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春休みに娘とケーキを食べに喫茶店に入っておしゃべりをしていたときのこと。
高校3年の秋から、勉強が何も手がつかなくなって受験勉強を放棄していたのに、よく国立大学に入れたもんだ・・・と何気なく娘が言った。
確かにあの時期、成績が落ち始め、模試の判定も悪くなり、センター試験ではこれまでに考えられないくらいの点数を取り、結局希望の国立大からランクを落として今の国立大を受験することになった。
私は自分の部屋で勉強をしていたとばかり思ったいたのでびっくりして、何故勉強しなかったのか聞くと、いろいろあったけど一番はお母さんのプレッシャーが辛かったと・・・
こんなショックなことはなかった。私にはまったくそんな意識はなく、それどころか、他のお母さんと比べたら自分はうるさくないほうだとまで思っていた。でも、無意識にずっと成績の良かった娘に対して、そうではない息子とは違った接し方をしていたのかもしれない。
今思えば、母親のすごい期待を背負って、その頃からもう辛かったのだろう。
ケーキを食べながら、気づかなくてごめんねと娘に謝ると、「結果的に今の学校へ行けたのだから本当に良かったよ。心理学コースに入ることもできたしね (コース選択はテストがある)」と、言ってくれたのでほっとしていた。
長い春休み期間中、友達が遊びに来たり、私とショッピングやカラオケに行ったりする以外は、特になにもせず家にいたけれど、それはいつもの娘と変わらないので別に心配していなかったのだけど、自分の部屋に帰る1週間前に手紙を渡された。
そこには、喫茶店では話しきれなかったけど、この1年の間に気分が落ち込み精神的にどうにもならないときがあって、行きたいのにどうしても学校へ行けない日があり、何日かさぼったことがある。そうするとその行動が自分としては許せず、ひどい罪悪感を感じてしまう。
でも、数日すると元通りになって普通に生活できてるから心配しないで。ただお母さんに今の自分のことを知っておいてほしかっただけ。というようなことが書かれていた。
ここで私は大きな間違いをしてしまう。
娘に私も手紙を書いたのだが、これまで無意識にしろプレッシャーをかけてきたことを謝り、気持ちの浮き沈みなんて誰でもあることなんだから、深刻にならずがんばってほしいというような、励ましたつもりの内容を書いたのだ。
すでにいっぱいいっぱいになっていたであろう娘に対して、もっともっとプレッシャーを与えてしまうなんて・・・
あの手紙は娘の精一杯のSOSだったのだと思う。あのときすぐに、ちゃんと向き合ってあげるべきだったのに、娘はいたっていつもどおりで、普通におしゃべりをして、普通に嵐の番組で笑って、普通に食事をしていたので気になりながらもあえて何もせずにいた。
娘を部屋に送り届けたときも、じゃあ今度はゴールデンウィークに帰るね~と笑顔で手を振っていたのだ。
それから1週間の間、新入生のオリエンテーションにお手伝いで参加したことや、時間割りが決まったこと、発表のグループ分けをしたこと、なんでもない話など、いたっていつもどおりのメールのやりとりが続いていた。
そして突然。
がんばってがんばってここまでやってきたけどもうがんばれない。学校行けない。行きたいのに行けない。こんな自分が嫌だ。
とメールが届く。
それでも、まだ私はどこか呑気にとらえていた。娘も、明日になったら元気になってたらいいな・・・と言っていたので、また気分が良くなれば元通りだろう、五月病なのかなくらいに。。。娘自身もなんとかなるかもしれないと思っていたのではないかと思う。
でも次の日、娘は授業に出られなかった。でも、友人と会う約束はしていたので学校へは行ったそうだ。そして普通に笑顔で話せたらしい。
娘は明日こそ授業に出たいと言っていた。
次の日、やっぱり学校へは行けなかった。行きたいのに体が起きないと言う。
さすがの私も、これはもう限界にきている、迎えに行こうと思ったのだが、娘は家に帰るのも気が重いと言う・・・同居している祖父母に説明することを考えると苦しくなると言うのだ。それに、自分のせいで私たち両親が祖父から責められると思うと辛くて実家に帰れないと・・・
泣いた。こんなに泣いたのはいつ以来だろう。
こんな状況になっても、親のことを考えてしまう娘のことを思うとたまらなかった。今どんなに苦しいのだろうと思うと胸がしめつけられそうだった。
娘を追い込んだのは、間違いなく私だ。娘のつらさを今の今まで理解できなかったとは、なんて情けない母親だ。自分で自分に腹が立つ。母親失格もいいところだ。
でも、この子を守るのも母親である私だ。覚悟を決める時だ。
夫と今から娘を迎えに行きます。
娘には、おじいちゃんたちのことやこれからのことは何も心配せずに、とにかく一度家でゆっくりしてほしいと伝えました。娘は素直に応じてくれました。
心療内科にもつれていく予定です。本人も行きたがっています。ただ、どこに聞いても予約がいっぱいですぐには無理そうです。
これからどうなるかわからないけれど、今は娘をゆっくり休ませて、夫と一緒に娘に寄り添っていきたいと思っています。
それではいってきます。