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きょう28日は人類学者のトール・ヘイエルダールが南太平洋ポリネシアへの人類移住を実証するため南米ペルーのカヤオ港を出港した日である。1947年、太古そのままの筏「コンティキ号」は風と海流だけの<漂流航海>を続けること3ヵ月余り、8月7日にタヒチ島にほど近いラロイア環礁に到着した。現在ではアジア側からの移住説が主流になっているが若い研究者の体を張っての実証実験に世界の注目が集まった。<冒険本コレクター>の私の手元には初訳の月曜書房版『コンティキ號漂流記』の初版(昭和26年1月20日)と第3版(同4月3日)がある。初版には帯はないが3版には「重版!又重版!!各界の名士絶賛推薦!!」として徳川夢聲氏評「とても面白い。一人の青年が自分の信念に従って無茶をやるところ大いに愉快なり」と多分読んではいなさそうな内容だし、シカゴトリビュン紙評に至っては「大當り!何たる本・・・・それはヴァイキングが地球から一掃されていないことを示した」とかなり的外れなコメントである。でも間違いなく敗戦のどん底からようやく立ち直りかけた日本を元気づけた一冊だったはずだ。追記:B玉読者からこの中に登場する「徳川夢聲ってどんな人物?」という質問が。わが国のテレビ草創期に人気を集めた「話術家」です。帯に登場した花田清輝、高田保、金森徳次郎、梅崎春生、中野好夫各氏の中ではいちばんポピュラーだと思ったのに。「シカゴトリビュンはトリビューンじゃない?」のほうは当時の表記のまま、ということで。
2011.04.28
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揶揄するわけではない。「お蔵入り」確実なCFといえばプロ野球の某球団監督が出演していた電力会社のが思い浮かぶ。「水力・火力・原子力、このバランスが大切なんだ!」とかいう。「クリーンでエコ、オール電化!」もそう。別に電力会社だけをあげつらうわけではないが、やれアンケートの電話だの、体験フェアへのお誘いだのとしょっちゅうあり閉口した。ガス会社からの「100%ガスに切り替えませんか」も同じく断った。そのたびに「うちは電気とガス、併用と決めました」と。前の政権選択の選挙で「自民か民主か!」というのもどうかと思ったけど1票しかないから<併用>というわけにはいかないし。
2011.04.27
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片道30分ほどの車通勤の往復は地元のFM局=α-Stationを聴いている。震災直後は音楽リクエストも「励まし系」が多かったが、21日に元・キャンディ―ズの田中好子さん=スーちゃん=が亡くなってからは彼女たちの曲が急に増えた。「微笑みがえし」「春一番」「年下の男の子」「あなたに夢中」。グループは人気絶頂期に突然の解散、しばらくして女優として活躍していることを知った。きのうは告別式だったが当分はリクエストが続くのだろう。つらいこと、悲しいこと、そして嬉しくて楽しいこと、音楽は常に生活シーンや時代に寄り添っている。聴きながらリスナーの皆さんも「<あの頃>何をしていたっけ」と人生のページをめくっているか。
2011.04.26
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ネットニュースはスピードが要求される分、どうしても記事のチェックが甘くなるらしい。先週も<面白い記事>を見つけた。「高速バスから男性飛び降り 広島・山陽道」が見出し。21日朝、広島市安佐南区の山陽自動車道上り線を時速100キロ前後で走行中のJR九州バスの乗客が右側の窓を開けて飛び降りた。バスは博多発広島行きで、飛び降りた42歳の男性は病院へ搬送されたが重傷。思わず笑いそうになったのはいちばん最後のところ。「男性は始発の博多バスターミナルから乗車。予約はしておらず、飛び乗り客だったという」。予約なしの乗客を「飛び乗り客」というのかも知れないが「飛び降りた」んだからね。せめて「予約なしで乗車していた」が適当と思うけど。
2011.04.25
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「人間は負けるようには造られていないんだ」。ヘミングウェー『老人と海』のサンチャゴ老人の台詞だ。たった一人で出漁し、獲物の大カジキとの長い死闘の末にこうつぶやく。そろそろ「B玉」も他の話題を、と思いながらどうしても震災関連が多い。作家が主人公に語らせた「人間は負けるようには」は、自身もそう考えていたことでもあろう。私も心が折れそうになった時、繰り返しこれを思い出したから覚えている。震災を巡る多くの報道に触れながら強く思う。
2011.04.22
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中国から届いた貨物の何ヵ所かに「ワイングラス」のマークと<易碎!><勿圧!>のシール。おなじみの「ワレモノ注意!」の意味だ。これを見ながら<レベル7>の大事故となった福島第1原発を思う。「技術の粋を集めて設計したのだから安全!」と言い続けながら、それが覆されたら<想定外でした>と。原発だって「ワレモノ注意!」だったのだ。
2011.04.21
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茨城県つくば市が福島第1原発の事故で避難した転入者に放射能汚染有無の検査証明書提出を要求していたというニュースにあきれ返る以上に憤りを覚える。市民課長名で福島からの転入者にスクリーニング検査を求めることに決め、担当窓口に通知した。岡田久司副市長は「放射能汚染について、誤解があったと認めざるを得ない」と釈明したというが「誤解があった」もなにも!しかも市長ではなく何で「副」なんだろうね。「君、今回は取りあえず釈明しときなさい、マスコミがうるさいから」なんて言われたのか。「市民に無用な不安を与えない目的だった」などとトンチンカンな言い訳の市民課長サンやチェックできなかった幹部諸氏も即刻、交代すべし!
2011.04.20
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鬱病のサインは「ケチな呑み屋」と教わった。<ケ=欠勤><チ=遅刻><な=泣きごと><の=能力低下><み=ミス><や=辞めたい>。このうち3つ以上が当てはまると相当に<危ない>のだそうだ。「ケチが呑み屋」で、じゃなかった「ケチな呑み屋?」で、発散しているうちはまだ大丈夫!
2011.04.19
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『ローマ人の物語』の作家・塩野七生さんは「有用な人材の3条件」に1.力量と人徳2.幸運3.変化への対応力、をあげる。これには<古代ローマ帝国の勃興と落日からみた>という前置きは付くが、国家や企業など現代のリーダー論にも相通じる。とりわけ2番目の「幸運」は、平時にはなかなかわからない。<国難>ともいえる災厄に見舞われたこの国では「歴史が証明するはず」などと悠長なことを言っているヒマはないし、退陣すれば済むわけでもない!
2011.04.18
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大震災がなければあるいは「週刊誌ネタ」になったかもしれない。福井県三国町の九頭竜川で水死体が見つかった。通報を受けた警察が引き揚げようとするとさらに3体。それぞれの腰にロープが巻かれた50~60歳代の男女と30~40歳代の男性2人だった。近くに富山ナンバーの軽乗用車があり堤防に靴が揃えてあった。福井県警は車内にあった遺書から富山県内に住む4人家族で借金苦による一家心中とみている。死んだ後にもバラバラにならないようにロープを何重にも巻き、重しとして石を詰めたレジ袋を多数結び付けていたという壮絶な死出の準備、いまの時代に借金がいくらあったとしても命までは取られないだろうに。この家族は揃っての死を選ぶ前に、何としてでも生きるという選択肢はなかったのか。
2011.04.15
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『ことばの花束』は岩波文庫の名著名作から、心ひかれる印象深いことば365章を選び出して編んだアンソロジ―である。「毎日1章ずつ1年かけて読もうか」と殊勝にも思いつき購入した。東京時代には「在庫僅少」とあったのでまた。数日前に書棚を整理していて同じのが2冊あるのに気がついた。「世は定めなきこそいみじけれ」という兼好法師の『徒然草』から始まっているのにも。つまり買いはしたが読んでなかったというわけ。<戦後>が断ち切られたように終わり、<災後>なることばが登場した今、とりわけ「定めなき」が深く心にしみる。「<これが最悪>などと言える間は、まだ実際のどん底などではない」こちらはシェイクスピアの『リア王』。いっこうに終息しそうにない原発と放射能汚染のニュースにそうでなければいいがと願う。
2011.04.14
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千葉県に住む娘と家内との電話の向こうで2歳3カ月の孫=次男が何かしきりにしゃべっている。何て言ってるの?と聞けば「キンシュウソクオウ」、訳せば「緊急(地震)速報」。毎日何回も震度5だの4だのと立て続けに起こる余震でテレビの地震速報を覚えたのだとか。怯えたりせずそれを覚えてはしゃぐくらい元気なら、ま、複雑だけど<ひと安心>だわ、というのが家内の報告。
2011.04.13
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もう30年も前になるだろうか。渓流カヌーにのめり込んでいた頃、急流下りの遊船でにぎわう京都の保津峡で感動の風景に遭遇した。強風でいったん上空に巻き上げられた桜の花びらが絶え間なく谷全体に降り注いでくる。いまのトロッコ鉄道の保津峡駅あたりはとくにすごかった。うれしくて何度も空に向けて口を開け花びらを吸い込もうとしたり写真を撮ったり。それから何年も同じシーズンに保津峡には通ったけれど結局あの一度きりだった。芭蕉の句に「さまざまな事おもひ出す桜かな」。咲いて思い、散ってまた思う。実に不思議な存在である。大震災から早くもひと月、ことしの桜にはまた<別の思い>を重ねている。
2011.04.12
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10日に行われた広島市長選挙で新人の松井一実氏(58)が初当選した。元厚生労働省の幹部で自民・公明両党が推薦、元副市長で連合や秋葉前市長も応援した女性候補に5万票近い差を付けた。原爆被災地での五輪開催や政党間の争い、はたまた高校の同級生の弟が出馬したことに興味があったわけではない。「政令指定都市では初の被爆2世市長誕生」という新聞の見出しで松井氏が私と同じく母親が被爆者であることを知った。当選後のインタビューで「東日本大震災もあって、日本に余裕はないので(五輪候補には)立候補しないつもり」と述べた。それも見識ではあろう。
2011.04.11
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新聞各紙の「桜だより」は心なしか控えめに掲載されているように思う。その前の「梅だより」がどうだったのかは忘れたけど。<つぼみ><五分咲き><満開近し><満開>。あるいは<咲き始め>と<七分咲き>が入っていたり。気象予報士に教わった「ミニ知識」を紹介すると桜の場合の<満開>は<十分>ではなく<八分咲き>なのだと。つまり<七分咲き>と<満開近し>は同じらしい。桜は満開と同時に花が散り始めるから<満開>より<七分咲き>あたりが見頃というわけだ。
2011.04.09
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戦後の俳句復活に貢献した俳人・山口誓子(1901-1994)は終戦を挟んで「海鳴りのはげしき夜をさくら咲き」「ゆふ空の暗澹たるにさくら咲き」の2句を詠んだ。ことしも桜前線は東日本を北上して行く。いつもの春と同じように咲く桜に、巡りくる春を、復活を念じたい!
2011.04.08
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勤め先に届いた広告掲載紙の日付けを何気なく見ると3月11日だった。そう、大震災当日の毎日新聞朝刊である。1面トップは「石原氏4選出馬へ、都知事選きょう表明」。社会面は「日の丸・君が代処分取り消し、都教職員ら167人逆転勝訴、東京高裁」と「坂上ニ郎さん死去、コント55号、飛びます、飛びます」。スポーツ面は「横審夏場所開催を要望」、経済面は「再生エネルギー家庭負担、12年度から電力全量買い取り、来月上乗せ開始、10年後に月150~200円」と続く。いつも通りの日常を埋めるそれなりのニュースだ。コラム「雑記帳」は「<坂の町>と評される宮城県塩釜市は住宅街にある長い坂6カ所に、屋根と椅子を備えた休憩所を設置し、上り下りに苦労している高齢者らに好評」という話題。再生エネルギーのニュースに「それもいやだなあ」と思った方も多かっただろうし、坂道の休憩所も津波にさらわれたり。いや、「坂の上」まで辿り着けずに亡くなった方もあったろう。いつも通りだった「あの日」、午後に起こった大災厄を誰が予想しただろう。
2011.04.07
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新聞の折り込み広告に「新生活に必要な家電製品をお買い得価格にて大奉仕!!」とある。オーブン・トースター、ガステーブル、炊飯器、電子レンジ、コーヒー・メーカー・・・ときて何と<電気タコ焼き器>が入っているではないか。1000円を切る998円はたしかに安い、と言いたいところだが、それよりも、さすが関西!粉もんの調理道具もちゃんと入ってる!か。
2011.04.06
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マスコミは連日連夜、東日本大震災や福島原発事故の「いま」を伝える。その中のいくつかを「B玉的視点」で紹介しては、という声をいただいたがそれはどうかなとも思う。命をかけて防災無線で避難を呼びかけ続けて亡くなった南三陸町の女性職員をはじめ命を懸けたドキュメントが発掘される。万余の命が亡くなり、一方で多くの命がつながった。家族を避難させた後、自宅に愛犬の首輪を外しに戻って津波にさらわれた人もいる。2週間以上漂流していた犬が海上自衛隊によって発見され、無事飼い主に渡された。犬好きの私が見つけた。多くのニュースのインデックスからかすかな<希望の光>を見つけて行きたいとは思うけど。
2011.04.05
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皆さんからの再開リクエストに応え、大震災2週間目の先月25日にようやく書き始めた。再開第1回目は『「人違い」であって欲しい!』のタイトルで同姓同名の宮城県東松山市の元・漁協組合長の訃報。明けて先週は迷いながらもこれまで通り書きつないで終わった。大震災・原発関連は『「海で生きる」再起決意!』(3.29)と『「AERA」表紙事件』(4.1)。「迷いながらも」と吐露したのは3万人を超えそうな死者数を前に面白おかしく雑文を弄していいのか、という自問でもある。だが、ここであえて「B玉」宣言!徹すればこそ見えてくる真実もありと。<息を抜いて>というか<読み飛ばして>いただければと思う。
2011.04.04
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劇作家で演出家の野田秀樹氏が朝日新聞社の『AERA』に連載していた「ひつまぶし」を打ち切るという。先月19日発売=4月4日号=の表紙に防護マスクの写真を「放射能がくる」として大きく掲載したことに対する抗議である。「面白半分で人々を煽るような次元のこととは違う」と。確かにそうだ。連日連夜の福島原発や放射能測定値のニュースに頻繁に現れる<基準以上><規制値の何倍>とかいう数字、これらを「冷静に正しく怖がること」が今こそ求められていると思う。野田氏の英断、あえて<表紙事件>と呼ぶ。
2011.04.01
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