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2004.10.29
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ハーバード経済日誌(その一)

「冬」
暗い感謝祭

 ハーバードの学生生活は素晴らしい。おそらく経験しただれもが「もう一度来たい」と思うのではないか、ただしもう一つ付け加えるとしたら「あの冬だけはごめんだけどね」となるかもしれない。確かにボストンの冬は厳しい。その冬の厳しさと、勉強の厳しさが重なって精神的に参ることもある。ルービン米財務長官(当時)が九六年冬、ハーバードに講演に来たときも「ここに来ると学生時代の冬の重苦しさ、特に11月末のサンクスギビング(感謝祭)の時のペーパーの締め切りに追われた、ずっしりとした暗い気持ちを思い出すよ」と言って、学生たちを笑わせた。それほどハーバードの冬は学生にとって寒さと勉強の忙しさが身にこたえる。
そういう暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるのが、友人のジョークだ。感謝祭の休暇が終わり、私が宿題や期末試験の準備に忙殺されカフェテラスで落ち込んで(少なくとも周りからはそう見えたらしい)いると、国連から一年間ハーバード大学に勉強に来ているシンガポールのクラスメートがやって来て、「元気を出せよ」とばかりにとっておきのジョークを披露してくれた。以下、そのジョークを紹介する。

(ジョーク1)
 ハーバードでも非常に有名なX教授がいて、学生たちは皆、その名物教授の授業を受けたがる。ところがそのX教授は気難しいのが難点で、ちょっとでも宿題を忘れていたり、予習を十分にやっていない学生がいると、授業を打ちきりにするという評判だ。学生たちはX教授にその素晴らしい授業をちゃんとやってもらえるか気が気でない。X教授の授業の初日、もちろん学生たちは大量の宿題や予習を授業の前までに必死に終わらせていた。
 張りつめた雰囲気の中、X教授が教室に入ってきた。X教授はいきなり学生に聞いた。
 「皆、今日の授業のための予習をちゃんとやってきたかな?」

 「すると今日授業でやることはクラスの全員が理解したと考えてよろしいかな?」とX教授。
 「そうです。ちゃんと予習をやっていますのでクラスの全員が理解しています」と学生たちは声をそろえて答えた。
 それを聞いたX教授は「では私が教える必要はない」と言ってさっさと教室から出て行ってしまった。
二日後、再びX教授の授業の日がやってきた。気難しいX教授が教室に入って来るや、学生たちに緊張が走った。案の定、X教授は「皆ちゃんと予習をやって理解したかな?」と聞いてきた。
 前回、皆が理解したと答えてしまったため授業を受けられなかった学生たちは今度は「いいえ教授、予習はしましたが、よく理解できませんでした」と答えた。
それを聞いたX教授は急に不機嫌になり「予習をしても分からないようなら、君たちには私の授業を受ける資格がない」と言って、怒って教室を出て行ってしまった。
 三回目の授業の日がやってきた。X教授は同じ質問をした。何とかX教授に授業をしてもらいたい学生たちは策略を巡らし、クラスの半分が理解したが、残りの半分は理解できなかったと答えた。
 するとX教授は次のように言い残して教室を出て行った。
 「ではクラスの半分が残りの半分に教えるように」

(ジョーク2)
試験前の最後の授業。学生たちは何とか試験の傾向をつかまえようと目が血走り、Y教授の言うことを一言一句漏らすまいと意気込んでいた。そこへ意地の悪いY教授がニコニコしながらやって来て、みんなにこう告げた。

 Y教授はここで一呼吸置いて続けた。
 「悪い話とは、みなさんには悪いが今まで教えたことの半分は間違いだったことだ」
 驚き、ざわめき立つ学生を後目にY教授はさらに続けた。
 「もっと悪いことに、どの半分が間違っているか分からないのだ。では、試験での健闘を祈る」





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最終更新日  2004.11.21 12:05:40
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