Tyees_Cafe

Tyees_Cafe

PR

Profile

tyees

tyees

Archives

Nov , 2025
Oct , 2025
Sep , 2025
Aug , 2025
Jul , 2025
Jun , 2025
May , 2025

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

Grigri@ Re:ホルスト組曲「惑星」と平原綾香さん「ジュピター」と著作権?(05/10) 平原さんのカバーで、亡き王女のパヴァー…
Munch@ Re:出張帰り ピアノ徒然(04/18) 貴重な情報をありがとうございます。 ちな…
tyees @ 数年後結果的には片頭痛ではなく、なんと副鼻腔炎だった! この頭痛症状は時々起こり続いていたのだ…
こうき@ Re:秘密 広末ははたしてどちらであったのか??(02/28) 私もこの映画と同じ経験を過去にしており…
こうき@ Re:秘密 広末ははたしてどちらであったのか??(02/28) 初めまして、 私この映画を観て思い出しま…
harmonia@ Re:アゴーギクとショパンのテンポルバート(04/29) とても良い考察で感心しました。惜しいの…
思い出します@ Re:今頃気付いた恵比寿グランドボウル閉店!(04/12) レストラン、フォンターナフロントの、気…

Favorite Blog

forward looking att… なっぱさん4507さん
れみどりの☆楽・音・… lemidoriさん
Morning Glow 緋蕗さん
Promenade めぇこ416さん
LIEBESTRA… ゆか(ゆかちん)さん
Avenue de 沙羅 沙羅74811さん
ピアノ・エッセンシ… kaigenjiさん
ほしあかりのノクタ… ふゆのほしさん
Casa di Pyuara ♪ピュアラ♪さん
Poriesu recycle ぽりえすてるさん
May 31, 2009
XML
カテゴリ: 音楽
プレ生誕200年記念、ショパンピアノ全作品連続演奏会の第四回。

小坂裕子先生(ショパン研究家)の解説と長富彩さんの演奏というもの。

大きな流れや感想については、前回日記に記述済み。
今回は、各曲についての簡単なコメントを記述してみます。

なお、ピアノは1887製のローズウッド調のニューヨークスタインウェイでした。
ピアノの特徴感についても、前回日記に記述済みにつきここでは省略します。


曲目は以下でした。
--

Op.25 12の練習曲
Op.26 2つのポロネーズ
Op.27 2つのノクターン

アンコール
遺作集からワルツのホ長調
--





--各曲コメント--

Op.24 4つのマズルカ
Tyeesは、マズルカに詳しくないので、コメントする立場にないのであるが、あえてコメントすると・・・

No.1 やや弱々しくすぐにルバートになりつつ長調的にはじまるが、4小節目には毅然としていて、ト短調になっている。そのような不思議な曲調を見事に表現していた。冒頭の一曲目だが、すぐに、ショパンの世界にはいりこむことができた。
No.3もよかったが、特に、シンプルなNo.2と、特徴ある半音下降から始まるNo.4が素晴らしかったと思う。


もしかすると、トータルとして、やや弱めのバランスで弾く事を意識していたのかもしれない。ピアノ本来の良さを弾き出す為であったのかもしれない。

いづれにせよ、彩流よりは、ショパンを最初から感じることのできた、マズルカであった。
そして、弱音の優しさが特に素晴らしくたびたびの消え入るような弱音に聞き入る事ができた。


Op.25 12の練習曲
 No.1:ややゆったりめの演奏。トップラインの音の流れと中盤のミドルラインの音の流れの対比など、美しかった。

 No.3:対比的に元気さあふれる演奏。中盤からは、低音の響きを豊かに表現していた。
 No.4:飛び交う音の中で、正確に伸びる音を聞く事ができた。気持ちよい演奏。
 No.5:独特の雰囲気のあるこの曲であるが、はじめて彩流の片鱗として、左低音部和音の一連の流れ感のつくり方に、特徴感を覚えた。あの美しい中間部は、やや早めでメロディラインを浮き立たせており素晴らしかった。
 No.6:三度エチュード、盛り上がる部分を除けば、ほぼ終始弱い音、音量控えめで通した。ごく一部、最終に近い部分の下り音型で、聞こえぬ音も出たようにも感じたが、バランスのとれた乱れぬ弱音三度の連続は素晴らしかったと思う。
 No.7:トータルゆったりした曲であるが、時折の左手の早いパッセージが印象的な曲である。そして、そのパッセージを見事に歌わせ、素晴らしいインパクトのある音楽にすることに成功していた。No.7を一区切りにしたのは、この切りにくいOp.25の休憩の入れ方としては、よかったのではないかと思う。

大拍手

休憩

 No.8:難しい六度エチュードであるが、軽くクリア。
 No.9:蝶々エチュード。ペダルも少なめで、速度は早めでありながら、軽々とかわいらしく弾いていた。 

 そして、とうとう、No.10-12終盤突入である。

 No.10:オクターブエチュード。中間部の歌わせ方はナチュラルでいながら、ロマンチックであった。
 No.11:木枯らし。背筋を延ばし、特徴ある冒頭メロディ、左手の鋭角なリズムで刻み続ける。右手の複雑な半音下降アルペジオについては、なんら不安はない。強弱感の対比や、左手和音ラインの歌わせ方も素晴らしく、見事な演奏であった。
 一部、右左の離れた位置からの近接への反進行アルペジオの着地部分に、不協的な部分も一瞬まじったように感じたが、ほとんどミスもなく素晴らしいできばえ。
 No.12.木枯らし終わるも余韻消える間もなく、大きなアルペジオの流れにはいる。
 二番目のアルペジオで、右に一カ所ミスというより鳴らない部分があったようにも思う。時々、ごく一部、そのような箇所もでたかもしれないが、高速であったが故とも思う。トータルとしての音楽のつくりについては申し分なかった。

No.10,11,12の一気呵成の演奏、圧倒感には素晴らしいものがあった。

大拍手。ブラボーの声も・・・

エチュードを全曲演奏するということは、並大抵ではない。
また、珍しいことでもある。
若干のミスはあったかもしれないが、それ以上に、ショパンのエチュード全曲演奏、そして、素晴らしい音楽にあふれたエチュードであったこと、また、1887製のピアノとあわせての昔ながらの音楽の再現に貢献していること、
素晴らしいことであると思います。




Op.26 2つのポロネーズ
 No.1 名曲で、Tyeesとしてもよく聞いている曲。
    大変しっかりした演奏で、中間部も美しかったです。
 No.2 Tyeesは普段あまり聞かない曲。
    この曲での初めての大きな感動を今回彩さんの演奏で覚えた。
    暗さ、不安さの表現から、中間部のやや明るい表現まで、
    見事に表現されていたのではないかなと思います。


Op.27 2つのノクターン
 No.1 曲の素晴らしさを彼女の演奏を通じて、再認識!
    弱々しげな冒頭のふわっとした始まり方からのジョジョに高揚、切迫感
    に至り、また静けさに戻ってくるさまが見事。
 No.2 名曲である。ほんの少々早めのテンポであったかもしれないが、
    見事なメランコリック。美しく静かに終わる。
    終了後の余韻を残して、しばらくして、大拍手。

アンコール
 遺作集から ワルツのホ長調

大拍手

ご本人の演奏後感想コメントあり。

--以上個別コメント終わり--



前回の日記にも記述しているが、繰り返し、
総じて言うと、以下のような感じでありました。
--
とても、音楽でした。圧倒的な技術というよりも、ショパンの音楽!音楽!
弱音の使い方が、とても美しい。
よく考えられていたと思うし、消え入るような音も沢山使われていました。
しかも弱音でいて柔らかい音、固い音の幅など、多様性あり!

低音はピアノの特徴でもあるのでしょうが、やや控えめの利用。

ショパンのエチュードが、No.10,11,12で終わり最大限盛り上がった後、
ポロネーズにはいったところで、よい意味で少し緊張がとけたかなと思いました。特に、ポロネーズの二曲目は普段あまり聞かない曲なのですが、大変よかったです。この曲でのTyees初めての大きな感動を覚えました。

本当のことをいうと、
彩さんのショパンはどんな感じになるか、ちょっと不安と期待のいりまじった気持ちで、今日を迎えたのです。
(以前の演奏では、エチュードの一部曲(Op.10-4/12等)及びアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズの素晴らしさに驚嘆したことがあった。彼女はむしろ今まで、リストやラフマニノフを得意にしているのではないかなと考えてきた。)

今回は、テクニックの難しいエチュードは、彼女は得意なので、連続演奏であっても、逆にあまり心配ないけれど、
むしろ、ゆっくりめのエチュード、そして、特にマズルカやノクターンがどのようなショパンになるのか、あまり、私Tyeesにはイメージできていなかったのです。

でも、今日の演奏を聞いて、彩流というよりも、ショパンとしてきちっと確立された音楽を感じました。
しかも、特に、マズルカ、エチュードのゆっくり目の曲、ポロネーズ、ノクターンにてです。
Tyeesはマズルカを語るには100年早いのですが、マズルカも、特に2曲目とか4曲目よかったです。
そして、二曲のポロネーズ、ノクターンの一曲目なども、曲の素晴らしさを彼女の演奏を通じて、再認識することができました。

次回は、Op.33-37 (ソナタ二番Op.35を含む)ですし、短期間に、これだけショパンを弾いていくのは、いかに彩さんといえども大変だと思いますが、彩流というよりも、ショパン弾き長富彩の確立につながるという意味では、大変な意味があるのではないかと思いました。
しかも、今回で、既に、かなりの部分を確立してしまっている。

終了時に、彩さんのコメントがありました。
たしかおおまかにはこんな内容だったかと思います。
「大作曲家ショパンというよりも、ピアノ弾きとしてのショパンと迎い合えた気がする。同じピアノ弾きとして、共感できた部分がある。」と。

--


そう、一言でいうのであれば、

彩ちゃん流ショパンというよりも、
ショパン演奏家としての、長富彩の確立、
その事をよく確認できた、大変素晴らしい演奏会でありました。

また、知っているつもりのショパンのその当時の解説を聞きながら、ショパンの音楽もあわせて聴くという、貴重な経験をさせていただきました。

あらためて、その当時のショパンの想いが多少ともわかるような気がしてくるのも不思議なものです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 31, 2009 07:12:42 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: