1go1exさんに券をお世話いただいて文楽を観にいってきました。初めてです。国立文楽劇場。
第二部の「生写朝顔話」。初対面で恋に落ちた男女(阿曾次郎・深雪)がすれ違いを重ね、深雪は苦労の果てに失明しますが、最後に二人は結ばれる(今日は、最後までは演じられず、深雪の目が開くところまででした)、というお話。
前から九列目で結構いい席で、人形の細かい表情なども見えました。
舞台の上のほうにセリフが字幕で出ます。
上手の方では太夫と三味線。
人形を見て、字幕を見て、太夫と三味線を見て・・と中々首の疲れる観劇でしたが、初めてだったからでしょうか、驚いたり感心したりする事ばかりでした。
阿曾次郎(この時は駒沢次郎左衛門)に痺れ薬を飲ませて殺そうとするたくらみを見破った宿屋の主人の機転で痺れ薬は笑い薬にすりかえられます。そうとは知らぬ悪者ども。痺れ薬の解毒剤を飲んで疑われた時のために備えますが、薬はすりかえられています。効くわけもなく、薬のせいで大笑い。
ここは、人間国宝・竹本住太夫さんの笑いが秀逸。様々な笑いを演じ分ける住太夫さんに感服いたしました。
阿曾次郎を追って宿を飛び出し、大井川まできた深雪ですが、阿曾次郎が渡ってしまった後は河止めとなり、渡ることは叶いません。歎き悲しみ、死のうと思いつめる深雪。この深雪の心の動きを見事に伝える人形捌きが吉田蓑助さん。よく、「生きているようだ」などと言いますが、本当にその言葉には嘘がないという事を実感しました。
太夫さんの語りは複数の人物たちを語り分けます。ここいら辺は落語と同じ。どうりで、噺の中に時々浄瑠璃が出てくるわけです。
今日も一つ発見がありました。「大井川の段」「追ふて往く 名に高き街道一の大井川、篠を乱して降る雨に、打ち交じりたるはたたがみ、漲り落つる水音は物凄くもまたすさまじき」
と言う部分は、米朝師匠演ずるところの「軒付け」で聞いたことがあるセリフです。
次回は11月。楽しみです。
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