Bin-Star(Binary Star Watching)

Bin-Star(Binary Star Watching)

KDマウントの改造(恒星追尾・ST-4など)


はじめに

分解や改造は故障の原因となるばかりでなく、メーカーの一切の保証を受けられなくなります。分解や改造は自己責任で行って下さい。



天文関連の雑誌やブログには、非常に素晴らしい天体写真が並んでいる。
これらの素晴らしい天体写真に共通するのは、数十分から数時間におよぶ長時間露光が行われていることである。
天体写真は、赤道儀のモータードライブにより恒星追尾を行いながら撮影することになるが、追尾精度を保証している100万円クラスの赤道儀を除き、汎用赤赤道儀ではピリオディックモーションエラーやバックラッシュなど不可避の機械的な誤差により追尾可能時間には限界がある。赤道儀のメンテナンスや職人技的な極軸合わせの熟練度にもよるが5分程度の追尾の限度が一般的であると思われる。
この様な職人技的な技量がなくても、ある程度正確な追尾を可能に可能にしてくれるのがオートガイダーである。オートガイダーは、WebカメラとPCを組み合わせて行う方式が主流であるが、システムも複雑となり、また非常に高額であり、素人にはとても手が出せない状況であった。
ところが2010年の後半よりセレストロン社よりNexGuideが発売された。2011年では国内の正規販売店では4~5万円代で流通、個人輸入もできる海外オークションでは円高の影響もあり2~3万円代で入手できる。但し個人輸入の場合、海外販売店からの保証を受けるのは不可能に近く、それなりにリスクがある。NexGuideはPC不要のスタンドアロンのオートガイドで簡便性には優れ、ST-4互換方式の汎用性がある。
NexGuide.jpg
このNexGuideが発売されたことにより今後、オートガイダーユーザーは増加することが予想される。
一方、ST-4互換のモータードライブ方式赤道儀も高額な機種が多く、旧製品や廉価製品でのST-4互換ポートのサポートは少ない。そこで、改造を前提として、2軸の制御が可能なモータードライブとして入手可能で廉価なもの検討した結果。候補となったのが、ミザールKDマウントである。ミザールKDマウントは赤道儀ではなく、2軸モーター制御方式のカメラマウントである。

優れる点としてはウォームギアの調節が可能、リモートコントローラー内部の回路が単純で改造しやすく、リモートコントローラー内部は、追加の回路を組み込み可能なスペースがある。一方不利な点としては、積載上限が2kgであり、大型望遠鏡の搭載は不可能な点である。
ミザールKDマウントは、DCモーターの電流制御方式でありクロックドライブでもステッピングモーター制御でもない。動作速度は、LOWモードで0.2度/秒、HIGHで1.0度/秒であり、速度の調整は電圧制御による。また、LOWモードでも日周運動の50倍の速度でありこのままではオートガイドの微調整には適さない。当然、恒星追尾スピードの設定など出来ない。
ミザールKDマウントをオートガイド用モータードライブに代用する為には、トルクアップ・超低速微動・恒星追尾速度・ST-4互換回路の増設・改造を行う必要がある。トルクアップの改造も超低速微動の改造も同じ原理で実現できる。モーター供給電圧を上昇させ、PWM(Pulse Width Modulation)又はPPM(Pulse Position Modulation)方式でモーターを駆動すれば良い。ここでは、ミザールKDマウントのPWM(PPM)化改造によるトルクアップ・高速化(Hi)・超低速微動(Lo)・恒星追尾・ST-4互換ポート増設方法について紹介する。
また、流通量が多く安価な部品を選択し、またリモートコントローラー内部に組み込む為の出来る限りの回路の簡略化を試みた。

Binary Star Watching



はじめに
1:KDマウント改造で目指すもの
2:必要なスキル・工具・測定機器
3:部品と入手方法
4:回路図と原理
5:基板配線
6:リモートコントローラー側の改造
7:調整方法
8:その他




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