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"死んだ方が楽だな、こりゃ・・・・" の想いで敵の銃弾に向かって行ったところ、膝を打ち抜かれ野戦病院行きになったそうです。
内心、"しめしめこれで10日は休める"と、思いきや、ベットに寝ていれたのは3日間のみ。直ぐに戦地に出されたようです。この傷跡は、診せて貰いましたが大きく傷跡が残っておりますが、いまだに痛んだことはないそうです。『ふ~しぎナンダヨな~、3日もすると歩けるようになっちゃって、軍医の野郎、もう治っただって、しっかし、その後この膝小僧は痛んだことないんだよな~、トンでもネェ、小僧だよ・・・・』です。
このNさんが満州にいたころはかなりの激戦だったらしく、次に南洋諸島に転戦になったそうです。しかし、この輸送船が撃沈され海に放り出されたとのこと。これを聞いたときのやり取りを再現してみます。
私『 Nさんは、泳ぎが巧かったんですか?』
Nさん『いやっ、おれトンカチなんだ(Nさんはカナヅチではなくトンカチと言う)、泳げねん
だ。しかし、俺なんぞ2等兵の下っ端だから、つぎはぎだらけのボロ舟に乗せられ
たんだよ、それも、一番けつだよ、うんま~。しかし、これが良かったんだな
~・・・・、当時の最新の軍艦は真ん中から真っ二つだよ・・・、渦巻いて泳げても飲
み込まれちゃうんだよ・・・・偉い人は随分死んだんじゃないか・・・・、俺らの船はボ
ロ舟だから、バラバラになってあっちこっちに、プ~カ プ~カ、分かれて浮いてる
んだよ。おかげで直ぐに沈まねェ~、・・・。泳げる人はダメだったな~、疲れて死
んじゃうんだ、またはサメに食われちゃうんだよ・・・・、泳げる看護婦さんなんかも
随分やられた、あんりゃ、かわいそうだったな~。おりゃ泳げね~から、きれっぱし
に掴まったり、皆で手を繋いで丸くなって、浮いてるんだよ。そうするとサメは自分
よりでかい物には、襲ってこネンだ!そんなこんなしてたら漁船に助けられたんだ
よ・・・、皆で歌を歌ったり、励ましあいながら浮いてたんだよ・・・・・。たぶん、まるっ
きり泳げなかったから良かったんじゃないかな。何が幸いスッかわかんネェ~
な・・・・・』と たんたんに話すのです。
私『しかし、死んだ方がらくだからと銃弾に向かっていって打ち抜かれた膝は痛まないし、
ボロ舟に押し込まれたのが幸いして、その上泳げないから助かったという話は、どう
せ死んでもいいやの、力みのない気持ちがなせたのですかね~』
Nさん『いや~、わからね~な~。何にもしない方がいいのかもな~。しかし、おんりゃは、
後4日大連にいれば軍人恩給が出たんだよ、確か激戦地は滞在期間が3掛けにな
るんだよ、俺が満州出た後は満州は楽だったんだから、しかし俺達の居た時期が大
変だったんで、その後激戦地になり、俺達の後から来た奴は、激戦地だったために
軍人恩給貰ってるんだよ・・・・、しかし、おもしれ~な。』と全く、他人事のように話し
ます。私も、やく5年間に渡り何度か期間をあけて同じ事を聞きましたが、毎回同じ
内容でした。
この、Nさんが、79歳になったとき次のようなことを言っていました。
Nさん『オレはもう、男の平均寿命を越したよ、後は付録の人生だな・・・・、医者が膀胱癌
の検査するから2週間くらい入院しろだって、1ヶ月くらい休むからね・・・・』そういっ
てから、1ヶ月過ぎても、2ヶ月過ぎても来ないので、もしかしたら癌だったのかも?
と想い、もしこの世の存在でなかったらと想ってました。
すると、4ヶ月過ぎたころに
Nさん『いや~、いや~、まいったよ、3ヶ月も入院させられちゃったよ。検査なんかするも
んじゃね~な。結果は異常無しだったんだが、チ○ポの先から変の突っ込まれたん
で、毎日ぽたぽたションベンが垂れちゃって、なかなか治らね~んだ。参ったよ、ま
たオレは薬飲むと、おかしくなるから、毎日ただ寝てただけだよ・・・・・、膝を打ち抜
かれても大丈夫だったのに、検査したら3ヶ月も入院だよ、こりゃ逆だな・・・・』
これは、私がNさんから聞いた本当の話です。このNさんは、他にも本人は普通に話してますが、変わった体験が多く、欲をかかない人生こそ奇跡?を得られるのかなと感じた次第です。
なかなか面白いおじいさんで、小学校4年生のころ、ふざけて女の先生のスカートを捲り上げてしまったらしく、校長先生にこっぴどく叱られ、家に帰ると父親にばれており、これまた、何度も張り倒されたそうです。それでも、懲りずにやっていたようですから、スカートめくりは、大正時代にはあったことが解りました。
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