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あなたと共に逝きましょう 久しぶりの村田さんの本です。これで書くために取り寄せてもらいました。 60を過ぎた夫が心臓動脈瘤という病にかかります。手術の成功率は95パーセントと聞いても、20人に一人は死ぬという現実を前にして、夫は民間療法で治ったという話にすがりつき、癌も治癒したという温泉療法にも出かけます。 自身も仕事を持つ身である妻は、そんな夫のことを「破裂物」と呼びながら、山奥の温泉にも同行し、共に病と闘います。 単なる夫婦の愛情物語にさせないのが村田さんのさすがと思わせるところです。村田さんの「見えないものを描くリアルな手法」がますます冴えてます。特に疲れてみる夢が艶っぽくて、その相手というのが「たとえ天地が避けてもいっしょになろうと誓った男」なのですね。この男をどう捉えるか、それを考えると深いです。 夫の手術がどうなるのかを主人公とともにハラハラしながら読むのが正しいと思うので、結末を言ってしまうと半減してしまうのですが、大病を患った夫の看病を終えた妻というのはときどき鬱状態になるそうです。 地獄の底で待っている男の存在は、自分が夫と共に逝く決意をしたことを暗示しているのでしょう。ところが、地獄には行かないことになってしまった。そうしたときに妻の人格は行き場を失い、崩れていきます。 最後の最後がちょっと不安定なままのような気もしましたが、かすかに希望は見出せます。この夫はどんな言葉を妻にかけたのかが聞きたかったです。いや、男は言わないんだろうな。だから地獄で別の男が待っているんだよな。
2009年04月28日
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熱海に用事があったので、ついでに温泉に行ってきました。 場所は網代駅から山に向かっていったところにある、妙楽湯という日帰り温泉です。酵素風呂というのがあるというので選びました。酵素風呂の説明をすると「カブトムシになれってか」といっていたZさんもいっしょです。やはり雨でした。 表玄関です。駐車場から相合傘で入りました。なんだかお忍びできたカップルみたいでした。 これが入り口です。古民家風のいい感じの造りになっています。 ロビーは吹き抜けになっていて、コンパクトにお土産などが並んでいます。おかみさんの笑顔がよかったです。 さて、酵素風呂です。離れに案内されました。 古い農機具などが並んでいて、社会の見学もできるなあと思ったりしました。 ここで酵素着という服に着替えます。中はヒノキのおがくずと蜂蜜とかいろいろ混ざった砂みたいなものが敷き詰めてあります。 暗くてあまり写真が撮れませんでした。奥がZさんです。手前はどこかの奥様です。4人ぐらい男女いっしょに入れます。お世話のお兄さんは汗だくでした。この人の心臓は大丈夫だろうかと心配になるくらい暑いのです。 15分砂の中に埋もれています。体の芯からじんわりと熱くなってきます。ふだん汗をかかない私もたくさんかきました。 その後露天風呂つきのお風呂でゆっくりしてて出てきました。外は雨でしたが、周りの庭木が美しかったです。 食事も精進料理みたいな野菜中心のものでした。お蕎麦と玄米のおにぎりと、生湯葉と、焼きなすびを頼みました。味がしっかりと感じられる、体に優しいお料理でした。 この時点でZさんは生ビールを2杯も飲んでしまっていたので、帰りは私の運転でした。行きは東名を使ったのに横でナビしてるZさんは下を通る道を指示したので、沼津で渋滞でした。途中お土産屋によったけれど、3時間近くかかってしまいました。せっかく温泉に入ったのに、疲れてしまったぞ~と、家に着いてすぐ氷結(500)をがぶがぶと飲みました。 たしか夕方4時ごろだったと思うのですが、それから朝まで一回も起きずに寝てました。 Zさんもいたく気に入った様子でした。連休前に行って正解でしたね。 もう少し長距離運転に慣れれば、もっといろんなところにいけるのですね。だんなばかり充てにしていたことを少しは反省しました。仕事場なんて5分ちょっとですもんねえ。
2009年04月26日
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日曜に親戚から竹の子を頂いた。先っぽはそのまま刺身で食べて、次の日に油揚げとわかめで煮た。今日もまだ残っていたので食べていると宅急便が来た。 なんと、定期便でお茶を買っている農家から竹の子が届いたのだった。しかもでっかいのが5個も入っていた。 さすがにこれは食べきれない。冷凍してうまくいったためしがないので、ご近所さんに声をかけてみることにした。 しかし。 「うちももらってまだあるのよ」 「うちは自分ちで作っているから、あげるほどあるよ」 がーん。 冷凍より水に漬け込むほうがもちがいいというので、冷凍パックに分けて水漬けした。もう冷蔵庫は竹の子だらけである。 明日は竹の子ご飯で、あさっては酢豚かチンジャオロースーにでもするか。 こんなとき息子らがいたらけっこう早くなくなるのだが。。。。 そしたらぺぺりんから電話があった。なんだかんだ話をしていたら一時間は過ぎてしまった。就職戦線も厳しいらしい。待ってないで自分から売り込むくらいの気持ちでいないと、と檄を飛ばす。 次のデザインフェスタにはぺぺりんも出店するらしい。凹りんも学校で出してくれるという。また東京に行けるな。 その前にGWに帰ってくるんだった。七五三もいっしょだって?うちの掃除はまだまだ先は長くて暗いぞ!
2009年04月22日
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ソロモンの犬 予約待ちに借りた道尾氏の本です。そんなに長くないけど、時間がかかりました。 大学生の秋内はバイトの途中で少年の事故現場を目撃します。少年は大学の女性教師の息子で、飼い犬が道路に飛び出したときにリードごと引っ張られ、トラックに撥ねられました。すぐそばにいた友人の行動に秋内は不審を抱きます。 どうやら道尾氏は男と女のあれこれに疎いとみました。主人公の青年がぱっとしなくて好きな女性に話もできないという実際にはよくいるタイプなのでしょうが、もうそんなどうでもいいことはぱぱっとやってくれよと言いたくなる箇所が多すぎました。だから毎晩すぐ寝てしまいました。 作品の構成には道尾氏らしいひねりがありますが、それが本編をでんぐり返すほどのものではなく、そんなことしているより登場人物をもっと深く描いてほしかったです。ソロモンの指輪とかバベルの塔とか、いい素材はたくさんもっているのになあ。道尾氏のこういった雑学には感心しますね。誰でも知っていることではなくて、かといってあまりに専門的ではないネタをどうやって仕入れるのでしょうかね。 人間を描くことができるようになるには、まだまだだね。おばさんはこう思うのでした。
2009年04月18日
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代理で出張に行ってきた。半日会議だった。でもほとんどはただの伝達事項で、しかも提出書類は後日郵送するという。いったいなぜこんな会議を設定する必要があるのか分からない。 おまけに発言者は配ったレジュメのあっちに飛んだりこっちに戻ったり、肝心なことは書いていないし、何より敬語の使い方がまるでファストフード並みで聞いてるのが辛かった。 今職場の事務備品の置き場をあちこちいじっている。昨年あまりに使いづらかったからだ。なぜこうも脈絡ない順番で棚や引き出しが並んでいるのかと怒りが湧いてくる。ごそごそやっていたらおそらく昭和の時代のものであろうものがごろごろ出てきた。いったい、今までなぜ誰も手をつけなかったのだ。 今年、前の職場でいっしょだった若くて切れ者の男性がやってきた。彼も「こんなものがここにあるのはおかしい」といろいろと苦情を言っていた。彼の応援もあって好きに移動させているのだが、前からいる方々の中には面白く思っていない人もいるらしい。 おそらく、考え方の指針が違うのだ。何かをやろうとするときに必ず「昨年はこうだった」という。昨年はこうだったからやりにくかったではなく、昨年と同様のことをすることこそが正しいと思っているのだ。主体性がないのだ。責任もないからだろう。 民間じゃ、あっという間につぶれるね。だから文句を言われるんだよ。 と、いろいろ思った一日だった。まああんまり過激にならないようにしなくちゃね。ちっとは空気というものも読めるようになってきたんだから。
2009年04月13日
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妊娠カレンダー 小川さんの芥川賞受賞作をまだ読んでいなかったので借りてみました。1994年の作品です。 最近の小川さんの作品は少年少女が読んでもいいくらいの美しいお話が多いのですが、初期にはこんな風にドロドロしたものを書いていたんですね。でも、彼女の手にかかるとドロドロが乾いているんです。これがすごい。(「すごい」というのは本来褒め言葉ではないのでしたっけ。) 妊娠しているのは主人公ではなく、同居する姉です。妹が姉夫婦と同居しているのです。その姉のことを憎いだとか嫌いだとか一言も言わないのですが、妹は添加物たっぷりのグレープフルーツのジャムを毎日毎日作っては姉に食べさせます。遺伝子に影響が出るかもしれないことを密かに期待しているのです。どんな子どもが産まれるのか、そこまで書かないのがうまいのでしょうが、どうしたって読者は知りたいです。でも書いてしまったらこのお話はだめになるんでしょうね。陳腐な物語になってしまうんですね。 他にも両手と片足がない学生寮の管理人さんの話(「ドミトリー」)も、結末まで書かずに終わっています。余韻がいつまでも続きます。 こうした怪しげな雰囲気が書ける人だからこそ、真に美しい物語にたどり着くことができたのでしょうと、謎が一つ解けたように思いました。
2009年04月13日
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明日凹りんが帰るというので、ばーちゃんと墓参りに行って、魚センターに寄りました。 凹りんはでっかい生カキを見て「くいて~」と連発。ばーちゃんはその笑顔にたらしこめられて注文。店先でぺろりんと食べてました。一個400円。でもたいそう美味しかったそうで。写真を撮る暇もなかったのでした。お客さんがうらやましそうに見ていたぞ。 その店ででっかいサクラダイを買いました。3400円もしたのですが、またしてもばーちゃんが買ってくれるというので、甘えました。前から塩焼きの魚を食べさせたかったのです。うちには料理人がいるからね。 昼の鯵と中トロの寿司も美味しかったです。 で、夕飯であります。 鯛は50センチぐらいあったよ。肉厚でじゅーしーでした。養殖ではないからあっさりしていて旨みがあるのです。こんなにでっかいのを食べたのは初めてかもしれません。いや、初めてです。気がつくとご飯がなくなっていました。 写真だと美味しさが伝わりませんね。頭は味噌汁にしました。もちろんだんなが作りました。 お店のおじちゃんが「今日はお祝い?」と聞いてきました。まあ、ずいぶん遅れた誕生日ということで。ぺぺりんには悪いけど、もうお腹いっぱいです。
2009年04月11日
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映画づいてる凹りんくんは、今日は『自転車泥棒』と『蒲田行進曲』と『タクシードライバー』を見たらしい。今もツヤタまで新しいのを借りてくるといって出かけた。 今夜は生桜海老と鯵のたたきだった。凹りんがめちゃくちゃ感動してぺろぺろと平らげていた。こうやって「うめえ!」と食べてくれるのっていいよなあ。 で、冷蔵庫にいつのまにかこんなのが貼ってあった。 くっきんぐだそうで。こういうのをステッカーにして売り出したらいけるんじゃないかと思うのだがどうだろう。
2009年04月09日
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仕事が楽になったはずなのに、また残業した。帰ってみると食材がまったくない。 ふと、この前行ったラーメン屋さんが出前をしてくれることを思い出す。 ニラレバと餃子を2人前。しめて2100円。 ご飯は炊きたてがあったので、あとはキウイを添えただけだったが、何にもしなくてもご飯が食べられるなんて、うれしいなあ。 凹りんくんはいったいいつ寝ていつ起きたのか、また寝ている。『ロッキー』を見たと言っていた。 ほとんどひきこもり状態である。毎日自宅で大きいのが寝ていたら、やはりそれは家族にとってたいへんなことだろうなと思う。 今日は4キロも歩いたので疲れた。ここ3日ばかりお弁当を作ったが、明日からはもう作らなくていいし、やった~。
2009年04月08日
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金曜の朝、出勤がぎりぎりになってしまいました。何をしていたかというと、これを見つけたからです。 実は木曜の夜、ずっとテーブルに置いておいた蛹が抜け殻になっているのを見つけたのでした。でも下のほうに水みたいなのが溜まっていて、もしかしたら虫にやられて中でだめになってしまったのではないかと思っていたのでした。だんながそういったのです。 ところが朝ブラインドにつかまっているではないですか。もううれしくって、うれしくって。 朝御飯を食べていると羽がふるふると震えています。ブラインドを上げてみました。 だんだん羽が開いていきます。そっと指に乗せてみました。 凹りんに見せようかと思いましたが、このまま室内で一生を終わってしまってはかわいそうなので窓を開けました。 それから10秒ほどで飛び立っていきました。元気な卵を産んでほしいです。 それにしてもまた今年も羽化の瞬間を見逃してしまいました。まだ庭に一匹蛹がぶら下がっています。色の変化を見逃さずにいきたいです。
2009年04月05日
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水曜に凹りんくんが帰ってきました。ぺぺりんは教習所通いが当分かかるので今回は一人です。 帰ってきて「おれ、最近映画に目覚めた」といいます。まあ、友だちと話していて、あまりに常識的な映画も知らないことにやっと気づいたということです。 で、お勧めは?と聞かれたのでだんなと二人であれやこれや出し合いました。いわゆる名画というもので抑えておくべきものを並べるとメモ帳に書ききれなくなってました。 とりあえず家にビデオをとっておいた『七人の侍』をその夜見てましたね。よかったけど、菊千代が死んじゃうのが残念、というとだんなが「あれは農民側から見ると勝ったということなんだよ」と解説を始めました。彼は映画にもうるさいのです。 それからツタヤで『2001年宇宙の旅』を借りてきたのでいっしょに見ました。ラストは原作と違うので監督と作者が決裂したとかまただんなが講釈を述べてました。私は途中お風呂に入ってました。それにしても昔の映画ってすごく観客を待たせるんですねえ。今だったらこのシーンはもっとカットして、ってことになってるでしょうねえ。 昨日は『第3の男』を男たちが見てました。これがすごくよかったといっています。出かけていた私も見ようと思いましたが、途中で寝てしまってこの次にします。確か前に見たことあるはずですが、台詞とか振る舞いがかっこいいです。うちのテレビはものすごく小さいので、字幕はきついのです。 夜はテレビで『ナルニア国物語』をやっていたので、それも見てしまいました。やはり原作はきちんと読んでいかないとなと思いました。ハリーポッターは漫画ですが、これは児童文学の傑作ですね。 それから凹くんは『未来世紀ブラジル』を夜見てました。ボスの歌詞に出て来るんだとかで選んだようです。まあ、これはどうでもいいかなっと思いました。 今日は『砂の器』を見ました。でも凹くんは睡魔に負けて途中リタイアでした。我々はやはりティッシュが離せませんでした。あれは泣くよ~。加藤嘉さんが泣かすんだよ~。あの人でなかったらこんなに感動しないよなあ。映画館で見たときはまだ20代でした。死んだじーちゃんを思い出して泣けました。今回は2年前に亡くなったじっちゃんを思い出しました。きっと凹りんもそういうと思いますが、まだ奴は寝ています。 我々の一押しは『死刑台のエレベーター』なんですが、これがもうないのです。ネットで見ても廃盤になってます。どこかにあるかなあ。 凹りんは「これからいろんな映画をたくさん見られると思うと嬉しくってたまんない」といいます。遅咲きですが、目覚めたのはいいことです。若いうちにいっぱい栄養をつけてほしいです。
2009年04月05日
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となり町戦争 三崎亜紀氏のデビュー作です。 発想は面白いです。でも、長い。それでこの終わり方ぁ?という感じ。 三崎氏は役場勤めだったんでしたっけ。やたらに提出書類が出てきます。役所の無機質な感覚が滑稽です。それがたとえ「戦争」についてでも、あくまで事務的で任務遂行だけが目的で、それがどんな意味がある行為なのか、役所の人間は考えてはいけないのです。 それをあっと言わせる展開であははと笑える物語、だと期待が大きすぎました。ちょっと退屈しました。文章もいまいちです。三崎さんは短編のほうが向いていると思いました。 あとは「廃墟建築士」で三崎さんとはお別れするかもしれませんね。
2009年04月05日
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