姫様思考。

ふたり

夕方一本の℡ｱｺｶﾞﾚのあなたからの℡ﾄﾞｷﾄﾞｷしながら受け取ってﾄﾞｷﾄﾞｷしながら声を聞いたあなたの声は落ち着いていてすごく安らかだった夕方のふたりお互いの場所を飛び出した初めてのふたりﾄﾞｷﾄﾞｷしながら車のﾄﾞｱを開けた眠るあなたを見つめながら高鳴る気持ちに気付いてたいつか感じたこの鼓動なんだろうこのﾄﾞｷﾄﾞｷ確かあの時にもあたしの中にいた夜の中ふたり最高のｽﾎﾟｯﾄふたりだけのための夜景ﾊﾞｯｸに優しく抱きしめてくれたね愛しく囁いてくれたねすごく嬉しかったすごくﾄﾞｷﾄﾞｷした静寂の中ふたり“いけない”そう思っても求めてるあたしがいてなんか怖くなってなんか裏切ってる気がしてちょっとだけ逃げたでもあなたはすぐにあたしを見つけて身体を寄せて吐息をくれたﾄﾞｷﾄﾞｷは治まらなくて頬は赤くなった口唇が触れそうでも触れはしない決して重ねはしないだってふたりには距離があるから大きな大きな距離があるからあたしはあなたを知らないあなたはあたしを知らないでもあたしはあなたに魅かれてる確実に近付いていくでもあなたはそうじゃないよねあたしはあなたの妹のままあなたのｵﾄﾓﾀﾞﾁのまま分かってるなのにどうしてこのﾄﾞｷﾄﾞｷは止まらないんだろう肌に触れる冷たい手があたしの鼓動を掻き立てる変な気持ち…身体中が心臓みたいﾎﾞﾀﾝが一つ外れてて…ちょっとだけ悪ふざけをしたね「しないよ」そう言われてもあなたはそういう人だから「好きになっちゃだめ…」そう呟かれてもそれでも愛しいと思えるから指先に小さくKISSされてちょっとだけ声を上げたあたしに柔らかく微笑んだあなたはまたKISSを落としたねあなたの頬に触れる目が合って口元が緩むなんだろう…この重み時間がずっしりとでも確実に進んでいくねぇ今日という日が永遠に続かないかな永遠にこのﾄﾞｷﾄﾞｷを感じていられないかな車線の上ふたり「彼女は作らない」落胆したその一言でも今なら分かる気がするのあなたなら言いかねない…そのうちの一つかもしれないねそれでもあたしは信じたかったいつかなれると信じたかった“ﾄｸﾍﾞﾂﾅﾋﾄ”そうあなただけのこのﾄﾞｷﾄﾞｷをくれるあなた一人だけの愛が欲しいとは決して言わないただあなたにわかって欲しい軽はずみな気持ちなんかじゃない単純な心なんかじゃない…嘘じゃない白い息の舞うあの場所であなたを見ていたあたしの瞳は出逢いは運命のふたりだから考えられない関係の中にいるあなたを応援するあたしがいてあなたを引きずるあたしがいる愛してる…ううんそうじゃない「ｱｺｶﾞﾚ」そうなのかもしれないでもあたしは感じたからふたりでいることの意味…「離れたくない」心から感じた瞬間…本当だねあなたの言う通りあたしは「寂しがりや」で「甘えんぼ」だねでも初めてなの本当に気付いてくれた人あたしの堅い殻を破って本当のあたしを見つけてくれたそう…あたし自身より早く…ねぇあなたはあたしを曝け出せる場所愛の中ふたりそれはまだ見えないそれはまだわからないけど今ならあの子の言う言葉が分かるかもしれない“可能性がなくても…”本当に愛してるなら傷なんて傷にならないねありがとう大切な人あたしをまた前進させてくれた今　ふたり恋人にはなれない関係ならない関係でもあたしは待てるかもしれないいつかあたしの存在がもしかしたら変わるその時をうぅん待ちたいの夜の中ふたり夜景を隠す霧が去るのを寄り添って待ち続けたみたいに…