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岁岁青莲 Blooming Days第29話「仁愛から偏愛へ」駱青蓮(ラクセイレン)の息子・賀南昭(ガナンショウ)は清康(セイコウ)殿にいた。安堵する青蓮だったが、総管・于徳常(ウトクジョウ)は安(アン)王が愛孫に会えるのも最後かもしれないと涙ぐむ。その時、南昭はうとうとしている祖父に上奏文を読み聞かせていた。すると薬の時間になり、宦官が安王の薬湯を置いて下がる。南昭は祖父に薬を飲ませようとしたが、安王はもはや飲んでも治らないと拒否した。「南昭、私が治らなかったどうする?」「必ず治ります!これからまだまだ学問や狩りを習いたいのです!」その様子を青蓮が見ていた。「爺爺(イエイエ)、薬を飲めば必ず治ります!」安王は南昭の必死の訴えに心を動かされ薬を飲んだが、その時、青蓮の姿に気づいた。安王は幼いうちに両親を次々に亡くし、16歳で大将軍となって戦功を挙げた。そして安王に封じられ曲涼に赴き、40数年が過ぎてもその栄光は衰えていない。しかし両親の愛を知らぬ人生は寂しいものだった。「南昭を羨ましく思う…」すると安王は青蓮と話があると言って南昭を下げた。「爺爺のために祈りに行ってくれ」安王は自分の病が重いゆえ、駱青蓮に何か望みはないか聞いた。しかし青蓮はないという。「老三を安王にとは願わぬのか?」「願います…それ以上に安王の長寿を願っています」「私には子孫が多い、だが私を心配してくれる者は少ない」安王は青蓮が自分を避けていたのは、王位を奪いたくないからだと気づいていた。「この身も長くない、王位も代替わりせねば… 曲涼のため明主を見つけるのも親孝行であるぞ?」青蓮はあふれる涙を拭いながら、安王のためにも民を幸せにしなくてはならないと心に誓った。一方、南昭は祖父の回復を祈るため、わずかな側近だけで寺にいた。しかし太監が現れ、徳(トク)夫人が呼んでいると口実をつけて控えていた染雲(ゼンウン)を連れ出してしまう。すると御堂に血まみれの侍女が倒れ込んだ。「刺客がいます!」小公子を警護していた衛兵は剣を抜いて中庭へ飛び出したが、その時、侍女がふいに立ち上がり、隠し持っていた匕首で拝んでいる小公子の背中を刺してしまう。阮之湄(ゲンシビ)の計画が成功し、屋敷に麻袋に入れた南昭の亡骸が届いた。あとは八弟・賀連化(ガレンカ)の到着を待つだけとなったが、そこに突然、右長史・顧斯年(コシネン)が勅旨を持って現れる。実は袋の中に入っていたのは南昭ではなく、防護服を着ていた替え玉だった。安王はこの企てを察し、南昭をわざと参拝に行かせて先手を打った。替え玉の少年と背中に刺さった凶器が動かぬ証拠となり、阮之湄は直ちに清康殿へ連行されてしまう。一方、母に無事を知らせた南昭は王府の偏殿にしばらく留まるよう命じられた。しかし窓から侵入した何者かに連れ去られてしまう。安王は自ら老四夫妻を審問。自分の優柔不断が虎を育ててしまったと嘆き、賀連修を懲理(チョウリ)院に収監するよう命じた。「証拠が揃ったら日を選び…」「王爺!」その時、駱青蓮が現れた。青蓮は敬愛する祖父が叔父を殺したとなれば南昭が悲しむと反対し、かつて子を失う痛みを味わったが、なおさら我が子を殺める苦しみは計り知れないという。「王爺にも後悔させたくないのです」しかし阮之湄は安王を買いかぶり過ぎだと呆れた。「安王は後悔などしない! 安王は仁愛を掲げながら、その愛で他者をさらに苦しめるの!」阮之湄は誰も口に出せなかった安王の偏愛を指摘、それがかえって賀連儲(ガレンチョ)や南昭を不幸にしていると訴えた。「世子を決められないのは子息が才子ぞろいゆえですって?違うわ! ″己を越える者がいない″と思っているからよ!」阮之湄はこれまでの鬱憤を晴らすと叩頭、全て自分1人の罪だと賀連修をかばった。しかし安王は阮之湄の諫言を責めず、むしろ老四に少しでもこの胆力があれば賀連化のために手を汚すこともなかったという。賀連修は父王が全てお見通しだったと知り、号泣した。そこへ助けたはずの南昭が失踪したと急報が届き、安王はあまりの衝撃で倒れてしまう。一方、賀連信は先祖供養の祭祀で無事に大役を果たしていた。すると蘇南春(ソナンシュン)が慌てて飛び込んでくる。「公子!お戻りください!小公子が大変です!」阮之湄はひとまず収監されることになり、処分は後日に決まることになった。すると連行される愛妻を追って賀連修がやって来る。顧斯年は夫婦の最後の別れを見逃したが、阮之湄は人目もはばからず夫に抱きつき、気づかれないよう伝えた。「私が必ず罪から守ってみせます、まだ王位を継ぐ望みはあるわ」しかしその言葉を聞いた賀連修は落胆してしまう。「罪を負ったのは王位のためか…南昭の件は?君ではないのなら誰だ?」「権力争いとは関係ないのかも、1人います」阮之湄が予想した通り南昭を連れ去ったのは呂北逸(リョホクイツ)だった。賀元雪(ガゲンセツ)は食事を作りながら、納屋から漏れ聞こえる話し声に気づいた。どうやら呂北逸が誰かを拉致したらしい。その時、呂北逸は自分が南昭の両親の旧友だと明かしていた。しかし自分は善人ではないと脅す。南昭は男が王府で自分を殺さず連れ去ったことから、寺で襲ってきた刺客たちとは違うと分かった。実は聡明な南昭は刺客を放った黒幕が四叔父だと気づいている。「なぜか分からない、尊敬する四叔父がなぜ私を憎むのか」「功利のために人は必死になるものだ」呂北逸は南昭を立ち上がらせた。その時、南昭が肌身離さず持っている櫛を落としてしまう。「はっ…それは娘(ニャン)から?何か意味でも?」「旧友の持ち物だそうです、ある字を戒めにしろと…″義″です」呂北逸は武器庫の一件で駱青蓮が拉致された時、客桟で聞いた青蓮の言葉を思い出した。…この世は義理より利益を求める人が多い…「11年が経った、君にとって私は今もなお裏切り者なのか?(ボソッ」その時、庭から賀元雪の声が聞こえた。「北逸?薪をお願い!」呂北逸は仕方なく南昭を縛り上げて口を覆い、何食わぬ顔で賀元雪と昼食を共にした。すると賀元雪から遠回しに自分のために他の命を犠牲にするのは身勝手だと責められてしまう。「知っていたのか」安王は意識が戻ると駱青蓮を呼んだ。「確かに私は独りよがりで南昭を危険にさらした…私が間違っていた」安王は阮之湄に指摘された通りだと自責の念に駆られながら、今回は老四と阮之湄の仕業ではないという。「私もまだ甘い…他に誰がいる?」すると駱青蓮は賀家の血を引く南昭なら必ず無事に生還すると安心させた。賀元雪は納屋にいるのが三兄と駱青蓮の子だと気づいていた。「考えてみて、四哥が見返りに駱青蓮をくれたとしても、息子を殺したら許されないわ」「君は私があの子を殺すと?」一方、賀連信は急ぎ側近を連れて曲涼を目指し馬を駆けていた。しかし道中、四兄に従う賀連佐(ガレンサ)に足止めされてしまう。南昭は納屋に落ちていた陶器のかけらを見つけ、自分で縄を切った。しかしうっかり物音を立て、外へ出ようとしたところで呂北逸に捕まってしまう。「北逸っ!…南昭、逃げて!」賀元雪のおかげで南昭は自分をさらった男が″呂北逸″だと知り、逃げる必要がないと分かった。「物心ついた頃に娘が言った、私には味方が6人いると… 父親(フーチン)、母親(ムーチン)、爺爺、奇柔(キジュウ)娘、静容(セイヨウ)娘 そして面識がない呂北逸だ、父親以外では最も娘に優しい人だと聞いた」実は南昭が持っていたあの思い出の櫛の意味は、その情義を学ぶことだという。すると呂北逸がいきなり短剣を出して南昭に切り掛かった。安王の前では気丈に振る舞う駱青蓮だったが、独りになると涙があふれた。清康殿に官吏たちが駆けつける中、賀連修は静かにその時を待つ。果たして南昭の生死は…。つづく( ˙꒳˙ )お?阮之湄がここで退場?するとやはりラスボスはあの人ですか?
2024.11.26
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岁岁青莲 Blooming Days第28話「新たな世継ぎ候補」辺境の警備を命じられた賀連倚(ガレンイ)。東籬(トウリ)は倚公子への秘めた想いを賀連信(ガレンシン)と駱青蓮(ラクセイレン)に打ち明け、奴婢として賀連倚についていきたいと懇願した。「情に厚く、勇気にあふれ、見返りを求めない…あなたたちは同じね」賀連信は青蓮に決断を委ねると、青蓮は東籬のたっての願いを叶えた。世子が廃されて数ヶ月。賀連儲(ガレンチョ)を見限った安(アン)王は過去への執着を手放すかのように賀連信と駱青蓮の息子・賀南昭(ガナンショウ)を王府に呼び寄せ溺愛した。そんなある日、睿(エイ)郡王邸に南昭を迎えに来るよう知らせが来る。実は賀連信が息子を恋しがる青蓮のため、以前から父王に頼んでいた。「だが南昭が戻ると私が冷遇されそうだな…ふっ」一方で嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)が養育する賀時児(ガジジ)は父とめったに会えず、もはや顔も忘れそうだと嘆いた。そこで方懐蕊は時児を連れて且歌苑(ショカエン)を訪ねることにしたが、偶然、賀連信と駱青蓮が出かける姿を目撃、断念する。「今日はやめておきましょう」安王は両親が迎えにきてもなかなか南昭を離せなかった。そこへ思いがけない知らせが届く。賀連儲が自害を図り、賀連信と同腹の八子・賀連化(ガレンカ)のおかげで事なきを得たという。「廃された世子にも手を差し伸べるとは大したものだ、明日、老八を呼べ」青蓮は安王が今も賀連緒を思って心を痛めている姿に同情した。曲涼の主としてこの30数年、心を砕いて多くのものを犠牲にしてきた分、悲しみや失望も大きいのだろう。これほど英明な安王さえ、亡き王妃の忘形見のこととなるとお粗末な対応だった。青蓮はこれも子への愛ゆえなのだと理解できたが、そんな安王の心を傷つけているのが息子たちの権力争いだと思うとやるせない。すると賀連信はしみじみ王位継承への道は険しいと漏らした。賀連修(ガレンシュウ)は嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)から二兄が自害したと聞いた。「私が化公子に伝えて助けてもらったわ、忠実な官吏も手放した、化公子に仕えさせる」阮之湄は武器庫を失った賀連修に王位を継ぐ見込みはないと判断し、代わりに対抗する力があれど操りやすい賀連化に白羽の矢を立てたという。賀連修は妻から見放されたと悟り、妻の心にあるのは王位だけだと落胆した。それから11年後…。病が続いていた安王は清康(セイコウ)殿に閉じこもり、10日間も朝議を開かなかった。その日も兄弟と官吏たちは前庭に集まっていたが、門が開く様子はない。すると総管・于徳常(ウトクジョウ)が現れ、安王の勅命を口頭で伝えた。「王爺は病のため、信公子が先祖供養を代行するように…」この決定を聞いた徳夫人(トクフジン)は急いで謁見に向かったが、安王に追い返されてしまう。実はその時、奥殿には右長史・顧斯年(コシネン)がいた。安王は徳夫人が戦功を挙げた息子・賀連化に先祖供養を任せないことが不満だと分かっている。「私も意外に思いました、化公子の声望は高まり、大軍も握っていますから…」しかし顧斯年は安王が南昭のために世継ぎを選ぶつもりだと拝察した。恐らく誰もが同じように思っているだろう。安王の予想通り賀連修は10年も悪戦苦闘した挙句、子供に負けたと逆上していた。賀連化を担ぎ上げた阮之湄も困惑、まさか昭徳将軍止まりとは予想外だという。「でも私はあきらめない、まだ望みはあるはず…王爺の視線を遮る者を消せばいいのよ」賀連信は急ぎ慕天殊(ボテンシュ)に文を送り、駱青蓮に供養代行を任されたと報告した。先祖供養は王位継承の一歩手前、賀連信は待ちに待った機会を得られたという。青蓮は賀連信が子を頼って得た王位ではないことを知らしめるため、安王に認められたいのだと分かった。「王爺もお年を召された、でも頭は衰えていない、王爺なりの考えがあるのです」「そう言ってくれるのはお前だけだ」すると賀連信は自分の留守中、南昭を連れて王府に移るよう頼んだ。「父親の近くの方が安心だ」賀連信が予見した通り賀連化は曲涼へ向かった。すでに曲涼への道中に伏兵を置いていた慕天殊は賀連化が軍営を出たと報告を受け、直ちに阻止するよう伝令する。一方、駱青蓮は南昭を連れて王府に入った。徳夫人の侍女・秋実(シュウジツ)は青蓮夫人たちを寝殿まで案内する道すがら、南昭に作りたての菓子を勧める。青蓮は部屋に入ってから食べると断ったが、結局、秋実は持って帰ってしまう。「ふっ、どうやら徳夫人の気が変わったのね 南昭、持参したもの以外は決して口にしないで、いいわね」青蓮は何人もの手を経る食べ物を最も警戒していた。「匕首は持ってるわね、油断は禁物よ」安王が昼寝から目覚めると、駱青蓮が差し入れたお茶があった。青蓮は南昭を連れて挨拶に来たが、安王が寝ていると聞いて帰ったという。「近頃、青蓮に変わったことは?」「相変わらず落ち着いた様子です、ただ小公子から離れようとしません」徳夫人は風邪を理由に駱青蓮と孫の挨拶を断った。しかし青蓮は嫁として世話をしたいと生姜汁を差し入れる。徳夫人は受け取ったものの口をつけず、賀連信が王位に就けば青蓮が事実上の嫡妻だと嫌味を言った。「安王が老三を重用するのは優秀な孫のおかげだと今日、知ったわ 老八は日々、戦に明け暮れているのに、あんな子供に負けるなんて…」「夫人、考え過ぎです」青蓮は確かに賀連化こそ継承者に相応しいが、今は辺境にいるため賀連信が先祖供養を任されたに過ぎないと安心させた。徳夫人が懿(イ)夫人の元で育った賀連信より、朝暉(チョウキ)院で自分が育てた賀連化を溺愛するのも仕方がなかった。それにしても賀連信の重用が南昭のおかげと聞くや孫まで嫌うとは…。駱青蓮は帰りの道すがら、世事に疎い徳夫人がどこからそんな噂を聞いたのか訝しんでいた。「やはり青蓮夫人は″解語の花″ね」その時、思いがけず阮之湄が現れた。阮之湄は徳夫人がふさいでいると聞いて差し入れを持ってきたと話した。「徳夫人は化公子の王位継承を願っていたから…」「之湄夫人の率直さに感服します、ただ世継ぎ選びに女が口を挟むべきではない」「女なら誰しも夫の出世を願うもの、青蓮夫人も同じでしょう?」阮之湄は意味ありげに微笑んで先を急いだ。すると背後から青蓮の声が聞こえる。「本当に夫のためですか?自分の望みではないと言い切れると? では失礼します…」駱青蓮は自分と徳夫人の会話がすでに阮之湄の耳に入っていることに驚いた。しかも安王と自分しか知らない″解語の花″という言葉をどうやって聞いたのか。「勘が鋭く耳も早い、本当にやり手だわ」一方、阮之湄も駱青蓮を改めて手強い相手だと認識していた。あの様子からして南昭は厨房に忍び込んで毒を入れた菓子も食べていないのだろう。「手はずは整った?」「夫人、ご安心を…明日を待つだけです」その夜、賀連信は慕天殊からの密書を受け取った。…海瑶(カイヨウ)夫人を赦免してくださるなら、公子の王位継承に全力を尽くします…先祖供養当日、駱青蓮は南昭が刺客に襲われる悪夢を見て飛び起きた。嫌な予感がした青蓮は身支度もせず寝所を飛び出したが、南昭の部屋はもぬけの殻。何でも今朝、于総管が安王の命で南昭を連れて出かけたという。つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!まさか総管?!
2024.11.25
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偷偷藏不住 Hidden Love第4話急用ができた桑延(サンイエン)の代わりに桑稚(サンジー)を学校まで迎えに行った段嘉許(ドワンジアシュー)。しかし正門に桑稚の姿はなく、守衛さんに探してもらったが、すでに教室には誰もいないと分かった。その頃、桑稚は同級生の殷真如(インジェンルー)に誘われ、買い物に出掛けていた。「時間がないから急ごう、迎えが来るの」「桑稚、あの路地に入ろう、ネットカフェに行ってみたくて」「でも先生があの辺は危険だって、やめようよ?」桑稚は引き返そうとしたが、殷真如は怒って独りで行ってしまう。一方、段嘉許は桑稚を探し回っていた。すると運良く足を怪我した女の子を見かけたという店主を見つける。「2人でその路地を入って行ったよ」殷真如を追いかけ、人通りのない路地へと入った桑稚。すると不良少女3人に脅されている殷真如を見つけた。殷真如はお金なら友だちが持っていると訴え、桑稚まで巻き込まれてしまう。少女たちは桑稚のクマの財布を取り上げ、他に金目のものがないと分かると2人を解放した。しかし明日の放課後も金を持ってこいと脅されてしまう。桑稚は親友がなぜ自分を買い物に誘ったのか分かった。「昨日、絡まれて…桑稚、ごめん、お金がなくて仕方なかったの」「傳正初(フージョンチュー)の誕生日会以来、私を無視してたよね?変だと思った」桑稚は家に帰ったら両親に全て話すべきだと訴え、独りで学校へ戻ることにした。「桑稚…許して」「ついてこないでっ!」桑稚の怒号を聞いた殷真如はそれ以上、引き止めることができなかった。桑稚は怒りと悲しみの中で必死に足を引きずりながら前に進んだ。「サンジー!」桑稚が顔を上げると、思いがけず通りの先に段嘉許の姿が見える。「どこにいた?!電話も出ないし…なぜ学校で待っていなかった?!」段嘉許は叱りながら歩いて来たが、今にも泣きそうな桑稚の表情を見て何かあったと気づく。「大丈夫だ、俺がいる」すると段嘉許は桑稚を抱きしめ、慰めた。〓第四篇 ~ひそかな想い~ 私の秘密〓段嘉許は桑稚が友だちのせいで不良に絡まれたと知った。「殴られたのか?!手に怪我してる!」「違うの、顔を叩いて私の財布を持って行っただけ、手は自分でぶつけたの でも明日も金を持って来いって…ジアシュー哥、私なら大丈夫」しかし段嘉許は何やら悶々とした様子だった。段嘉許は桑稚を励ますため、自転車を借りて少し遠回りしながら送ることにした。初めて通る道は街路樹が美しく、憧れの段嘉許と2人だけで過ごす時間が自然と桑稚に嫌なことを忘れさせてくれる。「卒業したら宜荷(イーホー)に帰るの?」「…考え中だ、南蕪(ナンウー)も好きだよ」こうして家まで段嘉許に送ってもらった桑稚。すると別れ際、段嘉許は桑稚が困らないようお金を渡してくれた。その夜、桑稚は段嘉許への淡い恋心に気づいた。…秘密ができた、あまり認めたくないけれど、私はあの人を好きになったみたい、段JiaXu…桑稚は自分の秘密を書いた紙を星型に折り、思い出の牛乳瓶に入れた。10月27日火曜日の絵日記あなたを好きになったみたいそんなある日、下校する桑稚の前に兄とルームメートを連れた段嘉許が現れた。すると桑延(サンイエン)は妹に不良がたむろしている路地まで案内させ、段嘉許たちと仕返しに行く。「妹から50元を奪って顔を叩いて脅したのか?」「確かに取ったけどそれだけよ!」「金額は関係ない、妹に手を出せば俺が許さない…カツアゲしてないでちゃんと勉強しろ!」桑延は妹の財布を取り戻し、無事に桑稚に返した。喜んだ桑稚は段嘉許に昨日のお金を返したが、2人が何やらコソコソ話している様子はまるで本当の兄妹に見える。11月11日水曜日の絵日記哥哥が言った、ジアシュー哥の方が私の本当の兄のようだって桑稚は確かに中学2年生の頃、段嘉許が本当の兄なら良かったと考えたことがあった。…彼はすごく心優しい人で、私が困っていたら必ず手を差し伸べてくれる、私も早く成長して優しくなりたい、彼のように誰かを温めてあげたいな…桑稚は段嘉許から受け取った電球を引き出しにしまったままだった。ある夜、桑地はふと思い出して電球を取り出し、器用に段嘉許が自分の頭を撫でている絵を描く。部屋の電球はまだ切れていなかったが、桑稚はそのライトに付け替えた。殷真如は結局、転校が決まった。他校の生徒から金銭を脅し取られる事案が続いていたが、殷真如の告発で加害者もすでに処分を受けたという。…桑稚、ごめん…最後に殷真如は桑稚に小さなメモだけ残し、去って行った。桑稚は成績優秀だったが、物理が苦手だった。桑栄(サンロン)と黎萍(リーピン)は娘の期末テストの成績を見て慌てたが、桑稚はむしろ赤点を取らなかったことに驚いている。「物理は嫌いだから授業を聞いていなくて、一夜漬けだったのに?おおお~ きっと今後の人生でも物理は必要ないはず…そうでしょう?」しかし桑栄は苦手科目を強化すべく、この冬休みは娘に物理の家庭教師をつけると決めた。桑稚の家庭教師は兄の桑延だった。しかし実の兄妹のため互いに遠慮がなく、結局、大げんかになってしまう。桑延は両親に別の家庭教師を探すよう訴えたが、桑栄と黎萍は娘が知らない男と2人きりになるのは心配だと反対した。桑稚はこれでしばらく物理から解放されると喜んだ。しかしその夜、母が新しい家庭教師を見つけたと報告する。「明日の朝10時に来るから、早く休みなさい」桑稚は絶望した。まさかこんなに早く代わりの家庭教師が見つかるとは…。桑稚は家を抜け出そうと思いついて着替えたが、夜が明けるのを待っているうち眠ってしまう。つづく(ˇ꒳ˇ *)そりゃ惚れてまうわな
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第27話「謀反の証拠」何者かに連れ去られた駱青蓮(ラクセイレン)。桓(カン)州への道中で急報を聞いた賀連信(ガレンシン)は直ちに引き返したが、なかなか青蓮の消息はつかめなかった。その頃、青蓮は見知らぬ男に監禁されていた。男は自分と一夜を共にすれば命を助けると迫ったが、青蓮は賀連信が許さないと啖呵を切る。「鉄くずさえ見つけられないでいるのに、お前を探せると思うか? そもそも地図があってもこんな荒れ野の小屋を見つけるのは無理だ」「…地図、鉄くず?ふっ、分かった」すると青蓮はかんざしを抜いて自分の首に当てた。「近づいたら死ぬ!」驚いた男は慌てて離れたが、嫌でも腹が減って眠くなるだろうと冷笑した。東籬(トウリ)は責任を感じ、この2日間、飲まず食わずで主を探していた。すると賀連倚(ガレンイ)がふらふら歩いている東籬を見かけ、咄嗟に抱きかかえて回廊の椅子に座らせる。「少し休め」「私が無能なせいで小姐がこんなことに…」「それは違う」賀連倚は独りで歩いて戻って来た東籬の手が虫に刺されて傷だらけだと気づき、薬を塗てやった。その時、東籬は暴漢の手に珍しい形の虫刺されの跡があったことを思い出す。「ムカデのような赤い筋の後を残す虫は?」「そうだな、郊外の荒れ野に生息する虫だろう…はっ!」阮之湄(ゲンシビ)は配下に駱青蓮の始末を命じていた。しかし配下が小屋に駆けつけた時、ちょうど賀連信と賀連倚が乗り込んで来る。青蓮はすっかり憔悴して眠っていた。それでも自分の身を守ろうと無意識にかんざしを何度も突き立てたのか、首に無数の小さな刺し傷がある。賀連信は思わず剣を握りしめたが、生き証人である男2人を成敗することはできなかった。賀連信たちは桓州に到着、駱青蓮を静養させながら捜査を開始した。駱青蓮を拉致した男たちはなかなか口を割らなかったが、賀連信は賀連修(ガレンシュウ)の配下だと分かっている。こんな手を使うとはよほど窮しているのか、恐らく桓州と何か関係があるのだろう。すると床を離れた青蓮が顔を出した。「修公子の桓州での企みが分かりました、武器庫です」賀連修が駱青蓮を拉致したのは地図を取り戻すためだった。青蓮は監禁した男の話から例の地図が桓州における鉄鉱石の分布図だと気づいたという。「謀反の証拠となります」一方、青蓮の危機を知った呂北逸(リョホクイツ)も荒れ野へ駆けつけていた。しかし小屋はもぬけの殻、そこで賀連信たちを追って桓州へ到着する。すると偶然にも客桟から出て来た東籬を見かけた。呂北逸は客桟の回廊で話し込んでいる駱青蓮と賀連信を見つけた。どうやらすでに武器庫の件がばれてしまったらしい。賀連信は呂北逸の助けがなければ賀連修が武器庫を作れなかったと分かっていた。「誰に仕えるかは呂北逸が選ぶことだ、それは構わぬ だがお前の生死まで気にかけぬようになるとはな」「この世は義理より利益を求める人が多い…」呂北逸は一刻も早く手を打たねばならず、そこで帰ってしまう。しかし青蓮の話には続きがあった。「でも逸哥哥は違う、修公子に利用されたのでは?」やがて伝令兵が駆けつけた。賀連倚が武器庫を発見したという。賀連倚は武器庫をあっという間に制圧、大量の武器と多額の銀子を発見した。それ以外にひとつだけ錠のかかった箱があり、賀連信たちを呼んでから一緒に開けることにする。駱青蓮も同行したが、武器庫を制圧する時間があまりにも短いと怪しんだ。「修公子にとって命綱である武器庫なのに…」しかし賀連倚は問題にせず、錠を破壊して箱を開けてしまう。すると驚いたことに偽の安王印と安王討伐を訴える檄文が出てきた。「四哥、何と大それたことを…(はっ)違う、世子だ!」実は檄文の最後にある印章は賀連儲(ガレンチョ)のものだった。呂北逸はわざと武器庫を開け渡し、世子に罪をなすりつけた。世子が罰を受ける時は必ず報告者も罰するのが慣例。賀連信は追い詰められた賀連修が相討ちを仕掛けたと分かった。「ふっ、私の負けか…」その時、睿(エイ)郡王を敬愛する衛兵たちが自害して証拠を見なかったことにすると嘆願した。賀連信は自分のために生きて欲しいと訴え、何があっても戦うと安心させる。しかしそれが気休めでしかないことを青蓮も賀連倚も知っていた。賀連信一行は捜査を終えて曲涼(キョクリョウ)へ戻った。すでに民の間にも謀反の噂が流れ、恐らく父王の耳にも届いているのだろう。賀連信は別れ際、まもなく子供が生まれる賀連倚にお守りの長命鎖を渡した。「三哥は災いを免れまい、お前が父親になる姿は拝めないな」「ここでお別れです…兄弟の中で大切なのは三哥だけだった」すると賀連信は蘇南春(ソナンシュン)を賀連倚の屋敷へ向かわせ、外に出さないよう命じた。駱青蓮は賀連信の身支度を整えると、東籬に箱を持ってくるよう命じた。しかし東籬は困惑、口ごもってしまう。そこへ蘇南春が慌てて戻ってきた。「公子!倚公子は帰宅せずに王府へ行きました!」東籬はその場にひざまずき、実は安王印と檄文を入れた箱は賀連倚が持っていると明かす。実は東籬は桓州の客桟で公子たちの荷物をまとめている時、偶然、賀連倚が寝台に隠しておいた安王印を見つけた。東籬は倚公子が信公子の身代わりになるつもりだと気づいて反対したが、賀連倚は義のために犠牲になる精神を分かって欲しいという。『友である君なら理解してくれるはずだ』七弟の真意を知った賀連信はすぐ王府へ向かうことにした。すると駱青蓮がひざまずき、七弟の策に乗るべきだと進言する。「さもないと公子が罰を受け、倚公子も欺君の罪になってしまいます 倚公子の善意が無駄に…」一方、安王は老七が持ち帰った謀反の証拠に怒り心頭だった。しかし任務を任せた老三がいないことを訝しむ。賀連倚は自分が証拠を見つけたが、事が重大なだけに口外できなかったと釈明した。「三哥は何もご存知ありません」そこで安王はすぐ睿郡王を呼べと命じた。安王は賀連信に安王印と檄文を渡し、見覚えがないか確認した。すると賀連信は見たことがないと答えたが、実は噂には聞いていたという。「探しましたが見つかりませんでした、まさかここで見ることになるとは… 世子が謀反を起こすことはあり得ない、恐らく七弟の早合点でしょう」安王は賀連信が兄をかばっていると気づき、それ以上は追及しなかった。これまで多くの罪を犯してきた世子・賀連儲。しかしこれが最後の罪になった。安王は亡き王妃の忘形見への愛情に変わりはなかったが、世子としての期待を全て消し去ってしまう。結局、賀連儲は再び世子を廃され、懲理院に永久幽閉を命じられた。また賀連倚は本人の希望により、辺境の防御を任される。賀連信は四弟への恨みを募らせ、曲涼のためにも必ず賀連修の悪行を暴いてみせると誓った。賀連信が屋敷へ戻った。賀連倚が辺境へ行くと聞いた駱青蓮は任務も赴任への旅も辛いものだと胸を痛めたが、その時、急に東籬がひざまずいて嘆願する。「公子、小姐…私は倚公子についていきます」つづく( ๑≧ꇴ≦)世子wwwwww
2024.11.23
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岁岁青莲 Blooming Days第26話「蓮灯の誓い」漣微居(レンビキョ)に戻った李塘(リトウ)。侍女たちは裏切り者に辛辣だったが、駱青蓮(ラクセイレン)が事情を明かしてくれた。実は李塘は静姝(セイシュ)館へ送り込んだ間者だったという。「あなたは私のために力を尽くしてくれた、身内も同然よ 辛かったでしょう?申し訳なかったわ」こうして誤解が解け、李塘は再び仲間たちに暖かく迎え入れられた。李塘は酒瓶が入った化粧箱を取り戻していた。実は底に地図が隠してあったという。南如珍(ナンジョチン)はこれが阮之湄(ゲンシビ)の弱みだと話していた。どうやら賀連修(ガレンシュウ)にとって大事な物のようだが、駱青蓮には地図が何を示しているのか分からない。「曲涼(キョクリョウ)城内でもない、村落でもない…どこかしら?」そんな中、睿(エイ)郡王邸に南如珍が死んだと知らせが入った。お腹の子を殺されて4年、駱青蓮は意外な形で敵討ちを果たした。しかし南如珍がどんなに苦しもうと自分の子が生き返るわけではなく、喜びより虚しさに襲われてしまう。南如珍の死で駱青蓮は栄華と人心の移ろいやすさを悟った。恐らく手に入れた賀連修の地図も諸悪の根源に違いない。曲涼の民の血税をこっそり吸い取り、賀雲朔(ガウンサク)や良吏(リョウリ)の政への心血をも吸い取ってしまう、言わば野心を満たすだけが目的の地図なのだ。その夜、駱青蓮は賀連信(ガレンシン)を未晞(ミキ)池に呼び出し、全てを明かした。「私には許しがたい罪があります、どうか処罰を…実は他者の手を借りて敵を討ちました」青蓮は子を失った日から真相究明に必死だった。今回も南如珍が賀連修の手先だと知り、李塘の裏切りを仕組んで証拠集めに行かせたという。しかし賀連信が何より傷ついたのは、青蓮が屋敷に戻るため、正気を失った芝居で自分の同情を買ったことだった。「公子が知っている駱青蓮は確かに善良で素直で率直、度量が広い… でもその駱青蓮は王府に入る前に死んだのです」「1つだけ聞く、私は復讐の道具でしかなかったのか?」「違うと言ったら信じてくれますか?」「…そうだな、信じられぬ」すると賀連信は帰ってしまう。許寄柔(キョキジュウ)はなぜ駱青蓮が己を悪者にするのか分からなかった。賀連信も女たちの戦いを重々、承知しているだろう。しかし駱青蓮は賀連信が愛したのが本当の自分ではないことが辛かった。「公子の理想の駱青蓮は幻影なの、幻影は苦しい、誰かを愛すると心が苦しくなる」郊外でひっそり暮らしていた呂北逸(リョホクイツ)の屋敷に賀連信が現れた。賀連信は最愛の人が嘘をついていたと知り、率直に明かされても今さら信じられないという。すると呂北逸は昔話を始めた。呂北逸が父から罰としてひざまずかされた時、青蓮が自分の家からこっそり食事を差し入れに来てくれたという。しかし青蓮の身体にあざがあることに気づいた。聞けば家から抜け出したせいで母親に叱られ叩かれたという。呂北逸は口実をつけて出かければ済むと呆れたが、青蓮は嘘が嫌だと言った。「嘘をつかぬのは1人で責任を取るため、しかし今は? 青蓮はあなたを失うのを恐れたのです だから青蓮は己を変える必要があった、純粋なままでは生き残れぬから… 青蓮が自分から嘘を打ち明けたのは本当の自分を愛して欲しいからです、幻想ではなく」その夜、駱青蓮は賀連信に呼ばれて未晞池に駆けつけた。すると池には蓮灯が浮かんでいる。「これは誰の蓮灯だと思う?」「…私です」「そうだ、これは別院で芝居をしていたお前、あれは策略を巡らすお前 これは初めて会った頃の私だ…」賀連信は全てを水に流し、やり直そうと言った。青蓮の長所だけでなく短所を知ってもなお離れられないのが本当の愛だという。「駱青蓮は蓮灯に誓います、公子には今後、真心のみ捧げると…」「賀連信は一生、疑わぬと誓おう」駱青蓮は李塘が事情を知らない使用人たちに白い目で見られていることを心配していた。そこで賀連信は折よく欠員が出た曲陰県に李塘を移すことにする。実は昨今、死刑囚が民を買収して身代わりにするという事件が頻発していた。しかし黒幕がつかめず、不正な金は桓(カン)州に集まっているという。賀連信は賀連倚と調査に出かけることになり、李塘を一緒に連れて行くことにした。駱青蓮は郊外まで賀連信たちの見送りに出た。李塘は主への大恩に報いる前に離れることが心苦しかったが、青蓮は功を成すことこそ恩返しになると励ます。「古傷があるから冷えには気をつけて…それから… 衣は用意したけれど、冬になったら綿入れを送るから」すると李塘はその場で叩頭し、出発した。「…私にも何かくどくど言ってくれ」賀連信は青蓮が弟のように李塘を心配する様子を羨やみ、七弟や蘇南春の失笑を買ってしまう。「笑うな!…行くぞ!」しかし青蓮と東籬(トウリ)は帰りの道すがら何者かに薬を嗅がされ、東籬が眠っている間に青蓮だけ連れ去られてしまう。賀連修たちが道端で休憩していると、早馬が追いついた。「公子、青蓮夫人が大変です!」一方、三兄の桓州行きを知った賀連修は慌てて配下に地図を奪うよう命じていた。しかし漣微居を探したが見つからず、配下は駱青蓮から聞き出すため拉致したと報告する。「愚か者!相手は駱青蓮だぞ?おまえごときに勝てるとでも?!」そこへ夫の下策を知った阮之湄がやって来た。賀連修は呂北逸の助けで桓州に築いてきたものが三兄に暴かれてしまうと釈明したが、阮之湄はかえって窮地になったと呆れてしまう。「駱青蓮を捕えれば三兄は命懸けで救うわ!…こうなったら殺して手を打つしか」いよいよ追い詰められた賀連修。あの地図のため妹を害し、手飼いの南如珍を切ったが、もはやこれまでなのか。そこへ呂北逸が現れた。「手を汚さず相打ちにすべきかと」「駄目だ、武器庫は私の命綱」しかし阮之湄は完敗するくらいなら差し違えようと言った。つづく( ̄▽ ̄;)男主と女主の大事なシーンなのに早送りしたい…なんてこれっぽちも思っていませんよ、え?|ω・`)
2024.11.21
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岁岁青莲 Blooming Days第25話「兄の敵」駱青蓮(ラクセイレン)の尽力で無事に男児を出産した南如珍(ナンジョチン)。賀連信(ガレンシン)は青蓮の寛容さに感心しきりだったが、嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)は子を殺された駱青蓮が南如珍を助けるとは到底、信じられなかった。「きっと何か別の狙いがあるはず…」その夜、賀連信は静姝(セイシュ)館で息子の昀(イン)をあやしていた。南如珍の話では医官から難産で生まれたため喘息の疑いがあると言われたが、香り袋があって幸いだったという。するとの駱青蓮の侍女・織月(ショクゲツ)が慌てて駆けつけた。「公子、大変です!漣微居(レンビキョ)に刺客が!」賀連信は慌てて漣微居に駆けつけたが、青蓮は無事だった。捕らわれた刺客は意外にも女だった。実はその女は駱青蓮の腹を刺した例の書生。趙清雲(チョウセイウン)は敵討ちのため男装し、亡き兄が一夜を共にした女の香りを探していた。そうとは知らずあの夜、駱青蓮が南如珍の香りをつけた手巾を見せたことから、趙清雲はてっきり兄の敵だと誤解し、腹を刺してしまう。しかし駱青蓮は長命鎖のおかげで無事だった。趙清雲は事情を明かし、目的があるなら協力したいと申し出る。『今生で兄の敵を討てなければ生きている意味などないわ』『なら睿(エイ)郡王邸に刺客として忍び込める?』…趙清雲は親を早くに亡くし、兄の趙清則(チョウセイソク)に育てられたすると半年前、夜半になって腹を刺された兄が命からがら帰って来たという出血がひどく手遅れだったが、趙清則は最後の力を振り絞り、何があったのか話してくれた趙清則は帰り道で路地を通った時、誰かに頭を殴られて気を失った気がつくとどこかの屋敷に運ばれ、何も見えない中で淫らな女に誘惑されたという結局、趙清則はその女と関係を持ったそれで終わると思ったが、非情にも解放された趙清則はいきなり刺されてしまう趙清則は死んだふりをして暴漢たちが消えるのを待ち、何とか家までたどり着いたそして妹に全てを明かして力尽き、絶命してしまう…趙清雲は駱青蓮に話したことをそのまま賀連信に伝えた。実は兄の身体には誘惑した女の香りが染みつき、その香りを手がかりに敵を討とうと誓ったという。「どの店でも見つからなかった、でも今日、大街にいたこの女から同じ匂いがした!」賀連信は驚いたが、ふと青蓮の香りがいつもと違うことに気づく。すると東籬(トウリ)が今日は愛用する沁宜(シンギ)香を切らし、確かに別の香りを借りたと伝えた。「確か名前は百…百ほにゃらら~?」「百悦香か…」賀連信はそれが南如珍の香りだと知っていた。「蘇南春(ソナンシュン)、直ちに妻妾たちを驚秋(キョウシュウ)院に集めろ」南如珍が子種をもらって出産、賀昀は賀連信の子ではないと分かった。焦った南如珍は誤解だと訴えたが、白黒つけるため滴血法を試すことが決まる。侍女・綺眉(キビ)は静姝館から小公子を連れて来たが、南如珍は我が子を抱きしめ、小さな身体に針を刺したくないと拒んだ。するとそれまで冷ややかに見ていた駱青蓮が立ち上がり、この難関を乗り越えれば誰にも後ろ指を差されずに済むと説得する。南如珍はようやく子供を駱青蓮に渡したが、その時、急に賀昀の様子がおかしくなり、喘息を鎮める香り袋がないことから急死してしまう。南如珍は息子の死を嘆き悲しんだ。賀連信はこれ以上、南如珍を追及できなくなり、滴血法も中止してしまう。「駱青蓮!私の子に何をしたの?!」この不幸に乗じて南如珍は駱青蓮に子殺しの罪をなすりつけようとした。しかしそこへ李塘(リトウ)が駆けつける。「私は今、如珍夫人の侍従です…真相をお話しいたします 如珍夫人にとって寵愛を取り戻す一番の近道は懐妊でした」実は李塘は綺眉から真相を全て聞き出していた。…南如珍は懐妊を期待するも公子の渡りがなく、そこで教養ある美丈夫を使用人に探させたその夜、戸口に見張りを立て、催淫香を焚いた部屋に男を連れ込んだという男は催淫香とは知らず南如珍と関係を持ち、口封じに殺されたその男の名は趙清則…李塘の証言と趙清雲の告発は合致した。言い逃れできなくなった南如珍はこれも愛する賀連信のそばにいるためだったと情に訴える。すると天罰の如く激しい雷鳴がとどろいた。綺眉は恐ろしくなり、確かに全て南如珍の指示だったと認めてしまう。逆上した賀連信は思わず南如珍の首をつかみ、すぐさま引っ張り出して打ち殺せと命じた。しかし思いがけず駱青蓮が命だけは助けて欲しいと嘆願する。「共に公子にお仕えしてきました、何より安(アン)王のお耳に入れば責められるかと…」その頃、賀連修(ガレンシュウ)は地図を取り戻せず、やきもきしていた。「南如珍は一向に動こうとせず、跡継ぎまで産んだ、今後はもっと強気に出るやも…」しかし阮之湄(ゲンシビ)は駱青蓮と戦うために南如珍には自分たちの力が必要だという。すると侍女が駆けつけ、南如珍が庶人に落とされ、屋敷を追放されたと報告した。身一つで追い出された南如珍は行く当てもなく、店の軒下で雨宿りしていた。そこへ阮之湄が現れる。「夫人!夫人だけは私を見捨てないと信じていました!」「私が送り込んだせいでこんな惨めな思いをさせてしまったわ、それで酒瓶の箱は?」「それが…駱青蓮の手にあります、でもご安心を、地図を見ました、私が描きます!」「地図を見たの?」すると阮之湄は侍女に目配せして引き上げることにした。「夫人?…どちらへ?!」焦った南如珍は追いかけようとしたが、使用人たちに捕まって裏道に連れ込まれてしまう。翌朝、李塘が化粧箱を持って漣微居に現れた。ちょうど裏庭にいた侍女たちは裏切り者を追い出そうとしたが、そこへ駱青蓮が現れる。「やめなさい」つづく(´-ω-`)やっぱり李塘は間者だったのか
2024.11.20
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岁岁青莲 Blooming Days第24話「世継ぎ誕生」南如珍(ナンジョチン)より先に懐妊していたことが公となった駱青蓮(ラクセイレン)。すっかり騙されていた賀連信(ガレンシン)は青蓮が腰布を巻いて4ヶ月も隠していたと知り、呆れるばかりだった。そんなある日、姉の懐妊を知った駱水蘭(ラクスイラン)が数年ぶりに漣微居(レンビキョ)に現れる。青蓮は疎遠になっていた妹との再会を喜んだが、早々に水蘭がまた問題を起こした。翌朝、中院を掃除していた侍従・李塘(リトウ)はうっかり植木鉢を落として土をこぼした。すぐにほうきで掃いていたが、駱水蘭が来たことに気づかず、うっかり履き物に土をかけてしまう。水蘭は無礼だと声を荒らげ、騒ぎに気づいた駱青蓮がやって来た。「姐姐!姐姐は使用人を大事にするけれど、この李塘は自分が悪いのに口答えしたわ! いつかきっと姐姐にも反抗するようになる!」青蓮は前回の教訓もあって妹の肩を持ち、罰として李塘にひざまずいて反省するよう命じた。一方、南如珍は駱青蓮からどうやって化粧箱を取り返せばいいのか考えあぐねていた。こんな時に役にたつ側近も静姝(セイシュ)館にはいない。すると人材探しを任せていた使用人・宋大斉(ソウタイセイ)がやって来た。「これ以上ない人物が見つかりました」それは漣微居の李塘だった。数日前、李塘は駱水蘭に口答えし、罰として一晩もひざまずいていた。元来、駱水蘭と李塘は相性が悪かったが、今回は青蓮夫人が妹に味方したという。宋大斉はこの機に李塘を酒に誘って酔わせ、話を聞き出していた。「青蓮夫人の悪口をぶちまけていました、主を見る目がなかったと…」南如珍はともかく宋大斉に賂を渡し、折を見て李塘を連れてくるよう頼んだ。宋大斉が静姝館に李塘を連れてきた。しかし噂通り硬骨漢で情義に厚く、一筋縄ではいかない。そこで南如珍は密かに手に入れた李塘の詩を示し、その野心を利用した。「使用人が思いがけず推挙される例はある、埋もれたまま終わるか頭角を表すかはあなた次第」南如珍はある仕事を頼み、成功すれば半年のうちに官職に就けると懐柔した。駱青蓮は李塘が静姝館に出入りしていると知っても、決して裏切らないと信じ静観していた。そんなある日、李塘が駱青蓮の化粧箱をこっそり盗み出して南如珍に渡してしまう。南如珍は任務を完了して安堵したが、箱の中に入っていたのは酒瓶だった。大した成果もなくまだ李塘を信用する気になれない南如珍。「今日は帰って」その時、席を立とうとした南如珍はうっかり裳裾を踏んで転びそうになった。すると咄嗟に李塘が抱き止めてくれる。南如珍は駱青蓮の敵である自分を助けてくれたことに驚き、李塘を疑い過ぎたと反省した。侍女の織月(ショクゲツ)は李塘の裏切りを目撃、主に報告した。漣微居に戻った李塘は待ち構えていた主の前でひざまずき、確かに南如珍にそそのかされたと訴える。「自分の間違いに気づきました、どうかやり直す機会を…」「私を恨んでいるのね、私の宝物を敵に渡すなんて!その身勝手な足をへし折ってやる!」すると李塘はこれまでの鬱憤が爆発した。「駱青蓮!自業自得だ!使用人を大事にしないからだぞ!」「打!」「待って」その声は南如珍だった。南如珍は率直に李塘を静姝館で引き取りたいと申し出た。そこで李塘が持ち出した物だと包みを広げて見せる。包みの中には大量の薬材が入っていた。「李塘は忠実で、青蓮夫人が飲む薬と私の安胎薬の種類を比べていたのです」「生薬ではないわ」「違うの?そんなに激怒するなんてよほど大事なものなのね? もしや青蓮夫人と誰かの誓いの品だったとか?…ふふ」青蓮は弱みを突かれて何も言えず、李塘が静姝館へ移ることを認めるしかなかった。駱青蓮が産気づいた。月数は足りていたが早産となり、賀連信は気がきでない。漣微居に妻妾たちが集まる中、麒麟の子の誕生を楽しみにしていた安(アン)王も駆けつけた。すると日も暮れた頃、激しい雷鳴がとどろくと同時に寝所から産声が聞こえてくる。「王爺、公子、おめでとうございます、元気な小公子ですよ」乳母は産まれたばかりの赤子を安王に渡した。喜んだ安王は愛孫に″南昭(ナンショウ)″と名付け、3歳になったら王府で自分が面倒を見たいという。「そなたの屋敷で側室に空きがあると聞いた、青蓮をその地位に…」南如珍は駱青蓮の厚遇に激しく嫉妬し、焦燥感が募った。そこで酒瓶を調べてみたが阮之湄(ゲンシビ)の狙いは分からず、思わず化粧箱に八つ当たりしてしまう。すると放り投げた化粧箱のからくりが外れ、底から地図が出てきた。「狙いの物はこれだったのね?」そこへちょうど駱青蓮の出産祝いを届けに李塘がやって来た。「ふん、得意がればいいわ、幸せが永遠に続くはずない」南如珍のお産が始まった。知らせを聞いた賀連信はすぐ駆けつけたが、南如珍は難産で激しい腹痛に襲われ、産婆まで倒れてしまったという。医官はもはや運に任せるしかないと言った。すると思いがけず駱青蓮が現れる。「外は寒いのになぜ来た?」賀連信は産後間もない青蓮を心配して寝宮で待つよう伝えていたが、青蓮は自らお産を手伝うと申し出た。駱青蓮の助力により南如珍は無事に男児を産んだ。しかし青蓮は無理をしたせいか疲れ果てて倒れてしまう。青蓮が漣微居で目を覚ますと沈静容(シンセイヨウ)がいた。賀連信は南如珍そっちのけで青蓮を送り届け、そのまましばらく付き添っていたという。「でもあなたの行動には驚いたわ」「どうしても産んでもらう必要があったの」南如珍の赤子の顔を見た青蓮は十中八九、自分たちの推察通りだと言った。賀連信は回復した駱青蓮を連れて庭園を散策した。「てっきり南如珍を恨んでいるかと…どうやら杞憂だったな 私の丫头(ヤートウ)は天下で一番、優しくて心の広い女子だ」青蓮は賀連信から称賛され、かえって後ろめたさに苛まれてしまう。「私は…私は…」しかしその時、蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、話が途切れた。「公子!王爺がお呼びです」「分かった、では行ってくる」つづく( ˶´꒳`˵ )わんいえ、すごく嬉しそう~
2024.11.19
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岁岁青莲 Blooming Days第23話「佳人の残り香」賀連信(ガレンシン)は四弟・賀連修(ガレンシュウ)を見つけるなり胸ぐらをつかんだ。「なぜだ?なぜ妹妹にまで手をかけた!」良医署の毒薬が減っていたことから、医官たちは郡主が盗んだのだと推察した。しかし賀連信は元雪に毒を手に入れる術などないと知っている。「お前が昨夜、良医署に行った後、元雪を訪ねた 元雪にもしものことがあれば父親は私を厳罰に処すからな、それが狙いなのだろう?!」「私が毒殺したと?!私の妹妹でもあるんですよっ?!」「確かに証拠はない、だが天は知っている、お前は爵位を継ぐため良心まで失った 天は見ている、お前は曲涼(キョクリョウ)の主になれぬだろう」呂北逸(リョホクイツ)の治療で賀元雪は一命を取り留めた。報告を聞いた安(アン)王はようやく娘の様子を見に行ったが、元雪はうなされながら呂北逸の名を呼んでしまう。「呂北逸…他の人に嫁ぎたくない…」安王は元雪の想い人が呂北逸だと知り、老三と呂北逸を呼んだ。賀連信は妹の警護が甘かったと認めて罰を請うた。しかし咄嗟に引き返して妹の命を救ったことから、安王は相殺により賞罰なしだという。呂北逸もまた賀元雪の命を救った功が認められたが、安王はあまりに罪が大き過ぎると言った。「お前は輿入れに乱入し、賀家の面目を潰し、郡主の名節も汚した」すると安王は弔いの酒だと言って呂北逸に杯を差し出す。賀連信は慌てて止めようとしたが、その時、賀元雪の声が聞こえた。「飲まないで!」一方、蘇南春(ソナンシュン)から報告を聞いた駱青蓮(ラクセイレン)は馬を駆けて王府へ向かっていた。賀元雪は呂北逸の命だけは助けて欲しいと嘆願した。どちらにせよ愛する人以外に嫁ぐつもりはなく、父王がどんな婿を選ぼうと決意は変わらないという。安王は娘の思わぬ反発に深く失望し、怒りに任せて呂北逸に毒酒を賜った。「王爺!お待ちください」すると駱青蓮が現れた。青蓮は安王から″死を免じる″という約束の証しとして賜った亡き王妃の玉笛をかかげる。「これを呂北逸に譲ります、譲渡禁止とはおっしゃいませんでした 私はただ王爺に決断の後悔を残して欲しくないのです」結局、安王は父親としての情にほだされ、賀元雪の望み通り王府を出ることを許した。しかしこれからはもう父娘ではないという。「父親…」「父と呼ぶな、天下は広い、どこへでも行け」安王は駱青蓮から玉笛を受け取ると、正殿を出て行ってしまう。賀連信は妹と一緒に正門を出た。すると馬車の前で呂北逸と駱青蓮が待っている。呂北逸は自分を愛してくれる賀元雪を受け入れると決めたが、あばら家で質素な生活になると念を押した。「今は何もしてあげられない、情や名分も与えられないが、本当にいいのか?」「その答えは私が服毒した時に出ていたはず」「はお」その様子を遠目から賀連修が見ていた。賀元雪は別れ際、兄嫁に酒瓶の入った化粧箱を渡した。「先日、一夜を共にした女子を探し回っている書生を見かけたの 一途なのは私だけじゃない、愛に苦しむ人は他にもいる 呂北逸に比べたら私は幸運ね、二度と会えないと思ったけれど、これからはそばにいられる だから本来の持ち主にこれを返します」賀元雪は呂北逸の深い愛情を得ることができた駱青蓮を幸せだと言った。賀連修の地図を隠した化粧箱は駱青蓮の手に渡った。こうなると頼りになるのは南如珍(ナンジョチン)だけ。しかし賀連修は麒麟の子を宿した南如珍が今さら自分たちに従うとは思えない。そこでその夜、嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は自ら静姝(セイシュ)館に赴いた。駱青蓮は就寝前の安胎薬を飲んでいた。すると侍従の李塘(リトウ)が駆けつけ、之湄夫人が侍女を使わず自ら南如珍に会いに来たと報告する。「まさか脅しに来たとか?」青蓮は彤冊(トウサツ)を詳しく調べた許寄柔(キョキジュウ)の話を思い出した。…記録を改ざんした跡があったわ…その謎を解いてくれたのは今日の賀元雪の話だった。…書生は香粉の店を回っていたわ、その女子の顔は覚えていないけれど、独特な幽蘭(ユウラン)の香りが漂っていたとか…「東籬(トウリ)、南如珍の愛用の香を知っている?」「もちろん、幽蘭から作られた香粉・百悦(ヒャクエツ)香です」駱青蓮は早速、内務房から百悦香を取り寄せた。阮之湄は南如珍に化粧箱を取り返すよう命じて帰って行った。未だ他人に操られることに我慢ならない南如珍。そこで徐良川(ジョリョウセン)に例の書生を始末してくるよう指示したが、思いがけず邪魔が入った。徐良川は裏道の暗がりで書生に襲いかかった。しかし黒装束で顔を隠した東籬と李塘が邪魔して書生を連れ去ってしまう。徐良川は退散する途中、書生が女と会っているのを目撃し、急いで静姝館に戻った。遠目からでは書生と話していた女が誰か分からなかったが、姿形は青蓮夫人に似ていたという。「実はその女は書生に刺され、深手を負いました」南如珍は漣微居に乗り込み、邪魔をする侍女を引っ叩いて駱青蓮の寝所に入った。青蓮はすでに寝台に横になっていたが、南如珍の姿に驚いて慌てて腹を隠す。「使用人が姐姐と書生が密会していたと言うんです 別れ話のもつれか、書生は姐姐の腹を匕首で刺したとか」南如珍は青蓮の腹が大きいのは傷あての綿紗を巻いているせいだと誤解し、いきなり寝衣をめくってしまう。すると確かに青蓮の腹は大きかったが、それは懐妊しているからだった。駱青蓮は書生から証言を得るため百悦香の手巾を見せた。すると書生は駱青蓮が一夜を共にした女子だと誤解、いきなり匕首で青蓮の腹を刺してしまう。しかし匕首はちょうど腹帯に入れていた長命鎖に当たっていた。こうして図らずも公になった駱青蓮の懐妊。そこへ久しぶりに妹の水蘭(スイラン)が訪ねてきた。「以前のことは私が悪かったわ、許して」「本宅に戻ってから何度、招いても来てくれなかったわ 妹を遠ざけた私を許せと言うの?」「姐姐が誰よりも私を可愛がってくれたと分かってる」つづく(´⊙ω⊙`)あーっ!老四ってどこで見たのかずっと考えていたけれど分かった!長相思でカメハメ波で女主を殺しちゃった人か!w
2024.11.18
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岁岁青莲 Blooming Days第22話「麒麟の子」懐妊して3ヶ月、駱青蓮(ラクセイレン)はお腹が目立たぬよう布を巻き、その間にお守りの長命鎖を入れていた。「神様がきっと守ってくれる」すると侍女の染雲(ゼンウン)が御子は平気でも、夜伽を断りに行く度に後ろめたさに苛まれ、自分の心臓がもたないと笑う。一方、静姝(セイシュ)館では南如珍(ナンジョウチン)が鳴りを潜めていた。「例の件は始末したわね?」「はい、誰にも知られていません」そんなある日の朝議、安(アン)王は嬉しそうに麒麟の子が元気に遊ぶ夢を見たと話した。神祇(ジンギ)官の話では瑞兆で、将来の世継ぎが生まれるお告げだという。「将来の世継ぎということは私の爵位を継ぐ運命の孫が生まれるのか!」しかし息子たちの中に心当たりのある者はいないという。そこで早速、総管・于徳常(ウトクジョウ)を息子たちの屋敷に遣わし、懐妊した妻妾がいないか調べるよう命じた。于総管は麒麟の子を見つけられないまま最後に睿(エイ)郡王邸を訪ねた。事情を聞いた東籬(トウリ)はこれで主も懐妊を明かせると喜んだが、駱青蓮は顔を曇らせる。「屋敷と王府で避けるべきは″貪心(タンシン)″よ 人は貪心ゆえにボロを出す、瑞兆と聞けば秘密を明かしたくなるわ でもこれは天が与えた試練ね、沈黙を守る」方懐蕊(ホウカイズイ)は妻妾を驚秋(キョウシュウ)院に集めた。結局、駱青蓮は懐妊を隠したまま、他に懐妊の兆候がある妻妾は見つからない。方懐蕊は妻妾たちを引き連れ、落胆する于総管を見送りに出た。その時、急に南如珍がえずいてしまう。妻妾たちはおかしな物でも食べたのかと冷ややかだったが、于総管は試しに医官に脈診させることにした。すると驚いたことに南如珍が懐妊していると分かる。報告を聞いた安王は大喜びだったが、賀連修は狐につままれるたような顔をしていた。↓マイマイの目w冷遇されていた南如珍が思いがけず立場を回復した。しかし南如珍がしばらく夜伽をしていないことを訝しんだ駱青蓮たちは彤冊(トウサツ)を調べることにする。すると一足先に方懐蕊が彤冊を確認していた。「疑念を抱いたのは私だけではないようね…どうぞご覧になって」南如珍の最後の夜伽は確かに2ヶ月前だった。落胆した駱青蓮は一足先に引き上げたが、許寄柔(キョキジュウ)と沈静容(シンセイヨウ)が慌てて引き止める。「妹妹、詳しく調べてみたら疑わしい点があったの」一方、賀連修(ガレンシュウ)は手先の裏切りに怒り心頭だった。しかし嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は逆境こそ辛抱が肝心だとなだめる。「幸運は往々にして不首尾に終わる、南如珍の懐妊ももう1つの慶次にも…」もう1つの慶次とは郡主・賀元雪(ガゲンセツ)の輿入れだった。実は安王は瑞兆を祝う宴を開き、その場で斉良甫(セイリョウホ)が縁談を申し込んだところ上機嫌で了承したという。婚礼を明日に控えた賀元雪は最後の望みをかけ、呂北逸(リョホクイツ)を訪ねることにした。するとちょうど通りかかった大街で騒ぎを起こす書生を見かける。書生は一途に想う相手を探し、香粉を売る店を回っていた。<ある匂いの女子をずっと探している、誰か!あの人を知らないか?!「たとえ愚かでも恋する人は幸せね…」実はその様子を侍従・徐良川(ジョリョウセン)も見ていた。徐良川の報告を聞いた南如珍は激高した。「何ですって?!始末したはずでは?」一方、賀元雪は呂北逸に縁談が決まったと報告していた。「明日が婚礼よ」しかし呂北逸は祝辞を述べただけ、やはり引き止めてはくれない。「あなたに嫁ぎたかった…残念だわ」すると呂北逸は郡主の最後の願いを叶え、しばし黒髪を梳かした。呂北逸は郡主の馬車を見送ると、酒を買って屋敷に戻った。すると机の上にあるはずの酒瓶を入れた化粧箱が消えている。賀元雪が持ち去ったのは明らか、呂北逸はすぐさま賀連修(ガレンシュウ)に報告した。その夜、賀連修は長沢(チョウタク)院に妹を訪ねた。化粧箱を返すよう説得したが、賀元雪は想い人の品をどうしても手放さない。「私が一番大切にしていた物は父親(フーチン)が下さった長命鎖、でも今後はこの酒瓶です 帰って!これは誰にも触らせない!」すると賀連修は毒薬を置いた。「呂北逸から取り返して欲しいと頼まれたんだ、彼の本心を伝えよう ″郡主は私を愛すると言いながら他の男に嫁ぐ そんな女子に未練を残されても汚らわしく思う″とな」賀元雪はそれが呂北逸の言葉ではないと分かっていた。…でも私自身が自分を許せない…翌朝、呂北逸は賀連修を訪ねた。しかし箱を取り返せなかったと言うわりに賀連修はやけに落ち着いている。実は化粧箱の下にはカラクリがあり、大事な地図が隠してあった。「あの秘密が漏れれば修公子の命も危ないはず…郡主に一体、何をしたんです?!」呂北逸は郡主の侍女から届いた絵を思い出した。それは郡主自ら描いた呂北逸の絵姿だったが、足元に描かれた鳥籠の戸が開いて鳥の姿はない。「はっ!」賀連信は妹の輿入れを任されていた。花嫁行列も間もなく新郎の屋敷に到着、それにしても妹の本意でない輿入れにも関わらず順調過ぎる。その時、呂北逸が現れ、輿を止めた。新郎は激怒したが、呂北逸が抱きかかえた賀元雪はすでに意識がない。「急がないと全身に毒が回ってしまう!」「王府へ戻れ!」驚いた賀連信は慌てて引き返した。良医署では昨夜、確かに毒薬が減っていたことが分かった。医官たちはもはや手の施しようがないとあきらめたが、賀連信は呂北逸に何か方法があるはずだと迫る。「1つだけあります、毒をもって毒を制す」一方、安王は娘が生死をさまよっていると聞いても決して会おうとはしなかった。民と官吏の自分への信頼を傷つける娘の暴挙、これからは元雪を娘とは思わないという。つづく( ゚ェ゚)お?書生が探しているのって南如珍?つまり公子の子じゃないのねでもあの書生、男装している女だったけど・・・
2024.11.17
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偷偷藏不住 Hidden Love第3話憧れの段嘉許(ドワンジアシュー)の前で大恥をかいてしまった桑稚(サンジー)。しかし段嘉許の優しい気遣いが自然と惨めな気持ちを忘れさせてくれた。すると食事を終えて桑延(サンイエン)の車を待つ間、段嘉許がクレーンゲームでクマのぬいぐるみを取ってくれる。「これでもう泣くなよ」その時、ふと桑稚は兄の代役を引き受けてくれた段嘉許にお礼の飴を渡したことを思い出した。…教師との面談を終えた段嘉許は桑稚を家まで送った『今日のことは言わない、その代わりこれからは真面目に授業を聞けよ また呼び出されたら、それこそ今日のことがバレる』『その時はまた来てね!』『次があるのか?』『はっ!ないない』桑稚は慌てて否定したが、段嘉許は本当の兄より優しいという『懲りないやつだな…ふっ』すると段嘉許は別れ際、桑稚に電球を渡した『そういえばキッチンの電球が切れていたから…』段嘉許は桑家を訪ねた時、黎萍(リーピン)が電球が1つ切れたと話していたのを覚えていた…〓第三篇 ~優しさ~ 少しだけ縮まった距離〓ある日、桑稚は同級生・殷真如(インジェンルー)に騙され、傅正初(フージョンチュー)の誕生日会に行く羽目になった。すると待ち合わせの店で思いがけず段嘉許と出くわす。実はその店は段嘉許のバイト先だった。段嘉許は桑稚にご馳走したが、桑稚は偶然、段嘉許が店長に給料の前借りを頼んだことを知る。そこへ傅正初たちが到着した。「あ、哥哥!こんにちわ!」傅正初は中学生の時、教師の面談に来た桑稚の兄と顔を合わせていた。段嘉許は暗くなる前に帰るよう注意して桑稚を見送った。すると桑稚が独りで慌てて引き返してくる。「哥哥、お金ないの?私の哥から聞いてたけど本当に働いているなんて… ならおごらなくても平気よ」「これくらいの金はある、考え過ぎだ」しかし桑稚はこっそり机に自分が持っていた小遣いを全部、置いていってしまう。カラオケボックスで傅正初の誕生日会が始まった。中学時代から桑稚を好きだった傅正初はこの機会に告白するはずだったが、桑稚は早々に帰ってしまう。傅正初は友人たちに煽られ後を追った。バイト先のウィンドウ越しに2人の様子を見守る段嘉許。するとまともに告白する間もなくやんわり断られた傅正初が泣き出してしまう。「ほらまた~話の途中で泣き出す!昔からちっとも変わってない!」桑稚はイライラして怒り出したが、段嘉許が駆けつけ、傅正初は慌てて帰ってしまう。段嘉許は高校生に恋愛は早いと叱った。確かに思春期の恋はよくあることだが、桑稚の本分は学業だという。「だから恋愛してないってば!」「信じるよ、でも誰かに好かれるのは悪いことじゃない、傷つけてはだめだ」「いや傷つけてないから~昔からあいつは泣き虫なの!」段嘉許は思わず失笑し、桑稚に小遣いを返した。「幾つもバイトを掛け持ちして大変でしょう?だから力になりたくて… これが私の兄だとしても助けてる」「俺を不憫に思ったのか?」「…ごめんなさい」「ありがとう、俺を気遣ってくれたんだな、でも金がないわけじゃないんだ じゃあこうしよう、哥哥が本当に貧乏になった時に借してくれ」しかしこの日を境に桑稚は中学から仲良しだった殷真如に無視されてしまう。今日は年に一度の体育祭。桑稚は傅正初を熱心に応援する殷真如の姿に戸惑いながら、走り高跳びに参加するため準備運動を始めた。ボランティアで体育祭の運営を手伝っている桑延と段嘉許。しかし桑稚は2人の応援もむなしく、バーに引っかかって倒れてしまう。桑延と段嘉許は慌てて桑稚の元に駆けつけた。すると桑稚は捻挫して立ち上がれず、あちこち擦りむいている。桑延は妹を背負い、救護テントへ連れて行くことにしたが、運悪く見学に来ていた中学の陳(チン)先生に見つかってしまう。「あれ?桑稚哥哥?」「はっ!…どうも」「じゃあこちらは?」焦った桑稚は咄嗟に兄の口を手でふさぎ、思わず父だとごまかした。( ゚д゚)はあ?父って…え?救護テントには誰もいなかった。桑延は段嘉許に妹を頼み、誰かを連れてくると言ってどこかへ行ってしまう。すると段嘉許はひとまず桑稚の擦り傷を消毒することにした。桑稚はしみじみ段嘉許の優しさを実感し、桑延とは大違いだとこぼす。「私の哥は愛がない」「愛がない?君が転んだ時、すごく慌てていたぞ?すぐに君を背負っただろう? 愛がないなんて…何を考えているんだか」「でもいつも私を罵るもん、さっき怪我をした時だって…」「あいつの小言を止めるのは無理だよ」そこへ桑延が飲み物を持って戻って来た。桑延は文句を言いながらも桑稚を病院に連れて行くことにした。「まったく~これで数日は送り迎えも必要になるな〜ほら乗れ」桑稚は相変わらず憎まれ口を叩く桑延に反発、なかなか背中に乗ろうとしない。「大丈夫、パパが忙しいなら哥哥が送迎するよ、ほら、桑延の言うことを聞いて」すると段嘉許は桑稚を手伝って桑延の背に乗せた。その時、別の女子生徒が怪我をしてしまう。段嘉許は慌てて駆けつけ、女子生徒を救護テントへ連れて行った。…彼は優しい、私によくしてくれる、でもきっと誰にでも優しいんだ、私は特別じゃない…しかし兄の優しさは妹である桑稚の特権だった。桑延は妹を元気づけようといつの間にか買って来たガムを開けてやる。すると桑稚は受け取ったガムを半分にして兄の口に放り込んだ。「さっきはこれを買いに行ってくれたの?」「飲み物を買うついでだよ(テレッ」翌日、授業を終えた桑稚は兄の迎えを待つことにした。しかし桑延から連絡が入り、用事ができたので段嘉許が代わりに行くと伝える。すると自分を避けていた殷真如が現れ、買い物に付き合って欲しいと頼んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)ルースー上手いよね〜ドチドチがこっちにまで伝わってくるのよw
2024.11.16
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偷偷藏不住 Hidden Love第2話…段嘉許(ドワンジアシュー)が学校に来てくれることを祈りながら教室で待っていた桑稚(サンジー)結局、いくら待っても段嘉許は現れず、あきらめて帰ることにした『嘘つき!』桑稚はイライラしながら校庭を歩いているとうっかりつまづいて転んでしまうその時、自分に近づく人影に気づいた『サンジー?大丈夫か?ほら、立って…』顔を上げた桑稚は段嘉許の姿に目を丸くしたが、急にうつむいてしまう。『…遅い、授業は4時20分に終わった』段嘉許は学校の名前とクラスしか確認しなかったことを思い出した『ごめん、謝るよ』すると桑稚は急いで段嘉許を職員室へ案内した…桑稚は今日もあの時と同じように段嘉許が来るのを心待ちにしていた。その時、段嘉許から連絡が入る。「ジアシュー哥?…これ以上、遅れたら一生、恋人ができなくなる呪いをかけるから」するとふいに背後から段嘉許が冷たい牛乳瓶を桑稚の頬に当てた。「早く着いたから牛乳を買っていたんだよ、この恩知らずめ 恋人ができなかったらどうしてくれる?ふっ」段嘉許はちょうどバス停の前にある露店に桑稚を連れて行った。「はい、作文帳…何か食べるかい?」桑稚は首を横に振り、急いで作文を書くことにした。しかしパンを買っている段嘉許が気になって作文どころではない。すると段嘉許の様子をちらちら見ているうちにまた中学時代の思い出が蘇った。…桑延(サンイエン)に成り済まして桑稚の先生に会うことになった段嘉許段嘉許は両親が会議のため代わりに来たと嘘をつき、陳(チン)先生と面談した桑稚は頭が良く成績に関しては何も言うことはないが、実は学習態度に問題があるというそこで段嘉許は陳先生を持ち上げて機嫌を取り、桑稚にも謝罪させて事なきを得た…段嘉許はパンと飲み物を買って席に戻った。「先に牛乳を飲んで…」しかし桑稚は慌てて牛乳をカバンにしまってしまう。「なんだ?俺に取られると思ったのか?ふっ」「…哥哥?南蕪(ナンウー)の出身なの?」「いいや、宜荷(イーホー)だ」「じゃあ夏休みは帰るの?」「帰らない…そんなこと聞いてどうする?いいから作文を書きな」( ˙꒳˙ )おぅ〓第二篇 ~近づく~ 出会いには理由が?〓段嘉許は桑稚を学校まで送り届けた。すると別れ際、桑稚のカバンのポケットに1枚の紙を入れる。「実は作文帳を見たんだ、続きを書いておいた」驚いた桑稚は遊びで書いただけだと取り繕ったが、段嘉許は思い出し笑いしながら、帰ってしまう。…原っぱに黒い野良犬がいたその光景を見た時、思わず足を止めた今日の空のように心が曇ったからだ犬の表情を見たらさらに心が痛くなり、近づいて声をかけたなぜなら兄を思い出したからだあまりにそっくりで、同じ鋳型で作ったようだった…帰宅した桑稚は牛乳瓶を大事そうに部屋に飾り、段嘉許が書いた作文を読むことにした。すると段嘉許は兄の引越しの手伝いに来た桑稚に成りきり、自分との再会やキツネのぬいぐるみが可愛いこと、いつも喧嘩している兄より自分のような兄が欲しいと書いている。…PS:その哥哥が言っていた、また小(シャオ)桑稚に会えて俺も嬉しいと…段嘉許も自分との再会を喜んでいると知り、何とも言えない喜びを感じる桑稚。そこで早速、携帯の着信に残っていた段嘉許の番号を登録した。その夜、桑稚の部屋に母・黎萍(リーピン)が入って来た。黎萍は牛乳に気がついて慌てて取り上げようとしたが、桑稚は瓶が可愛いだけだと誤魔化して中身だけ捨ててしまう。実は桑稚はアレルギーがあり、牛乳が飲めなかった。絵日記:9月17日 木曜日その哥哥は小桑稚と再会できて嬉しいと言った週末、両親は友人の結婚式のため留守だった。妹の世話を頼まれた桑延はルームメイトとの夕食に桑稚を連れて行くことにする。車に揺られながら段嘉許がバイトで忙しいと知る桑稚。やがて火鍋の店があるモールに到着し、桑延は皆を先に降ろして駐車場に向かうことにした。しかし桑稚はなぜか兄と一緒に行きたいと駄々をこねて降りようとしない。「ここは停車禁止なんだ、早く行け、罰金を取られるだろう?」すると段嘉許に助手席のドアを開けられてしまい、桑稚は降りざるを得なくなってしまう。段嘉許は桑稚の様子がおかしいことに気づいた。「どうした?具合でも悪いか?」「うん、少し…化粧室に行ってくる」段嘉許は銭飛(チェンフェイ)を先に行かせて付き添うことにしたが、桑稚は独りで大丈夫だと歩き出してしまう。その時、段嘉許は桑稚のスカートが汚れていることに気づいた。桑稚はなぜ段嘉許が後ろにぴったり張り付いてついて来るのか分からないまま女子トイレに到着した。「ねえ、ナプキンは持ってる?」桑稚は段嘉許に気づかれたと知って困惑、うつむいてしまう。すると段嘉許は自分が買ってくるのでトイレの中で待つよう告げた。桑稚はトイレの鏡でようやくスカートを汚したと気づいた。…ジアシュー哥に見られたんだ…憧れの段嘉許の前で失態を演じ、すっかり落胆する桑稚。すると見知らぬ女性が現れ、段嘉許から頼まれたのか荷物を渡してくれた。「ぁ…ありがとうございます」「女の子なら良くあることよ、気にしないで」桑稚が恐る恐る外へ出ると兄が独りで待っていた。「はあ~…恥をかいた、恥ずかし過ぎる…」桑稚の足は動かなかったが、桑延は強引に妹を連れて行った。火鍋の店に到着した桑稚。すると段嘉許は何事もなかったかのように笑顔で手を振ってくれた。安堵した桑稚はこっそり肉団子を注文しようとしたが、兄に見つかって止められてしまう。「こいつは牛肉と羊肉にアレルギーがあるんだ」段嘉許は桑稚のために白湯を持って来てくれた。桑稚が料理に箸をつけようとすれば、慌てて皿を取り上げ、肉を取り出してくれる。実は桑稚をトイレまで見送った段嘉許は急いで桑延をスーパーへ呼び出していた。2人は恥をしのんで桑稚の着替えとナプキンを買いトイレに駆けつけ、ちょうど化粧室に入ろうとしていた女性に事情を説明して渡してもらうことにする。『じゃあ俺は先に行くよ…俺がいたら彼女も気まずいだろう? それから口実も考えておけ、銭飛に何をしていたのか聞かれるはずだ』『クレーンゲームで遊んでいたことにするよ』つづく∑(⊙∀⊙)ヒャーーー!よくこんなエピ思いつくなw
2024.11.16
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岁岁青莲 Blooming Days第21話「恨みを超えた愛」呂北逸(リョホクイツ)は駱青蓮(ラクセイレン)を墓前の誓いから解放するため、自分の裏切りを明かした。「君への未練があった…帰るがいい、あの人が待っている」すると呂北逸は青蓮が別院へ旅立った時、賀連信(ガレンシン)から言われた言葉を教えた。 「″駱青蓮は死ぬまで私、賀連信の女だ″と…」翌朝、賀連信は蘇南春(ソナンシュン)のけたたましい声で目を覚ました。「公子!公子!大変です!」賀連信は取るものも取り敢えず屋敷を飛び出した。すると留院の裏庭にいる駱青蓮を見つける。「目覚めたのか?」「はい、目覚めました」「長い間、眠っていたな」「そのおかげで気がついたことがあるの、あなたを想っていると…」駱青蓮は呂北逸の告白で賀連信の自分への真心が本物だと知った。「武術を学んだけれど上達しなかった、歌も習ったけれど駄目だった… 私には″どうしてもできないこと″がたくさんある あなたを恨むこともその1つよ」駱青蓮が別院を出て本宅に帰る日がやって来た。慕海瑶(ボカイヨウ)は屋敷にこもったまま顔も出さなかったが、青蓮自ら別れの挨拶にやって来る。「良くも悪くも姐姐なくして今の私はないわ…どうぞお元気で」「いつの日か私も必ず本宅に戻る」「再会を楽しみにしています」青蓮は金魚の餌を入れた袋を置いて出て行った。恐らく″魚のように欲を捨て、力を養え″という意味だろう。しかし慕海瑶は自分と駱青蓮の決定的な違いを知っていた。「公子の愛よ…」一方、睿(エイ)郡王宅では沈静容(シンセイヨウ)と許寄柔(キョキジュウ)が駱青蓮の帰りを楽しみに待っていた。しかし最大の敵が戻るというのに南如珍(ナンジョチン)がやけに冷静なことが気に掛かる。「杞憂だと良いけれど…」すると案の定、駱青蓮の帰還に横槍が入った。賀連信が駱青蓮を連れて屋敷に到着した。その時、徳(トク)夫人の使者が駆けつけ、病を患った駱青蓮は不吉ゆえ本宅に入ってはならないと命じる。出迎えのため門前に並んでいた妻妾たちは呆然、しかし南如珍だけはひそかにほくそ笑んだ。駱青蓮は徳夫人を訪ねた。徳夫人は噂にたがわず亡き王妃と瓜二つの青蓮に驚愕し、激しい嫉妬に駆られる。「王妃が亡くなってもう5年よ、あれから王爺(ワンイエ)は一度も来てくれない 無理もない、王妃に生き写しのお前の背後で権力争いが行われている 災いを招くお前を野放しにできない!」徳夫人は青蓮の顔に傷をつけようとかんざしを引き抜いたが、そこへ賀連信が飛び込んできた。「母親(ムーチン)!何があろうと青蓮は父親(フーチン)から賜った妾、私的制裁は許されません」「いいわ、その代わり私の目の黒いうちは駱青蓮を本宅に入らせないっ!」賀連信は仕方なく母の怒りがおさまるまで駱青蓮を郊外の屋敷に住まわせることにした。駱青蓮は安(アン)王に招かれ王府を訪ねた。するとちょうど安王が庭園でみずから海芋(カイウ/カラー)を手入れしている。「残念ながらこの花は弱い、夏を待たずに枯れるだろう 心血を注いできたが無駄だった」青蓮は安王が暗に世子のことを言ったのだと分かった。「では海芋の他に好きな花は?」「私が最も好きな花は何だと思う?」「…梅でしょうか?美しさを競う花園の中で梅は高貴さが際立ちます 媚びることも争うこともなく、凛とした花です でもこうも言います、″寒梅を最も恨む 去年の花とされるを″」「そなたを花に例えるなら″解語の花″、つまり言葉の分かる花だな 老三はそなたを大事にすべきだ」安王は駱青蓮としばし楽しい時を過ごした。徳夫人は遠くから2人の様子を垣間見ていたが、やがて雨が降り出し、寝宮へ戻ることにする。その寂しい後ろ姿を偶然、青蓮が見ていた。駱青蓮は咳き込む安王を心配し、薬を差し入れたいと申し出た。そこで安王は青蓮が王府へ自由に出入りできる特権を与える。青蓮は安王の厚遇に心から感謝して帰ることにしたが、ふと思い立って安王に進言した。「王府の女子は寂しい思いをしています、″衣と違い人は古いほど良い″と言います」するとその日、徳夫人の寝殿に5年ぶりに安王がやって来た。徳夫人は青蓮の心遣いを喜び、ついに本宅へ戻ることを認める。また安王はこれを機に駱青蓮を庶室に昇格するよう命じた。妾から正式な夫人になった駱青蓮。しかし本宅へ戻る前に解決すべき問題が残っていた。その夜、呂北逸が家に戻って明かりを灯すと駱青蓮が立っていた。「修(シュウ)公子はお元気?…廃世子の件はおかしいと思っていた あの時、世子は″私の匕首ではありません″と釈明していた 誰も信じてくれなかったけれど、誰かが関わっていたのね… 否定しないの?!逸哥哥、私の誤解だと言ってよ!」「誤解じゃない…私の心の主は君だけだ、君の主は変わってしまったが」「私に主はいない、自分の心の声に従うだけ 昔は心にあなただけがいた、でもこれからは賀連信だけがいる」「はお、今の言葉の刃で未練は断ち切れた、残酷な君に感謝する」すると呂北逸は自分の剣を引き抜いて青蓮に差し出した。「君の夫を裏切った、私を殺せ、君に殺されるなら悔いはない」青蓮は剣を受け取ったが、その場に捨てて帰ってしまう。「青蓮!本宅には修公子の手先がいる!」呂北逸はこれ以上、青蓮のそばにはいられないと決意、賀連信から離れると決めた。漣微居(レンビキョ)に主が戻った。翌朝、賀連信はいそいそと朝食の差し入れに向かったが、なぜか東籬(トウリ)に門前払いされてしまう。実は青蓮は懐妊していた。親しい沈静容と許寄柔、配下たちだけには打ち明けたが、南如珍を警戒して賀連信にも知らせないという。一方、南如珍は駱青蓮が自分の正体に気づきながら黙っていることを訝しんだ。ともかく肝心なのは公子の心をつかむこと、そのために子を宿すしかない。「やってみせるわ、誰にも邪魔させない」沈静容と許寄柔は本当に公子に何も話さないのかと心配した。駱青蓮は賀連修の間者も自分を転ばせて流産させたのも南如珍だと確信していたが、動かぬ証拠がなければ南如珍を排除することはできないという。「私が沈黙を守っていれば南如珍は焦ってきっと動き出すわ その時こそ好機が訪れる」つづく( ゚ェ゚)え?ママ、賀連修と青蓮が結婚して3年って言った?でも前話で″賀連儲は何年も拘禁されてる″って言ってたけど…
2024.11.15
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岁岁青莲 Blooming Days第20話「駱青蓮の切ない女心」爵位争いなどそっちのけで駱青蓮(ラクセイレン)を献身的に世話する賀連信(ガレンシン)。その日も大事な仕事を辞退して留院(リュウイン)に薬を届けに行ったが、なぜか青蓮は屋根の上に登っていた。東籬(トウリ)と李塘(リトウ)の話では、起きた途端に自分は鳥だと言い出して登ってしまったという。仕方なく賀連信は梯子を登り、恐る恐る青蓮の隣に座った。青蓮はほんの戯れのつもりだったが、その時、東籬が公子は高所恐怖症だったと思い出す。確かに賀連信は顔面蒼白になっていた。驚いた青蓮は一緒に降りることにしたが、賀連信が足を滑らせ、2人は抱き合ったまま転がり落ちてしまう。駱青蓮は自分の下敷きになって気を失った賀連信に付き添った。…あなたに嘘をついてると思うと胸が傷む、でも真相のために今は辛抱しなくては…賀連信が目を覚ますと青蓮が寝台に腰掛けてうたた寝していた。「明日はまた王妃の命日だ…早く目覚めて欲しいが、このままでも良い気がする 目覚めれば私から去ってしまうだろう?」青蓮の手には死産した我が子に見立てた枕があった。賀連信が帰ると駱青蓮は隣に住む慕海瑶(ボカイヨウ)を訪ねた。「姐姐、御助力願いたいの」賀連信は世子の代わりに王妃の墓参りに随行した。その夜、酒を飲みながら互いに愛する人へ想いを馳せる安(アン)王と賀連信。賀連信はせめてこの席に世子がいたらと切り出したが、安王はもはや情をかけても賀連儲(ガレンチョ)が受け取らないと呆れた。「その話は二度とするな」するとにわかに兵営が騒がしくなった。<曲者だっ!驚いた賀連信が外へ出ると、ちょうど駱青蓮が連行されてくる。「蘇南春(ソナンシュン)?!公子に会わせて!この子が病気なの!」駱青蓮は我が子を失った悲しみから呆け、おくるみで包んだ枕を赤子だと思い込んでいた。安王は乱心した駱青蓮の姿に胸を痛め、出産後に急逝した王妃を思い出してしまう。すると安王は直ちに幕営を引き上げ、王府に帰ると命じた。賀連信は駱青蓮を送り込んだのが慕海瑶だと気づいていた。そもそも慕天殊(ボテンシュ)が手引きでもしない限り、厳しい警固の兵営に近づくことなどできない。賀連信はとにかく青蓮を留院に送り届けて寝かせ、慕海瑶を訪ねた。慕海瑶は公子が必ず来てくれると確信し、屋敷から出て待っていた。すると念願かなって賀連信がやってくる。しかしこれが賀連信のための計画だと明かす間もなく、青蓮を利用したと責められてしまう。「酷すぎませんか?!公子のためだったのに!そんなに駱青蓮が大事だと?! 青蓮を連れて帰るおつもりですか?!」その話を青蓮が立ち聞きしていた。「連れて帰らぬ、また青蓮を泣かせるだけだ 父上には認められたいが、それ以上に青蓮の平安と長寿を願う」( ˙꒳˙ )え?帰れないの?駱青蓮の策略で賀連儲との親子の情を思い出した安王。しかし朝議では臣下たちから一日も早く世子を冊立すべきと諫言されていた。臣下たちが賀連修(ガレンシュウ)を推挙したいのは明らか。すると賀連信が父王たちを連れて行きたい場所があるという。一行が到着したのは世子邸だった。賀連信は幽閉された賀連儲の様子を見て欲しいと嘆願、仕方なく安王は屋敷に入ったが、中院には巨大な甕(カメ)が並び、何とも酒臭い。そこへ慌てて夫人が駆けつけた。甕には葡萄酒が入っていた。夫人の話では賀連儲が葡萄酒好きの安王のため、家財で葡萄を買い、誰の手も借りず醸造したという。しかし罰を受けて拘禁された身、献上はできなかった。「天と地が見ていればいいと、胸に納めるそうです」何とも感動的な話だが、賀連佐(ガレンサ)は咄嗟にちゃちゃを入れた。「甕がきれいだな~今、運んできたみたいだ」すると憤慨した夫人は使用人に賀連儲が書き溜めた写経を運ばせた。「廃されてから公子は学問に励み、写経に明け暮れています 先日の王妃の命日にはいつもより多く写経をし、徹夜しました そのせいで風邪を引いて数日も昏睡し、お迎えできないのです…」呂北逸(リョホクイツ)は別院に駱青蓮を訪ねた。「やはり君だ…賀連信をつなぎ止めたのは世子の復位が狙いだったのか」青蓮はかつて出征した安王が世子を恋しがり、古い衣を求めたと知っていた。その深い愛情はいくつかの過ちで消えることはないという。青蓮はわざと賀連修を高みに登らせた。そうすれば安王が賀連儲を復位させる時、邪魔になるのは勢力の強い賀連修になる。「修公子に感謝するわ、この半年間、よく頑張ってくれた…全て裏目に出たけれど」安王の嘆願により皇帝は賀連儲を再び世子に、また賀連信も睿(エイ)郡王に封じられた。何年振りかで正門が開いた世子邸。夫人はこれも全て賀連信の指南のおかげだと感謝したが、賀連儲は分かっていた。「私を利用する気だ、力を失った私は利用されても辛抱するのみ…」郡王府では祝宴が開かれた。しかし賀連信は郡王に封じられてもどこか虚しく、皆が寝静まっても涼亭で独り酒を飲んでいる。その時ちょうど呂北逸が通りかかり、呼び止めた。「郡王も世子もどうでもいい…私がなりたいのはお前だよ、呂北逸 乱心した青蓮は私を必要としてくれるが、目を覚ませばまた私を恨むだろう 教えてくれ、お前になれる方法を…頼む、どうすれば青蓮に愛される?…バタン!」すると賀連信はそのまま酔い潰れてしまう。一方、駱青蓮は夜が更けても眠れずにいた。東籬は公子の出世を喜ぶどころか沈んでいる小姐を心配したが、李塘は思わず失笑する。「女心が分からないのか?悩んでいるんだよ」今の賀連信からの愛情は策を巡らせ哀れみを利用して得たもの、真心ではない。駱青蓮は恐らく乱心の芝居を辞めた時、今の愛情がどうなるのか不安なのだという。すると思いがけず泥酔した呂北逸が現れた。「美味い酒を持ってきた、話がある、だが飲まねば口に出せぬ…」呂北逸は自分に罪悪感がないか駱青蓮に聞いた。「あるわ」「なぜ?…賀連信を愛したからか?」すると呂北逸は青蓮が呂家の墓に埋めたはずの櫛を出した。青蓮は呂北逸が墓前の誓いを知っていたことに驚き、後ろめたさに苛まれてしまう。しかし呂北逸は自分が先に裏切ったと白状した。実は慕海瑶の馬車から落ちた青蓮を救ったのは賀連信だった。これまで賀連信から何度か青蓮と逃げる機会をもらいながら、その勇気がなかったという。「君が赤子と屋敷を出ようとしたが、賀連信に気づかれ失敗した 私だ、私がわざと気づかせた、君の最愛の人は他にいる、私には耐えられなかった 蓮R、悪いのは私の方なんだ、君を騙せたとしても己の心だけは騙せない」🍶_(߹꒳߹ )オイオイオイオイ…つづく(  ̄꒳ ̄)時系列とかチンプンカンプンなんだけど、もうこのまま行くわw
2024.11.14
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岁岁青莲 Blooming Days第19話「ひな鳥の争い」世子・賀連儲(ガレンチョ)の嫉妬深さを利用し、わざと銃を差し入れた呂北逸(リョホクイツ)。賀連信(ガレンシン)は誰かに見られたらまずいと世子を諌めたが、運悪く総管・于徳常(ウトクジョウ)がやって来た。「世子、王爺がお呼びです…ぁ、その銃もお持ちください」その時、安(アン)王の天幕にはちょうど幼い九弟・賀連倹(ガレンケン)がいた。賀連儲は父王への献上品を横取りしたことが露見、自分が愚かだったと謝罪した。しかし息子を見直したばかりだっただけに、安王の失望は大きい。「そなたが失敗しても袁百里(エンヒャクリ)や学友、使用人を責めてきた ここまで横暴になった原因は全てこの私にある… ふっ、この銃をお前が手に入れたところで何が撃てるというのだ?」すると安王は賀連倹に銃を渡し、世子と射撃の腕を競うよう命じた。賀連倹は机に並んだ茶杯を標的に選んだ。すでに銃の撃ち方を習った賀連倹は見事に命中させ世子に銃を渡す。「次は二哥哥です、どうぞ」賀連儲はここまで自分を辱めるのかと嘆いたが、安王は撃たなければ負けだと鼻であしらう。父王のあまりの仕打ちに賀連儲は逆上、銃を発砲したが…。幕舎から安王の悲鳴にも似た怒号が聞こえた。「誰か!医官を!」外に控えていた賀連信たちが慌てて幕舎に入ると、安王が腹から血を流す九弟を抱きしめていた。安王は老九が急病と偽り医官を呼んだ。呂北逸から話を聞いた賀連修(ガレンシュウ)は肩を落とし、まだ父王が世子を守るつもりだと知る。「世子に放った火種が小さ過ぎたようだ、薪をくべる方法を考えないと」しかし呂北逸はすでに薪を用意していた。安王の幕舎に世子の侍衛が現れた。実は死を覚悟で上奏すべき儀があるという。侍衛の告発を聞いた安王は呆然、しばらく独りになりたいと出て行った。…世子がこうおっしゃいました、世子を廃されるくらいなら先手を打つと…安王は山道をしばし馬で走った。そこで偶然にも畑仕事に精を出す駱青蓮(ラクセイレン)と出くわす。苦境の中にあっても元気そうな青蓮。「そなたを信じているが助けてやれぬ、私を恨むか?」「まさか、曲涼(キョクリョウ)の主だからこそ意のままにならぬことがあると分かっています」すると青蓮は草影で死んでいた小さなひな鳥を見つけた。死骸を見た安王は親が運んでくる餌を巡って奪い合い、憎み合うひな鳥たちに息子たちの姿が重なり、何とも虚しくなってしまう。「強欲なままでは災いを招くだろう…」安王は別れ際、別院に薪を届けさせると言ってくれた。しかしなぜかその必要はなかったと考え直す。「そのうち別院を離れる日が来るだろう…ではな、そなたももう行きなさい」青蓮は叩頭して安王を見送ったが、どうにも安王の言葉が引っ掛かる。「はっ!公子が危ない…」日が暮れてもまだ医官は狩り場に到着しなかった。賀連儲は公子でいられるのもあとわずかだと絶望したが、賀連信はとにかく謝罪に行くよう背中を押す。すると呂北逸が幕舎を出ようとした世子を呼び止め、羽織をかけた。「真摯に反省して見せれば厳罰は免れます」賀連信はこの期に及んで己の心配しかしない世子に憤っていたが、仕方なく様子を見に行くことにした。賀連信が父王の幕舎へ向かう途中、突然、暗がりから駱青蓮が現れた。2年ぶりに再会を果たした青蓮と賀連信。しかし旧情を温める暇もなく、青蓮は安王が賀連信の逆心を疑っていると警告した。「王爺に会ったの、餌の奪い合いで死んだひな鳥を見て″強欲は災いを招く″と… あなたと世子のことよね?私が別院を出られるとも言っていた 主の許しなく出られるはずがない、つまりあなたが…」その頃、安王の幕舎の前では賀連儲が伏兵に捕まっていた。伏兵は拘束した賀連儲の羽織から匕首を発見、これが決定打になってしまう。…賀雲朔(ガウンサク)は長年、溺愛してきた息子の姿にわずかな望みも打ち砕かれたもはやこの曲涼の地や皇帝との誓いをこの者には託せぬと…↓またしても俺?!何でだろう〜何でだろう〜♩賀連信は駱青蓮のおかげで救われた。もしや青蓮の心に自分への情があるのでは。しかしそんなわずかな期待もあっさり裏切られてしまう。「身分を回復したいから助けたの、公子が無事ならそれでいい」「一度だけでも私を想ったことはないのか?」その時、公子を探していた蘇南春(ソナンシュン)が駆けつけ、青蓮は慌てて帰ってしまう。賀連儲は世子の爵位を剥奪された。兄弟たちは父王の逆鱗に触れまいと鳴りを潜めていたが、賀連信だけは賀連儲をかばって嘆願する。「廃世子は重大事です、どうかご再考を…」「そなたが謀反に加わらなかったことが私には唯一の救いだ 老三よ、袁百里の二の舞になるな」屋敷に戻った賀連信は庭園で物思いにふけっていた。すると沈静容(シンセイヨウ)が娘を連れてやって来る。「青蓮のおかげで公子が助かったと聞きました」「確かに、だが青蓮の真意は他にあった」賀連信は落胆したが、沈静容は誰にも本心までは分からないものだという。すると蘇南春が実は織月(ショクゲツ)から預かっているものがあると明かした。「公子を悲しませると思って隠していました…」蘇南春が差し出したのは駱青蓮が出産前に刺繍した手巾だった。手巾には青蓮がひと針ひと針、想いを込めて糸を通した″信″という文字が…。一方、駱青蓮は毛大(モウダイ)と毛二(モウジ)のために膝当てを縫っていた。この2年、家族のように仲良く暮らしてきた青蓮と兄弟たち。しかしその夜、兄弟は駱青蓮に毒入りの汁物を差し入れてしまう。様子がおかしい兄弟を訝しんだ青蓮は汁物を飲まずに無事だったが、2人の裏切りに憤慨した。すると兄弟は命を盾に脅され断れなかったと釈明する。「二度と裏切らないよ、誰に頼まれたのか言う…」その時、毛大の胸に暗器が命中、口封じに殺されてしまう。兄弟が駱青蓮の暗殺に失敗したと知るや刺客たちが留院に乗り込んだ。李塘(リトウ)と毛二が応戦、そこへちょうど呂北逸が現れ、刺客を排除してくれる。しかし毛二は首を斬られて虫の息だった。「毛二!しっかり!」「ゥッ…南如珍(ナンジョチン)」青蓮は黒幕が南如珍だと知った。「東籬(トウリ)、李塘…帰る時が来たわ」賀連信は駱青蓮が刺客に襲われたと聞いて別院に駆けつけた。公子の来訪を知った慕海瑶(ボカイヨウ)は必ず自分に会いにきてくれると信じて疑わなかったが、いつまで経っても賀連信の姿は見えない。その頃、賀連信は留院で我を失った青蓮の姿に衝撃を受けていた。李塘の話では以前から呆けていたが、昨夜の恐怖でついに自分たちの顔まで忘れてしまったという。無邪気な少女に戻った駱青蓮。賀連信は自分を蘇南春だと思っている青蓮に思わず本音を漏らした。「公子は一度も会いに来なかったことを後悔しています… 今の小姐の姿に心が引き裂かれんばかりでしょう、そしてとても恋しいとも…ウッ」その時、賀連信は青蓮の首が赤くなっていることに気づいた。「この首飾りははずしましょう、傷になります」「ダメ!これは公子からもらったの、外さないで」賀連信が首飾りを引っ張り出すと、割れた指輪を直して紐を通したものだった。青蓮が思い出の指輪を今も大事にしていたと知り、思わず抱きしめ涙する賀連信。一方、慕海瑶は来るはずのない公子をいつまでも待っていた。賀連信は駱青蓮の世話をするため別院に通い詰めた。不満を募らせる嫡妻・方懐蕊(ホウカイズイ)と南如珍だったが、公子を黙って見送ることしかできない。そんなある日、李塘は公子が公務で数日、曲涼を離れると報告した。すると青蓮は蘇南春に薬が切れたと伝えるよう命じ、また公子を足止めしてしまう。実は世子が空位となり、兄弟たちが爵位を継ごうと躍起になっていた。痺れを切らした慕海瑶は留院を訪ね、青蓮のせいで公子が賀連修に先を越されてしまったと嘆く。「今や修公子は曲涼を掌握し、安王や高官たちも絶賛しているわ!」「姐姐、それは違います…」賀連信は駱青蓮のため曲涼を離れられず、兄弟たちが熱望していた仕事を辞退した。好機が舞い込んだと満足げな賀連修。まさか邪魔者だと思っていた駱青蓮が踏み台になってくれるとは意外だと笑う。しかし呂北逸は賀連修が留守にすれば数日後に迫った王妃の墓参りに賀連信が帯同すると警戒した。確かに駱青蓮のせいで賀連信はせっかく築いた土台を半年でほぼ失っている。実は呂北逸は別院を訪ねた時、青蓮に何が狙いなのか聞いていた。「いずれ分かるわ、今こそ勝敗の分かれ目よ」つづく( ˙꒳˙ )沈静容本人はもちろん娘も侍女も可愛い!、なぜ厚遇されないのかw
2024.11.13
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偷偷藏不住 Hidden Love第1話「小さな泥棒さん?」その日、桑稚(サンジー)は数年ぶりにある人と再会した。…人生には忘れられない″時″があるもっと正確に言うと、止まったままのシーンがあるこれほど近くで彼を見たのは今回が2回目時間は魔法使いだ私たちの身長差と距離をあっという間に縮めてしまうなんて…あれは桑稚が中学2年生の時だった。思春期の少女はなかなか授業に身が入らず、窓の外をぼうっと眺めたり、退屈でノートにいたずら書きをしているうち、教師に叱られてしまう。「明日、親御さんを呼んできなさい!」実は親の呼び出しはこの半月で2度目のことだった。桑稚は大学生の兄・桑延(サンイエン)に親の代理を頼むことを思いついた。そこで早速、学校帰りにメッセージを送信したが、あっさり断られてしまう。…哥哥、明日、久しぶりに帰って来ない?会いたいな…No(,,Ծ‸Ծ,,)<薄情者!大傻狗!しかし家に到着してみるとママから兄が戻っていると聞いた。「え?!帰って来たの?!」桑稚は喜んで2階の兄の部屋に入った。すると久しぶりに会った兄がすっかりイケメンになっている。「哥!…整形したの?」「整形後の顔はカッコいいかい?」桑稚が見惚れていると、背後から桑延が入ってきた。桑稚が整形した兄だと勘違いしたのは桑延のルームメイト・段嘉許(ドワンジアシュー)だった。「俺たち似ているかな?整形したかって聞かれた」「何だって?!小鬼(シャオグイ)、お前の頭はどうなっているんだ?」すると桑延はいつもの調子で妹をからかい泣かせてしまう。娘の喚き声を聞いて仕方なくキッチンから駆けつけたママ。兄を廊下へ連れ出し、幼い妹をいじめるなと叱っている。段嘉許は呆気に取られていたが、兄妹喧嘩の光景は微笑ましかった。兄に親代わりを頼むはずが喧嘩になってしまった桑稚。しかし目の前にちょうどカッコいい兄の親友がいた。「哥哥、明日は暇?」「明日?…忙しいと言ったら?」「ダメ!絶対に暇を作ってくれなくちゃ だって整形の話をしなければ喧嘩にならずに頼み事ができたのに」桑稚は兄のふりをして担任と面談して欲しいと懇願した。しかし段嘉許は了承できず、バイトがあるため帰るという。桑稚は玄関で段嘉許を引き留めていたが無駄だった。すると桑延が現れ、子供を相手にするなと妹をからかいながら先を急ぐ。「子供じゃない!もう中学2年よ!」「…中学2年生?じゃあ14歳か」「背が低いからそう見えないんでしょう?ふん」しかし段嘉許は桑稚の年齢を知ると、ふいにどこの学校の何組かを確認した。「また今度、″今度″がいつかは分かるだろう?じゃあな!」…今度っていつ?結局、来てくれるの?はっきり言ってよね…〓第一篇 ~待つ~ 言えない秘密〓桑稚が学校の支度をして1階に降りると兄がいた。1ヶ月ぶりに実家に戻った桑延だったが、年頃になった桑稚はもはや兄に見向きもしない。無視されるとそれはそれで寂しい桑延。実は桑延はメインキャンパスの学生寮に引っ越すことになり、父の車を借りに来ていた。母はメインキャンパスが娘の高校に近いと思い出し、放課後に迎えに行くよう頼んだが、桑延は子供の世話など嫌だとからかう。「もう高2だもん、必要ないわ」しかし桑延がルームメイトの荷物も一緒に運ぶと聞いて桑稚の態度が一変した。「手伝いに行ってもいい?!放課後に行く! ママ~パパ~、哥哥ったら全然、帰ってこないでしょう?すごく会いたかった! 私も成長したし、役に立ちたいわ~」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)お前ってやつは…兄の大学にやって来た桑稚。するとハッチバックを開けたまま停まっている父の車を見つけた。桑稚は車に積まれたぬいぐるみを抱き上げたが、その下にある本に挟まった付箋に目を止める。…段…「小さな泥棒さん?」驚いた桑稚が振り返ると、段嘉許が立っていた。「桑稚?数年ぶりで分からなかったよ、なぜ俺の荷物を?」「あなたのぬいぐるみなの?あ、ごめんなさい、知っていたら触らなかった」「なぜ俺のだと触らないんだ?冷たいな~昔、俺が助けたこと忘れたの? 冗談だ、気に入ったのならあげるよ」桑稚は段嘉許と一緒に学生寮へ荷物を運んだ。5階にある兄の部屋は4人部屋。嘉許哥の他にも2人の同級生・銭飛(チェンフェイ)と陳駿文(チェンジュンウェン)がいる。段嘉許は自分の机を簡単に片付け、桑稚に椅子を勧めた。「小妹妹(シャオメイメイ)、ここに座って」「…小さくないもん(ボソッ」「ふっ、そうだな、妹妹」桑稚は憧れの段嘉許の机を興味深げに見まわした。すると書類の間からのぞく段嘉許の学生証がある。…修士課程 推薦 コンピューター学科…しかし大した話もできないまま、段嘉許は急いでアルバイトに出かけてしまう。桑稚は段嘉許がくれたぬいぐるみが彼女からのプレゼントではないかと心配した。すると銭飛が失笑、段嘉許に恋する暇などなく、ぬいぐるみは何かの懸賞で当たったものだという。安堵した桑稚はかばんの中身を開けて大事なぬいぐるみを入れ、教材は手で抱えて帰ることにした。桑稚は段嘉許の机に忘れ物をした。その夜、バイトから戻った段嘉許は桑延の携帯を借りて桑稚に連絡、明日の朝にでも桑延に届けさせるという。「まだ書いてないの…きっと作文は間に合わない」「正直に先生に謝るんだ」「・・・」「ふっ、何時に登校するんだ?…分かった、バス停で待ってる、作文を書くのを手伝うよ」翌朝、早起きした桑稚は時間通りバスに乗って6時40分に到着した。しかしバス停に段嘉許の姿はない。…なんでまだ来ていないの?本当に来る?…桑稚は段嘉許を待ちながら、かつて兄の代役を頼んんだ時も同じようにやきもきしていたことを思い出した。あの日、桑稚は段嘉許が学校に来てくれるのか確信を持てないまま授業を終えた。「桑稚、親御さんと職員室に来なさい」…マズい、どうしよう…つづく( ๑≧ꇴ≦)ジアシュガー!
2024.11.10
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岁岁青莲 Blooming Days第18話「あばら家での生活」駱青蓮(ラクセイレン)に与えられた住まいは屋根が傾いたあばら家だった。南如珍(ナンジョチン)の目が厳しく、屋敷から持ち出せたのは綿の衣3枚だけ、布団もない。東籬(トウリ)と李塘(リトウ)は自分たちの衣を寝台に敷いて使うよう勧めたが、青蓮は断った。「庶人となった今、私たちに主従関係はない それにあの屋敷よりはましよ、寒いけど2人の心が私を温かくしてくれる」実は東籬は青蓮が賀連信(ガレンシン)に投げ返して割ってしまった指輪を持っていた。「公子との思い出です…忍びなくて拾っておきました」留院(リュウイン)の隣では正夫人の取りなしのおかげで慕海瑶(ボカイヨウ)が悠々自適に暮らしていた。すると慕海瑶は管理人の兄弟・毛大(モウダイ)と毛二(モウジ)を呼びつけ、それぞれ250両の銀票を渡す。「頼みがあるの…苦しめて」一方、四弟の策略で伯父を失った世子・賀連儲(ガレンチョ)はやけになって酒に溺れた。恐らく賀連修(ガレンシュウ)はすぐ動き始めるはず。しかしそんな七弟・賀連倚(ガレンイ)の心配をよそに賀連信は悠長に構えている。呂北逸(リョホクイツ)は主が時機を待っているのだと教えたが、賀連倚は三兄の参謀とはいえ呂北逸の忠誠心を疑っていた。賀連修は駱青蓮が酷い扱いを受けた今が呂北逸を懐柔できる好機と考えた。そこで呂北逸に接触、手を組もうと誘う。「成功した暁には褒美を2つ、1つは賎民からの解放、もう1つは駱青蓮を妻として与える」しかし呂北逸は青蓮なら自力で奪ってみせると啖呵を切った。毛大と毛二は翌朝、留院に傷んだ食事を届けた。しかし駱青蓮は平然と食べ始め、度肝を抜かれた2人は気まずそうに帰って行く。「どんな物でも食べて力をつける、いつか私を苦しめた人に仕返しするために」すると東籬と李塘も悪臭が漂う飯をかき込んだ。賀連修が駱青蓮を思わぬ日はなかった。そこでこっそり別院に来てみたが、やはり合わせる顔がなく帰ってしまう。一方、呂北逸は青蓮を救い出すため留院を訪ねた。「準備は整えた、3日で曲涼を離れられる、人知れず2人で暮らそう」青蓮は困惑、沈静容(シンセイヨウ)や許寄柔(キョキジュウ)が気がかりだと訴え、何より子殺しの下手人を突き止めたいという。「これ以上、あなたに迷惑はかけられない、私のことは忘れて」翌日、駱青蓮は毛大と毛二の居所に乗り込み、机に銭袋を放り投げた。「それを受け取れば今日から私が主よ?」しかし銀票を手にした毛大と毛二にとってわずかな銀子など目じゃない。すると青蓮はいきなり机に短剣を突き刺した。「私は一度死んだ、次は数人、道連れにする」その気迫に驚いた毛大と毛二は銭袋を受け取り、拝礼した。ほにゃらら〜の妻みたいなw駱青蓮は次に慕海瑶の立派な寝殿を訪ねた。「姐姐、昔のことは全て水に流します この別院で平和に暮らすためには仲良くしないと… お粥を作らせました、如画(ジョガ)に取りに来させてください」慕海瑶は呆気に取られた。「まだ数日よ?…変わったわね」確かに青蓮は生まれ変わった。…南如珍、おかげさまで私は決めた、いつか再起してみせる…駱青蓮に追い返された呂北逸は悶々としていた。このまま賀連信に頼れば青蓮は自分のために妾を続けなければならない。しかし賀連修が王位を継げば賀連信を排除し、青蓮を自由にできる。そんな呂北逸の思いとは裏腹に青蓮は自らの力でたくましく生きていた。駱青蓮が別院で暮らし始めて2年が経った。信宅では南如珍が方懐蕊(ホウカイズイ)の後押しもあって側室に昇格。一方、腹黒い賀連修は冷遇された世子が自暴自棄になっている間にすっかり力をつけていた。そんな中、近くの民が別院に農具を借りに来る。何でも安(アン)王が秋の狩りに来るため早く収穫する必要があるというのだ。賀連儲は相変わらず世子邸に引きこもっていた。そこで呂北逸は世子に手を焼く賀連信にある良策を献じる。賀連信は早速、世子を連れて父王を訪ね、秋の狩りを中止すべきと進言させた。「毎年の狩りは数百人の将兵が動きます 狩り場までの道を封鎖し、民に不便をかけ、金もかかる 狩り場から遠ざけられれば民は畑仕事もできません 特に秋の収穫は民の1年の苦労が実る時、どうかご明察を」安王は詭弁に過ぎないと取り合わなかった。焦った賀連儲は助けを求めて賀連信に目配せ、すると賀連信は罰を請うよう助言する。「父親(フーチン)、私は曲涼の世子として嘆願したまで、罰を受けても構いません!」呂北逸に献策させたのは駱青蓮だった。安王は世子の成長をたいそう喜び、秋の狩りの随行を許したという。「君の読みが当たったよ、まさかこれほど安王を理解しているとはな」呂北逸は青蓮の重要さを知らせて賀連信に迎えに来させると行ったが、青蓮は難色を示した。「まだよ」「何を待っているんだ?この2年、君は私に策を授けるのみ、なぜ動かぬ?」しかし青蓮は口をつぐんだ。呂北逸が居所に戻ると賀連修が待っていた。「世子が随行を許された、三兄が一枚かんでいるようだが」「ご想像通り私が献じた策です」賀連修は憤慨したが、呂北逸は先に交わした約束を守ったまでだとなだめた。「駱青蓮の頼み事は何でもやります 世子が安王に随行することはむしろ好機かと…」秋の狩りで最も獲物が多かったのは賀連修だった。安王は褒美として宝物にしていた銃を老四に授けたが、これが賀連儲の嫉妬心をかき立てる。賀連信を連れて幕舎に戻った賀連儲は父王の寵愛が老四に移ってしまったと嘆いた。「父親は変わった…冷た過ぎる」するとそこへ呂北逸が銃を持ってやって来た。実は他民族からの献上品の中に銃があり、賀連修が賜った銃と似ているため確認して欲しいという。「問題ない」賀連信は下げるよう合図したが、賀連儲は握った銃を離そうとしなかった。そこで呂北逸は目録から銃を消しておくと気を利かせたが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)山積みになった獲物wwwwww
2024.11.09
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岁岁青莲 Blooming Days第17話「別院へ」「私の子が…」8ヶ月で子を失うことになった哀れな駱青蓮(ラクセイレン)。一方、何も知らず泥酔していた賀連信(ガレンシン)は翌朝、ひどい二日酔いで目を覚ました。南如珍(ナンジョチン)は何食わぬ顔で仕えていたが、侍従の蘇南春(ソナンシュン)が血相を変えてやって来る。「公子!すぐ来てください!昨夜…」駱青蓮は且歌苑(ショカエン)の前で赤子の亡骸を抱きしめたまま悲しみに暮れていた。沈静容(シンセイヨウ)と許寄柔(キョキジュウ)はそんな青蓮にかける言葉もなく、ただ黙って見守るしかない。その時、ようやく固く閉じていた殿門が開き、賀連信が現れた。「全て聞いた、私が悪かった」賀連信は憔悴しきった青蓮に胸を痛め、子ならまた作れば良いと励ます。「私に母親の資格はないのでしょう?!」「怒りに任せて言ってしまった…分かってくれ、そなたへの想いは本物だ」「本物?…へそで茶を沸かすわっ!(とは言ってないw) 一番、悔やまれるのはその言葉を信じたこと あなたは自分の女になら誰にでもそう言っているのでしょう?」「ならお前は?今も呂北逸(リョホクイツ)を想っているのか?」その言葉が決定的となり、青蓮の心は音を立てて壊れた。「賀連信っ!これで恩断義絶じゃ!ボケッ!(とも言ってないw)」すると青蓮は賀連信との絆の証しだった指輪を投げ捨て、そのまま意識を失ってしまう。↓呉聘とは何だったのか(꒦ິ⌑꒦ີ)これでも食らえ!╰( `•ω•) ╮-=ニ=゚ 💍駱青蓮は生きる希望を失い、自ら目を覚ますことを拒んでいるようだった。「あなたにとって家族はこの子だけ?私は?ここにいる皆は違うの?!」しかし沈静容の言葉も青蓮の胸には響かない。その時、賀連信が強引に青蓮を抱き起こした。「私が後悔の念に苛まれ、死ぬほど苦しむ姿を見届けなくてよいのか?!」賀連信への恨みと憎しみが駱青蓮を死の淵から呼び戻した。ついに目を開けた青蓮。「よかった…」賀連信は青蓮を抱きしめ安堵の涙を流したが、青蓮は冷ややかだった。「公子、私を庶人に落とし、別院に移してください」賀連信は駱青蓮の希望を叶えた。七弟・賀連倚(ガレンイ)は父王との橋渡し役を手放さぬよう説得したが、賀連信は青蓮の氷のような冷たい目に耐えられないという。一方、青蓮は沈静容と別れを惜しんでいた。「折を見てあなたが戻れるようにするから」「姐姐、もう大切なものは何もないの」「それは違う…」その声は許寄柔だった。「真相を暴くの、何か裏があると思わない?一本道なのに公子は転ばなかった」許寄柔は証拠がないものの南如珍の仕業だと確信していた。「私たちが必ず真相を突き止める、どんなに苦しくても自分の手で敵を討つの」賀連信は郊外でひっそり駱青蓮の馬車を見送った。すると呂北逸がやって来る。「青蓮が庶人となった今、もう一度やり直す機会をください」しかし賀連信が首を縦に振ることはなかった。「二度と機会はない、なぜなら青蓮は死ぬまでこの賀連信の女だからだ」安(アン)王は駱青蓮の子が死んだと知り、急ぎ賀連信を呼んだ。孫の誕生を誰より待ち望んでいた安王は賀連信を追及、なぜ殿門を閉じて出入りを禁じていたのかと迫る。しかし賀連信は出入りを禁じた覚えはなく、駱青蓮の危篤を知らせる者もいなかったと訴えた。安王は到底、納得できず、直ちに審問すると決める。「本件に関わった者を全て呼んでこい!」安王は清康(セイコウ)殿に息子や重臣たちを召集、昨夜の経緯を詳しく調べた。すると且歌苑の使用人たちの証言により南如珍の侍女・剪雨(センウ)が勝手に出入り禁止を通告し、駱青蓮の侍従を追い返していたと分かる。賀連信は逆上し、いきなり剪雨につかみかかった。「誰の指図だ?!正直に答えよ!誰だ!誰なんだ!」追い詰められた剪雨は仕込んでおいた毒を噛み、世子に濡れ衣を着せた。「世子…忠誠を尽くしてきたのに…ゥッ…」σ(・Д・)<え?ウソ?!俺?!剪雨は家門の栄誉と引き替えに罪をかぶって自害した。その時、倒れた剪雨の手から小さな丸めた紙切れがこぼれ落ちる。…駱青蓮の腹の子を殺せ…賀連儲(ガレンチョ)は宴の余興で使ったあのくじが利用されたと気づいた。「誤解です!私は無実です!…老四!お前だな?!」実はあのくじを密かに持ち帰ったのは賀連修(ガレンシュウ)だった。しかし賀連修は無関係を装い、取り乱した賀連儲は父王の逆鱗に触れてしまう。その時、右長史・袁百里(エンヒャクリ)は自分が黒幕だと名乗り出た。「私です、世子の筆跡を真似てその名を借りねば侍女も従わぬと危惧したのです」安王は世子を幽閉し、袁百里を密かに奥殿に呼んだ。袁百里が世子を庇っているのは百も承知、自白は受け入れられないという。しかし袁百里は老い先短い命でただ一つの願いは世子の平穏無事だと訴えた。「どうか世子を放免し、私を重罪に処してください 王爺…来世でお会いしましょう」その頃、駱青蓮は侍女・東籬(トウリ)、侍従・李塘(リトウ)の3人で人里離れた別院に到着した。…人の運命は天の定め、思い通りに操ることはできない、無理に捻じ曲げても苦難が増すだけ?私はそんな言葉を信じない…青蓮たちの住まいとなる留院(リュウイン)は荒れ果てた家だった。すると開けた途端に門が外れて倒れてしまう。恐らく慕海瑶(ボカイヨウ)の挨拶代わりだろう。つづく( ๑≧ꇴ≦)世子wwwwww
2024.11.08
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岁岁青莲 Blooming Days第16話「つかの間の幸せ」呂北逸(リョホクイツ)は許寄柔(キョキジュウ)が噬心(セイシン)毒に冒されていると見抜いた。この毒の産地は砂漠、慕海瑶(ボカイヨウ)の故郷だという。「私は忠節を尽くした人に命を握られてしまったの」駱青蓮(ラクセイレン)と沈静容(シンセイヨウ)はようやく許寄柔が脅されていたことを知った。「だから李浅陌(リセンバク)の指示に従ったのですね」実は慕海瑶の侍従だった徐良川(ジョリョウセン)は今、聴瀾(チョウラン)閣にいた。噬心毒には毒消しがなく、その代わり症状を抑えることができる″仙人衣″という薬がある。許寄柔はこの薬を聴瀾閣からもらうため、やむなく李浅陌に加担していた。呂北逸は許寄柔の治療を買って出た。成功の見込みは7割、正直なところ許寄柔の運次第だという。駱青蓮と沈静容は許寄柔を励まし、たとえ1割の可能性だとしても望みがあるなら諦めないで欲しいと訴えた。「必ず助かります」賀連信(ガレンシン)は駱青蓮が喜びそうな贈り物を探し回っていた。すると以前、百珍巷(ヒャクチンコウ)の店で青蓮が気に入ったが、買い手がいると知ってあきらめた指輪が手に入る。喜んだ賀連信は早速、漣微居(レンビキョ)に届けに向かったが、そこで思いがけず青蓮の本心を知ってしまう。駱青蓮は犬に襲われた時、いかに子供が大切な存在か身に沁みたと吐露した。「血肉を分けた私の肉親、私の命だわ 屋敷に家族がいないのなら自分で作ればいいと気づきました この子を産みたい、成長を見守り、一緒に生きたい」その時、突然、賀連信が入ってきた。「その子を産むと決めたのは家族を作るためなのか?!」「はい」「この屋敷には家族がいないと?」「…はい」「父親の私は眼中になく、子供と生きたいと?!」「はい!」青蓮があまりに素直に認めてしまい、沈静容と許寄柔は諌める間もなかった。案の定、賀連信は深く失望し、邪魔者である自分はもう漣微居には来ないと言い捨て帰ってしまう。( ˶´꒳`˵ )<はい!ってマイマイw南如珍(ナンジョチン)は驚秋(キョウシュウ)院を訪ねた。李浅陌の嫉妬を利用した南如珍の献策が成功、方懐蕊(ホウカイズイ)は時児(ジジ)の養育権を手に入れ、嫡妻の座を盤石にする。南如珍はこれで正夫人の弱みを握ったはずだったが、方懐蕊はそれほど愚かではなかった。「数日前、酔柳(スイリュウ)に紅を買いに行かせたの あなたが阮之湄(ゲンシビ)と会っていたと聞いたわ」「路地が暗くて見間違えたのでは?」「…私は路地とは言っていない」すると方懐蕊は側室の座をちらつかせ、これから面倒なことは南如珍に頼むと言った。 工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工世子・賀連儲(ガレンチョ)は兄弟たちを宴に招いた。そこで余興のくじの中に老三への命令を入れたが、それを見た賀連信の顔色が一変する。「″駱青蓮の腹の子を殺せ?″冗談を…」「駱青蓮の子が嫡孫になるという噂を聞いた、もし男児を産んだら老三が世子になるとな」さすがに賀連修(ガレンシュウ)と賀連佐(ガレンサ)は飲み過ぎだと二兄を諌めたが、世子の苛立ちは募る。その時、思いがけず袁百里(エンヒャクリ)が現れ、浅はかな世子の行動に激怒した。南如珍と侍女・剪雨(センウ)は呂北逸を籠絡しようとして失敗した。そこで漣微居にやって来た駱青蓮の妹・駱水蘭(ラクスイラン)に目をつける。水蘭は信宅に来てもわがまま放題だったが、青蓮はただ1人の妹だからと大目に見ていた。賀連信は庭園で偶然、笛を吹いている水蘭と出くわした。そこで水蘭を漣微居まで送ったが、どうしても敷居をまたげない。するとちょうど青蓮がやって来た。気まずくなった賀連信は小さな化粧箱を敷居に置くと、逃げるように帰ってしまう。化粧箱の中には縁がないと駱青蓮が諦めた指輪が入っていた。すると侍女の東籬(トウリ)から流石に公子に冷たすぎると諌められ、駱青蓮も反省する。「この子に聞いてみる… 父親に会いたかったら1回、蹴って、会いたくなければ2回よ」賀連信は庭園で悶々としていた。そこへ思いがけず指輪をはめた駱青蓮が現れる。「我が子よ、あなたの父親よ?好きなら2回、蹴ってあげて」喜んだ賀連信はお腹に耳をつけた。「青蓮、1回しか聞こえぬぞ?…もう1回、蹴ってくれ」こうしてすれ違っていた駱青蓮と賀連信は再び心を通わせたが…。駱青蓮が寝宮に戻ると水蘭が侍女の織月(ショクゲツ)を引っ叩いていた。驚いた青蓮は妹に謝るよう命じたが、水蘭は動物以下の奴婢に謝る必要はないと言い放つ。これには妹に甘い青蓮も激怒、思わず手を挙げた。傷ついた水蘭は漣微居を飛び出し、帰らなくなってしまう。水蘭を探すため漣微居の者は全て出払っていた。駱青蓮は大きなお腹を抱えて殿門で知らせを待ったが、そこへ南如珍の侍女が現れる。実は水蘭が南如珍の静姝(セイシュ)館にいたというのだ。一方、賀連信は南如珍の具合が悪いと聞いて静姝館にいた。「呂北逸に薬を作らせよう」賀連信は呂北逸を呼びに行こうとしたが、中庭で呂北逸と駱青蓮が仲睦まじそうに話している姿を見てしまう。駱青蓮は賀連信が寝殿から出てくるのを待った。すると日が暮れてからようやく賀連信が現れる。「なぜ怒っているの?」「見てはいけないものを見たからだ!」賀連信は駱青蓮と呂北逸の関係を怪しんだ。驚いた青蓮は腹痛がするので呂北逸が診察してくれただけだと釈明したが、賀連信はまるで父親のように青蓮の腹を触っていた呂北逸に激しく嫉妬する。「本当に私が父親なのか?そうなら父親として言わせてもらう そなたに母親の資格はない!」「何ですって?!」青蓮は賀連信が生まれた子供を誰かに預けるつもりだと誤解した。そこへ主を心配して探していた侍女たちが駆けつける。東籬はひとまず寝宮に戻るよう説得したが、青蓮の怒りは収まらなかった。「離して!」青蓮は侍女たちの手を振り払い、賀連信を追った。すると一足先に南如珍が且歌苑(ショカエン)に入ってしまう。焦った青蓮は急いで後を追おうとしたが、その時、足を滑らせ転倒した。李塘(リトウ)は主が危険だと知り公子に助けを求めた。しかし剪雨に門前払いされてしまう。「決して起こすなと言われたの」その頃、南如珍が差し入れた酒を飲んで憂さ晴らししていた賀連信は泥酔していた。許寄柔が呂北逸を連れて戻った。しかし青蓮の出血が酷く、子供はあきらめなければならないという。「君の命が危ないんだ、すぐ赤子を出さなくては」すると許寄柔が手伝いを申し出た。「私がやるわ」つづく( ゚д゚)マイマイお見事
2024.11.07
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岁岁青莲 Blooming Days第15話「仕組まれた散歩」駱青蓮(ラクセイレン)の懐妊が安(アン)王の知るところとなった。青蓮は仕方なく曲涼(キョクリョウ)を去って子供に穏やかな暮らしをさせたいと明かしたが、賀連信(ガレンシン)の期待に反し、安王は自由にすればいいと許して席を立ってしまう。しかし青蓮は安王の悲しそうな表情に胸が痛み、思わず後を追った。「王爺!…時間をください」安王を見送った賀連信は駱青蓮を漣微居(レンビキョ)まで送った。青蓮は自分の子さえ利用するつもりかと不快感をあらわにしたが、賀連信は自分も父親として子を守りたい一心だったと訴える。「これまで己の感情を抑えてきた、だが今は怖い、子を失えばそなたを失ってしまう どうやらお前に本気のようだ」賀連信は青蓮を引き寄せ、口づけした。駱青蓮の懐妊の噂はすぐに広まった。袁百里(エンヒャクリ)は世子への寵愛が亡き王妃の身代わりである駱青蓮の赤子に奪われると焦り、賀連儲(ガレンチョ)に発破をかける。一方、賀連修(ガレンシュウ)の嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は密かに静姝(セイシュ)館を訪ねた。南如珍(ナンジョウチン)は外出が難しく報告が遅れたと謝罪したが、阮之湄は庶室に昇格したならもはや駒ではないという。賀連信の真心を知った駱青蓮は少しずつわだかまりが解けて行った。毎日のように漣微居へ届く賀連信からの贈り物。しかし公子の寵愛を独り占めする駱青蓮に側室・李浅陌(リセンバク)は激しく嫉妬していた。駱青蓮は沈静容(シンセイヨウ)を誘い、久しぶりに棲雁(セイガン)楼を訪ねることにした。しかし許寄柔(キョキジュウ)は独りでどこかへ出かけたという。すると侍従・林照(リンショウ)は具合が悪い主が心配だとうっかり口を滑らせ、侍女・花扶(カフ)にたしなめられてしまう。「病気なの?」「ご心配なく、ただの風邪ですから」棲雁楼からの帰り道、駱青蓮は侍女の様子が変だったと怪しんだ。沈静容は慕海瑶(ボカイヨウ)と手を組んでいた許寄柔をどうしても信用できなかったが、青蓮はもう過去のことだという。「寄柔夫人とも力を合わせられたら心強いわ」「もしや私が嫉妬したと思ったの?…確かにあなたは思慮深くて私は浅はかね」すると沈静容は先に帰ってしまう。「姐姐が警戒するのも当然ね…ただ気位が高い寄柔夫人が卑怯な人には思えないの」その話を偶然、裏庭の蔵から戻った許寄柔が聞いていた。許寄柔は何も知らずに自分を信じる駱青蓮に困惑した。「愚かね…」すると背後から歩いてきた方懐蕊(ホウカイズイ)に独り言を聞かれてしまう。「誰が愚かなの?」「私です、真夏にこんな厚着で日陰を歩いているなんて…着替えてきます」方懐蕊はそれ以上、追求しなかったが、慕海瑶の失脚後に急に駱青蓮と近しくなった許寄柔を訝しんだ。賀連信はどんな贈り物にも興味を示さない駱青蓮に困惑していた。「食も容姿も興味はない、あとは何だ?…権力か?」すると侍従の蘇南春(ソナンシュン)が庶室に昇格してはどうかと助言する。「うむ…父王のために孫を産んでくれれば正室もやぶさかでない だが屋敷を離れたがっていて難しいしな」「公子、それが姑娘の考えが変わったとか、屋敷に残るようです」その話を偶然、方懐蕊が聞いていた。沈静容は駱青蓮と仲直りしようと漣微居(レンビキョ)を訪ねた。しかし許寄柔の姿に気づき、声をかけずに様子を見守る。実は許寄柔は自分の懐妊中に手縫いした衣を青蓮に差し入れていた。すると駱青蓮は臨月用の衣がまだ新しいことに気づく。「私のお腹に子がいたのは6ヶ月までだったから…」沈静容は結局、来訪を伝えずに引き上げた。一方、許寄柔は6ヶ月用の青い衣に着替えて散歩へ行こうと駱青蓮を誘い出す。「流産の話は初耳です」「私も最初は妾で、身ごもって庶室になったの でも子供は6ヶ月で流産、娘だった、仕組んだのは葉秀(ヨウシュウ)よ」許寄柔はそれが原因で子を産めない身体になっていた。許寄柔は駱青蓮を庭園に連れて行った。青蓮は屋敷へ来て初めての場所だと喜んだが、許寄柔はどこか上の空、急に早く帰ろうという。しかし合図の鳥の声が聞こえ、許寄柔は逃げるように青蓮を置いていなくなった。「寄柔夫人?寄柔夫人?」青蓮は大きなお腹で許寄柔の後を追ったが、そこに牙を向いた犬が現れる。驚いた青蓮は恐怖でその場から動けなくなった。その時、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、犬を蹴り飛ばし青蓮を救う。すると方懐蕊たちと駆け付けた賀連信が怯える青蓮を抱きしめた。呂北逸は逃げようとしていた男を捕らえた。賀連修は妻妾たちが見守る中、自ら審問、男が聴瀾(チョウラン)閣の侍従と知る。焦った李浅陌は自分と無関係だと訴えたが、実は正夫人の侍女・酔柳(スイリュウ)が全て見ていた。酔柳は聴瀾閣から慌てて飛び出して行く侍従を目撃、後をつけた。すると裏庭の荒れた古い蔵からどう猛な犬を連れ出し、駱青蓮が散策している庭に放ったという。酔柳は恐ろしくなって正夫人へ報告に戻ると、ちょうど賀連信が居合わせたのだった。賀連信は正直に白状すれば家族を見逃すと約束し、侍従を懐柔した。すると侍従は主に命じられたと告白し、いきなり短剣を取り出して自害してしまう。賀連信は嗣子(シシ)の殺害を図ったとして李浅陌の身分を剥奪、永寒閣での幽閉を命じた。おかげで方懐蕊は時児(ジジ)の養育を任され、危うかった正室の座を守る。これで一件落着かと思われたが、その時、呂北逸がひとつ確認したいと訴えた。呂北逸は駱青蓮を散策に連れ出した許寄柔を怪しんだ。そこで許可を得て許寄柔に近づくと、思った通り青蓮と同じ粉薬の匂いがする。実は駱青蓮を助けた時、かすかに妙な香りがしていた。犬を訓練する時、何度も同じ香りを嗅がせることで攻撃を指示できるようになるという。しかし青蓮は許寄柔をかばった。「あの男とは出がけに会い、その時に粉薬を付けられたのでしょう その香りが一緒にいた寄柔夫人に移ったのです」その時、賀連信は確かに青蓮が見慣れない青い衣を着ていると気づいた。「初めて着ました、新しく縫ったのです」「おかしいな、裁縫している所を見たことないぞ?誰が縫った?」すると咄嗟に沈静容が自分が縫ったと答えた。駱青蓮は寝宮の前で沈静容を呼び止め、怒っていながら自分を助けてくれたと感謝した。「助けたのはあることを知ったからなの、あの日…」そこへ許寄柔が現れた。駱青蓮たちはひとまず寝宮に入った。すると許寄柔がいきなり叩頭、青蓮を害そうとした謝罪と助けてくれたお礼だという。「借りは嫌いよ、助力が必要なら全力で借りを返すわ」その時、思いがけず呂北逸がやって来た。「噬心(セイシン)毒、いつからだ?」この毒は服毒すると徐々に五感が失われ、1年以内に死ぬという。つづく|ω・`)壁に耳ありジョージにメアリー…え?w
2024.11.06
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岁岁青莲 Blooming Days第14話「新たな火種」呂北逸(リョホクイツ)を追いかけ、ねぐらにまで押しかけた賀元雪(ガゲンセツ)。呂北逸の憂さ晴らしの酒に付き合いながら、彼には忘れられない想い人がいることを知るのだった。翌朝、駱青蓮(ラクセイレン)は且歌苑(ショカエン)の寝台で目を覚ました。賀連信(ガレンシン)は侍女の東籬(トウリ)を呼んで世話を頼み、すでに出かけたという。「小姐、飲み過ぎですよ?」すると青蓮はおぼろげながら昨夜の失態を思い出した。確か賀連信から短剣を渡され、酒の力を借りようと杯を空けたが、そのまま泥酔して醜態を晒したらしい。青蓮は居たたまれなくなって急いで帰ろうとしたが、その時、東籬が卓上にある封書を見つけた。…夫婦円満を望まぬなら自由にしよう、これより各々の道を行く…賀連信は屋敷に寄り付かなくなった。そんな中、朝議では世子・賀連儲(ガレンチョ)と賀連信が調子を合わせ、賀連修(ガレンシュウ)の居場所がなくなってしまう。賀連修は復活を誓うが、何より自分には賢妻である阮之湄(ゲンシビ)がいた。駱青蓮は近頃、食欲を失くしていた。東籬は公子を追い出したからだと揶揄したが、そんなある日、流雲小築(リュウウンショウチク)がにわかに騒がしくなる。青蓮が様子を見に行ってみると、すでに妻妾たちが集まって門から中の様子をうかがっていた。「王府は耳が早いわね、慕海瑶(ボカイヨウ)が去るや否や新入りが来たわ ご覧なさい、″湖底の魚″も飛び出して来た」妻妾たちは呆れたように解散すると、新たな妾・南如珍(ナンジョウチン)が青蓮に気づいて挨拶にやって来た。駱青蓮はその足で驚秋(キョウシュウ)院へ向かうことにした。それにしても南如珍は美しく賢そうで話も上手い。その完璧さがかえって駱青蓮を警戒させた。すると且歌苑で急に火の手が上がり、屋敷は騒然となる。青蓮は密かに小火を出した宝物庫に飛び込んで賀連信の大事な羽織を救ったが、その様子を南如珍が見ていた。賀連信は火事があったと聞いて慌てて屋敷に戻った。そこで真っ先に懿(イ)夫人が縫ってくれた羽織を確認したが、無事だと分かって安堵する。すると火消しを手伝ったのか、ある女が疲れて居眠りしていた。「そなたは?名は何という?」その女は新たな妾・南如珍だった。その夜、李塘(リトウ)は偶然、火付けの下手人を見つけ、駱青蓮に報告した。「昼間の火事の時、付け火を疑われる者と出くわしました 先ほどまた見かけたので後をつけたところ…南如珍の侍女でした」駱青蓮は且歌苑を訪ねた。喜んだ蘇南春(ソナンシュン)はすぐ主に報告しようとしたが、南如珍がいることを思い出して困惑する。「あの者がいるのね?」すると南如珍の侍女・剪雨(センウ)が現れ、公子が主を気に入ったので明朝にでも出直して欲しいと門前払いされてしまう。…たかが小火よ、寵愛を得たら付け火くらい何でもない…駱青蓮は帰りに沈静容(シンセイヨウ)を訪ねた。恐らく付け火は公子に近づくための手段、自分が口を出す筋合いではないという。「妹妹ったら、何だか妬いているみたい、クスッ」「考えすぎよ、私の想い人が誰か知っているはずよ」すると青蓮は手巾を忘れたまま帰ってしまう。一方、賀連儲は老三にすっかり骨抜きにされ、女色に溺れる毎日を送っていた。翌朝、方懐蕊(ホウカイズイ)は南如珍が公子の寵愛を賜ったと早合点し、且歌苑に褒美を届けた。妻妾たちは南如珍の得意げな様子を門から冷ややかに眺めていたが、その時、二日酔いで目覚めた賀連信が水を求めて外へ出て来る。「これは何だ?」ようやく事情を飲み込んだ賀連信は駱青蓮への未練で酔い潰れたとも言えず、面目を守るため南如珍を庶室に昇格させ、静姝(セイシュ)館を与えてしまう。すると寝殿の前に落ちている青蓮の手巾に気づいた。「蘇南春?もしや青蓮姑娘がきたのか?」「はい確かに」しかし如珍夫人がいたので侍女が断ってしまったという。実はその手巾は沈静容がわざと置いたものだった。喜んだ賀連信は漣微居(レンビキョ)に駆けつけた。しかし主の体調がすぐれず眠っているため会えないと東籬に門前払いされてしまう。同行した南如珍は公子を拒まぬよう助言し、昨夜のことは自分が悪いと謝罪した。「まるで小姐がわがままで拒んでいると言いたげですね?小姐は病なのです」「分かった分かった、治るまで待ってやろう 3ヶ月も待ったのだ、扉が開くまでここを動かぬ」南如珍は公子の心にいるのがやはり駱青蓮だけなのだと思い知らされたが、その時、寝殿から染雲(ゼンウン)が出て来た。「大変です!小姐が倒れました!」賀連信は慌てて呂北逸を呼んだ。すると駱青蓮は病ではなく懐妊だと分かる。賀連信はすっかり舞い上がり、早速、褒美を揃えに出かけて行った。その間に呂北逸は安胎薬を飲ませることにしたが、青蓮は拒む。実は懐妊と聞いて真っ先に青蓮の目に浮かんだのは暉児(キジ)の非業の死だった。「ここで生をうけることが幸せとは限らない…出て行くわ」しかし運悪くその言葉を賀連信が聞いていた。賀連信は激怒したが、青蓮は母親として子を守るためだと譲らない。その時、蘇南春が駆けつけ、賀連倚(ガレンイ)が急ぎの用だと伝えた。「駱青蓮、いいか?お前とお前の持つ全ては私のものだ 私の許しなく勝手に奪うことはできぬ!」仕方なくその場をあとにした賀連信。呂北逸はともかく薬を飲むようなだめ、去るか残るかは自分で決めろと言った。「私がそばにいる」信宅に突然、安(アン)王がやって来た。すると安王は青蓮に褒美を授け、改めて医官の脈診を受けさせる。「おめでとうございます、王爺」実は賀連信は青蓮を引き止めるため、父王に孫が増えると報告していた。つづく( ゚ェ゚)で湖底の魚って誰?
2024.11.05
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岁岁青莲 Blooming Days第13話「賀連信の孤独」三兄・賀連信(ガレンシン)を排除するつもりが逆に足下を見られてしまった賀連修(ガレンシュウ)。結局、銀庫の穴埋めのため安く買い集めた骨董を全て手放し、元手を失った。激高する夫の姿を垣間見た嫡妻・阮之湄(ゲンシビ)は侍女・流煙(リュウエン)から慕海瑶(ボカイヨウ)の失脚を知る。「やはり駱青蓮(ラクセイレン)は侮れない…例の者は?」「はい、あとは夫人が教育するだけです」賀連信は呂北逸(リョホクイツ)の献策で買付金の回収に成功した。この功績が認められ呂北逸は幕僚として仕えることが許されたが、その代わり駱青蓮との関わりを一切、断ち切るよう警告されてしまう。慕海瑶(ボカイヨウ)が信宅を去る日がやって来た。しかし見送りに出たのは赤子を抱いた許寄柔(キョキジュウ)ただ1人。慕海瑶は今さらながら真心で接してくれたのが許寄柔だけだったと思い知る。その時、粗末な馬車がやって来た。侍女の如画(ジョガ)は誰が用意したのかと憤慨したが、そこへ方懐蕊が妻妾たちを引き連れ現れる。「私が頼んだのよ」平民に落とされた慕海瑶に妻妾たちは冷たかった。慕海瑶は賀連信が必ず見送りに来てくれると信じて待った。方懐蕊は公子ならすでに出かけたと嘲笑ったが、その時、賀連信が呂北逸を連れて駆けつける。感激した慕海瑶は涙ながらに別れの挨拶を伝え、命綱である息子との面会だけは許して欲しいと懇願した。「…案ずるな、新しい母親を与えるゆえ苦労はすまい」( ゚д゚)はぁ?すると驚いたことに賀連信は赤子を李浅陌(リセンバク)に渡してしまう。「安心しろ、大事に育てる」こうして奇しくも赤子は生母の腕の中に戻った。呆然とする慕海瑶だったが、最後の望みに別院まで公子たちに同行して欲しいと頼む。どんな魂胆があるのか分からなかったが、慕海瑶は駱青蓮を馬車に同乗させ、その後ろから馬に乗った賀連信と呂北逸が付いて行った。馬車は郊外の山道に入った。「駱青蓮、おめでとう、呂北逸が幕僚になったわ でも本当に賎民から抜けることができるかしら?あなたたちの過去は公子の恥よ? 公子が王爺になったら真っ先に殺すのは呂北逸 公子にとって屋敷の人間は全て駒なの、用がなくなれば私のように捨てられるわ」しかし兄がいる限り自分は許されると言い放ち、慕海瑶はいきなり駱青蓮を馬車から突き落としてしまう。賀連信は意識を失った駱青蓮を屋敷へ運び込んだ。呂北逸の見立てでは落下した衝撃から昏睡しただけだと分かったが、その時、青蓮はうわ言で呂北逸の名を呼んでしまう。賀連信は人払いし、献身的に青蓮を介抱した。やがて青蓮は目を覚ましたが、付き添っていた賀連信に目もくれず、呂北逸の身を案じる。青蓮は公子が危険を冒してまで自分を助けるはずがないと決めつけ、当然、呂北逸が救ってくれたと思い込んでいた。「丫头(ヤートウ)、私たちは利益だけの仲か?私が何をしても呂北逸には及ばぬと?」思わぬ公子の言葉に青蓮は慕海瑶の警告を思い出した。…公子が王爺になれば真っ先に殺すのは呂北逸よ…そこで青蓮は自分を突き落とした慕海瑶を罰しないのか聞いた。賀連信はその時機ではないと答えたが、青蓮はやはり慕海瑶の読み通りだと気づく。「初めから呂先生を賎民から救うつもりはなかったのね?」実は慕海瑶は賀連修の心にいるのが駱青蓮だと薄々、気づいていた。そこで馬車から駱青蓮を突き落としてみたが、驚いたことに賀連修は落下した青蓮を抱き留め、自分が盾となって助ける。…女に本気になることはないと思っていた、まさか命懸けで青蓮を救うなんて…慕海瑶は馬車に揺られながら激しい嫉妬の炎を燃やした。しかしこれで賀連修の心にも絡みついて解けない痛みを刻みつけたに違いない、永遠に続く痛みを。一方、賀連信は自分を疑う駱青蓮に深く失望し、売り言葉に買い言葉で呂北逸を助けるつもりはないと言い放った。激怒した青蓮はすぐにでも屋敷を出て行くことにしたが、賀連信は怒りに任せて青蓮に今夜の夜伽を命じてしまう。翌朝、東籬(トウリ)から知らせを聞いた呂北逸は急いで且歌苑(ショカエン)に駆けつけた。するとちょうど門が開いて寝殿から駱青蓮が現れる。蘇南春(ソナンシュン)は公子からの褒美として羽織を贈ったが、青蓮の表情は硬いままだった。駱青蓮は呂北逸に目もくれず帰って行った。愛する青蓮が穢されたと知った呂北逸は激怒、ちょうど寝殿から出て来た賀連信に剣を突きつける。すると賀連信は刺しても見逃すが、刺せないのなら二度と駱青蓮とのことに口を出すなと迫った。その時、呂北逸に会いに来た郡主・賀元雪(ガゲンセツ)の姿が見える。呂北逸は結局、賀連信を刺せずに黙って引き返し、賀元雪は呂北逸の後を追った。賀連信は全身の力が抜けるようにその場でへたり込んだ。「いっそ刺されたかった…」すると今度は方懐蕊がやって来た。賀連信はようやく暉児(キジ)の件でまだ答えを出していなかったと気づいたが、方懐蕊は公子の決断に従うという。「海瑶の別院の調度品は屋敷と同じものを… 公子には多くの味方が必要、慕家に恨まれてはなりません」方懐蕊は跡継ぎのない正室など名ばかりだと分かっていた。慕海瑶がいなくなれば次の慕海瑶が現れるのは必至、正室の座を守るためには公子の負い目を利用するしかない。「私が譲歩するほど公子は私への負い目が強くなる」駱青蓮は約束を反故にして夜伽を強要した賀連信に恨みを募らせた。そこで漣微居(レンビキョ)に戻り、鋭く研いだかんざしを手にして復讐に向かう。しかし思いがけず七弟・賀連倚(ガレンイ)に止められた。賀連倚は兄嫁を庭園に連れ出し、その羽織こそ三兄の真心の証しだと教えた。「誰の物か知っているか?」「徳(トク)夫人?」徳夫人は賀連信の生母だったが、同時に賀連信の心の傷でもあった。…実は賀連信は懿(イ)夫人に育てられた生母・徳夫人のもとに戻ったのは9歳の時だったが、その時、徳夫人には幼い八弟・賀連化(ガレンカ)がいたという徳夫人は自分の手元で育てた八弟を溺愛ある日、賀連信は父王から褒美として羽織を賜ったが、弟が欲しいとねだると取り上げてしまうちょうどその様子を見た懿夫人は胸を痛め、賀連信のために自ら羽織を縫い上げた賀連信にとってこの羽織は宝物となり、誰にも触らせなかったという…その羽織が今、駱青蓮の肩にあった。賀連倚は三兄が遊び人で薄情そうに装うのは怖いからだという。「私は徳夫人に預けられ、三哥と一緒に育ったからよく分かる 三哥にとって人生はうまくやれば褒められ、失敗すれば捨てられる″のが常 二十数年、ずっと仮面をかぶり、緊張を解いたことがない 嫂嫂(サォサォ)、私が命をかけて保証する、三哥はあなたにだけは嘘をつかぬ」駱青蓮は冷静さを取り戻して寝宮に戻った。賀連信が真の愛を信じられない理由はやはり生母が原因だったらしい。…心の深い傷を打ち明けてくれれば誤解は解けたのに…青蓮は今さらながらこれが慕海瑶の蜂の一刺しだったと気づいた。その夜、賀連信は駱青蓮を呼んだ。すると青蓮が羽織を返しにやって来る。賀連信は青蓮だけには嘘をついたことがないと釈明したが、昨夜の夜伽で全て手遅れだと気づいていた。そこで黙って青蓮の手に短剣を握らせる。青蓮は酒の力を借りて短剣を構えたが…。つづく( ̄▽ ̄;)皆さんとご一緒に~っていきなり青蓮だけ馬車に同乗させる流れは何?w
2024.11.04
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岁岁青莲 Blooming Days第12話「牡丹の団扇の行方」内助の功の褒美として賀連信(ガレンシン)の妻妾に3種の団扇を下賜した安(アン)王。すると慕海瑶(ボカイヨウ)は正室がもらうべき牡丹の団扇が欲しいと言い出した。方懐蕊(ホウカイズイ)は序列があるとたしなめたが、慕海瑶はならば安王に決めてもらおうと提案する。しかし安王が何か言いかけた時、急に賀連佐(ガレンサ)がやって来た。賀連佐を送り込んだのは賀連修(ガレンシュウ)だった。賀連修は五弟に上奏状を届けさせ、賀連信の手段を選ばぬ借金取り立てで各部署から不満が噴出していると訴えさせる。しかし官吏の反発は想定内、賀連修の予想通り安王はこれを問題にしなかった。そこで賀連佐は李(リ)大人が取り立てのせいで自害し、実は三兄がこれに抗議した民を皆殺しにしたと告発する。すると今度は世子・賀連儲(ガレンチョ)がやって来た。賀連儲は自分も三弟の罪を暴きに来たと訴えた。しかしよくよく聞いてみると賀連信を擁護していると分かる。「老三の取り立て方は相手が汚職官吏の場合、情け容赦なかった しかし清廉な官吏には返済させるどころか自ら借金の穴埋めをしていのです その中には李大人も含まれていました 私は老三を公平さを欠いた罪で告発します!」すると賀連信は李大人が自害ではなく病気による急死だったとごまかし、暴徒も貧民のふりをした盗賊だったと釈明した。賀連修は暴徒の一件が世子の策略だと知っていた。跡目争いに敵も味方もない。弱みを握られた世子が三兄と手を組めば自分の居場所がなくなるのは必至だ。実は賀連修はあの時、乱闘から密かに逃げ出した男を賀連佐に取り押さえさせていた。賀連修は王五(オウゴ)という証人を呼んだ。王五の話ではあの日、李大人の無念を晴らすべく信公子を訪ねたところ、兵士に排除されたという。賀連佐は民を殺した三兄を激しく非難し、爵位を剥奪すべきと弾劾した。しかし思いがけず慕天殊(ボテンシュ)が新たな証拠としてある手配書を提出する。実は民を扇動した王五の正体は十数年、逃亡を続けていた殺人犯だった。調べてみると民に扮した暴徒も皆、罪人だったという。「そんな輩が李大人の無念を訴え出るでしょうか?」王五は直ちに連行された。賀連佐は自分の過ちだったと謝罪したが、安王は処罰を決めるのは老三だという。爵位剥奪と言ったか?@3>(  ̄꒳ ̄) Σ(°∀°ノ)ノ ビクッ!@5しかし賀連信は父王の期待通り誰も排除せず、五弟も民を思うあまり悪党に騙されたのだろうと寛容な心を示した。こうして一件落着、世子と老五は引き上げた。そこで安王は慕海瑶を御前に呼び、牡丹の団扇が欲しいなら同じ物を作らせて下賜するという。「では今日のところはひとまず正夫人に渡してくれ」慕海瑶は仕方なく盆から牡丹の団扇を取って方懐蕊に渡そうとしたが、その時、思いがけず柄から団扇が取れて落ちてしまう。「何するの?!同等と認められても許せないと?!」方懐蕊は故意だと誤解したが、慕海瑶は何も知らないと困惑した。焦った慕天殊は賀家の男児を産んだことに免じて妹を許して欲しいと嘆願したが、かえって安王の不興を買ってしまう。「褒められたゆえ調子に乗っておるのか?!」すると賀連信は父王の真意を計り決断した。「慕海瑶は横柄で嫉妬深く仁徳に欠ける、よって庶人に降格、南郊の別院に移す」その夜、賀連信は駱青蓮(ラクセイレン)を屋敷の未晞(ミキ)池に連れ出した。「父親(フーチン)の真意に気づいたのはいつだ?」賀連信は駱青蓮が慕海瑶の手先に甘んじていたのがこの日のためだったと分かった。青蓮の話では安王が全てを自分の支配下に置きながら、賀連信に2頭の虎に対抗する力を持たせようとしたという。しかし今回の手柄だけでは遠く及ばず、勢力を広げるために配下を育てる必要があった。青蓮は慕天殊を助けて功を立てさせ出世させることで、妹である慕海瑶という弱みができたという。あの牡丹の団扇も初めから細工されていたのだ。慕海瑶は男児を産み、兄も出世して順風満帆、誰が見ても増長するのは明らかだという。「つまり安王は推測したのではなく知っていたのです 公子は自分が棋士だと思っておられる、でも大局をつかんでいるのは王爺です」実は青蓮は禁足を解かれて王府を訪ねた時、安王の口振りから袁百里(エンヒャクリ)に嫌悪感があると気づいた。その際、亡き錦芳(キンホウ)から公正な安王が縁戚を嫌っていると聞いていたという。賀連信は自分がやりたくてもできなかったことを駱青蓮が叶えたことに驚きを隠せなかった。「だが父親の心は読めても私の心は読めぬのか?」物心ついた時から安王を継ぐと決めていた賀連信。今までの行動は全てそのための布石だったが、駱青蓮とならば例え平凡な夫婦になっても構わないという。「そなたの望みは?…全て叶えよう!」その時、青蓮は呂北逸(リョホクイツ)を助けると誓ったことを思い出した。「私の望みを知りたいと?ならば呂北逸を幕僚にしてください 彼から全てを奪ったのは公子なのですから」賀連信は青蓮の心にいるのが今も呂北逸なのだと知り、呆然となった。「初めからそう取り引きしたはずです…ではこれで」↓正統なアヒル口w方懐蕊はようやく駱青蓮が暉児(キジ)の敵を討つため自分を遠ざけたと気づき、沈静容(シンセイヨウ)を連れて漣微居(レンビキョ)を訪ねた。「あなたを恨み続けるところだったわ」「勝算のない戦いに巻き込むわけにはいきませんでした それに疑り深い慕海瑶を信じ込ませるにはまず味方を騙さなくては…」すると青蓮は肌身離さず持っていた暉児(キジ)の形見の腕輪を正夫人に返した。三兄にしてやられた賀連修。実は賀連修が最も遅れるのは愛する阮之湄(ゲンシビ)に見放されることだった。すると翌日、賀連信が修宅に現れ、冗談めかして取り引きを持ちかける。「やっとの思いで李大人を殺めた下手人を見つけた あろうことか四弟に頼まれたと言ったぞ」「でたらめだ」「それはそうだ、だから昨日、五弟に責められても黙っておいたんだ 貸付金回収に手を焼いているし、お前にも恩が売れるしな、ふっ」焦った賀連修は協力したいが愚鈍ゆえ蓄財が下手だと言い訳した。しかし賀連信は銀子がなくても山のように宝物があると知っている。「ここ数日、曲涼(キョクリョウ)で妙なことがあってな 高官が借金返済のため書画や骨董品を叩き売っていたんだが… それがあっという間に誰かが全て買い取ったらしい 三哥は気になって調べたんだ、すると全てある屋敷に運ばれていた、誰の屋敷だと思う?」つづく( ˙꒳˙ )ホント、わけが分からないだけど公子が青蓮を本気で好きになったことだけは分かったw
2024.11.03
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岁岁青莲 Blooming Days第11話「二度目の別れ」賀元雪(ガゲンセツ)を助けた賀連儲(ガレンチョ)は伯父である右長史・袁百里(エンヒャクリ)を頼った。賀元雪は暴漢に見覚えはないと言ったが、袁百里は郡主に毒入りの茶を飲ませて眠らせてしまう。賀連信(ガレンシン)は安(アン)王から李浅陌(リセンバク)の父を追い詰めた責を問われるはず、さらに郡主が命を落としたとなれば…。一方、賀連信と慕天殊(ボテンシュ)は公金を輸送中、郊外で暴徒に足止めされていた。実は李大人(ダーレン)の自害はきっかけに過ぎず、民たちの目的は公金の強奪だと分かる。その時、物陰から何者かが矢を放ち、民の一人が倒れた。「官兵が民を殺したぞ!」これをきっかけに官兵と民たちが衝突、思わぬ騒ぎになってしまう。その頃、ようやく目を覚ました賀元雪はいつの間にか拘束され、馬車に揺られていた。信宅では2人の側室のお産が始まっていた。朗月(ロウゲツ)閣を追い返された方懐蕊(ホウカイズイ)は聴瀾(チョウラン)閣で李浅陌の出産を待っていたが、そこへ許寄柔(キョキジュウ)が現れる。許寄柔は遠回しに正夫人がまた赤子を害す可能性があると牽制、一緒に外で待つよう迫った。賀元雪は見知らぬ男たちに三兄たちがいる河原で降ろされ、命を狙われた。しかし突然、呂北逸(リョホクイツ)が現れ、再び九死に一生を得る。すると呂北逸はそのまま賀連信に加勢した。慕海瑶(ボカイヨウ)の計略を見抜いていた駱青蓮(ラクセイレン)は出産を静観していた。すると侍従・李塘(リトウ)が駆けつけ、賀連信の危機を知る。駱青蓮は賀連信を助けるため慌てて出かけることにしたが、慕海瑶の計略に気づいた方懐蕊が現れ、今も自分を正夫人だと思うなら協力して欲しいと懇願した。しかし駱青蓮は喉まででかかった言葉を飲み込み、心を鬼にして突き放す。…ごめんなさい、曲涼(キョクリョウ)の未来がかかっている、どうしても行かなくては…「いずれ私の考えがお分かりになります」その時、沈静容(シンセイヨウ)が駆けつけた。慕海瑶が男児を出産したが、李浅陌は死産だったという。手遅れだと知った方懐蕊は肩を落とし、慕海瑶に取り入った駱青蓮に失望して戻って行った。一方、賀連信は呂北逸の助けもあり暴徒を鎮静させていた。すると呂北逸が賀連信に仕えたいと懇願、はい上がるためにも過去のことを忘れるという。賀連信は敵に使えるという呂北逸に驚きを隠せなかったが、今は何より民の被害の大きさに胸が痛んだ。「公金を奪おうとまでするとは…民はここまで困窮しているのだな」「公子、普通の民ではありません」その証拠に呂北逸は暴徒が持っていた剣を見せた。袁百里の謀略は失敗、かろうじて逃げ出した暴徒の1人が復命した。「我が軍は全滅しました」しかも郡主まで賀連信が保護したという。その頃、賀元雪と再会した呂北逸は、元雪の言葉のおかげで奮起したと感謝していた。賀連信は公金と妹を慕天殊に預け、独りでどこかへ出かけようとした。呂北逸は止めたが、その時、思いがけず袁百里が現れる。すると袁百里は賀連信を屋敷へ案内し、李大人を殺害した刺客を差し出した。「李大人を殺めたのは世子だと?実は虎視眈々と漁夫の利を狙う者が…」袁百里は黒幕が四弟・賀連修(ガレンシュウ)だと明かし、勢力を持たない賀連信を懐柔した。「もし世子が失脚したら… 私は曲涼に残る大半の者を率いて信公子にお仕えする覚悟です」賀連信は河原に戻る途中、耐えきれず馬を降りた。正義を貫く者と自分の良心に背くことはできないが、賀連修に対抗するには確かに世子と組む必要がある。…このままでは曲涼が滅びる、今の私には勢力がない、時機を待つしか…賀連信は覚悟を決めて馬にまたがったが、その時、思いがけず駱青蓮が荷車を率いて現れた。「公子、決断されましたか?」駱青蓮の荷車には賀連信が回収した世子の下賜品が山積みになっていた。賀連信はこれを世子に返して帰順しようと考えていたが、青蓮は反対する。「王爺がなぜ公子に貸付金回収を命じたと?」青蓮は安王が世子と賀連修の対立で朝廷が二分し、政が不安定になるのを懸念したのだと見抜いていた。「″三者の鼎立(テイリツ)″です」安王が賀連信に白羽の矢を立てたのは誰かを排除するためではないという。その夜、総管・于徳常(ウトクジョウ)が暗衛からの報告を安王に伝えた。「王爺の思惑通りです」安王は賀連信の期待通りの働きに満足すると、そこへ無事に戻ってきた賀元雪が現れた。「父王…ご心配をおかけしました」駱青蓮は郡主が安王に何と説明するのか心配だった。しかし賀連信は事が大きすぎるゆえ賀元雪は何も言わないはずだという。「かつて父親(フーチン)は懸命に曲涼の開拓を進めたがなかなか成果がなかった あれは私が15歳の頃、干ばつがあってな 父親は城壁から見える荒畑を指して言った これが曲涼だと、貧しい流民がいるのが曲涼なのだ 私は心の中で誓った、いつか民が苦しまぬようにしてみせると… それなのに…私たちのために罪のない民が命を落としてしまった」賀連信は思わず涙ぐんだ。すると青蓮はこれも大業を成すための過程だと励ます。「いつか公子が曲涼を治める時が来ます、その時、死者は報われるでしょう」賀連信は青蓮の言葉に感激し、そっと手を取った。そこへ青蓮がずっと行方を探していた呂北逸が現れる。青蓮は咄嗟に賀連信の手を振り払うと、呂北逸と2人だけで話すことにした。呂北逸は賀連信に仕えるつもりだと明かした。誇りを取り戻すためには功を成し、賀連信の力を借りて賎民から抜け出すしか道はない。青蓮は全て自分のせいだと涙した。しかし呂北逸は駱家には自分の家族のようになって欲しくないとなだめる。青蓮は愛する人と改めて別れを決意、三つ指を立てて月に誓いを立てた。「私、駱青蓮は呂北逸の立場回復を助けます これからはあなたを″呂先生″と呼ぶ、あなたも私を″青蓮姑娘″と呼んで…」慕海瑶は医者と産婆を懐柔、李浅陌が産んだ赤子と氷室で保存していた赤子の亡骸を密かに交換することに成功した。事実上の女主人となった慕海瑶は妻妾たちに漣微居(レンビキョ)にも挨拶に行くよう勧め、駱青蓮を優遇する。駱青蓮が出産の日に方懐蕊の頼みを断ったと知り、慕海瑶の信頼は揺るぎないものになっていた。許寄柔は駱青蓮の腕輪が暉児(キジ)の形見だと明かしたが、慕海瑶は聞く耳を持たない。「いいわ、他の者と手を組むなら私はもう来ない」安王は公金を無事に届けた賀連信たちを食事に招いた。功を立てた慕天殊は平南総兵(ヘイナンソウヘイ)に任命され、同席していた慕海瑶も妹として鼻が高い。すると安王は内助の功の褒美として招待した3人の夫人に団扇を下賜した。「名品だぞ、1本ずつ選ぶが良い」駱青蓮は夫人の2人が団扇を取るのを待った。しかし慕海瑶が急に駱青蓮が最初に取るよう勧める。方懐蕊も確かに功がある駱青蓮が先に選ぶべきだと促した。そこで青蓮は無難に蝶々の刺繍の団扇を取る。嫡妻の方懐蕊は花の女王である牡丹の団扇に手を伸ばしたが、慕海瑶が止めた。「姐姐(ジェジェ)、その団扇は私にください」つづく₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ ♩しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~しかのこのこのここしたんたん~話が全く分からないので踊っておきましたw
2024.11.01
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