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出雲族と大和族の話（パート２）

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2006.03.16

▼富山の正力３

ではそのときの正力の役割はどうであったか。
正力の幾多の伝記を読むと、積極的にデマを打ち消したように描かれているものが多い。しかし世に出ている正力伝は、美談や武勇伝ばかりを羅列した歯の浮くようなものがほとんど。その中で佐野眞一の書いた『巨怪伝　正力松太郎と影武者たちの一世紀』だけは異彩を放っている。

佐野が東京朝日新聞営業局長の証言として紹介したところによると、正力はデマを打ち消したのではなく、むしろ新聞記者に対して朝鮮人が謀反を起こしている噂があるから気をつけるよう、行く先々で触れ回るよう働きかけていたというのだ。もちろん、朝鮮人が謀反を起こそうとしているなどという話は悪意に満ちたデマであった。

正力が震災後の混乱に乗じて、やっかいな朝鮮人や中国人、社会主義運動家を意図的に根絶やしにしようとしたのかどうかはわからない。だが民衆の怒りの捌け口を朝鮮人や社会主義運動家に向けさせ、虐殺を黙殺したのではないかとの疑いは消えない。

その正力の冷酷で黙殺的な態度は、大杉栄虐殺事件でも顕著に見受けられるのである。
（続く）

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最終更新日 2006.03.16 09:10:37
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■コメント

Re:新聞記者の日常と憂鬱４５(03/16)

ほわいとさん

白山菊理姫さん、こんにちは。

つくづく、権力者と非力な者の違いを感じさせられます。誤った判断を実行に移す者、その結果、犠牲になられた方々。歴史はどのように語るのでしょうか。 (2006.03.16 10:43:12)

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Re[1]:新聞記者の日常と憂鬱４５(03/16)

白山菊理姫

ほわいとさん

＞つくづく、権力者と非力な者の違いを感じさせられます。誤った判断を実行に移す者、その結果、犠牲になられた方々。歴史はどのように語るのでしょうか。

メディアは弱者の視点から権力者を糾弾しなければなりませんね。そうでないと権力者の暴走を許すことになります。

歴史に関して言えば、日本人は嫌なことには触れなかったり、見て見ぬ振りをしたりする傾向が強いようです。もっと歴史と向き合わないといけませんね。耳に心地よいことばかり並べても、そこには進歩などありません。自民党の右翼はすぐ自虐史観だとか言って、暗い過去に触れることを嫌がるようですが、巷の正力の自伝のように美談ばかり並べていては、何も学べることはないと思います。過去の過ちにこそ、教訓があるはずです。 (2006.03.16 23:27:38)

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