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2005.06.29
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カテゴリ: 米外交史
▼反逆
 これら以外にもCIA内部の暴走を臭わせる出来事は、数多くある。たとえば、ピッグス湾事件後、CIAへの不信感からケネディ大統領が、国防省、国務省、CIAの反カストロ計画(暗号名・マングース)を調整するために設置した特別グループの中でも、マングースを担当するCIAの「タスク・フォース・W」は、自ら手掛けているマフィアを使ったカストロ暗殺計画については何の報告もしていない。63年3月、反カストロ分子がハバナのソ連船を攻撃した際、CIAはケネディ政権の意志に反して、この攻撃を支援したことが分かっている。

 CIAが認め、公にしている作戦だけで、これだけCIAが暴走していく過程がうかがえるのだ。当然、今でも極秘事項となっている作戦(メモ30参照)もあるわけで、そういう作戦では、CIAがどこまで反逆・暴走したか、想像することもできない。

 CIAに対するチェックが効かない、こうした仕組みの中では、CIAは独自の判断の下で現政権とは異なる政策を実行できる。

話を60年のニクソンによる密約に戻してみよう。この密約に沿ったニクソン大統領の命令が、ケネディ政権になっても、そのまま有効だったことは明白だ。しかも、その時の手段と目的は、新政権とは独立して、新政権の承認を得ないまま、かってに動き出す。ピッグス湾事件で、CIAはニクソン前副大統領の密約に沿って、ケネディの知らないところで、反カストロ分子左派をフロリダで監禁、コーリー政権誕生の手助けをしようとしたことが、その例だ(メモ31参照)。

 これは、実質的に60年のニクソンの命令が、そのまま一人歩きし、ケネディの命令を超越して存在していたことにならないか。つまり、新政権に止めろと言われない限り、CIAは前政権の命令を遂行し続けるわけだ。だが、前政権の作戦を新政権に報告しなければ、新政権の政策担当者は、どうやって知らされていない作戦の中止を命令できるのか。
(続く)

(メモ30=公表されない極秘の作戦)
 1969年にCIAを辞めたヴィクター・マルチェッティによると、CIAは自分の悪行がもはや隠し通せないと知ると、真実のほんの一部だけを公表して、国民やマスコミの関心をそちらに引きつけ、CIAに致命傷を与えるような情報を隠すリミテッド・ハングアウト(制限された悪の巣窟)という戦略をよくとるのだという。一種の陽動作戦ともいえるもので、もし、この作戦をカストロ暗殺計画に当てはめると、CIAが、マフィアを使った暗殺計画や「タスク・フォース・W」を公に認めたのは、CIAに決定的打撃を与えるような別の暗殺計画を隠すためだったとも解釈できる。事実、CIAが公表したカストロ暗殺計画には、反カストロ活動ではCIAの第一人者といえるハワード・ハントの名前が主要人物として出てこないのをはじめ、メモ37で述べるオペレーション40という亡命キューバ人を使った暗殺集団の記述もまったくない。公表されていない極秘の作戦が存在したという疑いの根拠はここにある。


 反カストロ分子がキューバ侵攻をする際、CIAはキューバ国民に評判が良くなかったバティスタ前政権色を薄めるために、左派系反カストロ分子を入れるよう画策していた。しかし、これは右派系反カストロ分子にとっても、当時のニクソン副大統領にとっても、好ましいことではなかった。そこで、1960年の密約ではキューバ上陸が成功した場合には、直ちに左派系分子のリーダーを抹殺することが決まったのだ。このことはコーリー親子が認めていることは先に述べたが、後にケネディにピッグス湾事件の失敗の責任を取らされて解任されたCIAのチャールズ・カベル副長官も知っていたと、CIA工作員、ロバート・マローは証言している。以下にマローらの話をまとめた。
 コーリーから密約を知らされてから間もなく、マローがCIAのマロー担当部員、トレイシー・バーンズに、カベル副長官がいる前で、密約が本当かどうか質したところ、彼らはそれを認めた。
 年が変わって61年、ピッグス湾事件の直前、左派系のキューバ革命前線がキューバ侵攻に参加することが決まった。コーリーは、息子に部下のぺぺ・ピネロ大佐と後にCIAの情報員になったサンチェス・モスケラ大佐に連絡を取り、左派系の参加についてはこちらで処分するので心配する必要がない旨伝えるよう電話している。
 マローはキューバへの侵攻が始まった61年4月17日、バーンズからミロ・カルドーナらキューバ革命前線のリーダーが、CIAの手でフロリダ州のオパ・ロッカで監禁されているとの報告を受けた。バーンズは「侵攻作戦に参加している二人を除いて、カルドーナとその仲間はここCIAの基地で武装したガードに監視されながら監禁された。馬鹿なやつらだ。キューバ侵攻が成功すれば、自分たちがどうなるかも知らないで!もし、知っていたら、フィデル・カストロの愛すべき腕から離れることはなかっただろうに」とマローに話した。マローはこれを彼らが抹殺されるのだと理解する。
 2日後の4月19日、監禁されていたキューバ革命前線の一人、トニー・ヴェローナが監視の隙を見つけて、トイレの窓を破って脱走。すぐにホワイトハウスに、怒りに震えながら電話した。ケネディはアーサー・シュレジンジャー・ジュニアらを派遣、監禁されていたキューバ人から事情を聴いた。しかし、彼らも何故監禁されたのか分からなかったので、この時点でもケネディは60年のニクソンらの密約に気付かなかった、という。
 結局、ケネディが第二次空爆を認めなかったこともあり、ピッグス湾事件は大失敗に終わるが、この失敗のお陰で、キューバ革命前線のリーダーたちは殺されずにすんだわけだ。
 ケネディは翌20日、今後のキューバ問題のアドバイスを受けるため、ニクソンをホワイトハウスに呼んだ。ケネディは上陸作戦に関係したキューバ人が作戦で肉親や友人をなくし非常に怒っているとニクソンに伝えた上で、ニクソンの目の前で見境もなく、CIAの作戦担当者の実名を挙げ、なじり、ののしった。勝ち誇ったようなニクソンと失意のどん底にあるケネディ。元々はニクソンとCIAの計画でもあるキューバ侵攻が失敗し、しかもその失敗の一因には、ニクソンの密約を含め旧政権と新政権の間に完全な意志の疎通や引き継ぎがなかったことが関係していることを考えると、何とも皮肉な組み合わせだ。





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最終更新日  2005.06.29 10:57:13
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