のらりんくらりん

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2019年10月15日
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テーマ: 花に学ぶ(490)
カテゴリ: 花を愛でる
​​​​ 「こんなトコロに ガマ ​​ ​の穂 がある?!」びっくり

私はガマというものは川原や湖沼なんぞに
生息しているものだとばかり思っていたので
町外れの田んぼの片隅に小さな群をつくっていたのを発見してちょいと驚いた。



星星 ​  ガマ(コガマ) 星星
無分別
 (8月3日撮影)
​​ 川遊びの季節が来ると暇さえあれば
家から1キロも離れていない場所に行く。
大中小と川幅の違う3本の川があって、
小川には川エビやサワガニ、中川にはシジミ・ドジョウ、大川には鯰やハヤ等いて
子供の頃の私には格好の漁場であった。

一番川幅のあった大川の川岸に無数にあったのが
ガマの穂 で、
ビロードを纏った様な、一見造花にも見えて、
ユニークなその姿は、ソーセージ型と比喩されることが多いようだが
例えるなら私の場合、太さはだいぶ違えども
大好物だったきつね色のアメリカンドックに思えた。

その名前を知っているのも、
父が幼少の頃買い与えてくれた絵本『日本の神話』と
祖母が教えてくれた童謡のおかげだ。

大きなふくろを かたにかけ
   大こくさまが 来かかると
   ここにいなばの 白うさぎ
   皮をむかれて あかはだか

​​​​​​
         大こくさまは あわれがり

   「きれいな水に 身を洗い
​     ​がまのほわた​ に くるまれ」と​
   よくよくおしえて やりました
          (以下省略)
(作詞石原和三郎・作曲田村虎蔵 『大こくさま』)

で、この ​『がまの穂綿​』 ・・・
サメに皮を剥かれて赤裸になってしまった白兎が
大国主命(大こく様)に「きれいな水で身体を洗ってガマの穂綿に包まりなさい」
って言われて実行するのはいいのだけれど
私の頭の中、おそらく当時絵本か何かで見たその姿は
​ガマの穂​ が敷かれた上​で兎が ゴロゴロしていた記憶で終わっている。

この歳になるまで ​​ ガマの穂綿 ガマの穂 だとばかり思っていたのだが
先日ネット検索中に驚きの動画を見つけて驚喜してしまった私

​​​​​​





ガマの穂 が破裂した様にもわもわモコモコの綿らしきものが生まれ出ている。
コレはいったナンなのだと思ったワケで。

どうしても確認したくなって
ガマの穂を発見した現場に行き試しに1本、
ニギニギ圧力をガマの穂にかけてみたらびっくり


IMG_0507

1本のガマの穂から直径20cmの皿に山盛りの
鼻息でも飛んでしまいそうなぽわぽわの綿が収穫できた。
こんな感動は久しぶり~♪
(大喜びで息子に見せたら驚いた挙句にガキ扱いを受ける)

ガマの穂綿

(下の画像で言うと)
ガマの穂の
ソーセージ型部分は 雌花
​​ 三角すい型の部分が 雄花 ​​
雄花も雌花も花びらなどはない 単純な構造なのだ。
雌花は結実後、綿クズのような冠毛を持つ微小な果実(種)となる。
風によって飛散し水面に落下し発芽する ​風媒花​ なのだ。

ちなみに、ガマの穂から採れる綿は昔、

蒲団(ふとん) という漢字に蒲(ガマ)が使われているそうなぽっ手書きハート
(Wikipedia参照)

で、確かにこの綿の上なら、
(因幡の白兎が赤裸で寝転がっても痛そうではない、穂綿に包まったんだな♪)
と納得できるのである。
が、しかし調べていくうちにはたして
(因幡の白兎は本当にガマの穂綿に包まって赤剥けになった身体が治ったのだろうか?)
と、次なる疑問が生まれてしまった。

慈愛
                                   (8月12日撮影)
ガマの穂綿に薬効があるのか否か? ということである。

結果、 ガマの穂綿には薬効は無いらしい​。
火打石で火を付けていた時代には、
穂綿に硝石をまぜて火口(ほくち)として用いることがあった

​​​​​蒲の穂を乾燥させて蚊取り線香の代用として使われる事もあるそうだ。

で、実際薬用とされるのが ガマの ​​ 花粉 ​​
漢方で言う ​蒲黄(ホオウ) ​​ と呼ばれ
イソラムネチン配糖体(フラボノイド)などの成分を含み、
すり傷、止血、通経、利尿などの作用があり、
開花時の花粉の雄花を切り取り乾燥させた粉末を使用、
外傷にはそのままかけて使ったり、内出血には他の薬と配合して服用
とある。
因幡の白兎が登場する ​『古事記』​ でも
以水洗汝身、卽取其水門之 蒲黃
​(水を以ちて汝が身を洗ひて、即ち其の水門の 蒲黄 を取りて)​
とあるそうだ。
だから正しく言うなら歌も「ガマの穂綿に包まれと」
ではなく「ガマの蒲黄に包まれと」になるのだろうぽっ



従順
(8月12日撮影) 
ちなみに・・・
日本には ​​ ガマ・コガマ・ヒメガマ 3種類のガマが自生​ する。
花期は6月~8月、ガマが最も早く、ヒメガマ、コガマと続き
その識別は、
雌花と雄花が離れて茎の軸が見えるのがヒメガマ、
雌花と雄花が連続していて、雌花の長さが10~20cmがガマ、6~10 cmがコガマ                                      

来年あたりは、早めに田んぼを覗いてみて、
今度は蒲黄がどんなものだか見てみたいものだなぽっ

​​​​​​​

​​​​





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最終更新日  2019年10月23日 04時25分09秒


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