この一見何の衒いも無いレジョナルワインだが個人的にこのワインにはドラマが有ると思っている。
作り手も才能溢れる醸造家だがその父も言わずとしれた天才、二代続けての天才だ。だが天才に良く有り勝ちで経営の才能が無いのだろう。父はドメーヌ買収の時に追放(その日に奇しくも急逝した事は当ブログに書いた)。子は自分の名を付けたネゴスを NSG
の大ネゴスに出資してもらい、その大ネゴスのサブブランド的な位置付けでワインを作っていたのだが、実際には彼はオーナーではなく gerand
的な位置であり、 2007
年に解任追放(これは多分に彼が天才であるために自分のドメーヌを創設したりボジョレとかにも手を出していてこのブランドに集中してなかったのが一因であるように思う)。まあ、いろいろ書いたが要はこの人は天才だということだ。
閑話休題、このワイン、薄うま系だが Regional にしては十分過ぎるくらい詰まっている。酸、果実のバランスがよくタンニンもしっかりしている。マスキュランなのは Pommard の出自だろう。終盤にかけてしっかりと果実が残るところから熟成のポテンシャルもある。勿論大輪のワインではないがこのクラスとしてはかなりの出来。
この畑はこの作り手の父、 Gerard が自分の Pousse d`Or での全盛期、 1970 年代後半に買った畑だ。 Pousse d`Or では彼はオーナーではなく gerand で有った。その彼がいつか自分からドメーヌを興したいと思っていただろうことは容易に想像できる。その畑を基に父同様 gerand を解任された子が自分のドメーヌを興した。そう、父が成し遂げれなかった夢を子供が叶えたのだ。
これがこのワインのドラマだ。
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