2006年03月19日
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清水 一行著  『虚構大学』  2006  (株)光文社  p.296

この物語は昭和39年あたりに時代設定がされている。
この年は東京オリンピックの開催された年であり、それにあわせての一大国家事業として新幹線事業があった。
で、新幹線ができてからというもの、関東と関西の時間的距離が飛躍的に縮まった。
今では飛行機の国内旅行も気軽に出来る時代となり、新幹線も東海道だけでなく東北、上越、九州などとかなりの地域をカバーしてきている。
小学校のときに時間距離で換算されたゆがめられた日本地図というものを見たことがあるが、今はその形もだいぶ変わったことだろう。

いまさらではあるが距離と時間の間には非常に強い関係が存在する。
<速度> × <時間> = <距離>
誰でも知っている公式だ。

だから上記の公式は<時間>=<距離>÷<速度>となり、実際的な意味での物理的な距離など縮まるわけなどないのだから、時間を縮めるには速度を上げるしかない。
そもそも、この中で唯一変更が可能なパラメータは<速度>しかないのだ。
だから、交通機関のスピードが上がれば時間は短くなる。

友達から聞いた話だけど、旅の疲れとは交通機関に乗っている時間に比例するそうだ。
たとえば、新幹線で大阪まで3時間、飛行機だと45分程度であるが、飛行機だと飛行場まで行く時間があるから場所によっては大阪へ行くのに、飛行機で行くのも新幹線で行くのも同じだけ時間がかかってしまうことだってあるだろう。
ところが、どちらの方が疲れているかといえば、乗り物に乗っている時間の少ない飛行機だそうだ。
実際ぼくもそう思う。
で、そんな経験が蓄積されると、ほんとに旅が億劫でなくなると思う。

この気軽さであることはとても大事なことだと思う。
そこで億劫であったり、お金がかかったりということはかなりのディスアドバンテージとなる。
こうした技術革新による物理的な時間距離の短縮はとても効果のあることだと思うけど、時空をワープする技術が開発されれば別だけど、そうでなければ時間を縮めるにしても限界がある。

だとすればどうしたらいいのだろうか?
ここで時間を概念として捉えることによって、物理的ではなく精神的な距離を縮めていくということが考えられると思う。
実はぼくにとって本というのがこの精神的距離を縮める取って置きのツールとなる。

ぼくらの目の前にいろいろなチャンスが転がっているものの、時間やお金とかいろんな制約により、アプローチするのが「億劫」になってしまいがちだ。
そんな時、外的ななにか(たとえば本)を持つことができれば、その「億劫」を場合によっては「気軽さ」へと変えてくれるとぼくは思う。






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最終更新日  2012年04月10日 00時30分56秒
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