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2015.04.12
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カテゴリ: 歴史箱
これまで見てきたように、日向族系の神武と出雲族系のイスズヒメの政略結婚によって成立した統一王朝の王統には、他の多くの王統が集められたかのように記紀では意図的に記述されています。現実もそれに近かったのだと思いますが、かなり端折っているのは既に説明した通りです。

神武の正妃イスズヒメの父親が「三輪の大物主」(ニギハヤヒ、コモリ)であるとしてみたり、事代主(クシヒコ、ツミハ)としてみたりしたのがいい例ですね。「大物主」「事代主」のどちらが正解というわけではなく、ニギハヤヒ、オオナムヂ、ナガスネヒコの系図を2、3世代以上省略しているからこのような表現で誤魔化したと解釈できます。つまり、細かい系図では違っていても、大まかに見ると「どちらも正解」と言い訳できるように書いているわけです。

しかし中には、わざと誤解させるような表現を使った例もあります。オオクメの娘で神武の側室となったイスキユリヒメが正妃イスズヒメであるかのように描かれているケースですね。ここにも何か深い理由がありそうです。考えられるシナリオは二つあります。

一つは正妃イスズヒメになかなか子供が生まれなかったので、臣下のオオクメが自分の娘であるイスキユリヒメを側室として差出し、あわよくばそこで生まれた子を王位継承者に仕立てようとしたのではないか、という疑いです。このプロットだと、なぜ『古事記』ではイスズヒメがイスキユリヒメにすり替わるのかが説明つくんですね。例えば、イスキユリヒメと神武の間に生まれた子をイスズヒメの養子にして、イスズヒメの子であるとしてしまった可能性はあります。既に指摘したように、養子縁組は結構多かったんです。

もう一つの可能性としては、イスキユリヒメがその後どうなったのかという点と深くかかわってきます。というのも、『ホツマツタヱ』や『古事記』を読むと、父・神武の側室イスキユリヒメにタギシミミが横恋慕。神武の死後、タギシミミがイスキユリヒメを妻にしたことから「タギシミミの反逆」が起きたかのような記述になっているからです。正統竹内家の口伝でも、タギシミミは殺されておらず、逃げ延びたことになっているといいます。それから推測すると、タギシミミは父の側室であったイスキユリヒメといずこかへと駆け落ちしたのではないか、という恋物語が生まれそうですね。そうであったならば、「反逆者」と駆け落ちしたイスキユリヒメを消すために、イスズヒメと同じ人物に描いたのではないかとも推測することができます。

こうした記紀編纂者の「ごまかし」の中で、かなり割愛されたナガスネヒコ一族の系図についても触れておきましょう。

そのことに関連して実は、ナガスネヒコは兄弟であったという正統竹内家の口伝もあるそうです。
戦闘で亡くなったのはナガスネヒコの弟で、兄は東北地方に逃げたことになっているといいます。これがのちの蝦夷につながるわけですね。偽書扱いされている古史古伝『東日流外三郡史(つがるそとさんぐんし)』では、ナガスネヒコは兄弟で東北に逃れたことになっています。いずれにしても、ナガスネヒコの残党は東北に逃げたので、タギシミミがイセツヒコ(キリスト)に東北征伐を命じたという話も現実味があるわけです。

巧みに隠されていますが、兄弟で明暗が分かれた王統もあります。記紀で紹介されているエシキ(兄磯城)とオトシキ(弟磯城)です。罠を仕掛けて神武を殺そうとした兄のエシキに対し、弟のオトシキはそれを神武側に密告。それにより、エシキは自ら自分の罠にはまって死んだことになっています。オトシキはその功績を認められ、磯城(シキ)の国造となり、黒速と名乗り、その娘は綏靖天皇の正妃・カワマタヒメで、安寧天皇の母となったとの伝承もあるようです。確かに『古事記』では、磯城の県主(アガタヌシ)の祖先であるカハマタビメと綏靖の子が安寧であるとしています。当時磯城を支配していたのは軍功を立てたオトシキでしょうから、かなり可能性が高いように思われます。ちなみに『日本書紀』では安寧天王の母親はコトシロヌシ(ツミハ)の次女イスズヨリヒメということになっています。系図をどうしても隠せなくなったときには、イスキユリヒメとかイスズヨリヒメが「隠し玉」として登場することになっていたのかもしれませんね。



『古事記』では神武の長男とされているヒコヤイも、実は同書で神武の二男とされるカムヤイミミの子であるとの説もあります。天火明のときもそうでしたが、三人の王子が出て来たときは、要注意です。特にその後、三人目の活躍が記されていない時は、記紀編纂者が系図を改ざんするために仕組んだ罠であることが多いからです。

こうして「神々(神話)の時代」がようやく終わり、神武以降の「伝説の時代」が始まるわけです。
(後編に続く)





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最終更新日  2015.04.12 14:18:31
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