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【2010年2月28日日曜日】
日々せねばならない事が多すぎる(^^;
思うことはリセットできても、せねばならない事をやり残しての、日々の重なりは気持ちにまでストレスとなって自分を襲う。
なんだかお尻の穴に違和感を感じる。これって侮ってはいけない「ji」というやつか?
不安は更にストレスとなって自分を襲う。
そんな中で素敵なワインに出会った。
08年産の神戸市北区大沢(オウゾウ)の葡萄であるカベルネ・ソーヴィニョンを「丹波ワイン」さんで仕込んで頂いたワインのサンプルが届いた。
ワインは農産物です。葡萄生産者がいないと生まれてこないお酒です。日本では醸造者が葡萄を栽培している例は少なく、葡萄栽培者は農家さんであることが多いのが現状です。しかし農産物である葡萄は、生食として農協に出せば、巨峰なら市価1kgが千円などという相場は少しも珍しくありません。
なのに神戸にはそんな報われない対価の、ワイン用葡萄栽培に特化した農家の方が、私の近くにいらっしゃいます。
・・・それは「神戸ワイン」というブランドの立ち上げでした。
発売当初は少し甘さにシフトしたワインは飲みやすく、市民にブームに様にもてはやされました。
農業振興の目的の延長線上で立ち上げられらワインでした。それ自体は悪くは無いのですが、しかしその様なワインが、長い名声を保つはずもありませんでした。
直ぐに廃れて、今はお土産になるかというギリギリラインです。
今は少し変わったそうです、それを私は確認していないのを前提に無責任な言葉としてお付き合い下さい。
神戸市内でも私の在住する北区と西区では、標高約1000mの六甲山が邪魔せず瀬戸内海の影響を受ける西区と、その影響を受ける山間部の印象が強い私の住む北区。
その葡萄の二つの地区の混醸で神戸ワインは造られている所に私は限界を感じていました。それは葡萄が同じスピードで熟するかどうかは、醸造に素人の私でさえ想像がつくからです。
葡萄生産者の方々は資本的にも疲弊され、生産している方は少なくなって来た昨今、その現状を憂いた、ワインに全く関係ない建築設計士の先生が取り次いで実現したワインでした。
---サンプルとして提供されたワインの私のコメント---
明るいガーネットに真紅の色調がグラスの底まで吸い取られるような、美しい透明感を持った赤さには、少々のレンガ色が混じる。
しなやかで、派手さを抑えたアタックに、直ぐに喉を通り越して、ゴックンの飲み込みたい気持ちにさせる。ミディアムな構成を見せるタンニンは適度で、初心者から、ワイン通までをカバーする幅広さを持つ。
木質な印象に、下草などの地面に近い香りが気持ちに安堵感を誘う。ベリーな印象は控えめではあるが果実味として感じる。
神戸市北区、この霧深き、寒暖の差の激しさの中、温暖さに恵まれたカベルネ・ソーヴィニョンが、緑な印象を感じさせない完熟した果粒となって無理なく、素直にワインになったストレートさが、またその潔さを感じ、その心地良さが、グラスに注ぎ飲み干すスピードを上げる。
その美味しさは「馴染む」その一言に尽きる。この近郊の食材なら、おおよその食事と合うのではないだろうか。
明石のたこ焼き、焼きソバ、ブリの照り焼き、ヤキトリ、トンカツ。
勿論神戸ビーフもいいだろう。
しかし、注意して頂きたい。注意をしないと、何も感じなままに、ワインのボトルは底が見えてくる。それ程に馴染んだ美味しさを見せる。
これは神戸を代表するワインになる要素を存分に見せる。
現在、その香りが開いたワインを飲んでいる。
日本のワインに詳しくは無い私が申し上げるのは恐縮だが、カベルネ・ソーヴィニョンが熟して青臭さも無くワインになっている事に驚きが隠せない。アタックは控えめだが、中心線をしっかりと見据え、伸びやかな味わいにはストレスは無い。
チェリーにカシス、杉。カベルネ・ソーヴィニョンとしては正直拍子抜けするタンニンは、これが特徴なのだから欠点とは思わない。
日本では長野でメルローが美味しいワインになる、それは産業として成り立つほどに。神戸の北区のごく限られた地区では、カベルネ・ソーヴィニョンが産業として成り立つ可能性を秘めている事に、気がついた。いや気がつかされたワインとの出会いでした。
私はワイン小売業者としてこのワインにどれほどの貢献が出来るだろうか。
ワインはできた。しかし、ここから、意味づけ、ラベル、そして梱包といった様々なプロモーションが入ってくる。
成功を願わずにいられない。
なんとかその場に居たいと感じさせるワインでした。
このブログを読まれる方にも飲んで頂きたいと思う、飾らない神戸のカベルネ・ソーヴィニョンからのワインでした。
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