(ゲンシビ)の処罰を見送っていた。しかしそれが裏目に出てしまう。吉服に細工したのは阮之湄だった。侍女・流煙(リュウエン)は主の指示通りにしたが、新王が即位してしまった今、なぜ駱青蓮を消したいのか分からない。「負ける局面には必ず駱青蓮がいた、私が負けたのは信公子ではなくあの女」「なるほど、駱青蓮を消せば信公子は孤立無援ですね」阮之湄はすでに次の手を打っていた。王府の蔵の火災でジカルからの献上品が焼けた。官吏は直ちに駅館に駆けつけ謝罪したが使者は激怒、宣戦布告を待てと捨て台詞を吐いて帰ってしまう。その様子を駅館の向かいにある酒楼から賀連修(ガレンシュウ)が老五、老六と一緒に見ていた。戦となれば三兄の王位が揺らぐのは必至。賀連佐(ガレンサ)はさすがにやり過ぎだと焦ったが、四兄に諌言する勇気もない。一方、駱青蓮は許奇柔から受け取った証拠を庭の木の根元に隠していた。そこへジカルの献上品が焼かれたことが原因で戦になりそうだと知らせが来る。青蓮は急ぎ吉服の件を安王に報告することにしたが、漣微居(レンビキョ)を探っていた酔柳(スイリュウ)に全て見られていた。酔柳は駱青蓮が隠した証拠を掘り起こし、方懐蕊に渡した。「これで王爺(ワンイエ)は青蓮夫人を罪に問うはずです」しかし方懐蕊はこれが何の意味もないことを分かっている。安王の心である駱青蓮と安王の力である慕海瑶、お飾りの正室が蓮のお告げで降ろされることは必至だった。その時、侍従の景山(ケイザン)が駆けつける。「今朝、蔵へ行ったところ人影が出てきて、その後、すぐに中から火が出たのです その曲者を尾行したところ、修邸に入るのを見ました」方懐蕊は阮之湄を訪ね、釘を刺した。「受封の式典を阻めたとしてあなたに得るものがある? 四夫人、骨肉の争いで曲涼を滅ぼすつもり?」「決めつけているけれど証拠はあるの?」「証拠はないし必要ない、賢い選択をすることね、兄弟の殺し合いは避けて」予想外にも方懐蕊に弱みを握られてしまった阮之湄、しかし方懐蕊も清廉潔白ではないことを知っていた。「ではあなたは?…今、王妃を諦めたら一生、なれませんよ?」その頃、駱青蓮は清康(セイコウ)殿に安王を訪ねていた。すると驚いたことに生前、錦芳(キンホウ)が可愛がっていた鸚鵡がいる。あれから18年、于徳常(ウトクジョウ)が鸚鵡を預かっていたが、賀連信が引き取っていた。「献上品のことより王爺を傷つけたのは徳(トク)夫人ですね…」徳夫人は未だ賀連信の即位を受け入れられずにいた。「私も王爺を傷つけたことがあります、王爺の心は見えずらいので徳夫人の拒絶も無理はない でもぬくもりはあるはず、おひとりで無理なら私も温めます」「お前には苦労ばかりかける、王となった今、最高のものを与えたいが…」「はっ!王爺、実はお耳に入れたいことが…」しかし肝心の報告をする前に賀連倚(ガレンイ)が現れた。献上品が焼かれた現場で砕けた黄燐の瓶と駱青蓮の蓮の手巾が見つかったという。安王は自ら駱青蓮の審問を行なった。賀連修たちは駱青蓮が黄燐で蔵を燃やしたと断罪したが、青蓮はジカルと戦になって自分にどんな得があるのかと言い返す。確かに駱青蓮には動機がなかった。しかし思いがけず方懐蕊と酔柳が現れ、駱青蓮の目的は王妃の座だったと告発する。方懐蕊は吉服が燃えた事件を報告、実は漣微居で王府の蔵にしかない絹雲母を見つけたと明かした。恐らく蔵から絹雲母を盗み出そうとしてうっかり黄燐の瓶を割り、火事になったのだろう。「妹妹、そこまでして王妃の位が欲しいの?」青蓮は無実だと訴えたが、安王は公明正大さを示すため、ひとまず駱青蓮を懲理(チョウリ)院に拘禁すると決めた。↓( ꒪ω꒪)ちょっおま…②阮之湄は夫が自分に内緒で現場に足を運んだと知り激怒した。「万が一にも証拠を残せば死を招く災となるのよ?!」「之湄、私はただ…」「あなたはただ私に任せておけばいいの!」「…分かった」賀連修は妻に香り袋を贈るつもりだったが、結局、渡せなかった。沈静容と許奇柔は駱青蓮を懲理院まで送った。「恐れる者ほど辛抱ができない」許奇柔は現場に青蓮の手巾があったと知り、方懐蕊の仕業だと気づいた。方家は曲涼の旧主、ジカルとの戦は望まないはず、青蓮を罪人に仕立てて排除すれば戦を避けられる上、王妃の座を盤石にできる。「正夫人がまさか慕海瑶をしのぐ強敵だったとはね」しかし青蓮にとって最も辛かったのは方懐蕊の裏切りではなかった。「あの時、私が絶望したのは流産だけじゃない、愛する人が私を信じてくれなかったこと 同じだったわ」すると早馬が駆けつけ、青蓮に安王からの密書を渡した。…君を信じて助ける…賀連信は駱青蓮からの返信を受け取った。…あなたに感謝し、助けます…すると蘇南春が言づてを伝えた。「″曲涼の平和のために行きます″と…」翌日、賀連信は独りで呂北逸(リョホクイツ)を訪ねた。本来なら約束通り呂北逸の身分を回復したいが、内憂外患で地位も不安定、時機ではないという。「だが誰かが解決してくれるなら…」呆れた呂北逸は配下に相談しろと一蹴、賎民では出仕も叶わず力になれないという。「ではあの者のためと言ったら?」駱青蓮は自分を陥れた黒幕が賀連修だと気づいていた。すると曲涼軍が出兵したと知らせが届く。実は賀連修は呂北逸を派遣し、巧みに勝つよう命じていた。『注文は2つ、ひとつは死傷者を以前の半数以下に 2つ目は武器の接収を以前の倍にしてくれ』『そこまで栄誉にこだわる必要が?』『今の曲涼には必要だ』…駱青蓮のため出兵した安王しかし賀連信にとって駱青蓮は今回の戦の表向きの理由でしかなかった先王が逝去し、異民族は虎視眈々と曲涼を狙っている曲涼の将官と民の新王に向ける目は厳しかった賀連信は己のため、曲涼のため、戦わざるを得なかったのである父親との約束、穆(ボク)国を守るために…つづく( ˊᵕˋ*و(و” シカノコノコノココシタンタン♪シカノコノコノココシタンタン♪シカノコノコノココシタンタン♪
2024.11.29
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岁岁青莲 Blooming Days第30話「安王の死」安(アン)王が倒れたと聞いて重臣たちが集まる中、四子・賀連修(ガレンシュウ)は静かに吉報を待った。やがて清康(セイコウ)殿に駱青蓮(ラクセイレン)からの知らせが届き、賀南昭(ガナンショウ)が亡くなったと分かる。密かにほくそ笑む賀連修。一方、孫の死を知った賀雲朔(ガウンサク)は絶望の中、右長史・顧斯年(コシネン)と左長史・斉良甫(セイリョウホ)を呼んだ。その頃、五子・賀連佐(ガレンサ)は三兄・賀連信(ガレンシン)を足止めし、一触即発となっていた。しかし思いがけず早馬が到着、賀南昭の訃報を聞いた安王が危篤だという。それでも賀連佐は道を開けなかった。「五弟!お前も父親なら子孫を失う痛みが分かるはず! 何より人の子として父親(フーチン)の死に目に会いたくないのか?!」賀連信の説得もむなしく賀連佐は射手隊へ合図を送ろうとしたが、結局、良心を捨てられなかった。奥殿から出てきた顧斯年は安王の命として賀連信に中へ入るよう伝えた。三兄が来ないと知っている賀連修は余裕の表情、すると六子・賀連値(ガレンチ)が今や父王の名代となった三兄は気が緩んでいると揶揄し、待つ必要はないという。「誰が父親を待たせると?!」すると予想に反して賀連信が現れた。賀雲朔は賀連信だけを奥殿に呼び、掛け軸を渡した。「″一時を忍び、百日を享受す″…暇があれば眺めよ、そなたの″清康殿″にかけるのだ」実は賀雲朔は賀連信が情義に厚く、能力もあり、政の手腕や気迫も十分だとすでに認めていた。「安王の爵位はそなたに継がせたい、それなら王位も安泰だ 賀連信、天に誓ってくれ、これから話すことを決して漏らさぬと…」賀連信は三つ指を立て、決して秘密を漏らさないと約束した。「もし誓いを破った時は…」「駱青蓮だ、駱青蓮を懸けて誓え」「誓いを破った時はこの賀連信、駱青蓮と添い遂げること叶わず、孤独に生涯を閉じます」すると賀雲朔は化粧箱に大切にしまっていた壊れた玉佩を渡した。…先帝の崩御で幼い時に即位した皇帝当時、皇帝は密かに賀雲朔と接触し、曲涼の繁栄に全力を尽くすよう頼んだしかし穆(ボク)国は丞相の天下、賀雲朔は皇帝をそばで守りたいと固辞する『離れてこそ生き延びられる、私は心配ない そなたが富を築いて強兵を擁した暁には奸臣を排除できる 私は何十年でもここでそなたの帰りを待つ』皇帝は約束の証しとして自分の玉佩を賀雲朔に渡そうとしたその時、見張りの侍衛が急に駆けつけ、驚いた皇帝はうっかり玉佩を落として割ってしまう『陛下!急がねば丞相の者に見つかります!』すると賀雲朔はその場で拝命、壊れた玉佩を拾った…賀連信は父がこれまで曲涼の繁栄に精魂を傾けてきた理由を知った。しかし丞相は一日千里の勢いで勢力を伸ばし、今やもう賀雲朔に皇帝を救う力はない。「40年経った…陛下も齢50を過ぎ、あとどれくらい待ってくださるか… お前が王位を継ぎ、大望を果たしてくれ」その話を扉の前で聞いていた総管・于徳常(ウトクジョウ)はあふれる涙を止められなかった。賀雲朔は老四、老五、老六を呼んだ。「私が去ったら三子・賀連信が安王の爵位を継ぐ」兄弟たちは呆然となったが、衰弱した父王を前に新王を全力で支えると誓うしかない。南昭のことは賀雲朔の唯一の心残りとなったが、その時、急報を聞いた于総管が慌てて戻って来た。「王爺、ヒソヒソヒソ…」すると賀雲朔は高笑いし、満面の笑みを浮かべてからふいに事切れた。「父親!」安王が逝去した。新王誕生につき曲涼城は7日間、封鎖されることが決まる。漣微居(レンビキョ)で静かにその時を待つ駱青蓮。するとついに安王が賀連信を後継者に指名したと報告が届いた。「安王はもうすぐお戻りになるそうです!」安堵した駱青蓮は力が抜けたように腰掛けたが、二度と先帝と会えないと思うと悲しくなった。安王・賀連信が屋敷に戻った。妻妾たちは前庭で新王を出迎えたが、駱青蓮の顔を見た賀連信は南昭を思うと何ともやるせなくなってしまう。しかしその時、思いがけず死んだと思っていた南昭が現れた。「南昭がご挨拶を!」実は駱青蓮は死を偽装して南昭を守り、さらに先王が南昭のためでなく賀連信を継承者に選んだのだと知らしめたのだった。…呂北逸(リョホクイツ)はいきなり短剣を出して南昭に切り掛かったしかし呂北逸が殺したのは賀連修が放った刺客たち、南昭を無事に母の元へ帰してくれるそこで駱青蓮は呂北逸を訪ね、もし賀連信が後継者争いに破れた時は南昭を守って欲しいと頼んだ『では君は?彼と生死を共に?あの男がそれほど大事なのか』『共にいられるなら生死はどうでもいい』駱青蓮は誓いの櫛を再び呂北逸に返し、この世の情は1つではないと言った。『命を託せる知己の情もあるわ』…賀連信は先王の逝去で3年は喪に服すことになった。その間、妻妾たちは睿(エイ)郡王府から出ることができなくなる。賀連信は駱青蓮との別れを惜しみながら門を出たが、すでに呂北逸が待っていた。「かつて青蓮は私に言いました ″公子が王位を狙うのは権力のためではない、明主になる自信があるからだ 曲涼の繁栄と民の平安を望み、自分なら出来ると信じている″と…」「かような夫人を得て私は満足だ」呂北逸は再び賀連信に仕えると決めたが、駱青蓮を取り戻すために裏切ったことは後悔していないという。「ならなぜ気が変わった?」「悟ったからです、それに明主が必要だ」すると総管となった蘇南春(ソナンシュン)が駱青蓮を連れて来る。実は賀連信は青蓮に伝えておかねばならないことがあった。「賀連化(ガレンカ)を止めるため慕天殊(ボテンシュ)を頼った その条件は慕海瑶(ボカイヨウ)の赦免だ…」そんなある夜、王妃の吉服に近づく怪しい影があった。安王から褒美が届くと聞いて妻妾たちは前庭に集まった。すると安王の使いは嫡妻ではなく、いきなり側室・駱青蓮に褒美を下賜する。しかし次の褒美は明らかに青蓮夫人より高価な品だった。誰もが方懐蕊(ホウカイズイ)への褒美だと思っていたが、その時、思いがけず慕海瑶が現れる。実はその褒美は慕海瑶のものだった。「皆さん、お久しぶり…姐姐、またお世話になります、過去のことは水に流して」「屋敷を取り仕切っているのは駱青蓮なの、世話が必要なら青蓮に頼むのね」方懐蕊は駱青蓮を盾にして慕海瑶を牽制したが、慕海瑶にやり返されてしまう。「青蓮、別院を去る時、私にくれた物を覚えている?今も大事にしているの 元気そうな妹妹を見て安心したわ、思いが天に通じたのね」つづく( ๑≧ꇴ≦)キター!
2024.11.27
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岁岁青莲 Blooming Days第29話「仁愛から偏愛へ」駱青蓮(ラクセイレン)の息子・賀南昭(ガナンショウ)は清康(セイコウ)殿にいた。安堵する青蓮だったが、総管・于徳常(ウトクジョウ)は安(アン)王が愛孫に会えるのも最後かもしれないと涙ぐむ。その時、南昭はうとうとしている祖父に上奏文を読み聞かせていた。すると薬の時間になり、宦官が安王の薬湯を置いて下がる。南昭は祖父に薬を飲ませようとしたが、安王はもはや飲んでも治らないと拒否した。「南昭、私が治らなかったどうする?」「必ず治ります!これからまだまだ学問や狩りを習いたいのです!」その様子を青蓮が見ていた。「爺爺(イエイエ)、薬を飲めば必ず治ります!」安王は南昭の必死の訴えに心を動かされ薬を飲んだが、その時、青蓮の姿に気づいた。安王は幼いうちに両親を次々に亡くし、16歳で大将軍となって戦功を挙げた。そして安王に封じられ曲涼に赴き、40数年が過ぎてもその栄光は衰えていない。しかし両親の愛を知らぬ人生は寂しいものだった。「南昭を羨ましく思う…」すると安王は青蓮と話があると言って南昭を下げた。「爺爺のために祈りに行ってくれ」安王は自分の病が重いゆえ、駱青蓮に何か望みはないか聞いた。しかし青蓮はないという。「老三を安王にとは願わぬのか?」「願います…それ以上に安王の長寿を願っています」「私には子孫が多い、だが私を心配してくれる者は少ない」安王は青蓮が自分を避けていたのは、王位を奪いたくないからだと気づいていた。「この身も長くない、王位も代替わりせねば… 曲涼のため明主を見つけるのも親孝行であるぞ?」青蓮はあふれる涙を拭いながら、安王のためにも民を幸せにしなくてはならないと心に誓った。一方、南昭は祖父の回復を祈るため、わずかな側近だけで寺にいた。しかし太監が現れ、徳(トク)夫人が呼んでいると口実をつけて控えていた染雲(ゼンウン)を連れ出してしまう。すると御堂に血まみれの侍女が倒れ込んだ。「刺客がいます!」小公子を警護していた衛兵は剣を抜いて中庭へ飛び出したが、その時、侍女がふいに立ち上がり、隠し持っていた匕首で拝んでいる小公子の背中を刺してしまう。阮之湄(ゲンシビ)の計画が成功し、屋敷に麻袋に入れた南昭の亡骸が届いた。あとは八弟・賀連化(ガレンカ)の到着を待つだけとなったが、そこに突然、右長史・顧斯年(コシネン)が勅旨を持って現れる。実は袋の中に入っていたのは南昭ではなく、防護服を着ていた替え玉だった。安王はこの企てを察し、南昭をわざと参拝に行かせて先手を打った。替え玉の少年と背中に刺さった凶器が動かぬ証拠となり、阮之湄は直ちに清康殿へ連行されてしまう。一方、母に無事を知らせた南昭は王府の偏殿にしばらく留まるよう命じられた。しかし窓から侵入した何者かに連れ去られてしまう。安王は自ら老四夫妻を審問。自分の優柔不断が虎を育ててしまったと嘆き、賀連修を懲理(チョウリ)院に収監するよう命じた。「証拠が揃ったら日を選び…」「王爺!」その時、駱青蓮が現れた。青蓮は敬愛する祖父が叔父を殺したとなれば南昭が悲しむと反対し、かつて子を失う痛みを味わったが、なおさら我が子を殺める苦しみは計り知れないという。「王爺にも後悔させたくないのです」しかし阮之湄は安王を買いかぶり過ぎだと呆れた。「安王は後悔などしない! 安王は仁愛を掲げながら、その愛で他者をさらに苦しめるの!」阮之湄は誰も口に出せなかった安王の偏愛を指摘、それがかえって賀連儲(ガレンチョ)や南昭を不幸にしていると訴えた。「世子を決められないのは子息が才子ぞろいゆえですって?違うわ! ″己を越える者がいない″と思っているからよ!」阮之湄はこれまでの鬱憤を晴らすと叩頭、全て自分1人の罪だと賀連修をかばった。しかし安王は阮之湄の諫言を責めず、むしろ老四に少しでもこの胆力があれば賀連化のために手を汚すこともなかったという。賀連修は父王が全てお見通しだったと知り、号泣した。そこへ助けたはずの南昭が失踪したと急報が届き、安王はあまりの衝撃で倒れてしまう。一方、賀連信は先祖供養の祭祀で無事に大役を果たしていた。すると蘇南春(ソナンシュン)が慌てて飛び込んでくる。「公子!お戻りください!小公子が大変です!」阮之湄はひとまず収監されることになり、処分は後日に決まることになった。すると連行される愛妻を追って賀連修がやって来る。顧斯年は夫婦の最後の別れを見逃したが、阮之湄は人目もはばからず夫に抱きつき、気づかれないよう伝えた。「私が必ず罪から守ってみせます、まだ王位を継ぐ望みはあるわ」しかしその言葉を聞いた賀連修は落胆してしまう。「罪を負ったのは王位のためか…南昭の件は?君ではないのなら誰だ?」「権力争いとは関係ないのかも、1人います」阮之湄が予想した通り南昭を連れ去ったのは呂北逸(リョホクイツ)だった。賀元雪(ガゲンセツ)は食事を作りながら、納屋から漏れ聞こえる話し声に気づいた。どうやら呂北逸が誰かを拉致したらしい。その時、呂北逸は自分が南昭の両親の旧友だと明かしていた。しかし自分は善人ではないと脅す。南昭は男が王府で自分を殺さず連れ去ったことから、寺で襲ってきた刺客たちとは違うと分かった。実は聡明な南昭は刺客を放った黒幕が四叔父だと気づいている。「なぜか分からない、尊敬する四叔父がなぜ私を憎むのか」「功利のために人は必死になるものだ」呂北逸は南昭を立ち上がらせた。その時、南昭が肌身離さず持っている櫛を落としてしまう。「はっ…それは娘(ニャン)から?何か意味でも?」「旧友の持ち物だそうです、ある字を戒めにしろと…″義″です」呂北逸は武器庫の一件で駱青蓮が拉致された時、客桟で聞いた青蓮の言葉を思い出した。…この世は義理より利益を求める人が多い…「11年が経った、君にとって私は今もなお裏切り者なのか?(ボソッ」その時、庭から賀元雪の声が聞こえた。「北逸?薪をお願い!」呂北逸は仕方なく南昭を縛り上げて口を覆い、何食わぬ顔で賀元雪と昼食を共にした。すると賀元雪から遠回しに自分のために他の命を犠牲にするのは身勝手だと責められてしまう。「知っていたのか」安王は意識が戻ると駱青蓮を呼んだ。「確かに私は独りよがりで南昭を危険にさらした…私が間違っていた」安王は阮之湄に指摘された通りだと自責の念に駆られながら、今回は老四と阮之湄の仕業ではないという。「私もまだ甘い…他に誰がいる?」すると駱青蓮は賀家の血を引く南昭なら必ず無事に生還すると安心させた。賀元雪は納屋にいるのが三兄と駱青蓮の子だと気づいていた。「考えてみて、四哥が見返りに駱青蓮をくれたとしても、息子を殺したら許されないわ」「君は私があの子を殺すと?」一方、賀連信は急ぎ側近を連れて曲涼を目指し馬を駆けていた。しかし道中、四兄に従う賀連佐(ガレンサ)に足止めされてしまう。南昭は納屋に落ちていた陶器のかけらを見つけ、自分で縄を切った。しかしうっかり物音を立て、外へ出ようとしたところで呂北逸に捕まってしまう。「北逸っ!…南昭、逃げて!」賀元雪のおかげで南昭は自分をさらった男が″呂北逸″だと知り、逃げる必要がないと分かった。「物心ついた頃に娘が言った、私には味方が6人いると… 父親(フーチン)、母親(ムーチン)、爺爺、奇柔(キジュウ)娘、静容(セイヨウ)娘 そして面識がない呂北逸だ、父親以外では最も娘に優しい人だと聞いた」実は南昭が持っていたあの思い出の櫛の意味は、その情義を学ぶことだという。すると呂北逸がいきなり短剣を出して南昭に切り掛かった。安王の前では気丈に振る舞う駱青蓮だったが、独りになると涙があふれた。清康殿に官吏たちが駆けつける中、賀連修は静かにその時を待つ。果たして南昭の生死は…。つづく( ˙꒳˙ )お?阮之湄がここで退場?するとやはりラスボスはあの人ですか?
2024.11.26
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岁岁青莲 Blooming Days第28話「新たな世継ぎ候補」辺境の警備を命じられた賀連倚(ガレンイ)。東籬(トウリ)は倚公子への秘めた想いを賀連信(ガレンシン)と駱青蓮(ラクセイレン)に打ち明け、奴婢として賀連倚についていきたいと懇願した。「情に厚く、勇気にあふれ、見返りを求めない…あなたたちは同じね」賀連信は青蓮に決断を委ねると、青蓮は東籬のたっての願いを叶えた。世子が廃されて数ヶ月。賀連儲(ガレンチョ)を見限った安(アン)王は過去への執着を手放すかのように賀連信と駱青蓮の息子・賀南昭(ガナンショウ)を王府に呼び寄せ溺愛した。そんなある日、睿(エイ)郡王邸に南昭を迎えに来るよう知らせが来る。実は賀連信が息子を恋しがる青蓮のため、以前から父王に頼んでいた。「だが南昭が戻ると私が冷遇されそうだな…ふっ」一方で嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が養育する賀時児(ガジジ)は父とめったに会えず、もはや顔も忘れそうだと嘆いた。そこで方懐蕊は時児を連れて且歌苑(ショカエン)を訪ねることにしたが、偶然、賀連信と駱青蓮が出かける姿を目撃、断念する。「今日はやめておきましょう」安王は両親が迎えにきてもなかなか南昭を離せなかった。そこへ思いがけない知らせが届く。賀連儲が自害を図り、賀連信と同腹の八子・賀連化(ガレンカ)のおかげで事なきを得たという。「廃された世子にも手を差し伸べるとは大したものだ、明日、老八を呼べ」青蓮は安王が今も賀連緒を思って心を痛めている姿に同情した。曲涼の主としてこの30数年、心を砕いて多くのものを犠牲にしてきた分、悲しみや失望も大きいのだろう。これほど英明な安王さえ、亡き王妃の忘形見のこととなるとお粗末な対応だった。青蓮はこれも子への愛ゆえなのだと理解できたが、そんな安王の心を傷つけているのが息子たちの権力争いだと思うとやるせない。すると賀連信はしみじみ王位継承への道は険しいと漏らした。賀連修(ガレンシュウ)は嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)から二兄が自害したと聞いた。「私が化公子に伝えて助けてもらったわ、忠実な官吏も手放した、化公子に仕えさせる」阮之湄は武器庫を失った賀連修に王位を継ぐ見込みはないと判断し、代わりに対抗する力があれど操りやすい賀連化に白羽の矢を立てたという。賀連修は妻から見放されたと悟り、妻の心にあるのは王位だけだと落胆した。それから11年後…。病が続いていた安王は清康(セイコウ)殿に閉じこもり、10日間も朝議を開かなかった。その日も兄弟と官吏たちは前庭に集まっていたが、門が開く様子はない。すると総管・于徳常(ウトクジョウ)が現れ、安王の勅命を口頭で伝えた。「王爺は病のため、信公子が先祖供養を代行するように…」この決定を聞いた徳夫人(トクフジン)は急いで謁見に向かったが、安王に追い返されてしまう。実はその時、奥殿には右長史・顧斯年(コシネン)がいた。安王は徳夫人が戦功を挙げた息子・賀連化に先祖供養を任せないことが不満だと分かっている。「私も意外に思いました、化公子の声望は高まり、大軍も握っていますから…」しかし顧斯年は安王が南昭のために世継ぎを選ぶつもりだと拝察した。恐らく誰もが同じように思っているだろう。安王の予想通り賀連修は10年も悪戦苦闘した挙句、子供に負けたと逆上していた。賀連化を担ぎ上げた阮之湄も困惑、まさか昭徳将軍止まりとは予想外だという。「でも私はあきらめない、まだ望みはあるはず…王爺の視線を遮る者を消せばいいのよ」賀連信は急ぎ慕天殊(ボテンシュ)に文を送り、駱青蓮に供養代行を任されたと報告した。先祖供養は王位継承の一歩手前、賀連信は待ちに待った機会を得られたという。青蓮は賀連信が子を頼って得た王位ではないことを知らしめるため、安王に認められたいのだと分かった。「王爺もお年を召された、でも頭は衰えていない、王爺なりの考えがあるのです」「そう言ってくれるのはお前だけだ」すると賀連信は自分の留守中、南昭を連れて王府に移るよう頼んだ。「父親の近くの方が安心だ」賀連信が予見した通り賀連化は曲涼へ向かった。すでに曲涼への道中に伏兵を置いていた慕天殊は賀連化が軍営を出たと報告を受け、直ちに阻止するよう伝令する。一方、駱青蓮は南昭を連れて王府に入った。徳夫人の侍女・秋実(シュウジツ)は青蓮夫人たちを寝殿まで案内する道すがら、南昭に作りたての菓子を勧める。青蓮は部屋に入ってから食べると断ったが、結局、秋実は持って帰ってしまう。「ふっ、どうやら徳夫人の気が変わったのね 南昭、持参したもの以外は決して口にしないで、いいわね」青蓮は何人もの手を経る食べ物を最も警戒していた。「匕首は持ってるわね、油断は禁物よ」安王が昼寝から目覚めると、駱青蓮が差し入れたお茶があった。青蓮は南昭を連れて挨拶に来たが、安王が寝ていると聞いて帰ったという。「近頃、青蓮に変わったことは?」「相変わらず落ち着いた様子です、ただ小公子から離れようとしません」徳夫人は風邪を理由に駱青蓮と孫の挨拶を断った。しかし青蓮は嫁として世話をしたいと生姜汁を差し入れる。徳夫人は受け取ったものの口をつけず、賀連信が王位に就けば青蓮が事実上の嫡妻だと嫌味を言った。「安王が老三を重用するのは優秀な孫のおかげだと今日、知ったわ 老八は日々、戦に明け暮れているのに、あんな子供に負けるなんて…」「夫人、考え過ぎです」青蓮は確かに賀連化こそ継承者に相応しいが、今は辺境にいるため賀連信が先祖供養を任されたに過ぎないと安心させた。徳夫人が懿(イ)夫人の元で育った賀連信より、朝暉(チョウキ)院で自分が育てた賀連化を溺愛するのも仕方がなかった。それにしても賀連信の重用が南昭のおかげと聞くや孫まで嫌うとは…。駱青蓮は帰りの道すがら、世事に疎い徳夫人がどこからそんな噂を聞いたのか訝しんでいた。「やはり青蓮夫人は″解語の花″ね」その時、思いがけず阮之湄が現れた。阮之湄は徳夫人がふさいでいると聞いて差し入れを持ってきたと話した。「徳夫人は化公子の王位継承を願っていたから…」「之湄夫人の率直さに感服します、ただ世継ぎ選びに女が口を挟むべきではない」「女なら誰しも夫の出世を願うもの、青蓮夫人も同じでしょう?」阮之湄は意味ありげに微笑んで先を急いだ。すると背後から青蓮の声が聞こえる。「本当に夫のためですか?自分の望みではないと言い切れると? では失礼します…」駱青蓮は自分と徳夫人の会話がすでに阮之湄の耳に入っていることに驚いた。しかも安王と自分しか知らない″解語の花″という言葉をどうやって聞いたのか。「勘が鋭く耳も早い、本当にやり手だわ」一方、阮之湄も駱青蓮を改めて手強い相手だと認識していた。あの様子からして南昭は厨房に忍び込んで毒を入れた菓子も食べていないのだろう。「手はずは整った?」「夫人、ご安心を…明日を待つだけです」その夜、賀連信は慕天殊からの密書を受け取った。…海瑶(カイヨウ)夫人を赦免してくださるなら、公子の王位継承に全力を尽くします…先祖供養当日、駱青蓮は南昭が刺客に襲われる悪夢を見て飛び起きた。嫌な予感がした青蓮は身支度もせず寝所を飛び出したが、南昭の部屋はもぬけの殻。何でも今朝、于総管が安王の命で南昭を連れて出かけたという。つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!まさか総管?!
2024.11.25
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偷偷藏不住 Hidden Love第4話急用ができた桑延(サンイエン)の代わりに桑稚(サンジー)を学校まで迎えに行った段嘉許(ドワンジアシュー)。しかし正門に桑稚の姿はなく、守衛さんに探してもらったが、すでに教室には誰もいないと分かった。その頃、桑稚は同級生の殷真如(インジェンルー)に誘われ、買い物に出掛けていた。「時間がないから急ごう、迎えが来るの」「桑稚、あの路地に入ろう、ネットカフェに行ってみたくて」「でも先生があの辺は危険だって、やめようよ?」桑稚は引き返そうとしたが、殷真如は怒って独りで行ってしまう。一方、段嘉許は桑稚を探し回っていた。すると運良く足を怪我した女の子を見かけたという店主を見つける。「2人でその路地を入って行ったよ」殷真如を追いかけ、人通りのない路地へと入った桑稚。すると不良少女3人に脅されている殷真如を見つけた。殷真如はお金なら友だちが持っていると訴え、桑稚まで巻き込まれてしまう。少女たちは桑稚のクマの財布を取り上げ、他に金目のものがないと分かると2人を解放した。しかし明日の放課後も金を持ってこいと脅されてしまう。桑稚は親友がなぜ自分を買い物に誘ったのか分かった。「昨日、絡まれて…桑稚、ごめん、お金がなくて仕方なかったの」「傳正初(フージョンチュー)の誕生日会以来、私を無視してたよね?変だと思った」桑稚は家に帰ったら両親に全て話すべきだと訴え、独りで学校へ戻ることにした。「桑稚…許して」「ついてこないでっ!」桑稚の怒号を聞いた殷真如はそれ以上、引き止めることができなかった。桑稚は怒りと悲しみの中で必死に足を引きずりながら前に進んだ。「サンジー!」桑稚が顔を上げると、思いがけず通りの先に段嘉許の姿が見える。「どこにいた?!電話も出ないし…なぜ学校で待っていなかった?!」段嘉許は叱りながら歩いて来たが、今にも泣きそうな桑稚の表情を見て何かあったと気づく。「大丈夫だ、俺がいる」すると段嘉許は桑稚を抱きしめ、慰めた。〓第四篇 ~ひそかな想い~ 私の秘密〓段嘉許は桑稚が友だちのせいで不良に絡まれたと知った。「殴られたのか?!手に怪我してる!」「違うの、顔を叩いて私の財布を持って行っただけ、手は自分でぶつけたの でも明日も金を持って来いって…ジアシュー哥、私なら大丈夫」しかし段嘉許は何やら悶々とした様子だった。段嘉許は桑稚を励ますため、自転車を借りて少し遠回りしながら送ることにした。初めて通る道は街路樹が美しく、憧れの段嘉許と2人だけで過ごす時間が自然と桑稚に嫌なことを忘れさせてくれる。「卒業したら宜荷(イーホー)に帰るの?」「…考え中だ、南蕪(ナンウー)も好きだよ」こうして家まで段嘉許に送ってもらった桑稚。すると別れ際、段嘉許は桑稚が困らないようお金を渡してくれた。その夜、桑稚は段嘉許への淡い恋心に気づいた。…秘密ができた、あまり認めたくないけれど、私はあの人を好きになったみたい、段JiaXu…桑稚は短冊に自分の秘密を書いて星型に折りたたみ、思い出の牛乳瓶に入れた。10月27日火曜日の絵日記あなたを好きになったみたいそんなある日、下校する桑稚の前に兄とルームメートを連れた段嘉許が現れた。すると桑延(サンイエン)は妹に不良がたむろしている路地まで案内させ、段嘉許たちと仕返しに行く。「妹から50元を奪って顔を叩いて脅したのか?」「確かに取ったけどそれだけよ!」「金額は関係ない、妹に手を出せば俺が許さない…カツアゲしてないでちゃんと勉強しろ!」桑延は妹の財布を取り戻し、無事に桑稚に返した。喜んだ桑稚は段嘉許に昨日のお金を返したが、2人が何やらコソコソ話している様子はまるで本当の兄妹に見える。11月11日水曜日の絵日記哥哥が言った、ジアシュー哥の方が私の本当の兄のようだって桑稚は確かに中学2年生の頃、段嘉許が本当の兄なら良かったと考えたことがあった。…彼はすごく心優しい人で、私が困っていたら必ず手を差し伸べてくれる、私も早く成長して優しくなりたい、彼のように誰かを温めてあげたいな…桑稚は段嘉許から受け取った電球を引き出しにしまったままだった。ある夜、桑地はふと思い出して電球を取り出し、器用に段嘉許が自分の頭を撫でている絵を描く。部屋の電球はまだ切れていなかったが、桑稚はそのライトに付け替えた。殷真如は結局、転校が決まった。他校の生徒から金銭を脅し取られる事案が続いていたが、殷真如の告発で加害者もすでに処分を受けたという。…桑稚、ごめん…最後に殷真如は桑稚に小さなメモだけ残し、去って行った。桑稚は成績優秀だったが、物理が苦手だった。桑栄(サンロン)と黎萍(リーピン)は娘の期末テストの成績を見て慌てたが、桑稚はむしろ赤点を取らなかったことに驚いている。「物理は嫌いだから授業を聞いていなくて、一夜漬けだったのに?おおお~ きっと今後の人生でも物理は必要ないはず…そうでしょう?」しかし桑栄は苦手科目を強化すべく、この冬休みは娘に物理の家庭教師をつけると決めた。桑稚の家庭教師は兄の桑延だった。しかし実の兄妹のため互いに遠慮がなく、結局、大げんかになってしまう。桑延は両親に別の家庭教師を探すよう訴えたが、桑栄と黎萍は娘が知らない男と2人きりになるのは心配だと反対した。桑稚はこれでしばらく物理から解放されると喜んだ。しかしその夜、母が新しい家庭教師を見つけたと報告する。「明日の朝10時に来るから、早く休みなさい」桑稚は絶望した。まさかこんなに早く代わりの家庭教師が見つかるとは…。桑稚は家を抜け出そうと思いついて着替えたが、夜が明けるのを待っているうち眠ってしまう。つづく(ˇ꒳ˇ *)そりゃ惚れてまうわな
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第27話「謀反の証拠」何者かに連れ去られた駱青蓮(ラクセイレン)。桓(カン)州への道中で急報を聞いた賀連信(ガレンシン)は直ちに引き返したが、なかなか青蓮の消息はつかめなかった。その頃、青蓮は見知らぬ男に監禁されていた。男は自分と一夜を共にすれば命を助けると迫ったが、青蓮は賀連信が許さないと啖呵を切る。「鉄くずさえ見つけられないでいるのに、お前を探せると思うか? そもそも地図があってもこんな荒れ野の小屋を見つけるのは無理だ」「…地図、鉄くず?ふっ、分かった」すると青蓮はかんざしを抜いて自分の首に当てた。「近づいたら死ぬ!」驚いた男は慌てて離れたが、嫌でも腹が減って眠くなるだろうと冷笑した。東籬(トウリ)は責任を感じ、この2日間、飲まず食わずで主を探していた。すると賀連倚(ガレンイ)がふらふら歩いている東籬を見かけ、咄嗟に抱きかかえて回廊の椅子に座らせる。「少し休め」「私が無能なせいで小姐がこんなことに…」「それは違う」賀連倚は独りで歩いて戻って来た東籬の手が虫に刺されて傷だらけだと気づき、薬を塗てやった。その時、東籬は暴漢の手に珍しい形の虫刺されの跡があったことを思い出す。「ムカデのような赤い筋の後を残す虫は?」「そうだな、郊外の荒れ野に生息する虫だろう…はっ!」阮之湄(ゲンシビ)は配下に駱青蓮の始末を命じていた。しかし配下が小屋に駆けつけた時、ちょうど賀連信と賀連倚が乗り込んで来る。青蓮はすっかり憔悴して眠っていた。それでも自分の身を守ろうと無意識にかんざしを何度も突き立てたのか、首に無数の小さな刺し傷がある。賀連信は思わず剣を握りしめたが、生き証人である男2人を成敗することはできなかった。賀連信たちは桓州に到着、駱青蓮を静養させながら捜査を開始した。駱青蓮を拉致した男たちはなかなか口を割らなかったが、賀連信は賀連修(ガレンシュウ)の配下だと分かっている。こんな手を使うとはよほど窮しているのか、恐らく桓州と何か関係があるのだろう。すると床を離れた青蓮が顔を出した。「修公子の桓州での企みが分かりました、武器庫です」賀連修が駱青蓮を拉致したのは地図を取り戻すためだった。青蓮は監禁した男の話から例の地図が桓州における鉄鉱石の分布図だと気づいたという。「謀反の証拠となります」一方、青蓮の危機を知った呂北逸(リョホクイツ)も荒れ野へ駆けつけていた。しかし小屋はもぬけの殻、そこで賀連信たちを追って桓州へ到着する。すると偶然にも客桟から出て来た東籬を見かけた。呂北逸は客桟の回廊で話し込んでいる駱青蓮と賀連信を見つけた。どうやらすでに武器庫の件がばれてしまったらしい。賀連信は呂北逸の助けがなければ賀連修が武器庫を作れなかったと分かっていた。「誰に仕えるかは呂北逸が選ぶことだ、それは構わぬ だがお前の生死まで気にかけぬようになるとはな」「この世は義理より利益を求める人が多い…」呂北逸は一刻も早く手を打たねばならず、そこで帰ってしまう。しかし青蓮の話には続きがあった。「でも逸哥哥は違う、修公子に利用されたのでは?」やがて伝令兵が駆けつけた。賀連倚が武器庫を発見したという。賀連倚は武器庫をあっという間に制圧、大量の武器と多額の銀子を発見した。それ以外にひとつだけ錠のかかった箱があり、賀連信たちを呼んでから一緒に開けることにする。駱青蓮も同行したが、武器庫を制圧する時間があまりにも短いと怪しんだ。「修公子にとって命綱である武器庫なのに…」しかし賀連倚は問題にせず、錠を破壊して箱を開けてしまう。すると驚いたことに偽の安王印と安王討伐を訴える檄文が出てきた。「四哥、何と大それたことを…(はっ)違う、世子だ!」実は檄文の最後にある印章は賀連儲(ガレンチョ)のものだった。呂北逸はわざと武器庫を開け渡し、世子に罪をなすりつけた。世子が罰を受ける時は必ず報告者も罰するのが慣例。賀連信は追い詰められた賀連修が相討ちを仕掛けたと分かった。「ふっ、私の負けか…」その時、睿(エイ)郡王を敬愛する衛兵たちが自害して証拠を見なかったことにすると嘆願した。賀連信は自分のために生きて欲しいと訴え、何があっても戦うと安心させる。しかしそれが気休めでしかないことを青蓮も賀連倚も知っていた。賀連信一行は捜査を終えて曲涼(キョクリョウ)へ戻った。すでに民の間にも謀反の噂が流れ、恐らく父王の耳にも届いているのだろう。賀連信は別れ際、まもなく子供が生まれる賀連倚にお守りの長命鎖を渡した。「三哥は災いを免れまい、お前が父親になる姿は拝めないな」「ここでお別れです…兄弟の中で大切なのは三哥だけだった」すると賀連信は蘇南春(ソナンシュン)を賀連倚の屋敷へ向かわせ、外に出さないよう命じた。駱青蓮は賀連信の身支度を整えると、東籬に箱を持ってくるよう命じた。しかし東籬は困惑、口ごもってしまう。そこへ蘇南春が慌てて戻ってきた。「公子!倚公子は帰宅せずに王府へ行きました!」東籬はその場にひざまずき、実は安王印と檄文を入れた箱は賀連倚が持っていると明かす。実は東籬は桓州の客桟で公子たちの荷物をまとめている時、偶然、賀連倚が寝台に隠しておいた安王印を見つけた。東籬は倚公子が信公子の身代わりになるつもりだと気づいて反対したが、賀連倚は義のために犠牲になる精神を分かって欲しいという。『友である君なら理解してくれるはずだ』七弟の真意を知った賀連信はすぐ王府へ向かうことにした。すると駱青蓮がひざまずき、七弟の策に乗るべきだと進言する。「さもないと公子が罰を受け、倚公子も欺君の罪になってしまいます 倚公子の善意が無駄に…」一方、安王は老七が持ち帰った謀反の証拠に怒り心頭だった。しかし任務を任せた老三がいないことを訝しむ。賀連倚は自分が証拠を見つけたが、事が重大なだけに口外できなかったと釈明した。「三哥は何もご存知ありません」そこで安王はすぐ睿郡王を呼べと命じた。安王は賀連信に安王印と檄文を渡し、見覚えがないか確認した。すると賀連信は見たことがないと答えたが、実は噂には聞いていたという。「探しましたが見つかりませんでした、まさかここで見ることになるとは… 世子が謀反を起こすことはあり得ない、恐らく七弟の早合点でしょう」安王は賀連信が兄をかばっていると気づき、それ以上は追及しなかった。これまで多くの罪を犯してきた世子・賀連儲。しかしこれが最後の罪になった。安王は亡き王妃の忘形見への愛情に変わりはなかったが、世子としての期待を全て消し去ってしまう。結局、賀連儲は再び世子を廃され、懲理院に永久幽閉を命じられた。また賀連倚は本人の希望により、辺境の防御を任される。賀連信は四弟への恨みを募らせ、曲涼のためにも必ず賀連修の悪行を暴いてみせると誓った。賀連信が屋敷へ戻った。賀連倚が辺境へ行くと聞いた駱青蓮は任務も赴任への旅も辛いものだと胸を痛めたが、その時、急に東籬がひざまずいて嘆願する。「公子、小姐…私は倚公子についていきます」つづく( ๑≧ꇴ≦)世子wwwwww
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第26話「蓮灯の誓い」漣微居(レンビキョ)に戻った李塘(リトウ)。侍女たちは裏切り者に辛辣だったが、駱青蓮(ラクセイレン)が事情を明かしてくれた。実は李塘は静姝(セイシュ)館へ送り込んだ間者だったという。「あなたは私のために力を尽くしてくれた、身内も同然よ 辛かったでしょう?申し訳なかったわ」こうして誤解が解け、李塘は再び仲間たちに暖かく迎え入れられた。李塘は酒瓶が入った化粧箱を取り戻していた。実は底に地図が隠してあったという。南如珍(ナンジョチン)はこれが阮之湄(ゲンシビ)の弱みだと話していた。どうやら賀連修(ガレンシュウ)にとって大事な物のようだが、駱青蓮には地図が何を示しているのか分からない。「曲涼(キョクリョウ)城内でもない、村落でもない…どこかしら?」そんな中、睿(エイ)郡王邸に南如珍が死んだと知らせが入った。お腹の子を殺されて4年、駱青蓮は意外な形で敵討ちを果たした。しかし南如珍がどんなに苦しもうと自分の子が生き返るわけではなく、喜びより虚しさに襲われてしまう。南如珍の死で駱青蓮は栄華と人心の移ろいやすさを悟った。恐らく手に入れた賀連修の地図も諸悪の根源に違いない。曲涼の民の血税をこっそり吸い取り、賀雲朔(ガウンサク)や良吏(リョウリ)の政への心血をも吸い取ってしまう、言わば野心を満たすだけが目的の地図なのだ。その夜、駱青蓮は賀連信(ガレンシン)を未晞(ミキ)池に呼び出し、全てを明かした。「私には許しがたい罪があります、どうか処罰を…実は他者の手を借りて敵を討ちました」青蓮は子を失った日から真相究明に必死だった。今回も南如珍が賀連修の手先だと知り、李塘の裏切りを仕組んで証拠集めに行かせたという。しかし賀連信が何より傷ついたのは、青蓮が屋敷に戻るため、正気を失った芝居で自分の同情を買ったことだった。「公子が知っている駱青蓮は確かに善良で素直で率直、度量が広い… でもその駱青蓮は王府に入る前に死んだのです」「1つだけ聞く、私は復讐の道具でしかなかったのか?」「違うと言ったら信じてくれますか?」「…そうだな、信じられぬ」すると賀連信は帰ってしまう。許寄柔(キョキジュウ)はなぜ駱青蓮が己を悪者にするのか分からなかった。賀連信も女たちの戦いを重々、承知しているだろう。しかし駱青蓮は賀連信が愛したのが本当の自分ではないことが辛かった。「公子の理想の駱青蓮は幻影なの、幻影は苦しい、誰かを愛すると心が苦しくなる」郊外でひっそり暮らしていた呂北逸(リョホクイツ)の屋敷に賀連信が現れた。賀連信は最愛の人が嘘をついていたと知り、率直に明かされても今さら信じられないという。すると呂北逸は昔話を始めた。呂北逸が父から罰としてひざまずかされた時、青蓮が自分の家からこっそり食事を差し入れに来てくれたという。しかし青蓮の身体にあざがあることに気づいた。聞けば家から抜け出したせいで母親に叱られ叩かれたという。呂北逸は口実をつけて出かければ済むと呆れたが、青蓮は嘘が嫌だと言った。「嘘をつかぬのは1人で責任を取るため、しかし今は? 青蓮はあなたを失うのを恐れたのです だから青蓮は己を変える必要があった、純粋なままでは生き残れぬから… 青蓮が自分から嘘を打ち明けたのは本当の自分を愛して欲しいからです、幻想ではなく」その夜、駱青蓮は賀連信に呼ばれて未晞池に駆けつけた。すると池には蓮灯が浮かんでいる。「これは誰の蓮灯だと思う?」「…私です」「そうだ、これは別院で芝居をしていたお前、あれは策略を巡らすお前 これは初めて会った頃の私だ…」賀連信は全てを水に流し、やり直そうと言った。青蓮の長所だけでなく短所を知ってもなお離れられないのが本当の愛だという。「駱青蓮は蓮灯に誓います、公子には今後、真心のみ捧げると…」「賀連信は一生、疑わぬと誓おう」駱青蓮は李塘が事情を知らない使用人たちに白い目で見られていることを心配していた。そこで賀連信は折よく欠員が出た曲陰県に李塘を移すことにする。実は昨今、死刑囚が民を買収して身代わりにするという事件が頻発していた。しかし黒幕がつかめず、不正な金は桓(カン)州に集まっているという。賀連信は賀連倚と調査に出かけることになり、李塘を一緒に連れて行くことにした。駱青蓮は郊外まで賀連信たちの見送りに出た。李塘は主への大恩に報いる前に離れることが心苦しかったが、青蓮は功を成すことこそ恩返しになると励ます。「古傷があるから冷えには気をつけて…それから… 衣は用意したけれど、冬になったら綿入れを送るから」すると李塘はその場で叩頭し、出発した。「…私にも何かくどくど言ってくれ」賀連信は青蓮が弟のように李塘を心配する様子を羨やみ、七弟や蘇南春の失笑を買ってしまう。「笑うな!…行くぞ!」しかし青蓮と東籬(トウリ)は帰りの道すがら何者かに薬を嗅がされ、東籬が眠っている間に青蓮だけ連れ去られてしまう。賀連修たちが道端で休憩していると、早馬が追いついた。「公子、青蓮夫人が大変です!」一方、三兄の桓州行きを知った賀連修は慌てて配下に地図を奪うよう命じていた。しかし漣微居を探したが見つからず、配下は駱青蓮から聞き出すため拉致したと報告する。「愚か者!相手は駱青蓮だぞ?おまえごときに勝てるとでも?!」そこへ夫の下策を知った阮之湄がやって来た。賀連修は呂北逸の助けで桓州に築いてきたものが三兄に暴かれてしまうと釈明したが、阮之湄はかえって窮地になったと呆れてしまう。「駱青蓮を捕えれば三兄は命懸けで救うわ!…こうなったら殺して手を打つしか」いよいよ追い詰められた賀連修。あの地図のため妹を害し、手飼いの南如珍を切ったが、もはやこれまでなのか。そこへ呂北逸が現れた。「手を汚さず相打ちにすべきかと」「駄目だ、武器庫は私の命綱」しかし阮之湄は完敗するくらいなら差し違えようと言った。つづく( ̄▽ ̄;)男主と女主の大事なシーンなのに早送りしたい…なんてこれっぽちも思っていませんよ、え?|ω・`)
2024.11.21
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岁岁青莲 Blooming Days第25話「兄の敵」駱青蓮(ラクセイレン)の尽力で無事に男児を出産した南如珍(ナンジョチン)。賀連信(ガレンシン)は青蓮の寛容さに感心しきりだったが、嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)は子を殺された駱青蓮が南如珍を助けるとは到底、信じられなかった。「きっと何か別の狙いがあるはず…」その夜、賀連信は静姝(セイシュ)館で息子の昀(イン)をあやしていた。南如珍の話では医官から難産で生まれたため喘息の疑いがあると言われたが、香り袋があって幸いだったという。するとの駱青蓮の侍女・織月(ショクゲツ)が慌てて駆けつけた。「公子、大変です!漣微居(レンビキョ)に刺客が!」賀連信は慌てて漣微居に駆けつけたが、青蓮は無事だった。捕らわれた刺客は意外にも女だった。実はその女は駱青蓮の腹を刺した例の書生。趙清雲(チョウセイウン)は敵討ちのため男装し、亡き兄が一夜を共にした女の香りを探していた。そうとは知らずあの夜、駱青蓮が南如珍の香りをつけた手巾を見せたことから、趙清雲はてっきり兄の敵だと誤解し、腹を刺してしまう。しかし駱青蓮は長命鎖のおかげで無事だった。趙清雲は事情を明かし、目的があるなら協力したいと申し出る。『今生で兄の敵を討てなければ生きている意味などないわ』『なら睿(エイ)郡王邸に刺客として忍び込める?』…趙清雲は親を早くに亡くし、兄の趙清則(チョウセイソク)に育てられたすると半年前、夜半になって腹を刺された兄が命からがら帰って来たという出血がひどく手遅れだったが、趙清則は最後の力を振り絞り、何があったのか話してくれた趙清則は帰り道で路地を通った時、誰かに頭を殴られて気を失った気がつくとどこかの屋敷に運ばれ、何も見えない中で淫らな女に誘惑されたという結局、趙清則はその女と関係を持ったそれで終わると思ったが、非情にも解放された趙清則はいきなり刺されてしまう趙清則は死んだふりをして暴漢たちが消えるのを待ち、何とか家までたどり着いたそして妹に全てを明かして力尽き、絶命してしまう…趙清雲は駱青蓮に話したことをそのまま賀連信に伝えた。実は兄の身体には誘惑した女の香りが染みつき、その香りを手がかりに敵を討とうと誓ったという。「どの店でも見つからなかった、でも今日、大街にいたこの女から同じ匂いがした!」賀連信は驚いたが、ふと青蓮の香りがいつもと違うことに気づく。すると東籬(トウリ)が今日は愛用する沁宜(シンギ)香を切らし、確かに別の香りを借りたと伝えた。「確か名前は百…百ほにゃらら~?」「百悦香か…」賀連信はそれが南如珍の香りだと知っていた。「蘇南春(ソナンシュン)、直ちに妻妾たちを驚秋(キョウシュウ)院に集めろ」南如珍が子種をもらって出産、賀昀は賀連信の子ではないと分かった。焦った南如珍は誤解だと訴えたが、白黒つけるため滴血法を試すことが決まる。侍女・綺眉(キビ)は静姝館から小公子を連れて来たが、南如珍は我が子を抱きしめ、小さな身体に針を刺したくないと拒んだ。するとそれまで冷ややかに見ていた駱青蓮が立ち上がり、この難関を乗り越えれば誰にも後ろ指を差されずに済むと説得する。南如珍はようやく子供を駱青蓮に渡したが、その時、急に賀昀の様子がおかしくなり、喘息を鎮める香り袋がないことから急死してしまう。南如珍は息子の死を嘆き悲しんだ。賀連信はこれ以上、南如珍を追及できなくなり、滴血法も中止してしまう。「駱青蓮!私の子に何をしたの?!」この不幸に乗じて南如珍は駱青蓮に子殺しの罪をなすりつけようとした。しかしそこへ李塘(リトウ)が駆けつける。「私は今、如珍夫人の侍従です…真相をお話しいたします 如珍夫人にとって寵愛を取り戻す一番の近道は懐妊でした」実は李塘は綺眉から真相を全て聞き出していた。…南如珍は懐妊を期待するも公子の渡りがなく、そこで教養ある美丈夫を使用人に探させたその夜、戸口に見張りを立て、催淫香を焚いた部屋に男を連れ込んだという男は催淫香とは知らず南如珍と関係を持ち、口封じに殺されたその男の名は趙清則…李塘の証言と趙清雲の告発は合致した。言い逃れできなくなった南如珍はこれも愛する賀連信のそばにいるためだったと情に訴える。すると天罰の如く激しい雷鳴がとどろいた。綺眉は恐ろしくなり、確かに全て南如珍の指示だったと認めてしまう。逆上した賀連信は思わず南如珍の首をつかみ、すぐさま引っ張り出して打ち殺せと命じた。しかし思いがけず駱青蓮が命だけは助けて欲しいと嘆願する。「共に公子にお仕えしてきました、何より安(アン)王のお耳に入れば責められるかと…」その頃、賀連修(ガレンシュウ)は地図を取り戻せず、やきもきしていた。「南如珍は一向に動こうとせず、跡継ぎまで産んだ、今後はもっと強気に出るやも…」しかし阮之湄(ゲンシビ)は駱青蓮と戦うために南如珍には自分たちの力が必要だという。すると侍女が駆けつけ、南如珍が庶人に落とされ、屋敷を追放されたと報告した。身一つで追い出された南如珍は行く当てもなく、店の軒下で雨宿りしていた。そこへ阮之湄が現れる。「夫人!夫人だけは私を見捨てないと信じていました!」「私が送り込んだせいでこんな惨めな思いをさせてしまったわ、それで酒瓶の箱は?」「それが…駱青蓮の手にあります、でもご安心を、地図を見ました、私が描きます!」「地図を見たの?」すると阮之湄は侍女に目配せして引き上げることにした。「夫人?…どちらへ?!」焦った南如珍は追いかけようとしたが、使用人たちに捕まって裏道に連れ込まれてしまう。翌朝、李塘が化粧箱を持って漣微居に現れた。ちょうど裏庭にいた侍女たちは裏切り者を追い出そうとしたが、そこへ駱青蓮が現れる。「やめなさい」つづく(´-ω-`)やっぱり李塘は間者だったのか
2024.11.20
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岁岁青莲 Blooming Days第24話「世継ぎ誕生」南如珍(ナンジョチン)より先に懐妊していたことが公となった駱青蓮(ラクセイレン)。すっかり騙されていた賀連信(ガレンシン)は青蓮が腰布を巻いて4ヶ月も隠していたと知り、呆れるばかりだった。そんなある日、姉の懐妊を知った駱水蘭(ラクスイラン)が数年ぶりに漣微居(レンビキョ)に現れる。青蓮は疎遠になっていた妹との再会を喜んだが、早々に水蘭がまた問題を起こした。翌朝、中院を掃除していた侍従・李塘(リトウ)はうっかり植木鉢を落として土をこぼした。すぐにほうきで掃いていたが、駱水蘭が来たことに気づかず、うっかり履き物に土をかけてしまう。水蘭は無礼だと声を荒らげ、騒ぎに気づいた駱青蓮がやって来た。「姐姐!姐姐は使用人を大事にするけれど、この李塘は自分が悪いのに口答えしたわ! いつかきっと姐姐にも反抗するようになる!」青蓮は前回の教訓もあって妹の肩を持ち、罰として李塘にひざまずいて反省するよう命じた。一方、南如珍は駱青蓮からどうやって化粧箱を取り返せばいいのか考えあぐねていた。こんな時に役にたつ側近も静姝(セイシュ)館にはいない。すると人材探しを任せていた使用人・宋大斉(ソウタイセイ)がやって来た。「これ以上ない人物が見つかりました」それは漣微居の李塘だった。数日前、李塘は駱水蘭に口答えし、罰として一晩もひざまずいていた。元来、駱水蘭と李塘は相性が悪かったが、今回は青蓮夫人が妹に味方したという。宋大斉はこの機に李塘を酒に誘って酔わせ、話を聞き出していた。「青蓮夫人の悪口をぶちまけていました、主を見る目がなかったと…」南如珍はともかく宋大斉に賂を渡し、折を見て李塘を連れてくるよう頼んだ。宋大斉が静姝館に李塘を連れてきた。しかし噂通り硬骨漢で情義に厚く、一筋縄ではいかない。そこで南如珍は密かに手に入れた李塘の詩を示し、その野心を利用した。「使用人が思いがけず推挙される例はある、埋もれたまま終わるか頭角を表すかはあなた次第」南如珍はある仕事を頼み、成功すれば半年のうちに官職に就けると懐柔した。駱青蓮は李塘が静姝館に出入りしていると知っても、決して裏切らないと信じ静観していた。そんなある日、李塘が駱青蓮の化粧箱をこっそり盗み出して南如珍に渡してしまう。南如珍は任務を完了して安堵したが、箱の中に入っていたのは酒瓶だった。大した成果もなくまだ李塘を信用する気になれない南如珍。「今日は帰って」その時、席を立とうとした南如珍はうっかり裳裾を踏んで転びそうになった。すると咄嗟に李塘が抱き止めてくれる。南如珍は駱青蓮の敵である自分を助けてくれたことに驚き、李塘を疑い過ぎたと反省した。侍女の織月(ショクゲツ)は李塘の裏切りを目撃、主に報告した。漣微居に戻った李塘は待ち構えていた主の前でひざまずき、確かに南如珍にそそのかされたと訴える。「自分の間違いに気づきました、どうかやり直す機会を…」「私を恨んでいるのね、私の宝物を敵に渡すなんて!その身勝手な足をへし折ってやる!」すると李塘はこれまでの鬱憤が爆発した。「駱青蓮!自業自得だ!使用人を大事にしないからだぞ!」「打!」「待って」その声は南如珍だった。南如珍は率直に李塘を静姝館で引き取りたいと申し出た。そこで李塘が持ち出した物だと包みを広げて見せる。包みの中には大量の薬材が入っていた。「李塘は忠実で、青蓮夫人が飲む薬と私の安胎薬の種類を比べていたのです」「生薬ではないわ」「違うの?そんなに激怒するなんてよほど大事なものなのね? もしや青蓮夫人と誰かの誓いの品だったとか?…ふふ」青蓮は弱みを突かれて何も言えず、李塘が静姝館へ移ることを認めるしかなかった。駱青蓮が産気づいた。月数は足りていたが早産となり、賀連信は気がきでない。漣微居に妻妾たちが集まる中、麒麟の子の誕生を楽しみにしていた安(アン)王も駆けつけた。すると日も暮れた頃、激しい雷鳴がとどろくと同時に寝所から産声が聞こえてくる。「王爺、公子、おめでとうございます、元気な小公子ですよ」乳母は産まれたばかりの赤子を安王に渡した。喜んだ安王は愛孫に″南昭(ナンショウ)″と名付け、3歳になったら王府で自分が面倒を見たいという。「そなたの屋敷で側室に空きがあると聞いた、青蓮をその地位に…」南如珍は駱青蓮の厚遇に激しく嫉妬し、焦燥感が募った。そこで酒瓶を調べてみたが阮之湄(ゲンシビ)の狙いは分からず、思わず化粧箱に八つ当たりしてしまう。すると放り投げた化粧箱のからくりが外れ、底から地図が出てきた。「狙いの物はこれだったのね?」そこへちょうど駱青蓮の出産祝いを届けに李塘がやって来た。「ふん、得意がればいいわ、幸せが永遠に続くはずない」南如珍のお産が始まった。知らせを聞いた賀連信はすぐ駆けつけたが、南如珍は難産で激しい腹痛に襲われ、産婆まで倒れてしまったという。医官はもはや運に任せるしかないと言った。すると思いがけず駱青蓮が現れる。「外は寒いのになぜ来た?」賀連信は産後間もない青蓮を心配して寝宮で待つよう伝えていたが、青蓮は自らお産を手伝うと申し出た。駱青蓮の助力により南如珍は無事に男児を産んだ。しかし青蓮は無理をしたせいか疲れ果てて倒れてしまう。青蓮が漣微居で目を覚ますと沈静容(シンセイヨウ)がいた。賀連信は南如珍そっちのけで青蓮を送り届け、そのまましばらく付き添っていたという。「でもあなたの行動には驚いたわ」「どうしても産んでもらう必要があったの」南如珍の赤子の顔を見た青蓮は十中八九、自分たちの推察通りだと言った。賀連信は回復した駱青蓮を連れて庭園を散策した。「てっきり南如珍を恨んでいるかと…どうやら杞憂だったな 私の丫头(ヤートウ)は天下で一番、優しくて心の広い女子だ」青蓮は賀連信から称賛され、かえって後ろめたさに苛まれてしまう。「私は…私は…」しかしその時、蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、話が途切れた。「公子!王爺がお呼びです」「分かった、では行ってくる」つづく( ˶´꒳`˵ )わんいえ、すごく嬉しそう~
2024.11.19
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岁岁青莲 Blooming Days第23話「佳人の残り香」賀連信(ガレンシン)は四弟・賀連修(ガレンシュウ)を見つけるなり胸ぐらをつかんだ。「なぜだ?なぜ妹妹にまで手をかけた!」良医署の毒薬が減っていたことから、医官たちは郡主が盗んだのだと推察した。しかし賀連信は元雪に毒を手に入れる術などないと知っている。「お前が昨夜、良医署に行った後、元雪を訪ねた 元雪にもしものことがあれば父親は私を厳罰に処すからな、それが狙いなのだろう?!」「私が毒殺したと?!私の妹妹でもあるんですよっ?!」「確かに証拠はない、だが天は知っている、お前は爵位を継ぐため良心まで失った 天は見ている、お前は曲涼(キョクリョウ)の主になれぬだろう」呂北逸(リョホクイツ)の治療で賀元雪は一命を取り留めた。報告を聞いた安(アン)王はようやく娘の様子を見に行ったが、元雪はうなされながら呂北逸の名を呼んでしまう。「呂北逸…他の人に嫁ぎたくない…」安王は元雪の想い人が呂北逸だと知り、老三と呂北逸を呼んだ。賀連信は妹の警護が甘かったと認めて罰を請うた。しかし咄嗟に引き返して妹の命を救ったことから、安王は相殺により賞罰なしだという。呂北逸もまた賀元雪の命を救った功が認められたが、安王はあまりに罪が大き過ぎると言った。「お前は輿入れに乱入し、賀家の面目を潰し、郡主の名節も汚した」すると安王は弔いの酒だと言って呂北逸に杯を差し出す。賀連信は慌てて止めようとしたが、その時、賀元雪の声が聞こえた。「飲まないで!」一方、蘇南春(ソナンシュン)から報告を聞いた駱青蓮(ラクセイレン)は馬を駆けて王府へ向かっていた。賀元雪は呂北逸の命だけは助けて欲しいと嘆願した。どちらにせよ愛する人以外に嫁ぐつもりはなく、父王がどんな婿を選ぼうと決意は変わらないという。安王は娘の思わぬ反発に深く失望し、怒りに任せて呂北逸に毒酒を賜った。「王爺!お待ちください」すると駱青蓮が現れた。青蓮は安王から″死を免じる″という約束の証しとして賜った亡き王妃の玉笛をかかげる。「これを呂北逸に譲ります、譲渡禁止とはおっしゃいませんでした 私はただ王爺に決断の後悔を残して欲しくないのです」結局、安王は父親としての情にほだされ、賀元雪の望み通り王府を出ることを許した。しかしこれからはもう父娘ではないという。「父親…」「父と呼ぶな、天下は広い、どこへでも行け」安王は駱青蓮から玉笛を受け取ると、正殿を出て行ってしまう。賀連信は妹と一緒に正門を出た。すると馬車の前で呂北逸と駱青蓮が待っている。呂北逸は自分を愛してくれる賀元雪を受け入れると決めたが、あばら家で質素な生活になると念を押した。「今は何もしてあげられない、情や名分も与えられないが、本当にいいのか?」「その答えは私が服毒した時に出ていたはず」「はお」その様子を遠目から賀連修が見ていた。賀元雪は別れ際、兄嫁に酒瓶の入った化粧箱を渡した。「先日、一夜を共にした女子を探し回っている書生を見かけたの 一途なのは私だけじゃない、愛に苦しむ人は他にもいる 呂北逸に比べたら私は幸運ね、二度と会えないと思ったけれど、これからはそばにいられる だから本来の持ち主にこれを返します」賀元雪は呂北逸の深い愛情を得ることができた駱青蓮を幸せだと言った。賀連修の地図を隠した化粧箱は駱青蓮の手に渡った。こうなると頼りになるのは南如珍(ナンジョチン)だけ。しかし賀連修は麒麟の子を宿した南如珍が今さら自分たちに従うとは思えない。そこでその夜、嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は自ら静姝(セイシュ)館に赴いた。駱青蓮は就寝前の安胎薬を飲んでいた。すると侍従の李塘(リトウ)が駆けつけ、之湄夫人が侍女を使わず自ら南如珍に会いに来たと報告する。「まさか脅しに来たとか?」青蓮は彤冊(トウサツ)を詳しく調べた許寄柔(キョキジュウ)の話を思い出した。…記録を改ざんした跡があったわ…その謎を解いてくれたのは今日の賀元雪の話だった。…書生は香粉の店を回っていたわ、その女子の顔は覚えていないけれど、独特な幽蘭(ユウラン)の香りが漂っていたとか…「東籬(トウリ)、南如珍の愛用の香を知っている?」「もちろん、幽蘭から作られた香粉・百悦(ヒャクエツ)香です」駱青蓮は早速、内務房から百悦香を取り寄せた。阮之湄は南如珍に化粧箱を取り返すよう命じて帰って行った。未だ他人に操られることに我慢ならない南如珍。そこで徐良川(ジョリョウセン)に例の書生を始末してくるよう指示したが、思いがけず邪魔が入った。徐良川は裏道の暗がりで書生に襲いかかった。しかし黒装束で顔を隠した東籬と李塘が邪魔して書生を連れ去ってしまう。徐良川は退散する途中、書生が女と会っているのを目撃し、急いで静姝館に戻った。遠目からでは書生と話していた女が誰か分からなかったが、姿形は青蓮夫人に似ていたという。「実はその女は書生に刺され、深手を負いました」南如珍は漣微居に乗り込み、邪魔をする侍女を引っ叩いて駱青蓮の寝所に入った。青蓮はすでに寝台に横になっていたが、南如珍の姿に驚いて慌てて腹を隠す。「使用人が姐姐と書生が密会していたと言うんです 別れ話のもつれか、書生は姐姐の腹を匕首で刺したとか」南如珍は青蓮の腹が大きいのは傷あての綿紗を巻いているせいだと誤解し、いきなり寝衣をめくってしまう。すると確かに青蓮の腹は大きかったが、それは懐妊しているからだった。駱青蓮は書生から証言を得るため百悦香の手巾を見せた。すると書生は駱青蓮が一夜を共にした女子だと誤解、いきなり匕首で青蓮の腹を刺してしまう。しかし匕首はちょうど腹帯に入れていた長命鎖に当たっていた。こうして図らずも公になった駱青蓮の懐妊。そこへ久しぶりに妹の水蘭(スイラン)が訪ねてきた。「以前のことは私が悪かったわ、許して」「本宅に戻ってから何度、招いても来てくれなかったわ 妹を遠ざけた私を許せと言うの?」「姐姐が誰よりも私を可愛がってくれたと分かってる」つづく(´⊙ω⊙`)あーっ!老四ってどこで見たのかずっと考えていたけれど分かった!長相思でカメハメ波で女主を殺しちゃった人か!w
2024.11.18
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岁岁青莲 Blooming Days第22話「麒麟の子」懐妊して3ヶ月、駱青蓮(ラクセイレン)はお腹が目立たぬよう布を巻き、その間にお守りの長命鎖を入れていた。「神様がきっと守ってくれる」すると侍女の染雲(ゼンウン)が御子は平気でも、夜伽を断りに行く度に後ろめたさに苛まれ、自分の心臓がもたないと笑う。一方、静姝(セイシュ)館では南如珍(ナンジョウチン)が鳴りを潜めていた。「例の件は始末したわね?」「はい、誰にも知られていません」そんなある日の朝議、安(アン)王は嬉しそうに麒麟の子が元気に遊ぶ夢を見たと話した。神祇(ジンギ)官の話では瑞兆で、将来の世継ぎが生まれるお告げだという。「将来の世継ぎということは私の爵位を継ぐ運命の孫が生まれるのか!」しかし息子たちの中に心当たりのある者はいないという。そこで早速、総管・于徳常(ウトクジョウ)を息子たちの屋敷に遣わし、懐妊した妻妾がいないか調べるよう命じた。于総管は麒麟の子を見つけられないまま最後に睿(エイ)郡王邸を訪ねた。事情を聞いた東籬(トウリ)はこれで主も懐妊を明かせると喜んだが、駱青蓮は顔を曇らせる。「屋敷と王府で避けるべきは″貪心(タンシン)″よ 人は貪心ゆえにボロを出す、瑞兆と聞けば秘密を明かしたくなるわ でもこれは天が与えた試練ね、沈黙を守る」方懐蕊(ホウカイズイ)は妻妾を驚秋(キョウシュウ)院に集めた。結局、駱青蓮は懐妊を隠したまま、他に懐妊の兆候がある妻妾は見つからない。方懐蕊は妻妾たちを引き連れ、落胆する于総管を見送りに出た。その時、急に南如珍がえずいてしまう。妻妾たちはおかしな物でも食べたのかと冷ややかだったが、于総管は試しに医官に脈診させることにした。すると驚いたことに南如珍が懐妊していると分かる。報告を聞いた安王は大喜びだったが、賀連修は狐につままれるたような顔をしていた。↓マイマイの目w冷遇されていた南如珍が思いがけず立場を回復した。しかし南如珍がしばらく夜伽をしていないことを訝しんだ駱青蓮たちは彤冊(トウサツ)を調べることにする。すると一足先に方懐蕊が彤冊を確認していた。「疑念を抱いたのは私だけではないようね…どうぞご覧になって」南如珍の最後の夜伽は確かに2ヶ月前だった。落胆した駱青蓮は一足先に引き上げたが、許寄柔(キョキジュウ)と沈静容(シンセイヨウ)が慌てて引き止める。「妹妹、詳しく調べてみたら疑わしい点があったの」一方、賀連修(ガレンシュウ)は手先の裏切りに怒り心頭だった。しかし嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は逆境こそ辛抱が肝心だとなだめる。「幸運は往々にして不首尾に終わる、南如珍の懐妊ももう1つの慶次にも…」もう1つの慶次とは郡主・賀元雪(ガゲンセツ)の輿入れだった。実は安王は瑞兆を祝う宴を開き、その場で斉良甫(セイリョウホ)が縁談を申し込んだところ上機嫌で了承したという。婚礼を明日に控えた賀元雪は最後の望みをかけ、呂北逸(リョホクイツ)を訪ねることにした。するとちょうど通りかかった大街で騒ぎを起こす書生を見かける。書生は一途に想う相手を探し、香粉を売る店を回っていた。<ある匂いの女子をずっと探している、誰か!あの人を知らないか?!「たとえ愚かでも恋する人は幸せね…」実はその様子を侍従・徐良川(ジョリョウセン)も見ていた。徐良川の報告を聞いた南如珍は激高した。「何ですって?!始末したはずでは?」一方、賀元雪は呂北逸に縁談が決まったと報告していた。「明日が婚礼よ」しかし呂北逸は祝辞を述べただけ、やはり引き止めてはくれない。「あなたに嫁ぎたかった…残念だわ」すると呂北逸は郡主の最後の願いを叶え、しばし黒髪を梳かした。呂北逸は郡主の馬車を見送ると、酒を買って屋敷に戻った。すると机の上にあるはずの酒瓶を入れた化粧箱が消えている。賀元雪が持ち去ったのは明らか、呂北逸はすぐさま賀連修(ガレンシュウ)に報告した。その夜、賀連修は長沢(チョウタク)院に妹を訪ねた。化粧箱を返すよう説得したが、賀元雪は想い人の品をどうしても手放さない。「私が一番大切にしていた物は父親(フーチン)が下さった長命鎖、でも今後はこの酒瓶です 帰って!これは誰にも触らせない!」すると賀連修は毒薬を置いた。「呂北逸から取り返して欲しいと頼まれたんだ、彼の本心を伝えよう ″郡主は私を愛すると言いながら他の男に嫁ぐ そんな女子に未練を残されても汚らわしく思う″とな」賀元雪はそれが呂北逸の言葉ではないと分かっていた。…でも私自身が自分を許せない…翌朝、呂北逸は賀連修を訪ねた。しかし箱を取り返せなかったと言うわりに賀連修はやけに落ち着いている。実は化粧箱の下にはカラクリがあり、大事な地図が隠してあった。「あの秘密が漏れれば修公子の命も危ないはず…郡主に一体、何をしたんです?!」呂北逸は郡主の侍女から届いた絵を思い出した。それは郡主自ら描いた呂北逸の絵姿だったが、足元に描かれた鳥籠の戸が開いて鳥の姿はない。「はっ!」賀連信は妹の輿入れを任されていた。花嫁行列も間もなく新郎の屋敷に到着、それにしても妹の本意でない輿入れにも関わらず順調過ぎる。その時、呂北逸が現れ、輿を止めた。新郎は激怒したが、呂北逸が抱きかかえた賀元雪はすでに意識がない。「急がないと全身に毒が回ってしまう!」「王府へ戻れ!」驚いた賀連信は慌てて引き返した。良医署では昨夜、確かに毒薬が減っていたことが分かった。医官たちはもはや手の施しようがないとあきらめたが、賀連信は呂北逸に何か方法があるはずだと迫る。「1つだけあります、毒をもって毒を制す」一方、安王は娘が生死をさまよっていると聞いても決して会おうとはしなかった。民と官吏の自分への信頼を傷つける娘の暴挙、これからは元雪を娘とは思わないという。つづく( ゚ェ゚)お?書生が探しているのって南如珍?つまり公子の子じゃないのねでもあの書生、男装している女だったけど・・・
2024.11.17
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