受験国語の目安箱

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2005/05/19
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 前回は、漢字も読めるし言葉の意味も大体わかる。でも、文章の内容がよく分からないというときは、文章の全体の組み立てや細部の文脈からどこが大事なのかつかんでいく方法を身につけてもらいたいというお話でした。と、そこまでは与えられた文章をどう読むか、情報をとらえる(インプット)段階の話です。次のステップはどう解答を表現(アウトプット)するかという点での困難や問題について考えてみようと思います。

4 表現レベル

 受験国語で表現レベルの問題というと、記述問題をどう書くかということになります。記述問題の代表的なパタンを拾ってみると

1 書き抜き問題 本文中から答えを書き抜いて答える
2 説明問題   本文中に使われている言葉を使って説明する 
                      (理由説明を含む)
3 条件記述問題  指定語句を使って本文の内容に即して答える
4 要旨・要約問題  本文全体または一部の要旨・要約をまとめる
5 自由記述問題   本文に即して自分の意見や感想をまとめる


【6の作文問題は今回は除外し、本文の読解に基づく記述問題を扱います。】


1~5の記述問題に答えるには次のような3つの段階があると考えられます。

1 設問の意味をとらえ、答えになる部分を本文中からを見つける(読解力)

2 答えになるように見つけてきた部分をつなげる・まとめる(作文力)
  必要があれば、自分の言葉で言い換える・説明する(語彙力)

3 字数制限に合うように削る・つけ足す(作文力)
  設問の答えにあうように「~こと・~から」など文末をととのえる(注意力)
  答案が書きあがったら読み返して確かめる

 1~3の段階を「見つける」「つなげる・まとめる」「ととのえる」と生徒に伝え、どこの段階で引っかかっているのか明らかにし、どうしてできなかったのか問題ごとにチェックし反省するように言います。答えになりそうなところが見つからなかったら、それは読解力の不足ですし、まとめられないのであれば作文力、置き換える言葉がうまく思い浮かばないのであれば語彙力、設問に対して文末のまとめ方がきちんと守れないなら注意力が足りないということです。

 記述問題の答えが白紙答案だったりすると、どこでつっかえたのだろうという思いに駆り立てられます。子どもたちにとって、記述問題は作文のように感じられ、面倒くささが先にたち、なかなか取り組もうとはしてくれません。1~3の段階以前にやる気ゼロの段階も想定する必要があるかもしれませんね。それでも、書き抜き問題までは比較的早い段階で取り組めるようになります。書き抜き問題は答えを「見つける」だけの読解レベルでほぼ解決できるからです。しかし、答えになりそうなところを見つけられるというのはすごいことで、「つなげる」ことができるようになれば、いずれ説明問題までクリアできるようになります。まず読解力のレベルで「見つける」ところまでいけたら道半ば越えたことになります。

 ところが、その次の第2段階が最大の難所で、自由度の高い問題であればある程、自分の言葉に置き換えたり、言い換えたりして説明する言葉がなかなか出てこない。どこをつないだり、まとめたりたりすればいいのか判断に迷う。一人ではなかなか解決のつかないことがらです。子どもには書けそうもない模範解答を書き写させるだけでは授業の値打ちがありません。登場人物の気持ちを自分の言葉で書く問題なら「悲しい、うれしい、怒っているのどれだろうか。」などと一語で気持ちを表す言葉を提示し、素直な言葉で言い表せるよう一緒に探っていくわけです。そして、「どうしてそんな気持ちになったのだろうね。」とたずね、「お父さんが戦死した知らせをきいて、悲しい気持ち」など「状況説明+気持ちを表す言葉」の典型的なまとめ方で答案を書き表してみることができます。



 ご父兄の中には静粛な授業を望まれる方も多いのですが、言葉を紡ぎ出すにはこうした「対話」は欠かせない言語活動です。ときには、子どもがとんでもないことを言い出して脱線することもありますが、たとえ、ペーパーテスト対策の国語であってもこうした「対話」による言語活動は必要なのだとご理解いただきたい。何より考えたことを口にして発表できる雰囲気は大切です。

 さて、もっとも自由度の高い問題・自由記述問題は厄介です。何を書いたらよいかさっぱりわからないということが多い。こうした問題に対応する裏技として解説の詳しい問題集や過去問(一問ごとにしっかりした解説のついたもの)を集めてきて集中的に解答を読んでみるという方法があります。答案に必要な、意味のわからない語句は辞書で意味調べすれば語彙力もつきますし、何よりどんなことを書けばよいか見当もつけられます。表現するということは、何もゼロから始めるのではなくて、既にある型を真似てみればよいのです。真似て書いたものは添削を受けたりすれば作文力もつきます。模範解答は、授業では子どもの言葉で書けるように探っていきますが、自習の場合にはお手本として使えばよいのです。

 余談ですが、奈良で何年も隣人に嫌がらせをしていたおばさんの「引越し!引越し!今すぐ引越し!!」というニュースを見ました。このフレーズは、みにくい苛立ちを表すのに、ちゃんと三三七拍子になっているのですね。表現するというのは既にある型を利用したり真似てみればよいのだなあと変な感想を述べて今回は終わりにします。

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Last updated  2005/06/03 01:39:29 AM
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