2026年09月18日
XML

■愛人女性が電話線を引き抜いた真の理由とは■
『踊る大捜査線N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』公開記念
1997年放送 TVドラマ
踊る大捜査線 完全解説4
第9話
​​ 『湾岸署大パニック 刑事青島危機一髪』


■
80年代90年代音楽作品・映像作品を解説するシリーズ
あの作品の 「アレ」は一体何だったのか
この作品のココには実はこんな意味が隠されていたのかという
「真相」や「裏側」など、作品の知られざる 「向こう側」 を解説し

30年前40年前の作品にもう一度スポットを当て
知らない世代にも興味を持って頂ければ幸いですという企画

ドラマ『踊る大捜査線』解説 第4弾 

という訳で今回は 第9話『湾岸署大パニック 刑事青島危機一髪』から

●室井が激務になった本当の理由 は
単に事件が多くなり手が回らなくなった訳ではない理由がありました

●柏木雪乃に見惚れる真下刑事が和久に叩かれる意味 とは
ドリフのしばきネタ意外に隠れた理由がありました

●愛人女性は本当に悪女なのかその真相 は
愛人女性が部屋の電話線を引き抜いた本当の理由 とは など


「場面の向こう側」 にある 真の理由 を解説して行きたいと思います

※この記事はドラマの内容に触れる 独自の見解の「ネタバレ」解説になります



​​​■■もくじ■■


■STORY■

■1.正義に付いて試される青島■
・ 『知らない内に宿っていた偏見の存在に気付く試練』

■2.自分の捜査室で激務に追われる室井■
・ 『なぜ室井は激務過ぎて所轄への報告が遅れたのか』

■3.雪乃に見惚れる真下が叩かれる本当の意味■
・ 『セクハラ、ドリフのしばきネタ以外の真意』

■4.愛人女性が悪女に見える真相■
・ 『愛人女性が部屋の電話線を引き抜いた本当の理由』

■5.マスコミの加熱取材から見える偏向姿勢■
・ 『当時の偏向報道のあり得ない狂騒と現代に繋がる導線』


■6.被害者家族の乱入に自分の行動意義を悟る青島■
・ 『和久刑事の 同情はしない と突き放した真意とは』


▲目次へ▲
- STORY -



脱サラをして警察官になった青島俊作は
麻薬絡みの事件に巻き込まれた柏木雪乃の無実を晴らし
プロファイリング捜査集団の科学捜査とも一波乱ありと
刑事の仕事にもすっかり馴染んだ そんなある日のこと

妻殺し事件で世間の関心が注目する中
加熱するマスコミ取材と 批判の声を向ける世間から 守る為

殺人事件の動機となった加害者の愛人を湾岸署で保護する任務が
恩田すみれ と 青島に 命じられ

仕事とは言え 事件の発端となった 愛人 を警察で保護する事には
正直 疑問 を隠せない まま

青島はマスコミが押し寄せる愛人宅マンションへ向かうのだった


▲目次へ▲
- 解説 -
■1.正義に付いて試される青島■
『知らない内に宿っていた偏見の存在に気付く試練』




この回は放送当時まだ記憶に新しかった
1994年に発生した 「つくば妻子殺害事件」 を彷彿とさせるエピソードで

実際の凶悪事件を元としながらも
事件の原因となった 愛人の存在 に焦点を当て

それを取り巻くマスコミ・メディアのなりふり構わない囲み取材や
人権無視の憶測を交えたエンタメに特化した 加熱報道 の狂騒ぶりを

ブラックな視点でコミカルに描きながら

事件の凶悪性に関心はあっても
本当は何があったのか という「真実」に眼を向けないまま
無責任な真相をストーリー仕立てに語ろうとする時流へ向けての

警鐘 を鳴らす

踊る大捜査線 の中でも 極めて 社会性の高いエピソード となっています


モデルとなった事件は
茨城県つくば市の筑波大学付属病院に勤務する エリート整形外科医の夫が
勤務先の看護師女性との愛人関係をめぐり妻と口論となり
妻と幼い子供2人を殺害して 海へ遺体を遺棄したというもので

その冷酷極まりない手口と
犯罪史に残る残虐性の高い事件としても 社会を震撼 させました

中でも犯人の男が犯行直後に遺体を遺棄したその足で
愛人女性と北海道旅行に出かけたという 非人間的行動 が

社会に与えた衝撃も大きく

逮捕後の取り調べでも反省の色が薄く
愛人との生活を優先したという 身勝手過ぎる動機などが

当時メディアで連日大々的に報じられ 世間を呆然とさせました


一方で、当時の加熱した取材とエンタメに傾いたような
視聴率争い を目的化した報道手段が後に 報道のあり方 を問われるなどの

あらゆる意味で 社会問題化した事件 と言えます


本作では 夫が一方的な理由で妻を殺害し
愛人の存在が動機となった点が 共通していますが

何よりも コンプライアンスゼロのマウント文化真っ只中の時代において
渦中の人となった愛人女性がマスコミの過熱した突撃取材の 標的 となった点が

本作で描かれる 核 となっています

■
今回のエピソードは何が正しくて何が間違っていて何を得るのかという様な
いつもの 青島の成長の話ではなく

むしろ一方的な思い込みからの 偏見 に気付かないままの
いつもの 青島らしくない姿 が描かれます

この時期の青島が 仕事にも慣れて
「犯罪に遭って困っている人を救う」という
「正しいことをやりたい」という自分の信条に叶う案件だけではなく

冒頭で つぶやきシロー演じる学生によるお騒がせな 自殺志願者 の様な
やりたくない仕事 にも向き合わなければならない時期にあり

刑事として 一皮剥けよう とする姿が描かれています

正義感と 熱意では 誰にも負けない青島刑事でしたが
今回保護するのが 事件の被害者側ではなく
加害者側となる 犯人の愛人女性 の保護を命じられた事で
いつもの 信条は消え失せ

青島自身が事件の印象から抱いた 道義上の不快さを
何の 証拠も根拠もなく 当たり前の様に

渦中にある女性に対して
「男を操り殺人教唆をした悪女」 というストーリーのレッテルを貼り

その自覚のないまま 世間の評価同様の憤りにとらわれ
いつの間にか 偏見 が芽生えて真実が見えていない
目の曇った 青島 の姿が 描かれて行きます

今回の任務を通して青島は
正義  とは 絶対的では無く視点の捉え方ひとつでいくらでも 歪み 暴走すらさせる
観念 に過ぎない側面がある事に気づかされ

刑事も人である以上 不快な事に視点が歪み 目も曇る 事を
身を持って知る訳ですが

それは 後に被害者家族の兄が引き起こす 署内刺殺未遂騒動へとも繋がり
青島にとっては 痛みを伴いながら

自らの正義が試される 事になるのでした



▲目次へ▲
■2.自分の捜査本部で激務に追われる室井■
『なぜ室井は激務過ぎて所轄への報告が遅れたのか』




湾岸署に保護された 安永亜衣 演じる 愛人女性 武下純子 を巡って
マスコミが刑事課まで押し寄せ 大混乱となる中で

青島は 他のマスコミ達とは明らかに様子が違う
気になる 妙な 男 を見つけて 電話で本庁に連絡を入れますが

室井は忙しくて電話に出られず
電話に出た男も裏付け捜査で書類の確認に忙しくして対応してもらえず

やむなく青島は 男の顔写真入りの報告書を作成して
室井の居る捜査本部にFAXで送ります

しかしFAXで送られた書類は 他の大量に送られてくるFAX 書類に埋もれ て
室井が書類に目を通す事にはなりませんでした

■
この回での 捜査一課の混乱は
いつもの様な、事件が起こって捜査をする プロセスが無く
いきなり 犯人が逮捕されたケースとして描かれた

起訴する最後の詰めとして 裏付け捜査 に忙しい姿を描いたものと言えます

日本の刑事訴訟法では 被疑者逮捕後は
48時間以内 に身柄と事件の書類を検察庁へ送り 送検 しなければならないという

厳格なルールがあります

つまり犯人を逮捕したら 全てが解決したかに思えますが
逮捕した瞬間から時間内での裏付け捜査と書類作成がはじまるので

ドラマで観るような、捜査一課の捜査員達が 捜査書類の山の中で
逮捕した妻殺し犯の送検の準備で忙しくしている事になるわけです


加えて今回の事件は 犯罪史上に残る残虐な手口の衝撃的犯行のため
世間の注目度 がとてつもなく高く

そのため 速やかな送検 が求められている事が考えられます

更に 日本の犯罪史に残る残虐な犯行に対して前例がない状況も
裏付けに時間が掛かる因子となっている事なども

捜査室が 混乱 をきたす 要因となっていると言えます

そうして事件を担当した 室井 は
世間の注目度が高い事件を任された事から
出世コースを邁進する中にある事が分かり

犯人逮捕を達成しても事件は終わらないという
送検前の 最後の詰めで ミスは許されない中での

犯人逮捕より忙しい 混沌の中 にあったと言えます


注目すべきは 捜査一課に来た青島を突き放して単独行動を押し付けて
それが原因で被疑者確保の機会を逃した事を棚に上げ
頭ごなしに青島を怒鳴りつけ保身を図った アノ刑事 が

青島からの問い合わせの電話に対応した俳優と
同じ役柄であるとするなら

前回は 室井に反感 を抱いたこの捜査員が
勝手に青島を毛嫌いして逮捕の機会を逃し
今回は 青島の報告を無視して 上への報告を怠り
湾岸署で起こる騒動を 未然に防げなかった という

自分勝手な判断 をした事で 同じ様な失敗 をする点です

つまりこの時期の室井は ドラマ内でも言及してきた
本庁所轄の垣根のない開かれた捜査 を実現する一環として

所轄への情報の報告の即時化を実現しようと
所轄からの情報収集の前線としてこの 捜査本部を再構成 して

前代未聞の犯行で社会的関心度が高くなった事件の 早期送検 を目指し
包括的情報化捜査 を見据えた 情報収集の徹底 をしていたのかもしれません


しかし所轄からの 情報が集中 する様になれば
情報が得られやすくなり、真実に繋がる情報が入る可能性が上がる反面 
有益性の低い情報が増える 状況となるので

唯でさえ混乱する裏付け捜査が より混沌さを増し て
所轄からの玉石混交の情報が入り混じって堆積して行き

何よりも それを 室井が課し ているという 捜査員達の反感 があって
激務と相まって 勝手な判断で 無視させる事態を招いた とすれば
青島の報告を無下に無視したあの捜査員の凡ミスの理由も 説明できますし

様々な人間が居れば それだけ足並みとは揃わないものであるという前提で
多様性と現実性を考慮しないで 理想に走った室井の責任 だと言えます

情報の有効性と正確性を求め 即時送検を目指し
とにかく世間の関心に答えて成果を上げる事に 必死 だった室井には

本部の混沌 と 反感 という その 2つの 穴 が見えておらず

大きくタイミングが遅れた所でようやく事態の重要性に気づいた時には
時既に遅しで 青島が刺されるという事態を招いたと言えます

■
放送当時の演出では 傲慢な本庁のメタファー としての役どころを
室井に投影 していた所があったので

袴田課長には 命をなんだと思っているんだと ブチ切れられ
捜査員が立ち去った自分の捜査室の中でがっくり肩を落とす室井に
視聴者は それ見たことかと 批判の矛先 となる立ち位置でもありました

従って演出上は重要性のある情報 事件を優先して
所轄の報告には耳を貸さないで 大事な情報を埋もれさせてしまうという

本庁の傲慢な姿勢 が招いた失態として描いているので
良かれと思って 行動した室井の思惑と相まって 真逆の見立て となった所に

脚色上の 巧妙な落としどころ があった様な印象があります

つまり本来の意図は、 高い理想に走って足をすくわれた 室井が
失敗を 真摯に受け止める という 器 の存在と

この後 理想の警察官僚を目指しそれを言葉通り実行して行く室井の
青くて若い挫折 の中に 誠実の姿 を見る

室井の 試練 の回でもあったのでした


▲目次へ▲
■3.雪乃に見惚れる真下が叩かれる本当の意味■
『セクハラ、ドリフのしばきネタ以外の真意』




お騒がせ自殺未遂男を帰宅させた和久は
警察官になるため 署に通い真下に勉強を見てもらっている雪乃に
なぜ警察官を目指すのか 理由を尋ねます

すると雪乃は持ち前の明るさでハイと笑顔で返事をして立ち上がり
世話になった警察への 恩返し だと答えます

その時 皆素敵な人達と告げる雪乃の言葉に反応した真下は
色めき立った様に 立ち上がり 試験内容の説明を始めます

そして 身体検査の項目を告げながら
視線は雪乃の足元から上へと 視線を移動 させる内に
いつの間にか 胸の一点に釘付け になった時に

真下は 和久の報告書で 一発叩かれ ます

そうしてその報告書を雪乃に渡しながら
「今度コイツがいやらしい目をしたら、(次は) あなたがやりなさい」
と言ったあと

「 自分の身は自分で守る 、警察官の第一歩だよ」
と何気に心構えを告げます

するとすかさず袴田課長が参考書を手渡しに来ました

後に雪乃と真下を目を細めて見ていた袴田は
若者が成長する姿を見るのが嬉しいのか
後見人になった様な気持ちでいたのかもしれません

■

この場面は お笑い芸人のレジェンドで ザ・ドリフターズ の定番芸
しばきネタ を 最高の角度とタイミングで行った

「笑う」 場面で

殴られた真下は今なら セクハラ視線でアウトな仕草ではありますが
魅力的な女性に視線が釘付けになるという 青くて若い男性 にありがちな

当時の時流的には 比較的 ソフト な描き方だといえますw

ただ、この場面から見えてくるのは もっと 別の事 で

今回の エピソード全体 がこの場面に 圧縮 されて
お笑いの中に投影される様に描かれている様な印象がありました

それを語る前に・・・ これは いつも言う事ですが

以下はあくまで ドラマの演出に於ける効果を批評する一環としての
考察に過ぎないものであり
実際の事象を批判する類のものとは異なるという点を

まずはお断りするとして・・・


今回登場する「愛人女性」武下純子は
殺人の関与を疑われる人物として描かれます

それは 殺人事件の原因 となった 愛人女性 へ向けての
世間の 非難 が一人歩きをして
いつの間にか男を巧みに操り妻を殺害させた 悪女 に変わり
今の時代で言う 炎上 が起こって 様々な 誹謗中傷 が飛び交い
それが社会現象にまで発展したものでした

そしてこの場合のインフルエンサーは
「愛人は悪女に違いない」という世間のストーリーに乗って
世の中の 関心を煽る 加熱取材と偏向報道を行った マスコミ です

ここには 煽る側が居て それを望む層 が居る 需給関係 という
明確な報酬のやり取りが見られるので
一般的な 経済活動 と 同じ構造 がある訳です


これを 専門用語でアテンション・エコノミーと呼ばれたりもしますが

ここでは 感情的要求 によって向けられる 非対称な視点 に着目して
一方的で偏向した 関心を向ける という行為のみを抽出してみますと

多数の視線が特定の異性へ向ける 性的視線 にも酷似している事に気付きます
先程の 真下警部補が 柏木雪乃へ向けた セクハラ視線が それです

つまり これらの 核 は地続きになっていて
共通の精神的、社会的問題を抱えていると言える訳です


故に 今回のエピソードは
偏向報道真っ盛り コンプライアンスゼロ セクハラ パワハラ モラハラ 全開の
マウント文化ど真ん中の時流の中で

炎上事象に於いても 柏木雪乃が真下に下品な眼で見られるのも 
結局は 自分の身は自分で守るしか無い という点が 共通した問題 であり

それが今回のエピソードの落としどころだと言えます

つまりこの場面は 真のテーマ をドリフのコントで演出した
『ドリフ大爆笑』 番組ファンには嬉しい 一幕があったという

その様な社会問題を圧縮したどつきコントを通して
見事に 警鐘 を込めた場面だったとも言えるのでした


▲目次へ▲
■4.愛人女性が悪女に見える真相■
『愛人女性が電話線を引き抜いた本当の理由』



青島達がつぶやきシロー演じるお騒がせ自殺未遂者を保護した頃
管外の凶悪事件など 違う世界の出来事の様に
それぞれの関心事に目が離せない 平和な空気が漂う 署内へ

今世間で注目を浴びる主婦殺し事件の関係者をマスコミから守る様
本庁からの要請が下ります

被害者救済に関心がある青島は 副所長からの命令に二つ返事でOKしますが
保護するのは 加害者側の方だと知ると

青島と すみれ は 如実に不満顔になります


問題の人物が住むマンションは部屋の前まで報道陣が殺到し
青島達はその混乱の中をかき分けてようやく入室しますが

現在の状況にも 事件に対しても 何の反省の色を見せずに 涼しげな態度を取る
安永亜衣演じる 犯人の男と愛人関係の女性 武下純子 の
想像した以上の肝の座った姿に

青島達は戦慄して固まってしまいます

その後 青島の機転で取材陣を出し抜き 武下純子を部屋から連れて抜け出し
移動するタクシーにパレードの様に連なって追いかけてくる
パパラッチ達を牽制しながら ようやく到着した湾岸署では

まるで期待外れのホテルにでも来た様なあからさまな不機嫌な態度で
いきなりお茶くみを言いつけたり お昼の出前では嫌いを連発したりと

立場をわきまえない我儘な態度を取り続ける武下純子に
青島は遂に切れて 思わず本音をぶちまけてしまうと
逆ギレをされ 高級な松花堂弁当を要求されてしまう顛末となります

暫くして静かになったと思ったら 弁当を食べて寝てしまうという

湾岸署の面々も呆れ返る程に
おおよそ事件の原因を作った人間とは思えない態度を取り続けます

■
ここでの青島は 武下純子 の事を 事件の原因を生んだ愛人女性 だと
世間同様に思っていて
法では裁かれない事を知って涼しい態度を取り続ける
確信犯的な悪女だと 決めつけている ので

ドラマも その目線で進行して行きます

しかしその後 本人の言う通り 武下純子 は 犯人の男の愛人であっただけで
それ以上でも以下でもなく 少なくとも 殺人とは無関係 ではないかという
恩田すみれ の言及で 観ている私たちも

「思い込みの存在」 に気付かされて行きます

これはドラマ後半で視点が覆されるという ドラマでは良くある展開と言えますが
ここにはもう一つ 見えない レイヤーの存在 がありました


それは ルッキズム という概念がまだ浸透していなかった時代に
バブルが弾けた後のマウント文化真っ只中の時流で 社会的に蔓延していた
見た目で人を判断する無意識下の 偏見 にメスを入れるという意図から

加熱炎上する社会の真っ只中で エコーチェンバー現象に囲まれて
対象となった人物を 「誰も守ってくれない」 という

社会的 「孤立」 を描くというものです

この時代としては 現代のSNS炎上文化 を見据えた様な社会問題に
警鐘を鳴らすものとしては先取りであり

これはいつもの踊る大捜査線とは違った趣旨の
非常に社会性の高いテーマをドラマに盛り込んだ 異色作 だったと言えました

■
疑惑の愛人女性として登場する 武下純子 は
ドラマで言及する通り 事件とは無関係な女性でした

ドラマでもそれを示唆する 布石 の存在が認められるのでそれらを検証すれば
武下純子 が どうしてこういう態度を取り何を考えていた のかが
分かる様に作られていた事が確認できます

故に武下純子はラストで明るく湾岸署を後にして行く終わり方をする訳です


まず 武下純子 が 犯人の男と愛人関係にあった件に付いてですが
・・・これに付いては まず最初に断っておきますが
現在のSNSネット時流における【不倫=有罪判定】についての是非は
ここでは議論しません

あくまで 97年放送当時の時流を念頭において
ドラマ内の演出効果のみを考慮した視点における脚色の狙いを考察する為の
論旨である事を まずはお断りしておくと して

一応『念のため』傍論判断はした事は付け加えておきます
という訳で・・・w


不倫 は単に 夫婦間の問題に過ぎません

欧米では「結婚」を「契約」として概念化しているので
不倫は「契約違反」となり パートナーから相応の
具体的なペナルティーが下されたりします

日本人はこれに「愛情」を持ち出して 問題を複雑化 させますが
実は日本でも結婚の概念は法的には欧米と同じなのです

この事を念頭に 本作のケースに置き換えますと

事件に於ける問題は、犯人の男が 愛人を作るだけでは飽き足らず
愛人に 固執 した挙句 妻 の 殺害 に及んだ

この 男 の 社会的概念が及ばない 異常な精神状態 にこそ
真の原因 があると分かります

つまりこのケースで語られる「愛人の存在が殺人の原因」というのも
異常な精神状態な夫の 身勝手な犯行 による 単独行為が 真相 であり

妻を殺さなければ愛人関係を解消するという様な殺人教唆を意図した
愛人女性側の積極的関与の事実は無い事から

恩田すみれが 青島のキムチラーメンを奪って食べる場面での会話で

「(奥さんを) 殺してなんて頼んでない、あれ 真実よ」
とすみれが言及した事に対して

「えっつ?男が悪いのぉっ?!」と言い換えした青島は

真相が見えていない我々視聴者と 同様 だったという訳なのです


■
では 武下純子 は 本当に悪女で
事件について何も感じていないのか に付いてですが

これに付いても 彼女は悪女でもなんでも無く そう見えるだけ で
激しく責任を感じており 反省すらしていると言えます

つまり 事件に責任を感じて反省をしているという事が分かると
彼女の殺人教唆への疑いが 一気に薄れて
これまでの悪女の様に見えた行動が 実は逆に
世間の思い込みの 偏見から身を守る ための

演技 に過ぎなかった事が見えてきます

なぜそれが言い切れるのかですが

まずマンションの場面ですが 武下純子は パジャマ姿 で居ました
そしてかかってきた電話には 「うるさいな」と言って
電話線を引き抜いて しまいました

実はこの2つからも色々な事が分かります

まず警察が来る事があらかじめ分かっていたのなら
出かける意思が無くても 普通なら 着替えて待っている ものです

もし武下純子が 世間の言う通りの 悪女 であるのなら
被害者にも世間にも 何の関心も持つ訳がありません

つまり関心があるのは 自分の事だけなので
初めて会う赤の他人の刑事が疑いを持ってやって来るのですから
まして着替えて 体裁を繕って から 対抗 しようと待っていたはずです

そして電話の件でもそうです

加熱取材の偏向報道での拉致同様の囲み取材が当たり前で
個人情報意識がまだ無く プライバシーの概念も浸透して無く
電話帳で探せば 住所と名前がフルネームで書かれた電話番号が出てくる時代です

だから朝からマンションの前も部屋のドアの前も
野次馬 マスコミが殺到していた訳です

そして昨夜は取材の電話 野次馬からの非難冷やかしの電話が
一晩中なり続けて居た はずです

だから武下純子が 悪女 なら
電話線など とっくに抜いてしまっている 筈なのです

つまり青島達 警察 が来たから それを 訴える 様に
二人の 眼の前 で 電話線を引き抜いた と考えられるのです

従って 武下純子 は 昨夜から迷惑電話に怯えて 一睡もして居なかった から
疲弊して着替えることも忘れて 青島達が来ても パジャマ姿で居たのではと

そう思える訳です

そしてこれまで 電話線を引き抜いていなかった事から
少なくとも いくつかの電話にも出ていた のではとも 考えられる訳です


つまり 以下の状況が 想像できます

当初武下純子は 事件の関与に否定の意思 を告げるために
いくつかの取材電話に応じていたのかもしれません

しかし電話取材の趣旨は彼女の弁明を聞くものでは無く
男を操った 悪女 からのコメントが欲しい 為のものだった事が

容易に想像できます

そして彼女が否定した所で 相手は 有罪 を前提に
勝手な想像を決めつけているので
弁明も反論も受け付けるものでは無かった事も見えてきます

特にタブロイド紙などの愉快犯的メディアでは
世間が喜ぶ様なストーリーの記事を組みたくて
時には過激な言いがかりを付けて彼女をワザと怒らせながら
都合の良いコメントを引き出そう とする
誘導まがいの悪辣な取材電話もあったと 考えられます

そんなマスコミの電話 に加えて
冷やかし非難の野次馬電話も次々とかかってくる という

そんな電話に一晩中悩まされ続けた
という事があったのではと 想像できる訳です


つまり 部屋に入った時に 青島達が見た
武下純子の 神をも恐れない ふてぶてしい態度とは

自分達に刺さるストーリーを真実だと思い込む 世間には責められ
真相と言いながら世間が食いつく視聴率稼ぎの報道をする マスコミには煽られ
正義だと信じていた警察も 彼女を 加害者 だと 決めつけている

つまり何を言っても 誰も自分の話を信じてくれない
真実は都合よく捻じ曲げられ 誰もが攻撃し 誰も守ってくれない

人も 警察も 正義 も 信じられない
そんな 孤立 を思い知らされたのだと思います

そうして彼女の「愛人」という 負い目 からの
世間への 寛容 の心もいつしか消え去って

誰にも頼らず今の状況を乗り越える為に 愛人風情だと舐められては負けだと悟り
それならいっそ 世間が言う様な 悪女になりきって
法も世間の声も届かない 立場を得て

この狂熱が覚めるまで 世間が忘れるまで 一人で乗り切る しかないと
青島達の前で 悪女になりきってみせたという

自己防衛 のための開き直りだったのでは と 考えられます


それは 裏 を返せば
事件には激しい責任を感じており 強く反省もしていた故の

それを見ようとも知ろうともしない 世間への失望と怒り の表明だったと言えます


例えば マンションから抜け出してタクシーでパパラッチに追われながら
ようやく 湾岸署に付いた時

応接室に歩く途中の TVのワイドショーでの大木凡人レポーターの
「いずれにしてもこの悲劇の原因が
愛人関係にあるTさんにあることは間違いない」

という発言に立ち止まって 真顔 になって反応するので

社会悪 と呼ばれている事に 自覚も責任も感じている のが見て取れます

だから 真下と警察官採用試験の勉強をしていた柏木雪乃だけは
それを見逃さなかったから

あの人は巻き込まれただけなのではという目で
武下純子が歩いて行った先を見つめていた訳です


その後応接室で 昼食で出前を取る時
ピザもそばもハンバーガーも嫌いだから要らないと言う
武下純子の我儘な態度に 切れた青島が

実行犯はこれから不自由な暮らしが待っているのに共犯のお前は何様だと
思わずそんな発言をしようとして すみれに制止された後

武下純子に「証拠があるなら見せてみなさいよ」と 逆ギレされ
高価な松花堂弁当を要求し、「愛人だからって舐めるなよ」と

悪女の本性 を見せたかに見えた場面では

武下純子にしてみれば 青島の言動は 完全な濡れ衣 で
それは何の事情も知らない世間が
「男を操って妻を殺させ妻の座を奪おうとした」とか
「したたかな悪女」呼ばわりするのと 同様の行為だった事が

事件の加害者側の関係者である以上 100歩譲って仕方ない事だとしても

本来 真相を解明 しなければならない警察の眼の前の若い 刑事 が
世間の風聞同様に自分を 犯人呼ばわり している わけです

だから 青島に向かって「証拠があるのなら言ってみなさいよ」と
本気で切れて 抗議 をした訳です

昨夜からは迷惑電話で寝ておらず 朝からマスコミに押しかけられ
近所には騒ぎの責任を責められ 警察は保護と称して署内に監禁し
若い刑事には いわれのない罪で犯人呼ばわりされる という事で

ストレスの頂点 にも達していたのなら 尚更だと言えます

それで 腹の虫が収まらずに ものすごく高い松花堂弁当を
青島たちに 当てつけ で 要求した訳です

最後に「愛人だからって舐めるなよ」と言ったのは 青島達にではなく
世の中を相手に一人で戦おうとする 自分に向けて 放った
決意表明 だったと思います


その後の報道で「Tさんは 眠れぬ夜を過ごしている事でしょう」と
キャスターがレポートする場面で そのコメントとは裏腹に
松花堂弁当を食べて眠りこける 武下純子 が描かれますが

よく見ると 弁当には少し手を付けただけで
ほとんど 口にしていない 事が分かります

彼女が本当に男を操る悪女であれば 弁当などすっかり平らげているはずです

つまりこの場面の武下純子は 食事も喉に通らない ほど
事件に付いて責任を感じて 反省して 恐れ
誰も救ってくれない孤独の中で 一人で 怯えていた のだと思います

だから 出前を取ろうという 青島達に 要らないと言ったのも

どんなに強がって見せても 罪の意識 からは逃れられなくて苛つき
本当に食事をする気持ちになれなかったからだと言えます

ただ、昨夜からマスコミや世間から責め続けられ 夜も寝て無い中で
何とか張っていた 気 も

世間のバッシングから離れて 解放 された
世界一 安全 な警察で ようやく一時の 平穏 を得た事で

一気に 疲れ が押し寄せて 無防備な無垢な姿で
泥のように眠りについたのだと思います

食べかけの松花堂弁当を見て ゴクリ と 唾を飲み込む 恩田すみれ の姿は
御愛嬌 という訳でしたw

■
この回は 視点 を変えると 全く 違う景色 が見えて来るという 仕様になっていて
それは一瞬で見過ごしてしまうような事や 眼には見えない心の動きを含めて

起こっている事の 全て をカメラに収めながら
制作者が意図する物語に見える様に 視点を誘導する様に演出されています

全てが収められているのに 真相 に気が付かないのも
布石 が置かれていても それに気が向かない様に意図的な演出を挟んで分離し
説明も一切廃した からだと言えます

つまり制作者は この話を通して、
人は 1つの方向 から見える景色を 世界 だと捉えていて
それが 真実 だと信じている 危うさ があると語っており

時には 自分が抱く正義を 疑う 心を持つ ゆとり を作らなければ
真実を見る眼は養われないと 警鐘していると言えます

そしてそれはいつの時代にも求められる人の 資質 でもあるとして

当時のマウント文化を当たり前に感じて生きる人々に対する
痛烈な社会批判を訴えるものでもあるのでした



▲目次へ▲
■5.マスコミの加熱取材から見える偏向姿勢■
『当時の偏向報道のあり得ない狂騒と現代に繋がる導線』



加害者関係者の保護を命じられた青島達が訪れたマンションには
マスコミがごった返し

そのマスコミから逃れて湾岸署へ向かうタクシーには
大勢のパパラッチ達が連なり

湾岸署でも刑事課にまで報道陣が押し寄せ と

それらが事件への世間の関心の高さから故の加熱ぶりかと思いきや
一転して 人気タレント婚約会見の一報が入るや一転して
速やかに四散していく その様は

真実を届けるという報道の使命よりも 
発行部数や視聴率を優先するマスコミの節操のなさを象徴しており

まるで狂想曲が吹き荒れた後の台風一過のような
湾岸署の一日となるのでした

■
武下純子のマンションから湾岸署へ向かうタクシーを追うパパラッチの姿は
フランスのパリで起こった ダイアナ元妃死亡事件 を
彷彿とさせるものがあります

事件はドラマ放送後の1997年8月31日に起こりますが
これはこの様な事故を 予見 していたとも取れるものがあり

当時としてもその衝撃に対して余りに 予見的 に映った事を 覚えています

今の時代では ドラマ本編の中で見るような
報道対象の人物をマスコミが囲って突撃取材をする
いわゆる「囲み取材」の過激な手法は見られなくなりました

当時は 女性アイドル歌手に対しても
「今気になる男性は?どんなタイプが好み?」といった
セクハラまがいの取材は 当たり前 に行われており

行き過ぎた取材と報道が 社会問題視 される事はあっても
まだまだ一般的な自制には至っていませんでした

ドラマ本編でも 報道リポーターが 事件関係者の心情を察する様な
「愛人のTさんはどんな気持ちでこの夜をすごしているのでしょうか、
Tさんにとっては眠れない長い夜になる事でしょう」と語りかける裏で

若いディレクターやAD達が激を飛ばして欲しい画を現場に要求し
タブロイド紙 写真週刊誌の記者達は
相手が寝られないほど 電話をかけ続け

夜が明ければ TV局や マスコミが マンションまで押し寄せて
車から箱乗りをしたカメラマンがタクシーを追い回し
湾岸署の刑事課にまでなだれ込んでくる

表向きは対面を整え、裏では人権無視の加熱取材を重ねてきた
平成時代のマスコミの、法に触れないギリギリのラインまで攻めてくる
その 確信犯的姿勢 が
笑いをともなう ブラック・コメディー として描かれていきます

そんなマスコミの節操無き報道姿勢はやがて 巨大な局面 にぶち当たります

1989年に当時社会問題化していたオウム真理教が
坂本弁護士一家殺害事件 を引き起こします

しかし1996年に入り 取材源秘匿 というジャーナリズム原則に反して
オウム問題に取り組んでいた坂本弁護士インタビュービデオを放送前に
オウム幹部に見せていたのが TBS であったことが明るみに出て

社会を騒然とさせます

1995年に起こった地下鉄サリン事件を起こしたテロ組織でありながら
興味深い取材対象として 長年関わり続け 擁護まがいの容認をし
弁護士一家殺害の直接の引き金となったその事実を
隠蔽 し続けてきたTBSは 激しく 非難 されました

当時 TBSの報道番組『筑紫哲也 NEWS23』で 筑紫哲也氏は
「TBSは死んだに等しい」と 自社を名指しで激怒し非難した姿は

マスコミを含めたTVのひとつの時代が 終焉 したと
誰もが実感した瞬間でもありました

そうした社会問題が姿を変えて存在し続けていたほど
マスコミとテレビ局のあり方には 根深い ものがあり

時折こうして『踊る大捜査線』の様な 人気ドラマが
答えのない問題を 視聴者に投げかける事もまた

テレビメディアの重要なあり方でもあったと言えます


▲目次へ▲
■6.被害者家族の乱入に自分の行動意義を悟る青島■
『和久刑事の 同情はしない と突き放した真意とは』



コンビニから湾岸署へ戻ってきた青島は
入口でマスコミとは明らかに違う視線でこちらを見ている男に気付きます

気になった青島は男の写真を撮影し捜査一課に送りますが
何の音沙汰も無いまま 武下純子 の保護終了が告げられます

マスコミ対策として 湾岸署で保護していた 武下純子 の
記者会見を組もうとした矢先
人気アイドルの婚約の一報が入るや「それ所では無い」と言い放ち
記者たちは一斉に 湾岸署を去っていきました

こうして何事も無いまま なし崩し的に「疑惑の愛人」は
早くも世間から 忘れ去られる存在に なるかに思われました

同じ頃 裏付け捜査が一段落した捜査一課では
被害者の兄の足取りが問題視され
湾岸署から送られてきた画像の人物と一致した事で
激務に追われる混沌の中で覚醒したように室井の顔色が変わります

マスコミが去った事ですっかり事件終了モードに入った湾岸署は
警戒も解けており
誰も気付かないまま問題の男が刑事課へ入ってきます

そして無防備なままの 武下純子 の前へ立ちふさがったのは
その問題の男の 被害者女性の兄でした

「お前も死んだ妹の所へ行け」刃物を突きつけてきたことで
ようやく異変に気付いた青島は 男に飛びかかりますが

刑事課が大混乱に陥る混沌の中で 青島は男に刺されてしまいます

柏木雪乃の方に向かう男を牽制し 刺されながらも飛びかかった青島に
ようやく男は取り押さえられます

死を覚悟した青島は「思ったほど痛くないんだ」と
死に際の言葉の様に皆に訴えながら負傷した胸に手を触れると
その手から現れたのは 板の入った「お守り」でした

かつて交番勤務時代に親切にしてあげたおばあちゃんから
お礼で貰ったお守りが奇跡的に青島の盾となって命を救って居たのです

取り調べ室で身の上を語る男は 被害者女性の兄だと明かし
「死んだ妹の仇を打ちたかった」と涙ながらに訴えます

しかし和久は「アンタに同情はしない」と 頑として突き放します

すると 柏木雪乃 が同じ被害者家族として話したいと和久に懇願し
「死んだ人は何をしても戻って来ない」と 男に語りかけます

和久はそんな柏木雪乃の姿から警察官になる覚悟 と 慈悲の心 を見るのでした
■

この場面で 和久が 被害者の兄を 同情はしない と突き放したのは
男の行動が 犯罪行為である事以上に 深い理由があります

死んだ妹の仇を取りたかった という男の行為には
心情 として理解できる部分は あるのかもしれません

しかしこれは行為だけ取り出すと 本質は
自分の勝手な考えに囚われ て物事を見失い殺人に及んだ 犯人 と 同じ論理 であり
世間の 風聞を真に受け て 主犯でも何でもない 武下純子 を襲うだけでは
飽き足らず
怒りに囚われ自分を見失った挙句
何の関係もない 青島や柏木雪乃にまで手を出そうとした男の行動は

何の正当性も無い 誰でも良かった殺人鬼 も同様で
だから 同情はしない と 和久は 突き放した のです

その後 室井管理官の 遅すぎる報告にブチ切れて
電話を切った袴田係長の一件があったあと
男の肩に手を掛けながら取調室を出てくる和久が
「もう復讐なんてバカなことは考えないそうだ」と告げます
その後ろでもらい泣きをしている柏木雪乃の様子からも

男が 妹の死を受け入れて 深く反省した事が伝わってきますので
男を傷害で起訴するのかと 和久も皆も青島の方を じっと見つめます

先程は 同情はしないと言い放ち
急に入室してきた 柏木雪乃には入ってくるんじゃないと
男の起こした行動に 憤慨 して 憤然としていた和久が

態度を軟化 させた理由ですが

それは 柏木雪乃が 今の和久には出来ない様な
人の心に共鳴して訴える姿を通して
ある意味 時代が移り変わり 自分の時代は終わった と感じた事で

まもなく定年を迎える和久が 若者に道を託そうとした
柏木雪乃を認めた証 だったのかもしれません


そんなまとめに入った皆の空気に押された青島は
被害者側救済に力を入れてきた本分を思い出し
自分で怪我をした事にしてその場を収めて

事件としての騒ぎは無かった事になるのでした


そんな一連のやり取りを通して 警察という所が
誰もが 一律裁かれる場ではない 事を見届けた 武下純子 も
それまでの毒気がすっかり抜けた 彼女本来の表情で

「警察の仕事って意外と地味ね」 と
青島たちを 若干ディスる形で感謝の意を告げるのでした


■
今回のエピソードは『踊る』らしからぬ
社会問題を切り口とした警鐘を含んだ内容で物語が進みましたが
最後はまるで大岡裁きの様な 粋な計らいとなり

実に『踊る』らしく幕を閉じるのでした☆

なお、今回の「加害者側・被害者側の視点」というテーマは
後に本作の脚本家 君塚良一 自ら監督を努め2009年に公開された

映画『誰も守ってくれない』 ドラマ『誰も守れない』 へと引き継がれ
加熱する報道の暴走からも 激昂する世間の偏見からも
加害者側・被害者側家族を共に守れない社会構造を異なる観点で描く
一大プロジェクトへと発展して行きます

その原点が 最終回前のこのエピソードで描かれたという
貴重な回となった訳なのでした☆

というわけで今回はこの辺で それでは又次回の更新で




【中古DVD BOX】 ザ・ドリフターズ結成50周年記念 ドリフ大爆笑
価格:26,352円(税込、送料無料) (2026/9/18時点)

■

【中古DVD】誰も守ってくれない スタンダード・エディション
価格:793円(税込、送料別) (2026/9/18時点)

■

【電子書籍】ネット右翼とは何か [ 樋口直人 ]
価格:1,760円 (2026/9/18時点)

■

【書籍】裏ドラマ [ 君塚良一 ]
価格:1,320円(税込、送料無料) (2026/9/18時点)

■

【お弁当箱】 松花堂弁当箱 7.5 松華堂 DX 仕切 黒渕朱 1段
弁当箱 和風 行楽 松華堂弁当箱 松花堂 一段 日本製 黒色 弁当 無地 シンプル 仕切り付き

価格:3,210円(税込、送料別) (2026/9/18時点)



​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026年09月19日 10時06分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[80年代 90年代 発掘解説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

Voyager6434

Voyager6434

サイド自由欄


​ ​​ ​
​ ​​ ​
​ ​​ ​


​​
Xはコチラ​​
​​​ ​​​
​​Voyager6434​​



にほんブログ村 映画ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ



バックナンバー

2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月
2025年12月

カレンダー

コメント新着

Voyager6434 @ Re:2026年 今年もよろしくおねがいします(01/01) お久しぶりです☆ ウチは更新すらやってな…
かめばーちゃん @ Re:2026年 今年もよろしくおねがいします(01/01) 謹んで新年のお慶びを申し上げます ネッ…
Voyager6434 @ Re[1]:2025年 新年あけましておめでとうございます(01/01) かめばーちゃんさんへ 今年も宜しくお願…
かめばーちゃん @ Re:2025年 新年あけましておめでとうございます(01/01) 謹んで新年のお慶び申し上げます。 今年…
Voyager6434 @ Re[1]:2024年 新年あけましておめでとうございます(01/01) かめばーちゃんさんへ 今更ですがw今年…
かめばーちゃん @ Re:2024年 新年あけましておめでとうございます(01/01) あけましておめでとうございます。 『芸…
細魚*hoso-uo* @ Re:『Wikiの写真で一言』第10回「努力義務って義務?」(04/30) こんばんは 田舎の中学生は古よりヘルメ…
Voyager6434 @ Re[1]:ヘタレ絵日記40『下○タ談義』(03/12) 細魚*hoso-uo*さんへ いらっしゃいませ~☆…
細魚*hoso-uo* @ Re:ヘタレ絵日記40『下○タ談義』(03/12) こんばんは あの当時もPTAが アニメで…

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: